JP3157804B2 - 電気感応作動媒体およびその使用方法 - Google Patents

電気感応作動媒体およびその使用方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は難燃性乃至不燃性である均
一系の電気感応作動媒体およびその使用方法に関する。
さらに詳しくは本発明は、高圧直流電圧を印加すること
により移動流を形成する均一系の電気感応作動媒体(電
界共役流体(Electro-Conjugate Fluid = ECF))であっ
て、高圧直流電圧を印加時の生ずることがあるスパーク
等によっても引火することがなく、安全に効率よく使用
することができる均一系電気感応作動媒体およびこの均
一系電気感応作動媒体を使用する方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】本発明者は、特定の絶縁性液体に
電圧を印加することにより、印加電圧に対応した絶縁性
液体の移動流を形成することができること(ECF効果)を
見出し、こうした特定の絶縁性液体の有する特異的効果
を利用して既に多くの出願をしている。この電気感応作
動媒体およびその用途などについては、例えば、特願平
8−76259号、同8−16872号、同9−255
557号、同8−241679号、同8−248417
号、同8−16871号、同9−290826号、実願
平9−2201号等の明細書に記載されている。
【0003】ところで、こうした電気感応作動媒体の移
動流を安定に形成しようとすると、電気感応作動媒体に
1KV程度あるいはそれ以上の高圧直流電圧を印加する必
要がある。この電気感応作動媒体は、小型化することに
よりエネルギー密度が高くなり、供給する電気エネルギ
ーを運動エネルギーに変換する際の変換効率が高くなる
との特性を有している。そして、本発明者は、こうした
特性を利用して、既に直径3mm程度の超小型ECFモー
ターを製造し、この超小型ECFモーターを高速で回転
させることに成功している。
【0004】ところが、このように電気感応作動媒体を
用いた装置が小型化するに従って、電極間距離も狭くな
り、例えば上記超小型ECFモーターに配置されている
電極のうち最も狭い部分の電極間距離は1mmにも満たな
いことがある。このように電極を近接して設けたとして
も、装置全体が電気感応作動媒体で完全に満たされてい
れば、この電気感応作動媒体は実質的に絶縁性であるこ
とから、なんら問題なく駆動する。しかしながら、装置
が小型化するに従って、装置内の空気を電気感応作動媒
体で完全に置換することができないことがある。また、
こうした装置では、電気感応作動媒体が蒸散しないよう
に、非常に高い機密性を有しているが、例えばECFモ
ータにおいては、筐体に対してロータが回転することか
ら、この回転軸と筐体と間から電気感応作動媒体が極微
量蒸散する可能性がある。こうした装置の製造時あるい
は装置の使用過程において、装置内には微量ではあるが
空気(気泡)が形成されることがある。こうして微少な
気泡が形成された装置に例えば1KVを超すような高電圧
の直流電圧を印加すると、印加時にこの気泡部分でスパ
ークが生ずることがあり、電気感応作動媒体が可燃性で
ある場合には、このスパークによって電気感応作動媒体
が燃焼することがあることがわかった。さらに、上記の
ように電気感応作動媒体の燃焼には至らないまでも、発
生することがあるスパークによって、電気感応作動媒体
に部分的な酸化が生じ、長期的にみるとこうしたスパー
クによる電気感応作動媒体の特性の変化が懸念される。
【0005】本発明者は、これまで電気感応作動媒体に
ついて、主としてその駆動機構、エネルギー変換効率な
どについて検討し、電気感応作動媒体として使用可能な
液体は特性の導電率と粘度との関係を見出して既にこの
電気感応作動媒体として使用可能な液体について出願し
ている。このように液体の導電率および粘度が特定の関
係を有する液体に直流電圧を印加して非一様電界を形成
すると、電極間に移動流が形成され、この移動流を例え
ば羽根車で受ければ電気エネルギーを運動エネルギーで
ある回転力として取り出すことができる。しかも、この
電気感応作動媒体を用いた装置は小型化することによ
り、より効率的に駆動する。
【0006】しかしながら、装置が小型化することによ
り電極間距離も短くなり、こうして小型の装置内に微少
であっても気泡が存在すると、電圧を印加したときにス
パークが発生しやすくなる。
【0007】従って、電気感応作動媒体を長期間に亘っ
て使用する場合には、電圧を印加する際に発生すること
があるスパークによって燃焼あるいは劣化しない電気感
応作動媒体を使用することが望ましい。
【0008】本発明者は、電圧を印加することにより移
動流を形成するという電気感応作動媒体の基本的特性か
らさらに一歩進んで、電気感応作動媒体に電圧を印加し
て電気感応作動媒体を用いた装置を長期間に亘り安定に
駆動させるためには、電圧印加時に生ずることもあるス
パークによっても電気感応作動媒体が安定であることが
必要であるとの知見を得て本発明を完成するに至った。
【0009】なお、特開平6−57274号公報および
同6−73390号公報には、シリコーン油のような絶
縁性液体に特定のフッ素化合物を配合して懸濁させた電
気感応性組成物の発明が開示されている。これらの公報
に開示されているフッ素化合物は、常温で固体であり、
シリコーン油等の絶縁性液体に対しては不溶または難溶
である。従って、これらの公報に開示されている電気感
応性組成物は、絶縁性液体に固体状のフッ素化合物が微
分散した不均一系である。こうした不均一系の電気感応
性組成物に電圧を印加すると、微分散しているフッ素化
合物が例えば鎖状に連接して、この電気感応性組成物の
流体特性が変動するのである。しかしながら、このよう
な不均一系の電気感応性組成物は、微分散しているフッ
素化合物が経時的に沈降しやすく、長期間に亘って液を
安定に保つことが難しい。また、シリコーン油のような
絶縁性液体は、引火点を有し、従って、スパークが生じ
た場合に、このシリコーン油等の基油に引火することが
あると共に、スパークの発生頻度が高い場合には、基油
自体が劣化するという問題がある。
【0010】
【発明の目的】本発明は、直流電圧を印加することによ
り流動する電気感応作動媒体およびその使用方法を提供
することを目的としている。
【0011】さらに詳しくは本発明は、直流電圧を印加
することによってこの電気エネルギーが媒体の流動を引
き起こし、さらに、この媒体の流動を、例えば回転エネ
ルギーのような機械エネルギーとして取り出しことがで
きる電気感応作動媒体およびその使用方法を提供するこ
とを目的としている。
【0012】そして、このような直流高圧電圧を印加す
る際にスパークしたとしても、引火することがなく長期
間に亘って、安定に装置を駆動させ続けることができる
電気感応作動媒体およびこのような安定な電気感応作動
媒体を用いる方法を提供することを目的としている。
【0013】
【発明の概要】本発明は、少なくとも3個のフッ素原子
を分子内に有する少なくとも1種類の液体状有機化合物
を含む均一系電気感応作動媒体であり、該均一系電気感
応作動媒体について作動環境温度下における導電率が4
×10-10〜5×10-6S/mの範囲内にあり、かつ作動環
境温度下における該均一系電気感応作動媒体の表面張力
が22dyn/cm以下である電気感応作動媒体にある。
【0014】また本発明は、少なくとも3個のフッ素原
子を分子内に有する少なくとも1種類の液体状有機化合
物を含む均一系電気感応作動媒体であり、該均一系電気
感応作動媒体について作動環境温度下における導電率が
