JP3157075B2 - 現金入出金装置 - Google Patents

現金入出金装置

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JP3157075B2
JP3157075B2 JP34286393A JP34286393A JP3157075B2 JP 3157075 B2 JP3157075 B2 JP 3157075B2 JP 34286393 A JP34286393 A JP 34286393A JP 34286393 A JP34286393 A JP 34286393A JP 3157075 B2 JP3157075 B2 JP 3157075B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金融機関等に設置され
る現金入出金装置に関する。
【0002】
【従来の技術】銀行等の金融機関における窓口業務や自
動取引業務のうち、顧客との現金を扱う業務のために、
近年、現金入出金装置が多用されている。図2に、従来
の現金入出金装置の要部縦断面図を示す。図において、
装置本体50の内部には、シャッタ42の直下に接客口
3が設けられ、この他に、取込み収納庫2、鑑別部4、
金庫8′、リジェクトカセット7等が設けられている。
尚、装置本体50の内部には、この他に、紙幣の搬送制
御のための各種の機構が設けられているが、ここでは説
明簡略化のため図示を省略した。
【0003】先ず、入金取引においては、シャッタ42
が開かれ、顧客が接客口3の内部に紙幣を差し入れる
と、その紙幣は矢印の経路を通り鑑別部4に送り込ま
れる。鑑別部4は、紙幣の真偽を判別する部分である。
ここで、紙幣が偽券と判別された場合には、の経路を
通ってリジェクトカセット7に送り込まれる。また、紙
幣が真券と判別された場合には、の経路を通って金庫
8′に収納される。尚、金庫8′は、一般に、金種別に
紙幣を収納しておくための、図示しない複数の金庫から
構成される。
【0004】一方、出金の場合には、顧客が出金額を指
定すると、金庫8′からの経路により紙幣が鑑別部4
に送り込まれる。鑑別部4では、紙幣の真偽を判別し、
最終的にその紙幣はの経路を通って接客口3に差出さ
れる。シャッタ42が開くと、顧客はその紙幣を取出
し、出金取引が終了する。また、極めて稀なケースであ
るが、顧客が接客口3からの紙幣の取出しを忘れる場合
がある。この場合には、一定時間後、自動的にシャッタ
42が閉じ、接客口3が回転して、取り忘れ紙幣を取込
み収納庫2に収納する。後に、顧客が気付いて返却を請
求した場合の処理を簡便にするためである。この種の構
成の現金入出金装置は、例えば、特開昭 58-140890号公
報に記載されている。
【0005】一方、複数の金種の現金を一括収納し、装
置本体に対して着脱可能な一括収納庫を設けておき、こ
の一括収納庫を装置本体にセットした場合に、一括収納
庫から各金種別収納庫に自動的に貨幣を分配する方式の
装置が紹介されている。業務が終了したときには、装填
動作と逆の回収動作がされる。このような一括収納庫を
設けておけば、複数の現金入出金装置に対し1台の一括
収納庫を用いて、現金の補充回収処理が可能となる。し
かも、現金の補充等の作業により装置が一時停止するの
を防止し、装置の稼動率を高められる。この種の現金入
出金装置は、例えば、特開昭 61-289488号公報に記載さ
れている。また、この種の現金入出金装置及びこれを使
用した現金自動取引装置の詳細な構成については、特開
平 3-46084号公報に記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図2に示し
たような従来の装置は、顧客が取り忘れた紙幣が、一旦
取込み収納庫2に収納されると、再度、別の顧客による
紙幣の取り忘れが発生した場合には、装置の動作を停止
しなければならない。その1つの理由は、一旦シャッタ
42が開かれ、顧客に差出された状態の紙幣は、全部が
取り忘れられたか、その一部が取り忘れられたかを、装
置自体で認識することができない。従って、そのままの
状態で取込み収納庫2に収納される。このため、他の顧
客の取り忘れ分を合わせて取込み収納庫2に収納する
と、どこまでが先の顧客の取り忘れ分かを判別すること
ができず、トラブルが生じることになる。従って、取込
み収納庫2の大きさ自体が1回分の取り忘れ紙幣を収納
できる程度の大きさに限定されている。
【0007】これを解決するために取込み収納庫2を大
型化し、1回分の取り忘れ紙幣の取込みと、次の取り忘
れ紙幣の取込みとの間に、境界を設ける等の改善も考え
られる。しかしながら、これでは取込み収納庫2の部分
の大型化と機構の複雑化を招く。しかしながら、従来通
りの構成では、例えば、先に説明した一括収納庫等を利
用して現金の運用効率を高め、また、金庫に紙幣が不足
することによる装置の動作停止時間を極力減少させると
いった稼動率の向上を妨げることになる。
【0008】更に、後に顧客により取り忘れ紙幣の返却
請求が発生した場合も、装置の動作を停止して、行員に
より顧客の取り忘れ紙幣を返却するため、行員の作業が
増加するとともに、装置の稼動率も低下する。また、取
り忘れ紙幣の取り込み時に取り忘れ紙幣の一部にリジェ
クトが発生した場合、真券と判定された紙幣のみを取り
込んで、顧客による取り忘れ紙幣の返却請求が発生した
場合は、顧客とのトラブルが発生する虞がある。本発明
は以上の点に着目してなされたもので、紙幣の取り忘れ
が発生した場合に、顧客とのトラブルを防止しつつ、装
置の動作を停止することなく、効率的に運用することの
できる現金入出金装置を提供することを目的とするもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の現金入出金装置
