液晶表示装置の液晶の動作モードとしては、基板間で液晶分子の分子軸の方向(以下、ダイレクタと呼ぶ)を上下基板間で約90度回転させて液晶分子をツイスト配向させ、基板に対して垂直方向の電界により、ダイレクタを垂直方向に回転させて表示を行うツイステッドネマティックモード(以下、TNモードと呼ぶ)が従来用いられてきた。
しかしながら、このTNモードは、視野角が狭いという問題点がある。その為、斜め方向から表示を視認出来ない他、大容量表示が進み画面面積が大きくなると、斜め方向のある視点から画面を見た場合画面中央と画面端で見え方が異なり正しい表示が不可能になる。
この問題に対して、基板に対して平行方向に電界を発生させ、ダイレクタを水平面内で回転させて表示を行うインプレーンスイッチングモード(以下IPSモードと呼ぶ)が開発されている。基板に平行な電界により液晶を駆動させる液晶表示装置は、液晶が水平方向に配向しているので視点を動かしても液晶の複屈折性が大きく変化しないため、TNモードの液晶表示装置に比較して、広視野角を達成することができる。
また、IPSモードと同様に基板に平行な電界により広視野角を得る方法として非特許文献1または特許文献1には誘電率異方性が正の液晶を基板に対して垂直にホメオトロピック配向させておき、基板に水平方向の電界で液晶分子を基板と水平方向に倒す方式が述べられている。このとき、電界の方向のためホメオトロピック配向させた液晶分子は傾く方向が異なる2つ以上の領域に分かれる。ホメオトロピック配向の液晶自体は、特に広い視野角を得られるわけではないが、上記の方向で2つ以上の領域に分けることにより、透過光強度の変化を緩やかにして広視野を得ることができる。
IPSモードにより動作する液晶表示装置は、例えば特許文献2(以下「従来例1」)に開示されているように、画素電極と共通電極線の間に電圧を印加し、基板面にほぼ平行な電界を発生させて液晶を駆動していた。図12に従来例1の平面図、また、図13に図12中のA−A’線の断面図を示す。従来例1の液晶表示装置は、薄膜トランジスタの存在する基板1(以下、TFT基板と呼ぶ)上にマトリクス状に配置された複数の走査線3、信号線7及び共通電極線14を備え、走査線と信号線の交差部には薄膜トランジスタ及び画素電極11を有している。画素電極11と共通電極線14から延びるCOM電極12は図12の平面図に示すようにストライプ状に両電極が平行になるよう設置され、基板面に平行で両電極に直交する成分を主とした電界を発生できる。
さらに、このTFT基板と液晶層13とを介して対向して、遮光層15と、カラーフィルタ9R、9B、9G、液晶配向層(図示せず)とを有する基板2(以下、対向基板と呼ぶ)を設置し、一つのアクティブマトリクス液晶表示装置を形成している。ここで、従来例1の特徴は、カラーフィルタ及び遮光層が対向基板2上に形成されていることにある。
また、従来、カラーフィルタがTFT基板側に形成された液晶表示装置が特許文献3において提案されている(以下従来例2とする)。図14に従来例2の平面図を、図15に図14中のA−A’線の断面図を示す。また、図16(a)〜(h)は、その製造工程を示す図である。従来例2の液晶表示装置は以下のような構成をしている。
一方の基板1上に走査線3、走査線3に電気的に接続されたゲート電極3a及び共通電極線14が設置されている。その上層にゲート絶縁膜4が形成され、このゲート絶縁膜4の上層に能動層となる半導体層5が形成されている。その上層にソース電極7a、信号線7及びドレイン電極7bが形成されている。信号線7とソース電極7aは接続されている。また、ソース電極7aとドレイン電極7bはn型半導体層6を介して半導体層5と接続されている。それらの上層には薄膜トランジスタを保護するパッシベーション膜8が設置され、その上層には遮光層20、それぞれ赤・緑・青の光を通過させるカラーフィルター9R・9G・9B、チャージアップしにくい透明な絶縁材料からなるオーバーコート層10が設置され、その上層には共通電極線14、共通電極線14と接続されたCOM電極12が設置されている。その上層には絶縁膜21を挟んで薄膜トランジスタのソース電極7bとコンタクトホールを介して接続された金属よりなる櫛歯状の画素電極11が設置されている。画素電極11とCOM電極12は、その間に発生する電界が基板に水平方向の成分が主となるよう配置されている。その上層には図示しないが液晶分子を液晶の動作モードに適した配列や傾きを制御するための液晶配向層が設置され薄膜トランジスタ基板(以下TFT基板とする)を形成している。
もう一方の基板2上には図示しないが液晶配向層が設置され、対向基板を形成している。TFT基板と対向基板は液晶配向層同士が向かい合うように設置され、向かい合う液晶配向層の間には液晶層13が設置される構成となっている。ここで、液晶層中の液晶分子は基板に平行に配向されている。
従来例2の液晶表示装置は、カラーフィルタ9上に配置された画素電極11とCOM電極12の間に電界を形成することで、それらの上に配置された液晶分子200を駆動している。言い換えるならば、カラーフィルタ9と液晶層13とが、画素電極11とCOM電極12とを挾んで配置されているようにした。この従来例2によれば、液晶分子200を動かすための電界がTFT基板側に回り込みカラーフィルタ9に印加され不純物イオンが偏在化したとしても、液晶層13とカラーフィルタ9の間には画素電極11とCOM電極12が存在するため、カラーフィルタの不純物イオンが作り出す電界は導電体である画素電極11とCOM電極12に収束し、液晶層には大きな影響を与えない。また、従来例2ではカラーフィルタ9上にオーバーコート層10が形成され、その上に液晶層13が形成されているが、オーバーコート層10は顔料等が含まれていないため不純物イオンが少なく殆どチャージアップしない。よって、さらに液晶層13への影響は少なくなる。
なお、後述するように、本発明に関連すると思われる特許文献4および非特許文献2もある。
特開平10−186351号公報
特開平6−148595号公報
特願平11−168334号
特開平9−311347号公報