4×10-10〜5×10-6S/mの範囲内にあり、かつ作動
環境温度下における該均一系電気感応作動媒体の表面張
力が22dyn/cm以下であり、さらに該均一系電気感応作
動媒体が実質的に引火点を有していない難燃性乃至不燃
性の電気感応作動媒体にある。
【0015】本発明の電気感応作動媒体の使用方法は、
少なくとも3個のフッ素原子を分子内に有する少なくと
も1種類の液体状有機化合物を含む均一系電気感応作動
媒体であり、該均一系電気感応作動媒体について作動環
境温度下における導電率が4×10-10〜5×10-6S/m
の範囲内にあり、かつ作動環境温度下における該均一系
電気感応作動媒体の表面張力が22dyn/cm以下である均
一系電気感応作動媒体中に、少なくとも一対の電極が配
置して、該一対の電極間に100V〜20KVの電圧を印
加して該均一系電気感応作動媒体を一方の電極から他方
の電極方向に移動させることを特徴としている。
【0016】また、本発明の電気感応作動媒体の使用方
法は、少なくとも3個のフッ素原子を分子内に有する少
なくとも1種類の液体状有機化合物を含む均一系電気感
応作動媒体であり、該均一系電気感応作動媒体について
作動環境温度下における導電率が4×10-10〜5×1
-6S/mの範囲内にあり、かつ作動環境温度下における
該均一系電気感応作動媒体の表面張力が22dyn/cm以下
である均一系電気感応作動媒体を、少なくとも一対の電
極が配置された筐体に充填し、該一対の電極間に100
V〜20KVの電圧を印加して該均一系電気感応作動媒体
の移動流を形成し、該移動流により該筐体に回動自在に
配置されたロータを回転させることを特徴としている
(例えば、SE型ECFモータとしての使用方法)。
【0017】さらに、本発明の電気感応作動媒体の使用
方法は、少なくとも3個のフッ素原子を分子内に有する
少なくとも1種類の液体状有機化合物を含む均一系電気
感応作動媒体であり、該均一系電気感応作動媒体につい
て作動環境温度下における導電率が4×10-10〜5×
10-6S/mの範囲内にあり、かつ作動環境温度下におけ
る該均一系電気感応作動媒体の表面張力が22dyn/cm以
下である均一系電気感応作動媒体を、筐体に充填し、該
筐体に回動自在に配置されたロータに少なくとも一対の
電極を敷設し、該電極間に間に100V〜20KVの電圧
を印加して該均一系電気感応作動媒体の移動流を形成
し、該移動流の反作用により該ロータを回転させること
を特徴としている(例えば、RE型ECFモータとして
の使用方法)。
【0018】またさらに本発明の電気感応作動媒体の使
用方法は、少なくとも3個のフッ素原子を分子内に有す
る少なくとも1種類の液体状有機化合物を含む均一系電
気感応作動媒体であり、該均一系電気感応作動媒体につ
いて作動環境温度下における導電率が4×10-10〜5
×10-6S/mの範囲内にあり、かつ作動環境温度下にお
ける該均一系電気感応作動媒体の表面張力が22dyn/cm
以下である均一系電気感応作動媒体を、少なくとも一対
の電極を有する容器内に充填すると共に、洗浄対象物を
配置して、該一対の電極間に100V〜20KVの電圧を
印加して該均一系電気感応作動媒体の移動流を形成さ
せ、該均一系電気感応作動媒体の移動流を該洗浄対象物
に接触させて該洗浄対象物を洗浄することを特徴として
いる(例えば、洗浄装置としての使用方法)。
【0019】さらに、本発明の電気感応作動媒体の使用
方法は、少なくとも3個のフッ素原子を分子内に有する
少なくとも1種類の液体状有機化合物を含む均一系電気
感応作動媒体であり、該均一系電気感応作動媒体につい
て作動環境温度下における導電率が4×10-10〜5×
10-6S/mの範囲内にあり、かつ作動環境温度下におけ
る該均一系電気感応作動媒体の表面張力が22dyn/cm以
下である均一系電気感応作動媒体を、少なくとも一対の
電極を有する容器内に充填し、該一対の電極間に100
V〜20KVの電圧を印加して該均一系電気感応作動媒体
の移動流を形成させ、該均一系電気感応作動媒体を所定
の位置に移動させることを特徴としている(例えば、ポ
ンプとしての使用方法)。
【0020】上記記均一系電気感応作動媒体は、実質的
に引火点を有していない難燃性乃至不燃性の電気感応作
動媒体であることが好ましい。
【0021】本発明の電気感応作動媒体は、1分子中に
少なくとも3個のフッ素原子を有する液体状有機化合物
を含有するものであり、この電気感応作動媒体は実質的
に引火点を有しない難燃性乃至不燃性液体である。この
均一系電気感応作動媒体について作動環境温度下におけ
る導電率は4×10-10〜5×10-6S/mの範囲内にあ
り、この媒体は実質的に絶縁性液体である。そして、こ
のように1分子内に少なくとも3個のフッ素原子を有す
る液体状有機化合物を含有する均一系電気感応作動媒体
の作動環境下について表面張力が22dyn/cm以下であ
る。そして、電圧を印加しときの電気感応作動媒体に
よって形成される移動流は、この表面張力が低いほど良
好に形成されることが判明した。そこで、種々の液体に
ついてこの表面張力を測定してみたところ、通常の炭化
水素系化合物は22dyn/cmを遙かに超えるものが多い。
そして、電気感応作動媒体として特性と表面張力との関
係から見ると、表面張力22dyn/cm以下の表面張力を有
する液体に電圧を印加したときに、非常に良好に移動流
が形成されることが判明した。そして、一般に、1分子
内において、炭素に結合している水素原子をハロゲン原
子で置換した化学構造とすると、表面張力は低下する。
この効果は電気陰性度の大きなハロゲン原子ほど大き
く、フッ素原子の場合に最大となる。このようにフッ素
原子で炭素に結合していた水素原子を少なくとも3個以
上置換した有機液体は低表面張力値を有する。また、表
張力が22dyn/cm以下を示すほど低表面張力値を有す
る液体が含フッ素化合物である場合には、この化合物は
実質的に引火点を示さず、難燃性乃至不燃性となり、電
気感応作動媒体として非常に好適な特性および物性を有
するようになる。
【0022】
【発明の具体的説明】次に本発明の難燃性乃至不燃性の
電気感応作動媒体およびその使用方法について具体的に
説明する。
【0023】本発明の電気感応作動媒体は、実質的に粒
子等を含まない均一系の液体であり、この電気感応作動
媒体を構成する液体状有機化合物は、1分子内に少なく
とも3個、好ましくは6〜30個のフッ素原子を有する
有機化合物である。また、本発明の電気感応作動媒体は
使用する状態において単独で液体である。本発明の電気
感応作動媒体である液状有機化合物は、1分子中に少な
くとも3個、好ましくは少なくとも6個のフッ素原子を
有している。そして、通常は、1分子中に存在するフッ
素原子で置換可能な水素原子の個数の30〜100%、
好ましくは35〜100%がハロゲン原子、特にフッ素
原子で置換された構造を有している。このように水素原
をフッ素原子で置換することにより、本発明の電気感
応作動媒体を難燃性乃至不燃性にすることができる。殊
に、置換可能な水素原子の60%以上をフッ素原子で置
換した構造の化合物は不燃性になる。さらに、このよう
にフッ素原子の数を3個以上有する有機化合物の表面張
力は低くなる。即ち、本発明の電気感応作動媒体の表面
張力は、その使用温度において22dyn/cm以下であるこ
とが必要であり、さらに、この表面張力が10〜20dy
n/cmの範囲内にあることが好ましい。また、ここでの表
面張力は、該電気感応作動媒体が使用される駆動温度と
同じ温度で測定された値である。また、本発明ではこの
表面張力は、JIS-3362に記載されている方法により測定
した値を示しているが、市販の他の表面張力測定器を用
いて測定することもできることは勿論である。このよう
