JP3158385U - アーク溶接用トーチクリーナ - Google Patents

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Abstract

【課題】アーク溶接用トーチに付着したスパッタを除去することができるアーク溶接用トーチクリーナを提供する。【解決手段】スパッタ除去部3と、スパッタ除去部3が取り付けられる回転軸を有する駆動部と、スパッタ除去部3の回転中心方向に開放した気体噴出口6aが形成された気体噴出部材と、気体噴出部材に冷気を供給する冷気生成手段を有し、回転するスパッタ除去部3の先端をシールドノズル52内に挿通させることにより、気体噴出口6aから冷気をコンタクトチップ55及びシールドノズル52の先端に噴出させる。これにより、シールドノズル52及びコンタクトチップ55と、これらに付着したスパッタ99a、99bが異なる収縮率で収縮するので、スパッタ99a、99bがシールドノズル52やコンタクトチップ55から剥がれ易い状態となり、確実に、スパッタ99a、99bを除去することが可能となる。【選択図】図4

Description

本考案は、ガスシールドアーク溶接をする際に用いられるガスシールドアーク溶接用トーチに付着したスパッタを除去するアーク溶接用トーチクリーナに関する。
従来から、自動車部品等の組立の際に、MAG溶接やMIG溶接等のガスシールドアーク溶接が利用されている。特許文献1には、ガスシールドアーク溶接方法の技術が開示されている。ガスシールドアーク溶接に用いられるアーク溶接用トーチ50は、図13に示されるように、ソリッドワイヤーが送り出される略弾丸形状のコンタクトチップ55と、このコンタクトチップ55の基部を保持する円筒形状のチップホルダ51と、コンタクトチップ55及びチップホルダ51を包容するように配設された筒状のシールドノズル52と、シールドノズル52及びチップホルダ51が取り付けられるノズルホルダ53とから構成されている。ガスシールドアーク溶接は、連続的に送り出されるソリッドワイヤーに、コンタクトチップ51を介して大電流を流して、前記ソリッドワイヤーと被溶接部材との間でアークを発生させ(放電させ)、その際に発生する熱により、前記ソリッドワイヤーや被溶接部材を溶かして、被溶接部材を溶接する溶接方法である。溶接を行う際には、溶接箇所と空気とが接触することによるブローホールの発生を防止するために、チップホルダ51に形成されたガス供給口51aからCOやアルゴン等の不活性ガスを供給し、シールドノズル52の先端から溶接箇所に前記不活性ガスを供給して、溶接箇所と空気の接触を防止している。シールドノズル52は、不活性ガスの拡散を防止し、確実に溶接箇所に不活性ガスを供給するためのものであり、ガスシールドアーク溶接には不可欠なものである。
溶接時には溶融金属の微粒子であるスパッタが発生して、溶接箇所から飛散する。図13に示されるように、シールドノズル52先端やコンタクトチップ55の先端部にスパッタ99が蓄積すると、シールドノズル52内の不活性ガスの流れが悪くなる。すると、溶接箇所への不活性ガスの供給が不十分となり、ブローホールが発生し溶接不良となってしまう。
特開2004−249323
本発考案は、上記した問題を解決し、アーク溶接用トーチに付着したスパッタを除去し、溶接不良を防止することができるアーク溶接用トーチクリーナを提供する。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の考案は、
ソリッドワイヤーが送り出されるコンタクトチップと、このコンタクトチップを包容するように配設され不活性ガスが供給されるシールドノズルを有するアーク溶接用トーチの前記シールドノズルの先端に付着したスパッタを除去するアーク溶接用トーチクリーナにおいて、
前記シールドノズルとコンタクトチップの間に挿通されるスパッタ除去部と、
前記スパッタ除去部が取り付けられる回転軸を有する駆動部と、
前記スパッタ除去部の回転中心方向に開放した気体噴出口が形成された気体噴出部材と、
前記気体噴出部材に気体を供給する気体供給手段とを有し、
前記回転するスパッタ除去部の先端をシールドノズル内に挿通させながらアーク溶接用トーチを下降させることにより、前記気体噴出口から気体をコンタクトチップ及びシールドノズルの先端に噴出させて、コンタクトチップ及びシールドノズル、これらに付着したスパッタが冷却されつつ、前記スパッタ除去部で前記スパッタが除去されるよう構成したことを特徴とする。
請求項2に記載の考案は、請求項1に記載の考案において、
アーク溶接用トーチのスパッタ除去部の直上への侵入を検知する物体検知センサーを更に有し、
前記物体検知センサーが、アーク溶接用トーチのスパッタ除去部の直上への侵入を検知した場合に、駆動部を作動させ、
物体検知センサーが、アーク溶接用トーチのスパッタ除去部の直上への侵入を検知しなくなった場合に、駆動部を停止させるように構成したことを特徴とする。
請求項3に記載の考案は、請求項1又は請求項2に記載の考案において、
気体噴出部に供給される気体を冷却して冷気を生成する冷気生成部を更に有し、
気体噴出口から冷気をコンタクトチップ及びシールドノズルの先端に噴出させて、コンタクトチップ及びシールドノズル、これらに付着したスパッタが冷却されるように構成したことを特徴とする。
請求項4に記載の考案は、請求項3に記載の考案において、
物体検知センサーが、アーク溶接用トーチのスパッタ除去部の直上への侵入を検知した場合に、冷気生成部を作動させ、
物体検知センサーが、アーク溶接用トーチのスパッタ除去部の直上への侵入を検知しなくなった場合に、冷気生成部を停止させるように構成したことを特徴とする。
請求項5に記載の考案は、請求項3に記載の考案において、
冷気生成手部は、
一端に冷風排出口が形成されるとともに、他端に熱気排出口が形成され、更に、一端側側面に圧縮空気が供給される圧縮空気流入口が形成された渦流管を有し、
前記圧縮空気流入口から供給された圧縮空気が、前記渦流管内で旋回しながら断熱膨張し、低温気体と高温気体に分離され、前記低温気体が前記冷風排出口から排出されるともに、前記高温気体が前記熱気排出口から排出されるように構成されていることを特徴とする。
