以下、本考案の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本考案の食品携行容器セットの一実施例であるランチボックスセット1の分解斜視図であり、多段容器群7を3個の食品容器2に分解した状態も一緒に図示ている。なお、本実施例では、ランチボックスセット1として、3個の食品容器2を外部ケース3内に格納可能なものについて、以下説明する。
図1に示すように、ランチボックスセット1は、1人1食分程度の食品を携行するのに適した容量サイズを有するものであり、主に、食品を入れて持ち運べる複数の食品容器2と、これらの複数の食品容器2をまとめて格納する1つの外部ケース3とを備えており、複数の食品容器2を外部ケース3に格納したままカバンに入れて携行可能なサイズに形成されている。
3個の食品容器2は、平面視オーバル状(角丸長方形状)の外形を有した合成樹脂製の密閉式の食品保存用容器であり、その奥行方向(長手方向)両端部が平面視半円形状に形成されている。これらの食品容器2は、主に、有底無蓋の容器本体4と、その容器本体4の内部に設けられ食品が納められる保存空間5(図5参照。)と、その保存空間5に連通する容器本体4の開口部に着脱可能に形成される密閉蓋6とを備えている。
3個の食品容器2において、最上段の食品容器2(A)及び中段の食品容器2(B)は、その形態及びサイズが同一に形成されている。また、最下段の食品容器2(C)は、他の食品容器2(A),2(B)に対して高さが大きいことを除けば、その他の点は食品容器2(A),2(B)と同一に形成されている。
また、これらの食品容器2は、密閉蓋6が容器本体4に比べて可撓性のある合成樹脂材料で形成されている。この密閉蓋6の下面の全周には容器本体4の周壁板4aの上端部が嵌入される嵌入溝が凹設され、この嵌入溝内には、容器本体4の周壁板4aの上端部が嵌入される(図5参照。)。結果、容器本体4の開口部は密閉蓋6により閉塞され、保存空間5が密閉される構造となっている(図5参照。)。
また、各食品容器2の密閉蓋6の上面には、容器本体4の底部が着脱可能に嵌め込まれる嵌合凹部6aが凹設されている。このため、複数の食品容器2は、上段にある方の食品容器2の嵌合凹部6a内に、下段にある方の食品容器2の容器本体4の底部が嵌め込まれることにより、上下方向に多段状に積重された状態のもの(以下「多段容器群7」ともいう。)とすることができる。
多段容器群7は、上記した嵌合凹部6aを介して食品容器2同士が嵌り合うことで、上下に重なる食品容器2同士が相互に水平方向にズレ動くことが規制されている。したがって、多段容器群7が後述する取出し口10を通じて外部ケース3に出し入れされる際に、複数の食品容器2の積重状態が崩れることを防止でき、結果、複数の食品容器2をスムーズに出し入れできる。
外部ケース3は、多段容器群7をそのままの格好で格納するための中空箱状体であって、多段容器群7の外形に合わせて、全体として平面視オーバル状の外形を有しており、その奥行方向両端部が平面視半円形状に形成されている。また、外部ケース3は、食品容器2に比べて不撓性(撓みにくい性質)のある硬質の合成樹脂製で形成されている。
この外部ケース3は、主に、多段容器群7を被包するケース本体8と、このケース本体8内に設けられ多段容器群7を格納する格納空間9と、その格納空間9から多段容器群7を取り出すためにケース本体8の壁面の一部に開口形成される取出し口10と、その取出し口10を閉塞する開閉蓋11と、食品容器2のガタつきを防止するガイドリブ12とを備えている。
ここで、外部ケース3のケース本体8及び開閉蓋11を不透明性又は不透光性のいずれかの性質を有する素材で形成すれば、後述するように外部ケース3内に市販食品を直接格納する場合(図7参照。)に、その内部の様子が外から覗き見られることを防止できる。なお、外部ケース3の外からその中身を伺い知ることができるように、敢えて、外部ケース3のケース本体8及び開閉蓋11を透明性又は透光性のいずれかの性質を有する素材で形成するようにしても良い。
ケース本体8は、その正面部全体に取出し口10が開口形成されており、この取出し口10は、多段容器群7を積重状態のまま出し入れ可能な開口サイズを有している。また、この取出し口10から多段容器群7が水平方向に挿入されることにより格納空間9内に嵌め込まれるよう、ケース体8は形成されている。
開閉蓋11は、外部ケース3の正面部の壁板並びに上面部及び下面部の壁板の一部として兼用されるものである。この開閉蓋11は、外部ケース3の正面部分を形作る中空半円柱状の外形を有している。また、開閉蓋11は、ケース本体8の背面部、左側面部、右側面部、上面部及び下面部の壁板8a〜8eと同じ厚さの壁板が用いられている。