な化合物の表面張力は、1分子中に含まれるフッ素原子
の数(水素原子がフッ素原子によって置換されている割
合)によってある程度制御することが可能であり、本発
明の電気感応作動媒体のようにフッ素原子を3個以上有
する化合物は、対応するフッ素原子を有しない化合物よ
りも低い表面張力を示す。
【0024】このようにフッ素原子を有することによ
り、本発明の電気感応作動媒体は、難燃性乃至不燃性に
なり、本発明の電気感応作動媒体は、実質的に引火点を
有していない。
【0025】さらに、このようにフッ素原子を有するこ
とにより、難燃性乃至不燃性になると共に、化合物の安
定性が高くなり、例えばスパーク等によってこの有機化
合物が燃焼分解することがなくなる。
【0026】本発明の電気感応作動媒体は、実質的に均
一な絶縁性物質であり、電場強度2KV/mmでの導電率σ
は、4×10-10〜5×10-6S/mの範囲内にあることが
必要であり、さらに、この導電率σが、5×10-10
2.5×10-6S/mの範囲内にあることが好ましい。ま
た、この導電率は、該電気感応作動媒体が使用される駆
動温度(作動環境)と同一温度で測定された値である。
【0027】本発明の電気感応作動媒体は、有機液体状
化合物の中では比較的低い表面張力を示す。後述の比較
例に使用しているジブチルアジペートは、SE型ECF
モータを回転駆動させることはできるが、表面張力が3
3dyn/cmと本発明の電気感応作動媒体と比較して高く、
モータ筐体への媒体を充填するときあるいは駆動中に小
さな気泡が発生することがある。こうしたECFモータ
の駆動には比較的高電圧を用いるため、媒体中への気泡
の混入により一時的に電極間に気泡が連なりスパークが
発生することがある、スパークにより一時的に電極間に
大電流が流れると電源装置屋制御装置へ悪影響を与え、
故障の原因となるばかりか駆動能力も不安定になる。ま
た、スパークにより、媒体の劣化が起こるばかりか、媒
体が可燃性の場合にはスパークにより引火して炎上する
こともあり、大変危険である。
【0028】実験の結果、駆動中の気泡発生によるスパ
ーク発生頻度は、媒体の表面張力が22dyn/cm以下にし
たときには少なく、殊に30dyn/cm以上の媒体では多い
ことがわかった。気泡発生の主要因が、媒体と筐体壁と
の接触面や駆動中に巻き込まれる空気であると考える
と、表面張力が高いと、発生した気泡は媒体中では安定
化すると推察している。
【0029】上記説明は、媒体の有する高い表面張力
が、媒体が駆動する際に発生する気泡を安定化し気泡を
安定に媒体中に包含させれしまうことが、気泡発生およ
びスパーク発生に頻度を高くする要因と考えに基づくも
のであり、これは本発明の理解を助けるために現時点で
考えられる最も合理的な推論であって、本発明がこの推
論によって限定的に解釈されるべきではないことは勿論
である。
【0030】本発明の電気感応作動媒体は、上記のよう
に少なくとも3個のフッ素原子を有する液状の有機化合
物単体から形成されていてもよいし、また、複数の化合
物の均一な混合物であってもよい。本発明の電気感応作
動媒体が混合物である場合において、上記表面張力およ
び導電率は、その混合物の表面張力および導電率であ
り、また、その混合物全体として実質的に引火点を有し
ておらず、不燃性乃至難燃性であることが必要である。
【0031】本発明の電気感応作動媒体を用いることに
より、装置が小型化して電極間距離が小さくなり、微量
の空気の存在によってスパークが生じたとしても、電気
感応作動媒体は燃焼することがなく、また、スパークに
よる分解も生じにくい。
【0032】また、本発明の電気感応作動媒体は、上述
のように液状の有機化合物を有する均一系であって、不
溶性成分が分散、浮遊していることがないので、沈殿あ
るいは分離等が生ずることがなく、長期間に亘って安定
している。
【0033】このような特性を有する電気感応作動媒体
を形成する含フッ素液状有機化合物の例としては、 (1) エチルパーフルオロブチルエーテル(C4F9-O-C2H5) [導電率=1.0×10-9S/m,表面張力=14 dyn/cm] (2) エチルパーフルオロイソブチルエーテル(iso-C4F9-O-C2H5) [導電率=1.0×10-9S/m,表面張力=14 dyn/cm] (3) メチルパーフルオロブチルエーテル(C4F9-O-CH3) [導電率=1.1×10-9S/m,表面張力=14 dyn/cm] (4) メチルパーフルオロイソブチルエーテル(C4F9-O-C2H5) [導電率=1.1×10-9S/m,表面張力=14 dyn/cm] (5) C9F18 (CF3-CF=CF2の3量体であり、下記化合物の混合物) (CF3)2CFCF=C(CF3)CF(CF3)2 …52重量% (CF3)2CFCF2-C(CF3)=C(CF3)2 …48重量% [導電率=3.5×10-9S/m,表面張力=16 dyn/cm] (6) C6F12 (CF3-CF=CF2の2量体であり、下記化合物の混合物) (CF3)2CFCF=CFCF3 …93重量% (CF3)2C=CFCF2CF3 …7重量% [導電率=6.0×10-10 S/m,表面張力=13 dyn/cm] (7) ベンゾトリフルオライド(CF3-C6H5) [導電率=5.0×10-8S/m,表面張力=21 dyn/cm] (8) p-クロロベンゾトリフルオライド(p-Cl-C6H4-CF3) [導電率=2.0×10-8S/m,表面張力=19 dyn/cm] (9) フッ素系熱媒体;商品名:ガルデンHT−200、アウジモント(株)製 [導電率=5.2×10-10 S/m,表面張力=12 dyn/cm] (10)エチルパーフルオロブチルエーテル50重量%と フッ素系不活性液体50重量%との混合物(25℃) [導電率=7.8×10-10 S/m,表面張力=14 dyn/cm,(25℃)] エチルパーフルオロブチルエーテル(C4F9-O-C2H5) [導電率=1.0×10-9S/m,表面張力=14 dyn/cm,(25℃)] フッ素系不活性液体(商品名:フロリナートFC-43,住友3M(株)製) [導電率=7.0×10-13 S/m,表面張力=12 dyn/cm,(25℃)] (11)フッ素系不活性液体(商品名:フロリナートFC-43,住友3M(株)製)(80℃) [導電率=4.2×10-10 S/m,表面張力=10.5 dyn/cm,(80℃)] を挙げることができる。これらの含フッ素有機化合物
は、少なくとも使用温度においてすべて液状である。
【0034】本発明の電気感応作動媒体は、導電率およ
び表面張力が本発明で規定する範囲にある液状の含フッ
素有機化合物を単独で使用することもできるし、また
フッ素化合物を2種類以上混合して、得られた混合物
の導電率および表面張力を本発明で規定する範囲に調整
した液状の含フッ素有機化合物の混合物を使用すること
もできる。また、これらの含フッ素化合物は、多くの場
合相互に良好な相溶性を示し、上記複数の含フッ素化合
物を混合しても、均一な混合物となる。
【0035】さらに、上記のような含フッ素化合物は、
例えばJIS-3362に規定されているような一般的な引火点
測定法によって引火点を測定しようとしても、引火点を
示さない。従って、こうした含フッ素有機化合物は、少
なくとも難燃性であり、ほとんどの化合物あるいは混合
物は不燃性であり、燃焼することはない。また、こうし
た含フッ素有機化合物あるいは混合物は、化学的に非常
に安定であり、スパーク等の環境の急激な変化に対して
も分解することはほとんどない。
【0036】さらに、本発明の電気感応作動媒体に電圧
を印加して、この媒体の移動流を効率よく形成するため
には、この電気感応作動媒体の粘度は低いことが好まし
