JP3159189B2 - 液晶表示装置、液晶表示装置の製造方法及び液晶表示装置の駆動方法 - Google Patents

液晶表示装置、液晶表示装置の製造方法及び液晶表示装置の駆動方法

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JP3159189B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置及び
液晶表示装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来広く使用されているねじれネマティ
ック(twisted nematic ; 以下“TN”と略記する)型
の液晶表示装置においては、電圧非印加時の液晶分子が
基板表面に平行になっている「白」表示状態から、印加
電圧に応じて液晶分子が電界方向に配向ベクトルの向き
を変化させていくことにより、「白」表示状態から次第
に「黒」表示となる。
【0003】しかし、この電圧印加の液晶分子の特有の
挙動により、TN型液晶表示装置の視野角が狭いという
問題がある。この視野角が狭いという問題は、中間調表
示における液晶分子の立ち上がり方向において特に著し
い。このようなTN型液晶表示装置の視角特性を改善す
る方法として、例えば特開平6−43461号公報に開
示されている。
【0004】この従来技術(以下従来例1と言う)を図
6に基づいて説明する。従来例1では、開口部(空き部
分)34を有する共通電極(第1の電極)32を使用す
ることにより、各画素内に不均一電界を発生させ、これ
により各画素を2個以上の液晶ドメインとし、TNの視
角特性を改善している。すなわち、開口部34があるた
め、当該第1の電極22,32間に電圧を印加した際に
生じる不均一電界のため、液晶分子11が異なる方向か
ら立ち上がることとなり、これにより視角特性が改善さ
れる。
【0005】図6に於いて、21,31は配向膜であ
り、23,33は基板である。他方、図7に示したよう
な、特開平10−20323号公報に開示された技術
(以下、従来例2と言う)も知られている。即ち、従来
例2においては、一方の基板23上の適宜の位置に開口
部24を有する第1の電極22があり、当該開口部24
に第2の電極25を設けている。
【0006】当該開口部24を有する電極22と対向す
る他方の基板33に於ける第1の電極32間に印加され
る電圧以上の電圧を第2の電極25と当該第2の電極2
5と対向する電極32間に印加することにより、液晶分
子11の立ち上がり方向を制御し、例えば図2に示すよ
うにツイスト方向、立ち上り方向の異なる4つの領域A
〜Dを1画素の内に共存させることにより、広視野角の
液晶表示装置を得ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、前記した
従来例1においては、図7に示す様に、通常のTN型の
液晶表示装置の作製工程では必要とされない、共通電極
32についてのフォトレジスト工程等の微細加工工程、
が必要となると共に、上下基板23,33の高度な張り
合わせ技術が必要となるという問題がある。
【0008】すなわち、通常のTFT等のアクティブマ
トリックス液晶表示装置では、一方のガラス基板上に薄
膜ダイオード等のアクティブ素子を作製するため、フォ
トレジスト工程等の微細加工工程が必要とされるのは、
アクティブ素子を作製する片側の基板のみであり、通常
「共通電極」と呼ばれる他の基板においては微細加工を
施す必要はなく、全面に電極が形成されているのみであ
る。
【0009】従って、前記従来例1においては、従来微
細加工が必要とされていなかった、共通電極、について
もフォトレジスト工程等の微細加工工程が必要とされ、
工程が増加すると共に、上下基板23,33の高度な張
り合わせ技術が必要とされるという問題点がある。又、
従来例1では、図7に示すように、開口部34の部分に
電極がないため、電極32に電圧を印加した場合におい
ても、この部分には十分な電界がかからない為ず、液晶
が印加電圧に対して十分に応答しないという問題点があ
る。また、配向膜の種類によっては、液晶と配向膜の相
互作用が強いものがあり、それが妨げとなり液晶が印加
電圧に対して十分に応答しないという問題がおきる。
【0010】特に、通常の液晶表示装置においては電圧
非印加時に「白」表示となるため、このような不十分な
応答のために十分な「黒」表示が得られず、コントラス
トが低下するという問題があった。一方、従来例2にお
いてはフォトレジスト工程などの複雑な微細加工工程を
用いることなく簡易な方法で視角特性の優れた液晶表示
装置を得ることができる。
【0011】しかしながら本発明者等の研究の結果、従
来例2の液晶表示装置では配向膜21,31の種類によ
ってはツイスト方向、立ち上り方向の異なる4つの領域
が必ずしも均等に発生せず、図9に示すように第2の電
極で区切られたあるひとつの微小領域A、B、C、D内
にツイスト方向が異なる2つの領域、例えばC1、C2
又はD1、D2等が混在してしまうことが明らかになっ
た。
【0012】図9中の41はツイスト方向と異なるふた
つの領域の境界部である(この境界部41が第2の電極
上にあるのが望ましい)。このようにツイスト方向の異
なる2つの領域の境界部41が微小領域内にはみ出して
いる状態は、画像を表示させたときに見るものに、ざら
つき感を与え、表示品質の低下を招いてしまう。一方、
特開平8−114806号公報には、配向膜の表面エネ
ルギーの極性成分が20dyn/cm以下にする技術が
開示されているが、係る公知例は、当該配向膜を形成す
る際のラビング工程に於いて当該配向膜が破損するのを
防止する為に表面エネルギーを20dyn/cm以下に
する事が開示されているのみで、当該液晶の捩じれ、或
いは立ち上がりを効果的に実行する為に配向膜の表面エ
ネルギー変化させる事に関しては開示が無い。
【0013】又、特開平9−318960号公報或いは
特許第2565639号公報等には一つの画素を複数の
領域に分割する方法が開示されているが、液晶の捩じ
れ、或いは立ち上がりを効果的に実行する為に配向膜の
表面エネルギー変化させる事に関しては開示が無い。更
に特開平8−297211号公報には、視野角改良の為
に配向膜に複数の屈折率の異なる組成物の膜を積層して
使用する事が記載されてはいるが、液晶の捩じれ、或い
は立ち上がりを効果的に実行する為に配向膜の表面エネ
ルギー変化させる事に関しては開示が無い。
【0014】従って、本発明の目的は、上記した従来技
術の欠点を改良し、階調反転が存在しないとともに黒表
示時の白浮きが生じない広視野角で、かつ高コントラス
トの液晶表示装置を提供することであり、又上記液晶表
示装置を簡易な方法で製造することができる液晶表示装
置の製造方法で、特に視角特性の優れた液晶表示装置を
容易に製造することができる方法を提供することにあ
る。
【0015】又、本発明に於ける別の目的としては、上
記の目的とする液晶表示装置の特性を遺憾なく十分に発
揮させ得る液晶表示装置の駆動方法を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した目的を
達成するため、以下に記載されたような技術構成を採用
するものである。即ち、本発明に係る第1の態様として
は、第1の電極が設けられている2枚の基板間に液晶層
が挟持され、当該各基板の当該液晶層と対向する面に配
向膜が設けられている液晶表示装置において、当該配向
膜の表面エネルギーの値が0.51N/m以下に設定さ
れていると共に、各画素に於ける各微小領域の境界線部
に沿って、少なくとも一方の基板に第2の電極が配置せ
しめられている液晶表示装置であり、又本発明に係る第
2の態様としては、一対の互いに対向して設けられてい
る基板に於ける、互いに対向する当該基板の表面に第1
の電極を設けると共に、当該第1の電極の表面に、表面
エネルギーの値が0.51N/m以下である配向膜を設
、更に各画素に於ける各微小領域の境界線部に沿っ
て、少なくとも一方の基板に第2の電極を配置し、当該
対向する基板の間隙部に液晶を注入する液晶表示装置の
製造方法である。
【0017】更に、本発明に係る第3の態様としては、
2枚の基板上のそれぞれの表面に第1の電極層を介して
