JP3156356U - 開閉式日除け - Google Patents

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寛昭 木原
寛昭 木原
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Abstract

【課題】強風時や不使用時には完全に折畳んで左右両側或いは中央に寄せ集めてコンパクトにまとめることができるとともに、使用の際には風と光の通過量を簡単に調整することができる開閉式日除けを提供する。【解決手段】開閉自在及び折畳自在に一体化された開閉部を有するシェード本体30を備え、各シェード本体30を立て付ける枠体20には、上部構造部である庇Rに固定される上部枠20Aと、下部構造部であるフェンスFに固定される下部枠20Bとを備え、上部枠20A及び下部枠20Bにはそれぞれガイドレールを設けるとともに、各シェード本体30側の開閉部を構成する複数の板材(スラット)の上端部及下端部にはガイドレールに係合する回転部材を設け、開閉部に設けた框部材には仮止め金具(ストッパ)を設け、各シェード本体30の互いに対向する框部材には、互いに相手側のシェード本体30の框部材と一体に連結可能な連結手段を設けた。【選択図】図1

Description

本考案は、使用の際に必要に応じて風と光の通過量を簡単に調整することができ、また普段使わないときには完全に折り畳んでコンパクトにまとめることができる、開閉式日除けに関するものである。
従来、強い日差しを遮るのに最も簡便な手段として、一般に家屋の窓などに小型の「簾(すだれ)」を吊下げて使用したり、「葦簀(よしず)」を立て掛けることなどが行われてきている。ところで、これら簾や葦簀などの日除けは、その販売などに当たって、通常、ロール状に巻き付けて嵩低くなるようにして包装され、取り扱いが容易なようになされている。
一方、この種の商品は、使用される箇所が建築手法上標準寸法に仕上げられている関係から、幅寸法などが所定寸法に仕上げられて販売されている。また、例えば小型の簾などの場合には、窓枠などを利用して取付けられた吊金具に掛け止めて吊下げるようにされている。このため、その上下端部には剛性のある緊張部材がそれぞれ付され、使用時に吊下げられる遮光部が展開状態を維持できるようになされている。そして、上下両端部の緊張部材は、所要幅寸法に相当する長さの一本ものであるので、吊下げられる遮光部分は緊張部材の長さ寸法で吊下げ長さ相当分を巻き付けるか吊下げ長さ方向に適宜寸法で折り畳むようにして取り扱われている。
また、通常、「簾」のような日除けにあっては、窓枠外に配設された吊金具に、上端部の緊張部材に付設の掛け金で吊り掛けて垂らした状態にて使用されるのが一般的であるので、日差しが室内まで差し込まない季節になると不要になる。ところが、不要になると取り外すのは厄介であるので、巻き上げてそのままにしておく場合が多い。このとき、下端部から巻き上げた遮光部分を保持するのに、「簾」を形成する多数編まれた横材間に別途紐を通して縛るなどして仮保持していることが多い。あるいはこの操作を容易に行うための巻き上げ器などについての提案もなされている。
しかしながら、従来、汎用されている「簾」やこれに類する日除けは、全体的に嵩張り、特に「簾」の場合、その構成上編み上げられている横材が、天然物の葦や竹ひごあるいは合成樹脂製の細いパイプ材というように折り曲げると用を成さない材料が使用されている。従って、生産者から需要者までの流通段階での取り扱いが不便であると同時に、輸送コストが嵩むという問題点がある。また、使用者も例えば日差しの強い季節を過ぎて使用しなくなると、嵩張るために収納するのに不便であるという問題がある。
また、使用時にも前述のように「簾」を巻き上げて仮保持するのに別途に紐を準備しておいてその紐を用いて「簾」の一部を通して縛るというような操作を行うのでは不便である。