請求項6に記載の考案は、請求項5に記載の考案において、
圧縮空気流入口に流入する圧縮空気の流れを閉塞又は開放する電磁弁を更に有し、
物体検知センサーが、アーク溶接用トーチのスパッタ除去部の直上への侵入を検知した場合に、前記電磁弁を開放させ、
物体検知センサーが、アーク溶接用トーチのスパッタ除去部の直上への侵入を検知しなくなった場合に、前記電磁弁を閉塞させるように構成したことを特徴とする。
請求項7に記載の考案は、請求項1〜請求項6に記載の考案において、
スパッタ除去部は、コイルスプリングであることを特徴とする。
請求項8に記載の考案は、請求項1〜請求項6に記載の考案において、
スパッタ除去部は、円筒であることを特徴とする。
請求項9に記載の考案は、請求項8に記載の考案において、
円筒のスパッタ除去部の側面に、その上端からその途中部分までスリット刃を形成したことを特徴とする。
請求項10に記載の考案は、請求項9に記載の考案において、
スリット刃は、周方向所定角度をおいて複数形成され、
中央に前記刃部の外径よりも僅かに大きい内径の挿通穴が形成された基板上に、板状刃が、前記挿通穴上から放射状に、周方向所定角度をおいて配設された先端付着物除去刃を更に有し、
前記各板状刃が前記各スリット刃に係合し、且つ、前記挿通穴に前記刃部が挿通した状態で、前記先端付着物除去刃が円筒のスパッタ除去部の途中部分に同軸に取り付けられていることを特徴とする。
請求項11に記載の考案は、請求項9〜請求項10に記載の考案において、
板状刃の挿通穴上に突出する面に、上方から下方に向かって徐々に挿通穴中心に迫り出し、コンタクトチップの先端部側面と対応するように湾曲した傾斜面を形成したことを特徴とする。
請求項12に記載の考案は、請求項9〜請求項11に記載の考案において、
円筒のスパッタ除去部の下端にスパッタ除去粉排出穴を連通形成したことを特徴とする。
請求項13に記載の考案は、請求項1〜請求項12に記載の考案において、
スパッタ除去部と駆動部の回転軸を、屈曲部材で接続したことを特徴とする。
請求項14に記載の考案は、請求項1〜請求項13に記載の考案において、
スパッタ除去部の周囲を包容する飛散防止ケースを設けたことを特徴とする。
請求項15に記載の考案は、請求項14に記載の考案において、
飛散防止ケースの底部に、一側方に向かって徐々に低くなる傾斜スロープを設けたことを特徴とする。
請求項16に記載の考案は、請求項15に記載の考案において、
傾斜スロープの下端の下部に、上部が開口した箱形のスパッタ除去粉受を設けたことを特徴とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の考案は、シールドノズルとコンタクトチップの間に挿通されるスパッタ除去部と、スパッタ除去部が取り付けられる回転軸を有する駆動部と、前記スパッタ除去部の回転中心方向に開放した気体噴出口が形成された気体噴出部材と、前記気体噴出部材に気体を供給する気体供給手段とを有し、前記回転するスパッタ除去部の先端をシールドノズル内に挿通させながらアーク溶接用トーチを下降させることにより、前記気体噴出口から気体をコンタクトチップ及びシールドノズルの先端に噴出させて、コンタクトチップ及びシールドノズル、これらに付着したスパッタが冷却されつつ、前記スパッタ除去部で前記スパッタが除去されるよう構成したことを特徴とする。
これにより、シールドノズル及びコンタクトチップと、これらに付着したスパッタが異なる収縮率で収縮する。このため、スパッタがシールドノズルやコンタクトチップから剥がれ易い状態となり、確実に、スパッタを除去することが可能となる。
請求項2に記載の考案は、請求項1に記載の考案において、アーク溶接用トーチのスパッタ除去部の直上への侵入を検知する物体検知センサーを更に有し、前記物体検知センサーが、アーク溶接用トーチのスパッタ除去部の直上への侵入を検知した場合に、駆動部を作動させ、物体検知センサーが、アーク溶接用トーチのスパッタ除去部の直上への侵入を検知しなくなった場合に、駆動部を停止させるように構成したことを特徴とする。
これにより、駆動部が自動的に作動するので、手間が掛からない。更に、アーク溶接用トーチのスパッタ除去部の直上への侵入を検知しなくなった場合に、駆動部が停止するので、エネルギーが無駄に消費されない。
請求項3に記載の考案は、請求項1又は請求項2に記載の考案において、気体噴出部に供給される気体を冷却して冷気を生成する冷気生成部を更に有し、気体噴出口から冷気をコンタクトチップ及びシールドノズルの先端に噴出させて、コンタクトチップ及びシールドノズル、これらに付着したスパッタが冷却されるように構成したことを特徴とする。
これにより、シールドノズル及びコンタクトチップと、これらに付着したスパッタを、急速に冷却することにより、これらを急速に収縮させることが可能となる。このため、スパッタがシールドノズルやコンタクトチップから、更に、剥がれ易い状態となり、確実に、スパッタを除去することが可能となる。
また、ロボットアームに取り付けられているアーク溶接用トーチを、所定の溶接時間毎に、本考案のアーク溶接用トーチクリーナでスパッタ除去を行い、コンタクトチップを冷却し、コンタクトチップが軟化しない温度に保つことにすると、コンタクトチップの寿命がコンタクトチップを冷却しない場合と比べて、約2倍となる。
請求項4に記載の考案は、請求項3に記載の考案において、物体検知センサーが、アーク溶接用トーチのスパッタ除去部の直上への侵入を検知した場合に、冷気生成部を作動させ、
物体検知センサーが、アーク溶接用トーチのスパッタ除去部の直上への侵入を検知しなくなった場合に、冷気生成部を停止させるように構成したことを特徴とする。
これにより、冷気生成部が自動的に作動するので、手間が掛からない。更に、アーク溶接用トーチのスパッタ除去部の直上への侵入を検知しなくなった場合に、冷気生成部が停止するので、エネルギーが無駄に消費されない。
