JP3156496U - 割り付け用巻尺 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量鉄骨工法による建物の天井や壁内装部に設置する下地材の割付等など一定ピッチの割付工事において簡単かつ正確に割付作業を実施できる割付け用巻尺を提供する【解決手段】測尺帯1の表面に、先端から複数種の割り付けピッチの整数倍に対応する各長さ位置に、割り付けピッチの種類毎に形状又は/及び色調の異なる表示マークM1〜M4を設けられてなる。【選択図】図1
Description
本考案は、ビル等の建物における天井下地や壁内装下地を施工する際、下地材の割り付けを行うのに好適な割り付け用巻尺に関する。
近年のビル等の非木造建築における天井部や壁内装部の下地には、LGS(軽量鉄骨)工法が汎用されている。その天井下地では、天井側コンクリート躯体の表面にMバーを一定間隔置きに固着し、これらMバーに直交するチャンネル材を一定間隔置きに取り付け、これらチャンネル材に天井パネルの吊りボルトを一定間隔置きに垂設するようになっている。また、天井パネルは、野縁受け及び野縁を介して吊りボルトの下端部に吊持させるのが普通である。一方、壁内装部では、天井側と床側に固着した上下のランナー間に、縦バーであるスタッドを一定間隔置きに取り付け、これらスタッドに石膏ボード等の内装パネルをねじ止めするようになっている。
しかして、上記LGS工法による天井施工や壁内装施工においては、上記のMバー、チャンネル材、野縁受け、野縁等の天井下地材や、上記スタッドの如き壁内装下地材の配設位置を定めるための割り付けを行う。その割り付けピッチは略規格化されており、例えば天井下地材のMバーでは303mm及び455mm、壁内装下地材のスタッドでは227.5mm、303mm及び364mmになっている。
従来、この割り付け作業では、作業者が巻尺や折り尺を用いて所定ピッチ毎に長さを測り、順次測定位置を変えながら取付対象物にマーキングペン等で印を付けてゆくか、基準位置に先端を合わせた巻尺や折り尺を取付対象物に沿って長く伸長させた状態で、所定ピッチの整数倍の長さを順次計算しながら各対応位置に同様に印を付けてゆくのが普通であった。
しかしながら、上記従来の巻尺や折り尺を用いた割り付け作業では、順次測定位置を変えながら印を付けてゆく場合、操作的に煩雑になって能率が悪い上、前の測定終端と次の測定始端の位置がずれ易く、割り付け精度に劣ると共に、その誤差の蓄積によって割り付けに狂いを生じることが多々あった。また、巻尺や折り尺を長く伸長させた状態で所定ピッチの整数倍の各対応位置に印を付けてゆく場合、長さの計算が非常に面倒である上、計算間違いや目盛りの読み違いで誤った位置に印を付けてしまい、施工不良になって作業のやり直しを余儀なくされることも往々にしてあった。
本考案は、上述の事情に鑑みて、割り付け用巻尺として、目盛りを読み取ることなく簡単に正確な割り付けを行える上、複数種の割り付けピッチに対応できるものを提供することを目的としている。
上記目的を達成するための手段を図面の参照符号を付して示せば、請求項1の考案に係る割り付け用巻尺は、測尺帯1の表面に、その先端から複数種の割り付けピッチP1〜P4の整数倍に対応する各長さ位置に、割り付けピッチP1〜P4の種類毎に形状又は/及び色調の異なる表示マークM1〜M4が設けられてなるものとしている。
請求項2の考案は、上記請求項1の割り付け用巻尺において、割り付けピッチP1〜P4が軽量鉄骨構造の天井下地用又は/及び壁内装下地用の割り付けピッチである構成としている。
請求項3の考案は、上記請求項1又は2の割り付け用巻尺において、割り付けピッチP1〜P4が、227.5mm、303mm、364mm、455mmより選ばれる少なくとも2種である構成としている。
請求項4の考案は、上記請求項1〜3の何れかの割り付け用巻尺において、測尺帯1の表面に、表示マークM1〜M4と共に尺度目盛りSが表示されてなる構成としている。
請求項5の考案は、上記請求項1〜4の何れかの割り付け用巻尺において、複数種の割り付けピッチP1〜P4の表示マークM1〜M4が、割り付けピッチP1〜P4の種類毎に測尺帯1の一側縁1a側と他側縁1b側とに分けて設けられてなる構成としている。
請求項6の考案は、上記請求項1〜5のいずれかの割り付け用巻尺において、測尺帯1の捲き込みケース2を備えると共に、該測尺帯1の先端にフック金具3が止着されてなる構成としている。