そこで、使用されないときには折り畳むことができて嵩低くでき、使用に際しては展開状態を維持できる構成とされ、取扱いを容易にした日除けが提案されている(例えば、特許文献1参照)。即ち、この日除けは、図17に示すように、遮光機能を備えて折り曲げ可能な可とう性材料で所要寸法に形成される遮光ウエブ材101に、緊張部材102をその両端で一体的に取付けて、一方の緊張部材102に吊り掛け金具103を取付けてなる日除け100であって、緊張部材102は中間部で分断され、その緊張部材102の分断部分102Aには、使用時に外部から所要区間で緊張部材102の外周面を被覆して一体的に繋いで遮光ウエブ材101を展開保持する着脱固定可能な継ぎ手部材104が装着されている。なお、図中符号105は係止紐、106は止め具を示す。
特開2005−163332号公報
ところで、このような日除けにあっては、嵩高を低くして折り畳むことができる点では好ましいものであるが、風や光の通過量が調整できる構成となっていない。従って、日差しの強さや風量に応じて通過量を好みの量に変更できない。さらに、このような簾は、一般に、上部のみで固定して吊下げる構成であるので、ある程度の強さを上回る風が吹くときには折畳んで風を避けるようにするか、取外すような措置が必要であるが、その折畳み作業や取外し作業はそれほど簡単ではない。
そこで、本考案は、上記した事情に鑑み、強風時や不使用時には完全に折畳んでコンパクトにまとめることができるとともに、使用の際には風と光の通過量を簡単に調整することが可能な開閉式日除けを提供することである。
上記目的を達成するために、本考案の開閉式日除けは、
(1) 庇などの上部構造部とフェンスなどの下部構造部とで構成する、上部及び下部の構造部の間に、左右両端側に框部材が取付けられているとともに開閉自在及び折畳自在に一体化された開閉部を有する、シェード本体を備え、
前記上部構造部及び下部構造部の前記各シェード本体を立て付ける枠体には、前記上部構造部に固定される上部枠と、前記下部構造部に固定される下部枠とを備え、
前記上部枠及び下部枠にはそれぞれガイドレールを設けるとともに、前記各シェード本体側の前記開閉部を構成する複数の板材(スラット)の上端部及下端部には前記ガイドレールにスライド自在に係合する回転部材を設け、
前記開閉部に設けた框部材には仮止め金具(ストッパ)を設け、
前記各シェード本体の互いに対向する框部材には、互いに相手側のシェード本体の框部材と一体に連結可能な連結手段を設けた、ことを特徴とする。
この構成によれば、庇などの上部構造部とフェンスなどの下部構造部との間に上部枠及び下部枠を介して設置した各シェード本体の開閉部の両端部を構成する框部材の少なくとも何れか一方をスライドさせることで、開閉部を構成するスラット間の開閉角度を変化させることができるので、風や光の通過量を自在に変更できる。
また、この構成によれば、台風などの強風のときや全く使用しない季節などには、各開閉部について引き分けることで、つまり、その両端部に設けた框部材を引き寄せるようにして移動させることで、簡単に小さく折畳むことができる。即ち、台風などの強風のときや全く使用しない季節などには、邪魔にならないようにコンパクトに折畳んで片隅に寄せておくことができる。
(2)、前記(1)に記載の開閉式日除けにおいて、
前記シェード本体の上部回転部材は、支持材に水平軸を介して回転可能に取り付けられたローラを備え、
前記複数の板材に対して前記ローラが交互に相反位置となるように前記支持材を板材にそれぞれ取り付け、
前記上部枠のガイドレールは、前記支持材を摺動させるスリットを挟んで平行に2列設けられ、
この2列のガイドレールに対して前記ローラが交互に2列に係合してそれぞれ移動するように構成されている、ことを特徴とする。
この構成によれば、シェード本体の移動手段であるガイドレールが、簡単な構造のもので実現可能となるので、製造コストの削減にもつながる。
(3)、また、前記(2)に記載の開閉式日除けにおいて、
前記シェード本体を立て付ける枠体は、上部枠と、下部枠とから構成され、
前記上部枠及び下部枠は建物の外壁にビス止めする取付部が上下に設けられ、
上部枠の上取付部及び下部枠の下取付部は断面略コ字形に形成され、
ビス止めしたビスが外部に露出しないように隠蔽材をそれぞれ嵌着する、ことを特徴とする。
この構成によれば、シェード本体を立て付ける上部枠体及び下部枠体が、上部構造部及び下部構造部に簡単取付けられる構造なので、現場での設置が容易でさらにコストの削減にもつながる。