Journal of Applied Physics,Vol.45,No.12(1974)P.5466
エ−エムエルシ−ディ−'96/アイディ−ダブリュ'96のダイジェスト・オブ・テクニカル・ペイパ−ズ(AM−LCD’96/IDW’96Digest of Technical Papers)P.337
次に本発明について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態の構成を示す平面図、図2は図1のA−A’線の断面図、図3は図1のB−B’線の断面図を示す。
一方の基板1上に走査線3、走査線3に電気的に接続されたゲート電極3a及び共通電極線14が設置されている。その上層にゲート絶縁膜4が形成され、このゲート絶縁膜の上層に能動層となる半導体層5が形成されている。その上層にソース電極7a、信号線7、ドレイン電極7b及び導通部25が形成されている。信号線7とソース電極7aは接続されている。また、ソース電極7aとドレイン電極7bはn型半導体層6を介して半導体層5と接続されている。それらの上層には薄膜トランジスタを保護するパッシベーション膜8が設置され、その上層には遮光層20、それぞれ赤・緑・青の光を通過させるカラーフィルタ9R・9G・9B、チャージアップしにくい透明な絶縁材料からなるオーバーコート層10が設置され、その上層には薄膜トランジスタのソース電極7bとコンタクトホールを介して接続された金属よりなる画素電極11、共通電極線14と導通部25及びコンタクトホールを介して接続されたCOM電極12が設置されている。画素電極11とCOM電極12は、その間に発生する電界が基板に水平方向の成分が主となるよう配置されている。その上層には図示しないが液晶分子を液晶の動作モードに適した配列や傾きを制御するための液晶配向層が設置され薄膜トランジスタ基板(以下TFT基板とする)を形成している。
もう一方の基板2上には図示しないが液晶配向層が設置され、対向基板を形成している。TFT基板と対向基板は液晶配向層同士が向かい合うように設置され、向かい合う液晶配向層の間には液晶層13が設置される構成となっている。ここで、液晶層中の液晶分子は基板に平行に配向されている。この実施の形態ではポリイミドからなる液晶配向層をラビングすることによって分子配向を行った。ラビング法に限らず、光配向法や酸化シリコンの斜方蒸着法を用いても良い。液晶分子の誘電異方性は正とした。
液晶層中の液晶分子200は図4(a)、(b)に示すように、画素電極11とCOM電極12間に電界が発生していないときは、液晶層13における液晶分子はそれら電極の延在方向にほぼ平行な状態となるよう液晶配向層によりホモジニアス配向している。すなわち、液晶分子の長軸(光学軸)の方向と、画素電極11とCOM電極12との間に形成される電界方向とのなす角度が、例えば、45°以上90°未満となるように、液晶分子は配向されている。
ここで、ゲート電極3aに電圧を印加して薄膜トランジスタ(TFT)をオンにすると、ドレイン電極7bに電圧が印加されて、画素電極11とこれに対向配置しているCOM電極12の間に電界が誘起される。そして、この電界により、液晶分子200は、画素電極11とこれに対向配置しているCOM電極12の間に形成される電界の方向に、ほぼ平行な状態となる(図4)。そして、基板1および基板2の外側に設置された偏光板の偏光透過軸を所定角度に配置しておくことで、上述した液晶分子の動きによって光の透過率を変化させることができる。例えば、一方の偏光板の透過軸を液晶分子200の配向方向とし、もう一方の偏光板の透過軸を90度回転させた方向とすることで、電界が印加されていないとき黒表示となり、印加時には光が透過するノーマリブラック表示となる。
次に第1の実施の形態の製造方法について述べる。図7(a)、(a')〜(h)、(h')に製造工程を説明する為の断面図を示す。図7(a)、(a')に示すように、一方の基板1に、スパッタによりクロムを成膜しフォトリソグラフィ技術を用いてパターンニングを行うことにより、走査線3、ゲート電極3a及び共通電極線14を形成する。配線材料としてクロムを用いたが、クロムに限らず、モリブデン、チタン、アルミニウム、アルミニウム合金などの抵抗が低く、薄膜形成及びフォトリソグラフィ技術によるパターンニングがしやすい材料ならばよい。また、アルミニウム上にチタンなどのバリアメタルを形成した積層構造の配線としても良い。その後、図7(b)、(b')に示すように、ケミカルべーパーデポジッション(以下CVDとする)によりゲート絶縁膜4となる窒化シリコンを全面に成膜する。ゲート絶縁膜上にドーピングされていないアモルファスシリコン(以下a−Siとする)とn+型にドーピングされたアモルファスシリコン(以下n+型a−Siとする)をCVDにより成膜しパターンニングして半導体層5とn+型a−Si6を形成する。半導体層は薄膜トランジスタの能動層となるものであり、n+型a−Si6はドレイン電極7bおよびソース電極7aとa−Siとのオーミックコンタクトを確保するためのものである。
この後、図7(c)、(c')のように、走査線3や共通電極線14の形成された金属層とこの後形成する信号線、ソース電極、ドレイン電極の形成される金属層との導通をとるためのコンタクトホールをゲート絶縁膜をパターンニングすることで形成する。このコンタクトホールの形成は、後のパッシベーション膜のパターンニングと同時に行ってもよい、その際には導通部25は必要がなくなる。この後、図7(d)、(d')のように、半導体層5およびn+型a−Si6上に、クロムをスパッタにより成膜しパターンニングしてドレイン電極7b、ソース電極7aと導通パッドを形成する。その後、n+型a−Siがエッチングされるガス系にてドライエッチングを行い、ドレイン電極7bとソース電極7aの間のn+型a−Siを除去する。これは、ソース電極とドレイン電極間をn+型a−Siを介して直接電流が流れるのを防止するためである。この後、図7(e)、(e')のように、CVDにより窒化シリコンを成膜しパターンニングしてパッシベーション膜8を形成する。パッシベーション膜8はイオン等の不純物が半導体層5へ入り薄膜トランジスタが動作不良を起こすのを防ぐ。
