JP2940530B2 - 液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

液晶表示装置の製造方法

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JP2940530B2
JP2940530B2 JP28764597A JP28764597A JP2940530B2 JP 2940530 B2 JP2940530 B2 JP 2940530B2 JP 28764597 A JP28764597 A JP 28764597A JP 28764597 A JP28764597 A JP 28764597A JP 2940530 B2 JP2940530 B2 JP 2940530B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、文字、図形等を表
示する液晶表示装置の製造方法に関し、特に、製造が容
易であり、視角特性が優れるとともに、応答速度、コン
トラスト比に優れた液晶表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来広く使用されているねじれネマティ
ック(twisted nematic;以下「TN」
と略記する。)型の液晶表示装置においては、電圧非印
加時の液晶分子が基板表面に平行になっている状態か
ら、印加電圧に応じて電界方向に液晶分子が向きを変化
させていくことにより、表示状態が変化する。しかし、
この電圧印加の液晶分子の非対称な立ち上がりの挙動に
より、TN型液晶表示装置の視野角が狭いという問題が
ある。
【0003】TN型液晶表示装置の視野角が狭いという
問題を図19を用いて説明する。液晶分子11は近似的
に棒状の分子と考えられ、TN型液晶表示装置において
は図19に示すように液晶分子が2枚のガラス基板間に
挟持されている。すなわち、液晶分子11は上基板33
でも下基板23でもこれらガラス基板にほぼ平行に配向
している(但し、通常液晶分子はガラス基板とは小さな
プレチルト角13をなして配列している。)。実際に
は、液晶分子の上側基板面内の方位方向と下側基板面内
の方位方向がほぼ90゜をなすように配置されている
が、図19においては見易くするために、この90゜の
液晶分子のねじれは表示していない。上下基板に電圧を
印加すると、図19に示すように液晶分子11は電界と
平行になるように配列を変える(誘電率異方性が正の場
合)。
【0004】液晶分子の複屈折性は、液晶分子長軸と光
線のなす角度によって決定される。図19のセル中央部
の液晶分子に注目すると、光線42はセル中央層の液晶
分子の長軸と大きな角度をなし、一方、光線41はセル
中央層の液晶分子の長軸と小さな角度をなしている。こ
のため、図19の左方向への視覚変化と右方向への視覚
変化に対して異なる光学特性を示す。通常(ノーマリホ
ワイトモード)の液晶表示装置では、図19の左右方向
が画面の上下方向に設定されているため、上方向への視
角変化に対しては画像が白っぽくなりコントラストが低
下する「白浮き」として認職され、下方向への視覚変化
に対しては画像が暗くなり、ネガポジが反転した「黒つ
ぶれ」として認職される。この視野角が狭いという問題
は、中間調表示において特に著しい。
【0005】このようなTN型液晶表示装置の視角特性
を改善する方法として、例えば特開昭63−10662
4号公報に開示された技術が知られている。図20は、
特開昭63−106624号公報に開示されたTN型液
晶表示装置を説明する図であって、液晶表示パネルのラ
ビング方向を示す模式図である。23は下側ガラス基板
であリ、33はガラス基板23と対向する上側のガラス
基板であり、また、矢印はそれぞれの基板のラビング方
向を示している。
【0006】図20に示す従来技術においては、それぞ
れの基板をラビング方向の異なる複数の微小領域(領域
I、領域II)ごとに分割してラビングすることにより、
各画素内にプレチルト角の異なる微小なストライプ状の
分割領域を作製し、隣り合う微小領域ごとの液晶分子の
立ち上がり方向を反対とすることでTNの視角特性を改
善している。
【0007】また、当該技術と同様に微小領域ごとに異
なる分割を行い、さらに上下基板の位置をずらすことに
より、図21に示すように1画素内を4領域(A、B、
C、D)に分割する技術が特開平5−173135号公
報に開示されている。
【0008】一方、マイクロラビングを行うことなくT
N型液晶表示装置の視角特性を改善する技術として、例
えば特開平6−43461号公報に開示された技術があ
る。図22は、特開平6−43461号公報に開示され
たTN型液晶表示装置を示す略平面図であって、32は
上側透明電極、22は下側透明電極、34は上側透明電
極に設けられた電極開口部、166、167はそれぞれ
上側透明基板32、下側透明基板22のラビング方向を
示している。
【0009】当該従来技術においては、下側透明電極を
上側透明電極よりも小さくし、また、上側透明電極に電
極開口部34を設けることにより、各画素内に不均一電
界を発生させ、これにより各画素において2個以上の微
小領域(S、T)を発生させ、TNの視角特性を改善し
ている。すなわち、下側透明電極が上側透明電極よリも
小さく、さらに開口部34があるため、電極22、32
間に電圧を印加した際に不均一電界が生じ、液晶分子が
異なる方向から立ち上がることとなり、これにより1画
素が2つの領域に分割され、視角特性が改善される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には以下のような問題点がある。
【0011】特開昭63−106624号公報および特
開平5−173135号公報に開示された技術では、前
記したように各画素を複数の微小領域に分割してラビン
グする「マイクロラビング工程」が必要であるため、通
常のTN型の液晶表示装置の作製工程では必要とされな
いフォトレジスト工程や複数回のラビング工程が必要と
なるという問題がある。
【0012】また、これらの従来技術においては、各画
素を正確に分割し、視角特性を改善するためには、上下
基板23、33を高精度で張り合わせる高度な張り合わ
せ技術が必要となるという問題がある。
【0013】一方、特開平6−43461号公報に開示
された技術においては、通常のTN型液晶表示装置の製
造においては必要とされない「共通電極32についての
微細加工工程」が必要となるという問題がある。すなわ
ち、通常のTFT等のTN型液晶表示装置では、一方の
ガラス基板上に薄膜ダイオード等のアクティブ素子を形
成するため、フォトレジスト工程、エッチング工程等の
微細加工工程が必要となるが、これらの微細加工が必要
とされるのはアクティブ素子を作製する片側基板のみで
あり、通常、「共通電極」と呼ばれるカラーフィルタ基
板は微細加工を施す必要はなく全面に電極が形成されて
いるのみである。従って、当該開示技術のように上側電
極32に開口部34を形成するためには、従来の液晶表
示装置の作製方法では行われていないレジスト工程やエ
ッチング工程等を上側基板であるカラーフィルタ基板に
も施すことが必要とされ、工程が著しく増加すると共
に、上下基板23、33の高度な張り合わせ技術が必要
とされるという問題がある。また、当該開示技術におい
ては上下基板間に生じる不均一電界を利用して、液晶分
子の立ち上がリ方向を制御しているため、下側電極22
周辺部や上側画素開口部34の近傍においては不均一電
界が強く、所望の方向から液晶分子が立ち上がっていく
のに対し、画素周辺部や画素開口部から離れた領域にお
いては不均一電界が弱く、所望の方向から立ち上がって
いかないという問題がある。特にこの傾向は、電圧印加
直後において著しく、電圧印加間直後に所望の方向と異
なる方向から立ち上がる液晶分子が多いため、微小領域
が所望の形状になるまでに長時間を要するという問題が
ある。
【0014】この様子を示したのが図23である。図2
3では、当該技術による液晶表示装置の1画素内の電圧
印加直後の微小領域の発生の様子を模式的に示したもの
である。図23に示すように、開口部34近傍の液晶分
子は電圧印加直後においても所望の立ち上がりを示す。
しかし、開口部34から遠い領域では、所望の立ち上が
りと反対の立ち上がりをする傾域が発生する。この領域
の発生のため、視角特性が低下するとともにコントラス
トが低下し、さらに応答時間が遅くなるため、動きの早
い画像を表示させた場合、移動画像の後に線を引くよう
な現象(残像)が観察されるという問題を有している。
【0015】さらに、特開平6−43461号公報に開