請求項5に記載の考案は、請求項3に記載の考案において、冷気生成手部は、一端に冷風排出口が形成されるとともに、他端に熱気排出口が形成され、更に、一端側側面に圧縮空気が供給される圧縮空気流入口が形成された渦流管を有し、前記圧縮空気流入口から供給された圧縮空気が、前記渦流管内で旋回しながら断熱膨張し、低温気体と高温気体に分離され、前記低温気体が前記冷風排出口から排出されるともに、前記高温気体が前記熱気排出口から排出されるように構成されていることを特徴とする。
これにより、冷気生成手部が可動部品を有さないことから、冷気生成部の故障を排除することが可能となり、稼働率を大幅に向上させることが可能となる。
請求項6に記載の考案は、請求項5に記載の考案において、
圧縮空気流入口に流入する圧縮空気の流れを閉塞又は開放する電磁弁を更に有し、物体検知センサーが、アーク溶接用トーチのスパッタ除去部の直上への侵入を検知した場合に、前記電磁弁を開放させ、物体検知センサーが、アーク溶接用トーチのスパッタ除去部の直上への侵入を検知しなくなった場合に、前記電磁弁を閉塞させるように構成したことを特徴とする。
これにより、圧縮空気が自動的に圧縮空気流入口に供給されるので、手間が掛からない。更に、アーク溶接用トーチのスパッタ除去部の直上への侵入を検知しなくなった場合に、圧縮空気の圧縮空気流入口への供給が遮断されるので、エネルギーが無駄に消費されない。
請求項7に記載の考案は、請求項1〜請求項6に記載の考案において、スパッタ除去部は、コイルスプリングであることを特徴とする。
これにより、回転するコイルスプリングの先端は、横方向に首振り運動をする。このため、コイルスプリングの先端が、シールドノズルの先端内面及びコンタクトチップの先端に、均一に当接し、シールドノズルの先端及び内面に付着したスパッタ及び、コンタクトチップの先端に付着したスパッタが確実に除去される。
請求項8に記載の考案は、請求項1〜請求項6に記載の考案において、スパッタ除去部は、円筒であることを特徴とする。
これにより、簡単な構造で低コストに、シールドノズル及びコンタクトチップに付着したスパッタを除去することができるスパッタ除去部を提供することが可能となる。
請求項9に記載の考案は、請求項8に記載の考案において、円筒のスパッタ除去部の側面に、その上端からその途中部分までスリット刃を形成したことを特徴とする。
これにより、シールドノズル及びコンタクトチップに付着したスパッタが、前記スリット刃により剥がされるので、確実に、シールドノズル及びコンタクトチップに付着したスパッタを除去することが可能となる。
請求項10に記載の考案は、請求項9に記載の考案において、スリット刃は、周方向所定角度をおいて複数形成され、中央に前記刃部の外径よりも僅かに大きい内径の挿通穴が形成された基板上に、板状刃が、前記挿通穴上から放射状に、周方向所定角度をおいて配設された先端付着物除去刃を更に有し、前記各板状刃が前記各スリット刃に係合し、且つ、前記挿通穴に前記刃部が挿通した状態で、前記先端付着物除去刃が円筒のスパッタ除去部の途中部分に同軸に取り付けられていることを特徴とする。
これにより、シールドノズル内に前記回転する円筒状のスパッタ除去部の先端を挿通させながらアーク溶接用トーチを下降させると、シールドノズル内に付着したスパッタが除去されるとともに、シールドノズルの先端を前記板状刃に当接させると、シールドノズルの先端に付着したスパッタが除去される。このため、シールドノズル内に供給される不活性ガスの流路が確保され、溶接時のブローホールの発生が防止され、溶接不良が防止される。
請求項11に記載の考案は、請求項9〜請求項10に記載の考案において、
板状刃の挿通穴上に突出する面に、上方から下方に向かって徐々に挿通穴中心に迫り出し、コンタクトチップの先端部側面と対応するように湾曲した傾斜面を形成したことを特徴とする。
これにより、コンタクトチップの先端部側面を前記板状刃の傾斜面に当接されると、コンタクトチップの先端部側面に付着したスパッタが除去される。このため、シールドノズル内に供給される不活性ガスの流路が確実に確保され、溶接時のブローホールの発生が防止され、溶接不良が防止される。
請求項12に記載の考案は、請求項9〜請求項11に記載の考案において、
円筒のスパッタ除去部の下端にスパッタ除去粉排出穴を連通形成したことを特徴とする。
これにより、スパッタ除去粉が、前記スパッタ除去粉排出穴から外部に排出されて、円筒状のスパッタ除去部内に蓄積することがない。このため、円筒状のスパッタ除去部内に蓄積したスパッタ除去粉を外部に排出する作業が不要となる。
請求項13に記載の考案は、請求項1〜請求項12に記載の考案において、
スパッタ除去部と駆動部の回転軸を、屈曲部材で接続したことを特徴とする。
これにより、回転するスパッタ除去部が屈曲し、スパッタ除去部の先端が、横方向に首振り運動をする。このため、スパッタ除去部の先端が、シールドノズルの先端内面及びコンタクトチップの先端に、均一に当接し、シールドノズルの先端及び内面に付着したスパッタ及び、コンタクトチップの先端に付着したスパッタが確実に除去される。
請求項14に記載の考案は、請求項1〜請求項13に記載の考案において、
スパッタ除去部の周囲を包容する飛散防止ケースを設けたことを特徴とする。
これにより、スパッタ除去時のスパッタ除去粉の飛散が防止され、スパッタ除去粉の清掃作業が不要となる。
請求項15に記載の考案は、請求項14に記載の考案において、
飛散防止ケースの底部に、一側方に向かって徐々に低くなる傾斜スロープを設けたことを特徴とする。
これにより、スパッタ除去粉は、前記傾斜スロープを滑落することにより、一カ所に集められる。このため、スパッタ除去粉の処理作業が容易となる。
請求項16に記載の考案は、請求項15に記載の考案において、
傾斜スロープの下端の下部に、上部が開口した箱形のスパッタ除去粉受を設けたことを特徴とする。
これにより、傾斜スロープを滑落するスパッタ除去粉受が、前記スパッタ除去粉受に収容される。このため、スパッタ除去粉の処理作業が容易となる。