表面エネルギーの値が0.5N/m以下の配向膜が形成
されており、少なくとも一方の基板上に設けられた当該
第1の電極層の少なくとも一部に開口部が設けられ、当
該開口部の位置に第2の電極が設けられた液晶表示装置
の駆動方法において、当該開口部を有する当該第1の電
極と対向する他方の基板に於ける第1の電極間に印加さ
れる電圧以上の電圧を、当該第2の電極と当該第2の電
極と対向する第1の電極間に印加する液晶表示装置の駆
動方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に係る当該液晶表示装置及
びその製造方法は、上記した様な技術構成を採用してい
るので、開口部を有する電極と対向する電極間に印加さ
れる電圧以上の電圧を第2の電極と対向する電極間に印
加するような装置として駆動することができ、階調反転
が存在しないと共に「黒」表示時の白浮きが生じない広
視野角で、かつ高コントラストの液晶表示装置を得る事
が可能となる。
【0019】さらに、本発明は、液晶表示装置を製造す
るときに、両基板上に表面エネルギーの値が0.5N/
m以下の配向膜が形成された液晶表示装置用の空パネル
に液晶を注入し、その後、前記開口部を有する電極と対
向する電極間に印加される電圧以上の電圧を前記第二の
電極と対向する電極間に印加した状態で、液晶の等方相
−液晶層転移温度以上の温度から等方相−液晶層転移温
度以下の温度まで、冷却する製造方法であるので、複雑
な製造工程を経ることなく、簡易な方法で、しかも視角
特性の優れた液晶表示装置を得ることができる。
【0020】
【実施例】以下に、本発明に係る液晶表示装置及び液晶
表示装置の製造方法の具体例を図面を参照しながら詳細
に説明する。図1は、本発明に係る液晶表示装置10の
一具体例の構成の概略を説明した断面図であり、図中、
第1の電極22、33が設けられている2枚の基板2
3、33間に液晶層20が挟持され、当該各基板23、
33の当該液晶層20と対向する面に配向膜21、31
が設けられている液晶表示装置10において、当該配向
膜21、31の表面エネルギーの値が0.51N/m以
下に設定されている液晶表示装置10が示されている。
【0021】本発明に於ける当該配向膜21、31は、
従来一般的に使用されていた配向膜よりも相対的に表面
エネルギーが低くなっているものであり、当該表面エネ
ルギーは好ましくは0.50N/m以下であり、更に好
ましくは0.49N/m以下である。又、本発明に於け
る当該液晶表示装置10に於ける各画素を構成する当該
液晶表示装置のそれぞれに於いて、各単位液晶層20は
少なくとも2個の微小領域に区画されている事が望まし
い。
【0022】つまり、図2〜図6に示す様に、当該各画
素を構成する個々の液晶表示装置10は少なくとも2つ
の微小領域に分割されており、より望ましくは、4個の
微小領域A〜Dに区画されているものである。尚、本発
明に於いては当該微小領域は8個の区画に分割されてい
ても良いが、製造工程が複雑になる関係から、4個に止
めておく方が望ましい。
【0023】本発明に於ける当該各画素に於ける微小領
域A〜Dのそれぞれは、当該それぞれの微小領域A〜D
に含まれる液晶層20に於ける液晶の配向ベクトルのね
じれ方向が同一であって、液晶分子の立ち上がり方向が
互いに異なる様に構成されているもので有ってもよく、
又、当該各画素に於ける当該微小領域のそれぞれは、当
該それぞれの微小領域に含まれる液晶層に於ける液晶の
配向ベクトルのねじれ方向と液晶分子の立ち上がり方向
が互いに異なる様に構成されているもので有っても良
い。
【0024】一方、本発明に於ける液晶表示装置10に
於いては、当該各画素に於ける当該各微小領域A〜Dの
境界線部X1、X2、或いはYに沿って、少なくとも一
方の基板に第2の電極25が配置せしめられている事が
望ましい。本発明に於いて、当該第2の電極25は、図
2又は図3に示す様に、各画素の対角線X1、X2上に
設けられているもので有っても良く、又図4乃至図6に
示す様に、当該第2の電極25が各画素に対して斜め境
界線部であるX1、X2の他に各画素の長辺に平行な部
分Yを含んでいるもので有っても良い。
【0025】又、本発明に於いては、当該第2の電極2
5は、当該第1の電極22若しくは32の一方の上部で
且つ当該液晶層20と対向する側に、適宜の絶縁膜(図
示せず)を介して配列せしめられているもので有っても
良く、又、少なくとも一方の基板に形成された当該第1
の電極25の一部に適宜のパターン、例えば図2〜図6
に示す様な境界線部X、Y等に沿って設けられた間隙部
24内に挿入配列せしめられているもので有っても良
い。
【0026】又、本発明に係る液晶表示装置の製造方法
としては、上記した様に、基本的には、一対の互いに対
向して設けられている基板に於ける互いに対向する当該
基板の表面に第1の電極を設けると共に、当該第1の電
極の表面に、表面エネルギーの値が0.51N/m以下
である配向膜を設け、当該対向する基板の間隙部に液晶
を注入する様に構成された液晶表示装置の製造方法であ
って、好ましくは、当該配向膜の表面エネルギーの値が
0.50N/m以下であり、より好ましい条件として
は、当該配向膜の表面エネルギーの値が0.49N/m
以下である。
【0027】本発明に係る当該液晶表示装置の製造方法
のより詳細な具体例としては、第1の電極が表面に形成
された2枚の基板のそれぞれの当該第1の電極の一部に
間隙部を設け、当該間隙部内に第2の電極を配置せし
め、表面に表面エネルギーの値が0.51N/m以下で
ある配向膜を形成した後、当該配向膜が互いに対向する
様に当該基板を近接して互いに配置せしめ、当該基板間
に形成された空隙部に液晶を注入し、その後、当該対向
する第1の電極間に印加される電圧以上の電圧を当該第
2の電極と対向する電極間に印加した状態で、液晶の等
方相−液晶層転移温度以上の温度から等方相−液晶層転
移温度以下の温度まで、冷却する様に構成された液晶表
示装置の製造方法であり、又他の構成としては、第1の
電極が表面に形成された2枚の基板のそれぞれの当該第
1の電極の上部で且つ当該液晶層と対向する側に、適宜
の絶縁膜を介して第2の電極を配列せしめた後、当該第
1と第2の電極の表面に表面エネルギーの値が0.51
N/m以下である配向膜を形成した後、当該配向膜が互
いに対向する様に当該基板を近接して互いに配置せし
め、当該基板間に形成された空隙部に液晶を注入し、そ
の後、当該対向する第1の電極間に印加される電圧以上
の電圧を当該第2の電極と対向する電極間に印加した状
態で、液晶の等方相−液晶層転移温度以上の温度から等
方相−液晶層転移温度以下の温度まで、冷却する様に構
成された液晶表示装置の製造方法である。
【0028】本発明に於いては、当該液晶がモノマーま
たはオリゴマを含み、当該液晶を基板間に注入した後
に、当該モノマー、オリゴマを液晶中で高分子化する様
に処理し、更には、当該液晶の等方相−液晶層転移温度
以上の温度から等方相−液晶層転移温度以下の温度ま
で、冷却する様にする事が望ましい。又、本発明に於い
ては、当該各画素内に当該液晶の配向ベクトルのねじれ
方向と液晶分子の立ち上がり方向の異なる4種の領域を
共存させる様に構成することも望ましい。
【0029】一方、本発明に於いては、当該第2の電極
25を各画素の対角線上に設ける様に設計する事も可能
であり更には、当該第2の電極の少なくとも一部を各画
素の長辺に平行な部分を有する様に設けることも可能で
ある。本発明に係る当該液晶表示装置の駆動方法の一具
体例としては、例えば、2枚の基板上のそれぞれの表面
に第1の電極層を介して表面エネルギーの値が0.5N
/m以下の配向膜が形成されており、少なくとも一方の
基板上に設けられた当該第1の電極層の少なくとも一部
に開口部が設けられ、当該開口部の位置に第2の電極が
設けられた液晶表示装置の駆動方法において、当該開口
部を有する当該第1の電極と対向する他方の基板に於け
る第1の電極間に印加される電圧以上の電圧を、当該第
2の電極と当該第2の電極と対向する第1の電極間に印
加する様に構成されたものである。
【0030】又、本発明に係る当該液晶表示装置の駆動
方法の他の具体例としては、2枚の基板上のそれぞれの
表面に第1の電極層を介して表面エネルギーの値が0.