は、現金を金種ごとに収納する金種別収納庫と、装置本
体に設けられ、前記現金を前記金種別収納庫に分配する
現金分配手段と、前記金種別収納庫に分配される前記現
金を、搬送路上で鑑別する鑑別部と、顧客に対して現金
を出金する場合に、その現金を差出す接客口と、前記接
客口に差出されたままの取り忘れ紙幣を、前記鑑別部に
送り込んで鑑別させる取忘れ紙幣鑑別制御手段と、前記
取り忘れ紙幣を一括して取り込むための取り込み収納庫
と、前記鑑別部による鑑別の結果、取り忘れ紙幣の全て
が真券と鑑別され、かつ取り忘れ紙幣の金種ごとの枚数
と顧客に対して出金した金種ごとの枚数とが一致すると
取り忘れ紙幣を前記金種別収納庫に回収させ、前記鑑別
の結果、取り忘れ紙幣の全てが真券と鑑別されても該取
り忘れ紙幣の金種ごとの枚数と顧客に対して出金した金
種ごとの枚数とが不一致のときは、全枚数の取り忘れ紙
幣を前記取り込み収納庫に回収させるゲート制御手段
と、鑑別部の鑑別結果に基づいて取り忘れ紙幣の少なく
とも金額及び金種枚数を記憶する鑑別結果記憶部とを備
えることを特徴とするものである。
【0010】 更にまた、本発明の取忘れ紙幣鑑別制御手
段が、顧客の口座番号及び暗証番号を入力することによ
り前記鑑別結果記憶部を参照し、前記金種別収納庫に収
納された取り忘れ紙幣と金種ごとに同一の枚数の紙幣を
接客口に送り出すことを特徴とするものである。
【0011】
【作用】以上の装置は、接客口において、取り忘れられ
た紙幣を一旦鑑別部に送り込んで鑑別し、当該鑑別の結
果、金種ごとの紙幣の全てが真券であり、かつ出金時と
取り忘れ時の金種及びその枚数が一致すると、当該取り
忘れ紙幣を再び金種別収納庫に回収し、再利用する。一
方、取り忘れ紙幣に対して、全てが真券であると鑑別し
ても、取り忘れ紙幣の金種ごとの枚数と、直前の出金取
引の金種ごとの枚数とが不一致の場合、取り忘れ紙幣の
全てを一括して取り込み収納庫に回収する。ここで、取
り忘れ紙幣を顧客に返却するために、その金額及び金種
枚数は鑑別結果記憶部に記憶させておく。
【0012】 更に、後に顧客から取り忘れ紙幣の返却請
求があった場合は、本人の認証のために、口座番号や暗
証番号を装置に入力させると共に、鑑別結果記憶部を参
照して顧客に現金を返還する。従って、取り込み収納庫
を極力効率よく運用し、かつ資金運用を効率化しつつ、
取り忘れの多重発生による装置の稼動率低下の防止と、
顧客とのトラブル防止ができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を図の実施例を用いて詳細に説
明する。図1は、本発明の現金入出金装置の実施例を示
す断面図である。この装置は、装置本体50のシャッタ
42の直下に接客口3を配置し、鑑別部4、入出金ユニ
ット18、一括収納庫11、金種別収納庫8,9,1
0、リジェクトカセット(取り込み収納庫)7等の機構
を有している。また、鑑別部4と共に、取り忘れ紙幣を
処理するために、取忘れ紙幣鑑別制御手段89a、鑑別
結果記憶部89b、ゲート制御手段89fが設けられて
いる。
【0014】尚、この他に、一括収納庫11に一体に設
けられた収納庫管理メモリ99や、一括収納庫11から
金種別収納庫8,9,10に対し現金を分配し、あるい
は逆に現金を回収するための現金分配手段80c、現金
回収手段80b及び計数管理部80aが設けられてい
る。現金分配等の機構については、後の装置全体の詳細
な説明に回すことにして、本発明の装置の主要部である
取り忘れ紙幣処理のための説明を進める。
【0015】〈紙幣鑑別制御部の構成〉図3は、本発明
の装置の主要部ブロック図である。図の紙幣鑑別制御部
89は、鑑別部4を制御するための回路である。この紙
幣鑑別制御部89には、先に説明した、通常の入金取引
や出金取引の際の鑑別制御を行なう部分の他に(これら
の部分は図示されていない)、取忘れ紙幣鑑別制御手段
89aが設けられている。この取忘れ紙幣鑑別制御手段
89aは、図に示すように、外形寸法検出部89cと、
金種判別部89dと、真偽判別部89eと、ゲート制御
手段89fとを制御するよう構成されている。また、こ
の他に、紙幣鑑別制御部89には、鑑別結果記憶部89
bが設けられている。
【0016】取忘れ紙幣鑑別制御手段89aは、マイク
ロプロセッサ等から成る。外形寸法検出部89cは、鑑
別部4に送り込まれる紙幣の外形寸法を検出するため
の、各種の光学的あるいは機械的センサから成る。金種
判別部89dは、紙幣の金種を判別するための光学的セ
ンサ等から成る。真偽判別部89eは、紙幣の真偽を判
別するための光学的センサや磁気的センサ等、各種のセ
ンサから成る。ゲート制御手段89fは、真偽判別部8
9eの判別結果に基づいて紙幣を搬送する、搬送路上に
設けられた一括切換えゲート43及び一括切分けゲート
16を動作させ、紙幣の搬送方向を切換える回路から成
る。
【0017】この実施例では、一括切換えゲート43
は、図1に示す鑑別部4を通過した紙幣を、表裏取揃え
機構部5の側に搬送するか、一括切分けゲート16の側
に搬送するかの切換えを行なうゲートである。一括切分
けゲート16は、一括切換えゲート43から搬送された
紙幣を、リジェクトカセット7か、あるいは金種別収納
庫8,9,10に搬送するかを切分けるゲートである。
鑑別結果記憶部89bは、真偽判別部89eの出力に基
づいて鑑別結果を記憶するランダム・アクセス・メモリ
等から成る。このメモリは不揮発性とするために、バッ
テリバックアップがされている。
【0018】図4に、鑑別結果記憶部のデータフォーマ
ットを示す。図のように、鑑別結果記憶部89bには、
例えば、取忘れ紙幣取込み日時891と、顧客情報892
と、真券収納情報893 と、リジェクト情報894 とが記憶
される。取忘れ紙幣取込み日時891 は、例えば、〇〇