く、通常は、この電気感応作動媒体の使用温度における
粘度が1×100Pa・s以下であり、さらに粘度ηが=1
×10-4Pa・s〜1×100Pa・sの範囲にあることが好ま
しく、2×10-4Pa・s〜8×10-1Pa・sの範囲内にあ
る電気感応作動媒体が特に好ましい。
【0037】なお、本発明の均一系電気感応作動媒体
は、本質的には上記のような含フッ素系有機化合物から
なるが、本発明の均一系電気感応作動媒体の特性を損な
わない範囲内において、他の成分を含有していてもよ
い。本発明の均一系電気感応作動媒体に配合することが
できる成分の例としては、粘度調整剤、色材、安定剤、
相溶化剤など、本発明の電気感応作動媒体の特性および
均一性を損なわない成分を挙げることができる。
【0038】このような均一系電気感応作動媒体に、少
なくとも1対の電極を配置して、電圧を印加することに
より、この電気感応作動媒体の移動流が形成される。即
ち、この均一系電気感応作動媒体を用いることにより、
電気エネルギーを電気感応作動媒体の移動流という運動
エネルギーに変換することができる。さらに、この電気
感応作動媒体の移動流によって、ローターを回転させれ
ば、電気エネルギーを回転力として利用することができ
る。
【0039】本発明の均一系電気感応作動媒体を用いた
モータについて説明する。
【0040】本発明の均一系電気感応作動媒体を用いた
モータには、筐体に電極を配置して、この電極に電圧を
印加することにより電気感応作動媒体の移動流を形成
し、この移動流を、翼ロータの翼体に衝突させて翼ロー
タを回転させるSE型ECFモーター(Stator-electrod
e type electro-conjugate fluid motor)と、電極をロ
ータに配置してこの電極に電圧を印加することにより電
気感応作動媒体の移動流を形成し、この移動流の反作用
によりロータを回転させるRE型ECFモータ(Rotor-e
lectrode type electro-conjugate fluid motor)と、こ
れらの複合型モータとがある。
【0041】このSE型ECFモータは、図1および図
2に示すように、筐体10と、この筐体10に対して回
転軸20によって回動可能に軸止されたロータ30と、
筐体10の内周壁面に充填された均一系電気感応作動媒
体50に電圧を印加するための少なくとも一対の電極4
0を有する。そして、筐体10内には均一系電気感応作
動媒体55が充填されている。
【0042】筐体10は、均一系電気感応作動媒体50
を収容する有底円筒状の媒体収容部11と、この媒体収
容部11の上部開放部を封鎖するための上部蓋体12と
を有している。媒体収容部11は、側壁を形成する円筒
部材12と底を形成する底部材13とで支持されてい
る。底部材13の中心部には、回転軸20の底端部を回
動自在に軸止する凹状軸受け部14が形成されている。
この凹状軸受け部14には、回転軸20との摩擦を低減
するようにベアリング機構16が設けられていることが
好ましい。また、上部蓋体12は、媒体収容部11の上
部の開放部を封鎖するように設けられている。この上部
蓋体12の中心部には、回転軸20の上部を回転自在に
軸止する上部軸受け部15が形成されている。この上部
軸受け部15には、やはり、ベアリング機構16が設け
られていることが好ましい。
【0043】この筐体10内には、ロータ30が配置さ
れている。このロータ30は回転軸20によって筐体1
0に対して回転するように配置されている。ロータ30
は、筐体10内に充填されている均一系電気感応作動媒
体50に生ずる移動流によって回転する。
【0044】本発明において、均一系電気感応作動媒体
(好適には含フッ素系有機化合物)と接触する部材は、
この均一系電気感応作動媒体(即ち、含ハロゲン有機化
合物あるいは含フッ素有機化合物)に浸食されない合成
樹脂(例:ポリエチレンおよびポリプロピレンのような
ポリオレフィン、テフロン、ポリカーボネート、アクリ
ル樹脂、その他エンジニアリングプラスチック等)、セ
ラミックス、木材、金属、ガラス等で形成することがで
きる。また、これらをステンレスのような金属等の導電
性物質で形成することもできるが、こうした導電性物質
で形成する場合には、電極間の絶縁性が損なわれないよ
うにする。なお、こうした本発明の均一系電気感応作動
媒体を使用する際に用いられる装置を形成する素材は、
共通して、上記のような均一系電気感応作動媒体に浸食
されない素材で形成される。
【0045】電極40は、筐体10の内周壁面あるいは
ロータ30の電気感応作動媒体接触面に、回転軸20と
ほぼ平行に複数配置されている。この複数の電極40
は、正電極と負電極とからなっている。この配置された
電極の極性は種々に設定することができ、例えば、正電
極と負電極とが交互に位置するように配置することがで
きる。この電極40は、マイクロモータの外部から電気
を供給するために筐体10外部の導線と導通している。
【0046】このSE型ECFモータにおいて、好適に
配置されるベアリング機構16としては、ニードルベア
リング機構、ローターベアリング機構、ボールベアリン
グ機構およびスリープベアリング機構のいずれかを採用
することができる。このベアリング機構16は、軸受け
部が複数存在する場合、同一であっても異なっていても
よい。
【0047】図1および2に模式的に示すSE型ECF
モータは、均一系電気感応作動媒体50を充填する有底
円筒状の媒体収容部11と、この媒体収容部11の上部
蓋体12と、この媒体収容部11の内部の電気感応作動
媒体50が電圧の印加によって移動する際の作動媒体の
動きを翼板31で感知して回転する翼ロータ30とを有
している。ここで有底円筒状の媒体収容部11の底部材
13には、電極40a・・・40hを配置するための電極
挿入穴41が形成されている。また、この上部蓋体12
には、電極挿入穴41から挿入された電極40a・・・4
0hを筐体10の内周壁面に固定するための電極固定穴
42が形成されている。
【0048】上部蓋体12の中心部には翼ロータ30の
回転軸20が嵌装される上部軸受け部15が形成されて
いる。
【0049】翼ロータ30は、回転軸20から放射状に
配置された複数の翼板31を有しており、この翼ロータ
30は、媒体収容部11内の底部材13の中央に設けら
れた凹軸受け14と上部軸受け部15によって回転自在
に軸止された回転軸20によって筐体10に対して回動
自在に軸止されている。この翼板31は、通常は板状で
あるが、板状の他に、電気感応作動媒体の動きを効率的
に利用できるような形態、例えば、流れ方向に湾曲した
形態あるいはラチェット形など種々の形態にすることが
できる。また、このロータを扁平な円盤状にし、その表
面(および/または裏面)に均一系電気感応作動媒体の
移動流を受ける抵抗体を形成することにより、本発明の
SE型ECFモータを扁平にすることができる。
【0050】電極40a・・・40hは、電極挿入穴41
から媒体収容部11内部に導入され、翼ロータ30の回
転を妨げないように媒体収容部11の内壁面に沿って上
方に延伸され、その先端は、電極固定穴42に挿入され
て固定されている。また、この電極40a・・・40h
は、メッキ技術を利用して、媒体収容部11の壁面に形
成することもできる。こうした電極40a・・・40hに
電圧を印加するが、必ずしもすべての電極に電圧を印加
する必要はなく、均一系電気感応作動媒体50の移動流
が形成しやすいように任意の電極に電圧を印加すればよ
い。従って、電極40a・・・40hの内、均一系電気感
応作動媒体50の移動流を形成するために必要な電極
は、少なくとも1対あればよく、他の電極が電圧を印加
されないダミー電極であってもよい。