この開閉蓋11は、取出し口10に対向する部分に半円柱状の凹部が凹設されており、この凹部が格納空間9の一部となって、多段容器群7の前側端部を被包するようになっている。また、開閉蓋11には、取出し口10との対向部分であってその横幅方向両側に段差部11a,11aが形成されている(図2参照。)。
これらの段差部11a,11aは、いずれも開閉蓋11の上端部から下端部まで連続して形成されるものであり、その上下方向中央に開閉蓋11をケース本体8に着脱可能に係止するための係止片11b,11bが1つずつ一体形成されている。
図2は、外部ケース3の横断面図であって、ケース本体8から開閉蓋11を取り外した状態を示した図であり、図中の矢印は、一対の係止片11b,11bが弾性変形可能な方向を示したものである。図2に示すように、開閉蓋11には、上記した一対の係止片11b,11bが形成されている。
一対の係止片11b,11bは、互いの対向側へ向けて弾性的に撓み変形可能な可撓性を有しており、開閉蓋11の横幅方向両側にある段差部11a,11aの先端に1つずつ一体形成されている。これら一対の係止片11b,11bによれば、互いに近接方向に撓められることで互いの間隔が狭められることにより、取出し口10からケース本体8の左側面部及び右側面部(以下単に「左右」ともいう。)の壁板8b,8c間へ挿入可能となる。
また、各係止片11bには、その先端部から開閉蓋11の横幅方向外方へ突出される係合突起11cが一体形成されている。ここで、一方の係合突起11cは、ケース本体8の左側面部の壁板8bに貫通形成される係合穴8fに、他方の係合突起11cは、ケース本体8の右側面部の壁板8cに貫通形成される係合穴8fに、それぞれ嵌り込み可能に形成されている。
上記したように、一対の係止片11b,11bは、取出し口10からケース本体8の左右の壁板8b,8c間へ挿入される。そして、かかる挿入時に、各係止片11bの係合突起11cが各係合穴8fにそれぞれ嵌め込まれ、開閉蓋11がケース本体8に対して係止される。また、各係合穴8fは、そこに嵌め込まれるべき係合突起11cの外形に適合して形成された側面視円形状(図4及び図5参照。)の貫通孔である。
また、各係合突起11cは、各係合穴8fに嵌め込まれることにより、各係合穴8fを通じてケース本体8の外にその端面が露出される。そこで、この露出した各係合突起11cの端面が指先でケース本体8の外から内方へ押し込まれると、一対の係止片11b,11bが互いの近接方向に弾性変形され、各係合突起11cが各係合穴8fから抜脱されて、ケース本体8に対する開閉蓋11の係止状態が解除される。
このように係止状態を解除した上で、開閉蓋11をケース本体8から水平に離反させて引き抜けば、開閉蓋11がケース本体8から取り外されて、取出し口10が開放される。また、ケース本体8には、開閉蓋11を係止するため、上記した係合穴8f,8fとともに、下記する切欠部8g,8g及びガイド溝8h,8hが形成されている。
切欠部8g,8gは、ケース本体8の左右の壁板8b,8cの内面であって、取出し口10側の端部にそれぞれ形成されている。切欠部8g,8gは、開閉蓋11の横幅方向両側にある段差部11a,11aと合決り状態で接合されることで、開閉蓋11をケース本体8の取出し口10に対して位置決めするものである。
ガイド溝8h,8hは、ケース本体8の左右の壁板8b,8cの内面に凹設されている。各ガイド溝8hは、その底面が切欠部8gと面一に形成されており、切欠部8gから係合穴8fまで連通形成されている。これらのガイド溝8h,8hは、一対の係止片11c,11cがケース本体8の左右の壁板8b,8c間へ挿入される場合に、各係止片11bの係合突起11cと摺接して係合穴8fへと案内誘導するものである。
ガイドリブ12は、最下段の食品容器2(C)が上下動してガタつくことを防止するため、ケース本体8内(格納空間9と同義。以下同じ。)に形成されている。このガイドリブ12は、ケース本体8の背面部、左右の壁板8a〜8cの内面から凸設された凸部であり、これらの壁板8a〜8cの内面から水平方向に均一に突出されている。
また、ガイドリブ12は、ケース本体8の背面部の壁板8aに沿って半円弧状に延設される湾曲部分12aと、その湾曲部分12aの両端部に連設されケース本体8の左側面部の壁板8b及び右側面部の壁板8cに沿って直線状に延設される直線部分12b,12bとを有している。