年,〇〇月,〇〇日,〇〇時,〇〇分に紙幣を取込んだ
といった内容の情報から成る。顧客情報892 は、取り忘
れを行なった顧客の口座番号から成る。真券収納情報89
3 は、鑑別の結果、真券として金種別収納庫8,9,1
0に格納した真券を、例えば、万券“10”,五千券
“0”,千券“5”といった内容で記憶する情報であ
る。リジェクト情報894は、真券と判別されず若しくは
真券と判別されても、リジェクトカセット7に取込まれ
たものが何枚あるかといった情報から成る。
【0019】即ち、図1において、接客口3に出金用の
紙幣が差出され、シャッタ42が開いた後は、顧客が全
ての紙幣を取り忘れるケース、一部の紙幣を取り忘れる
ケースの他に、紙幣以外の例えば取引伝票等を誤って投
入するケースもある。従って、一旦シャッタ42が開い
た後は、接客口3に差出された紙幣に紙幣以外のものが
混入する可能性も存在する。そこで、取り忘れ紙幣の取
り込み時、鑑別部4により1枚でもリジェクトが発生す
るか、あるいは、出金時の金種ごとの枚数と取り込み時
の金種ごとの枚数が不一致の時には、取り忘れ紙幣にお
ける全ての紙幣をリジェクトカセット7に収納し、顧客
からの返却請求があったときに、当該リジェクトカセッ
ト7に収納したものの全てを返却する。このため、前記
鑑別情報としてリジェクト情報894 を鑑別結果記憶部8
9bに記憶させておく。
【0020】〈装置の主要動作〉図5は、本発明の装置
の動作説明図である。本発明の装置は、概略、この図5
に示すように動作する。即ち、先ず、接客口3に取り忘
れられた紙幣は、経路を通って鑑別部4に送り込まれ
る。鑑別部4では、図3に示した取忘れ紙幣鑑別制御手
段89aが、紙幣の真偽を鑑別する動作を開始する。そ
して、真券と判別された場合には、その紙幣は、一括切
換えゲート43と一括切分けゲート16により、の経
路を通って金種別収納庫8に収納される。同時に、この
ときの真券収納情報が、鑑別結果記憶部89bに記憶さ
れる。
【0021】一方、鑑別部4において、真券と判別でき
なかった紙幣は、一括切換えゲート43の作用により、
経路を通って表裏取揃え機構部5に収納され、更に経
路を通って接客口3に搬送される。搬送されたリジェ
クト紙幣は再び経路を通って鑑別部4に送り込まれ
る。即ち、例えば、紙幣が重送したり、斜行したりして
鑑別不能となったような場合に、これを再び鑑別すれ
ば、真券と鑑別できる。従って、経路上で、紙幣の表
裏を揃えたり、反転させたり、分離する等の処理をし
て、再び鑑別部4に送り込む。この動作は、図1に示し
た表裏取揃え機構部5が行なう。このような再鑑別を何
回か繰り返しても、真券と判定できなかったものは、一
括切換えゲート43及び一括切分けゲート16の作用に
よって、経路を通りリジェクトカセット7に収納され
る。また、このとき、真券と判定された方の紙幣は金種
別収納庫8の一時保留部に保持されている。これらの紙
幣も一時保留部からの経路を通って、一括切換えゲー
ト43及び一括切分けゲート16の作用により、経路
を通りリジェクトカセット7に収納される。
【0022】また、取忘れ紙幣鑑別制御手段89aで
て真券と判定された場合でも、取り忘れの該当出金取引
の金種枚数と不一致である場合については、前記動作と
同様に取り忘れ紙幣の全てをリジェクトカセットに収納
する。
【0023】図6に、本発明の装置の動作フローチャー
トを示す。このフローチャートを用いて、図5の動作を
更に具体的に説明する。先ず、ステップS1において、
直前に取り引きされた出金動作の各金種ごとの枚数をリ
ードする。リードされた各金種ごとの枚数は、万券=
A、五千券=B、千券=Cを設定する。次に、ステップ
S2において、パラメータn、mを“0”に設定する。
このパラメータnは、図5に示した経路及び経路を
通って紙幣を再鑑別するリトライ回数を制御するための
ものである。また、パラメータmは、リジェクト紙幣の
有無を示すフラグである。尚、リジェクトフラグは、鑑
別開始においてはリジェクト紙幣がないため、“0”に
設定する。ステップS3においては、取り込み紙幣の鑑
別を行なう各紙幣ごとの枚数カウンタを初期状態に設定
する。
【0024】次に、鑑別動作を開始するが、最初に紙幣
であるか、又は紙幣以外の取引伝票であるかを判定する
ため、外形寸法を検出する(ステップS4)。その検出
結果が予め設定した値に対して、許容範囲内である場合
は、金種判別の処理に進む(ステップS5)。しかし、
許容範囲外である場合は、リジェクトパラメータmを設
定し(ステップS6)、該当紙幣をリジェクトカセット
に搬送する(ステップS7)。次に、ステップS5で基
準値内と判定された紙幣は、金種判別(ステップS
8)、真偽判別(ステップS9)の処理を行ない、ステ
ップS10で真偽判定される。ステップS10で真券と
判定されなかった場合は、表裏取り揃え機構へ搬送され
(ステップS11)、リトライ動作を行なう(ステップ
S12)。
【0025】また、真券と判定された場合は、真券と判
定された金種のみ該当する金種カウンタをカウントアッ
プする(ステップS13)。これらのカウンタは、万券
カウンタ=a、五千券カウンタ=b、千券カウンタ=c
である。ステップS13で真券と判定された紙幣は、各
金種別に金種別収納庫8の一時保留部へ収納される(ス
テップS14)。そして、収納された時点で、計数が完
了したか確認し(ステップS15)、完了していない場
合はステップS4に戻り、計数が完了している場合はリ
トライ動作の有無の判定を行なう(ステップS16)。
次に、リトライ動作ありの場合は、リトライカウンタを
更新し(ステップS17)、ステップS18でカウンタ
の回数の判定を行なう(ステップS18)。判定結果が
規定値Lに達していない場合は、接客口3にある紙幣の
鑑別を再び開始する。また、リトライ回数が規定値Lに
