JP3158224U - 研磨布 - Google Patents

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Abstract

【課題】 良好な研磨性と能率的研磨作業性及び快適な研磨作業環境を可能となす研磨布の提供。【解決手段】 集塵性回転研磨具を用い若しくは集塵ドラムと接触摺動させ周回展張させて研磨する研磨手段を用いる研磨布において、紙若しくは織物からなる扁平状の基材の一側面に、接着剤を塗布のうえ所要粒径の研磨粒を接着塗着のうえ、この接着塗着面から基材面に向って高硬度の尖鋭で所要孔径の突刺針が植設された植設針により入口部の径に対し出口部の径がやや小さな研磨塵埃排出孔が均等に突刺穿孔された構造。【選択図】図1

Description

本考案は研磨布に係るもので、更に詳しくは良好な研磨性と快適な研磨作業環境を可能となす、新規な研磨布に関するものである。
金属や石材、木材若しくは合成樹脂素材等は、それぞれその素材特性を活かして多種多様な製品や商品に加工形成されるものであって、金属素材では主に車輌や船舶を初め工業機器や家電製品のケーシング等に、石材においては建築用板材や墓石等に、更に木材においては家具や調度品等に製品化されてなるものであるが、これら製品化の工程においてはそれぞれの素材が切断されたり熔接接合や接着接合されたりするばかりか、これら製品にはその美装化のうえから塗装やメッキ等が施されるためにその外表面全体に亘って平滑化を図る必要があり、更に石材等においては平滑化ばかりか鏡面化させる研磨も要請される。
ところで製品化工程においてなされる切断面や熔接面や接着面等は粗雑であり、且その必要研磨部位が複雑で狭少な場合においては、従来よりその形状が平形、三角形、丸形若しくは半丸形の金属棒に無数の溝を形成させ、若しくは粉末ダイヤ粉等が付着させてなる所謂棒ヤスリが用いられ、更に車輌や船舶を初め、工業機器や家電製品のケーシング等必要研磨部位が広面積で、而も膨大数に昇る生産量の製品には効率的な研磨を図るうえから図5に示すように扁平状の紙若しくは織物等からなる基材Aの一側面に、適宜粒径並びに硬度の研磨粒Bが強剛な接着力を持つ接着剤Cにより接着されてなる所謂サンドペーパーDを用いるとともに、このサンドペーパーDを図6に示す如くその底面が回転にしえる回転研磨具Eの回転面Fに保持せしめたうえ、切断面や熔接面若しくは粗面状の外表面と接触させつつ研磨をなしていた。
しかしながらかかるサンドペーパーDを回転研磨具Eに保持させて研磨する方法は、広面積に亘って若しくは膨大数に亘っての研磨は研磨効率には優れるものの、該回転研磨具Eを用いた研磨手段では、研磨に伴い多量に発生する研磨塵埃が基材Aと研磨粒Bとの凹陥部G内に狭入堆積されて平滑化し研磨性が短時に滅失されるばかりが、多量に発生する研磨塵埃が回転板Fの回転で周辺に飛散し、研磨作業環境を著しく悪化させ且関連工程における諸作業にも莫大な支障を及ぼす結果となる。
かかる問題に鑑み、回転研磨具Eにバキューム機能を保持させるとともに、サンドペーパーDの全面に亘って均等に研磨塵埃排出孔を穿孔せしめて、研磨に際して発生する研磨塵埃による凹陥部G内への狭入堆積を阻止せしめ研磨性の向上と且研磨作業環境の改善が重要な課題とされるに至っている。
これがためサンドペーパーDの全面に且均等間隔に所要の孔径の研磨塵埃排出孔を形成するため打抜雄型及び打抜雌型からなる抜打加工が試みられたものの、該サンドペーパーDに接着されてなる研磨粒Bは、その素材がカーボランダムやアランダム、セリウム或いは紅柄等からなるため打抜雄型自体の硬度不足により研磨塵埃排出孔の形成が不可能となる。
かかる問題に対して、研磨粒と基材形成材並びに発泡による研磨塵埃排出孔形成材等を、予め所要の割合で配合のうえ一体的に研磨塵埃排出孔が形成しえる研磨用パッドが開示されてなるものの、均等に分散される研磨粒や研磨塵埃排出孔の形成が実現できず実用使用にまでは至っておらず、且仮令均等に分散された研磨粒や研磨塵埃排出孔が形成されても極めてコスト的に割高となる難点を抱えている。
特開平6−114742号公報