このようにして作製した薄膜トランジスタの上層に、図7(f)、(f')に示すように、カラーフィルタ9R、9G、9Bと遮光層20を形成する。例えばアクリル系の感光性ポリマー中に赤・緑・青・黒などの所望の色の顔料を分散したレジストをフォトリソグラフィ技術によりパターンニングし形成する。このときコンタクトホールも形成する。黒レジストは絶縁性の高いものを使用する。黒レジストの絶縁性が低いと薄膜トランジスタ上の遮光層が何らかの電位をもつこととなり、トランジスタのバックチャネルを活性化させ良好な表示ができなくなる。また、特許文献4のようにカラーフィルタの上層に金属からなる遮光層を形成しても良い。次に、図7(g)、(g')のように、感光性で透明性の高いアクリル系ポリマーをフォトリソグラフィ技術によりパターンニングしオーバーコート層10を形成する。オーバーコート層10は、カラーフィルタ9から溶出するイオン等の不純物が液晶層へ混入するのを防止し、また、TFT基板上を平坦化するため液晶層の厚さを面内均一よく制御可能にすると共にディスクリネーションの発生を抑え、良好な表示を得ることに寄与する。オーバーコート層10の材料として感光性のポリマーを用いたが熱硬化性のポリマーを高温で焼成して成膜した後、フォトリソグラフィ技術によりパターンニングしても良い。また、アクリル系のポリマーに限らず、ポリシラザンなど透明でスピンコーティングにより形成可能な絶縁膜であれば使用可能である。また、スパッタリングやCVDにより絶縁膜を形成し研磨して平坦化膜を形成する方法も可能である。スパッタリングやCVDにより絶縁膜を形成し研磨して平坦化膜を形成する製造方法は、非常に平らな膜面を形成できるので、高精細なパターンニングが可能になると同時に耐熱性に優れている。次に、図7(h)、(h')に示すように、オーバーコート層10の上層にクロムをスパッタにより成膜しパターンニングすることにより画素電極11及びCOM電極12を形成する。画素電極11及びCOM電極12はアルミニウム等の他の金属を用いてもよい。このようにしてTFT基板を得た。
TFT基板と対向基板2にそれぞれポリイミドよりなる液晶配向層を形成後、両基板をラビング処理し、ギャップに応じた径を有するポリマービーズを全面に散布し、液晶配向層どうしが向かい合うように重ね、接着し、基板間にネマティック液晶を注入する。2枚の偏光板で両基板を挟み、張り付けた。
以上述べたように、この第1の実施の形態では、カラーフィルタ9上に配置された画素電極11とCOM電極12の間に電界を形成することで、それらの上に配置された液晶分子200を駆動するようにした。言い換えるならば、カラーフィルタ9と液晶層13とが、画素電極11とCOM電極12とを挾んで配置されているようにした。この実施の形態によれば、液晶分子200を動かすための電界がTFT基板側に回り込みカラーフィルタ9に印加され不純物イオンが偏在化したとしても、液晶層13とカラーフィルタ9の間には画素電極11とCOM電極12が存在するため、カラーフィルターの不純物イオンが作り出す電界は導電体である画素電極11とCOM(共通)電極12に収束し、液晶層には大きな影響を与えない。また、第1の実施の形態ではカラーフィルタ9上にオーバーコート層10が形成され、その上に液晶層13が形成されているが、オーバーコート層10は顔料等が含まれていないため不純物イオンが少なく殆どチャージアップしない。よって、さらに液晶層13への影響は少なくなる。さらに、第1の実施の形態では画素電極11とCOM電極12が同一の層で形成されているため、別の層で形成するよりも工程数が少なくすみ、作製コストを少なくできる上、作製時間も短縮できる。
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態と異なる点は画素電極11とCOM電極12を形成する材料が透明導電材料となることのみである。図1、図2および図3を参照して説明する。
一方の基板1上に走査線3、走査線3に電気的に接続されたゲート電極3a及び共通電極線14が設置されている。その上層にゲート絶縁膜4が形成され、このゲート絶縁膜の上層に能動層となる半導体層5が形成されている。その上層にソース電極7a、信号線7、ドレイン電極7b及び導通部25が形成されている。信号線7とソース電極7aは接続されている。また、ソース電極7aとドレイン電極7bはn型半導体層6を介して半導体層5と接続されている。それらの上層には薄膜トランジスタを保護するパッシベーション膜8が設置され、その上層には遮光層20、それぞれ赤・緑・青の光を通過させるカラーフィルタ9R・9G・9B、チャージアップしにくい透明な絶縁材料からなるオーバーコート層10が設置され、その上層には薄膜トランジスタのソース電極7bとコンタクトホールを介して接続された透明な画素電極11、共通電極線14と導通部25及びコンタクトホールを介して接続された透明なCOM電極12が設置されている。画素電極11とCOM電極12は、その間に発生する電界が基板に水平方向の成分が主となるよう配置されている。その上層には図示しないが液晶分子を液晶の動作モードに適した配列や傾きを制御するための液晶配向層が設置され薄膜トランジスタ基板(以下TFT基板とする)を形成している。
もう一方の基板2上には液晶配向層が設置され、対向基板を形成している。TFT基板と対向基板は液晶配向層同士が向かい合うように設置され、向かい合う液晶配向層の間には液晶層13が設置される構成となっている。ここで、液晶層中の液晶分子は基板に平行に配向されている。