5N/m以下の配向膜が形成されており、且つ当該基板
の少なくとも一方に於ける当該第1の電極の表面で、当
該配向膜が形成されて側に、適宜の絶縁膜を介して所定
のパターンを有する第2の電極を配列せしめた液晶表示
装置の駆動方法において、当該対向する当該第1の電極
間に印加される電圧以上の電圧を、当該第2の電極と当
該第2の電極と対向する第1の電極間に印加する液晶表
示装置の駆動方法である。
【0031】以下に本発明に係る液晶表示装置10の具
体例をより詳細に説明する。即ち、図1に示す様に、本
発明に係る液晶表示装置10は、それぞれ第1の電極2
2,32を有する2枚の基板23,33があり、この上
に表面エネルギーの値が0.51N/m以下の配向膜2
1、31が形成され、基板23,33の間に、液晶分子
11からなる層が挾持されている。
【0032】そして一方の基板23の第1の電極22に
開口部24が設けられており、さらに当該開口部内に第
2の電極25が設けられており、当該第1の電極22と
第2の電極25には、異なる電圧がかけられるようにな
っている。なお、実際の液晶表示装置10においては、
セルの両側にさらに偏光フィルムが設けられているが、
図1においては省略してある。
【0033】当該液晶表示装置10に対して、電圧非印
加時に基板23,33に平行に配列していた液晶分子1
1は、対向電極である第1の電極32と第1の電極22
との間に電圧が印加されることにより、電界方向にその
向きを変える。これにより液晶表示装置の光透過量が変
化する。本発明の液晶表示装置10は、前記したとお
り、通常の第1の電極22に開口部24が設けられ、こ
の開口部24の位置にさらに第2の電極25が設けら
れ、基板23,33上および開口部24上に表面エネル
ギーの値が0.51N/m以下、好ましくは、0.50
N/mより好ましくは0.49N/mの配向膜31、2
1が形成されている。
【0034】以下、第2の電極25の効果と配向膜の表
面エネルギーの上限を設けることの効果について説明す
る。まず第2の電極25の効果から述べる。当該開口部
24および第2の電極25が設けられていない通常の液
晶表示装置では、この通常の液晶表示装置における液晶
分子の立ち上がり方向は、例えば配向膜とラビング方向
により決定されるプレティルト角により決定される。
【0035】これに対して、本発明の液晶表示装置10
においては、第1の電極22のほかに第2の電極25が
存在するため、例えば第1の電極22と第1の電極32
に印加される電圧より大きな電圧を第2の電極25と第
1の電極32の間に印加することにより、液晶層内に不
均一電界が発生する。そのため、例えば液晶分子11
は、1画素内において、図1に示すような2方向に立ち
上がることになる。
【0036】不均一電界により液晶分子11の立ち上が
り方向を制御することは、図6(従来例1)に示すよう
に対向第1の電極32に開口部(空き部分)34を設け
ることによっても可能である。しかしながら、従来例1
においては以下の問題点がある。即ち、(1)対向する
第1の電極32に開口部(空き部分)34を作製するた
めには、従来必要とされなかった微細加工をこの第1の
電極32に対しても施す必要がある。
【0037】又、(2)開口部24の液晶分子への電圧
印加が不十分であり、コントラストが低下する。これに
対して、従来例2の液晶表示装置では対向する第1の電
極32に開口部を設けていないために、対向する第1の
電極32側の微細加工は不要である(図8参照)。
【0038】また、第2の電極25の作製においても、
この第2の電極25をTFT等のマトリックス素子を形
成する導電材料のいずれかと同層として作製することが
できるので、フォトレジスト工程におけるマスクの変更
処理のみで作製することができる。すなわち従来例2の
技術は、工程数を増加させないで、液晶の立ち上り方向
を制御できる、という利点を持つ。
【0039】しかしながら配向膜の特性によってはツイ
スト方向、立ち上り方向の異なる4つの領域が必ずしも
均等に発生しないという問題点がある。つまり不均一電
界だけでは液晶の配向方向を欠陥無く制御することがで
きない。次に表面エネルギーの値に上限を設けた理由に
ついて説明をする。パネルに液晶を注入直後では液晶の
配向は図3(電圧を印加してないのでツイスト方向のみ
書いてある)に示すように全くランダムである。この段
階ではツイスト方向の異なる領域の境界線41が第2の
電極のある位置と一致していない。
【0040】第2の電極25に電圧を加えると微小領域
内の白い部分がエネルギー的に好ましいツイスト方向を
持つ領域となり、斜線部で示す領域はエネルギー的に損
なツイスト方向を持つ領域となる。第2の電極25に電
圧を加え続けると、エネルギー的に損なツイスト方向を
持つ領域は徐々に反転していき、最終的には図2に示す
ように第2の電極25で区切られた微小領域A〜D内は
エネルギー的に好ましいツイスト方向を持つ液晶のみで
占められ、ツイスト方向の異なる領域の境界線は第2の
電極25のある位置と一致するようになる。
【0041】しかしながら基板表面の配向膜の種類によ
っては第2の電極25に電圧を加えた状態でもエネルギ
ー的に不適切なツイスト方向を持つ領域(以下、欠陥領
域と呼ぶ)が存在し続けてしまうという現象が発生す
る。この現象を調べていった結果、液晶層の基板境界面
付近の液晶分子と基板境界面の相互作用の強さが、この
ような欠陥領域の発生に深く関わっていることがわかっ
た。
【0042】本発明者等は、液晶分子と基板境界面の相
互作用の強さを表すパラメーターとして境界面の表面エ
ネルギーに注目した。表面エネルギーの小さい配向膜の
方が、画素の欠陥領域の数が少なく、また液晶との接触
角が大きいほど欠陥領域の数が少ないという関係がある
ことがわかった。
【0043】つまり、表面エネルギーの小さい配向膜を
用いることによって欠陥領域が少なくなるのは、液晶と
基板界面の相互作用が弱くなり、第2の電極25からの
電界の方向に配向しやすくなるためであると考えられ
る。以上が配向膜の表面エネルギーの値に上限を設けた
理由である。以下、本発明の液晶表示装置10につい
て、さらに詳細に説明する。
【0044】本発明の液晶表示装置10は、前記したと
おり、2枚の基板23、33上に表面エネルギーの値が
0.51N/m以下の配向膜21、31が形成されてお
り、液晶層20を挟んで対向する2枚の少なくとも一方
の基板23、33上に開口部24を有する第1の電極2
2、32があり、当該開口部24の位置に第2の電極2
5を設けた構成の液晶表示装置である。
【0045】本発明にいう上記の、開口部の位置に、と
は、本発明の液晶表示装置10を正面から見たときに、
開口部24と第2の電極25とがほぼ同じ位置にあっ
て、重なっていることを意味するものであり、本発明の
液晶表示装置を断面として見たとき、開口部24と同じ
位置に第2の電極25があることを意味するものではな
い。
【0046】このことは、本発明の液晶表示装置10に
おいて、開口部24と第2の電極25とは“同層”であ
ってもよいが、いずれかがより正面に近い位置にある
“異なる層”であってもよいことを意味し、このいずれ
も本発明に包含されるものである。本発明の液晶表示装
置10をTFT駆動の液晶表示装置に適用する場合、T
FTのいずれの層とも異なる別の層で作製することもで
きるが、TFTのいずれかの層と同層で作製するのが好
ましい。
【0047】その理由は、同層で作製することにより、
工程数を増加することなく、本発明の液晶表示装置を得
ることができるからである。なお、このような好ましい
例として、ゲート電極層を構成するクロム層により第2
の電極25を作製し、同時にフォトレジスト工程を行う
方法を挙げることができる。
【0048】また、本発明の液晶表示装置をTFT駆動
の液晶表示装置に使用する場合における“TFTの構
造”としては、順スタガ構造であってもよいし、逆スタ
ガ構造であってもよく、また、第2の電極25がこれら
のいずれかの層と同層であってもよいし、異なる層を新
たに設けるものでもよい。本発明の液晶表示装置10に
おいて、開口部24と第2の電極25の大きさについて
は、特に等しくする必要はなく、開口部24が第2の電
極25よりも大きくても、また、開口部24が第2の電
極25より小さくてもよい。
【0049】図1は、液晶分子11が正の誘電異方性を