【0051】本発明では、均一系電気感応作動媒体50
は上記の媒体収容部11にできるだけ空気が残らないよ
うに充填される。
【0052】こうして均一系電気感応作動媒体50を充
填した後、電極に電圧を印加して均一系電気感応作動媒
体50に非一様電界を形成することにより、媒体の移動
流が形成され、この移動流を受けてロータが回転する。
【0053】図3および4は、RE型ECFモータの構
造の例を模式的に示す断面図である。
【0054】RE型ECFモータは、図3および図4に
示すように、電気感応作動媒体50を収容する有底状の
媒体収容部11と、この媒体収容部11の上部解放部に
嵌合して媒体収容部11を密閉する蓋体12とからなる
筐体10を有しており、この蓋体12は、媒体収容部1
1の上部の開口部に嵌合することにより、蓋体12と媒
体収容部11で密閉された筐体10を形成する。
【0055】媒体収容部11の底部の中央部には凹状軸
受け部14が設けられている。この軸受け部14によっ
て回転軸20の下端部が支持される。この凹状軸受け部
14には、外部端子48と電極40a、40c、40
e、40gとを電気的に接続する回転型接点46が形成
されている。回転型接点46は、下部回転軸22と接触
している。回転型接点46中には水銀47が封入されて
おり、この水銀47が下部回転軸22と接触している。
また、凹状軸受け部14には、好適にはベアリング機構
16が形成されており、凹状軸受け部14と下部回転軸
22との摩擦係数を低減できるようにされている。
【0056】上記媒体収容部11の上部は電気感応作動
媒体50を充填するために解放されている。
【0057】上部蓋体12は、上記媒体収容部11に電
気感応作動媒体50を充填した後、解放された媒体収容
部11の上部にはめ込まれることにより密閉された筐体
10を形成する。
【0058】この上部蓋体12は、さらにその中心部に
上部回転軸21が貫通する上部軸受け部15を有してい
る。この上部軸受け部15には上部回転軸22を介して
電極40b、40d、40f、40hへ電気を供給する
回転型接点45が備えられている。上部回転軸21に
は、上部軸受け軸孔15との摩擦係数を低減するために
好適にはベアリング機構16が組み込まれている。この
回転型接点45から導線が導出されて外部端子48を形
成する。これらの回転型接点45にも、導電体として水
銀47が充填されている。
【0059】なお、図3において上記上部蓋体12は媒
体収容部11に嵌合するように形成されているが、筐体
10の密閉性をより高くするために、媒体収容部11と
上部蓋体12とが螺合するようにされていてもよく、ま
た、媒体収容部11と上部蓋体12との間にパッキンな
どを介在させることによりさらに密閉性を高めることも
できる。
【0060】回転軸20は、媒体収容部11内に設けら
れた筒状ロータ30によって上部と下部とに分割されて
おり、上部回転軸21と下部回転軸22とは絶縁部材2
3で電気的に絶縁されている。上部回転軸21は、上記
上部蓋体12に設けられた上部軸受け部15を貫通して
回動自在に軸支され、他方、下部回転軸22の下端部
は、上記の媒体収容部11の底部の中央部に設けられて
いる凹状軸受け部14によって回動自在に支持されてい
る。この上部回転軸21と下部回転軸22との間には、
媒体収容部11内部で回転軸20と共に回転する筒状ロ
ータ30が配置されている。この筒状ロータ30は、回
転軸20を回転の中心軸とした円筒状の形態を有してお
り、媒体収容部11の内周壁面と接触しないように間隙
を形成して配置されている。媒体収容部11の内直径と
この筒状ロータ30の直径との比(媒体収容部11の内
直径/ロータ30の直径)は、通常は1.01以上であ
り、特に1.05〜10.0の範囲内にあることが好まし
い。
【0061】なお、筒状ロータ30は、円筒形に限らず
使用目的により、直方体状や、表面に多数の突起部分を
有するものや、断面が星状のように種々のものを用いる
ことができる。また筒状ロータ30は、中空状にもで
き、中空状とした場合その中空部を真空、空気、気体、
液体または固体等を充填することができ、その重さを種
々調整できる。筒状ロータ30の重さを調整することに
よって、電気感応作動媒体50中での筒状ロータ30の
比重を調整でき、筒状ロータ30の運動性あるいはバラ
ンスを調整することができる。また、この筒状ロータ3
0を扁平な円盤状にし、この円板の上面および下面に電
極を調節することにより、扁平なRE型ECFモータと
することができる。
【0062】上記のような円筒状の筒状ロータ30の表
面には上部回転軸21と接続した電極40a、40c、
40e、40gおよび下部回転軸22と接続した電極4
0b、40d、40f、40hが敷設されている。電極
40a、40c、40e、40gおよび電極40a、4
0c、40e、40gは、筒状ロータ30の円柱表面に
導線を張設することにより形成することができる。電極
40a、40c、40e、40gと電極40a、40
c、40e、40gとの配置位置は適宜設定することが
できる。図3は、筒状ロータ30が配置されたRE型E
CFモータを上方向から見た電極の配置の例が示してあ
る。電極40a、40c、40e、40gと電極40
b、40d、40f、40hとのなす電極間角度θを、
通常は1.0゜〜180゜、好ましくは3.0゜〜90.
0゜に設定してされる。この電極間角度θは、張設する
電極の数によっても変動するので、上記の電極間角度θ
を上記のような値にするために、電極40a・・・40h
は、2〜120本張設することができる。
【0063】なお、図3および4において、電極は、電
極固定穴44から筒状ロータ30表面に延出され、その
先端部は電極固定穴43に挿入されて、筒状ロータ30
表面に張設されている。この電極は、メッキ技術を利用
して形成することもできる。
【0064】上記のような構成を有する筐体10内部に
は、均一系電気感応作動媒体50が充填される。
【0065】図3および4には、筐体10の内部に、管
状部材で形成された筒状ロータ30を備えたRE型EC
Fモータの例が示されている。この筒状ロータ30に
は、例えば金属丸棒などで形成された回転軸20が備え
られている。
【0066】上記のようなRE型ECFモータの電極4
0a、40c、40e、40gと電極40b、40d、
40f、40hとの間に直流電圧を印加できるように直
流電源のプラス端子とマイナス端子をそれぞれ外部端子
48、48とに接続する。この場合、電極40a、40
c、40e、40gおよび電極40b、40d、40
f、40hのいずれか一方を正電極とし他方を負電極と
するのであるが、いずれを正電極にしてもよい。直流電
圧を印加することにより均一系電気感応作動媒体50の
移動流が形成され、この移動流の反作用によって筒状ロ
ータ30が回転を開始する。
【0067】なお、本発明の難燃性乃至不燃性の均一系
電気感応作動媒体を使用する装置は、上記のSE型EC
FモータとRE型モータとの複合型であってもよい。即
ち、筐体の内壁面に少なくとも一対の電極を形成すると
共に、ロータにも少なくとも1対の電極を形成し、筐体
内壁面の電極によって形成される均一性電気感応作動媒
体の移動流をロータで受けながら、ロータに形成された
電極によって形成される移動流によってロータが自転す
るようにしてもよい。なお、この複合型ECFモータの
詳細は実用新案登録第3041928号の登録公報に詳
細に開示されている。
【0068】また、本発明の難燃性乃至不燃性の均一系
電気感応作動媒体に電圧を印加することにより形成され
る移動流を利用して、例えば機械部品あるいは電子部品
などを精密洗浄することができる。
【0069】図7にこの方法を利用することができる洗