ここで、ゲート電極3aに電圧を印加して薄膜トランジスタ(TFT)をオンにすると、ドレイン電極7bに電圧が印加されて、画素電極11とこれに対向配置しているCOM電極12の間に電界が誘起される。そして、この電界により、液晶分子200は、画素電極11とこれに対向配置しているCOM電極12の間に形成される電界の方向に、ほぼ平行な状態となる。そして、基板1および基板2の外側に設置された偏光板の変更透過軸を所定角度に配置しておくことで、上述した液晶分子の動きによって光の透過率を変化させることができる。さらに、この構成では、画素電極11とCOM電極12が透明な電極であるため、画素電極11とCOM電極12の領域も光が透過する。画素電極11とCOM電極12の直上の領域は基板に対して平行な電界が弱いが、充分に平行電界が印加されている領域の液晶分子の影響で画素電極11とCOM電極12の直上の領域の液晶分子も動き光の透過率変化に寄与する。よって、金属電極を用いた場合に比べ明るい表示となる。
次に第2実施の形態の製造方法について述べる。基板1にオーバーコート層10を形成するまでは第1の実施の形態とまったく同様である。オーバーコート層10の上層に透明な導電材料であるITO(Indium−Tim−Oxide)をスパッタにより成膜しパターンニングすることにより画素電極11及びCOM電極12を形成する。このようにしてTFT基板を得た。TFT基板と対向基板2にそれぞれポリイミドよりなる液晶配向層を形成後、両基板をラビング処理し、ギャップに応じた径を有するポリマービーズを全面に散布し、液晶配向層どうしが向かい合うように重ね、接着し、基板間にネマティック液晶を注入する。2枚の偏光板で両基板を挟み、張り付けた。
次に第2の実施の形態の動作について説明する。第1の実施の形態と同様に第2の実施の形態では、カラーフィルタ9上に配置された画素電極11とCOM電極12の間に電界を形成することで、それらの上に配置された液晶分子200を駆動するようにした。言い換えるならば、カラーフィルタ9と液晶層13とが、画素電極11とCOM電極12とを挾んで配置されているようにした。この実施の形態によれば、液晶分子200を動かすための電界がTFT基板側に回り込みカラーフィルタ9に印加され不純物イオンが偏在化したとしても、液晶層13とカラーフィルタ9の間には画素電極11とCOM電極12が存在するため、カラーフィルタの不純物イオンが作り出す電界は導電体である画素電極11と共通電極12に収束し、液晶層には大きな影響を与えない。また、カラーフィルタ9上にオーバーコート層10が形成され、その上に液晶層13が形成されているが、オーバーコート層10は顔料等が含まれていないため不純物イオンが少なく殆どチャージアップしない。よってさらに液晶層13への影響は少なくなる。
第1の実施の形態と同様に第2の実施の形態では画素電極11とCOM電極12が同一の層で形成されているため、別の層で形成するよりも工程数が少なくすみ、作製コストを少なくできる上、作製時間も短縮できる。また、第2の実施の形態では画素電極11とCOM電極12が透明な導電材料で形成されているため画素電極11とCOM電極12の直上の領域が透過率の変化領域として使用できるため明るい表示が可能である。
図17に主に基板に垂直な電界により液晶を駆動する液晶表示装置の構成を示す平面図を示す。図18に図17中のA−A’線の断面図を示す。図17、図18に示されるようにTFT基板において第1の実施の形態との相違点は共通電極線およびCOM電極がTFT基板上に形成されていないことのみである。第1の実施の形態で示したように共通電極線は、ゲート電極と同時に、COM電極は画素電極と同時に、フォトリソグラフィ技術によりパターンニングされるものであるので、フォトリソグラフィ用のマスクを変更するだけで取り除くことができる。しかるに、第2の実施の形態では作製工程は全く同一である。
層構造が異なる等で作製工程が異なる液晶表示装置を同一の製造ラインで作製する場合、成膜やエッチング等を行う際の最適な条件も変わるため、製造装置の設定を変更しなくてはならない。設定の変更には時間がかかるため、生産の効率が非常に悪くなる。また、液晶表示装置の製造装置は非常に高価であり、設定切り替えをなくすため装置を増設することは製造コストの増加につながる。
本発明は基板に垂直な電界により液晶を駆動する液晶表示装置とTFT基板の作製工程が同一であるので、製造装置の設定変更なく透過型と同一の製造ラインで同時に作製できる。よって、本発明を用いることにより、低コストの液晶表示装置を作製できる。
次に本発明の第3の実施の形態について説明する。図8に第3の実施の形態の構成を示す平面図を、図9に図8のA−A’線の断面図を示す。一方の基板1上に走査線3、走査線3に電気的に接続されたゲート電極3a及び共通電極線14が設置されている。その上層にゲート絶縁膜4が形成され、このゲート絶縁膜の上層に能動層となる半導体層5が形成されている。その上層にソース電極7a、信号線7、ドレイン電極7b及び導通部25が形成されている。信号線7とソース電極7aは接続されている。また、ソース電極7aとドレイン電極7bはn型半導体層6を介して半導体層5と接続されている。それらの上層には薄膜トランジスタを保護するパッシベーション膜8が設置され、その上層にはそれぞれ赤・緑・青の光を通過させるカラーフィルタ9R・9G・9B、チャージアップしにくい透明な絶縁材料からなるオーバーコート層10が設置され、その上層には薄膜トランジスタのドレイン電極7bとコンタクトホールを介して接続された金属よりなる櫛歯状の画素電極11、共通電極線14と接続されたCOM電極12が設置されている。画素電極11とCOM電極12は、その間に発生する電界が基板に水平方向の成分が主となるよう配置されている。また、少なくとも画素電極11とCOM電極12のどちらかは、表示と関係のない部分およびTFT部の遮光層を兼ねている。その上層には図示しないが液晶分子を液晶の動作モードに適した配列や傾きを制御するための液晶配向層が設置され薄膜トランジスタ基板(以下TFT基板とする)を形成している。
もう一方の基板2上には図示しないが液晶配向層が設置され、対向基板を形成している。TFT基板と対向基板は液晶配向層同士が向かい合うように設置され、向かい合う液晶配向層の間には液晶層13が設置される構成となっている。ここで、液晶層中の液晶分子は基板に平行に配向されている。液晶分子の誘電異方性は正とした。液晶分子を動かし表示を行う過程は第1の実施の形態と同様である。
