JP3159147U - 液体用加熱器 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた加熱効率と保温性を兼ね備えた液体用加熱器を提供する。【解決手段】やかんは、側面が中間部から下端部にかけて外側に湾曲した略角筒体状の容器からなる本体11を備えてなる。本体11の上面の一角には、略七角柱の台座状の蓋受け部が凸設されており、隣接する他の一角には注ぎ口13が設けられ、更に注ぎ口13を含む対角線上には、取っ手14が留め具141a及び141bにより回動自在に軸支されており、取っ手14を取っ手収容部114に収容することにより、やかん1の上面111は面一となる。また、本体11の底面114の略中央部には略逆球冠状の凹窩部115が設けられている。凹窩部115には複数の略逆球冠状のディンプル116が、凹窩部115の頂点から窩口に向けて放射状に、且つ凹窩部115の窩口に近いほど径が大きく、頂点に近いほど径が小さくなるように形成されている。【選択図】図5

Description

本考案は、やかんや鍋等の液体用加熱器に関する。詳しくは、優れた加熱効率と保温性を兼ね備えた液体用加熱器に関するものである。
自然災害や人為的災害等の被災現場では、避難生活が長期化するにつれて食事、トイレ、入浴等の問題が深刻化することから、近年、我が国では、国や地方自治体等の主導で有事に備えて防災用の燃料、やかんや鍋等の給湯器具や調理器具、仮設トイレ、仮設シャワー等を設備するようになってきている。また、発展途上国では、電気、ガス、水道等が設備されていない地域が多く、使用可能な燃料や水等が限られている。このように、災害時や発展途上国におけるインフラ設備が満足でない地域においては、限られた燃料、水、食材等を用いて調理等を行わなくてはならないため、できるだけ効率良く湯沸かしや煮炊きのできる給湯器や調理器具等が求められている。
そこで、一般的によく利用される給湯器や調理器具等に工夫を凝らし、加熱効率に優れたものを提供しようという試みがなされている。例えば、先に本考案者は、底面に略逆半球冠状の凹窩部を設けて、同形の底面を有する平底湯沸かし器(従来品)に対して底面積を約1.2〜2倍にすることにより、ガスコンロ等の火炎やその輻射熱をより効率的に利用して、湯沸かしにかかる時間を従来品よりも約20〜30%短縮することが可能な湯沸し器を考案した(特許文献1参照)。
しかし、特許文献1に記載の湯沸し器では、湯沸し器の底面積を従来品の2倍以上にすると、底面の外周(凹窩部以外の部分)や凹窩部の頂点がガスコンロ等の火炎から遠く離れてこれらを遠火で炙る状態となってしまうので、火炎やその輻射熱を効率良く利用して急速に湯沸かしや煮炊きを行うことができず、これ以上加熱の高効率化を実現することができないという問題があった。そこで、このような問題を解決するために、底面の断面形状を折り返しの深い連続した矩形、台形又はS字状の波形にすることにより、ガスコンロ等の火炎やその輻射熱を効率的に利用することが可能な、幅広の直線状深溝や緩い曲線状深溝を有する湯沸し器が提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、底面に中空凹凸部が放射状に形成された湯沸し器も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2002−125852号公報 特開平10−174650号公報 実用新案全文昭58−003121号
しかしながら、特許文献2及び3に記載の湯沸し器では、その底面に凹凸を付けて底面積を増大することにより加熱の高効率化を実現することができる反面、熱の放散も助長されるため沸かしたお湯が冷めやすいという問題があった。かかる問題は、省エネルギーやエコロジーの観点からは勿論のこと、被災地や発展途上国等におけるような保温手段の無い状況下では特に重要であり、沸かしたお湯が冷め難い湯沸し器が切望されていた。