示された技術をTN型液晶表示装置に応用した場合に
は、実質的に2分割構造のTN型液晶表示装置しか作製
することができず、実用上、十分に視角特性を改善する
ことができないという問題もある。
【0016】本発明は、これら従来の液晶表示装置にお
ける上記課題を解決するためになされたものであって、
液晶表示装置の製造方法に係る発明であり、その目的と
するところは、製造が容易であり、視角特性が優れると
ともに、コントラスト比、応答速度に優れた液晶表示装
置の製造方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって解決される。
【0018】本発明は、2枚の基板間に液晶層が挟持さ
れ、該液晶層が液晶の配向ベクトルのねじれ方向と液晶
分子の立ち上がり方向の異なる4種の微小領域を有する
液晶表示装置の製造方法であって、液晶層が液晶相を形
成する温度下で、該液晶層の両側の電極間に電圧を印加
することにより前記微小領域を生成させる工程を有する
ことを特徴とする液晶表示装置の製造方法に関する。
【0019】また、本発明は、2枚の基板間に液晶層が
挟持され、該液晶層に2種以上の微小領域が共存する液
晶表示装置の製造方法であって、液晶層が液晶相を形成
する温度下で、該液晶層の両側の電極間に電圧を印加す
ることにより前記微小領域を生成させる工程を有するこ
とを特徴とする液晶表示装置の製造方法に関する。
【0020】上記本発明の液晶表示装置の製造方法にお
ける好ましい形態としては、電圧の印加と同時に、少な
くとも一方の基板の外部から圧力を加える、又は機械的
振動により液晶層に応力を発生させる方法が挙げられ
る。
【0021】また、上記本発明の液晶表示装置の製造方
法における他の好ましい形態としては、液晶層に含有さ
せたモノマー又はオリゴマーを反応させ高分子を形成し
て当該微小領域を安定化させる工程を有する液晶表示装
置の製造方法を挙げることができる。
【0022】また、本発明の液晶表示装置の製造方法に
おける他の好ましい形態としては、開口部を有する電極
を少なくとも一方の基板上に設けた液晶表示装置の製造
方法、さらに当該開口部の位置に第二の電極を設けた液
晶表示装置の製造方法、また、基板の少なくとも一方の
電極上に当該電極と絶縁された第二の電極を設けた液晶
表示装置の製造方法が挙げられる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図1及び図2を参照して説明する。図1及び図2は、
本発明の製造方法により作製した液晶表示装置の1画素
の1例を示したものであり、図1は模式的断面図を、図
2は模式的平面図を示している。また図2には、液晶層
の中央層の液晶分子11が電圧印加時にどの方向から立
ち上がっていくかを模式的に示している。なお図1に
は、配向膜21、31を図示しているが、この配向膜2
1、31は、本発明の必須の要件ではなく、また通常、
TN型の液晶表示装置においては、セルの両外側にさら
に偏光フィルムが設けられているが、図1及び図2にお
いては省略してある。
【0024】本発明に係る液晶表示装置の製造方法は、
図1に示すように、電極32を有する基板33と電極2
2を有する基板23間に、液晶分子11からなる層が挟
持されている液晶表示装置の製造方法において、室温下
で4種の微小領域A、B、C、Dを生成させることを特
徴としている。
【0025】本発明の製造方法により得られる液晶表示
装置における4種の微小領域は、図2に示すように、液
晶の配向ベクトルのねじれ方向と液晶分子の立ち上がリ
方向の異なる4種の微小領域からなる。
【0026】本発明の液晶表示装置の製造方法において
4種の微小領域が生成する理由は以下のように説明され
る。
【0027】本発明の液晶表示装置の製造方法において
は、上下基板のラビング方向のなす角がほぼ90度とな
るように、上基板および下基板のそれぞれが一方向にラ
ビングされている。図2においては、ラビング方向はい
ずれの基板においても図面の斜め45゜方向に当たる。
【0028】本発明の液晶表示装置の製造方法において
は、液晶として、例えばカイラル剤を含まない液晶、ま
たは液晶自身のねじれ特性をほとんど有しない液晶を使
用することが望ましい。基板表面の液晶分子は上記ラビ
ング方向に従い一方向に配向しているが、液晶自身のね
じれ特性が小さいと、右ねじれ、左ねじれの二つのねじ
れ方向が液晶層内に共存しうることになる。
【0029】また、通常の液晶表示装置においては、液
晶分子の立ち上がり方向はプレチルト角により決定さ
れ、このプレチルト角は配向膜の種類とラビング方向に
より決定される。本発明の製造方法においては、例えば
プレチルト角を低くする配向膜を使用することにより、
液晶分子の立上り方向がラビング方向により決定される
ことなく、電極に印加する電圧や開口部により生じる不
均一電界により決定されることになる。
【0030】カイラル剤を含まない液晶あるいはねじれ
特性をほとんど有しない液晶およびプレチルト角の小さ
い配向膜を使用することにより、図2又は図4に示すよ
うに液晶の配向ベクトルのねじれ方向と液晶分子の立ち
上がり方向の異なる4種の微小領域を生成させることが
可能となるが、通常、2枚の基板間に液晶を注入しただ
けでは液晶注入時の液晶の流動を反映して、図2のよう
な理想的な分割構造は生成しない。すなわち、図2にお
いては液晶の配向ベクトルが右側にねじれる領域と液晶
の配向ベクトルが左側にねじれる領域が1画素内に交互
に4つの規則的な領域として生じているが、液晶を注入
したのみでは、このような規則的な分割構造は生成しな
い。
【0031】そこで、本発明の液晶表示装置の製造方法
では、たとえば室温下で上下の電極に電圧を印加するこ
とにより液晶の配向ベクトルが右側にねじれる領域と液
晶の配向ベクトルが左側にねじれる領域の4つの領域を
規則的に発生させることができる。これにより、図2に
示すように液晶分子の立ち上がる方向が90゜ずつ異な
る4つの領域に分割され、これらの領域が相互に視角特
性を補う合うことによって視角特性が著しく改善された
液晶表示装置が製造できる。
【0032】また、特開平6−43461号公報に開示
された液晶表示装置においては、液晶ダイレクタのねじ
れ方向が同一の微小領域のみからなるのに対して、本発
明の液晶表示装置の製造方法により得られる液晶表示装
置においては、ねじれ方向の異なる4つの領域が1画素
内に交互に存在するという利点がある。すなわち、液晶
ダイレクタのねじれ方向が同一の微小領域は電圧非印加
時には物理的に同一であるため、電圧印加時に所望の位
置と異なる位置に、立ち上がり方向の異なる領域間の境
界部が生じるという問題がある。これに対して、本発明
の製造方法による液晶表示装置において現れる液晶ダイ
レクタのねじれ方向の異なる領域は、電圧非印加時にも
異なる領域として存在し、電圧印加直後においても所望
の位置と異なる位置に境界部が生じることがない。
【0033】本発明の液晶表示装置の製造方法において
は、このような分割のための電圧印加を、等方相への加
熱を行うことなく、液晶層が液晶相を形成している温度
下で行う点に特徴がある。等方相への加熱を行うことな
く、液晶層が液晶相を形成している温度下で分割構造を
作製するため、等方相に加熱するための時間やエネルギ
ーが節約でき、液晶表示装置の製造がきわめて容易にな
るという利点がある。なお、本発明にいう「液晶層が液
晶相を形成している温度」とは、いわゆる液晶の等方相
−液晶相転移温度(TNI)以下の温度をいい、たとえ
ば室温が含まれる。
【0034】本発明の液晶表示装置の製造方法におい
て、電圧により各画素内に4種の領域を生成させるため
には、場所により液晶のねじれ方向を反対にする必要が
あるため、通常、液晶の駆動に用いられている電圧では
不十分なことが多く、最初に通常の液晶の駆動電圧より
高い電圧をかけ、不均一電界に沿った液晶分子の立ち上
がり状態を生じさせることが望ましい。これにより、液
晶のねじれ方向が不適当である領域のねじれ方向が反対
になり、図2のような規則的なねじれ方向を有する液晶
表示装置が製造できる。
【0035】上記の電圧として、好ましくは、しきい値
電圧の3倍以上の電圧、特に好ましくはしきい値電圧の
5倍以上の電圧を印加する方法を挙げることができる。
ここにいう「しきい値電圧」とは、印加電圧により液晶
分子がダイレクタの向きを変え始める電圧をいい、いわ
ゆるフレデリックス転移が生じる電圧をいうが、近似的
には液晶表示装置の透過率が変化し始める電位とするこ
とができる。なお、印加電圧の上限は、TFT等の駆動
素子の耐電圧性の観点から、その耐電圧以下にすること
が好ましい。