(4)、前記(1)ないし(3)のいずれかに記載の開閉式日除けにおいて、
前記枠体と同じ材質で形成された下地枠体を建物の外壁に取り付け、この下地枠体に対して前記枠体を取り付ける、ことを特徴とする。
この構成によれば、建物の開口部に取り付けられているサッシュ又はサッシュに装備されている網戸が外壁面より外方に突出している場合には、枠体を外壁面に直付けすると、例えばシェード本体2がサッシュ又は網戸に接触して開閉できず、或いは開閉に支障を来たすことがある。このような場合であっても、建物の外壁に下地枠体を取り付け、この下地枠体に対して枠体を取り付けることにより、シェード本体とサッシュ又は網戸との間に充分な空間を保持して接触を防止しながら、開閉式日除けを設置できる。
本考案の開閉式日除けは、上部構造部と下部構造部とで構成する、上部及び下部の構造部の間に、左右両側に框部材が取付けられているとともに開閉自在及び折畳自在に一体化された開閉部を有するシェード本体を備え、上部構造部及び下部構造部の各シェード本体を立て付ける枠体には、上部構造部に固定される上部枠と、下部構造部に固定される下部枠とを備え、上部枠及び下部枠にはそれぞれガイドレールを設けるとともに、各シェード本体側の開閉部を構成する複数の板材(スラット)の上端部及下端部にはガイドレールに係合する回転部材を設けている。従って、強風時や不使用時には、開閉部を自由に折畳んで左右両側に引き分け、或いは中央に寄せ集め、コンパクトにまとめることができるとともに、使用の際には風と光の通過量を簡単に調整することが可能になるという利点がある。
本考案の第1の実施形態を示す側面図である。 その正面図である。 (A)及び(B)は本考案の上部枠及び下部枠(枠体)を示す断面図である。 (A)及び(B)は本考案の開閉部を連結させた状態及び引き分けた状態を示す平面図である。 本考案の開閉部の一部を構成する板材(スラット)を示す断面図である。 本考案の開閉部の一部を構成する連結杆を示すものであり、(A)は長連結杆、(B)は短連結杆をそれぞれ示す断面図である。 (A)及び(B)は本考案の開閉部のうち外側框寄りのものを一部開いた状態及び完全に開いた状態を示す説明図である。 (A)及び(B)は本考案の開閉部のうち連結框寄りのものを一部開いた状態及び完全に開いた状態を示す説明図である。 (A)及び(B)は本考案の開閉部のうち被連結框寄りのものを一部開いた状態及び完全に開いた状態を示す説明図である。 本考案の開閉部の連結杆の取り付け状態を示す断面図である。 (A)及び(B)は、それぞれ、本考案の開閉部と上部回転部材及び下部回転部材との接続状態を示す断面図である。 (A)及び(B)は、それぞれ、本考案の開閉部と連結框及び連結框寄りとの接続状態を示す断面図である。 (A)は、本考案の一方側の開閉部を完全に開いた状態を示す説明図、(B)及び(C)はその開閉部の開き具合を変更させた状態を示す説明図である。 (A)は、本考案の左右一対の開閉部における完全に開いた状態を示す説明図、(B)はその開閉部の開き具合を変更させた状態を示す説明図、及び(C)は片側の開閉部のみ折り畳んだ状態を示す説明図である。 本考案の左右一対の開閉部を完全に折り畳んだ状態を示す正面図である。 本考案の第2の実施形態における開閉部の上部側での下地枠体を介した上部構造部への取り付け状態を示す側面図である。 従来の日除け(簾)を示す説明図である。
以下、本考案について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1及び図2は、本考案に係る開閉式日除けを示すものであり、この実施形態の開閉式日除け10は、ベランダのフェンスFと庇Rとの間に渡して設置されており、枠体20と、開く方向が逆になった左右1組のシェード本体30と、回転部材40と、仮止め金具(ストッパ)50と、連結手段60と、を備えている。なお、図中符号Bはバルコニー、Dは防火壁、Gはガラス戸、Sは網戸を示す。
枠体20は、大略構成として、上部枠20Aと、下部枠20Bと、を備えており、いずれもアルミニウム材で押し出し成形によって形成されている。