本考案は、上記従来技術の有する問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、優れた加熱効率と保温性を兼ね備えた液体用加熱器を提供することにある。
本考案の上記目的は、下記の手段によって達成される。
(1)すなわち、本考案は、容器底面に凹窩部を有し、前記凹窩部は、複数のディンプルが形成されていることを特徴とする、液体用加熱器である。
(2)本考案はまた、前記凹窩部は、略逆球冠状又は略逆回転包物体状である、(1)に記載の加熱器である。
(3)本考案はまた、前記ディンプルは、前記凹窩部の窩口に近いほど径が大きく頂点に近いほど径が小さいことを特徴とする、(1)又は(2)に記載の加熱器である。
(4)本考案はまた、前記凹窩部を有しない以外は同形の加熱器の1.05〜1.65倍の底面積を有する、(1)〜(3)の何れか1項に記載の加熱器である。
(5)本考案はまた、前記凹窩部は、前記ディンプルを有しない以外は同形の凹窩部の1.03〜1.25倍の表面積を有する、(1)〜(4)の何れか1項に記載の加熱器である。
(6)本考案はまた、やかんである、(1)〜(5)の何れか1項に記載の加熱器である。
(7)本考案はまた、縁辺が上方に突出した蓋を有する、(6)に記載の加熱器である。
(8)本考案はまた、前記蓋は、前記縁辺に計量用の目盛を有する、(7)に記載の加熱器である。
(9)本考案はまた、容器上面に凸設された台座状の蓋受け部を有し、前記蓋受け部の上面に前記蓋が嵌挿される開口が設けられていることを特徴とする、(7)又は(8)に記載の加熱器である。
(10)本考案はまた、前記容器上面に注ぎ口を有する、(9)に記載の加熱器である。
(11)本考案はまた、前記蓋受け部と面一に収納可能な取っ手を有する、(9)又は(10)に記載の加熱器である。
(12)本考案はまた、前記取っ手は、前記注ぎ口を含む前記容器上面の対角線上に架設されており、且つ前記対角線の中心に対し前記注ぎ口と対向する側の下部に懸吊用の窪みが設けられていることを特徴とする、(11)に記載の加熱器である。
(13)本考案はまた、鍋、釜又は蒸し器である、(1)〜(5)の何れか1項に記載の加熱器である。
本考案の液体用加熱器によれば、容器底面に凹窩部を有し、凹窩部は、複数のディンプルが形成されているので、凹窩部の大きさを実質的に変更することなく底面積を更に拡大させることができ、加熱効率を極限まで向上させるとともに、熱源から外した際には、凹窩部内の空気層による断熱効果が更に高まり、極めて優れた保温効果を達成することができる。
本考案の加熱器によれば、ディンプルは、凹窩部の窩口に近いほど径が大きく頂点に近いほど径が小さいので、凹窩部の火炎の直火が当たり易い頂点部程小さいディンプルを配して表面積の拡大を抑え、直火の当たり難い窩口部程大きいディンプルを配して表面積の拡大を図ることにより、凹窩部全体が均一に加熱されるようになり、本体の内部で水の規則的な対流が生じて、更に短時間で湯沸しが行えるようになる。
本考案の加熱器によれば、やかんとして構成された場合、縁辺が上方に突出した蓋を有するので、給湯の際にやかんを極端に傾けても蓋の重心が開口の内側に残るので、蓋が開口から脱落し難くなっている。
本考案の加熱器によれば、やかんとして構成された場合、蓋は、縁辺に計量用の目盛を有するので、蓋を水やコメ等の食材を計量するためのメジャーカップとして利用することができる。
本考案の加熱器によれば、やかんとして構成された場合、容器上面に注ぎ口を有するので、やかんに大量に注水した状態で湯沸しを行っても、本体内に生じる上部空間により、注ぎ口から熱湯が吹き零れ難いので、安全に且つ一度で大量に湯沸しを行うことができる。