次に第3の実施の形態の製造方法について述べる。基板1にパッシベーション膜8を形成するまでは第1の実施の形態とまったく同様である。その後、第1の実施の形態と同様の手法でカラーフィルタ9R、9G、9Bを形成する。次に、第1の実施の形態と同様の手法でオーバーコート層10を形成する。オーバーコート層10の上層にクロムをスパッタにより成膜しパターンニングすることにより画素電極11及びCOM電極12を形成する。アルミニウム等の他の金属を用いてもよい。
このとき、少なくとも画素電極11とCOM電極のどちらかにてTFTの遮光を行うが、TFTのバックチャネルが活性化し良好な表示ができなくなるのを防ぐため、TFTの直上にカラーフィルタとオーバーコートが充分な厚みを持って形成され、また、カラーフィルタとオーバーコート層の誘電率が低いことが望ましい。このようにしてTFT基板を得た。TFT基板と対向基板2にそれぞれポリイミドよりなる液晶配向層を形成後、両基板をラビング処理し、ギャップに応じた径を有するポリマービーズを全面に散布し、液晶配向層どうしが向かい合うように重ね、接着し、基板間にネマティック液晶を注入する。2枚の偏光板で両基板を挟み、張り付けた。
次に第3の実施の形態の動作について説明する。カラーフィルタ9上に配置された画素電極11とCOM電極12の間に電界を形成することで、それらの上に配置された液晶分子200を駆動するようにした。言い換えるならば、カラーフィルタ9と液晶層13とが、画素電極11とCOM電極12とを挾んで配置されているようにした。この実施の形態によれば、液晶分子200を動かすための電界がTFT基板側に回り込みカラーフィルター9に印加され不純物イオンが偏在化したとしても、液晶層13とカラーフィルター9の間には画素電極11とCOM電極12が存在するため、カラーフィルターの不純物イオンが作り出す電界は導伝体である画素電極11と共通電極12に収束し、液晶層には大きな影響を与えない。また、カラーフィルタ9上にオーバーコート層10が形成され、その上に液晶層13が形成されているが、オーバーコート層10は顔料等が含まれていないため不純物イオンが少なく殆どチャージアップしない。よってさらに液晶層13への影響は少なくなる。
第3の実施の形態では画素電極11とCOM電極12が同一の層で形成されているため、別の層で形成するよりも工程数が少なくすみ、作製コストを少なくできる上、作製時間も短縮できる。また、画素電極11またはCOM電極12が遮光層を兼ねるため、独立に遮光層を形成する必要がなく工程が少なくすみ、作製コストを少なくできる上、作製時間も短縮できる。
次に本発明の参考例について説明する。図10に参考例の構成を示す平面図を、図11に図10のB−B’線の断面図を示す。一方の基板1上に走査線3及び走査線3に電気的に接続されたゲート電極3aが設置されている。その上層にゲート絶縁膜4が形成され、このゲート絶縁膜の上層に能動層となる半導体層5が形成されている。その上層にソース電極7a、信号線7、ドレイン電極7b及び導通部25が形成されている。信号線7とソース電極7aは接続されている。また、ソース電極7aとドレイン電極7bはn型半導体層6を介して半導体層5と接続されている。それらの上層には薄膜トランジスタを保護するパッシベーション膜8が設置され、その上層にはそれぞれ赤・緑・青の光を通過させるカラーフィルタ9R・9G・9B、チャージアップしにくい透明な絶縁材料からなるオーバーコート層10が設置され、その上層には薄膜トランジスタのドレイン電極7bとコンタクトホールを介して接続された金属よりなる櫛歯状の画素電極11、共通電極線14、および共通電極線14と接続されたCOM電極12が設置されている。画素電極11とCOM電極12は、その間に発生する電界が基板に水平方向な成分が主となるよう配置されている。第3の実施の形態と同様に画素電極11、共通電極線14、COM電極12を遮光層として用いてもよい。また、第2の実施の形態と同様に画素電極11、共通電極線14及びCOM電極12を透明な材料で形成してもよい。その上層には図示しないが液晶分子を液晶の動作モードに適した配列や傾きを制御するための液晶配向層が設置され薄膜トランジスタ基板(以下TFT基板とする)を形成している。
もう一方の基板2上には図示しないが液晶配向層が設置され、対向基板を形成している。TFT基板と対向基板は液晶配向層同士が向かい合うように設置され、向かい合う液晶配向層の間には液晶層13が設置される構成となっている。ここで、液晶層中の液晶分子は基板に平行に配向されている。液晶分子を動かし表示を行う過程は第1の実施の形態と同様である。また、この参考例の製造方法は、第1の実施の形態または第2の実施の形態と同様である。
第1の実施の形態と同様に参考例では、カラーフィルタ9上に配置された画素電極11とCOM電極12の間に電界を形成することで、それらの上に配置された液晶分子200を駆動するようにした。言い換えるならば、カラーフィルタ9と液晶層13とが、画素電極11とCOM電極12とを挾んで配置されているようにした。この参考例によれば、液晶分子200を動かすための電界がTFT基板側に回り込みカラーフィルタ9に印加され不純物イオンが偏在化したとしても、液晶層13とカラーフィルタ9の間には画素電極11とCOM電極12が存在するため、カラーフィルタの不純物イオンが作り出す電界は導電体である画素電極11と共通電極12に収束し、液晶層には大きな影響を与えない。また、カラーフィルタ9上にオーバーコート層10が形成され、その上に液晶層13が形成されているが、オーバーコート層10は顔料等が含まれていないため不純物イオンが少なく殆どチャージアップしない。よってさらに液晶層13への影響は少なくなる。この参考例では画素電極11とCOM電極12が同一の層で形成されているため、別の層で形成するよりも工程数が少なくすみ、作製コストを少なくできる上、作製時間も短縮できる。