有し、その初期配向が基板23,33に平行である場合
を示したものであるが、本発明の液晶表示装置は、これ
に限定されるものではなく、液晶分子11の誘電率の異
方性が負である場合や、液晶分子11の初期配向が基板
23,33に垂直なホメオトロピック配向である場合で
あってもよく、いずれも本発明に包含されるものであ
る。
【0050】また、液晶材料についても、ねじれ角90
°のTN型のものである必要はなく、スーパツイステッ
ドTN(STN)や、強誘電特性を有するものでもよ
い。次に、本発明の他の実施の形態について説明する。
本発明の他の液晶表示装置10は、前記したとおり、2
枚の基板上に表面エネルギーの値が0.51N/m以下
の配向膜が形成されており、少なくとも一方の基板2
3、33上に第1の電極22、32があり、該第1の電
極22、32上に当該第1の電極と絶縁された第2の電
極25を設けたことを特徴とする。
【0051】この液晶表示装置10においても、図1に
示したと同様の作用効果が得られ、広視野角の液晶表示
装置が得られるものである。他の実施の形態は、図1に
示すように液晶の配向ベクトルのねじれ方向が同一であ
って、液晶分子11の立ち上がり方向が異なる2領域に
分割された液晶層を有する液晶表示装置である。
【0052】他の実施の形態は、上記した異なる具体的
構成を有する液晶表示装置10に於いて、不均一電界を
利用して、1画素を液晶の配向ベクトルのねじれ方向が
異なり、しかも液晶分子の立ち上がり方向の異なる4種
の微小領域に正確に4等分した液晶表示装置である。本
発明に於いては、広視野角であると共に横方向から見た
時の“ざらつき感”の生じない液晶表示装置を得ること
ができる。
【0053】更に他の実施の形態は、このように1画素
を4つの領域に分割した液晶表示装置において、第2の
電極25が各画素の対角線上(対角方向)に存在してい
るものである。例えば、第2の電極25が図2又は図3
に示す様に、電極配置境界線X1、X2からなるX形状
の電極である場合であり、これにより、1画素が対角線
に沿って4等分され、広視野角の液晶表示装置が得られ
る利点を有する。
【0054】この場合における対角線とは、厳密に対角
線であることを要せず、1画素をほぼ等分できるような
ものであれば、多少変形し又は曲がっていてもよい。ま
た、一般にカラー表示の液晶表示装置においては、RG
B3色の画素が併置して存在し、これらが一つのまとま
りをなして、多色表示を行っている。このため、R,
G,Bそれぞれの画素は、正方形ではなく、例えば縦:
横比が3:1の長方形となっており、3つ集まることに
より正方形の画素単位を形成している。
【0055】このような場合、距離の短い横方向につい
ての液晶分子の立ち上がり方向の制御は容易であるのに
対して、距離の長い方向の液晶分子の立ち上がり方向の
制御はやや困難である。例えば図2(本発明の液晶表示
装置における液晶層の拡大図)において、C,Dの領域
は、A,Bの領域に比べて不安定であり、A,B,C,
Dの4領域が均等に生成する印加電圧の条件や冷却速度
の条件は範囲の狭いものになる。
【0056】本発明の他の液晶表示装置は、この点を更
に改良し、広範囲の電圧印加条件、冷却条件で容易にか
つ安定的に4分割ができるようにしたものである。この
ため、本発明の他の実施の形態は、第2の電極25が、
画素の長辺に平行な部分Yを更に有していることを特徴
としている。このような第2の電極25を有する液晶表
示装置の液晶層の拡大図の例を図4から図6に示す。
【0057】図2に示した電極形状と比較すると明らか
なように、図4から図6の電極形状においては、C,D
領域の「長さ」が短くなっており、これによりC,Dの
領域がより安定かつ容易に生成し、正確な4分割が広範
囲な電圧印加条件、冷却条件で得られる。なお、図4か
ら図6においては、A領域とB領域が線で接し、この部
分からの光漏れにより、液晶表示装置のコントラストを
低下させているように見える。
【0058】しかし、ねじれ方向の異なる領域が、ねじ
れ方向の同一の領域に優先的に生成する本発明の液晶表
示装置においては、図4から図6のA,Bの境界領域に
CまたはD領域がひも状に生成し、したがって、液晶表
示装置のコントラストを低下させることはない。次に、
本発明の液晶表示装置10の製造方法及びその駆動方法
について、図1を参照して説明する。
【0059】本発明の液晶表示装置の製造方法及びその
駆動方法としては、次の2方法を挙げることができる。
その一つは、通常の液晶表示装置と同様、駆動時に第2
の電極25に周囲第1の電極22よりも高い電圧を印加
する方法である。これにより、液晶分子11は、図1に
示すように立ち上がり、視角特性の優れた表示を得るこ
とができる。
【0060】この場合において、第2の電極25に印加
する電圧は、すべての画素に一定の電圧を印加してもよ
く、また、各画素ごとに異なる電圧(例えば各画素電極
に関連した異なる電圧)を印加してもよい。いずれの場
合においても、図1に示す“液晶分子11の立上がり方
向の制御”をすることができる。
【0061】本発明の液晶表示装置の上記製造方法及び
その駆動方法について、さらに説明すると、まず、液晶
パネルに液晶を注入し、次に、この液晶パネルを等方相
−液晶層転移温度以上の温度に加熱し、その後、転移温
度以上の温度から転移温度以下の温度まで冷却するもの
であり、そして、この冷却時において、(A)開口部を
有する電極との間に印加される電圧以上の電圧を、第2
の電極と対向する電極間に印加するか、または、(B)
基板上の電極と対向する電極間に印加される電圧以上の
電圧を、第2の電極と対向する電極間に印加するもので
ある。
【0062】本発明に於いては、等方相−液晶層転移温
度以上の温度からの冷却時に、上記(A),(B)のよ
うに電圧が印加されるため、図1に示す液晶分子11の
立ち上がり方向が記憶され、その結果、冷却後の駆動時
には、第2の電極25に電圧を印加することなく、通常
と同様に第1の電極22に電圧を印加するのみで表示を
行うことができる。
【0063】他の1つは、冷却時における液晶分子の立
ち上がり方向をより確実に記憶させるために、液晶が少
量の高分子有機化合物を含むことが望ましい。特に、基
板間にモノマーまたはオリゴマを含む液晶を注入し、当
該モノマー,オリゴマを液晶中で反応させて高分子化す
る方法(請求項10参照)は、この高分子化合物が均一
に分散し、液晶分子の立ち上がり方向が安定するため
に、好ましい。
【0064】本発明に於ける、液晶中の当該モノマーま
たはオリゴマを反応させて高分子とする本発明の液晶表
示装置の製造方法においては、等方相で当該モノマーま
たはオリゴマを反応させる方法、或いは、液晶相で当該
モノマーまたはオリゴマを反応させる方法、更には、等
方相、液晶層の双方で当該モノマーまたはオリゴマを反
応させる方法、のいずれによってもよい。
【0065】一般的に、等方相でモノマーまたはオリゴ
マを反応させる方法では、生成した高分子が、液晶のね
じれ方向や立ち上がり方向が異なる領域が安定に存在す
ることを助けるのに対し、液晶層でモノマーまたはオリ
ゴマを反応させる方法では生成した高分子が、液晶の配
向方向を積極的に記憶する傾向が強いと考えられる。し
かし、この差は明確なものではなく、いずれの条件でモ
ノマーまたはオリゴマを反応させても本発明の液晶表示
装置が得られる。
【0066】本発明に使用するモノマー,オリゴマとし
ては、光硬化性モノマー、熱硬化性モノマー、あるいは
これらのオリゴマ等のいずれを使用することもでき、ま
た、これらを含むものであれば他の成分を含んでいても
よい。本発明に使用する「光硬化性モノマー又はオリゴ
マ」とは、可視光線により反応するものだけでなく、紫
外線により反応する紫外線硬化モノマー等を含み、操作
の容易性からは特に後者が望ましい。
【0067】また、本発明で使用する高分子化合物は、
液晶性を示すモノマー、オリゴマを含む液晶分子と類似
の構造を有するものでもよいが、必ずしも液晶を配向さ
せる目的で使用されるものではないため、アルキレン鎖
を有するような柔軟性のあるものであってもよい。又、
単官能性のものであってもよいし、2官能性のもの、3
官能以上の多官能性を有するモノマー等でもよい。
【0068】本発明で使用しうる光または紫外線硬化モ
ノマーとしては、例えば、2-エチルへキシルアクリレー
ト,ブチルエチルアクリレート,ブトキシエチルアクリ