このガイドリブ12の直線部分12b,12bは、格納空間9における多段容器群7の挿入方向に対する直交方向両側(図2の左右方向両側)から、格納空間9の内方へ向けてそれぞれ凸設されている。また、このガイドリブ12の直線部分12b,12bは互いの対向位置に設けられている(図3参照。)
また、ガイドリブ12の直線部分12b,12bは、いずれもケース本体8の左右の壁板8b,8cにおける取出し口10側端まで到達してはおらず、概ね、ケース本体8の左右の壁板8b,8cにおける奥側1/3の範囲内に限って設けられている。
図3は、多段容器群7を格納している外部ケース3のケース本体8の正面図である。図3に示すように、ケース本体8内には、3個の食品容器2を上中下3段に積重した多段容器群7が格納されており、ケース本体8の左右の壁板8b,8cには、上記した係合穴8f、切欠部8g及びガイド溝8hが、それぞれ形成されている。
ガイドリブ12の直線部分12b,12bの対向面間には、食品容器2の容器本体4の横幅以上の間隔があり、多段容器群7の中段にある食品容器2(B)の容器本体4が挟み込まれている。このため、中段の食品容器2(B)の横幅方向のガタつきが規制されており、その結果、多段容器群7全体の横幅方向のガタつきが規制されている。
また、ガイドリブ12の湾曲部分12a(図5参照。)及び直線部分12b,12bは、その断面形状が矩形状に形成され、ケース本体8内の奥側部分において、最下段にある食品容器2(C)の密閉蓋6の上方に覆い被さるように設けられている。これによって、最下段の食品容器2(C)は、ガイドリブ12とケース本体8の下面部の壁板8eとの間に挟み込まれるので、ケース本体8内で上下動してガタつくことが規制されている。
図4は、ランチボックスセット1の左側面図であって、外部ケース3のケース本体8から開閉蓋11を取り外した状態を示した図であり、図5は、図4に示したランチボックスセット1の縦断面図であって、各食品容器2について部分的に断面視したものである。
図4及び5に示すように、各係止片11bの係合突起11cは、各係合穴8fの嵌り込み可能とするため、その係合穴8fの形状に適合した側面視円形状に形成されている。また、各係合片11bには、その先端側から基端側へと拡幅するテーパー状に形成されており、各ガイド溝8hにも、係止片11bのテーパー部分に適合するように係合穴8f側から切欠部8g側へと拡幅するテーパ状に形成されている。ガイド溝8hを介して係合突起11cを係合穴8fへスムーズに案内誘導するためである。
ガイドリブ12は、その直線部分12b,12bが多段容器群7への挿入方向(図4及び図5の左右方向)へ向けて水平直線的かつ連続的に延設されている。最下段にある食品容器2(C)は、ガイドリブ12とケース本体8の下面部の壁板8eとの間に摺動可能に挟み込まれており、かかるガイドリブ12によって挿入方向及び反挿入方向へ向かう移動が案内誘導されるようになっている。
このようにガイドリブ12による案内誘導によって、多段容器群7の出し入れ時における上下のガタつきが規制されるので、多段積重状態を保持したまま、複数の食品容器2をケース本体8内へスムーズに出し入れすることができる。
また、多段容器群7が外部ケース3内に嵌め込まれた場合にガタつくことを防止するため、図1及び図2に示した、格納空間9の横幅、奥行及び高さが多段容器群7に適合した大きさに形成されている。ところが、このことは、多段容器群7をケース本体8から抜き取る際に格納空間9内の負圧化を誘発して多段容器群7の抜き取りを阻む抵抗力を生み、逆に、多段容器群7をケース本体8内へ嵌め込む際に格納空間9内が正圧化を誘発して多段容器群7の嵌め込みを阻む抵抗力を生むという弊害をもたらす。
そこで、かかる弊害を解消するため、本実施例のランチボックスセット1では、図3及び図4に示すように、多段容器群7がケース本体8内に格納された状態で、ケース本体8内に所定幅の間隙13が設けられるようになっている。
間隙13は、各食品容器2の容器本体4の周壁板4aとケース本体8の背面部、左側面部及び右側面部の壁板8a〜8cとの間に、各食品容器2の容器本体4の周壁板4aをそれぞれ取り囲むように設けられている。この間隙13は、多段容器群7をケース本体8内に出し入れする際に格納空間9(図1及び図2参照。以下同じ。)の気圧調整を行うための空気の流路となるものであり、ケース本体8から開閉蓋11が取り外された状態のときに取出し口10を介してケース本体8の外と連通される。