なお、フォトリソグラフィによるパターンニングを行う工程中にごみ等の影響で目的以外のパターンを形成してしまうことがある。目的以外のパターンは本来は接続してはならないパターン同士を短絡させ回路を狂わせることがある。特に走査線、信号線、共通電極線等に意図しない短絡が発生するとその線に接続されたすべての画素において表示不良が発生することとなり表示品位を著しく悪化させ不良品となる。参考例では共通電極線と走査線が絶縁体を挟んで別の層に形成されているため共通電極線と走査線の短絡が少なくなり、その結果不良品は減少し、生産歩留まりが上昇する。
次に本発明の第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態は第1の実施の形態と同様の手法で形成されたTFT基板と対向基板の液晶配向層同士が向かい合うように設置され、向かい合う液晶配向層の間には液晶層13が設置される構成となっている。ここで、液晶層中の液晶分子は基板に平行に配向されている。また、液晶分子の誘電異方性は負とした。液晶層中の液晶分子200は図5(a)、(b)に示すように、画素電極11とCOM電極12間に電界が発生していないときは、それら電極の延在方向にほぼ平行な状態となるよう液晶配向層によりホモジニアス配向している。
ここで、ゲート電極3aに電圧を印加して薄膜トランジスタ(TFT)をオンにすると、ドレイン電極7bに電圧が印加されて、画素電極11とこれに対向配置しているCOM電極12の間に電界が誘起される。そして、この電界により、液晶分子200は、画素電極11とこれに対向配置しているCOM電極12の間に形成される電界の方向に、ほぼ垂直な状態となる。そして、基板1および基板2の外側に設置された偏光板の偏光透過軸を所定角度に配置しておくことで、上述した液晶分子の動きによって光の透過率を変化させることができる。例えば、一方の偏光板の透過軸を液晶分子200の配向方向とし、もう一方の偏光板の透過軸を90度回転させた方向とすることで、電界が印加されていないとき黒表示となり、印加時には光が透過するノーマリブラック表示となる。なお、TFT基板は第1の実施の形態と同様のものを用いたが、第2、第3、参考例のTFT基板を用いてもよい。
この実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、カラーフィルタ9上に配置された画素電極11とCOM電極12の間に電界を形成することで、それらの上に配置された液晶分子200を駆動するようにした。言い換えるならば、カラーフィルタ9と液晶層13とが、画素電極11とCOM電極12とを挾んで配置されているようにした。この参考例によれば、液晶分子200を動かすための電界がTFT基板側に回り込みカラーフィルタ9に印加され不純物イオンが偏在化したとしても、液晶層13とカラーフィルタ9の間には画素電極11とCOM電極12が存在するため、カラーフィルタの不純物イオンが作り出す電界は導電体である画素電極11と共通電極12に収束し、液晶層には大きな影響を与えない。また、ではカラーフィルタ9上にオーバーコート層10が形成され、その上に液晶層13が形成されているが、オーバーコート層10は顔料等が含まれていないため不純物イオンが少なく殆どチャージアップしない。よってさらに液晶層13への影響は少なくなる。
この実施の形態では、画素電極11とCOM電極12が同一の層で形成されているため、別の層で形成するよりも工程数が少なくすみ、作製コストを少なくできる上、作製時間も短縮できる。なお、基板に平行方向に配向させた誘電率異方性が負の液晶層を用いると、カラーフィルタの作る電界がわずかに液晶層中にもれたとしても、液晶分子が基板に対して垂直方向に立ち上がることはなく、よって液晶層の複屈折性を大きく変化させることはなく、表示ムラの程度を小さくできる。
次に本発明の第5の実施に形態について説明する。第5の実施の形態は第1の実施の形態と同様の手法で形成されたTFT基板と対向基板の液晶配向層同士が向かい合うように設置され、向かい合う液晶配向層の間には液晶層13が設置される構成となっている。両基板の液晶配向層には垂直配向膜が用いられている。この液晶配向膜表面は、必要に応じラビング、または、光配向処理が施される。液晶層13中の液晶の誘電率異方性は正とする。
以上のように構成された液晶表示装置では、図6(a)、(b)に示すように、液晶層13に電界がかかっていないときには、液晶層13における液晶分子200は、基板にほぼ垂直に配向している。液晶の誘電率異方性は正とする。ここで、ゲ−ト電極3aに電圧を印加してTFTをオンにすると、ソ−ス電極7aに電圧が印加されて、画素電極11とこれに対向配置しているCOM電極12の間に電界が誘起される。そしてこの電界により、液晶分子200は画素電極11とこれに対向配置している共通電極12の間に形成される電界の方向に、ほぼ平行な状態、すなわち、基板方向に倒れていくことになる。また、このとき電界の方向が完全に基板と平行でないため、電極間の液晶分子は2方向に分かれて倒れる。
このように本実施の形態の方法では、特別に配向膜に処理を加えることをしなくても、自動的に液晶の倒れる方向を分割することができ、広視野角化が達成できるが、基板にあらかじめラビング、または光配向などの方法を使用して、分割形状に従ったプレチルト角の制御を行い、初期配向の制御を極めて確実にし、駆動電圧により、このような配向が乱れることを防止するために、さらに液晶中に少量混合した重合性のモノマーまたはオリゴマーを高分子化するとより優れた効果が得られる。この際、ラビングの場合はフォトレジストを用いた分割配向を行う。また、光配向の場合は、例えば、ケイ皮酸基のような偏光により液晶の配向を制御できる官能基を有する物質、または、非特許文献2に記載されているような偏光照射により官能基が重合するような高分子を配向膜に用いて、分割形状にそった方向にプレチルト角がつくように、各部にマスクを介して、斜め方向から偏光を照射する。このような分割配向の方法はよく知られているが、液晶中に少量混合した重合性のモノマ−またはオリゴマ−を高分子化することにより、駆動時においてもより確実に分割を維持することができる。本発明に使用するモノマー,オリゴマとしては、光硬化性モノマー,熱硬化性モノマー,あるいはこれらのオリゴマ等のいずれを使用することもでき、また、これらを含むものであれば他の成分を含んでいてもよい。