【0036】本発明にいう「微小領域」とは、TNの視
角特性を改善するためのものであるから、画素の大きさ
と同程度またはそれ以下の大きさであることが望まし
い。しかし、その微小領域の形状は必ずしも同一である
必要はなく、またその境界線も直線である必要はなく、
曲線形状等により分割されるランダムな形状であっても
よい。
【0037】本発明の製造方法で得られる液晶表示装置
において他の有用な点は、液晶のねじれ方向が同一で液
晶の立ち上がり方向が異なる微小領域(図2のAとB、
CとD)が平面図として見たときに線で接することがな
く点のみで接していることである。この結果として、本
発明の液晶表示装置の製造方法は特別の遮光層を設ける
ことなく高コントラストを得ることができる。
【0038】すなわち、液晶のねじれ方向が同一で液晶
の立ち上がり方向が異なる微小領域の境界部において
は、境界部の液晶分子が、電圧を印加した場合において
も動くことができず、電圧非印加時の光を透過する状態
のままである。一方、液晶のねじれ方向が異なる微小領
域の境界部の液晶分子は連続的な90゜ねじれを有して
いないために、直線偏光は旋光せず、常に光を透過しな
いままである。従って、ねじれ方向の異なる領域が、ね
じれ方向の同一の領域に優先的に生成する本発明の液晶
表示装置においては、液晶のねじれ方向が異なる微小領
域(図2のAとC、BとD等)のみが線で接し、液晶の
ねじれ方向が同一で液晶の立ち上がリ方向が異なる微小
領域(図2のAとB、CとD)が点のみで接しているた
め、特別の遮光層を設けることなく高コントラストを得
ることができる。
【0039】なお、本発明の液晶表示装置の製造方法に
は、図1及び図2のように画素の周囲から液晶分子が立
ち上がる液晶表示装置の製造方法の他、図3及び図4の
ように画素の中央から液晶分子が立ち上がっていく液晶
表示装置の製造方法のいずれもが含まれる。それぞれの
電極に印加する電圧を適切に制御することにより、上記
のいずれの液晶表示装置を容易に作り分けできる。
【0040】本発明の液晶表示装置の製造方法は、上下
の電極形状が異なることによる不均一電界を使用して、
液晶層が液晶相を形成している温度下で、分割構造を生
成させるものであるため、不均一電界が有効に発生する
電極構造を有することが望ましい。
【0041】このような電極構造として、(1)いずれ
かの電極に「開口部」を設けた構造、(2)いずれかの
電極に開口部を設け、さらに当該開口部の位置に第二の
電極を設けた構造、または(3)いずれかの電極上に当
該電極と絶縁された第二の電極を設けた構造を挙げるこ
とができ、このような電極構造を有する基板を用いるこ
とにより、より容易に本発明の液晶表示装置の製造方法
を実施することができる。
【0042】第二の電極25を有する基板を用いた本発
明に係る液晶表示装置の製造方法においては、電極22
のほかに第二の電極25が存在するため、この第二の電
極25に画素電極22と異なる電圧を印加することによ
り液晶層内に不均一電界を発生させることができる。
【0043】第二の電極を設けた場合において、第二の
電極25に印加する電圧は、すべての画素に一定の電圧
を印加してもよく、また各画素ごとに異なる電圧(例え
ば各画素電極に関連した異なる電圧)を印加してもよ
い。いずれの場合においても、液晶分子11の立ち上が
り方向を制御することができる。
【0044】ここで、本発明に係る液晶表示装置の製造
方法で生じる作用効果をより明らかにするために、図5
〜図7及び図8に基づいて開口部および第二の電極の作
用効果を詳細に説明する。
【0045】図5及び図6は、本発明に係る液晶表示装
置の製造方法における電界シミュレーションの結果を示
し、図7は、比較のための電界シミュレーションの結果
を示す。なお、図5〜7に図示した「電界シミュレーシ
ョンの結果」は濃淡を表す説明図であるので、その表示
の正確性を保つため、図8(本発明に係る液晶表示装置
の1画素の断面図)の符号を対応するにとどめ、図中の
引出線や符号を省略する。
【0046】図5の中央付近の2本の線(横線)は、図
8における上下基板の電極22、32に相当する。図8
において、電極22、32の間隔は5μmとされ、ま
た、下側電極22の中央部分に開口部24、その下には
絶縁膜を介して第二の電極25が設けられており、開口
部24及び第二の電極25の幅は6μmに設定されてい
る。このような本発明の液晶表示装置の製造方法に対す
る電界シミュレーションの結果である図5は、対向電極
32に対して、電極22を5V、第二の電極25をそれ
より高電位の8Vとした結果である。この図5には、等
電位面が濃淡として表示されている。
【0047】図5から、本発明に係る液晶表示装置の製
造方法では、高電位に設定された第二の電極25の存在
により、液晶層内の電界が不均一になっていることが理
解できる。
【0048】通常使用される正の誘電異方性を有する液
晶分子11は、電気力線(すなわち等電位面の垂線)に
平行に配列しようとするため、第二の電極25の存在に
より、本発明に係る液晶表示装置の製造方法における液
晶層内の液晶分子11は、図8に示す方向に立ち上がる
ことが分かる。
【0049】図7は、比較のため、図8において開口部
24がない液晶表示装置についてシミュレーションした
結果を示すものである。このシミュレーションは、図5
の場合における第二の電極25の電位を電極22と同じ
5Vとしたものである。
【0050】図7から明らかなように、等電位線は基板
表面に平行のままであることが認められ、本発明に係る
液晶表示装置の製造方法の効果は期待できないことが理
解できる。
【0051】不均一電界により液晶分子11の立ち上が
り方向を制御することは、いずれかの電極に開口部を設
けることによっても可能である。図6は、図8において
開口部24のみが存在し、第二の電極25がない場合の
シミュレーション結果であり、電極に開口部のみ有する
本発明の液晶表示装置の製造方法に対応するものであ
る。
【0052】この場合においては、図5と比較すると、
やや小さいが開口部近傍で不均一電界が認められ、本発
明に係る液晶表示装置の製造方法として十分に利用でき
ることが理解できる。
【0053】不均一電界により液晶分子11の立ち上が
り方向を制御することは、対向電極32に開口部(空き
部分)34を設けることによっても可能である(図
9)。しかし、対向電極32に開口部(空き部分)34
を作製するためには、従来必要とされなかった微細加工
を施す必要があるという問題がある。従って、対向電極
32に開口部を設けないで不均一電界を発生させる方法
の方が望ましい。
【0054】また、第二の電極25を設ける本発明にか
かる液晶表示装置では、第二の電極25の部分において
も電圧を印加することができるため、特開平6−434
61号公報に開示された技術のように、開口部の液晶分
子ヘの電圧印加が不十分であり、コントラストが低下す
るという問題も発生しないという作用効果が生じる。本
発明に係る液晶表示装置における開口部24または第二
の電極25の大きさは、液晶分子を各画素の中央方向か
ら立ち上がらせるために十分な大きさであればよく、具
体的には数μm以下の大きさでも十分である。また、開
口部24と第二の電極25を等しい幅にする必要はな
く、開口部24が第二の電極25よりも大きくても、ま
た、開口部24が第二の電極25より小さくてもよい。
ただし、第二の電極25が不透明の金属で作製されてい
る場合においては、当該第二の電極が遮光層としての効
果も兼ねるために開口部と同等以上の幅を有しているこ
とが望ましい。
【0055】また、本発明にいう「開口部の位置に」と
は、本発明の製造方法による液晶表示装置を正面から見
たときに、開口部と電極とがほぼ同じ位置にあって、重
なっていることを意味するものであり、本発明に係る液
晶表示装置を断面として見たとき、必ずしも開口部と同
じ位置に電極があることを意味するものではない。
【0056】このことは、本発明に係る液晶表示装置に
おいて、開口部と電極とは「同層」であってもよいが、
いずれかがより正面に近い位置にある「異なる層」であ
ってもよいことを意味し、このいずれも本発明に包含さ
れるものである。
【0057】従って、本発明に係る液晶表示装置の製造
方法をTFT駆動の液晶表示装置に適用する場合には、
策二の電極25はTFT等を形成する導電材料のいずれ
の層とも異なる別の層で作製することもできるが、TF
Tのいずれかの層と同層で作製するのが好ましい。これ
により、フォトレジスト工程におけるマスクの変更のみ
で第二の電極を作製することができ、従来法に対して工
程数を増加させないで、本発明に係る液晶表示装置を製
造することができるという利点があるからである。な