浄装置の例を模式的に示す。
【0070】図7に示すように、本発明の難燃性乃至不
燃性の均一系電気感応作動媒体50中に電極71および
電極72を配置し、この電極71,72間に均一系電気
感応作動媒体50の移動流81を形成し、一方の電極7
1の上に載置した洗浄対象物82とこの移動流81とを
接触させることにより洗浄対象物82を洗浄することが
できる。このように電極72から洗浄対象物82が載置
されている電極71方向に選択的に進む均一系電気感応
作動媒体50の移動流81を形成するためには、電極7
2の表面に繊維73を植設した植毛電極を使用すること
が好ましい。即ち、この洗浄装置は、少なくとも一対の
電極71,72を有している。この一対の電極を形成す
る電極72は、均一系電気感応作動媒体50に非一様電
界を形成することができるように、表面に繊維73を植
設した植毛電極を用いることが好ましい。そして、本発
明ではこの植毛電極を形成する繊維73のうち、少なく
ともその一部に導電性繊維を使用することが好ましい。
ここで、導電性繊維は、比抵抗値が、102Ω・cm以下
の繊維である。このような比抵抗値を有する導電性繊維
を電極72の表面に植設することにより、この植設され
た導電性繊維73の先端部と他方の電極71との間の電
位差が非常に大きくなり、電圧印加により、電極72の
繊維の先端から電極71に向かう移動流(ジェット流)
が形成される。しかも、このように植毛電極を用いるこ
とにより、容器60内に充填されている均一系電気感応
作動媒体に非一様電界が形成され、この非一様電界によ
って非常に強力なジェット流が形成される。さらに、本
発明で均一系電気感応作動媒体として使用される含フッ
素系有機化合物は、良好な洗浄溶媒でもあるので、洗浄
対象物82に強固に付着した汚れを溶解洗浄することが
でき、あるいは汚れをジェット流の流速で物理的に剥離
して除去することができる。このジェット流の強さは、
コントローラ90で印加電圧を変えることにより適宜調
整することができる。
【0071】なお、植設繊維の端部から電極71方向に
形成されたジェット流81は、電極71の表面あるいは
表面に載置された洗浄対象物82に到達した後、その向
きを植毛電極72方向に変え、植毛電極の表面で折り返
した移動流は再び繊維の端部からジェット流となって送
り出される。
【0072】このような本発明の均一系電気感応作動媒
体を洗浄液として使用する場合、洗浄対象物82の表面
に気泡が付着していることがあり、電気感応作動媒体と
して本発明で規定する含フッ素有機化合物を使用するこ
とにより、こうした気泡に起因してスパークが発生した
としても電気感応作動媒体が燃焼することがなく、ま
た、スパークによる電気感応作動媒体の劣化も少ない。
【0073】次に本発明の均一系電気感応作動媒体を用
いたポンプについて説明する。
【0074】本発明の電気感応作動媒体を用いたポンプ
は、均一系電気感応作動媒体に電圧を印加することによ
り、媒体の移動流を形成し、均一系電気感応作動媒体を
ある場所から多の場所に移動させる装置である。
【0075】即ち、上記均一系電気感応作動媒体に少な
くとも一対の電極を配置して、この電極に電圧を印加す
ることにより、上記均一系電気感応作動媒体の移動流を
形成して媒体を移動させるものである。
【0076】図8に本発明の電気感応作動媒体を用いた
ポンプの一例を具体的に示す。
【0077】図8に示すように、本発明の電気感応作動
媒体を用いたポンプは、上述の均一系電気感応作動媒体
50中に少なくとも一対の電極40a,40bが配置され
ており、この少なくとも一対の電極はコントローラ90
で均一系電気感応作動媒体50に100V〜20KV、好
ましくは200V〜15KVの電圧を印加できるようにさ
れている。
【0078】図8には、第1の容器91と第2の容器9
2とを有し、この第1の容器91と第2の容器92と
は、第1の流路93と第2の流路94で連接されてい
る。このポンプ内には、上記均一系電気感応作動媒体5
0が充填されている。ここで、一対の電極40a,40b
に直流電圧を印加して、均一系電気感応作動媒体50に
非一様電界を形成すると、一方の電極40aから他方の
電極40bに向かう電気感応作動媒体の移動流が形成さ
れ、容器91中の電気感応作動媒体50は、容器92に
移動する。。容器91と容器92とが水平に位置してい
れば、こうした電気感応作動媒体50の移動流により容
器92内の液位が上がり、必然的に容器92内に流れ込
んだ量に対応する量の電気感応作動媒体は、流路94を
通って容器91に流れ込む。即ち、電極40a,40bに
電圧を印加し続ければ、上記のような電気感応作動媒体
50の移動流が連続的に形成され、電極40a,40b
は、容器91および92に充填されている電気感応作動
媒体50を一方の容器から他方の容器に移動させるポン
プとして機能する。
【0079】そして、例えば容器92に近接して発熱部
材(図示なし)を配置し、容器91を発熱部材よりも温
度の低い部分に配置することにより、容器92において
は電気感応作動媒体が発熱部材からの熱によって暖めら
れ(即ち、吸熱し)、この暖められた電気感応作動媒体
50が容器91に移動することにより、電気感応作動媒
体50中の熱が放熱する。従って、この電気感応作動媒
体を用いたポンプにより、容器92近傍にある発熱部材
(図示なし)を電気感応作動媒体50によって冷却する
ことができる。
【0080】図8には、電気感応作動媒体が空気と接触
する開放系の例が示されているが、本発明の電気感応作
動媒体は、このように空気と電気感応作動媒体とが常に
接触する場合であってもスパークによる引火のおそれが
ない。なお、本発明の電気感応作動媒体の使用方法で
は、電気感応作動媒体が原則的に空気と接触しないよう
に密閉系で実施することができることは勿論である。ま
た、本発明の方法によれば、電気感応作動媒体は、少な
くとも一対の電極に電圧を印加して電気感応作動媒体の
移動流を形成することにより流動するので、例えば図8
に示すような容器91および容器92が同一レベルにあ
る必要はなく、容器91および容器92に高低差あるい
はレベルの差があってもよい。
【0081】また、図8では、電極は一対の棒状電極が
使用されているが、これらの電極の形状は、針状電極と
筒状電極との組み合わせなど、電気感応作動媒体に非一
様電界を形成し得るものであればよい。
【0082】本発明の電気感応作動媒体の使用方法は、
例えば上述したSE型ECFモータ、RE型ECFモー
タ、複合型ECFモータ、洗浄装置、ポンプなどに、少
なくとも3個のハロゲン原子、特にフッ素原子を分子内
に有する少なくとも1種類の液体状有機化合物を含む均
一系電気感応作動媒体であり、該均一系電気感応作動媒
体について作動環境温度下における導電率が4×10
-10〜5×10-6S/mの範囲内にあり、作動環境温度下に
おける該均一系電気感応作動媒体の表面張力が22dyn/
cm以下であり、好適には実質的に引火点を有しない難燃
性乃至不燃性電気感応作動媒体を充填し、この電気感応
作動媒体中に少なくとも一対の電極を配置して、この電
極間に100V〜20KV、好ましくは200V〜15KV
の電圧を印加する。ここで印加する電圧は、通常は直流
電圧であるが、矩形波、パルス波などの種々の形態の電
圧を印加することが可能である。このように電気感応作
動媒体に電圧を印加することにより、電気感応作動媒体
中に非一様電界が形成される。このようにして電圧を印
加することにより、本発明の均一系電気感応作動媒体中
を流れる電流は通常は0.001〜100μA、好適に
は0.05〜10.0μA程度である。従って、本発明の
電気感応作動媒体に供給される電力は1×10 -10〜1.