次に、本考案の効果について図面の参照符号を付して示す。まず、請求項1の考案に係る割り付け用巻尺によれば、その側尺帯1の先端を割り付け対象物の割り付け始端位置に合わせ、該側尺帯1を割り付け方向に沿って伸長させた状態で、複数種の割り付けピッチP1〜P4の表示マークM1〜M4の内、目的とするピッチに対応したマークの各位置で割り付け対象物の表面に適当なマーキング具によって印を付けるだけの簡単な操作により、該割り付け対象物の表面に所定ピッチの割り付けを施すことができる。しかして、表示マークM1〜M4は割り付けピッチP1〜P4の種類毎に形状又は/及び色調が異なるから、目的とするピッチの割り付け位置を容易に識別できる上、割り付けのために尺度目盛りを読んだりピッチの倍数長さを計算したりする必要がなく、表示マークM1〜M4の形状又は/及び色調だけを目安にして極めて能率よく正確な割り付けを行える。
請求項2の考案に係る割り付け用巻尺では、割り付けピッチP1〜P4が軽量鉄骨構造の天井下地用又は/及び壁内装下地用の割り付けピッチであるから、軽量鉄骨構造の天井施工や壁内装施工に重宝に利用できる。
請求項3の考案に係る割り付け用巻尺では、割り付けピッチP1〜P4が、227.5mm、303mm、364mm、455mmより選ばれる少なくとも2種であるから、特に軽量鉄骨構造の天井下地又は/及び壁内装下地に採用される頻度が高い割り付けピッチに対応できる。
請求項4の考案に係る割り付け用巻尺では、測尺帯1の表面に表示マークM1〜M4と共に尺度目盛りSが表示されているから、割り付けと共に通常の巻尺同様に長さ測定に利用できる。
請求項5の考案に係る割り付け用巻尺では、複数種の割り付けピッチP1〜P4の表示マークM1〜M4が割り付けピッチP1〜P4の種類毎に測尺帯1の一側縁1a側と他側縁1b側とに分けて設けられているから、測尺帯1の両側縁1a,1bの各側に表示される割り付けピッチの表示マークの種類が少なくなり、それだけ割り付けピッチP1〜P4間の区別がし易くなる。
請求項6の考案に係る割り付け用巻尺では、不使用時に測尺帯1を捲き込みケース2に捲き込んで収容できると共に、割り付け作業において該測尺帯1を捲き込みケース2から引き出す際、先端のフック金具3を割り付け対象物の割り付け始端部に掛止して該測尺帯1を簡単に長く伸長させることができるため、作業能率がより向上する。
図1及び図2に示す本考案の一実施形態に係る割り付け用巻尺は、ばね鋼等よりなる測尺帯1と、合成樹脂製の捲込みケース2とで構成されており、捲込みケース2のスリット状の導出口4から引き出した測尺帯1を内蔵の弦巻ばね(図示省略)によって自動的に捲き込み収納できると共に、該測尺帯1をスライド式ロック5によって任意の引出し状態で引き込み不能に保持できるようになっている。そして、測尺帯1の表面には、4種の割り付けピッチP1〜P4に対応する表示マークM1〜M4と、2mm刻みの尺度目盛りSと、が表示されている。また、測尺帯1の先端には、側面視L字状のフック金具3がフック部3aを背面側へ直角に突出した状態で鋲3bによって止着されている。
上記4種の割り付けピッチP1〜P4には、軽量鉄骨構造の天井下地用及び壁内装下地用の割り付けピッチを採用している。すなわち、ピッチP1はピッチ幅303mmで表示マークM1を赤丸、ピッチP2はピッチ幅455mmで表示マークM2を赤三角、ピッチP3はピッチ幅227.5mmで表示マークM3を黒丸、ピッチP4はピッチ幅364mmで表示マークM4を黒三角、に各々設定している。そして、割り付けピッチP1,P2の表示マークM1,M2は測尺帯1の一側縁1a側に、割り付けピッチP3,P4の表示マークM3,M4は測尺帯1の他側縁1b側に、それぞれ測尺帯1の先端からピッチ幅の整数倍に対応する各長さ位置に表示されている。
また、尺度目盛りSは測尺帯1の両側縁1a,1bに沿って同じ形で設けられると共に、該測尺帯1の先端から10cm毎の長さ数値f1が該測尺帯1の幅方向中央部に、これら長さ数値f1,f1間における1cm毎の長さ数値f2が該測尺帯1の両側縁1a,1bに沿って、それぞれ表記されている。なお、図1では尺度目盛りSの2mm刻みの表示線及び1cm毎の長さ数値f2を省略すると共に、図2でも測尺帯1の先端から30cm以降は尺度目盛りSの2mm刻みの表示線を省略している。
4種の割り付けピッチP1〜P4の表示マークM1〜M4の巻尺始端からの距離は次の表1の通りである。なお、表1に示すように、ピッチP1,P2の表示マークM1,M2の位置は両ピッチの最小公倍数に相当する910mm毎に一致し、同様にピッチP3,P4の表示マークM3,M4の位置も1820mm毎に一致するため、これら一致する位置では表示マークM1,M2ならびに表示マークM3,M4を合体した形、つまり三角と半円が合わさった形(図2における910mmの表示マークM1,M2を参照)で表示している。なお、割り付けピッチP1のピッチ幅303mmは公称であって厳密には303+1/3mmであるため、その3n倍は(909×n)mmでなく、(910×n)mmになっている。