達している場合は、リジェクトフラグをセットして(ス
テップS19)、該当する紙幣をリジェクトカセットに
搬送する(ステップS20)。次に、ステップS21
で、リジェクトフラグが“1”の場合は、金種別収納庫
の一時保留部にある紙幣が搬送路及びを通ってリジ
ェクトカセットに搬送される(ステップS22)。
【0026】また、ステップS21でリジェクトフラグ
が“0”の場合は、リジェクトがないということで、出
金時の金種ごとの枚数と取り忘れ取り込み鑑別結果の金
種別枚数の比較を行なう(ステップS23)。そして、
ステップS23の比較結果において、枚数の相異が発生
した場合は、ステップS22の動作を行なう。また、ス
テップS23で比較結果が一致した場合は、金種別収納
庫の一時保留部の紙幣を、一時保留部から金種別収納庫
へ格納する(ステップS24)。また、金種ごとの枚数
が一致した場合は、更に、センタに対して、直前の出金
取引を取り消す(ステップS25)。このステップS2
5を設けることによって、顧客が出金取引を行なっても
全ての紙幣を取り忘れたときは、出金取引がなかったも
のとされる。
【0027】以上の動作を行なうことによって、接客口
3に取り忘れられた紙幣は、そのまま金種別収納庫に収
納され、再び装置の運用に活用される。また、センタの
取引を更新せず効率よく装置の運用ができる。また、取
り忘れ紙幣の鑑別結果が鑑別結果記憶部89bに記憶さ
れているので、取り忘れを行なった顧客が返却を要求し
た場合、鑑別結果記憶部89bの内容を読出すことによ
って、誤りなく処置をすることができる。また、紙幣を
取り忘れた顧客が通常の出金取引のようにカードリーダ
ライタ部より、口座番号や暗証番号を現金自動取引装置
から入力することにより、自動的に金種別収納庫から該
当する顧客の取り忘れ紙幣を取り出し、接客口から返却
できる。しかも、取り忘れ紙幣の鑑別において、リジェ
クトや出金紙幣枚数との不一致が生じた場合は、取り忘
れ紙幣の全てをリジェクトカセットへ収納するため、顧
客とのトラブルを防止できる。また、取り忘れが繰返し
発生しても、本発明の装置は、その動作を停止する必要
がない。
【0028】更に、装置の動作を制御するプログラムの
追加等により、従来装置の機構をそのまま利用して本発
明を実施することができる。従って、装置自体の大幅な
コストアップも防止でき、取り込み収納庫(リジェクト
カセット)を効率よく運用できる。次に、本発明の装置
の具体的な全体構成について詳細な説明を続ける。 〈現金自動取引装置〉この装置の詳細な構成と動作を説
明する前に、先ず、現金入出金装置を使用した現金自動
取引装置の構成を説明する。
【0029】図8は、現金自動取引装置の全体図であ
る。図示の現金自動取引装置51には、現金入出金装置
50と、カードリーダライタ部52と、通帳記帳機53
と、顧客操作部54とが設けられている。現金入出金装
置50は、顧客から入金された紙幣を受入れ、あるいは
顧客に対し紙幣を支払う処理を行なう装置である。カー
ドリーダライタ部52は、顧客により挿入されたキャッ
シュカードの識別や、入金取引,支払取引等の結果を用
紙に印字する等の処理を行なう装置である。また、通帳
記帳機53は、顧客により挿入された通帳の識別や、入
金取引,支払取引結果等の印字処理を行なう装置であ
る。顧客操作部54は、顧客が入金金額,支払金額,暗
証番号等を入力するために操作する操作キーや、入力金
額や操作案内等のためのイラストや文字を表示する表示
部等を有する装置である。
【0030】また、図8中、破線で表示した制御部56
は、現金自動取引装置51に内蔵された、各装置の動作
を制御するために設けられたプロセッサ等からなる。ま
た、図1に示した現金入出金装置50は、一括収納庫1
1等を着脱したり、紙幣を搬送する搬送路上のジャムを
除去するために、図8に示した現金自動取引装置51の
本体から切離して独立に引出すことができる。通常、図
8に示した現金自動取引装置の背面のパネルを開いて取
出しが行なわれる。
【0031】〈装置のブロック構成〉図9に、本発明の
現金入出金装置の実施例ブロック図を示す。この装置
は、制御部56(図8)により、上位装置制御部インタ
フェース81を介して、現金入出金装置制御部80に入
力する制御信号等により制御される。現金入出金装置制
御部80は、この現金入出金装置全体の動作を制御する
マイクロコンピュータとその周辺回路から構成されてい
る。現金入出金装置制御部80には、バスラインを介し
てI/Oインタフェース回路82と、一括収納庫インタ
フェース回路90と、リード・オンリ・メモリ(RO
M)83と、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)8
4とが接続されている。
【0032】ROM83は、現金入出金装置制御部80
の動作用プログラムを格納するメモリである。RAM8
4は、現金入出金装置制御部80の動作に必要なパラメ
ータ等を一時格納しておくメモリである。I/Oインタ
フェース回路82には、モータドライバ85、マグネッ
トドライバ86、スイッチ読取回路87、フォトセンサ
読取回路88、紙幣鑑別制御部89が接続されている。
モータドライバ85は、装置各部のモータ群91及び一
括収納庫11に設けられたモータ群96に接続されてお
り、各動作モードに応じて、種々のモータを駆動制御す
る回路である。マグネットドライバ86は、装置各部の
マグネット群92に接続されており、動作モードに応じ
て、それぞれのマグネットをオンあるいはオフさせる回
路である。
【0033】スイッチ読取回路87は、装置各部のスイ
ッチ群93と一括収納庫11のスイッチ群97とに接続
されており、一括収納庫11、金種別収納庫8,9,1
0及びリジェクトカセット7の装着の有無や、各ステー
ジのポジションを検出するスイッチ等の状態を読取る回