レート,2-シアノエチルアクリレート,ベンジルアクリ
レート,シクロヘキシルアクリレート,2-ヒドロキシプ
ロピルアクリレート,2-エトキシエチルアクリレート更
には、NUN-ジエチルアミノエチルアクリレート,NUN-ジ
メチルアミノエチルアクリレート,ジシクロペンタニル
アクリレート,ジシクロペンテニルアクリレート,グリ
シジルアクリレート,テトラヒドロフルフリルアクリレ
ート,イソボニルアクリレート,イソデシルアクリレー
ト,ラウリルアクリレート,モルホリンアクリレート,
フェノキシエチルアクリレート,フェノキシジエチレン
グリコールアクリレート,2,2,2-トリフルオロエチルア
クリレート,2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルアクレ
ート,2,2,3,3-テトラフルオロプロピルアクリレート,
2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブチルアクリレート等の単
官能アクリレート化合物を使用することができる。
【0069】又、2-エチルヘキシルメタクリレート,ブ
チルエチルメタクリレート,ブトキシエチルメタクリレ
ート,2-シアノエチルメタクリレート,ベンジルメタク
リレート,シクロヘキシルメタクリレート,2-ヒドロキ
シプロピルメタクリレート,2-エトキシエチルアクリレ
ート,NUN-ジエチルアミノエチルメタクリレート,NUN-
ジメチルアミノエチルメタクリレート,ジシクロペンタ
ニルメタクリレート,ジシクロペンテニルメタクリレー
ト,グリシジルメタクリレート,テトラヒドロフルフリ
ルメタクリレート,イソボニルメタクリレート,イソデ
シルメタクリレート,ラウリルメタクリレート,モルホ
リンメタクリレート,フェノキシエチルメタクリレー
ト,フェノキシジエチレングリコールメタクリレート,
2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレート,2,2,3,3-テ
トラフルオロプロピルメタクリレート,2,2,3,4,4,4-ヘ
キサフルオロブチルメタクリレート等の単官能メタクリ
レート化合物を使用することができる。
【0070】更に、4,4'−ビフェニルジアクリレート,
ジエチルスチルベストロールジアクリレート,1,4-ビス
アクリロイルオキシベンゼン,4,4'−ビスアクリロイル
オキシジフェニルエーテル,4,4'−ビスアクリロイルオ
キシジフェニルメタン,3,9-ビス[1,1−ジメチル-2−ア
クリロイルオキシエチル]-2,4,8,10−テトラスピロ[5,
5〕ウンデカン,α,α′−ビス[4−アクリロイルオキ
シフェニル]-1,4-ジイソプロピルベンゼン,1,4-ビスア
クリロイルオキシテトラフルオロベンゼン,4,4'−ビス
アクリロイルオキシオクタフルオロビフェニル,ジエチ
レングリコールジアクリレート,1,4-ブタンジオールジ
アクリレート,1,3-ブチレングリコールジアクリレー
ト,ジシクロペンタニルジアクリレート,グリセロール
ジアクリレート,1,6-ヘキサンジオールジアクリレー
ト,ネオペンチルグリコールジアクリレート,テトラエ
チレングリコールジアクリレート,トリメチロールプロ
パントリアクリレート,ペンタエリスリトールテトラア
クリレート,ペンタエリスリトールトリアクリレート,
ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート,ジペン
タエリスリトールヘキサアクリレート,ジペンタエリス
リトールモノヒドロキシペンタアクリレート,4,4'−ジ
アクリロイルオキシスチルベン,4,4'−ジアクリロイル
オキシジメチルスチルベン,4,4'−ジアクリロイルオキ
シジエチルスチルベン,4,4'−ジアクリロイルオキシジ
プロピルスチルベン,4,4'−ジアクリロイルオキシジブ
チルスチルベン,4,4'−ジアクリロイルオキシジペンチ
ルスチルベン更には、4,4'−ジアクリロイルオキシジヘ
キシルスチルベン,4,4'−ジアクリロイルオキシジフル
オロスチルベン,2,2,3,3,4,4-ヘキサフルオロペンタン
ジオール-1,5−ジアクリレート,1,1,2,2,3,3-ヘキサフ
ルオロプロピル-1,3−ジアクリレート,ウレタンアクリ
レートオリゴマ等の多官能アクリレート化合物を用いる
ことができる。
【0071】さらにまた、ジエチレングリコールジメタ
クリレート,1,4-ブタンジオールジメタクリレート,1,
3-ブチレングリコールジメタクリレート,ジシクロペン
タニルジメタクリレート,グリセロールジメタクリレー
ト,1,6-へキサンジオールジメタクリレート,ネオペン
チルグリコールジメタクリレート,テトラエチレングリ
コールジメタクリレート,トリメチロールプロパントリ
メタクリレート,ペンタエリスリトールテトラメタクリ
レート,ペンタエリスリトールトリメタクリレート,ジ
トリメチロールプロパンテトラメタクリレート,ジペン
タエリスリトールヘキサメタクリレート,ジペンタエリ
スリトールモノヒドロキシペンタメタクリレート,2,2,
3,3,4,4-ヘキサフルオロペンタンジオール-1,5−ジメタ
クリレート,ウレタンメタクリレートオリゴマ等の多官
能メタクリレート化合物,その他スチレン,アミノスチ
レン,酢酸ビニル等があるが、これに限定されるもので
はない。
【0072】また、本発明の素子の駆動電圧は、高分子
材料と液晶材料の界面相互作用にも影響されるため、フ
ッ素元素を含む高分子化合物であってもよい。このよう
な高分子化合物として、2,2,3,3,4,4-へキサフルオロペ
ンタンジオール-1,5−ジアクリレート,1,1,2,2,3,3-へ
キサフルオロプロピル-1,3−ジアクリレート,2,2,2-ト
リフルオロエチルアクリレート,2,2,3,3,3-ペンタフル
オロプロピルアクリレート,2,2,3,3-テトラフルオロプ
ロピルアクリレート,2,2,3,4,4,4-へキサフルオロブチ
ルアクリレート,2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレ
ート,2,2,3,3-テトラフルオロプロピルメタクリレー
ト,2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブチルメタクリレー
ト,ウレタンアクリレートオリゴマ等を含む化合物から
合成された高分子化合物が挙げられるが、これに限定さ
れるものではない。
【0073】本発明に使用する高分子化合物として光ま
たは紫外線硬化モノマーを使用する場合には、一般に光
または紫外線用の開始剤を使用する。この開始剤として
は、種々のものが使用可能であり、たとえば、2,2-ジエ
トキシアセトフェノン,2-ヒドロキシ-2−メチル-1−フ
ェニル-1−オン,1-(4−イソプロピルフェニル)-2-ヒド
ロキシ-2−メチルプロパン-1−オン,1-(4−ドデシルフ
ェニル)-2-ヒドロキシ-2−メチルプロパン-1−オン等の
アセトフェノン系、ベンゾインメチルエーテル,ベンゾ
インエチルエーテル,ベンジルジメチルケタール等のベ
ンゾイン系、ベンゾフェノン,ベンゾイル安息香酸,4-
フェニルベンゾフェノン,3,3-ジメチル-4−メトキシベ
ンゾフェノン等のベンゾフェノン系、チオキサンソン,
2-クロルチオキサンソン,2-メチルチオキサンソン等の
チオキサンソン系、ジアゾニウム塩系、スルホニウム塩
系、ヨードニウム塩系、セレニウム塩系等が使用でき
る。
【0074】本発明に係るより詳細な具体例を以下に説
明する。具体例の説明の前に予備実験として、液晶分子
と基板境界面の相互作用の強さを表すパラメーターとし
て境界面の表面エネルギーに注目し、欠陥領域の発生率
と表面エネルギーの大きさの関係を調べた。異なる表面
エネルギーを持つ界面を作製するために3種類の配向剤
A、B、Cを用意した。
【0075】これらの配向剤をガラス基板上にスピンコ
ートで塗布し、90℃及び200℃の焼成を行った。得
られた配向膜について接触角法(液滴法)を用いて配向
膜の表面エネルギーならびに配向膜と液晶の接触角の測
定を行った。その結果は、表1に示すように配向膜Aの
表面エネルギーが0.486(N/m)、接触角が19
°、配向膜Bの表面エネルギーが0.494(N/
m)、接触角が18°、配向膜Cの表面エネルギーが
0.518(N/m)、接触角が0°となった。