本考案の加熱器によれば、やかんとして構成された場合、蓋受け部と面一に収納可能な取っ手を有するので、やかんを縦にも横にも定置することができるとともに、やかん同士又はやかんの上に他の調理器等を安定して積み重ねることができ、キッチン等で収納しやすく限られた空間を有効に活用することができる。
本考案の加熱器によれば、やかんとして構成された場合、取っ手は、注ぎ口を含む容器上面の対角線上に架設されており、且つ対角線の中心に対し注ぎ口と対向する側の下部に懸吊用の窪みが設けられているので、窪みを支点としてやかんを懸吊するとやかんが傾くので、取っ手を軽微な力で把持して傾きを変えるだけで容易に給湯することができる。
本考案の第1の実施形態にかかるやかん1の外部構成を示す概略斜視図である。 取っ手を倒した状態のやかん1の平面図である。 やかん1の右側面図である。 やかん1の底面図である。 やかん1の内部構成を示すA−A断面図である。 本考案の第2の実施形態にかかる寸胴鍋2の側面図である。 寸胴鍋2の平面図である。 寸胴鍋2の底面図である。 寸胴鍋2の内部構成を示すB−B断面図である。 やかん1並びに従来品1及び2を用いた湯沸し試験の結果を示した表である。 やかん1並びに従来品1及び3を用いた冷却試験の結果を示した表である。 やかん1〜3を用いた湯沸し試験の結果を示した表である。
以下、本考案の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1〜3は、本考案の第1の実施形態にかかるやかん1の外部構成を示す概略図であり、図1は取っ手を起こした状態のやかん1の斜視図であり、図2は取っ手を倒した状態のやかん1の平面図であり、図3はその右側面図である。
図1〜3に示す通り、やかん1は、側面が中間部から下端部にかけて外側に湾曲した略角筒体状の容器からなる本体11を備えてなる。本体11をかかる構造としたことにより、やかん1は、底面からはみ出したガスコンロのバーナ等の火炎を有効に加熱に利用できるとともに、本体11の上面に配設された蓋や取っ手等がはみ出した火炎により加熱されるのを防止することができる。
本体11の上面111には、略七角柱の台座状の蓋受け部112が凸設されている。蓋受け部112は、本体11と1角を共有して蓋受け部112の2つの側面と本体11の2つの側面とが面一になるように、上面111の中央からやや外れて配設されており、上面111の蓋受け部112を除く部分が、取っ手を収容するための取っ手収容部114となっている。また、蓋受け部112の上面には、略円形の開口113が設けられており、開口113には蓋12が着脱自在に嵌装されている。
蓋12は、縁辺121が上方に突出した皿様体からなり、蓋12の底部の略中央には、蓋12を開口113から着脱する際に握持するためのつまみ122が、蓋12の縁辺121の端部には、蓋12を開口113に嵌着した際に蓋12が本体11内部に落下しないように係止するための返し123が、それぞれ設けられている。蓋12をこのような縁辺が上方に突出した構造としたことにより、給湯の際にやかん1を極端に傾けても蓋12の重心が開口113の内側に残るので、蓋12が開口113から脱落し難くなっている。また、蓋12の縁辺の内側には計量用の目盛124が配設されており、蓋12を水やコメ等の食材を計量するためのメジャーカップとして利用することができる。
上面111の蓋受け部112に隣接する1角には、短胴な略円管体からなる注ぎ口13が設けられている。このように、注ぎ口13を上面111に設けたことにより、やかん1に大量に注水した状態で湯沸しを行っても、本体11内に生じる上部空間により、注ぎ口13から熱湯が吹き零れ難いので、安全に且つ一度で大量に湯沸しを行うことができる。
