JP3158341U - 超微細気泡発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構造で、多種多様の液体および混気可能な流動体に超微細な気泡が混入できる超微細気泡発生装置を提供する。【解決手段】気体挿気口1を有する部材2と、帯状の浅溝で構成された流体通路9を形成する1対のパッキン3,4と、気体透過性フィルム5と、液体流入口6と液体流出口7とを有する部材8で構成される。中心に配された気体透過性フィルム5の両面にパッキン3とパッキン4を夫々配するとともに一端外側に部材2を配し、他の一端外側に部材8を配する。【選択図】図1

Description

本考案は、気体を液体中へ混入させるための技術に係り、詳しくは水や油等の液体中に空気や酸素もしくは炭素ガス等の気体を超微細な気泡の状態で混気させることを目的とする微細気泡発生装置に関するものである。
気体を液体中へ混入することにより、気液混合液を製造する装置としては、次にあげる装置等が公知の技術として知られている。
微細気泡発生装置に設けられた気体溶解器としては、上流側のスクリュー部と下流側のカッター部とで構成される筒状の本体を備えた静止形ミキサが、特開2006−159187号公報に開示されている(特許文献1参照。)。上記静止形ミキサは、静止形ミキサのスクリュー部が、本体と仕切棒と螺旋羽根とで構成され、カッター部が、本体と本体の内周面に突設された複数の突起で構成されており、流入した気液二相流体がスクリューで回転力と捻りを付与された旋回状態となり、突起と接触することにより気液二相流体の流れが乱され、気体の溶解が促進されるというものである。
特開2006−159187号公報
特許文献1で開示されているような気体溶解器においては、筒状部材の内周面に設けられた突起部にスクリュー部で回転力と強い捻りを付与させた気液二相流体を接触させて溶解を促進させる等のように、筒状部材の内部にスクリュー部、多数の突起部を設ける等、製造コストが掛かるものとなっており、また、生成される気泡も超微細な気泡と特定されるに至ったものとはなっていない。
本考案は、水や油等の液体中に空気や酸素もしくは炭素ガス等の気体を超微細な気泡の形態にて混気させるための気液混合装置を、構造を簡素化すると共に多種多様の液体および混気可能な流動体に超微細な気泡が混入できる技術を携えて提供する。
本考案の超微細気泡発生装置は、複雑な構造を必要とすることなく、超微細な気泡が豊富に混入された気泡含有液を生成する装置であり、構成を図に符号を付して示すが、これは一実施例であり特に限定されるものではない。
図1は、本考案の構成を説明する概略説明図である。本考案の超微細気泡発生装置は、少なくとも気体挿気口1を有する部材2と、流体通路9を形成する1対のパッキン3,4と、気体透過性フィルム5と、液体流入口6,液体流出口7とを有する部材8で構成される。気体透過性フィルム5の両面には、流体通路9を形成するパッキン3,4が、夫々該気体透過性フィルム面に当接して配される。さらに、気体透過性フィルム5を挟むように位置づけられた1対のパッキン3,4の1側面には、気体挿気口1を有する部材2が配されるとともに、パッキンの面に当接した状態で固着される。この場合、気体挿気口1を有する部材2には、パッキンに当接する面の内側に開口部が形成さている。
他方の流体通路9を形成するパッキンの面には、液体流入口6と液体流出口7とを有する部材8が配されるとともに、パッキンの面に当接した状態で固着される。この場合、パッキンに形成された流体通路9の一端(始点)に液体流入口6、他の一端(終点)に液体流出口7が夫々合致された状態で固着される。
本考案の超微細気泡発生装置は、気体挿気口1を経て気体透過性フィルム5に送気された加圧状態の気体が該気体透過性フィルム5を透過してパッキン4に形成された流体通路9を通過する液体中に微細な気泡の形状で混入される装置であり、気体透過性フィルムとして、常態にあって気体透過性が少なく加圧状態の気体をもちいて強制的に気体透過を図ることにより液中に微細な気泡を生成し得る気体透過性フィルムを採用することと、液体の流体通路を帯状の浅溝で構成することにより、単位容積における混気量の増大が図られる超微細気泡発生装置である。流体通路を帯状の浅溝で構成することにより、気体が溶解し易い加圧水流がもたらされ、流体の多くが、気体透過性フィルムの気体透過面に接しながら流体通路を通過することになる。
請求項2に記載の考案は、帯状の浅溝で構成された流体通路9を延長することを目的として、パッキンに、蛇行もしくは渦巻き並びに屈曲等の形状からなる流体通路9を形成させたことを特徴とする請求項1に記載の超微細気泡発生装置である。
パッキンに、帯状の浅溝で構成された流体通路9を蛇行もしくは渦巻き並びに屈曲等の形状にて形成させることにより、一定の面積に帯状の浅溝で構成された流体通路9を凝縮して配することができ、よって超微細気泡発生装置の小型化が図られる。
本考案の超微細気泡発生装置は、液体流入口6における流量に対して、流体通路9を帯状の浅溝で構成された狭幅とすることにより液体の流入領域を制限し、液体流入口6より流入された液体が流体通路9を通過する際の流速を増速させるもので、加圧状態にある気体がクレーズフィルム6を透過して液中になす気泡発生過程の初期段階において、気体透過面に成長する気泡を前記流速が増速された液流によりせん断し、超微細な気泡の状態で液中に混入させることを要旨とする。
送気口を有する部材2は、気体透過性フィルム5に生成されたクレーズを強制的に透過させる気体を圧縮状態で供給するもので圧縮状態にある気体4が液体中に透過し減圧するにしたがい適宜加圧状態の気体を暫時補充することを目的とするものである。
本考案の超微細気泡発生装置は、大掛かりな装置を用いることなく、超微細な気泡を多種の液体中に混入することを容易なものとした気液混合装置であり、炭酸ガスを水に混入させることにより炭酸水が得られ、重油等の油類に混気を施すことにより燃焼効率が改善され、混気を施された水等は水質の浄化、洗浄水、飲料水等に広く活用されるばかりでなく、汚水や排水等の廃液処理においても微生物の活性化が図られることから必要な装置となる。
図1は、本考案の構成を説明する概略説明図である。 図2は、パッキンに形成された流体通路の例示説明図である。(渦巻形状) 図3は、パッキンに形成された流体通路の例示説明図である。(蛇行形状)
[加圧された微細な気泡]
加圧された微細な気泡が容易に液中に融合されることは、次式により表される。
w=kP
この式においてwは液体に溶ける気体の質量、Pは気体の圧力であり、kは比例定数である。このことから、溶ける気体の質量は気体の圧力に正比例することが解る。つまり液体に気体が溶けるときには、その液体に接触している気体の圧力が高くなるほど多くの気体が液体に溶けることになるのである。
本考案の超微細気泡発生装置は、液体を水とし、気体を空気とした場合に、水中に200nm〜5μm程度の超微細な気泡が容易に生成される装置であって、水中に生成された微細な気泡は目視できるものでも、浮力が小さく、水中を漂う、一方視認できないような超微細な気泡にあっては水に溶け込みあるいは混合されて水中に滞留することから、超微細気泡を豊富に含有する気液混合水を生成することができる。
[クレーズフィルム]
本考案に用いるクレーズフィルムは、樹脂膜にクレージング処理を施すことにより気体透過性を発現させたフィルムである。クレーズは、基本的に、特許第3156058号公報に開示されているものと同様なものであり、樹脂フィルムの分子配向の方向と略平行に、幅が一般に0.5〜100μm、好ましくは1〜50μmのものである。
このクレーズが、フィルムの厚み方向に貫通しているクレーズの数の割合が全クレーズの数に対して10%以上、好ましくは20%以上、特に好ましくは40%以上必要であり、貫通している割合が上記範囲未満であると十分な通気性が得られ難くなる。ここで言うクレーズとは、樹脂膜の表面に現れる表面クレーズと内部に発生する内部クレーズを含むものであって、微細なひび状の模様を有する領域を言う。
本考案の超微細気泡発生装置は、医療、農業、水産業、環境、水処理、鉱工業等、マイクロ・ナノバブルが活用される分野において利用可能な装置であり、特に、混気量の豊富な気液混合液を得られることから、排水処理や水質浄化等の水処理関係における活用が期待される。
1 気体挿気口
2 気体挿気口1を有する気体供給部材
3 流体通路9を形成するパッキン
4 流体通路9を形成するパッキン
5 気体透過性フィルム
6 液体流入口
7 液体流出口
8 液体流入口6と液体流出口7とを有する通液部材
9 流体通路
10 通気管
11 通液管
12 気体供給部材2の開口部に設けられた空間
S 流体通路の始点
T 流体通路の終点