【0076】(実施例1)一画素の大きさ:100μm
×300μm、画素数:480×640×3、表示画面
の対角サイズ:240mmのアモルファスシリコン薄膜
トランジスタアレイ(TFT)を有する基板を、成膜過
程とリソグラフィー過程を繰り返して、ガラス基板上に
作製した。
【0077】本実施例1におけるTFTは、逆スタガ構
造であり、基板側よりゲート−クロム層、窒化珪素−絶
縁層、アモルファスシリコン−半導体層、ドレイン・ソ
ース−クロム層、画素−ITO層から構成されている。
作製した各画素電極のITOには、対角方向に幅5μm
の「X」形状の開口部を設け、この開口部と一致するよ
うにクロムにより、「X」形状の電極を作製した。この
電極には、外部から画素部とは別の電圧を印加できるよ
うに設計した。(なお、この電極は、ゲート電極と同層
のクロムで作製したため、従来の製造工程と比較して新
たな付加工程はなかった。) 本実施例1における液晶パネル作製の対向基板として、
RGBのカラーフィルター基板を使用した。これらの基
板を洗浄した後、配向膜:A(表面エネルギー0.48
6(N/m))からなる配向膜21,31をスピンコー
トで塗布し、90℃及び200℃の焼成を行った。
【0078】次に、レーヨンからなるバフ布によりラビ
ング処理を施した。ラビング方向は基板の対角方向であ
り、上側基板と下側基板のラビング方向は90°の角を
なすようにした。その後、基板の周辺部に接着剤を塗布
し、スペーサとして径6μmのラテックス球を散布し
た。
【0079】続いて、両基板を目合わせし、加圧しなが
ら張り合わせた。張り合わせた基板を真空槽内に置き、
真空排気後、ネマチック液晶(メルク社製のZLI47
92の商品名)を注入した。さらに、得られた液晶パネ
ルに、2枚の偏光フィルムが直交するように張り付け、
液晶表示装置とした。得られた液晶表示装置の「X」形
状電極に、対向電極に対して8Vの電圧を印加し、通常
と同様に表示を行った。画素表示の電圧は、約5.5V
である。いずれの方向においても階調反転がなく、ま
た、横方向からのざらつき感のない広視野角の液晶表示
装置が得られた。
【0080】電圧印加時下での各画素の状態を顕微鏡を
用いて観察したところ、図2に示すような4つの領域
A,B,C,Dに分割され、基板を傾けた観察からそれ
ぞれが異なるねじれ方向、立ち上がり方向を有している
ことが認められた。また、液晶評価装置(LCD−50
00:商品名)で方位角45°間隔で階調表示時の視角
特性を測定したところ、全ての方向に対してほとんど同
一の視角特性が得られ、60°以内において階調反転は
認められなかった。
【0081】(実施例2)次に、前記実施例1で使用し
た液晶表示装置について、配向膜21、31として配向
膜B(表面エネルギーが0.494N/m)を使用した
液晶表示装置Bを前記実施例1と同様に作製し、駆動さ
せた。この実施例2では、多少階調反転が生じると共に
若干残像が多く見られたが、従来の液晶表示装置に於け
る各画素内に発生しているディスクリネーションからな
る欠陥領域の発生は大幅に改善されていることが判明し
た。
【0082】当該液晶表示装置に於いて欠陥領域とは、
図4に示すように、いずれかの小領域中に異なるツイス
ト方向の配向が混在する小領域のことを指す。 (比較例1)比較のため、前記実施例1で使用した液晶
表示装置について、配向膜21、31として配向膜C
(表面エネルギーが0.518N/m)を使用した液晶
表示装置Cを前記実施例1と同様に作製し、駆動させ
た。
【0083】この比較例1では、従来の液晶表示装置と
同様に、階調反転が生じると共に残像が多く見られた。
顕微鏡で観察すると、各画素内にディスクリネーション
が生成しているのが観察され、欠陥領域が多数発生して
いることが確認できた。欠陥領域の発生頻度と配向膜の
表面エネルギーとの関係を定量化するために実施例1、
実施例2および比較例1の液晶表示装置について以下の
観察を行った。
【0084】得られた液晶表示装置の「X」形状電極
に、対向電極に対して8Vの電圧を印加した。電圧印加
時下での各画素の状態を顕微鏡を用いて観察し、顕微鏡
写真を撮影した。このとき異なるツイスト方向が区別で
きるように偏光板の透過軸を約60°ずらした状態で撮
影した。それぞれの液晶表示装置につき約600個の画
素を観察し、欠陥領域の数をかぞえた。その値から欠陥
発生率を求めた。結果を表1にまとめた。
【0085】 第1表 配向膜の表面エネルギー、液晶との接触角と画素の欠陥発生率の関係 配向膜 表面エネルギー(N/m) 接触角 欠陥発生率(%) A 0.486 19° 0 B 0.494 18° 30 C 0.518 0° 84 実施例1及び2と比較例1の結果から表面エネルギーの
小さい配向膜の方が、画素の欠陥発生率が小さく、また
液晶との接触角が大きいほど画素の欠陥発生率が小さい
ということがわかった。
【0086】表面エネルギーの小さい配向膜を用いるこ
とによって欠陥発生率が小さくなるのは、液晶と基板界
面の相互作用が弱くなり、第二の電極からの電界の方向
に配向しやすくなるためであると考えられる。 (実施例3)TFT基板として、順スタガ構造のTFT
を作製し、配向膜Aを使用して、前記実施例1と同様に
パネルを作製した。一画素の大きさ:100μm×30
0μm、画素数:480×640×3、表示画面の対角
サイズ:240mmのアモルファスシリコン薄膜トラン
ジスタアレイ(TFT)を有する基板を、成膜過程とリ
ソグラフィー過程を繰り返して、ガラス基板上に作製し
た。
【0087】本実施例3におけるTFTは、順スタガ構
造であり、基板側より画素−ITO層、ソース・ドレイ
ン−クロム層、アモルファスシリコン−半導体層、窒化
珪素−絶縁層、ゲート−クロム層膜から構成されてい
る。作製した各画素電極のITOには、対角方向に幅5
μmの「X」形状の開口部を設け、この開口部と一致す
るようにクロムにより「X」形状の電極を作製した。
【0088】この電極には、外部から画素部とは別の電
圧を印加できるように設計した。(なお、この電極は、
ゲート電極と同層のクロムで作製したため、従来の製造
工程と比較して新たな付加工程はなかった。) 前記実施例1と同様にパネルを組み立てて液晶を注入し
て液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置の
「X」形状電極に、対向電極に対して8Vの電圧を印加
し、通常と同様に表示を行った。
【0089】画素表示の電圧は、約5Vである。本実施
例3においても、前記実施例1と同様、いずれの方向に
おいても階調反転がなく、また、横方向からのざらつき
感のない広視野角の液晶表示装置が得られた。 (実施例4)前記実施例1と同様にTFT基板を作製
し、カラーフィルター基板と組み合わせてパネルを作製
した。ただし配向膜Aを用いた。張り合わせた基板を真
空槽内に置き、真空排気後、ネマチック液晶(メルク社
製のZLI4792:商品名,相転移温度:92℃)、
を注入した。
【0090】そして、得られたパネルを110℃まで加
熱し、「X」形状の電極に10V,5Hzの矩形波電
圧、画素に5V,5Hzの矩形波電圧を印加しつつ、2
℃/分で基板を冷却した。得られたセルを偏光顕微鏡で
観測すると、各画素が「X」形状の電極に従い、4つの
微小領域に分割されていた。セルを傾けたときの明るさ
の変化から、4つの微小領域が前掲の図2に示す立上り
方向となっていることが確認できた。
【0091】得られた液晶表示装置の「X」形状の電極
の電圧を切り、通常の状態で表示を行った。中間調にお
いても、階調反転の生じない広視野角で、良好な表示が
得られた。顕微鏡で観測すると、「X」形状の電極位置
に応じて4つの領域に分かれて液晶が立ち上がるのが確
認できた。
【0092】また、液晶評価装置(LCD−5000:
商品名)で方位角45°間隔で階調表示時の視角特性を
測定したところ、すべての方向に対して殆ど同一の視角
特性が得られ、60°以内において階調反転は認められ
なかった。 (比較例2)比較のため、配向膜として配向膜Cを使用
した以外は、前記実施例4と同様に素子を作製した。比
較例1の場合に比べ、欠陥領域の数は減少した。しかし
ながら無欠陥とはならず、斜め方向においてざらつき感
が認められた。
【0093】(比較例3)比較のため、配向膜として配
向膜Cを使用した以外は、前記実施例4と同様に素子を