この間隙13によれば、例えば、多段容器群7がケース本体8内から抜き取られる場合、当該間隙13が通気路となってケース本体8内へ空気が流入させることができるので、多段容器群7の抜き取りに伴って格納空間9が急激に負圧化することを抑制でき、結果、多段容器群7の取り出しにより生じる抵抗力が軽減されて、多段容器群7が抜き取りやすくなる。
また一方で、多段容器群7がケース本体8内へ押込まれる場合には、当該間隙13が通気路となってケース本体8内から空気を排出させることができるので、多段容器群7の押し込みに伴って格納空間9内が急激に正圧化することを抑制でき、結果、多段容器群7の押し込みにより生じる抵抗力が軽減されて、多段容器群7が嵌め込みやすくなる。
図6は、外部ケース3の背面図である。図6に示すように、ケース本体8の背面部の壁板8aには、最下段の食品容器2(C)の容器本体4の周壁板4aと対向する箇所に、格納空間9にまで貫通した円形状の貫通孔14が穿設されている。
また、この貫通孔14は、その内径が指の太さより大きく形成されており、この貫通孔14からケース本体8内へ指を挿入可能となっている。このため、貫通孔14内へ指を挿入することで、ケース本体8内に格納されている最下段の食品容器2(C)を取出し口10側へ押し出すことができる。
しかも、この貫通孔14は、上記した通気路となる間隙13と同様に、ケース本体8内から多段容器群7を抜き取る場合にケース本体8内へ空気が流入する通気路にもなり、かつ、ケース本体8内へ多段容器群7を押込む場合にケース本体8内から空気を排出する通気路にもなるので、多段容器群7の出し入れに伴って格納空間9内で生じる内圧変化による抵抗力を軽減することもできる。
図7は、ランチボックスセット1の内部を透視した斜視図である。図7に示すように、外部ケース3の格納空間9内には、そこに最下段の食品容器2(C)のみを格納した場合、この食品容器2(C)の密閉蓋6と外部ケース3のケース本体8の天井面(上面部の壁板8dの内面)との間に予備空間15が形成される。
予備空間15は、市販食品などの食品容器2に収納不能なサイズの大型食品70を格納するための空間であり、かかる予備空間15に大型食品70が格納されることによって、大型食品70を、損傷させることなく、最下段の食品容器2(C)と一緒に収まり良くカバンに入れて携行できる。
ここで、市販食品とは、市販サイズとしての標準的なサイズが一定範囲に定まっている食品である。予備空間15には、主食物にできる大型食品70に属する市販食品、例えば、三角サンドイッチ、おにぎり、ホットドック、ハンバーガーなどを格納できる。なお、市販食品は外部ケース3内の汚損を防止する観点から言えば、包装済みのものであることが好ましい。
本実施例の予備空間15は、大型食品70に属する市販食品の中でも、特に、三角サンドイッチ、おにぎり、ホットドック、ハンバーガーなどの市販食品を格納するのに適した容積を有している。このため、予備空間15の高さ及び横幅(格納空間9の横幅)は、これらの市販食品のサイズに基づいて設定されている。
また、この予備空間15は、格納空間9から最上段及び中段の食品容器2(A),2(B)を取り外すことで格納空間9の一部にできる空間であり、この予備空間15の容積や高さ(天井高)は、最上段及び中段の食品容器2(A),2(B)を上中2段分積重したものの容積や高さに相応したものとなる。このため、最上段及び中段の食品容器2(A),2(B)の高さ及び横幅についても、市販食品のサイズに基づいて設定されることとなる。
ここで、市販食品の市販サイズは、その食品の属する製造販売部門において一般的又は標準的に採用されているサイズ範囲である。例えば、一般的に市販されている三角おにぎりのサイズは、一辺が10〜11cm程度の正三角形であり、その高さが(包装を含まず。)が概ね8〜10程度とされている。
また、例えば、一般的に市販されているサイズの三角サンドイッチは、一辺が10〜11cm程度の正方形を対角線に沿って2分割した直角二等辺三角形のパンを用いたものであり、その短い辺を底辺とするときの高さ(包装を含まず。)が概ね10〜11cmとされ、その長い辺を底辺とするときの高さ(包装を含まず。)が概ね7〜9cmとされている。
よって、このような市販の三角サンドイッチ若しくは三角おにぎり又はこれらの双方を予備空間15に格納する場合、これらの三角サンドイッチや三角おにぎりの市販サイズ及びこれらの包装体についても考慮して、予備空間15の高さは12〜13cm程度とすることが好適である。