本実施の形態に使用する「光硬化性モノマー又はオリゴマー」とは、可視光線により反応するものだけでなく、紫外線により反応する紫外線硬化モノマー等を含み、操作の容易性からは特に後者が望ましい。また、本実施の形態で使用する高分子化合物は、液晶性を示すモノマー、オリゴマーを含む液晶分子と類似の構造を有するものでもよいが、必ずしも液晶を配向させる目的で使用されるものではないため、アルキレン鎖を有するような柔軟性のあるものであってもよい。また、単官能性のものであってもよいし、2官能性のもの,3官能以上の多官能性を有するモノマー等でもよい。
本実施の形態で使用する光または紫外線硬化モノマーとしては、例えば、2−エチルへキシルアクリレート,ブチルエチルアクリレート,ブトキシエチルアクリレート,2−シアノエチルアクリレート,ベンジルアクリレート,シクロヘキシルアクリレート,2−ヒドロキシプロピルアクリレート,2−エトキシエチルアクリレート,N、N−エチルアミノエチルアクリレート,N、N−ジメチルアミノエチルアクリレート,ジシクロペンタニルアクリレート,ジシクロペンテニルアクリレート,グリシジルアクリレート,テトラヒドロフルフリルアクリレート,イソボニルアクリレート,イソデシルアクリレート,ラウリルアクリレート,モルホリンアクリレート,フェノキシエチルアクリレート,フェノキシジエチレングリコールアクリレート,2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート,2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアクレート,2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート,2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルアクリレート等の単官能アクリレート化合物を使用することができる。また、2−エチルヘキシルメタクリレート,ブチルエチルメタクリレート,ブトキシエチルメタクリレート,2−シアノエチルメタクリレート,ベンジルメタクリレート,シクロヘキシルメタクリレート,2−ヒドロキシプロピルメタクリレート,2−エトキシエチルアクリレート,N、N−ジエチルアミノエチルメタクリレート,N、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート,ジシクロペンタニルメタクリレート,ジシクロペンテニルメタクリレート,グリシジルメタクリレート,テトラヒドロフルフリルメタクリレート,イソボニルメタクリレート,イソデシルメタクリレート,ラウリルメタクリレート,モルホリンメタクリレート,フェノキシエチルメタクリレート,フェノキシジエチレングリコールメタクリレート,2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート,2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート,2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリレート等の単官能メタクリレート化合物を使用することができる。さらに、4,4'−ビフェニルジアクリレート,ジエチルスチルベストロールジアクリレート,1,4−ビスアクリロイルオキシベンゼン,4,4'−ビスアクリロイルオキシジフェニルエーテル,4,4'−ビスアクリロイルオキシジフェニルメタン,3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−アクリロイルオキシエチル]−2,4,8,10−テトラスピロ[5,5]ウンデカン,α,α′−ビス[4−アクリロイルオキシフェニル]−1,4−ジイソプロピルベンゼン,1,4−ビスアクリロイルオキシテトラフルオロベンゼン,4,4'−ビスアクリロイルオキシオクタフルオロビフェニル,ジエチレングリコールジアクリレート,1,4−ブタンジオールジアクリレート,1,3−ブチレングリコールジアクリレート,ジシクロペンタニルジアクリレート,グリセロールジアクリレート,1,6−ヘキサンジオールジアクリレート,ネオペンチルグリコールジアクリレート,テトラエチレングリコールジアクリレート,トリメチロールプロパントリアクリレート,ペンタエリスリトールテトラアクリレート,ペンタエリスリトールトリアクリレート,ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート,ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート,ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート,4,4'−ジアクリロイルオキシスチルベン,4,4'−ジアクリロイルオキシジメチルスチルベン,4,4'−ジアクリロイルオキシジエチルスチルベン,4,4'−ジアクリロイルオキシジプロピルスチルベン,4,4'−ジアクリロイルオキシジブチルスチルベン,4,4'−ジアクリロイルオキシジペンチルスチルベン,4,4'−ジアクリロイルオキシジヘキシルスチルベン,4,4'−ジアクリロイルオキシジフルオロスチルベン,2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロペンタンジオール−1,5−ジアクリレート,1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロピル−1,3−ジアクリレート,ウレタンアクリレートオリゴマ等の多官能アクリレート化合物を用いることができる。