このうち、上部枠20Aは、図3(A)に示すような断面形状を有するとともに、下向きに開口するスリット22Aを設けたガイド室21Aを有しており、上部構造部であるコンクリート製の庇Rに取り付けられている。また、このガイド室21A内部のスリット22Aを挟んだ両側の内面(床面)には、並設された2列のガイドレール23Aが断面略凹溝形に設けられている。また、ガイド室21Aには、内面(内部の天井面)に、複数のねじ孔24Aが長さ方向(横方向)に沿ってそれぞれ所定の間隔をあけて設けられている。
下部枠20Bは、図3(B)に示すような断面形状を有するとともに、上向きに開口するスリット22Bを設けたガイド室21Bを有しており、下部構造部であるアルミなどの金属製のフェンスFに取り付けられている。このガイド室21B内部のスリット22Bを挟んだ両側の内面(天井面)には、並設された2列のガイドレール23Bが、断面略凹溝形に設けられている。又、ガイド室21Bには、内部の床面に、複数のねじ孔24Bが、長さ方向(横方向)に沿ってそれぞれ所定の間隔をあけて設けられている。この下部枠20Bは上部枠20Aと上下対称の形状であるため兼用することが可能である。これにより、上部枠20Aと下部枠20Bとは別個に製作する必要がないため、コストの低減を図ることができる。
シェード本体30は、図4に示すように、枠体20内にスライド可能に立て付けるようになっており、開閉部31と、この開閉部31の両側に取付けた框部材36とを備えている。
なお、このシェード本体を構成する開閉部としては、左右対称で一対のもの(1組)の他に、これと同じものを複数組引き分け可能な状態で設置してもよいし、同方向に光や風を取り込むように複数の同じ形状・構成のものを1組として引き分け可能な状態で2つ以上組み合わせてもよい。また、上記1組のものの他に、同方向に光や風を取り込むように同じ形状のものを引き分け可能に付加した構成など、各種の組み合わせ方が可能である。さらに、このシェード本体を、単一のものだけで構成してもよい。
このうち、開閉部31は、図5に示す複数の板材(スラット)33と、これらの板材33を開閉自在に連結する連結部材である、図6に示す複数の連結杆34とから構成されている。板材33は、金属板材、樹脂板材、パンチングメタル板材、木板材等、その材質は特に限定されない。本実施形態では、図5に示すように、アルミニウム材で押し出し成形により一体に形成され、内部に複数のリブ33Aで仕切られた空間部33Bを有し、両端部付近とほぼ中央部には断面略C字形のビス受け部33Cが設けられ、一方の端部には断面略C字形のガスケット取付部33Dが設けられている。ビス受け部33Cにはねじ溝が設けられていないが、ビスをねじ込むことで内面にねじ溝が切られてビスを固定する、所謂、木ねじなどを用いるようにしてもよい。
板材33の表面要所には微細な凹凸部(例えば、梨地加工や、エンボス加工など)が設けられている。即ち、リブ33Aに対応する一方の表面に微細な凸部33Eが長手方向に沿ってそれぞれ設けられ、リブ33Aに対応する他方の表面には複数の微細な凹部33Fが長手方向に沿ってそれぞれ設けられている。
微細な凸部33Eは、開閉部31が図4のように折り畳まれた時に、隣接する板材33の表面同士が接触する面積を大幅に減少させて、板材33の表面にすり傷が付かないように配慮したものである。複数の微細な凹部33Fは、折り畳まれた時の凸部33Eの衝撃力を緩和して、凸部33Eによる凹み傷が極力生じないようにする。
また、微細な凸部33E及び凹部33Fは、縦縞模様としてデザイン要素の機能も発揮するが、単にデザインのためだけではなく板材表面の傷や色むらをぼかす役割を果たすものである。このため、微細な凹部33Fはリブ33Aに対応する部分のみならず、ほぼ中央のビス受け部33Cに対応する部分及び端部のビス受け部33Cや、ガスケット取付部33Dの周辺部にも設けるようにすると好ましい。
連結杆34は、図6(A)に示すようにアルミニウム材等の金属板で所定の幅及び長さを有する平板状に形成され、両端部付近と中央部にビス挿通孔341が設けられた長連結杆34Aと、同図(B)に示すようにアルミニウム材等の金属板で所定の幅及び長さを有する平板状に形成され、両端部付近にビス挿通孔341が設けられた短連結杆34Bとから構成されている。この短連結杆34Bの幅は長連結杆34Aと同じであるが、長さは長連結杆34Aのほぼ1/2になっており、最外部側の板材33とそれより一つ内側の板材33との間の連結用として設置している。