お、このような好ましい例として、ゲート電極層を構成
するクロム層により第二の電極25を作製し、同時にフ
ォトレジスト工程を行う方法を挙げることができる。
【0058】また、本発明の製造方法をTFT駆動の液
晶表示装置の製造に適用する場合におけるTFTの構造
としては、順スタガ構造であってもよいし、逆スタガ構
造であってもよい。
【0059】本発明の液晶表示装置の製造方法に用いる
電極の開口部または第二の電極は、各画素の対角線状に
形成されたものや、各画素の長辺方向に平行な部分を有
した形状のものが望ましい。
【0060】各画素の対角線状に形成されたものとして
は、例えば図2や図4に示すような第二の電極が「X」
形状の電極である場合であり、これにより、1画素が対
角線に沿って4等分され、広視野角の液晶表示装置が得
られる。この場合における対角線状とは、厳密に対角線
であることを要せず、1画素をほぼ等分できるようなも
のであれば、多少変形し又は曲がっていてもよい。
【0061】また、一般にカラー表示の液晶表示装置に
おいては、RGB3色の画素が併置して存在し、これら
が一つのまとまりをなして多色表示を行っている。この
ため、R、G、Bそれぞれの画素は、正方形ではなく、
例えば縦:横比が3:1の長方形となっており、3つ集
まることにより正方形の画素単位を形成している。この
ような場合、距離の短い横方向についての液晶分子の立
ち上がり方向の制御は容易であるのに対して、距離の長
い方向の液晶分子の立ち上がり方向の制御はやや困難で
ある。例えば図2においてC、Dの領域はA、Bの領域
に比べ不安定であり、A、B、C、Dの4領域が均等に
生成する印加電圧の条件や冷却速度の条件は範囲の狭い
ものになる。
【0062】本発明の液晶表示装置の製造方法の他の実
施の形態はこの点をさらに改良し、広範囲の電圧印加条
件、冷却条件で、容易かつ安定的に4分割ができるよう
にしたものである。すなわち、他の実施の形態において
は、開口部または第二の電極が、画素の長辺に平行な部
分を有していることを特徴としている。このような第二
の電極を有する液晶表示装置の1画素の模式的平面図を
図10〜18に示す。図2の電極形状と比較すると明ら
かなように、図10〜18の電極形状においては、C、
D領域の「長さ」が短くなっており、これによりC、D
の領域がより安定かつ容易に生成し、広範囲な電圧印加
条件、冷却条件で広視野角な液晶表示装置が得られる。
【0063】また、本発明の製造方法の他の実施の形態
は、電圧の印加と同時に、少なくとも一方の基板の外部
から圧力を加える、又は機械的振動により液晶層に応力
を発生させることを特徴とする液晶表示装置の製造方法
である。
【0064】本発明の製造方法は、液晶層が液晶相を形
成している温度下で、液晶層の両側の電極間に電圧を印
加することにより、微小領域を生成させることを特徴と
しているが、液晶表示装置の画素は数十万個から数百万
個にも及ぶものがあり、このような多数の画素を全く欠
陥なく、微小領域に分割することは必ずしも容易ではな
い。特に多くみられる傾向は、図2及び図4に示す構造
において、4つの領域A、B、C、Dは生成するもの
の、その境界域が必ずしも所望通りに制御電極25の位
置には生成せず、そこからはみ出る傾向である。この場
合、完全に微小領域が制御された場合に比較して、斜め
方向からの視角特性がやや比較的低下する。
【0065】このような傾向を排除するために、電圧の
印加と同時に、少なくとも一方の基板の外部から圧力を
加える、又は機械的振動により液晶層に応力を発生させ
ることが好ましい。これにより、液晶分子の動きが加速
され、より電界に応じた方向に液晶分子が動き、それに
伴い境界領域も電界に応じた方向に移動することにな
る。この結果として、各画素が完全に所望通りの位置で
分割された良好な液晶表示装置を得ることができる。
【0066】ここで、基板の外部から印加される圧力
は、液晶の境界部を移動させる程度の圧力であればよ
く、大型の装置や器具を用いて印加することも可能であ
るが、ペン先等のような形状物で印加される微小なもの
であってもよい。また、この圧力は連続的であっても断
続的であっても、周期的であってもよい。
【0067】また、本実施形態における機械的振動は、
微小量域が移動するような応力が液晶層に発生するもの
であればよく、種々のものが考えられ、カム等を用いた
機械的構造に起因する振動であってもよいし、超音波や
亜音波等のような音波によるものであってもよい。中で
も超音波によるものが望ましいが、その周波数や強度は
種々に適宜選択することができる。
【0068】また、本発明の製造方法の他の実施の形態
として、液晶表示装置の2枚の基板間に液晶層が挟持さ
れ、当該液晶層に2種以上の微小領域が共存する液晶表
示装置の製造方法であって、液晶層に、液晶相を形成し
ている温度下で、液晶層の両側の電極間に電圧を印加す
ることにより微小領域を生成させる工程を有する本発明
の製造方法において、当該微小領域を安定化させること
が好ましい。
【0069】この望ましい実施の形態は、液晶層に含有
させた当該モノマー又はオリゴマーを反応させて高分子
とすることにより微小領域を安定化させる方法である。
【0070】室温下等で電圧を印加する本発明の製造方
法で作製された液晶表示装置の分割構造は、さらに安定
化することが望ましく、長期間の使用によっても分割構
造が壊れないようにすることが望ましい。また、液晶層
が等方相まで加熱された場合や液晶表示装置のパネル部
に圧力が加わった場合にも分割構造が壊れないように安
定化することが望ましい。また、特に分割構造が4つの
領域である場合には、図23に示すような電圧印加直後
の不適切な微小領域の発生を完全に防ぐために安定化を
行うことが好ましい。
【0071】そこで、本発明の液晶表示装置の製造方法
の一実施形態においては、液晶層が液晶相を形成してい
る温度下で電圧印加により作製した分割構造を安定化さ
せる。これにより、作製した分割構造は、長期間の使用
により壊れることがなく、等方相に加熱した場合や基板
に圧力が加わった場合にも壊れるという問題がない。ま
た、分割構造が安定化することにより電圧印加直後の不
適切な微小領域の発生が押さえられ、応答速度とともに
コントラストが改善されるという効果が得られる。
【0072】微小領域を安定化させる他の方法として
は、たとえば、液晶分子の立ち上がり方向をより確実に
記憶させるために、あらかじめ液晶に少量の高分子化合
物を含ませる方法もある。
【0073】微小領域を安定化させる方法として、液晶
層に含有させたモノマー又はオリゴマーを反応させて高
分子とする方法は、上記高分子を化合物を用いる方法に
比べて液晶溶液の粘度が低く、微小領域の安定化力がさ
らに強いという利点がある。モノマー又はオリゴマーを
含む液晶を基板間に注入し、液晶層が液晶相を形成する
温度下で分割構造を形成した後に、当該モノマー又はオ
リゴマーを液晶中で反応させて高分子化することにより
分割構造を安定化する方法が、この高分子化合物が均一
に分散して不均一性の問題が生じないとともに、液晶分
子の立ち上がり方向を安定化する力が強いために特に好
ましい。
【0074】液晶中の当該モノマー又はオリゴマーを反
応させて高分子とする本発明の液晶表示装置の製造方法
においては、液晶相で当該モノマー又はオリゴマーを反
応させることにより生成した高分子が、液晶のねじれ方
向や立ち上がり方向が異なる領域が安定に存在すること
を助けるのみならず、生成した高分子が液晶の配向方向
を積極的に記憶する傾向が強いと考えられる。そのた
め、等方相に加熱した場合や液晶層に応力が加わった場
合においても分割構造が壊れないという利点を有する。
【0075】本発明に使用するモノマー、オリゴマーと
しては、光硬化性モノマー、熱硬化性モノマー、あるい
はこれらのオリゴマーのいずれをも使用することもで
き、またこれらを含むものであれば他の成分を含んでい
てもよい。
【0076】本発明に使用する「光硬化性モノマー又は
オリゴマー」とは、可視光線により反応するものだけで
なく、紫外線により反応する紫外線硬化モノマー等を含
み、操作の容易性からは特に後者が望ましい。
【0077】また、本発明で使用する高分子化合物は、
必ずしも液晶を配向させる目的で使用されるものではな
いため、アルキレン鎖を有するような柔軟性のあるもの
であってもよいが、液晶分子を配向させるという機能か
ら、液晶性を示すモノマーやオリゴマー等のように液晶
分子と類似の構造を有するものが望ましい。
【0078】また、モノマー、オリゴマーは単官能性の
ものであってもよいし、2官能性のもの、3官能以上の
多官能性のものでもよい。