作製した。比較例1の場合に比べ、欠陥領域の数は減少
した。しかしながら無欠陥とはならず、斜め方向におい
てざらつき感が認められた。比較例2、3の欠陥領域の
数が比較例1、の場合より減少した理由は、相転移点直
下の温度領域では液晶の熱運動が活発であり、そのため
配向膜との相互作用が常温の場合より弱まり、液晶が第
二の電極からの電界方向にそろいやすくなるためである
と考えられる。しかしながら無欠陥とするほどの効果は
なかった。
【0094】(実施例5)前記実施例1と同様にTFT
基板を作製し、カラーフィルター基板と組み合わせてパ
ネルを作製した。ただし配向膜Aを用いた。張り合わせ
た基板を真空槽内に置き、真空排気後、ネマチック液晶
(メルク社製のZLI4792:商品名,相転移温度:
92℃)、紫外線硬化モノマー[KAYARADPET
−30(日本化薬社製の商品名)、0.2wt%]、開
始剤(イルガノックス907:商品名、モノマーに対し
て5wt%)からなる液晶溶液を注入した。
【0095】そして、得られたパネルを110℃まで加
熱し、その温度で紫外線(0.1mW/cm2 )を30
分照射した。その後、「X」形状の電極に10V,5H
zの矩形波電圧、画素に5V,5Hzの矩形波電圧を印
加しつつ、2℃/分で基板を冷却した。得られたセルを
偏光顕微鏡で観測すると、各画素が「X」形状の電極に
従い、4つの微小領域に分割されていた。
【0096】セルを傾けたときの明るさの変化から、4
つの微小領域が前掲の図2に示す立上り方向となってい
ることが確認できた。得られた液晶表示装置の「X」形
状の電極の電圧を切り、通常の状態で表1を行った。中
間調においても、階調反転の生じない広視野角で、良好
な表示が得られた。
【0097】顕微鏡で観測すると、「X」形状の電極位
置に応じて4つの領域に分かれて液晶が立ち上がるのが
確認できた。また、液晶評価装置(LCD−5000:
商品名)で方位角45°間隔で階調表示時の視角特性を
測定したところ、すべての方向に対して殆ど同一の視角
特性が得られ、60°以内において階調反転は認められ
なかった。
【0098】(実施例6)一画素の大きさ:100μm
×300μm、画素数:480×640×3、表示画面
の対角サイズ:240mmのアモルファスシリコン薄膜
トランジスタアレイ(TFT)を有する基板を、前記実
施例1と同様、成膜過程とリソグラフィー過程を繰り返
して、ガラス基板上に作製した。
【0099】各画素電極のITOには開口部は設けなか
った。更に、各画素を絶縁膜である窒化膜で覆った後、
各画素の中央にクロムによる「X」形状の電極を作製し
た。この電極には、外部から画素部とは別の電圧を印加
できるように設計した。また、液晶パネル作製の対向基
板として、RGBのカラーフィルター基板を使用した。
【0100】これらの基板を前記実施例1と同様の方法
で張り合わせ、実施例3と同様に液晶表示装置を作製し
た。得られたセルを偏光顕微鏡下で観測すると、各区画
が「X」形状の電極に従い4つの微小領域に分割されて
いた。セルを傾けたときの明るさの変化から、4つの微
小領域が前掲の図2に示す立上り方向となっていること
が確認できた。
【0101】得られた液晶表示装置の「X」形状の電極
の電圧を切り、通常の状態で表示を行った。中間調にお
いても、階調反転の生じない広視野角で、良好な表示が
得られた。顕微鏡で観測すると、「X」形状の電極位置
に応じて4つの領域に分かれて液晶が立ち上がるのが確
認できた。
【0102】また、液晶評価装置(LCD−5000:
商品名)で方位角45°間隔で階調表示時の視角特性を
測定したところ、すべての方向に対してほとんど同一の
視角特性が得られ、60°以内において階調反転は認め
られなかった。 (実施例7)第2の電極の形状として図4の形状の電極
を用いた以外は、前記実施例5と同様にパネルを作製し
た。
【0103】得られたパネルの第2の電極にかける矩形
波電圧を5Vから20Vまで変化させ、また基板の冷却
速度を2℃/分から20℃/分まで変化させ、分割状態
を観察したがいずれの条件下でも、電極形状に従った4
分割が得られ、すべての方向において視野角60℃以内
で階調反転は認められなかった。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、上記の
様な技術構成を採用しているので、液晶層を挟んで対向
する2枚の少なくとも一方の基板上に開口部を有する電
極があり、当該開口部の位置に第2の電極を設け、かつ
表面エネルギーの値が0.51N/m以下の配向膜が基
板表面上に形成された構成の液晶表示装置であるか、前
記基板の一方側上に2つの電極、つまり第1と第2の電
極が設けられ、かつ両電極が絶縁され、かつ表面エネル
ギーの値が0.51N/m以下の配向膜が基板表面上に
形成された構成の液晶表示装置であるので、開口部を有
する電極と対向する電極間に印加される電圧以上の電圧
を第二の電極と対向する電極間に印加するような装置と
して駆動することができ、階調反転が存在しないと共に
「黒」表示時の白浮きが生じない広視野角で、かつ高コ
ントラストの液晶表示装置を提供することができる効果
を有する。
【0105】さらに、本発明は、液晶表示装置を製造す
るときに、少なくとも一方の基板として、基板上に開口
部を有する電極があり、当該開口部の位置に第二の電極
が設けられた基板を使用し、両基板上に表面エネルギー
の値が0.51N/m以下の配向膜が形成された液晶表
示装置用の空パネルに液晶を注入し、その後、前記開口
部を有する電極と対向する電極間に印加される電圧以上
の電圧を前記第二の電極と対向する電極間に印加した状
態で、液晶の等方相−液晶層転移温度以上の温度から等
方相−液晶層転移温度以下の温度まで、冷却する製造方
法もしくは、少なくとも一方の基板として、基板上に電
極があり、当該電極上に当該電極と絶縁された第二の電
極が設けられた基板を使用し、両基板上に表面エネルギ
ーの値が0.51N/m以下の配向膜が形成された液晶
表示装置用の空パネルに液晶を注入し、その後、当該電
極と対向する電極間に印加される電圧以上の電圧を前記
第二の電極と対向する電極間に印加した状態で、液晶の
等方相−液晶層転移温度以上の温度から等方相−液晶層
転移温度以下の温度まで、冷却する製造方法であるの
で、複雑な製造工程を経ることなく、簡易な方法で、し
かも視角特性の優れた液晶表示装置を得ることができる
効果が生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る液晶表示装置の断面図で
ある。
【図2】図2は、本発明に係る液晶表示装置における液
晶層の拡大図である。
【図3】図3は、本発明における液晶の初期配向状態を
示す図である。
【図4】図4は、本発明に係る液晶表示装置における液
晶層の拡大図である。
【図5】図5は、本発明に係る液晶表示装置における他
の液晶層の拡大図である。
【図6】図6は、本発明に係る液晶表示装置における他
の液晶層の拡大図である。
【図7】図7は、従来の液晶表示装置を示す断面図であ
る。
【図8】図8は、従来のTN型液晶表示装置に他の構成
を示す断面図である。
【図9】図9は、従来に於ける液晶配向の欠陥の例を示
す図である。
【符号の説明】
10…液晶表示装置 11…液晶分子 20…液晶層 21,31…配向膜 22、32…第1の電極 23、33…基板 24、34…開口部 25…第2の電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村井 秀哉 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−197867(JP,A) 特開 平4−204520(JP,A) 特開 平9−22025(JP,A) 特開 平11−295739(JP,A) 特開 平11−326927(JP,A) 特開 平11−109393(JP,A) 特開 平6−194657(JP,A) 特開 平3−273214(JP,A) 特開 平3−200219(JP,A) 特開 平3−177819(JP,A) 特開 平2−297523(JP,A) 特開 昭63−178213(JP,A) 特開 昭63−158526(JP,A) 特開 昭63−73223(JP,A) 特開 平4−353825(JP,A) 特開 平5−40265(JP,A) 特開 平8−36182(JP,A) 特開 平9−61827(JP,A) 特開 平9−80439(JP,A) 特開 平9−179122(JP,A) 特開 平10−48634(JP,A) 特開 平10−197874(JP,A) 特開 平10−274769(JP,A) 特開 平10−288786(JP,A) 特開 平10−301117(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1337