開閉部31を形成するには、図7のように、複数の板材33を(長連結杆34A及び短連結杆34Bで構成の)複数の連結杆34を用いて組み付ける。長連結杆34Aは、図6及び図7に示すように、その中央部のビス挿通孔341にビス35を挿通し、このビス35を板材33の中央部のビス受け部33Cにねじ込む。この時、図10に示すように、ビス挿通孔341より若干小さい外径を有すると共に、長連結杆34Aの板厚より若干大きな高さを有するスリーブ35Aを介在させてビス35をビス受け部33Cに締め付け固定する。これにより、長連結杆34Aは、板材33に対して堅固に固定されずに、スリーブ35Aを介して長連結杆34Aと板材33とが相互に回動可能に取り付けられる。
長連結杆34Aの上端部は、その上端部のビス挿通孔341にビスを挿通し、このビスを図8で左側に隣接する板材33の上端部のビス受け部33Cにスリーブを介してねじ込む。長連結杆34Aの下端部は、図8で右側に隣接する板材33の下端部にビスで取り付けられるが、この取り付けに際しては、図11(A)に示すように上部回転部材40Aの取り付けを兼ねる。尚、開閉部31における板材33の枚数は限定されず、開口部の大きさによって適宜決定される。
なお、図4に示すように、開閉部31を構成する板材33のうち、左右両端側のものには、框部材36を取り付けてある。この框部材36は、本実施形態では、左右の開閉部31が互いに対称的な構成である一対の開閉部31、31において、それぞれ、最外端部の板材33(つまり、左側の開閉部31では最左端側の板材33、右側の開閉部31では最右端側の板材33)に取り付けた外側框36Aと、左右の開閉部31のうちの一方の開閉部31に設けた連結框36Bと、左右の開閉部31のうちの他方の開閉部31に設けた、連結框36Bに連結可能な被連結框36Cと、を備えている。
なお、連結框36Bと被連結框36Cとには、必要に応じて、左右一対の開閉部31どうしを適宜連結させるための連結手段60を付設している。
図7に示す外側框36Aは、上下両端部に、開閉部31と同様、回転部材である後述の上部回転部材40A及び下部回転部材40B(図3参照)が設けられており、ガイド室21A内部のガイドレール23A及びガイド室21B内部のガイドレール23Bに沿って自在にスライド動作できるようになっている。本実施形態では、ガイドレール23A、23Bの左右両端部には、この上下のガイドレール23A、23Bにそれぞれ上から被せるようにして装着させた、図示外の蓋材からなる脱落防止部材が設けられており、ガイドレールの左右両端部から開閉部31が飛び出して脱落しないようになっている。
図8に示す連結框36Bは、図12(A)に示すように、外形寸法が被連結框36Cと同じ断面略矩形状の主框361Bと、この主框361Bに一体に取付けた断面横長矩形状の副框362Bとで構成されており、副框362Bには連結手段60の錠前本体61が内設されている。
図9に示す被連結框36Cは、図12(B)に示すように、連結部36Bの主框361Bとほぼ同じ大きさ及び同じ形状のもので構成されており、一方(この実施形態では図4において右側のもの)の開閉部31の最内部側の板材33に設置されている。なお、この被連結框36Cには、前述したように、錠前本体61から飛出す鎌形の係止部が入り込む、被連結框36Cに内設された受座62が内設されている。
また、これら外側框36Aと、連結框36Bと、被連結框36Cとには、それぞれ、図4に示す後述の仮止め金具(ストッパ)50が付設されており、所望の位置で仮止めさせることができるように構成されている。
回転部材40は、上部枠20A及び下部枠20Bにそれぞれ設けてあるガイドレールに、シェード本体30側の開閉部31を構成する各スラット(板材)33の上端部及下端部側を、スライド自在に係合させるためのものであり、上部回転部材40Aと下部回転部材40Bとで構成されている。