【0079】本発明で使用する光または紫外線硬化モノ
マーとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、ブチルエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリ
レート、2−シアノエチルアクリレート、ベンジルアク
リレート、シクロヘキシルアクリレート、2−ヒドロキ
シプロピルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレ
ート、N,N−エチルアミノエチルアクリレート、N,
N−ジメチルアミノエチルアクリレート、ジシクロペン
タニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレー
ト、グリシジルアクリレート、テトラヒドロフルフリル
アクリレート、イソボニルアクリレート、イソデシルア
クリレート、ラウリルアクリレート、モルホリンアクリ
レート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジ
エチレングリコールアクリレート、2,2,2−トリフ
ルオロエチルアクリレート、2,2,3,3,3−ペン
タフルオロプロピルアクレート、2,2,3,3−テト
ラフルオロプロピルアクリレート、2,2,3,4,
4,4−ヘキサフルオロブチルアクリレート等の単官能
アクリレート化合物を使用することができる。
【0080】また、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、ブチルエチルメタクリレート、ブトキシエチルメタ
クリレート、2−シアノエチルメタクリレート、ベンジ
ルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2
−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−エトキシエ
チルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタ
クリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート、ジシクロペンタニルメタクリレート、ジシクロペ
ンテニルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、
テトラヒドロフルフリルメタクリレート、イソボニルメ
タクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメ
タクリレート、モルホリンメタクリレート、フェノキシ
エチルメタクリレート、フェノキシジエチレングリコー
ルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメ
タクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピ
ルメタクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフ
ルオロブチルメタクリレート等の単官能メタクリレート
化合物を使用することができる。
【0081】さらに、4,4’−ビフェニルジアクリレ
ート、ジエチルスチルベストロールジアクリレート、
1,4−ビスアクリロイルオキシベンゼン、4,4’一
ビスアクリロイルオキシジフェニルエーテル、4,4’
一ビスアクリロイルオキシジフェニルメタン、3,9−
ビス[1,1−ジメチル−2−アクリロイルオキシエチ
ル]一2,4,8,10−テトラスピロ[5,5]ウン
デカン、α,α’−ビス[4−アクリロイルオキシフェ
ニル]−1,4−ジイソプロピルベンゼン、1,4−ビ
スアクリロイルオキシテトラフルオロベンゼン、4,
4’一ビスアクリロイルオキシオクタフルオロビフェニ
ル、ジエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブ
タンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコ
ールジアクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレー
ト、グリセロールジアクリレート、1,6−ヘキサンジ
オールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアク
リレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリ
スリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトール
トリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラア
クリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアク
リレート、4,4’−ジアクリロイルオキシスチルベ
ン、4,4’−ジアクリロイルオキシジメチルスチルベ
ン、4,4’−ジアクリロイルオキシジエチルスチルベ
ン、4,4’−ジアクリロイルオキシジプロピルスチル
ベン、4,4’−ジアクリロイルオキシジブチルスチル
ベン、4,4’−ジアクリロイルオキシジペンチルスチ
ルベン、4,4’一ジアクリロイルオキシジヘキシルス
チルベン、4,4’−ジアクリロイルオキシジフルオロ
スチルベン、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ
ペンタンジオール−1,5−ジアクリレート、1,1,
2,2,3,3−ヘキサフルオロプロピル−1,3−ジ
アクリレート、ウレタンアクリレートオリゴマー等の多
官能アクリレート化合物を用いることができる。さらに
また、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,4
−プタンジオールジメタクリレート、1,3−ブチレン
グリコールジメタクリレート、ジシクロペンタニルジメ
タクリレート、グリセロールジメタクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグ
リコールジメタクリレート、テトラエチレングリコール
ジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタク
リレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジトリ
メチロールプロパンテトラメタクリレート、ジペンタエ
リスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリ
トールモノヒドロキシペンタメタクリレート、2,2,
3,3,4,4−ヘキサフルオロペンタンジオール−
1,5−ジメタクリレート、ウレタンメタクリレートオ
リゴマー等の多官能メタクリレート化合物、その他スチ
レン、アミノスチレン、酢酸ビニル等があるが、これら
に限定されるものではない。
【0082】また、本発明の素子の駆動電圧は、高分子
材料と液晶材料の界面相互作用にも影響されるため、フ
ッ素元素を含む高分子化合物であってもよい。このよう
な高分子化合物として、2,2,3,3,4,4−ヘキ
サフルオロペンタンジオール−1,5−ジアクリレー
ト、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロピル
−1,3−ジアクリレート、2,2,2−トリフルオロ
エチルアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフル
オロプロピルアクリレート,2,2,3,3−テトラフ
ルオロプロピルアクリレート、2,2,3,4,4,4
−へキサフルオロブチルアクリレート、2,2,2−ト
リフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テ
トラフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,
4,4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリレート、ウ
レタンアクリレートオリゴマー等を含む化合物から合成
された高分子化合物が挙げられるが、これらに限定され
るものではない。
【0083】本発明における高分子反応に、光または紫
外線硬化モノマーを使用する場合は、光または紫外線用
の開始剤を使用することもできる。
【0084】この開始剤としては種々のものが使用可能