0W、好適には5×10-7〜7×10-2W程度である。
【0083】そして、電気感応作動媒体中に形成された
非一様電界によって電気感応作動媒体の移動流が形成さ
れる。この移動流は、回転力として取り出してモータと
して利用することができ、また、この移動流を洗浄対象
物と接触させることにより、移動流を洗浄液流として利
用することができる。
【0084】本発明の電気感応作動媒体は、1分子内に
少なくとも3個のフッ素原子を有する液状の有機化合物
を少なくとも1種類含んでおり、この電気感応作動媒体
について一般的な引火点の測定方法に従って引火点を測
定しようとしても、明確な引火点は存在しない。従っ
て、本発明の電気感応作動媒体は、難燃性乃至不燃性で
あり、多くの場合不燃性である。
【0085】電気感応作動媒体に非一様電界を形成する
ために高電圧を印加すると、例えば空気が存在すると、
電極間にスパークが生ずることがあり、電気感応作動媒
体が可燃性であると、スパークが繰り返して発生すると
電気感応作動媒体に引火することがあり、電気感応作動
媒体を繰り返し使用する際の信頼性が充分ではないが、
本発明の含フッ素有機化合物を含む電気感応作動媒体
は、引火の危険性がなく、また酸化劣化もしにくい。
【0086】しかも、本発明で規定する含ハロゲン有機
化合物、特に含フッ素有機化合物を含む均一系電気感応
作動媒体の作動環境下における導電率は、4×10-10
〜5×10-6S/mの範囲内、好ましくは5×10-10
2.5×10-6S/mの範囲内にあり、電圧を印加すること
により電気感応作動媒体の移動流が形成されると共に、
この電気感応作動媒体は表面張力が低く、電圧を印加す
ることにより流速の高い移動流を容易に形成することが
できる。また、この含フッ素有機化合物を含む本発明の
電気感応作動媒体は、表面張力が含ハロゲン有機化合
物、特に含フッ素有機化合物に由来して低く、特にこの
電気感応作動媒体を超小型の装置(例:直径5mm程度の
SE型ECFモータ、厚さ2mm程度のRE型ECFモー
タなど)で使用する場合に、移動流の形成に抗する電気
感応作動媒体の表面張力が小さいので、より効率的に電
気感応作動媒体の移動流を形成することができる。
【0087】
【発明の効果】本発明の電気感応作動媒体は、1分子内
に少なくとも3個のフッ素原子を有する液状の有機化合
物を含有する電気感応作動媒体であり、この電気感応作
動媒体は、難燃性乃至不燃性である。従って、電圧を印
加することにより仮にスパークが生じたとしても、この
電気感応作動媒体が燃焼することがなく、さらに部分酸
化等の分解反応も生じにくい。さらに、本発明の電気感
応作動媒体は、所定の導電率を有する均一な液体であ
り、長期間に亘って安定に使用することができる。さら
に本発明の電気感応作動媒体は、作動環境温度下におけ
る導電率が4×10-10〜5×10-6S/mの範囲内にある
と共に、表面張力が、22dyn/cm以下と非常に低く、電
圧を印加することにより良好に電気感応作動媒体の移動
流を形成することができる。
【0088】また、本発明の電気感応作動媒体を形成す
る含フッ素有機化合物は、良好な洗浄性を有しており、
この電気感応作動媒体の移動流を洗浄対象物と接触させ
ることにより、洗浄対象物を効率よく洗浄することがで
きる。
【0089】
【実施例】次に本発明の実施例を示して本発明を説明す
るが本発明はこれに限定されるものではない。
【0090】
【実施例1〜11】表1に記載する化合物および混合物
(電気感応作動媒体)について、25℃において導電率
(電気抵抗値)を測定した。導電率は、直径3.5cmの
2枚の金属性円板電極板間に化合物をはさみ、直流電圧
2KVを印加したときの電気抵抗値である。また、これら
の化合物および混合物(電気感応作動媒体)についてJI
S−3362に規定されている方法に従って表面張力を
測定した。また、これらの化合物および混合物につい
て、一般に使用されている引火点の測定装置(例えばク
リーブランド開放式)を用いて引火点を測定したが、い
ずれの化合物および混合物も引火点を有しておらず、こ
れらの化合物および混合物はいずれも不燃性である。
【0091】上記電気感応作動媒体を図5および6に示
すSE型ECFモータに充填して25℃において6KVの
直流電圧を印加したときに翼ロータの回転数を測定し
た。
【0092】ここで使用したSE型ECFモータは、有
底円筒状の容器の内周が20mmであり、翼ロータの翼板
の枚数が8枚であり、翼板の高さが35mmであり幅が1
7mmであり、この容器に媒体を12ml充填すると翼板が
完全に埋没する。
【0093】また、このSE型ECFモータには4本の
電極が備えられており、1番目と3番目の電極を負電極
とし、2番目と4番目の電極を正電極とした。この1番
目と3番目の電極のなす角度および2番目と4番目の電
極のなす角度が、それぞれ180゜になり、1番目と2
番目の電極のなす角度および3番目と4番目の電極のな
す角度が、それぞれ45゜になるように電極を配置し
た。
【0094】このような構成を有するSE型ECFモー
タに12mlの媒体を入れ、電極間に6KVの直流電圧を印
加して、ロータの回転数を測定した。結果を表2に示
す。なお、このときの電流値は、それぞれ5μAであっ
た。
【0095】また、気泡の発生について、上記と同様の
構造を有するが、有底筒状容器の直径が3mmであり、高
さが5mm、翼ロータの翼板枚数が6枚で、高さ3mm、幅
2.5mmのSE型ECFモータに、媒体を0.03 ml充
填して、上記と同様にして駆動させた。この回転駆動時
のSE型ECFモータ内媒体中に気泡発生状況を、倍率
175倍のデジタルマイクロスコープを用いて観察し
た。結果を表2に示す。
【0096】なお、気泡の発生「少」とは、ほとんど気
泡発生は認められなかったことを意味し、「中」とは、
媒体は白濁しないが気泡の発生が認識できることを意味
し、「多」は気泡発生により媒体が白濁している状態を
意味する。
【0097】
【表1】
【0098】 註)*1)C9F18 (CF3-CF=CF2の3量体)の組成 (CF3)2CFCF=C(CF3)CF(CF3)2 …52重量% (CF3)2CFCF2-C(CF3)=C(CF3)2 …48重量% *2)C6F12 (CF3-CF=CF2の2量体)の組成 (CF3)2CFCF=CFCF3 …93重量% (CF3)2C=CFCF2CF3 …7重量% *3)フッ素系熱媒体 商品名:ガルデンHT−200、アウジモント(株)製(パーフルオロポリエーテル)
【化1】 *4)商品名:フロリナートFC-43,住友3M(株)製(完全フッ素化物(主成分の炭素数は12)CAS.No.865
08-42-1 含有率100%)
【0099】
【表2】
【0100】なお、繰り返し実験の結果、上記電気感応
作動媒体を充填後、電圧を印加した瞬間に、電極間でス
パークが発生することがあったが、電気感応作動媒体に
引火することはなかった。
【0101】
【比較例1】実施例1において、電気感応作動媒体とし
てジブチルアジペートを使用した以外は同様にしてSE
型ECFモータを駆動させた。
【0102】このジブチルアジペートは、C4H9-OCO-(CH
2)4-COO-C4H9の構造を有し、実施例1と同様にして測定
した導電率は1.0×10-8S/mであり、表面張力は33
dyn/cmであり、クリーブランド開放式により測定した引
火点は160℃であった。
【0103】このジブチルアジペートを、実施例1で使
用した気泡発生確認用の小型SE型ECFモータに充填
して気泡の発生状態を確認したところ、気泡の発生状況
は「多」であり、多数の気泡が発生してジブチルアジペ
ートが白濁していた。
【0104】電気感応作動媒体としてジブチルアジペー
トを用いたSE型ECFモータは、6KVの直流電圧を印
加することにより、69rpmの回転数で駆動したが、電
圧のオン、オフを繰り返してモータの駆動実験を行って
いる間に、電極間のスパークによりジブチルアジペート
に引火し、この時点で実験を中止せざるを得なかった。
また、気泡発生確認用の小型SE型ECFモータでは、
電圧のオン、オフを繰り返して気泡発生状態の測定中
に、頻繁にスパークの発生が観察され、終いには異臭と
共に白煙がモータから生じたため、危険と判断して、こ
の時点で実験を中止せざるを得なかった。
【0105】
【比較例2】実施例11において、使用したフッ素系不
活性液体の温度を25℃にした以外は同様にしてSE型
ECFモータを駆動させようと試みた。
【0106】このフッ素系不活性液体の25℃における
導電率は7.0×10-13S/mであり、25℃における表
面張力は12dyn/cmである。
【0107】しかしながら、このフッ素系不活性液体の
25℃における導電率が低すぎるために、25℃のフッ
素系不活性液体を充填したSE型ECFモータは回転し
なかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の電気感応作動媒体を用いたS
E型ECFモータの例を示す図である。
【図2】図2は、本発明の電気感応作動媒体を用いたS
E型ECFモータの横断面図である。
【図3】図3は、本発明の電気感応作動媒体を用いたR
E型ECFモータの例を示す図である。
【図4】図4は、本発明の電気感応作動媒体を用いたR
E型ECFモータの横断面図である。
【図5】図5は、本発明の電気感応作動媒体を用いた洗
浄装置の例を示す図である。
【図6】図6は、実施例で使用したSE型ECFモータ
を示す斜視図である。
【図7】図7は、実施例で使用したSE型ECFモータ
の横断面図である。
【図8】図8は、本発明の電気感応作動媒体を用いたポ