このうち、上部回転部材40Aは、図11に示すように、直方体状の支持材41Aに水平軸42Aを介して取り付けられたベアリングローラ43Aから構成されており、支持材41Aには段付き孔411Aが上下方向に貫設されている。この場合、水平軸42Aは、支持材41Aの取付部412Aに対してベアリングローラ43Aを螺着しているビスで構成してあるが、これに限定されず、例えば図示を省略したシャフトなどを用いることができる。このシャフトを用いた場合には、ベアリングローラ43Aに替えて円筒状のローラを用いることができる。
ベアリングローラ43Aは、ほこり等の侵入を防ぐシールドタイプのものであって、被覆板44Aにより被覆されている内部にはグリースが収容されている。これにより、ベアリングローラ43Aが常時円滑に回転し、かつ、長期間の使用に耐え得るように配慮してある。
上部回転部材40Aと共に長連結杆34Aの他方の端部を板材33に取り付けるには、図11に示すように、支持材41Aの段付き孔411Aの下端部にスリーブ45Aを嵌合し、このスリーブ45Aの突出下端部を長連結杆34Aのビス挿通孔341に挿通し、段付き孔411Aの上端部からビス46Aをスリーブ45A内に落とし込んで、板材33のビス受け部33Cにねじ込む。これにより、長連結杆34Aは、板材33に対して堅固に固定されずにスリーブ45Aを介して長連結杆34Aと板材33とが相互に回動可能に取り付けられる。
上部回転部材40Aの支持材41Aもスリーブ45Aを介して若干の上下動が可能であり、かつ、支持材41Aと板材33とが相互に回動可能に取り付けられる。なお、上部回転部材40Aは、複数の板材33に対してベアリングローラ43Aが交互に相反位置となるように支持材41Aを板材33にそれぞれ取り付けられる。
上部枠20Aのガイドレール23Aは、図3(A)のように、支持材41Aを摺動させるスリット22Aを挟んで平行に2列設けられており、この2列のガイドレール23Aに対してベアリングローラ43Aが交互に2列に振り分けられて係合し、それぞれガイドレール23Aに沿って移動するように構成される(図1参照)。
開閉部31において、図4で左端部に位置する板材33は、図7に示すように、その中央部と、隣接する右側の板材33の下端部との間に短連絡杆34Bが取り付けられる。また、左端部の板材33には、外側框36Aが補助部材37を介してビス35で固定される。
同じく、図4で左側の開閉部31における右端部の長連結杆34A及び右側の開閉部31における左端部の長連結杆34Aは、図12(A)に示すように、下端部が連結框36Bの内側框361Bのビス受け部362Bにスリーブを介してビス35で上部回転部材40A及び下部回転部材40B(図3参照)と共に取り付けられる。
下部回転部材40Bは、図11(B)に示すように、垂直軸41Bを介して取り付けられた円筒状のローラ42Bから構成されており、垂直軸41Bにはビス41Bを用いてあるが、図示を省略したシャフトであってもよい。
下部回転部材40Bを連結杆34と共に板材33に取り付けるには、図11(B)に示すようにローラ42Bにスリーブ43Bを嵌合し、このスリーブ43Bの突出上端部を、例えば長連結杆34Aのビス挿通孔341に挿通し、板材33のビス受け部33Cにねじ込む。これにより、長連結杆34Aは、板材33に対して堅固に固定されずにスリーブ43Bを介して長連結杆34Aと板材33とが相互に回動可能に取り付けられる。そして、ローラ42Bはスリーブ43Bを介して回転可能となる。
この下部回転部材40Bは、上部回転部材40Aと同様に、一直線状に位置するようにそれぞれ取り付け、図1の下部枠20Bのスリット22B(図3(B)参照)に沿って移動できるように構成する。
図2に示す仮止め金具(ストッパ)50は、シェード本体の開閉部31を適宜に開閉させた状態で、所望の場所で仮止めさせるものである。本実施形態の仮止め金具(ストッパ)50には、図示外のフランス錠(フランス落とし)が用いられており、手で押し下げて下部枠20Bの適宜の部位に下端を押圧させることで、下部枠20Bに一時的に仮止めさせるようになっている。なお、本実施形態の仮止め金具(ストッパ)50には、フランス落とし(フランス錠)を用いたが、特にこれに限定されるものではない。