加えて近年においては回転研磨具Eによる手作業研磨から量産化に対処すべく、サンドペーパーDを長尺状に周回させつつ多数の製品等を連続的に接触研磨させる方法が採用されつつあるが、該連続的接触研磨方法では所定時間内に多数の製品の研磨がなされる結果、短時間内に研磨粒Bが滅損し研磨性が低下するため長尺状サンドパーパーDの頻繁な交換が要請されるものの、全体の変換には極めて高価となる。反面サンドペーパーDは紙や織物等の基材Aの一側面に、研磨粒Bが接着剤Cにより接着されてなるもので、このサンドペーパーDの交換は専ら研磨粒Bの滅損のみであるから、基材Aの再利用が望まれる。
これがため現状においては研磨粒Bの滅損した長尺状のサンドペーパーDの表面を浄化のうえ接着剤Cを塗着し研磨粒Bを接着したうえ再利用を試みているが、かかる再利用化に使用する長尺状のサンドペーパーDには研磨粒Bは滅損しているものの接着剤Cは強固に接着塗着されてなるから、実質的に接着層が厚く形成されて剛強となり、スムースな周回使用がなされ難く且使用経過とともにクラックの発生等も招来され、十分な再利用化には至っていない。
考案者は、かかる如き問題等に鑑み鋭意研究を重ねた結果、紙や織物等の基材の一側面に所要の粒径と塗着量を以って研磨粒を接着させてなる研磨布の研磨粒塗着面より基材面に向かって、高硬度の尖鋭で所要の径からなる突刺針が均等に植設された植設針により加圧突刺させることで研磨塵埃排出孔が容易に形成しえること、及び集塵性回転研磨具の併用により、良好な研磨作業環境が実現しえることに想等し本考案に至った。
本考案は良好な研磨性と能率的な研磨作業性並びに快適な研磨作業環境を可能となす、研磨布の提供にある。
集塵性回転研磨具に保持せしめて研磨し、若しくは集塵ドラムと接触摺動し周回展張し連続的に移送接触せしめて研磨をなす研磨布において、紙若しくは織物からなる扁平状の基材の一側面に、所要の素材と粒径の研磨粒が適宜の接着剤により強固に接着塗着された研磨布の研磨粒接着塗着面より基材面に向って、高硬度の線状材からなり尖鋭で所要径の突刺針が均等に植設された植設針を突刺させて、その入口の孔径が広く且出口の孔径がやや狭く変化する研磨塵埃排出孔が全面均等に突孔された構造からなる研磨布に存する。
本考案は前述の如き構成からなるものであって、紙若しくは織物等扁平状の基材の一側面には、所要の硬度と粒径の研磨粒が接着剤により接着塗着されたうえ、この研磨粒の接着塗着面より基材面に向かって、所要硬度の鋼線材からなり尖鋭で且所要径の突刺針が全面に亘って均等に突刺しえるよう植設された植設針で突刺させることにより、この突刺針が高硬度の研磨粒相互間内に容易に突刺され、而もその孔径が僅かに変化し且基材面に突出隆起された状態の研磨塵埃排出孔が、全面に亘り均等に且容易に形成できる。
そして本考案研磨布は実用使用に際しては略円形状に形成のうえ集塵性回転研磨具に付帯保持させ、若しくは長尺状に形成のうえ集塵ドラムと接触摺動させて使用するものであるから、研磨により発生する研磨塵埃は均等に穿孔され且その研磨粒接着塗着面より基材面に向かって、その入り口部分の孔径がやや大きく、基材面の孔径がやや小さく変化し且基材面側に突出隆起された形状に形成されるとともに、全面に亘って均等に突刺形成されてなるから、研磨により発生した研磨塵埃は凹陥部内に狭入堆積されることなく即時に研磨塵埃排出孔より集塵機内に集塵され外部排出がなされ、これにより研磨に伴う研磨塵埃の飛散も防止され、研磨作業環境も快適に保持される。
更に本考案においては、長尺状に周回使用する場合においても研磨粒の滅損に際して全面に亘って均等に突孔形成された研磨塵埃排出孔により十分な柔軟性を保持するため、該使用済の基材に再び接着剤により所望の研磨粒を接着塗着させても硬剛化せずに屈撓性が創出され、且周回使用に際しても亀裂の発生もなく而も研磨塵埃排出孔も容易に形成でき使用可能なため、極めて安価に再利用ができる。
織物からなる基材の一側面にフェノール樹脂接着剤を用いて、その素材がコランダムで且その平均粒径が♯400の研磨粒を接着塗着せしめたうえ、この研磨粒接着塗着面から基材面に向かって、その入口か出口よりやや大きく且その孔径が300乃至1,000μmで、而も突孔密度が6乃至12/cmの割合で研磨麈埃排出孔が形成された構成。