ンプの例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
10…筐体 11…媒体収容部 12…上部蓋体 13…底部材 14…凹状軸受け部 15…上部軸受け部 16…ベアリング機構 20…回転軸 30…ロータ(翼ロータ、筒状ロータ) 40…電極 41…電極挿入孔 42…電極固定孔 46…回転型接点 47…水銀 48…外部端子 50…均一系電気感応作動媒体 60…容器 71…電極 72…電極 73…繊維 81…移動流 82…洗浄対象物 90…コントローラ 91,92…容器 93,94…流路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10N 40:14 (56)参考文献 特開 平5−78685(JP,A) 特開 平4−7398(JP,A) 特開 平6−313179(JP,A) 特開 平6−73390(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10M 105/50 - 105/54 C09K 5/10 C11D 7/28 - 7/30 C10N 40:14 WPI(DIALOG)

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも3個のフッ素原子を分子内に
    有する少なくとも1種類の液体状有機化合物を含む均一
    系電気感応作動媒体であり、該均一系電気感応作動媒体
    について作動環境温度下における導電率が4×10-10
    〜5×10-6S/mの範囲内にあり、かつ作動環境温度下
    における該均一系電気感応作動媒体の表面張力が22dy
    n/cm以下である電気感応作動媒体。
  2. 【請求項2】 少なくとも3個のフッ素原子を分子内に
    有する少なくとも1種類の液体状有機化合物を含む均一
    系電気感応作動媒体であり、該均一系電気感応作動媒体
    について作動環境温度下における導電率が4×10-10
    〜5×10-6S/mの範囲内にあり、かつ作動環境温度下
    における該均一系電気感応作動媒体の表面張力が22dy
    n/cm以下であり、さらに該均一系電気感応作動媒体が実
    質的に引火点を有していない難燃性乃至不燃性の電気感
    応作動媒体。
  3. 【請求項3】 少なくとも3個のフッ素原子を分子内に
    有する少なくとも1種類の液体状有機化合物を含む均一
    系電気感応作動媒体であり、該均一系電気感応作動媒体
    について作動環境温度下における導電率が4×10-10
    〜5×10-6S/mの範囲内にあり、かつ作動環境温度下
    における該均一系電気感応作動媒体の表面張力が22dy
    n/cm以下である均一系電気感応作動媒体中に、少なくと
    も一対の電極が配置して、該一対の電極間に100V〜
    20KVの電圧を印加して該均一系電気感応作動媒体を一
    方の電極から他方の電極方向に移動させることを特徴と
    する電気感応作動媒体の使用方法。
  4. 【請求項4】 上記均一系電気感応作動媒体が少なく
    とも3個のフッ素原子を分子内に有する少なくとも1種
    類の液状有機化合物を含む均一系電気感応作動媒体であ
    り、該均一系電気感応作動媒体が実質的に引火点を有し
    ていない難燃性乃至不燃性の均一系電気感応作動媒体で
    あることを特徴とする請求項第3項記載の電気感応作動
    媒体の使用方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも3個のフッ素原子を分子内に
    有する少なくとも1種類の液体状有機化合物を含む均一
    系電気感応作動媒体であり、該均一系電気感応作動媒体
    について作動環境温度下における導電率が4×10-10
    〜5×10-6S/mの範囲内にあり、かつ作動環境温度下
    における該均一系電気感応作動媒体の表面張力が22dy
    n/cm以下である均一系電気感応作動媒体を、少なくとも
    一対の電極は配置された筐体に充填し、該一対の電極間
    に100V〜20KVの電圧を印加して該均一系電気感応
    作動媒体の移動流を形成し、該移動流により該筐体に回
    動自在に配置されたロータを回転させることを特徴とす
    る電気感応作動媒体の使用方法。
  6. 【請求項6】 上記均一系電気感応作動媒体が少なく
    とも3個のフッ素原子を分子内に有する少なくとも1種
    類の液状有機化合物を含む均一系電気感応作動媒体であ
    り、該均一系電気感応作動媒体が実質的に引火点を有し
    ていない難燃性乃至不燃性の均一系電気感応作動媒体で
    あることを特徴とする請求項第5項記載の電気感応作動
    媒体の使用方法。
  7. 【請求項7】 少なくとも3個のフッ素原子を分子内に
    有する少なくとも1種類の液体状有機化合物を含む均一
    系電気感応作動媒体であり、該均一系電気感応作動媒体
    について作動環境温度下における導電率が4×10-10
    〜5×10-6S/mの範囲内にあり、かつ作動環境温度下
    における該均一系電気感応作動媒体の表面張力が22dy
    n/cm以下である均一系電気感応作動媒体を、筐体に充填
    し、該筐体に回動自在に配置されたロータに少なくとも
    一対の電極を敷設し、該電極間に間に100V〜20KV
    の電圧を印加して該均一系電気感応作動媒体の移動流を
    形成し、該移動流の反作用により該ロータを回転させる
    ことを特徴とする電気感応作動媒体の使用方法。
  8. 【請求項8】 上記均一系電気感応作動媒体が少なく
    とも3個のフッ素原子を分子内に有する少なくとも1種
    類の液状有機化合物を含む均一系電気感応作動媒体であ
    り、該均一系電気感応作動媒体が実質的に引火点を有し
    ていない難燃性乃至不燃性の均一系電気感応作動媒体で
    あることを特徴とする請求項第7項記載の電気感応作動
    媒体の使用方法。
  9. 【請求項9】 少なくとも3個のフッ素原子を分子内に
    有する少なくとも1種類の液体状有機化合物を含む均一
    系電気感応作動媒体であり、該均一系電気感応作動媒体
    について作動環境温度下における導電率が4×10-10
    〜5×10-6S/mの範囲内にあり、かつ作動環境温度下
    における該均一系電気感応作動媒体の表面張力が22dy
    n/cm以下である均一系電気感応作動媒体を、少なくとも
    一対の電極を有する容器内に充填し、洗浄対象物を配置
    して、該一対の電極間に100V〜20KVの電圧を印加
    して該均一系電気感応作動媒体の移動流を形成させ、該
    均一系電気感応作動媒体の移動流を該洗浄対象物に接触
    させて該洗浄対象物を洗浄することを特徴とする電気感
    応作動媒体の使用方法。
  10. 【請求項10】 上記均一系電気感応作動媒体が少な
    くとも3個のフッ素原子を分子内に有する少なくとも1
    種類の液状有機化合物を含む均一系電気感応作動媒体で
    あり、該均一系電気感応作動媒体が実質的に引火点を有
    していない難燃性乃至不燃性の均一系電気感応作動媒体
    であることを特徴とする請求項第9項記載の電気感応作
    動媒体の使用方法。
  11. 【請求項11】 少なくとも3個のフッ素原子を分子内
    に有する少なくとも1種類の液体状有機化合物を含む均
    一系電気感応作動媒体であり、該均一系電気感応作動媒
    体について作動環境温度下における導電率が4×10
    -10〜5×10-6S/mの範囲内にあり、かつ作動環境温度
    下における該均一系電気感応作動媒体の表面張力が22
    dyn/cm以下である均一系電気感応作動媒体を、少なくと
    も一対の電極を有する容器内に充填し、該一対の電極間
    に100V〜20KVの電圧を印加して該均一系電気感応
    作動媒体の移動流を形成させ、該均一系電気感応作動媒
    体を所定の位置に移動させることを特徴とする電気感応
    作動媒体の使用方法。
  12. 【請求項12】 上記均一系電気感応作動媒体が少なく
    とも3個のフッ素原子を分子内に有する少なくとも1種
    類の液状有機化合物を含む均一系電気感応作動媒体であ
    り、該均一系電気感応作動媒体が実質的に引火点を有し
    ていない難燃性乃至不燃性の均一系電気感応作動媒体で
    あることを特徴とする請求項第11項記載の電気感応作
    動媒体の使用方法。
  13. 【請求項13】 上記均一系電気感応作動媒体に電圧を
    印加して移動流を形成し、該移動流により、高温部位に
    熱エネルギーを低温部位に搬送することを特徴とする請
    求項第11項または第12項記載の電気感応作動媒体の
    使用方法。
  14. 【請求項14】 上記均一系電気感応作動媒体が少なく
    とも3個のフッ素原子を分子内に有する少なくとも1種
    類の液状有機化合物を含む均一系電気感応作動媒体であ
    り、該均一系電気感応作動媒体を、閉鎖循環系に充填し
    て該閉鎖循環系中に充填された均一系電気感応作動媒体
    に電圧を印加して移動流を形成し、該均一系電気感応作
    動媒体を閉鎖循環系内で循環して熱エネルギー移動を行
    うことを特徴とする請求項第13項記載の電気感応作動
    媒体の使用方法。
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