連結手段60は、開閉部31の開き方向(風と光の取込み方向)が互いに逆になった左右1組のシェード本体30どうしを必要に応じて適宜一体に連結させるためのものである。本実施形体の連結手段60は、鎌錠で構成されており、図12に示すように、連結框36Bに内設された錠前本体61と、この錠前本体61から飛出す鎌形の係止部が入り込む、被連結框36Cに内設された受座62と、この鎌錠でのロックおよびロック解除の操作を行うために、錠前本体61に取付けられたレバー63とで構成されている。
なお、この連結手段60としては、本実施形態のような錠のほかに、例えば鉄などのような磁性体とこれに磁気的に吸着する永久磁石などで構成してもよいし、さらに別の適宜の手段で構成してもよい。
従って、本実施形態によれば、図2に示すように、バルコニーの開口部の略全体を覆うように広げることにより、光(例えば、西日)及び風の通過を最小限に抑えるようにすることができる(図13(A)参照)。また、框部材を左右に適宜スライド移動させることにより、即ち、図13(A)に示す全閉状態から、外側框36Aを右方へ移動させることによって、光及び風の通過を図13(B)、(C)のように好みの量に調整することができる。
また、本実施形態のようなシェード本体31の開閉部31が左右対称的な一対のもので構成されている場合には、例えば図14において、同図(A)に示すように、左右一体に連結させた状態である開閉部31をそのまま、左右両端側の外側框36Aを互いに接近するように引き寄せると、同図(B)に示すように、バルコニーの開口部に対する閉鎖長さは縮まるが、各板材(スラット)33間の隙間を設けることができる。従って、光や風の流れる方向が左右いずれの方向からであってもその隙間からの通過を許容することができる。
また、同図(C)に示すように、中央部からシェード本体30の開閉部31を退避させる(図14参照)ように連結状態を解いて、バルコニーの開口部に対して右側半分の開閉部31を略オープン状態にするとともに、左側の開閉部31を隙間を持たせたまま閉じておくことで、片側のみ光(例えば、西日など)を遮断させることができる。
また、図15に示すように、左右一対の開閉部31をそれぞれ左右に引き分けることで、バルコニーの開口部を広く開放させることもできる。
このように、本実施形態によれば、西日だけでなく、夏場の日中の強い日差しの差し込みによる室内の温度上昇を防止して省エネ対策用などとしても用いることもできる。
さらに、本実施形態によれば、単なる日差し対策だけではなく、例えば、マンション等の集合住宅におけるベランダなどでのプライバシー確保に用いたり、建て込んだ狭い場所などに建てられたアパートなどにおいて接近した隣の建物の窓から覗かれるのを防止する目隠しとして用いたり、干している洗濯物などを安全に守るためのプライバシー保護及び盗難防止対策などとして用いることもできる。
またこれ以外に、単身者や共働きの夫婦などが洗濯物をベランダなどに干して丸一日外出するような場合に、途中で雨が降ってきて濡れたりするのを防止する雨除けなどとして用いることもできるなど、各種の幅広い用途に適用できる。
(第2の実施形態)
例えば、建物の開口部に取り付けられているサッシュ又はサッシュに装備されている網戸が外壁面より外方に突出している場合がある。このような場合には、枠体20を外壁面に直付けすると、例えばシェード本体30がサッシュ又は網戸Sに接触して開閉できず、或いは開閉に支障を来たすことがある。
そこで、本考案では、このような場合に、第2の実施形態の開閉式日除けとして、建物の外壁に専用の下地枠体70(図16参照)を取り付けるとともに、この下地枠体70に対して枠体20を取り付けることにより、開閉式日除けを設置するように構成している。
本実施形態の下地枠体70は、枠体20と同様、上部枠70A及び下部枠(図略。但し、下部枠は、上部枠70Aを上下反転させたものであって、実質的には同一のもので構成される。)で構成されている。
このうち、上部枠70Aには上部枠20Aが螺着され、図示外の下部枠には下部枠20Bが螺着される。なお、この下地枠体70の上部枠70A及び図示外の下部枠は、シェード本体30、枠体20の上部枠20A及び下部枠20Bと同一材料であるアルミニウム材で形成されている。
従って、本実施形態によれば、シェード本体30とサッシュ又は網戸との間に充分な空間を保持して接触を防止しながら、開閉式日除けが設置可能となる。しかも、下地枠体としては、従来例えば木材からなる角材を利用する技術が知られているが、本実施形態では、アルミニウム材からなる枠体20と材質が同一であるため外観や体裁も確保できるようになっている。