第1の実施形態のアーク溶接用トーチクリーナの側断面図である。 図1の上面図である。 冷風生成装置の内部構造を示した説明図である。(第1の実施形態) 第1の実施形態の考案の作用について説明した説明図である。 第1の実施形態の別例を示した説明図である。 第2の実施形態のアーク溶接用トーチクリーナの側断面図である。 第2の実施形態のアーク溶接用トーチクリーナの上面図である。 回転刃部材及び先端付着物除去刃の詳細図である。(第2の実施形態) 回転刃部材の詳細図である。(第2の実施形態) 先端付着物除去刃の詳細図である。(第2の実施形態) 第2の実施形態の考案の作用について説明した説明図である。 第2の実施形態の別例のアーク溶接用トーチクリーナの側断面図である。 従来のガスシールドアーク溶接トーチの説明図である。
(ガスシールドアーク溶接トーチの構成)
以下に、図面を参照しつつ本考案の好ましい実施の形態(第1の実施形態)を示す。第1の実施形態のアーク溶接用トーチクリーナ10は、主に、駆動部1、スプリング取付部材2、スパッタ除去用コイルスプリング3、気体噴出部材6、冷風生成装置7、物体検知センサー9とから構成されている。駆動部1は、電動モータ等のアクチュエータと、前記アクチュエータの回転を減速させる複数のギアからなる減速機とから構成されている。駆動部1の上部には、回転軸1aが上方に突出している。回転軸1aには、前記アクチュエータの回転力が、前記減速機で減速されて付与されるようになっている。
回転軸1aの先端には、スプリング取付部材2が同軸に取り付けられている。スプリング取付部材2は、円柱形状の基部2aと、この基部2aの上面から上方に突出する円柱形状のスプリング取付部2bが、同軸一体に形成されている。基部2aの下面の中央には、取付穴2dが形成されている。基部2aの側面には、取付穴2dに連通する締付ネジ穴2eが形成されている。基部2aの取付穴2dに、駆動部1の回転軸1aを挿通し、この状態で、締付ネジ穴2eに締付ネジ(図示せず)を締め付けて、スプリング取付部材2を回転軸1aに取り付けている。
スプリング取付部2bには、スパッタ除去用コイルスプリング3が取り付けられている。図に示される実施形態では、スプリング取付部2bの外径は、スパッタ除去用コイルスプリング3の内径よりも僅かに大きくなっていて、スプリング取付部2bをスパッタ除去用コイルスプリング3内に挿通させることにより、スパッタ除去用コイルスプリング3をスプリング取付部2bに取り付けている。スパッタ除去用コイルスプリング3の外径は、シールドノズル52の内径よりも小さくなっている。また、スパッタ除去用コイルスプリング3の内径は、コンタクトチップ55の外径よりも大きくなっている。このため、スパッタ除去用コイルスプリング3は、シールドノズル52とコンタクトチップ55の間に侵入可能となっている。
スプリング取付部材2及びスパッタ除去用コイルスプリング3の周囲は、スパッタ除去粉飛散防止用の飛散防止ケース4で取り囲まれている。また、飛散防止ケース4の底部には、一側方に向かって徐々に低くなる傾斜スロープ4aが設けられている。そして、傾斜スロープ4aの下端の下部には、上部が開口した箱形のスパッタ除去粉受5が配設されている。
スパッタ除去用コイルスプリング3の直上には、気体噴出部材6が配設されている。本実施形態では、図2に示されるように、気体噴出部材6は、円管を曲げて形成した構造であり、略一周する円弧状に曲げられた気体噴出部6cと、気体噴出部6cの基端から直線状に延びる直線部6dとから構成されている。気体噴出部6cの終端6bは、閉塞されている。図2に示されるように、気体噴出部6cの円弧中心と、スパッタ除去用コイルスプリング3の回転中心とが一致するように、気体噴出部材6は配設されている。図に示される実施形態では、気体噴出部材6は、上下方向、スパッタ除去用コイルスプリング3の上端と、略一致する位置に配設されている。気体噴出部6cの内側には、周方向所定角度をおいて複数の気体噴出口6aが形成されている。言い換えると、気体噴出口6aは、スパッタ除去用コイルスプリング3の回転中心方向に開放している。図2に示される実施形態では、周方向90°をおいて、4つの気体噴出口6aが、気体噴出部材6cに形成されている。気体噴出部6cの円弧内径は、シールドノズル52の外径よりも大きくなっている。このため、シールドノズル52が、気体噴出部6cの内側に挿通することができるようになっている。
直線部6dの基端は、気体流通管8により、冷風生成装置7に接続している。冷風生成装置7は、気体噴出部材6に冷風を供給する装置である。飛散防止ケース4の上部には、物体検知センサー9が配設されている。物体検知センサー9は、ガスシールドアーク溶接トーチ50(シールドノズル52)の、気体噴出部材6の気体噴出部6c内への侵入を検知するセンサーである。言い換えると、アーク溶接用トーチ50(シールドノズル52)のスパッタ除去用コイルスプリング3の直上への侵入を検知するセンサーである。物体検知センサー9には、発光部と受光部を有する光電式、超音波式の近接センサー、機械式のリミットスイッチが含まれる。物体検知センサー9は、後述する電磁弁7b及び、駆動部1のアクチュエータと接続している。
図1及び図3を用いて、本実施形態の冷風生成装置7の説明をする。なお、図3において、(A)は冷風生成部7aの外観図であり、(B)は冷風生成部7aの模式図である。図1に示されるように、本実施形態では、冷風生成装置7は、冷気生成部7aと電磁弁7bから構成されている。電磁弁7bには、圧縮空気が供給される圧縮空気供給管29が接続している。冷風生成部7aは、所謂ボルテックスチューブと呼ばれるものであり、圧縮空気の熱エネルギーを高温と低温に分離する機能を有するものである。冷風生成部7aは、筒状の渦流管7cの先端に冷風排出口7fが形成され、渦流管7cの先端部の側面に圧縮空気流入口7dが形成され、渦流管7cの基端に熱気排出口7eが形成された構造である。熱気排出口7eには、円錐型の流量弁7jが配設されている。冷風排出口7fには、気体流通管8が接続している。圧縮空気流入口7dは、電気弁7bに接続している。