以下に本考案実施例を図とともに詳細に説明すれば、図1は本考案の拡大断面説明図、図2は本考案の平面見取図であって、基材1は本考案全体を保持する機能とともに使用目的に適合する素材はもとより、実用使用に際しては集塵性回転研磨具7に付帯保持させ、若しくは集塵ドラムと接触摺動させ周回展張させる手段に用いるうえから扁平状であることが要件とされる。
そしてかかる基材1の素材としては木材製品の如く乾燥状態での研磨や軽弱なプラスチック製品の研磨等においては紙の選択が好都合である。
反面金属板材や石板材等では、高摩擦研磨や加水研磨等もなされることから、かかる場合の基材1の素材としては織物が選択されるもので、更に詳しくは綿織物や麻織物等の天然繊維織物、或いはナイロンやポリエステル等の合成繊維織物も挙げられる。そして特別の制限が無い場合は、これら織物は織幅36インチ(91.5cm)若しくは72インチ(183cm)で製織される。
かくしてなる基材1の一側面には所要の素材と粒径の研磨粒3を強固に接着塗着せしむるための接着剤2が塗着される。
この接着剤2は当然に研磨粒3と基材1とを強固に接着塗着しえる接着剤2であれば特段に制約は無いが具体的な接着剤2を挙げれば、エポキシ樹脂接着剤がその一つとして選ばれる。このエポキシ樹脂接着剤も多種に亘るが好ましくはエピビスタイプが挙げられ、且かかるエピビスタイプの硬化剤としてポリアミン、ポリアミド、ポリスルフィド等が好適である。
更に接着剤2としてフェノール樹脂接着剤も挙げられ、とりわけノボラック型フェノール樹脂接着剤が好適である。
而して基材1の一側面に接着剤2が塗着されたうえは、所要の素材及び粒径からなる研磨粒3が接着塗着される。
かかる場合における研磨粒3の素材は研磨対象物の硬度や研磨度合等により適宜に選択されるものであるが一般的にはカーボランダムやアランダム、セリウム或いは紅柄等が挙げられる。
加えて該研磨粒3の粒径は、研磨対象目的が荒削り研磨や成形研磨、表面処理研磨、或いは鏡面研磨等により粒径も当然に異なるものが使用される。
ところで研磨粒3の粒径については古くから♯(メッシュ)が慣用されてきており、かかる慣用に基づく研磨対象との関係では荒削り研磨では♯150以下、成形研磨では♯100乃至400、表面処理研磨では♯300乃至1,000、及び鏡面研磨では♯1,000乃至3,000とされている。
因みに♯(メッシュ)は1インチ間の網目数であって、実質的にこの網目数でふるわれる研磨粒3の実質的粒径は、網目を構成する鋼線が存在するため粒径は小さくなるものであるから、♯240では略平均粒子径74乃至88μm、♯400では略37乃至44μm、♯800では略18乃至22μmとなる。
かかる如くして基材1の一側面に接着剤2を塗着のうえ所望の研磨粒3が接着塗着されたうえは、その全面に亘って均等に研磨塵埃排出孔4が穿孔されている。
この研磨塵埃排出孔4は、高硬度の線状材からなり、尖鋭5Aで所要の径からなる突刺針5Bが所要の間隔を以って均等に植設された植設針5により、研磨粒3が塗着接着された側面より基材1例に向って突刺させることにより、該植設針5の形状により高硬度な研磨粒3相互の間隔内より容易に突刺され、且形成される研磨塵埃排出孔4は、その入り口部4Aの孔径がやや大きく且基材1側の出口部4Bの孔径がやや小さな孔径状を示し、而もその出口部4Bは突出隆起4Cされた形状となる。
そしてかかる場合における研磨塵埃排出孔4は、研磨粒3の粒径が荒削りタイプでも♯150、成形タイプでも♯100乃至400表面処理タイプで♯300乃至1,000、及び鏡面タイプで♯1,000乃至3,000程度とされていることから、その孔径としては容易に吸着集麈をなさしめるうえからも、略3,00乃至1,000μm、並びに穿孔密度としては6乃至12/cm程度が穿孔され、本考案研磨布6が形成される。