路である。フォトセンサ読取回路88は、装置各部のフ
ォトセンサ群94及び一括収納庫11に設けられたフォ
トセンサ群98に接続されており、一括収納庫11や金
種別収納庫8,9,10、あるいはリジェクトカセット
7に設けられた紙幣の集積状態を監視するフォトセンサ
群からの情報を読取る回路である。紙幣鑑別制御部89
は、紙幣鑑別センサ群95に接続されている。この紙幣
鑑別センサ群95は、図1に示した鑑別部4の内部に設
けられた種々のセンサから成り、鑑別部4に送り込まれ
た紙幣の真偽,金種,正損,表裏,重走及び斜行等を鑑
別検知するために設けられた回路である。
【0034】一括収納庫インタフェース回路90は、一
括収納庫11に取付けられた収納庫管理メモリ99の記
憶内容を読取って、現金入出金装置制御部80に転送し
たり、現金入出金装置制御部80の指示を受けて、収納
庫管理メモリ99の内容を更新する回路である。収納庫
管理メモリ99は、バッテリ等でバックアップされ、現
金入出金装置制御部80によって直接アクセスされる半
導体メモリ等から構成される。尚、この収納庫管理メモ
リ99は、この他にマイクロコンピュータ等の制御手段
と一体化され、一括収納庫インタフェース回路90を介
して、現金入出金装置制御部80とデータの送受信を行
なうような構成であってもよい。
【0035】収納庫管理メモリ99に使用されるメモリ
としては、バッテリバックアップによる半導体ランダム
・アクセス・メモリの他に、電源を供給しなくてもデー
タが消去されないEEPROM(電気的消去可能型プログラマ
ブルリード・オンリ・メモリ)や、磁気ディスク,磁気
テープ等の磁気的記録媒体であっても差し支えない。
尚、この収納庫管理メモリ99には、一括収納庫11に
収納された紙幣の各金種毎の収納枚数が個別に記憶され
る。この外に、現金入出金装置制御部80の種々の動作
を制御するために、計数管理部80aと、現金回収手段
80bと、現金分配手段80cとが設けられている。こ
れらの手段は、何れも所定の手順でI/Oインタフェー
ス回路82を介して、装置各部の回路を制御し、後に説
明する動作を実行制御するための、シーケンスプログラ
ムから構成されている。
【0036】計数管理部80aは、一括収納庫11に回
収され、あるいは一括収納庫11から分配される紙幣を
計数し、その都度収納庫管理メモリ99を更新する制御
を行なう。現金回収手段80bは、金種別収納庫に格納
された現金を取出して搬送し、一括収納庫11に回収す
る動作を制御する。現金分配手段80cは、何れかの各
金種別収納庫に紙幣が不足した場合、収納庫管理メモリ
99に記憶された金種別枚数を確認し、その範囲内で各
金種別収納庫に対し、必要な紙幣の分配補充を行なう動
作を制御する。
【0037】〈接客口〉以下、図1の装置の各部の構成
を順を追って説明する。先ず、図1の装置本体50の前
面上部には、顧客が紙幣を出入れするための接客口3が
設けられている。図10に、接客口の動作説明用断面図
を示す。図10(a)に示すように、接客口3は、紙幣
ガイド57と、紙幣を1枚ずつ分離する紙幣分離機構5
9を内蔵しており、図10(b),(c)に示したよう
に、紙幣ガイド57を、略その中心を軸として回転させ
る回転体構造をしている。接客口3は、図示しないモー
タによって回転駆動され、各ポジションへの移行の確認
のために、種々のセンサが取付けられている。
【0038】上記構成の接客口3は、次のように動作す
る。先ず、図10(a)には、顧客が紙幣を挿入するの
を待つ入金ポジションを図示した。この場合、シャッタ
42が開放され、紙幣ガイド57が上方に向かって開口
する状態とされている。また、図10(b)には、投入
された紙幣を1枚ずつ分離する分離ポジションを示す。
この場合、シャッタ42が閉じられ、紙幣ガイド57中
に一括投入された紙幣が、紙幣分離機構59により1枚
ずつ分離され、接客口3の外に、図の矢印に示す方向に
送り出される。その紙幣については、以後入金処理が実
行される。図10(c)には、顧客に紙幣を出金する前
段階として、表裏取揃え機構部5から紙幣ガイド57に
一括して紙幣を受取る場合の受取りポジションを示す。
【0039】表裏取揃え機構部5においては、出金すべ
き紙幣がその表裏を揃えられて積み重ねられている。こ
れが図の右側に送り出され、紙幣ガイド57に収納され
ることになる。図10(d)は、顧客に対し、紙幣ガイ
ド57に格納された紙幣を出金する出金ポジションを示
す。この場合、シャッタ42が開き、紙幣ガイド57か
ら紙幣を顧客に差出す状態となっている。このような各
ポジションの設定と選択、及び各ポジションへの移行動
作は、後で説明する現金入出金装置の制御部によって制
御される。
【0040】〈鑑別部と表裏取揃え機構部〉再び図1に
戻って、接客口3の左下側には、鑑別部4が設けられて
いる。この鑑別部4は、送り込まれた紙幣の真偽,正
損,表裏,2枚以上の重なり(重走)、及び斜行等を鑑
別検知する装置である。この装置により、金種等の判別
も行なわれる。また、接客口3の左側には、表裏取揃え
機構部5が設けられている。この表裏取揃え機構部5に
は、切替ブレード6が設けられている。鑑別部4におい
て裏面と判定された紙幣が、この表裏取揃え機構部5に
送り込まれると、切替ブレード6が、図示しないマグネ
ットにより駆動され、その都度走行路を切替えて、全て
の紙幣が表を向くように積み重ねられる。
【0041】〈金種別収納庫と入出金ユニット〉装置本
体50の下部には、金種別収納庫8,9,10が配置さ
れている。金種別収納庫8は、千円券を収納する収納庫
である。金種別収納庫9は、万円券を収納する収納庫で
ある。また、金種別収納庫10も、万円券を収納する収
納庫である。これらの金種別収納庫8,9,10の上方
には、入出金ユニット18が配置されている。