電磁弁7bが開放すると、高速の圧縮空気が圧縮空気流入口7dから渦流管7c内に供給される。すると、高速の圧縮空気は、渦流管7c内の内壁面付近で旋回運動を繰り返しながら、急激に断熱膨張(減圧)し、冷風排出口7f側に移動した後に、流量弁7jで反転し、渦流管7cの中心付近(軸線付近)を通って、冷風排出口7f側に移動し、冷風排出口7fから排出される。この際に、高速の圧縮気体は、渦流管7cの壁面付近を流れる高温流体と、渦流管7cの中心付近を流れる低温気体に分離される。分離された低温気体は、冷風として、冷風排出口7fから排出される。一方で、分離された高温気体は、熱気として、熱気排出口7eから排出される。冷風排出口7fから排出された冷風は、気体流通管8を介して、気体噴出部材6に供給される。なお、本実施形態の冷風生成部7aは、外気温(圧縮空気の温度)に対して、最大で70℃低い冷風を生成することができる。なお、流量弁7jを調節することにより、冷風排出口7fと熱気排出口7eからそれぞれ排出される冷風及び熱気の流量の比率を調節することができ、更に、冷風排出口7fから排出される冷風の温度も調節することができるようになっている。
なお、冷風生成部7aは、図3に示された実施形態に限定されず、渦流管7c内で旋回流を発生させて、圧縮空気の熱エネルギーを高温と低温に分離する構造のものであれば全て含まれる。例えば、渦流管7c内に、螺旋状に巻かれた細い旋回管を配設し、当該旋回管内に高圧の圧縮空気を供給して、旋回流を発生させ、圧縮空気の熱エネルギーを高温と低温に分離して、冷風を生成する構造であっても差し支えない。
なお、冷風生成装置7を、ペルチェ素子や冷却サイクル等の冷却手段と、前記冷却手段で生成された冷気を気体噴出部材6に冷気を供給するブロア等の気体供給手段とから構成しても差し支えない。
(第1の実施形態の考案の作用)
次に、図4を用いて、第1の実施形態の考案の作用について説明する。アーク溶接用トーチ50を、気体噴出部材6の気体噴出部6c(スパッタ除去用コイルスプリング3)の直上に移動させると、物体検知センサー9がアーク溶接用トーチ50を検知し、駆動部1のアクチュエータが作動し、スパッタ除去用コイルスプリング3が回転する。更に、物体検知センサー9からの検知信号によって、電磁弁7bが開放して、冷風生成部7aに圧縮空気が供給され、気体噴出部6cの気体噴出口6aから冷気が噴出する(図4の(A)の状態)。
図4の(B)に示されるように、アーク溶接用トーチ50を下降させ、コンタクトチップ55の先端が、気体噴出部6cの気体噴出口6aと同じ高さに位置すると、気体噴出部6cの気体噴出口6aから噴出した冷気が、コンタクトチップ55の先端、コンタクトチップ5の先端に付着したスパッタ99b、シールドノズル52の先端、及び、シールドノズル52の先端に付着したスパッタ99aに当接して、コンタクトチップ55、シールドノズル52の先端、及びスパッタ99a、99bが瞬間的に冷却される。一般的にコンタクトチップ55は、クロム銅等の銅合金で構成され、シールドノズル55もスパッタの付着を抑止するため、被溶接金属(例えば鉄鋼)と異質金属である銅や銅合金で構成されている。スパッタ99とシールドノズル52やコンタクトチップ55とは熱膨張率が異なるため、シールドノズル52やコンタクトチップ55、スパッタ99a、99bが冷却されると、スパッタ99a、99bとシールドノズル52やコンタクトチップ55は異なる収縮率で収縮する。このため、スパッタ99a、99bが、シールドノズル52やコンタクトチップ55から剥がれ易い状態となる。
アーク溶接用トーチ50を更に下降させて、スパッタ除去用コイルスプリング3を、シールドノズル52とコンタクトチップ55の間の空間に侵入させると(図4の(C)の状態)、回転するスパッタ除去用コイルスプリング3によって、シールドノズル52の先端及び内面に付着したスパッタ99a及び、コンタクトチップ55の先端に付着したスパッタ99bが除去される。スパッタ除去用コイルスプリング3の先端は、横方向に屈曲自在なので、回転するスパッタ除去用コイルスプリング3の先端は、横方向に首振り運動をする。このため、スパッタ除去用コイルスプリング3の先端が、シールドノズル52の先端内面及びコンタクトチップ55の先端に、均一に当接し、シールドノズル52の先端及び内面に付着したスパッタ99a及び、コンタクトチップ55の先端に付着したスパッタ99bが確実に除去される。前述したように、コンタクトチップ55、シールドノズル52の先端、及びスパッタ99a、99bが冷却され、スパッタ99a、99bがシールドノズル52やコンタクトチップ55から剥がれ易い状態となっているので、スパッタ99a、99bが確実に除去される。
次に、アーク溶接用トーチ50を上方に移動させると、物体検知センサー9がアーク溶接用トーチ50を検知しなくなり(図4の(D)の状態)、駆動部1のアクチュエータが停止し、電磁弁7bも閉塞する。
なお、ロボットアームに取り付けられているアーク溶接用トーチ50を、所定の溶接回数毎に(或いは、所定時間)、アーク溶接用トーチクリーナ10でスパッタ除去を行い、コンタクトチップ55を冷却し、コンタクトチップ55が軟化しない温度に保つことにすると、コンタクトチップ55の寿命がコンタクトチップ55を冷却しない場合と比べて、約2倍となる。
なお、スパッタ除去用コイルスプリング3は、スパッタ除去粉飛散防止用の飛散防止ケース4で取り囲まれているので、スパッタ除去粉が飛散することがない。また、スパッタ除去粉は、傾斜スロープ4aを滑落して、スパッタ除去粉受5内に収集されるので、スパッタ除去粉の処理が容易である。
(第1の実施形態の別例)
図5を用いて、第1の実施形態の別例について説明する。第1の実施形態の別例は、スパッタ除去用コイルスプリング3の基端と、駆動部1の回転軸1aを、屈曲部材15で接続した実施形態である。第1の実施形態の別例では、スプリング取付部材2の基部2aの上端中央には、取付ネジ穴2fが形成されている。屈曲部材15は、円柱形状のゴム部15aと、このゴム部15aの上端面中央から上方に突出する円柱形状のスプリング取付部15bと、ゴム部15aの下端面中央から下方に突出するネジ部15cが一体に構成されたものである。ネジ部15cが基部2aの取付ネジ穴2fに螺入して、屈曲部材15が基部2aに取り付けられている。スプリング取付部15bがスパッタ除去用コイルスプリング3内に挿通して、スパッタ除去用コイルスプリング3が屈曲部材15に取り付けられている。屈曲部材15のゴム部15aは変形し易いので、回転するスパッタ除去用コイルスプリング3はより横方向に屈曲し、より、スパッタ除去用コイルスプリング3の先端が横方向に首振り運動をする。このため、回転するスパッタ除去用コイルスプリング3の先端が、より均一に当接し、シールドノズル52の先端及び内面に付着したスパッタ99a及び、コンタクトチップ55の先端に付着したスパッタ99bがより確実に除去される。