上記構成の割り付け用巻尺を用いて軽量鉄骨構造の天井下地及び壁内装下地の割り付けを行う場合、その側尺帯1の先端のフック金具3を割り付け対象の下地材又はその取付基体の割り付け始端部に掛止し、該測尺帯1を割り付け方向に沿って長く伸長させた状態で、割り付けピッチP1〜P4の表示マークM1〜M4の内、目的とする割り付けピッチに対応したマークの各位置において割り付け対象の表面に適当なマーキング具によって印を付ければよい。このとき、表示マークM1〜M4は割り付けピッチP1〜P4の種類毎に形状又は/及び色調が異なるから、目的とするピッチの割り付け位置を容易に識別できる上、従来の巻尺や折り尺を用いる場合のように尺度目盛りを読んだりピッチの倍数長さを計算したりする必要がなく、表示マークM1〜M4だけを目安にして極めて簡単に能率よく、しかも正確な割り付けを行える。
また、この割り付け用巻尺では、ピッチ幅の異なる4種の割り付けピッチP1〜P4のいずれにも適用できると共に、尺度目盛りSを有するから、長さ計測用の通常の巻尺としても使用できる上、マーキング後の割り付けピッチ幅の確認にも利用できる。なお、尺度目盛りSの刻み単位と表示形態、長さ数値の表記形態表示間隔等については、実施形態以外に種々設定できる。
本考案の割り付け用巻尺では、測尺帯1の表面に施す表示マークとして、例示した4種の割り付けピッチP1〜P4の表示マークM1〜M4に限らず、各種屋根材、外壁材、垂木、壁クロス、フローリング、タイル、煉瓦やコンクリートブロック等の種々の割り付け施工で採用される複数種の割り付けピッチ幅に対応するものを表示できると共に、その形状及び色調も様々に設定できる。ただし、軽量鉄骨構造の天井下地用又は/及び壁内装下地用の割り付けピッチに対応する表示マークを施せば、割り付け作業の多い軽量鉄骨構造の天井施工や壁内装施工に重宝に利用でき、特に割り付けピッチP1〜P4として例示した227.5mm、303mm、364mm、455mmより選ばれる少なくとも2種のピッチ幅を選択すれば、上記の天井下地や壁内装下地に採用される頻度が高い割り付けピッチに対応できる。
また、採用する割り付けピッチの種類については、2種以上で上限はないが、余りに多すぎては表示マークの識別が困難になるため、10種以下が推奨される。しかして、割り付けピッチの表示マークは、測尺帯1の幅方向中央部に設けてもよいが、実施形態のように割り付けピッチの種類毎に測尺帯1の一側縁1a側と他側縁1b側とに分けて設けるようにすれば、測尺帯1の両側縁1a,1bの各側における表示マークの種類が少なくなり、それだけ割り付けピッチ間の区別がし易くなる。
更に、測尺帯1としては、実施形態の如き金属製に限らず、プラスチック、布、樹脂含浸布、これらの積層物等の種々の材質を採用できる。その他、本考案においては、捲込みケース2の形態、フック金具3の形態と測尺帯1への取付構造、測尺帯1を任意の引出し状態で保持するロック機構の有無と形態、捲込みケース2の他の付属機構等、細部構成については実施形態以外に種々設計変更可能である。
1 測尺帯
1a 一側縁
1b 他側縁
2 捲き込みケース
3 フック金具
M1〜M4 表示マーク
S 尺度目盛り
1a 一側縁
1b 他側縁
2 捲き込みケース
3 フック金具
M1〜M4 表示マーク
S 尺度目盛り
Claims (6)
- 測尺帯の表面に、その先端から複数種の割り付けピッチの整数倍に対応する各長さ位置に、割り付けピッチの種類毎に形状又は/及び色調の異なる表示マークが設けられてなる割り付け用巻尺。
- 前記割り付けピッチが軽量鉄骨構造の天井下地用又は/及び壁内装下地用の割り付けピッチである請求項1に記載の割り付け用巻尺。
- 前記割り付けピッチが、227.5mm、303mm、364mm、455mmより選ばれる少なくとも2種である請求項1又は2に記載の割り付け用巻尺。
- 測尺帯の表面に、前記表示マークと共に尺度目盛りが表示されてなる請求項1〜3の何れかに記載の割り付け用巻尺。
- 複数種の前記割り付けピッチの表示マークが、割り付けピッチの種類毎に測尺帯の一側縁側と他側縁側とに分けて設けられてなる請求項1〜4の何れかに記載の割り付け用巻尺。
- 測尺帯の捲き込みケースを備えると共に、該測尺帯の先端にフック金具が止着されてなる請求項1〜5の何れかに記載の割り付け用巻尺。
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