ところで本考案研磨布6は実用使用に際しては、集塵性回転研磨具7や、集塵ドラムと接触摺動させるための周回展張手段8が併用されるもので、集塵性回転研磨具7を併用する場合においては、図2に示す如く所要径の円形状に裁断させてなる円形研磨布6Aとなして使用するものであるが、かかる円形研磨布6Aは予め所望の孔径と穿孔密度に研磨塵埃排出孔4を形成した研磨布6を所要径の円形状に裁断する場合と、或いは基材1の一側面に接着剤2を塗着のうえ、所要粒径の研磨粒3を接着塗着のうえ所要径の円形状に裁断し、而して植設針5を突刺させて形成させても良い。更に該円形研磨布6Aは比較的小面積に形成されるものであり、且回転研磨具7に密着保持させて使用するとともに頻繁に交換することから密着剥離が容易なように円形研磨布6Aの周縁の適宜位置に剥離辺部6Bを形成しておくことが便利である。
円形研磨布6Aを密着保持させて実用研磨を図る集塵性回転研磨具7は図3に例示するように略碗形の集塵部7Aの上部には手動研磨のための操作把持部7Bが設けられ、且この操作把持部7B内を集塵した研磨塵埃を外部に吸引排出するための排出ホース7Cが挿通され、その端縁は集塵部7A内に集塵口7Dが配位された集塵器7Eが配置されている。更に該集塵部7Aの下辺には円形研磨布6Aを密着保持させたうえ回転せしめて効率的研磨をなす回転枠7Fを回転させるモーター7Gも配設されている。
当然に該円形研磨布6Aと回転枠7Fとの密着保持には簡便な手段で密着保持できるよう粘着剤塗布や面状テープによる絡着等の適宜密着保持具7Hを介在させることが好都合である。
他方集塵ドラムと接触摺動させる周回展張手段8を使用する場合においては、図4に示す如く所要の厚さや幅及び長さに形成させた紙若しくは織物等からなる基材1の一側面に適宜の接着剤2を塗着のうえ、更にその上面に所要の素材と且粒径の研磨粒3を接着塗着のうえ、その全面に亘って植設針5を突刺させて研磨塵埃排出孔4を形成させた長尺状研磨布60を、集塵ドラム8Aと接触摺動しえるよう駆動ロール8B、8Bに架渡させ、且この長尺状研磨布60の研磨粒3塗着接着面と、研磨すべき製品等8Cが接触研磨されるようベルトコンベア8Dで移送させながら研磨させるもので、集塵ドラム8A内に吸引された研磨塵埃は、外部排出管8Eを介して外部排出がなされる。
集塵性回転研磨具や集塵ドラムと接触摺動させる周回展張手段を用いることで、実用使用できる。
本考案の拡大断面説明図である。 本考案円形研磨布の平面見取図である。 集塵性回転研磨具の例示説明図である。 集塵ドラム接触摺動させる周回展張手段の例示図である。 従来のサンドペーパーの説明図である。 従来の回転研磨具の説明図である。
1 基材
2 接着剤
3 研磨粒
4 研磨塵埃排出孔
4A 入口部
4B 出口部
4C 突出隆起
5 植設針
5A 尖鋭
5B 突刺針
6 本考案研磨布
6A 円形研磨布
6B 剥離辺部
60 長尺状研磨布
7 集塵性回転研磨具
7A 集塵部
7B 操作把持部
7C 排出ホース
7D 集塵口
7E 集塵器
7F 回転枠
7H 密着保持具
8 集塵ドラムと接触摺動させる周回展張手段
8A 集塵ドラム
8B 駆動ロール
8C 製品等
8D ベルトコンベア
8E 外部排出管
10 集塵性回転研磨具

Claims (2)

  1. 集塵性回転研磨具に保持せしめて研磨し、若しくは集塵ドラムと接触摺動させ周回展張し連続的に移送接触せしめて研磨をなす研磨布において、紙若しくは織物からなる扁平状の基材の一側面に所要の素材と粒径の研磨粒が適宜接着材で強固に接着塗着された研磨布の研磨粒接着塗着面より基材面に向って、高硬度の線状材からなり尖鋭で所要径の突刺針が均等に植設された植設針を突刺させて、その入口の孔径が広く且出口の孔径がやや狭く変化する研磨塵埃排出孔が、その全面に亘り均等に穿孔されてなる構造の研磨布。
  2. 集塵性回転研磨具に保持せしめて研磨をなす研磨布において、全体の形状が適宜径の円形状に裁断され且その周縁の適宜位置に剥離辺部が形成された請求項1記載の構造からなる研磨布。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016104511A (ja) * 2011-11-29 2016-06-09 ネクスプラナー コーポレイション 下地層および研磨表面層を有する研磨パッド
JP2020078850A (ja) * 2018-11-14 2020-05-28 国立大学法人九州工業大学 研磨パッド及びそれを有する研磨装置

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