なお、屈曲部材15は、ゴムを用いた実施形態に限定されず、例えば、屈曲部材15を、スパッタ除去用コイルスプリング3よりもバネ常数が低く、屈曲し易いコイルスプリングで構成しても差し支えない。
(第2の実施形態)
図6〜図11を用いて、第1の実施形態と異なる点について、第2の実施形態を説明する。第2の実施形態では、図6に示されるように、回転軸1aの先端には、回転刃部材12が同軸に取り付けられている。図9を用いて、回転刃部材12を詳細に説明する。図9において、(A)は回転刃部材12の上面図であり、(B)は回転刃部材12の側面図である。回転刃部材12は、円柱形状の基部12aと、この基部12aの上面から上方に突出する円筒形状の刃部12bが、同軸一体に形成されている。基部12aの下面の中央には、取付穴12dが形成されている。基部12aの側面には、取付穴12dに連通する締付ネジ穴12eが形成されている。基部12aの取付穴12dに、駆動部1の回転軸1aを挿通し、この状態で、締付ネジ穴12eに締付ネジ(図示せず)を締め付けて、回転刃部材12を回転軸1aに取り付けている。
刃部12bの側面には、刃部12bの上端から途中部分まで、スリット刃12cが連通形成されている。スリット刃12cは、周方向所定角度をおいて、刃部12bの側面に形成されている。図に示される実施形態では、スリット刃12cは、周方向90°をおいて、刃部12bの側面に、4つ形成されている。
刃部12bの下端には、スパッタ除去粉排出口12fが連通形成されている。
図8に示されるように、回転刃部材12の刃部12bの途中部分には、先端付着物除去刃13が刃部12bに取り付けられている。図10を用いて、先端付着物除去刃13を説明する。図10において、(A)は先端付着物除去刃13の上面図であり、(B)は先端付着物除去刃13の側面図であり、(C)は先端付着物除去刃13の斜視図である。先端付着物除去刃13は、円盤形状の基板13a上に、周方向所定角度をおいて、板状刃13bを貼設した構造のものである。基板13aの中央には、円形状の挿通穴13cが形成されている。挿通穴13cの内径は、刃部12bの外径よりも僅かに大きくなっている。このため、挿通穴13cには、回転刃部材12の刃部12bが挿通可能となっている。板状刃13bは、基板13a上に放射状に貼設されている。言い換えると、板状刃13bは、その長手方向を基板13aの半径方向と同一にして貼設されている。図に示される実施形態では、4枚の板状刃13bが、周方向90°をおいて、基板13a上に貼設されている。図10の(A)に示されるように、板状刃13bは、基板13aに形成された挿通穴13c上にまで突出している。板状刃13bの挿通穴13c上に突出する面には、傾斜面13dが形成されている。傾斜面13dは、上方から下方に向かって徐々に挿通穴13c中心に迫り出している。言い換えると、互いに相対向する傾斜面13dは、上方に向かって広くなっている。傾斜面13dの傾斜角度は、コンタクトチップ55先端部側面の傾斜角度と同一になっていて、互いに相対向する傾斜面13dは、コンタクトチップ55先端部側面に対応する湾曲した形状となっている。板状刃13bの幅寸法は、回転刃部材12の刃部12bに形成されたスリット刃12cの幅寸法よりも僅かに小さくなっている。このため、スリット刃12cに、板状刃13bが侵入可能となっている。
次に、回転刃部材12に先端付着物除去刃13を取り付ける方法について説明する。先端付着物除去刃13の各板状刃13bを、各スリット刃12cに合わせて、回転刃部材12の刃部12bの上部を、基板13aの挿通穴13cに挿通させて、先端付着物除去刃13を回転刃部材12の刃部12bの上端から落とし込む。すると、図8の(B)に示されるように、板状刃13bが、スリット刃12cの下端に当接する位置で、先端付着物除去刃13が回転刃部材12の回転刃12bに同軸に取り付けられる。この状態では、各板状刃13bが、各スリット刃12c内に侵入していて、両者が係合しているので、回転刃部材12が回転すると、先端付着物除去刃13もまた回転するようになっている。
なお、先端付着物除去刃13を上方に引き上げるだけで、先端付着物除去刃13を回転刃部材12から取り外すことができ、回転刃部材12及び先端付着物除去刃13の一方が摩耗や破損した場合に、回転刃部材12や先端付着物除去刃13の交換作業が容易となっている。
図に示される実施形態では、回転刃部材12及び先端付着物除去刃13の周囲は、スパッタ除去粉飛散防止用の飛散防止ケース4で取り囲まれている。また、飛散防止ケース4の底部には、一側方に向かって徐々に低くなる傾斜スロープ4aが設けられている。そして、傾斜スロープ4aの下端の下部には、上部が開口した箱形のスパッタ除去粉受5が配設されている。
(第2の実施形態の考案の作用)
次に、図11を用いて、第2の実施形態の考案の作用について説明する。なお、回転刃部材12の刃部12bの外径は、シールドノズル52の内径よりも僅かに小さくなっている。アーク溶接用トーチ50を、気体噴出部材6の気体噴出部6c(回転刃部材12の刃部12b)の直上に移動させると、物体検知センサー9がアーク溶接用トーチ50を検知し、駆動部1のアクチュエータが作動し、回転刃部材12及び先端付着物除去刃13が回転する。更に、物体検知センサー9からの検知信号によって、電磁弁7bが開放して、冷風生成部7aに圧縮空気が供給され、気体噴出部6cの気体噴出口6aから冷気が噴出する。(図11の(A)の状態)。