であり、たとえば、2,2−ジエトキシアセトフェノ
ン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−
オン,1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロ
キシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデ
シルフェニル)―2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン
−1−オン等のアセトフェノン系、ベンゾインメチルエ
ーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチル
ケタール等のべンゾイン系、ベンゾフェノン、ベンゾイ
ル安息香酸、4−フェニルベンゾフェノン、3,3−ジ
メチル−4−メトキシベンゾフェノン等のべンゾフェノ
ン系、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2
−メチルチオキサンソン等のチオキサンソン系、ジアゾ
ニウム塩系、スルホニウム塩系、ヨ−ドニウム塩系、セ
レニウム塩系等が使用できる。
【0085】図1等は、液晶分子11が正の誘電異方性
を有し、その初期配向が基板23、33に平行である場
合を示したものであるが、本発明に係る液晶表示装置の
製造方法は、これらの液晶表示装置に限定されるもので
はなく、液晶分子11の誘電率の異方性が負である場合
や、液晶分子11の初期配向が基板23、33に垂直な
ホメオトロピック配向である場合であってもよく、いず
れも本発明に包含されるものである。
【0086】また、液晶材料についても、ねじれ角90
゜のTN型のものである必要は必ずしもなく、スーパツ
イステッドTN(STN)や、強誘電特性を有する液晶
材料でもよい。
【0087】
【実施例】次に、本発明の実施例を比較例と共に挙げて
本発明を詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に
限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範
囲で種々の変形・変更が可能である。
【0088】(実施例1)一画素の大きさ:100μm
×300μm、画素数:480×640×3、表示画面
の対角サイズ:240mmのアモルファスシリコン薄膜
トランジスタアレイ(TFT)を有する基板を、成膜過
程とリソグラフィー過程を繰り返してガラス基板上に作
製した。
【0089】本実施例におけるTFTは、逆スタガ構造
であり、基板側からゲート−クロム層、窒化珪素−絶縁
層、アモルファスシリコン−半導体層、ドレイン・ソー
ス−クロム層、画素−ITO(Indium Tin Oxide)層か
ら構成されている。
【0090】作製した各画素電極のITOには、対角方
向に幅5μmの「X」形状の開口部を設け、この開口部
と一致するようにクロムにより「X」形状の第二の電極
を作製した。この第二の電極は、外部から画素部とは別
の電圧を印加できるように設計した。なお、この第二の
電極は、ゲート電極と同層のクロムで作製したため、従
来の製造工程と比較して新たな工程を付加する必要はな
かった。
【0091】本実施例における液晶パネルの作製におけ
る対向基板としては、RGBのカラーフィルター基板を
使用した。
【0092】これらの基板を洗浄した後、ポリイミド配
向剤:JALS−428(日本合成ゴム社製の商品名)
をスピンコートで塗布し、90℃及び220℃の焼成を
行って配向膜21、31を形成した(本実施形態の基本
構成は図8参照)。
【0093】次に、レーヨンからなるバフ布によりラビ
ング処理を施した。ラビンク方向は基板の対角方向であ
り、上側基板と下側基板のラビング方向は90゜の角を
なすようにした。
【0094】その後、基板の周辺部に接着剤を塗布し、
スペーサとして径6μmのラテックス球を散布した。続
いて、両基板を目合わせし、加圧しながら張り合わせ
た。
【0095】張り合わせた基板を真空槽内に置き、真空
排気後、ネマチック液晶(メルク社製ZLI 4792
(商品名)、相転移温度:92℃、しきい値電圧:2.
0V)、紫外線硬化モノマー(KAYARAD TMP
TA(日本化薬社製の商品名))0.2wt%からなる
液晶溶液を注入した。
【0096】得られたパネルの「X」形状の電極に20
V、5Hzの矩形波電圧、ゲート電極、ドレイン電極に
0Vの電圧を印加した。
【0097】電圧印加下での各画素の状態を顕微鏡を用
いて観察したところ、4つの領域A、B、C、Dに分割
され、電圧印加下で基板を傾けた観察から、領域のそれ
ぞれが図2に示すような異なるねじれ方向、立ち上がり
方向を有していることが認められた。
【0098】「X」形状の電極に印加する電圧を5V、
100Hzとした後、室温で紫外線(0.1mW/cm
2)を30分間照射した。なお、この温度で液晶は液晶
相となっている。
【0099】紫外線照射後の液晶パネルに、偏光フィル
ムの偏光軸がそれぞれの基板のラビング方向と平行にな
るようにそれぞれの基板に偏光フィルムを貼り付け、液
晶表示装置とした。
【0100】得られた液晶表示装置の「X」形状の電極
の電圧を切り、通常の状態で表示を行った。偏光顕微鏡
で観測すると、偏光フィルム貼り付け前と同様に各区画
が「X」形状の電極に従って4つの微小領域に分割され
ているのが確認できた。
【0101】液晶表示装置の表示は、いずれの方向にお
いても階調反転がなく、また横方向からのざらつき感が
なく、さらに中間調においても階調反転の生じない広視
野角、高コントラストの良好な表示が得られた。
【0102】また、液晶評価装置(大塚電子(株)製、
商品名:LCD−5000)を用いて、方位角45゜間
隔で階調表示時の視角特性を測定したところ、すべての
方向に対して殆ど同一の視角特性が得られ、60゜以内
において階調反転は認められなかった。
【0103】さらに、画素電極に印加する電圧を変化さ
せて液晶分子の立ち上がりを顕微鏡で観察すると、
「X」形状の電極位置に応じて4つの領域に分かれて液
晶が立ち上がるのが確認でき、また画素内に光り漏れの
するディスクリネーションは認められなかった。
【0104】(実施例2)一画素の大きさ:100μm
×300μm、画素数:480×640×3、表示画面
の対角サイズ:240mmのアモルファスシリコン薄膜
トランジスタアレイ(TFT)を有する基板を、前記実
施例1と同様、成膜過程とリソグラフィー過程を繰り返
して、ガラス基板上に作製した。
【0105】各画素電極のITOには開口部は設けなか
った。さらに、各画素を絶縁膜である窒化膜で覆った
後、各画素の中央にクロムによる「X」形状の第二の電
極を作製した。この電極には、外部から画素部とは別の
電圧を印加できるように設計した。また、液晶パネルの
作製における対向基板としては、RGBのカラーフィル
ター基板を使用した。
【0106】これらの基板を前記実施例1と同様の方法
で張り合わせて空パネルを作製した。
【0107】この空パネルを真空槽内に置き、真空排気
後、ネマチック液晶(メルク社製ZLI 4792(商
品名)、相転移温度:92℃)、紫外線硬化モノマー
(KAYARAD PET−30(日本化葉社製の商品
名))0.2wt%、開始剤(東京化成製ベンゾインメ
チルエーテル、モノマーに対して5wt%)からなる液
晶溶液を注入した。
【0108】得られたパネルの「X」形状の電極に20
V、5Hzの矩形波電圧、ゲート電極、ドレイン電極に
0Vの電圧を印加した。
【0109】電圧印加下での各画素の状態を顕微鏡を用
いて観察したところ、4つの領域A、B、C、Dに分割
され、電圧印加下で基板を傾けた観察から、領域のそれ
ぞれが図2に示すような異なるねじれ方向、立ち上がり
方向を有していることが認められた。
【0110】「X」形状の電極に印加する電圧を5V、
100HZとした後、室温で紫外線(0.1mW/cm
2)を10分間照射した。
【0111】紫外線照射後の液晶パネルに、偏光フィル
ムの偏光軸がそれぞれの基板のラビング方向と平行にな
るようにそれぞれの基板に偏光フィルムを貼り付け、液
晶表示装置とした。
【0112】得られた液晶表示装置の「X」形状電極
に、対向電極に対して0Vの電圧を印加し、通常と同様
に表示を行った。画素表示の電圧は約5Vであった。偏
光顕微鏡で観測すると、偏光フィルム貼り付け前と同様
に各区画が「X」形状の電極に従って4つの微小領域に
分割されているのが確認できた。
【0113】液晶表示装置の表示は、いずれの方向にお
いても階調反転がなく、また横方向からのざらつき感が