【0042】入出金ユニット18には、千円券の一時保
留部24と、万円券の一時保留部25,26と、千円券
の集積部27と、万円券の集積部28,29と、千円券
の分離機構20と、万円券の分離機構21,22とが設
けられている。また、この他に、紙幣の走行路49に沿
って金種切分けゲート32,31,57が設けられてい
る。上記金種切分けゲート32,31,57は、図示し
ないマグネット等により駆動される。
【0043】鑑別部4で鑑別された後、紙幣が走行路4
9に搬送されてきた場合、金種切分けゲート32,3
1,57が動作し、例えば千円券の場合、千円券集積部
27に送り込まれる。千円券集積部27は、その千円券
を一時保留部24に集積する。一方、金種別収納庫8か
ら取出される千円券は、千円券分離機構21によって1
枚ずつ分離されて、走行路49に送り出される。尚、万
円券についても、同様の構成となっている。また、一時
保留部24,25,26に集積されている紙幣は、シャ
ッタ34,35,36が、図示しないモータにより駆動
され一斉に引抜かれることによって、金種別収納庫8,
9,10に落下するよう構成されている。金種別収納庫
8,9,10には、それぞれフル検知機37a,37
b,37cと、ニアフル検知機38a,38b,38c
と、エンド検知機39a,39b,39cとが設けられ
ており、各収納庫内の紙幣量が管理されている。
【0044】〈リジェクトカセット他〉また、入出金ユ
ニット18と一括収納庫11の間には、一括切分けゲー
ト16及び15が配置されている。搬送路60を、一括
切分けゲート15に向かって搬送されてきた紙幣は、一
括収納庫11に収納される場合、一括切分けゲート15
の動作によって一括集積部30側に案内される。また、
各金種別収納庫8,9,10に送り込まれる紙幣は、一
括切分けゲート16によって、先に説明した入出金ユニ
ット18の走行路49に送り込まれる。また、リジェク
トされる紙幣は、一括切分けゲート69によって一括収
納庫11に設けられた一括リジェクト部62か、あるい
は装置本体50の左隅に設けられたリジェクトカセット
7に送り込まれる。
【0045】一括収納庫11に設けられた一括リジェク
ト部62は、一括収納庫11の一括分離部23から繰り
出された紙幣が、鑑別部4において、重走あるいは斜行
と判定された場合に、該当する紙幣を収納するために設
けられている。リジェクトカセット7は、種々の原因で
出金不能または回収不能と判定された紙幣を収納するた
めに設けられている。リジェクトカセット7の内部に
も、集積部66,64及びフル検知機40b,40cが
設けられている。リジェクト部67は取り忘れ紙幣を収
容し、リジェクト部68はその他のリジェクト紙幣を収
容する。また、装置本体50の背面には、扉41が設け
られており、この扉41を開くことにより、一括収納庫
11が外部に引出される。一括収納庫11を外部に引出
すと、更に金種別収納庫8,9,10を引出すことがで
きるよう構成されている。
【0046】尚、リジェクトカセット7は、上記扉41
を開くことなく、別途抜取りが可能なように配置されて
いる。一括収納庫11や金種別収納庫8,9,10に
は、それぞれ共通の錠が取付けられており、監査キーを
用いて図示しない各収納庫の扉を開き、紙幣の装填及び
抜取り操作を行なうことができる。尚、図1の装置各部
には、紙幣を分離集積搬送するための動力源として、そ
れぞれ多数のモータ等が実装され、動力伝達機構が配置
されている。以上の装置の動作を、入金取引、出金取引
の手順に基づいて、順を追って説明する。
【0047】〈入金取引〉図11には、本発明の現金入
出金装置の入金取引時の断面図を示す。本発明に係る取
り忘れ紙幣の取込み動作は、この入金取引の動作に類似
したものである。先ず、顧客により図示しない入出金キ
ーが押下され、キャッシュカードを図8に示したカード
リーダライタ部52に挿入し、あるいは通帳を図8に示
した通帳記帳機53に挿入すると、現金自動取引装置5
1とセンターとの間で交信が行なわれる。この交信の結
果、本人確認が行なわれた場合、図8に示した現金自動
取引装置51の制御部56は、現金入出金装置50に対
し入金処理開始のコマンドを送信する。
【0048】図11において、現金入出金装置本体50
は、入金処理開始のコマンドを受信すると、その内部状
態を入金モードに切替えて、顧客が紙幣をセットするの
を待つ。この場合、接客口3は、先に説明した図10
(a)の入金ポジションが選択される。顧客が紙幣をセ
ットしたことを検知すると、接客口3のシャッタ42を
閉じる。図8に示した制御部56は、現金入出金装置5
0に対し、定期的にセンスコマンドを送信する。現金入
出金装置50は、そのセンスコマンドに対し“接客口に
紙幣セット有り”の情報を付加して、応答電文(レスポ
ンス)を返送する。
【0049】次に、制御部56は、現金入出金装置50
に対し、入金計数コマンドを送信し、接客口3にセット
された紙幣の計数を指示する。ここで、接客口3は、図
10(b)に示した分離ポジションをとり、図10
(b)に示した接客口3の紙幣分離機構59により、紙
幣を1枚ずつ分離し装置内部に取込む。この紙幣は、矢
印,,のルートを通って、鑑別部4に送り込まれ
る。鑑別部4では、搬送されてきた紙幣を、順次真偽鑑
別,正損判別及び走行状態検知を行なって後方へ送る。
鑑別部4において、偽券あるいは搬送異常券と判定した
ものは、矢印,のルートをたどり、表裏取揃え機構
部5に搬送され、1枚ずつ集積される。そして、図10
(c)に示す受取りポジションに接客口3をセットし、
表裏取揃え機構部5に集積された紙幣を接客口3に送り
込む。
【0050】このようにして、入金リジェクト紙幣は、
図10(d)に示した出金ポジションを経て顧客に返却
される。一方、鑑別部4において、正券あるいは損券
(循環対象外紙幣)と判断された紙幣は、一括切換えゲ