また、上面111の注ぎ口13を含む対角線(図中のA−A線)上には、取っ手14が留め具141a及び141bにより回動自在に軸支されている。取っ手14の側面形状は、上面側が略円弧状、下面側が蓋受け部112の3辺に相対する形状(略正8角形の隣接する3辺の形状)となっており、取っ手14を倒した際に上面111の取っ手収容部114の空間にぴったりと収まるようになっている。また、取っ手14の下面には、対角線(図中のA−A線)の中心に対し注ぎ口13と対向する側に懸吊用の窪み132が設けられている。このような構成とすることにより、窪み132を支点としてやかん1を懸吊するとやかん1が傾くので、取っ手14を軽微な力で把持して傾きを変えるだけで容易に給湯することができる。更に、取っ手14の留め具141a及び141bの付近には、孔143が穿設されている。このような構造とすることにより、例えば、災害等で取っ手14が破損した場合でも、懸吊穴に針金等を引っ掛けてやかんを懸吊して給湯することができる。
やかん1は、取っ手14を倒した状態で、取っ手14と注ぎ口113の先端と本体11の側面とが面一になるように構成されており、やかん1を縦にも横にも定置することができる。また、同じく取っ手14を倒した状態で、取っ手14と蓋受け部111の上面と蓋12の縁辺121の端部と注ぎ口13の端部とが面一になるように構成されており、やかん1同士又はやかん1の上に他の調理器等を安定して積み重ねることができ、キッチン等で収納しやすく限られた空間を有効に活用することができる。
図3は、やかん1の底面図であり、図4は、やかん1の内部構成を示すA−A断面図である。図3及び4に示す通り、本体11の底面114の略中央部には略逆球冠状の凹窩部115が設けられている。かかる構成とすることにより、本体11の底面積が実質的に増大しガスコンロのバーナ等による火炎の直火の当接する面積及び輻射熱の照射面積が増大するので加熱効率が向上するだけでなく、火炎を凹窩部115で囲繞して完全に取り込むことができるので火炎やその輻射熱を放散させることなく極めて高い加熱効率を実現することができ、短時間で湯沸しを行うことができる。また、加熱を止めた後にやかん1をガスコンロ等から下ろして平地に載置することにより、密閉された凹窩部115内部の空気が断熱層として働き、やかん1からの放熱を抑制して長時間に亘って保温効果を持続させることができるものである。
凹窩部115の大きさは、本体11の底面積が、凹窩部を有しない以外は同形のやかんの底面積の1.05〜1.65倍、好ましくは1.1〜1.6倍となるように、また、凹窩部115の高さ(窩口の中心から頂点までの長さ)は、本体11の高さの45〜80%、好ましくは50〜70%となるように適宜設計される。これらが上記下限値を下回った場合には、必要な凹窩部115の表面積を確保することができず底面積の増大による加熱効率の向上や保温効果を得ることができないので好ましくなく、上記上限値を上回った場合には、底面114の外周部(凹窩部115を除く部分)や凹窩部115の頂点がガスコンロのバーナの火炎から離れ過ぎて直火が当接し難くなり、加熱効率が却って悪くなるので好ましくないだけではなく、本体11の内容積が減少し、やかん1全体の大きさに比して湯沸しできる水量が少なくなり過ぎてしまうので実用的でない。
また、凹窩部115には複数の略逆球冠状のディンプル116が、凹窩部115の頂点から窩口に向けて放射状に形成されている。従来は、やかんや鍋の底にディンプルや深溝、凹凸等を設けて底面積を拡大し、加熱効率を改善する方法は知られているが、かかる従来技術では、底面積を増大させると加熱効率は向上するものの、表面積が大きくなる分放熱性も高くなるため、熱源から外した途端に極めて短時間で温湯が冷めてしまうという欠点があった。また、上述のとおり、底面に凹窩部を設けて底面積を増大させる方法では、火炎の直火が届かなくなって湯沸し量が減少するため、形成できる凹窩部の大きさには限界があり、所定レベル以上に底面積を増大させることができないという問題があった。これに対して、本実施形態に係るやかん1では、底面に凹窩部を設け、更に当該凹窩部の表面に複数のディンプルを設けたことにより、凹窩部の大きさを実質的に変更することなく底面積を更に拡大させることができ、加熱効率を極限まで向上させるとともに、熱源から外した際には、凹窩部内の空気層による断熱効果が更に高まり、極めて優れた保温効果が達成されるものである。