このようにして設けられた予備空間15によれば、そこに格納される市販食品が比較的サイズの大きくて嵩張り、潰れやすい食品である場合であっても、外部ケース3が不撓性のある合成樹脂材料で形成されるため、ランチボックスセット1をカバンの中に入れて持ち運ぶ際に市販食品が押し潰される等して損傷することを防止できる。
しかも、このように予備空間15内に市販食品を格納した場合に、最下段に格納される食品容器2(C)は、当該市販食品を載置する台座としての役割を担うが、このとき他の2つの食品容器2がなくても、上記した2つのガイドリブ12によって食品容器2が外部ケース3内で上下動してガタつくことが防止されるので、このガタつきにより予備空間15にある市販食品が押し潰されて損傷することを更に防止できる。
次に、図8から図10参照して、上記実施例の変形例について説明する。
図8は、第2実施例のランチボックスセット(食品携行容器セット)の外部ケース21の分解斜視図である。第2実施例の外部ケース21は、第1実施例の外部ケース3に対し、ケース本体及び開閉蓋の外形を変更したものである。以下、第1実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
図8に示すように、第2実施例のランチボックスセットの外部ケース21は、多段容器群7を格納する直方体状の中空箱状体に形成されている。この外部ケース21はケース本体22を備えており、このケース本体22内には、多段容器群7を格納する格納空間23が設けられている。また、ケース本体22には、格納空間23から多段容器群7を取り出すため、そのケース本体22の壁面の一部に取出し口24が開口形成されている。
ケース本体22は、その左右の壁板22b,22cに、上記した係合穴8f、切欠部8g及びガイド溝8hが、それぞれ形成されている。また、ケース体22は、その格納空間23内に上記したガイドリブ12が、その背面部の壁板22aに上記した貫通孔14が、それぞれ形成されている。
また、ケース本体22は、多段容器群7を格納空間23に格納した状態で各食品容器2の容器本体4を取り囲むように間隙13が形成され、かつ、最下段の食品容器2(C)のみを格納空間23に格納した状態で大型食品70を格納できる予備空間15が形成されるようになっている。
開閉蓋25は、ケース本体22の取出し口24を閉塞するものであり、外部ケース21の正面部の壁板として兼用されるものである。この開閉蓋25は、外部ケース21の正面部の壁板となる平板状の部位が、ケース本体22の背面部、左側面部、右側面部、上面部及び下面部の壁板22a〜22eと同じ厚さを有しており、その横幅方向両側に段差部11a、係止片11b及び係合突起11cが形成されている。
図9は、第3実施例のランチボックスセット(食品携行容器セット)の外部ケース31の分解斜視図である。第3実施例の外部ケース31は、第1実施例の外部ケース3に対し、主として、開閉蓋のケース本体に対する着脱構造を変更したものである。以下、第1実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
図9に示すように、第3実施例のランチボックスセットの外部ケース31は、多段容器群7を格納する平面視オーバル状の中空箱状体に形成された外部ケース31を備えている。この外部ケース31はケース本体32を備えており、このケース本体32内には、多段容器群7を被包する格納空間33が設けられている。また、ケース本体32には、格納空間33から多段容器群7を取り出すため。そのケース本体32の壁面の一部に取出し口34が開口形成されている。
ケース本体32は、その格納空間33内に上記したガイドリブ12が、その背面部の壁板32aに上記した貫通孔14が、それぞれ形成されている。また、ケース本体32は、多段容器群7を格納空間33に格納した状態で各食品容器2の容器本体4を取り囲むように間隙13が形成され、かつ、最下段の食品容器2(C)のみを格納空間33に格納した状態で大型食品70を格納できる予備空間15が形成されるようになっている。
開閉蓋35は、ケース本体32の取出し口34を閉塞するものであり、半円柱曲面状に湾曲形成された外部ケース31の正面部の壁板と兼用されている。また、開閉蓋35は、ケース本体32の背面部、左側面部、右側面部、上面部及び下面部の壁板32a〜32eと同じ厚さを有している。
この開閉蓋35は、ケース本体32の正面部に上下方向へスライド可能に装着され、かつ、上方へ向けてスライドさせることでケース本体32から取り外し可能にも形成されている。この開閉蓋35のケース本体32に対する着脱構造には、以下に説明するケース本体32のスライド溝32fと、開閉蓋35のスライド爪35aとが用いられている。