ート43を作動させて、矢印のように搬送路60に搬
送される。ここで、千円券の正券は、矢印のように、
入出金ユニット18の走行路49に向け搬送されて、千
円券切分けゲート57を作動させて千円券集積部27に
送り込まれる。こうして千円券は、一時保留部24に集
積される。同様に、万円券の正券は、金種切分けゲート
31の作動により集積部28を介して一時保留部25に
集積される。また、五千円券と損券は、金種切分けゲー
ト32を動作させて集積部29に送り込まれ、一時保留
部26に集積される。
【0051】以上の動作によって、接客口3に顧客がセ
ットした紙幣の入金計数処理が終了すると、現金入出金
装置50は、図8に示した制御部56に対して、入金計
数終了のレスポンスを返送する。このレスポンスには、
各金種別に計数した枚数を、還流紙幣と還流対象外紙幣
とに分けて表示したデータを付加する。制御部56は、
このデータを受けて、金種別金額と合計金額を演算し、
図8に示した顧客操作部54のディスプレイに表示す
る。また、このデータは、入金枚数としてカウントし記
憶される。顧客が、図8に示した顧客操作部54のディ
スプレイに表示された金額を確認し、その顧客操作部5
4の確認ボタンを押すと、現金入出金装置50は、その
コマンドを受信して、金種別収納庫8,9の一時保留部
24,25に集積していた入金紙幣を、一時保留部のシ
ャッタ34,35を同時に引抜くことによって、金種別
収納庫8,9内に収納する。
【0052】次に、金種別収納庫10の一時保留部26
に集積していた五千円券と損券を、分離機構22より1
枚ずつ分離し、走行路49から矢印方向に搬送して鑑
別部4に送り込む。そして、一括切換えゲート43と切
替ブレード63とを作動して、リジェクトカセット7の
下側の入出金リジェクト集積部64に送り込み、入出金
リジェクト部65に集積する。以上で入金取引の処理が
終了する。
【0053】〈出金取引〉図12に、本発明の現金入出
金装置の出金取引時の断面図を示す。本発明に係る取り
込み動作は、この出金取引動作後の現金の取り忘れの発
生後に行われる。顧客により、図8に示した顧客操作部
54の出金取引キーが押下され、キャッシュカードがカ
ードリーダライタ部52に挿入され、暗証番号が入力さ
れると、制御部56は、現金入出金装置50に対し出金
処理開始のコマンドを送信する。現金入出金装置50
は、出金処理開始のコマンドを受信すると、内部状態を
出金モードに切替えて、放出する紙幣の金種と枚数の指
示を待つ。
【0054】例えば、顧客により万円券m枚,千円券n
枚の金額が入力された場合、先ず、各金種別収納庫8,
9,10のエンド検知機39a,39b,39cが、そ
れぞれエンドを検知していないかどうかを判定する。何
れか1つの金種別収納庫でもエンド検知をしている場合
には、出金不可の情報をコマンドに付加してレスポンス
を返送する。エンド検知をしていない場合には、出金計
数の指示に従って、例えば、万円券取出しのための分離
機構21を作動して、万円券をm枚繰り出す。繰り出さ
れた紙幣は、矢印,,の走行路を経て、鑑別部4
に送り込まれる。鑑別部4では、指定通りの紙幣かどう
か表裏,正損を鑑別し、指定通りであれば一括切換えゲ
ート43を作動させて、,の矢印に沿って表裏取揃
え機構部5に紙幣を送り込む。鑑別部4において、紙幣
の表裏が判定されるから、その判定結果に基づいて切替
ブレード6が作動し、1枚ずつ表裏を取揃えて表裏取揃
え機構部5に集積する。
【0055】尚、鑑別部4において、搬送異常券と鑑別
した紙幣は、一括切換えゲート43及び切替ブレード6
3を作動させて、矢印,のルートをたどり、リジェ
クトカセット7の集積部64に送り込まれ、入出金リジ
ェクト部65に集積される。万円券を収納した金種別収
納庫9から、先に指示されたm枚の万円券が取出され、
鑑別され、表裏取揃え機構部5に集積されるまで、上記
動作が繰り返される。万円券の集積が終了すると、次
は、千円券を収容した金種別収納庫8からn枚の千円券
が取出される。
【0056】以上の動作の結果、表裏取揃え機構部5
に、顧客の指定したm枚の万円券とn枚の千円券が集積
されると、図10(c)に示した受取りポジションに接
客口3が設定され、表裏取揃え機構部5に集積された出
金紙幣を接客口3内に取込み、そして、図10(d)に
示した出金ポジションに切替えることによりシャッタ4
2を開き、顧客に紙幣を渡し、その後シャッタ42を閉
じる。制御部56からの指示枚数の出金が終了すると、
現金入出金装置50は、制御部56に対し処理終了のレ
スポンスを返送する。そのとき、放出金種とその枚数の
データを付加する。制御部56は、これを受信して、出
金枚数としてカウントし記憶しておく。以上で出金取引
処理が終了する。
【0057】尚、接客口3において紙幣を顧客が取り忘
れた場合は、接客口3で取り忘れた紙幣を再分離し、鑑
別部4の矢印方向に1枚ずつ送り込み、一括切換えゲ
ート43及び切替ブレード69及び63を作動させて、
今度はリジェクトカセット7の取り忘れ集積部66に送
り込み、リジェクト部67に集積する。尚、本発明は上
述した実施例に限定されるものではなく、種々の変形が
可能であることはいうまでもない。例えば、上述した実
施例では、一括収納庫11を備えた装置について説明し
たが、このような一括収納庫のない装置についても本発
明を適用することができる。
【0058】
【発明の効果】(1)以上説明した本発明の装置は、顧
客が接客口に現金を取り忘れた場合に、取忘れ紙幣鑑別
制御手段が紙幣を鑑別し、鑑別結果を鑑別結果記憶部に
記憶する一方、取り忘れた紙幣全てが真券と判定され
つ金種及び枚数が一致した場合は、取り忘れた現金を金
種別収納庫に回収し、取り忘れた紙幣のうち1枚でも真
券と判定されない場合は、取り忘れ紙幣の全てを取り込