凹窩部115に形成するディンプル116の大きさや個数は、凹窩部115の表面積が、ディンプルを有しない以外は同形の凹窩部の1.03〜1.25倍、好ましくは1.05〜1.2倍となるように適宜設計される。これらが上記下限値を下回った場合には、必要な凹窩部115の表面積の拡大が得られず、底面積の増大による加熱効率の向上や保温効果を得ることができないので好ましくなく、上記上限値を上回った場合には、実質的に凹後部115の大きさを変更するに等しい結果となり、火炎の直火が当接する面積が減少して加熱効率が却って悪くなったり、本体11の内容積が減少して湯沸しできる水量が少なってしまうので好ましくない。
また、やかん1では、ディンプル116は、凹窩部115の窩口に近いほど径が大きく、頂点に近いほど径が小さくなるように形成されている。かかる構成とすることにより、凹窩部115の火炎の直火が当たり易い頂点部程小さいディンプルを配して表面積の拡大を抑え、直火の当たり難い窩口部程大きいディンプルを配して表面積の拡大を図ることにより、凹窩部115全体が均一に加熱されるようになり、本体11の内部で水の規則的な対流が生じて、更に短時間で湯沸しが行えるようになるものである。
なお、やかん1に用いられる素材としては、本体11、蓋12、注ぎ口13、留め具131a及び131b等は、機械的強度が高く、耐熱性、防水性及び防錆性に優れた素材、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム等の金属が挙げられ、取っ手14、つまみ121等は、上記の特性に加えて熱伝導率が低い素材、例えば、ポリスチレン等の各種ポリマーやコポリマー、ポリマーアロイ等による耐熱性プラスチックが挙げられる。
図5は、本考案の第2の実施形態にかかる寸胴鍋2の側面図であり、図6は、寸胴鍋2の平面図である。図5及び6に示す通り、寸胴鍋2は、略円筒体状の容器からなる本体21と、略円盤状の蓋22と、略半円環状の取っ手24a及び24bとを備えてなる。
図7は、寸胴鍋2の底面図であり、図8は、寸胴鍋2の内部構成を示すB−B断面図である。図7及び8に示す通り、本体21の底面214には、やかん本体11と同様にして、略逆球冠状の凹窩部215が設けられ、また、凹窩部215には複数のディンプル216が設けられている。凹窩部215の高さ(窩口の中心から頂点までの長さ)は、本体21の高さの15〜50%、好ましくは20〜40%となるように適宜設計される。
なお、本考案における寸胴鍋2においては、凹窩部215及びディンプル216の構成はやかん1と同様であり、かかる構成により、極めて優れた加熱効率と保温効果を達成することができるので、短時間で調理をすることができ、出来上がった料理は長時間冷めずに保温しておくことができる。
本考案の液体用加熱器は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、上記実施形態にかかる加熱器が備える上記各部材の形状や数量等は上記実施形態の例に限定されるものではなく、やかんや鍋の本体の形状は、略角筒体、略円筒体以外にも略楕円筒体、略三角筒体、略多角筒体等であってもよいし、凹窩部及びディンプルの形状は、略逆半球状、略逆楕円半球状、略逆半回転楕円体状、略逆回転包物体状、略円柱状、略楕円柱状、略三角柱状、略四角柱状、略円柱状、略斜切円柱状、略四角錐状、略頭切四角錐状、略円錐状、略頭切円錐状等であってもよい。また、凹窩部は底面に2つ以上設けられていてもよいし、ディンプルの個数も図示した例に限定されない。