なく、さらに中間調においても階調反転の生じない広視
野角、高コントラストの良好な表示が得られた。
【0114】液晶評価装置を用いて方位角45゜間隔で
階調表示時の視角特性を測定したところ、すべての方向
に対して殆ど同一の視角特性が得られ、60゜以内にお
いて階調反転は認められなかった。
【0115】さらに、画素電極に印加する電圧を変化さ
せて液晶分子の立ち上がりを顕微鏡で観察すると、
「X」形状の電極位置に応じて4つの領域に分かれて液
晶が立ち上がるのが確認でき、また画素内に光り漏れの
するディスクリネーションは認められなかった。
【0116】(実施例3)第二の電極の形状として図1
1の形状の電極を用いた以外は、実施例1と同様にして
空パネルを作製し、これに液晶溶液を注入した。
【0117】得られたパネルの「X」形状の電極にかけ
る電圧を10Vから50Vまで、周波数を2Hzから2
0Hzまで変化させて分割状態を観察したが、いずれの
条件下でも電極形状に従った4分割の状態が得られた。
【0118】液晶表示装置の表示は、いずれの方向にお
いても階調反転がなく、また横方向からのざらつき感も
なく、さらに中間調においても階調反転の生じない広視
野角、高コントラストの良好な表示が得られた。
【0119】液晶評価装置を用いて方位角45゜間隔で
階調表示時の視角特性を測定したところ、すべての方向
に対して殆ど同一の視角特性が得られ、60゜以内にお
いて階調反転は認められなかった。
【0120】さらに、画素電極に印加する電圧を変化さ
せて顕微鏡で観察すると、「X」形状の電極位置に応じ
て4つの領域に分かれて液晶が立ち上がるのが確認で
き、また画素内に光り漏れのするディスクリネーション
は認められなかった。 (実施例4)対角方向に「X」形状の開口部のみを設
け、クロムによる第二の電極を設けなった以外は、実施
例1と同様に空パネルを作製した。
【0121】この空パネルを真空槽内に置き、真空排気
後、ネマチック液晶(ZLI4792)、紫外線硬化モ
ノマー(KAYARAD TMPTA(日本化薬社製の
商品名)0.2wt%からなる液晶溶液を注入した。
【0122】得られたパネルのゲート電極、ドレイン電
極に40V、5Hzの正弦波電圧を印加した。
【0123】電圧印加下での各画素の状態を顕微鏡を用
いて観察したところ、4つの領域A、B、C、Dに分割
され、電圧印加下で基板を傾けた観察から、領域のそれ
ぞれが図4に示すような異なるねじれ方向、立ち上がり
方向を有していることが認められた。
【0124】ゲート電極、ドレイン電極に印加する電圧
を4V、100Hzとした後、室温で紫外線(0.1m
W/cm2)を30分間照射した。
【0125】紫外線照射後の液晶パネルに、実施例1と
同様にして偏光フィルムを貼り付けて液晶表示装置とし
た。
【0126】得られた液晶表示装置を通常と同様に表示
を行った。画素表示の電圧は約5Vであった。偏光顕微
鏡で観測すると、偏光フィルム貼り付け前と同様に各区
画が「X」形状の電極に従って4つの微小領域に分割さ
れているのが確認できた。
【0127】液晶表示装置の表示は、いずれの方向にお
いても階調反転がなく、また横方向からのざらつき感も
なく、さらに中間調においても階調反転の生じない広視
野角、高コントラストの良好な表示が得られた。
【0128】また、液晶評価装置を用いて方位角45°
間隔で階調表示時の視角特性を測定したところ、すべて
の方向に対して殆ど同一の視角特性が得られ、60°以
内において階調反転は認められなかった。
【0129】さらに、画素電極に印加する電圧を変化さ
せて顕微鏡で観察すると、「X」形状の電極位置に応じ
て4つの領域に分かれて液晶が立ち上がるのが確認で
き、また画素内に光り漏れのするディスクリネーション
は認められなかった。
【0130】(実施例5)TFT基板として順スタガ構
造のTFTを作製した以外は、前記実施例1と同様にし
てパネルを作製した。
【0131】一画素の大きさ:100μm×300μ
m、画素数:480×640×3、表示画面の対角サイ
ズ:240mmのアモルファスシリコン薄膜トランジス
タアレイ(TFT)を有する基板を、成膜過程とリソグ
ラフィー過程を繰り返してガラス基板上に作製した。
【0132】本実施例におけるTFTは順スタガ構造で
あり、基板側から画素−ITO層、ソース・ドレイン−
クロム層、アモルファスシリコン−半導体層、窒化珪素
−絶縁層、ゲート−クロム層から構成されている。
【0133】作製した各画素電極のITOには、対角方
向に幅5μmの「X」形状の開口部を設け、この開口部
と一致するようにクロムにより「X」形状の第二の電極
を作製した。この電極には、外部から画素部とは別の電
圧を印加できるように設計した。なお、この電極は、ゲ
ート電極と同層のクロムで作製したため、従来の製造工
程と比較して新たな工程を付加する必要はなかった。
【0134】前配実施例1と同様にパネルを組み立てて
これに液晶溶液を注入した後、紫外線を照射して、液晶
表示装置を作製した。
【0135】得られたパネルの「X」形状の電極に、対
向電極に対して0Vの電圧を印加し、通常と同様に表示
を行った。画素表示の電圧は約5Vであった。
【0136】本実施例においても、前記実施例1と同
様、いずれの方向においても階調反転がなく、また高コ
ントラストの良好な表示が得られた。
【0137】(実施例6)実施例1と同様にして液晶溶
液を注入したパネルを作製した。
【0138】得られたパネルの「X」形状の電極に10
V、5Hzの矩形波電圧、ゲート電極、ドレイン電極に
0Vの電圧を印加した。
【0139】電圧印加下での各画素の状態を偏光顕微鏡
で観察したところ、4つの領域A、B、C、Dに分割さ
れていることが認められたが、それらの領域の分割境界
線が第二の電極25からわずかにはみ出ている画素も存
在した。
【0140】電圧印加下、偏光顕微鏡で観察しながら、
分割境界線が第二の電極25からわずかにはみ出ている
画素の近傍にピンセットを用いて断続的に圧力を印加し
た。圧力の印加に対応して、境界線が第二の電極25の
位置に移動し、図2に示すような完全な分割状態に変化
するのが観察された。
【0141】その後、「X」形状の電極に印加する電圧
を5V、100Hzとした後、室温で紫外線(0.1m
W/cm2)を30分間照射した。なお、この温度で液
晶は液晶相となっている。
【0142】紫外線照射後の液晶パネルに、偏光フィル
ムの偏光軸がそれぞれ基板のラビング方向と平行になる
ように、それぞれの基板に偏光フィルムを貼り付け、液
晶表示装置とした。
【0143】得られた液晶表示装置の「X」形状の電極
の電圧を切り、通常の状態で表示を行った。偏光顕微鏡
で観察すると、偏光フィルムの貼り付け前と同様に各区
画が「X」形状の電極に従い、4つの微小領域に完全に
分割されたままで保持されているのが確認できた。
【0144】液晶表示装置の表示は、いずれの方向にお
いても階調反転がなく、また、横方向からのざらつき感
もなく、さらに中間調においても、階調反転の生じない
広視野角、高コントラストの良好な表示が得られた。
【0145】また、液晶評価装置を用いて方位角45°
間隔で階調表示時の視角特性を測定したところ、すべて
の方向に対して殆ど同一の視角特性が得られ、60°以
内において階調反転は認められなかった。
【0146】さらに、画素電極に印加する電圧を変化さ
せて液晶分子の立ち上がりを顕微鏡で観察すると、
「X」形状の電極位置に応じて4つの領域に分かれて液
晶が立ち上がるのが確認でき、また画素内に光り漏れの
するディスクリネーションは認められなかった。
【0147】(実施例7)実施例1と同様にして液晶溶
液を注入したパネルを作製した。
【0148】得られたパネルの「X」形状の電極に8
V、5Hzの矩形波電圧、ゲート電極、ドレイン電極に
0Vの電圧を印加した。
【0149】電圧印加下での各画素の状態を偏光顕微鏡
で観察したところ、4つの領域A、B、C、Dにほぼ分
割されていることが認められたが、それらの領域の分割
境界線が第二の電極25からわずかにはみ出ている画素
も存在していた。
【0150】そこで、さらに電圧印加下、偏光顕微鏡で
観察しながら、分割境界線が第二の電極25からわずか
にはみ出ている画素の近傍に超音波振動子(発生超音波
60kHz)を押し当てた。超音波振動子を押し当てる
ことによって、境界線が第二の電極25の位置に移動
し、図2に示すような完全な分割状態に変化するのが観
察された。
【0151】その後、「X」形状の電極に印加する電圧
を5V、100Hzとした後、室温で紫外線(0.1m
W/cm2)を30分間照射した。なお、この温度で液
晶は液晶相となっている。