なお、本考案は、上記の実施形態に限定されるものではなく、各種の態様が適用可能である。
本考案は、上述したように、光と風の通過量を簡単に調整して日除けとして用いるだけでなく、例えば単身者や共働きの夫婦などが洗濯物をベランダなどに干して丸一日外出するような場合に途中で雨が降ってきて濡れたりするのを防止する雨除けとして用いたり、マンション等の集合住宅におけるベランダのプライバシー確保に用いたり、建て込んだ狭い場所などに建てられたアパートなどにおいて接近した隣の建物の窓から覗かれるのを防止する目隠しとして用いたり、干している洗濯物などを安全に守るためのプライバシー保護及び盗難防止対策として用いたり、夏場の日差しの差し込みによる室内の温度上昇を防止して省エネ対策に用いるなど、各種の幅広い用途に適用できる。
10 開閉式日除け
20 枠体
20A 上部枠
20B 下部枠
22 スリット
21A ガイド室
22A スリット
23A ガイドレール
24A ねじ孔
22B スリット
21B ガイド室
23B ガイドレール
24B ねじ孔
30 シェード本体
31 開閉部
36 框部材
33 板材(スラット)
34 連結杆
33A リブ
33B 空間部
33C ビス受け部
33D ガスケット取付部
33E 凸部
33F 凹部
34A 長連結杆
341 ビス挿通孔
34B 短連結杆
36 框部材
36A 外側框
36B 連結框
36C 被連結框
40 回転部材
40A 上部回転部材
40B 下部回転部材
50 仮止め金具(ストッパ)
60 連結手段
70 下地枠体
70A 上部枠
B バルコニー
D 防火壁
F フェンス(下部構造部)
G ガラス戸
R 庇(上部構造部)
S 網戸

Claims (4)

  1. 庇などの上部構造部とフェンスなどの下部構造部とで構成する、上部及び下部の構造部の間に、左右両端側に框部材が取付けられているとともに開閉自在及び折畳自在に一体化された開閉部を有する、シェード本体を備え、
    前記上部構造部及び下部構造部の前記各シェード本体を立て付ける枠体には、前記上部構造部に固定される上部枠と、前記下部構造部に固定される下部枠とを備え、
    前記上部枠及び下部枠にはそれぞれガイドレールを設けるとともに、前記各シェード本体側の前記開閉部を構成する複数の板材(スラット)の上端部及下端部には前記ガイドレールにスライド自在に係合する回転部材を設け、
    前記開閉部に設けた框部材には仮止め金具(ストッパ)を設け、
    前記各シェード本体の互いに対向する框部材には、互いに相手側のシェード本体の框部材と一体に連結可能な連結手段を設けた、
    ことを特徴とする開閉式日除け。
  2. 前記シェード本体の上部回転部材は、支持材に水平軸を介して回転可能に取り付けられたローラを備え、
    前記複数の板材に対して前記ローラが交互に相反位置となるように前記支持材を板材にそれぞれ取り付け、
    前記上部枠のガイドレールは、前記支持材を摺動させるスリットを挟んで平行に2列設けられ、
    この2列のガイドレールに対して前記ローラが交互に2列に係合してそれぞれ移動するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の開閉式日除け。
  3. 前記シェード本体を立て付ける枠体は、上部枠と、下部枠とから構成され、
    前記上部枠及び下部枠は建物の外壁にビス止めする取付部が上下に設けられ、
    上部枠の上取付部及び下部枠の下取付部は断面略コ字形に形成され、
    ビス止めしたビスが外部に露出しないように隠蔽材をそれぞれ嵌着することを特徴とする請求項1又は2に記載の開閉式日除け。
  4. 前記枠体と同じ材質で形成された下地枠体を建物の外壁に取り付け、
    この下地枠体に対して前記枠体を取り付けることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の開閉式日除け。
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