スライド溝32f,32fは、ケース本体32の左右の壁板32b,32cのそれぞれの外面であって、当該壁板32b、32cの奥行方向正面部側の縁端に、ケース本体32の上端から下端直前まで連続して凹設されている。一方、開閉蓋35には、これらのスライド溝32fに係合可能に形成されるスライド爪35a,35aが形成されている。
スライド爪35a,35aは、開閉蓋35の横幅方向両端部からそれぞれ平面視L字状に延設されており、いずれも開閉蓋35の上端から下端まで連続形成されている。開閉蓋35によれば、これらのスライド爪35a,35aをケース本体32のスライド溝32f,32fにそれぞれ係合することによって、ケース本体32の上下方向に案内誘導されながらスライドされる。
なお、上記したスライド溝及びスライド爪を用いた開閉蓋のケース本体に対する着脱構造は、第2実施例に示した直方体状のランチボックスセットの外部ケースに適用しても良い。
図10は、第4実施例のランチボックスセット40の外部ケース41の横断面図であって、ケース本体8から開閉蓋11を取り外した状態を示した図であり、図中の矢印は、一対の係止片11b,11bが弾性変形可能な方向を示したものである。図11は、ランチボックスセット40の左側面図であって、外部ケース41のケース本体8から開閉蓋11を取り外した状態を示した図であり、図12は、図11に示したランチボックスセット40の縦断面図であって、各食品容器2について部分的に断面視したものである。
第4実施例のランチボックス40は、第1実施例のランチボックスセット1に対し、外部ケースのガイドリブにおける各直線部分の長さを変更したものである。以下、第1実施例と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
図10に示すように、第4実施例のランチボックスセット40によれば、外部ケース41は、格納空間9内にガイドリブ42を備えている。このガイドリブ42は、格納空間9の正面側部分を除き、多段容器群7の挿入方向(図11及び図12の左右方向)へ向けて、格納空間9の奥行方向に水平直線状に連続して延設されている。
特に、このガイドリブ42の直線部分42b,42bは、当該ガイドリブ42の湾曲部分42aの湾曲方向両端部からケース本体8の取出し口10側まで連設されており、取出し口10近傍のごく一部を除けば、ケース本体8の左右の壁板8b,8cの奥行方向に全体的に連続して設けられている。
この直線部分42b,42bは、第1実施例の直線部分12b,12bに比べて格納空間9の奥行方向に長く形成されており、多段容器群7の最下段にある食品容器2(C)の密閉蓋6の横幅方向両側にある縁辺部に全体的に覆い被さるように設けられている。換言すれば、ガイドリブ42は、格納空間9の正面側部分を除けば、最下段にある食品容器2(C)の密閉蓋6の周縁部分に全体的に覆い被さるようにされている。
この第4実施例のランチボックスセット40によれば、第1実施例のランチボックスセット1の奏する効果に加え、ガイドリブ42の直線部分42b,42bが第1実施例の直線部分12b,12bに比べて延長されているので、最下段の食品容器2(C)の格納時とその出し入れ時との双方の場合に、最下段の食品容器2(C)の上下方向のガタつきと、中段の食品容器2Bの容器本体4の横幅方向のガタつきとを更に確実に規制できる。
また、このように直線部分が42b,42bが延長されたガイドリブ42によれば、最下段にある食品容器2(C)を格納空間9に出し入れするため、当該食品容器2(C)を挿入方向及び反挿入方向へ移動させる場合に、当該食品容器2(C)を格納空間9の奥行方向に全体的に案内誘導でき、よりスムーズに多段容器群7を格納空間9内に対して出し入れできる。
以上、実施例に基づき本考案を説明したが、本考案は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本考案の趣旨を逸脱しない範囲内で材質、形状などについての種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記本実施例では、多段容器群7に係る複数の食品容器2の数を3個として、多段容器群7を上下3段に積重されるものとしたが、かかる多段容器群7の段数は必ずしもこれに限定されるものではなく、2段でも4段以上であっても良い。仮に、多段容器群が2個の食品容器を上下2段積重したものである場合には、予備空間は、上段側の食品容器を格納空間内から取り去ることで下段側の食品容器の上方に設けられる空間となる。