アーク溶接用トーチ50を下降させ、図11の(B)に示されるように、コンタクトチップ55の先端が、気体噴出部6cの気体噴出口6aと同じ高さに位置すると、気体噴出部6cの気体噴出口6aから噴出した冷気が、コンタクトチップ55の先端、コンタクトチップ5の先端に付着したスパッタ99b、シールドノズル52の先端、及び、シールドノズル52の先端に付着したスパッタ99aに当接して、コンタクトチップ55、シールドノズル52の先端、及びスパッタ99a、99bが瞬間的に冷却される。このため、第1の実施形態で説明したように、スパッタ99a、99bがシールドノズル52やコンタクトチップ55から剥がれ易い状態となる。
次に、シールドノズル52内に、回転刃部材12の刃部12bの先端が挿通するように、アーク溶接用トーチ50を下降させる。すると、シールドノズル52の内側に付着したスパッタ99aが、刃部12bに形成されたスリット刃12cによって除去される。
更に、アーク溶接用トーチ50を下降させ、コンタクトチップ55の先端が、対向する板状刃13b間に挿通されると、対向する板状刃13bの傾斜面13dによって、コンタクトチップ55の先端に付着したスパッタ99bが除去される(図11の(C)の状態)。この際に、スパッタ除去粉は、刃部12bの下端に形成されたスパッタ除去粉排出口12fから、傾斜スロープ4a上に排出され、刃部12b内に蓄積することがない。
更に、アーク溶接用トーチ50を下降させ、シールドノズル52の先端に付着したスパッタ99aが、板状刃13bに当接すると(図11の(C)の状態)、前記スパッタ99aは除去される(図11の(D)の状態)。前述したように、コンタクトチップ55、シールドノズル52の先端、及びスパッタ99a、99bが冷却され、スパッタ99a、99bがシールドノズル52やコンタクトチップ55から剥がれ易い状態となっているので、スパッタ99a、99bが確実に除去される。
次に、アーク溶接用トーチ50を上方に移動させると、物体検知センサー9がアーク溶接用トーチ50を検知しなくなり(図11の(E)の状態)、駆動部1のアクチュエータが停止し、電磁弁7bも閉塞する。
このように、第2の実施形態のアーク溶接用トーチクリーナ20を用いると、シールドノズル52の先端及び内側に付着したスパッタ99a及びコンタクトチップ55の先端に付着したスパッタ99bを同時に除去することができる。
第1の実施形態と同様に、ロボットアームに取り付けられているアーク溶接用トーチ50を、所定の溶接回数毎に(或いは、所定時間)、アーク溶接用トーチクリーナ20でスパッタ除去を行い、コンタクトチップ55を冷却し、コンタクトチップ55が軟化しない温度に保つことにすると、コンタクトチップ55の寿命がコンタクトチップ55を冷却しない場合と比べて、約2倍となる。
なお、回転刃部材12及び先端付着物除去刃13の周囲は、スパッタ除去粉飛散防止用の飛散防止ケース4で取り囲まれているので、スパッタ除去粉が飛散することがない。また、スパッタ除去粉は、傾斜スロープ4aを滑落して、スパッタ除去粉受5内に収集されるので、スパッタ除去粉の処理が容易である。
以上説明した第2の実施形態のアーク溶接用トーチクリーナ20は、先端付着物除去刃13を有しているが、図12に示されるように、先端付着物除去刃13を有さないアーク溶接用トーチクリーナ21にも本考案の技術的思想が適用可能なことは言うまでもない。
なお、第2の実施形態においても、回転刃部材12の基端と駆動部1の回転軸1aを、前述した屈曲部材15で接続しても差し支えない。
(総括)
以上説明した実施形態では、気体噴出部材6の気体噴出部6cを、スパッタ除去用コイルスプリング3や、回転刃部材12の刃部12bの上端又は直上位置に配設しているが、気体噴出部6cをスパッタ除去用コイルスプリング3や、回転刃部材12の刃部12bの周囲を取り囲む位置に配設しても差し支えない。この構造であっても、シールドノズル52の先端及び内側に付着したスパッタ99a及びコンタクトチップ55の先端に付着したスパッタ99bが除去される際に、シールドノズル52及びコンタクトチップ55が冷却される。
以上説明した実施形態では、気体噴出部材6には冷気を供給しているが、冷却していない圧縮空気を気体噴出部材6に供給したとしても、加熱されているコンタクトチップ55、シールドノズル52の先端、及びスパッタ99a、99bが冷却されるので、スパッタ99a、99bがシールドノズル52やコンタクトチップ55から剥がれ易い状態となる。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本考案を説明したが、本考案は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲および明細書全体から読み取れる考案の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気抵抗スポット溶接機用電極及びアーク溶接用トーチクリーナもまた技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
1 駆動部
1a 回転軸
2 回転刃部材
2a 基部
2b スプリング取付部
2d 取付穴
2f 取付ネジ穴
3 スパッタ除去用コイルスプリング
4 飛散防止ケース
4a 傾斜スロープ
5 スパッタ除去粉受
6 気体噴出部材
6a 気体噴出口
6b 終端
6c 気体噴出部
6d 直線部
7 冷風生成装置
7a 冷風生成部
7b 電磁弁
7c 渦流管
7d 圧縮空気流入口
7e 熱気排出口
7f 冷風排出口
7i 流量弁
8 気体流通管
9 物体検知センサー
10 アーク溶接用トーチクリーナ(第1の実施形態)
12 回転刃部材(第2の実施形態)
12a 基部
12b 刃部
12c スリット刃
12d 取付穴
12e 締付ネジ穴
12f スパッタ除去粉排出口
13 先端付着物除去刃(第2の実施形態)
13a 基板
13b 板状刃
13c 挿通穴
15 屈曲部材
15a ゴム部
15b スプリング取付部
15c ネジ部
20 アーク溶接用トーチクリーナ(第2の実施形態)
21 アーク溶接用トーチクリーナ(第2の実施形態の別例)
29 圧縮空気供給管
50 アーク溶接用トーチ
51 チップホルダ
51a ガス供給口
52 シールドノズル
53 ノズルホルダ
55 コンタクトチップ
99 スパッタ

Claims (16)