Claims (3)

  1. 気体挿気口1を有する部材2と、帯状の浅溝で構成された流体通路9を形成する1対のパッキン3,4と、気体透過性フィルム5と、液体流入口6と液体流出口7とを有する部材8で構成され、中心に配された気体透過性フィルム5の両面にパッキン3とパッキン4を夫々配するとともに一端外側に気体挿気口1を有する部材2を配し、他の一端外側に液体流入口6と液体流出口7とを有する部材8を配する構造とすることにより、気体挿気口1を経て気体透過性フィルム5に送気された加圧状態の気体が、該気体透過性フィルム5を透過してパッキン4に形成された帯状の浅溝で構成された流体通路9を通過する液体中に微細な気泡の形状で混入される装置であり、気体透過性フィルム5が常態にあって気体透過性が少なく加圧状態の気体をもちいて強制的に気体透過を図ることにより液中に微細な気泡を生成し得る気体透過性フィルムであることと、流体通路を帯状の浅溝で構成された狭幅とすることにより液体中に超微細な気泡を取り込むことを特徴とする超微細気泡発生装置。
  2. 流体通路を延長することを目的として、パッキン4に、蛇行もしくは渦巻き並びに屈曲等の形状からなる流体通路を形成させたことを特徴とする請求項1に記載の超微細気泡発生装置。
  3. 気体の透過量を制御し得る気体透過性フィルムを、樹脂膜にクレーズを生成してなる気体透過性フィルムにて構成したことを特徴とする請求項1に記載の超微細気泡発生装置。
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