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の電極が設けられている2枚の基板
    間に液晶層が挟持され、当該各基板の当該液晶層と対向
    する面に配向膜が設けられている液晶表示装置におい
    て、当該配向膜の表面エネルギーの値が0.51N/m
    以下に設定されていると共に、各画素に於ける各微小領
    域の境界線部に沿って、少なくとも一方の基板に第2の
    電極が配置せしめられている事を特徴とする液晶表示装
  2. 【請求項2】 各画素を構成する当該液晶表示装置のそ
    れぞれに於いて、各単位液晶層は少なくとも2個の微小
    領域に区画されている事を特徴とする請求項1に記載の
    液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 当該微小領域が4個に区画されている事
    を特徴とする請求項2記載の装置。
  4. 【請求項4】 当該各画素に於ける微小領域のそれぞれ
    は、当該それぞれの微小領域に含まれる液晶層に於ける
    液晶の配向ベクトルのねじれ方向が同一であって、液晶
    分子の立ち上がり方向が互いに異なる様に構成されてい
    る事を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の液晶
    表示装置。
  5. 【請求項5】 当該各画素に於ける当該微小領域のそれ
    ぞれは、当該それぞれの微小領域に含まれる液晶層に於
    ける液晶の配向ベクトルのねじれ方向と液晶分子の立ち
    上がり方向が互いに異なる様に構成されている事を特徴
    とする請求項3に記載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 当該第2の電極が各画素の対角線上に設
    けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれ
    かに記載の液晶表示装置。
  7. 【請求項7】 当該第2の電極が各画素の長辺に平行な
    部分を有していることを特徴とする請求項1乃至6のい
    ずれかに記載の液晶表示装置。
  8. 【請求項8】 当該第2の電極は、当該第1の電極の上
    部で且つ当該液晶層と対向する側に、適宜の絶縁膜を介
    して配列せしめられている事を特徴とする請求項1乃至
    7の何れかに記載の液晶表示装置。
  9. 【請求項9】 当該第2の電極は、当該第1の電極の一
    部に設けられた間隙部内に挿入配列せしめられている事
    を特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の液晶表示
    装置。
  10. 【請求項10】 一対の互いに対向して設けられている
    基板に於ける、互いに対向する当該基板の表面に第1の
    電極を設けると共に、当該第1の電極の表面に、表面エ
    ネルギーの値が0.51N/m以下である配向膜を設
    け、更に各画素に於ける各微小領域の境界線部に沿っ
    て、少なくとも一方の基板に第2の電極を配置し、当該
    対向する基板の間隙部に液晶を注入する事を特徴とする
    液晶表示装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 第1の電極が表面に形成された2枚の
    基板のそれぞれの当該第1の電極の一部に間隙部を設
    け、当該間隙部内に第2の電極を配置せしめ、表面に表
    面エネルギーの値が0.51N/m以下である配向膜を
    形成した後、当該配向膜が互いに対向する様に当該基板
    を近接して互いに配置せしめ、当該基板間に形成された
    空隙部に液晶を注入し、その後、当該対向する第1の電
    極間に印加される電圧以上の電圧を当該第2の電極と対
    向する電極間に印加した状態で、液晶の等方相−液晶層
    転移温度以上の温度から等方相−液晶層転移温度以下の
    温度まで、冷却することを特徴とする液晶表示装置の製
    造方法。
  12. 【請求項12】 第1の電極が表面に形成された2枚の
    基板のそれぞれの当該第1の電極の上部で且つ当該液晶
    層と対向する側に、適宜の絶縁膜を介して第2の電極を
    配列せしめた後、当該第1と第2の電極の表面に表面エ
    ネルギーの値が0.51N/m以下である配向膜を形成
    した後、当該配向膜が互いに対向する様に当該基板を近
    接して互いに配置せしめ、当該基板間に形成された空隙
    部に液晶を注入し、その後、当該対向する第1の電極間
    に印加される電圧以上の電圧を当該第2の電極と対向す
    る電極間に印加した状態で、液晶の等方相−液晶層転移
    温度以上の温度から等方相−液晶層転移温度以下の温度
    まで、冷却することを特徴とする液晶表示装置の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 当該液晶が高分子有機化合物を含むこ
    とを特徴とする請求項11または12記載の液晶表示装
    置の製造方法。
  14. 【請求項14】 当該液晶がモノマーまたはオリゴマを
    含み、当該液晶を基板間に注入した後に、当該モノマ
    ー、オリゴマを液晶中で高分子化したことを特徴とする
    請求項11または12記載の液晶表示装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 当該各画素内に当該液晶の配向ベクト
    ルのねじれ方向と液 晶分子の立ち上がり方向の異なる4
    種の領域を共存させる様に構成することを特徴とする請
    求項10乃至14のいずれかに記載の液晶表示装置の製
    造方法。
  16. 【請求項16】 当該第2の電極を各画素の対角線上に
    設けることを特徴とする請求項10乃至15のいずれか
    に記載の液晶表示装置の製造方法。
  17. 【請求項17】 当該第2の電極の少なくとも一部を各
    画素の長辺に平行な部分を有する様に設けることを特徴
    とする請求項10乃至16のいずれかに記載の液晶表示
    装置の製造方法。
  18. 【請求項18】 2枚の基板上のそれぞれの表面に第1
    の電極層を介して表面エネルギーの値が0.5N/m以
    下の配向膜が形成されており、少なくとも一方の基板上
    に設けられた、当該第1の電極層の少なくとも一部に開
    口部が設けられ、当該開口部の位置に第2の電極が設け
    られた液晶表示装置の駆動方法において、当該開口部を
    有する当該第1の電極と対向する他方の基板に於ける第
    1の電極間に印加される電圧以上の電圧を、当該第2の
    電極と当該第2の電極と対向する第1の電極間に印加す
    ることを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
  19. 【請求項19】 2枚の基板上のそれぞれの表面に第1
    の電極層を介して表面エネルギーの値が0.5N/m以
    下の配向膜が形成されており、且つ当該基板の少なくと
    も一方に於ける当該第1の電極の表面で、当該配向膜が
    形成されて側に、適宜の絶縁膜を介して所定のパターン
    を有する第2の電極を配列せしめた液晶表示装置の駆動
    方法において、当該対向する当該第1の電極間に印加さ
    れる電圧以上の電圧を、当該第2の電極と当該第2の電
    極と対向する第1の電極間に印加することを特徴とする
    液晶表示装置の駆動方法。
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