更に、上記実施形態においては、ディンプルが、凹窩部の窩口に近いほど径が大きく、頂点に近いほど径が小さくなるように形成されていたが、本考案の加熱器はこれに限定されるものではなく、例えば、均一な大きさのディンプルを凹窩部の窩口に近いほど密に、頂点に近いほど疎に配設したものであってもよいし、均一な大きさの又は大小様々のディンプルをランダムに配設したものであってもよい。また、上記実施形態では、凹窩部の表面に対してディンプルが凹設されていたが、凹窩部の表面に対してディンプルが凸設されたものであっても構わない。
また、本考案の加熱器は、やかんや寸胴鍋以外にも、例えば、雪平(行平)鍋、やっとこ鍋、坊主鍋、親子鍋、文化鍋、ソースパン、外輪鍋、半寸胴鍋、ミルクパン、ダッチオーブン、タジン鍋等の鍋、羽釜、鍔釜等の釜、蒸し器等であっても構わない。
[実施例1]
本考案の第1の実施形態にかかるやかん1を用い、以下の実験を行った。この場合、凹窩部115の直径が約160mmであり、凹窩部115の頂点から底面114に下ろした垂線の長さh、蓋受け部112の上面から底面114に下ろした垂線の長さhとした場合、h/hが約60%になるように構成されたものを用いた。
まず、やかん1に水2000ccを入れ、やかん1の開口を8枚重ねたアルミ箔で閉塞した。次に、火炎収束金具を装着した3口コンロ(ハーマン社製)の高火力バーナの五徳上にやかん1を置き、コンロのスイッチを押した。そして、30秒毎に温度計で内部の水が沸騰(97℃)するまでその温度測定してまとめた結果を図9に示した。
[比較例1]
凹窩部にディンプルを設けなかった以外はやかん1と同様のもの(以下、「従来品1」という)を用い、実施例1と同様にして内部温度を測定してまとめた結果を図9に示した。
[比較例2]
底面に凹窩部を設けなかった以外はやかん1と同様のもの(以下、「従来品2」という)を用い、実施例1と同様にして内部温度を測定してまとめた結果を図9に示した。
図9に示した結果から明らかな通り、やかん1を用いて内部の水を沸騰させるのに要した時間は280秒であり、従来品1を用いた場合は300秒であり、従来品2を用いた場合は343秒であったので、従来品2を用いた場合の沸騰時間に対して、従来品1を用いた場合には沸騰時間を約13%短縮することができ、やかん1を用いた場合には沸騰時間を約18%短縮することができることがわかった。従って、やかん1は、従来品1及び2と比較して、高熱効率化を実現できることが明らかとなった。
[実施例2]
実施例1と同様にしてやかん1の内部の水を沸騰させて加熱を止めた後にそのままの状態で放置した。そして、30秒毎に温度計で内部の温湯(97℃)の温度を90℃に下がるまで測定してまとめた結果を図10に示した。
[比較例3]
従来品1を用い、実施例2と同様にして内部温度を測定してまとめた結果を図10に示した。
[比較例4]
従来品2を用い、実施例2と同様にして内部温度を測定してまとめた結果を図10に示した。
図10に示した結果から明らかな通り、やかん1を用いて内部の温湯の温度を90℃に下げるのに要した時間は1098秒であり、従来品1を用いた場合は767秒であり、従来品2を用いた場合は407秒であったので、従来品2を用いた場合の90℃までの保温時間に対して、従来品1を用いた場合には保温時間を約88%向上させることができ、やかん1を用いた場合には保温時間を約170%向上させることができることがわかった。従って、やかん1は、従来品1及び2と比較して、蓄熱保温特性に優れていることが明らかとなった。
[実施例3]
やかん1を用い、実施例1と同様にして内部温度を測定してまとめた結果を図11に示した。
[比較例5]
/hが約80%になるように構成されたもの(以下、「やかん2」という)を用い、実施例1と同様にして内部温度を測定してまとめた結果を図11に示した。
[比較例6]
/hが約40%になるように構成されたもの(以下、「やかん3」という)を用い、実施例1と同様にして内部温度を測定してまとめた結果を図11に示した。