さらにまた、ジエチレングリコールジメタクリレート,1,4−ブタンジオールジメタクリレート,1,3−ブチレングリコールジメタクリレート,ジシクロペンタニルジメタクリレート,グリセロールジメタクリレート,1,6−へキサンジオールジメタクリレート,ネオペンチルグリコールジメタクリレート,テトラエチレングリコールジメタクリレート,トリメチロールプロパントリメタクリレート,ペンタエリスリトールテトラメタクリレート,ペンタエリスリトールトリメタクリレート,ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート,ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート,ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタメタクリレート,2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロペンタンジオール−1,5−ジメタクリレート,ウレタンメタクリレートオリゴマ等の多官能メタクリレート化合物,その他スチレン,アミノスチレン,酢酸ビニル等があるが、これに限定されるものではない。
また、本実施の形態の素子の駆動電圧は、高分子材料と液晶材料の界面相互作用にも影響されるため、フッ素元素を含む高分子化合物であってもよい。このような高分子化合物として、2,2,3,3,4,4−へキサフルオロペンタンジオール−1,5−ジアクリレート,1,1,2,2,3,3−へキサフルオロプロピル−1,3−ジアクリレート,2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート,2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアクリレート,2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート,2,2,3,4,4,4−へキサフルオロブチルアクリレート,2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート,2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート,2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリレート,ウレタンアクリレートオリゴマ等を含む化合物から合成された高分子化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。
本実施の形態に使用する高分子化合物として光または紫外線硬化モノマーを使用する場合には、光または紫外線用の開始剤を使用することもできる。この開始剤としては、種々のものが使用可能であり、たとえば、2,2−ジエトキシアセトフェノン,2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン,1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン,1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン等のアセトフェノン系、ベンゾインメチルエーテル,ベンゾインエチルエーテル,ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系、ベンゾフェノン,ベンゾイル安息香酸,4−フェニルベンゾフェノン,3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、チオキサンソン,2−クロルチオキサンソン,2−メチルチオキサンソン等のチオキサンソン系、ジアゾニウム塩系、スルホニウム塩系、ヨードニウム塩系、セレニウム塩系等が使用できる。
両基板の外側に偏光板の偏光透過軸を所定角度に配置しておくことで、上述した液晶分子の動きによって光の透過率を変化させることができる。また、偏光透過軸を直交させた場合は、ノ−マリブラックモ−ドとなるが、初期の液晶配向のリタデ−ションの観察角度依存をなくすため負の一軸の補償フィルムおよび正の一軸の補償フィルムを組み合わせて用いることができる。これにより、黒状態の観察角度依存性がなくなり、画質が向上するとともに、広視野角化が図れる。なお、TFT基板は第1の実施の形態と同様のものを用いたが、第2、第3の実施の形態、参考例のTFT基板を用いてもよい。
この第5の実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、カラーフィルタ9上に配置された画素電極11とCOM電極12の間に電界を形成することで、それらの上に配置された液晶分子200を駆動するようにした。言い換えるならば、カラーフィルタ9と液晶層13とが、画素電極11とCOM電極12とを挾んで配置されているようにした。この実施の形態によれば、液晶分子200を動かすための電界がTFT基板側に回り込みカラーフィルタ9に印加され不純物イオンが偏在化したとしても、液晶層13とカラーフィルタ9の間には画素電極11とCOM電極12が存在するため、カラーフィルタの不純物イオンが作り出す電界は導電体である画素電極11とCOM(共通)電極12に収束し、液晶層には大きな影響を与えない。また、カラーフィルタ9上にオーバーコート層10が形成され、その上に液晶層13が形成されているが、オーバーコート層10は顔料等が含まれていないため不純物イオンが少なく殆どチャージアップしない。よってさらに液晶層13への影響は少なくなる。
また、この実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、画素電極11とCOM電極12が同一の層で形成されているため、別の層で形成するよりも工程数が少なくすみ、作製コストを少なくできる上、作製時間も短縮できる。さらに、この実施の形態では、液晶分子が基板に対しほぼ垂直に配向した状態から、電界により倒れる構成のため、従来のような液晶分子が単に基板に平行な面内で回転する構成に比べ、斜め方向から観察したときの色付きもなく、広い視野角特性を与える。