み収納庫に収納するようにしたので、次のような効果が
ある。即ち、顧客が紙幣を取り忘れた場合において、一
部の紙幣のみを取り忘れる場合や誤って取引伝票等を接
客口に投入した場合などの状態に対して、顧客の取り忘
れたものの全てが取り込み収納庫に収納されているた
め、取り忘れた紙幣等が明確になり、顧客とのトラブル
を防止できる。また、取り忘れ取り込み時にリジェクト
が発生しないときには、顧客とのトラブルも発生しない
ため、取り忘れ紙幣を金種別収納庫に収納し、資金を効
率的に運用することが可能である。また、従来の装置の
ように、取り忘れが発生したときに装置の全体を停止さ
せる必要がなく、取り忘れ紙幣の取り込み時にリジェク
トが発生する取引が重発しない限り効率的な装置の稼働
が期待できる。
【0059】(2)取り忘れ紙幣の取り込み時の紙幣鑑
別結果の金種ごとの枚数と、直前の出金取引の金種ごと
の枚数が一致したときのみ、取り忘れ紙幣を金種別収納
庫に収納するようにし、一致しない時は取り忘れ紙幣の
全てを取り込み収納庫に収納するようにしたため、顧客
とのトラブルを更に確実に防止でき、資金の効率的運用
も可能である。 (3)取り忘れ紙幣の取り込み時の紙幣鑑別結果の金種
ごとの枚数と、直前の出金取引の金種ごとの枚数が一致
したときのみ、取り忘れ紙幣を金種別収納庫に収納する
とともに、直前の出金取引をセンタの計算機の記録デー
タから取り消すようにしたため、資金の効率的運用が可
能であるとともに、紙幣を取り忘れた顧客が取り忘れた
装置まで再度出向き、行員等に取り忘れの有無について
確認する必要がなく、最寄の現金自動取引装置により、
取引結果と残高を確認すればよいようにできる。
【0060】(4)取り忘れ紙幣の取り込み時の紙幣鑑
別結果の金種ごとの枚数と、直前の出金取引の金種ごと
の枚数が一致したときのみ、取り忘れ紙幣を金種別収納
庫に収納するとともに、取り忘れた紙幣の鑑別結果及び
顧客情報により、紙幣を取り忘れた顧客が取り忘れに気
が付いたときに該当する現金自動取引装置から顧客情報
と取り忘れた顧客の顧客認証が確認された場合、通常の
出金取引と同様に接客口から取り忘れ紙幣を返却するよ
うにしたため、紙幣を取り忘れた顧客の返却請求の度に
行員等が装置まで出向く必要がなく、更に、返却の度に
装置を停止させる必要がなく効率的に装置を運用するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の現金入出金装置の断面図である。
【図2】従来の現金入出金装置要部縦断面図である。
【図3】本発明の装置の要部ブロック図である。
【図4】鑑別結果記憶部データフォーマットである。
【図5】本発明の装置の動作説明図である。
【図6】本発明の装置の動作フローチャート(その1)
である。
【図7】本発明の装置の動作フローチャート(その2)
である。
【図8】現金自動取引装置の全体図である。
【図9】本発明の現金入出金装置のブロック図である。
【図10】接客口の動作説明用断面図である。
【図11】本発明の現金入出金装置の入金取引時断面図
である。
【図12】本発明の現金入出金装置の出金取引時断面図
である。
【符号の説明】
8,9,10 金種別収納庫 7 リジェクトカセット(取り込み収納庫) 50 装置本体 80a 計数管理部 80b 現金回収手段 80c 現金分配手段 89a 取忘れ紙幣鑑別制御手段 89b 鑑別結果記憶部 89f ゲート制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鮎貝 賢美 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電 気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−86479(JP,A) 特開 平5−282513(JP,A) 特開 平5−35954(JP,A) 特開 平4−242886(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 現金を金種ごとに収納する金種別収納庫
    と、 装置本体に設けられ、前記現金を前記金種別収納庫に分
    配する現金分配手段と、 前記金種別収納庫に分配される前記現金を、搬送路上で
    鑑別する鑑別部と、 顧客に対して現金を出金する場合に、その現金を差出す
    接客口と、 前記接客口に差出されたままの取り忘れ紙幣を、前記鑑
    別部に送り込んで鑑別させる取忘れ紙幣鑑別制御手段
    と、 前記取り忘れ紙幣を一括して取り込むための取り込み収
    納庫と、 前記鑑別部による鑑別の結果、前記取り忘れ紙幣の全て
    が真券と鑑別され、かつ該取り忘れ紙幣の金種ごとの枚
    数と顧客に対して出金した金種ごとの枚数とが一致する
    と、前記取り忘れ紙幣を前記金種別収納庫に回収させ、
    前記鑑別の結果、前記取り忘れ紙幣の全てが真券と鑑別
    されても該取り忘れ紙幣の金種ごとの枚数と顧客に対し
    て出金した金種ごとの枚数とが不一致のときは、該取り
    忘れ紙幣を一括して前記取り込み収納庫に回収させるゲ
    ート制御手段と、 前記鑑別部の鑑別結果に基づいて前記取り忘れ紙幣の少
    なくとも金額及び金種枚数を記憶する鑑別結果記憶部と
    を備えたことを特徴とする現金入出金装置。
  2. 【請求項2】 前記取忘れ紙幣鑑別制御手段は、顧客の
    口座番号及び暗証番号を入力することにより前記鑑別結
    果記憶部を参照し、前記金種別収納庫に収納された取り
    忘れ紙幣と金種ごとに同一の枚数の紙幣を接客口に送り
    出すことを特徴とする請求項1記載の現金入出金装置。
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