図11に示した結果から明らかな通り、やかん1を用いて内部の水を沸騰させるのに要した時間は280秒であり、やかん2を用いた場合は300秒であり、やかん3を用いた場合は310秒であったので、やかん1を用いた場合の沸騰時間に対して、やかん2を用いた場合には沸騰時間が約7%増大し、やかん3を用いた場合には沸騰時間が約11%増大することがわかった。従って、やかん1は、やかん2及び3と比較して、高熱効率化を実現できることが明らかとなった。
上述したように、本考案の加熱器は、容器底面に凹窩部を有し、凹窩部は、複数のディンプルが形成されているので、凹窩部の大きさを実質的に変更することなく底面積を更に拡大させることができ、加熱効率を極限まで向上させるとともに、熱源から外した際には、凹窩部内の空気層による断熱効果が更に高まり、極めて優れた保温効果を達成することができる。また、凹窩部の火炎の直火が当たり易い頂点部程小さいディンプルを配して表面積の拡大を抑え、直火の当たり難い窩口部程大きいディンプルを配して表面積の拡大したことにより、凹窩部全体が均一に加熱されるようになり、本体の内部で水の規則的な対流が生じて、更に短時間で湯沸しが行えるものである。
従って、本考案の加熱器は、やかん、寸胴鍋、雪平(行平)鍋、やっとこ鍋、坊主鍋、親子鍋、文化鍋、ソースパン、外輪鍋、半寸胴鍋、ミルクパン、ダッチオーブン、タジン鍋等の鍋、羽釜、鍔釜等の釜、蒸し器等として利用した場合極めて有用である。
1・・・やかん
11、21・・・本体
111・・・上面
112・・・蓋受け部
113・・・開口
114、214・・・底面
115、215・・・凹窩部
116、216・・・ディンプル
12、22・・・蓋
121・・・縁辺
122、222・・・つまみ
123・・・返し
124・・・目盛り
13・・・注ぎ口
14、24a、24b・・・取っ手
141a、141b・・・留め具
142・・・窪み
143・・・孔
2・・・寸胴鍋

Claims (13)

  1. 容器底面に凹窩部を有し、
    前記凹窩部は、複数のディンプルが形成されていることを特徴とする、
    液体用加熱器。
  2. 前記凹窩部は、略逆球冠状又は略逆回転包物体状である、請求項1に記載の加熱器。
  3. 前記ディンプルは、前記凹窩部の窩口に近いほど径が大きく頂点に近いほど径が小さいことを特徴とする、請求項1又は2に記載の加熱器。
  4. 前記凹窩部を有しない以外は同形の加熱器の1.05〜1.65倍の底面積を有する、請求項1〜3の何れか1項に記載の加熱器。
  5. 前記凹窩部は、前記ディンプルを有しない以外は同形の凹窩部の1.03〜1.25倍の表面積を有する、請求項1〜4の何れか1項に記載の加熱器。
  6. やかんである、請求項1〜5の何れか1項に記載の加熱器。
  7. 縁辺が上方に突出した蓋を有する、請求項6に記載の加熱器。
  8. 前記蓋は、前記縁辺に計量用の目盛を有する、請求項7に記載の加熱器。
  9. 容器上面に凸設された台座状の蓋受け部を有し、
    前記蓋受け部の上面に前記蓋が嵌挿される開口が設けられていることを特徴とする、請求項7又は8に記載の加熱器。
  10. 前記容器上面に注ぎ口を有する、請求項9に記載の加熱器。
  11. 前記蓋受け部と面一に収納可能な取っ手を有する、請求項9又は10に記載の加熱器。
  12. 前記取っ手は、前記注ぎ口を含む前記容器上面の対角線上に架設されており、且つ前記対角線の中心に対し前記注ぎ口と対向する側の下部に懸吊用の窪みが設けられていることを特徴とする、請求項11に記載の湯沸し器。
  13. 鍋、釜又は蒸し器である、請求項1〜5の何れか1項に記載の加熱器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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