【0152】紫外線照射後の液晶パネルに、偏光フィル
ムの偏光軸がそれぞれ基板のラビング方向と平行になる
ように、それぞれの基板に偏光フィルムを貼り付け、液
晶表示装置とした。
【0153】得られた液晶表示装置の「X」形状の電極
の電圧を切り、通常の状態で表示を行った。偏光顕微鏡
で観察すると、偏光フィルムの貼り付け前と同様に各区
画が「X」形状の電極に従い、4つの微小領域に完全に
分割されたままで保持されているのが確認できた。
【0154】液晶表示装置の表示は、いずれの方向にお
いても階調反転がなく、また、横方向からのざらつき感
もなく、さらに中間調においても、階調反転の生じない
広視野角、高コントラストの良好な表示が得られた。
【0155】また、液晶評価装置を用いて方位角45°
間隔で階調表示時の視角特性を測定したところ、すべて
の方向に対して殆ど同一の視角特性が得られ、60°以
内において階調反転は認められなかった。
【0156】さらに、画素電極に印加する電圧を変化さ
せて液晶分子の立ち上がりを顕微鏡で観察すると、
「X」形状の電極位置に応じて4つの領域に分かれて液
晶が立ち上がるのが確認でき、また画素内に光り漏れの
するディスクリネーションは認められなかった。
【0157】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の液晶表示
装置の製造方法は、製造が容易であり、視角特性が優れ
るとともに、コントラスト比、応答速度に優れた液晶表
示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法により得られる液晶表示装置
の1画素の模式的断面図である。
【図2】本発明の製造方法により得られる液晶表示装置
の1画素の模式的平面図である。
【図3】本発明の製造方法により得られる液晶表示装置
の1画素の模式的断面図である。
【図4】本発明の製造方法により得られる液晶表示装置
の1画素の模式的平面図である。
【図5】本発明の液晶表示装置の製造方法における電界
シミュレーションの結果を示す図である。
【図6】本発明の液晶表示装置の製造方法における電界
シミュレーションの結果を示す図である。
【図7】従来の液晶表示装置の製造方法における電界シ
ミュレーションの結果を示す図である。
【図8】本発明の製造方法により得られる液晶表示装置
の1画素の模式的断面図である。
【図9】本発明の製造方法により得られる液晶表示装置
の1画素の模式的断面図である。
【図10】本発明の製造方法により得られる液晶表示装
置の1画素の模式的平面図である。
【図11】本発明の製造方法により得られる液晶表示装
置の1画素の模式的平面図である。
【図12】本発明の製造方法により得られる液晶表示装
置の1画素の模式的平面図である。
【図13】本発明の製造方法により得られる液晶表示装
置の1画素の模式的平面図である。
【図14】本発明の製造方法により得られる液晶表示装
置の1画素の模式的平面図である。
【図15】本発明の製造方法により得られる液晶表示装
置の1画素の模式的平面図である。
【図16】本発明の製造方法により得られる液晶表示装
置の1画素の模式的平面図である。
【図17】本発明の製造方法により得られる液晶表示装
置の1画素の模式的平面図である。
【図18】本発明の製造方法により得られる液晶表示装
置の1画素の模式的平面図である。
【図19】従来のTN型液晶表示装置の特性を説明する
ための模式的断面図である(電圧印加時)。
【図20】従来の液晶表示装置を説明するための模式的
斜視図である。
【図21】従来の液晶表示装置の模式的平面図である。
【図22】従来の液晶表示装置の略平面図である。
【図23】従来の液晶表示装置の問題点を説明するため
の図である。
【符号の説明】
11 液晶分子 13 プレチルト角 21、26、31 配向膜 22、27、32 透明電極 23、33 ガラス基板 24、34 開口部 25 第二の電極 28 絶縁膜 41、42 光線 A、B、C、D 配向の異なる微小領域
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/1337 G02F 1/1337 530 G02F 1/1343 G09F 9/35 305

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚の基板間に液晶層が挟持され、該液
    晶層が液晶の配向ベクトルのねじれ方向と液晶分子の立
    ち上がり方向の異なる4種の微小領域を有する液晶表示
    装置の製造方法であって、液晶層が液晶相を形成する温
    度下で、該液晶層の両側の電極間に電圧を印加すること
    により前記微小領域を生成させる工程を有することを特
    徴とする液晶表示装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 2枚の基板間に液晶層が挟持され、該液
    晶層に2種以上の微小領域が共存する液晶表示装置の製
    造方法であって、液晶層が液晶相を形成する温度下で、
    該液晶層の両側の電極間に電圧を印加することにより前
    記微小領域を生成させる工程を有することを特徴とする
    液晶表示装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 電圧の印加と同時に少なくとも一方の基
    板の外部から圧力を加える請求項1又は2記載の液晶表
    示装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 電圧の印加と同時に、機械的振動により
    液晶層に応力を発生させる請求項1又は2記載の液晶表
    示装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 機械的振動が超音波によるものである請
    求項4記載の液晶表示装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 液晶層に含有させたモノマー又はオリゴ
    マーを反応させ高分子を形成して前記微小領域を安定化
    させる工程を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載
    の液晶表示装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記微小領域が安定化するように、液晶
    層に高分子化合物が含有された請求項1〜5のいずれか
    1項に記載の液晶表示装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 液晶層の両側の電極間に印加する電圧が
    液晶のしきい値電圧の3倍以上である請求項1〜7のい
    ずれか1項に記載の液晶表示装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 開口部を有する電極を少なくとも一方の
    基板上に設けた請求項1〜8のいずれか1項に記載の液
    晶表示装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 開口部を有する電極を少なくとも一方
    の基板上に設け、該開口部の位置に第二の電極を設けた
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の液晶表示装置の製
    造方法。
  11. 【請求項11】 基板の少なくとも一方の電極上に、該
    電極と絶縁された第二の電極を設けた請求項1〜8のい
    ずれか1項に記載の液晶表示装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 開口部が各画素の対角線状に形成され
    た請求項9又は10のいずれか1項に記載の液晶表示装
    置の製造方法。
  13. 【請求項13】 第二の電極が各画素の対角線状に形成
    された請求項10又は11記載の液晶表示装置の製造方
    法。
  14. 【請求項14】 開口部が各画素の長辺に平行な部分を
    有した形状に形成された請求項9又は10記載の液晶表
    示装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 第二の電極が各画素の長辺に平行な部
    分を有した形状に形成された請求項10又は11記載の
    液晶表示装置の製造方法。
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