  1. ソリッドワイヤーが送り出されるコンタクトチップと、このコンタクトチップを包容するように配設され不活性ガスが供給されるシールドノズルを有するアーク溶接用トーチの前記シールドノズルの先端に付着したスパッタを除去するアーク溶接用トーチクリーナにおいて、
    前記シールドノズルとコンタクトチップの間に挿通されるスパッタ除去部と、
    前記スパッタ除去部が取り付けられる回転軸を有する駆動部と、
    前記スパッタ除去部の回転中心方向に開放した気体噴出口が形成された気体噴出部材と、
    前記気体噴出部材に気体を供給する気体供給手段とを有し、
    前記回転するスパッタ除去部の先端をシールドノズル内に挿通させながらアーク溶接用トーチを下降させることにより、前記気体噴出口から気体をコンタクトチップ及びシールドノズルの先端に噴出させて、コンタクトチップ及びシールドノズル、これらに付着したスパッタが冷却されつつ、前記スパッタ除去部で前記スパッタが除去されるよう構成したことを特徴とするアーク溶接用トーチクリーナ。
  2. アーク溶接用トーチのスパッタ除去部の直上への侵入を検知する物体検知センサーを更に有し、
    前記物体検知センサーが、アーク溶接用トーチのスパッタ除去部の直上への侵入を検知した場合に、駆動部を作動させ、
    物体検知センサーが、アーク溶接用トーチのスパッタ除去部の直上への侵入を検知しなくなった場合に、駆動部を停止させるように構成したことを特徴とする請求項1に記載のアーク溶接用トーチクリーナ。
  3. 気体噴出部に供給される気体を冷却して冷気を生成する冷気生成部を更に有し、
    気体噴出口から冷気をコンタクトチップ及びシールドノズルの先端に噴出させて、コンタクトチップ及びシールドノズル、これらに付着したスパッタが冷却されるように構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアーク溶接用トーチクリーナ。
  4. 物体検知センサーが、アーク溶接用トーチのスパッタ除去部の直上への侵入を検知した場合に、冷気生成部を作動させ、
    物体検知センサーが、アーク溶接用トーチのスパッタ除去部の直上への侵入を検知しなくなった場合に、冷気生成部を停止させるように構成したことを特徴とする請求項3に記載のアーク溶接用トーチクリーナ。
  5. 冷気生成手部は、
    一端に冷風排出口が形成されるとともに、他端に熱気排出口が形成され、更に、一端側側面に圧縮空気が供給される圧縮空気流入口が形成された渦流管を有し、
    前記圧縮空気流入口から供給された圧縮空気が、前記渦流管内で旋回しながら断熱膨張し、低温気体と高温気体に分離され、前記低温気体が前記冷風排出口から排出されるともに、前記高温気体が前記熱気排出口から排出されるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載のアーク溶接用トーチクリーナ。
  6. 圧縮空気流入口に流入する圧縮空気の流れを閉塞又は開放する電磁弁を更に有し、
    物体検知センサーが、アーク溶接用トーチのスパッタ除去部の直上への侵入を検知した場合に、前記電磁弁を開放させ、
    物体検知センサーが、アーク溶接用トーチのスパッタ除去部の直上への侵入を検知しなくなった場合に、前記電磁弁を閉塞させるように構成したことを特徴とする請求項5に記載のアーク溶接用トーチクリーナ。
  7. スパッタ除去部は、コイルスプリングであることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のアーク溶接用トーチクリーナ。
  8. スパッタ除去部は、円筒であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のアーク溶接用トーチクリーナ。
  9. 円筒のスパッタ除去部の側面に、その上端からその途中部分までスリット刃を形成したことを特徴とする請求項8に記載のアーク溶接用トーチクリーナ。
  10. スリット刃は、周方向所定角度をおいて複数形成され、
    中央に前記刃部の外径よりも僅かに大きい内径の挿通穴が形成された基板上に、板状刃が、前記挿通穴上から放射状に、周方向所定角度をおいて配設された先端付着物除去刃を更に有し、
    前記各板状刃が前記各スリット刃に係合し、且つ、前記挿通穴に前記刃部が挿通した状態で、前記先端付着物除去刃が円筒のスパッタ除去部の途中部分に同軸に取り付けられていることを特徴とする請求項9に記載のアーク溶接用トーチクリーナ。
  11. 板状刃の挿通穴上に突出する面に、上方から下方に向かって徐々に挿通穴中心に迫り出し、コンタクトチップの先端部側面と対応するように湾曲した傾斜面を形成したことを特徴とする請求項10に記載のアーク溶接用トーチクリーナ。
  12. 円筒のスパッタ除去部の下端にスパッタ除去粉排出穴を連通形成したことを特徴とする請求項9〜請求項11のいずれかに記載のアーク溶接用トーチクリーナ。
  13. スパッタ除去部と駆動部の回転軸を、屈曲部材で接続したことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のアーク溶接用トーチクリーナ。
  14. スパッタ除去部の周囲を包容する飛散防止ケースを設けたことを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれかに記載のアーク溶接用トーチクリーナ。
  15. 飛散防止ケースの底部に、一側方に向かって徐々に低くなる傾斜スロープを設けたことを特徴とする請求項14に記載のアーク溶接用トーチクリーナ。
  16. 傾斜スロープの下端の下部に、上部が開口した箱形のスパッタ除去粉受を設けたことを特徴とする請求項15に記載のアーク溶接用トーチクリーナ。
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CN103358088A (zh) * 2013-07-22 2013-10-23 惠州东风易进工业有限公司 导电嘴回收再利用方法及系统

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