JP3155939B2 - 画像処理システム、画像読取装置、読取装置用導光体及び読取装置 - Google Patents

画像処理システム、画像読取装置、読取装置用導光体及び読取装置

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JP3155939B2 JP19560297A JP19560297A JP3155939B2 JP 3155939 B2 JP3155939 B2 JP 3155939B2 JP 19560297 A JP19560297 A JP 19560297A JP 19560297 A JP19560297 A JP 19560297A JP 3155939 B2 JP3155939 B2 JP 3155939B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像処理システ
ム、画像読取装置、読取装置用導光体及び読取装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ファクシミリ装置や電子複写機或
いはその他の情報処理装置の読取装置の照明装置として
は蛍光管等の放電管やLEDチップを多数アレイ状に並
べたLEDアレイが用いられている。特に近年では、フ
ァクシミリ装置などは家庭内での使用にともないより小
型で低価格な製品が要求されていることからLEDアレ
イを利用したものが多くなっている。
【0003】図4を用いて、このようなLEDアレイを
用いた照明装置の一例を説明する。図4において、41
はLEDアレイ、42は原稿面のような被照明面、43
はLEDチップである。図4(A)はLEDアレイを用
いた照明装置の概略的構成図が照明される原稿とともに
示されており、図4(B)には図4(A)に示される照
明装置で原稿を照明した場合の原稿面の照度分布の一例
が示されている。図4(B)に示されるように、LED
チップの数を多くすることにより、すなわち、LEDチ
ップを密に配列することにより、原稿面の照度は実質的
に均一化して且つ高い照度を得ることができる。しかし
ながら、LEDチップの使用個数が多いためコスト的に
は充分な低価格化を達成することが難しく、またLED
を使用するとはいえどもより一層の低消費電力を達成す
るには限界がある。
【0004】一層のコストダウンのために、LEDチッ
プの使用個数を減らすと、すなわちLEDチップを粗に
配列すると、LEDチップの配列間隔が大きくなるため
に被照明面上での照度分布にむらが生じ均一な照明がで
きなくなる。このことを図5(A)及び図5(B)を用
いて説明する。図5において図4と同じ番号で示される
部材は図4と同じものを示す。
【0005】図5(A)にはLEDアレイを用いた照明
装置の概略的構成図が図4(A)と同様照明される原稿
とともに示されており、図5(B)には図5(A)に示
される照明装置で原稿を照射した場合の原稿面の照度分
布の一例が示されている。図5(B)に示されるよう
に、LEDアレイのLEDの個数を減らすと、LEDチ
ップに対応した部分の原稿面の照度は高いがLEDチッ
プ間の原稿面の照度が低いという極めて不均一な照明状
態となる。このような照度分布となると正確な原稿の読
取は難しくなり、照度分布むらの補正のための回路を必
要とし、よりコスト高になるという問題も生じる場合が
ある。
【0006】一方、タングステンランプやハロゲンラン
プ等の電球を光源とし、この光源から発せられた光束を
線状に展開して用いる線状照明装置として図6に示され
るような形態のものが考えられている。図6において、
1はハロゲンランプ等の電球、2は球面或いは楕円面状
等の集光性を有する形状とされた反射鏡、3は断面が円
形である例えば石英ロッド等の透光性部材、4は電球1
から発せられた光束が透光性部材3に入射する入射面、
5は透光性部材3を伝播する光束を反射・散乱などをさ
せて透光性部材3の外側に取り出すための領域である。
この領域5は透光性部材3の一部にその表面を粗面化し
たり光拡散反射性の塗料を塗布する等の手段により形成
されている。6は透光性部材3の電球1側との反対側の
終端部に設けられた反射面である。この反射面は透光性
部材3自身の終端部の表面にアルミ等の金属を蒸着した
り或いは光拡散反射性の塗料を塗布して設ける場合もあ
るしまた別部材として設ける場合もある。また、透光性
部材3の断面形状は正方形や矩形としたものも知られて
いる。
【0007】電球1より発せられ、透光性部材3の入射
面4より透光性部材3内に入射された光束Lは、透光性
部材3の内面で反射を繰り返してその内部を伝播し、入
射面4の反対側の面まで到達しそこでまた反射されて透
光性部材3の内部を伝播する。そして反射を繰り返す内
に上記領域5に光が入射されると光束はそこで拡散され
その一部の光l1 が該領域5と対向する側を射出面とし
て外部に光が射出される。拡散した光束の他の一部l2
はこの射出面に斜めに入射するために全反射して透光性
部材内を伝播する。そして、伝播を繰り返し、最終的に
入射面4に到達した光は入射面4から外部に射出され
る。
【0008】電球1を光源として用いる場合は、入射面
4から外部に射出されるようなロスがあっても多くの電
力を投入することで発光量を多くすることができるた
め、それなりに高い照度を得ることができる。
【0009】しかしながら、電球の使用は高い照度のひ
きかえに大きな消費電力を必要とすること、発熱量が大
きく装置を小型化できないこと等の問題があるに加え
て、電球の寿命は蛍光管に較べてもかなり短く、光量低
下や断線等に応じた交換の必要が生じるため、LEDの
ようにメンテナンスフリーというわけにも行かないとい
う問題点もある。
【0010】従って、ファクシミリのような情報処理装
置の読取光源としての照明装置は、光源をLED光源と
し、そのLED光源からの光束を線状に射出するように
することが望まれる。このようなLEDチップを光源と
した照明装置の別の一例としては図7に示されるような
構成のものが考えられる。図7(A)には照明装置の概
略的構成図が照明される原稿とともに示されており、図
7(B)には図7(A)に示される照明装置で原稿を照
射した場合の被照明面42の照度分布の一例が示されて
いる。すなわち、図6において説明したような照明装置
の光源をLED光源71に変えることが考えられる。な
お、図7において図6と同じ番号で示されるものは同じ
部材である。
【0011】ところでLED光源には、多くの種類があ
り、一概に説明することはできないが、近年より一層の
小型化を達成し実装に都合の良いものとして表面実装型
と称するLEDチップが知られている。図8にこの表面
実装型のLED光源を示す。図8において、81はLE
Dチップ、82は基板、83は反射枠、84は透光性樹
脂、85及び86は夫々基板82の表面に形成された電
極である。このようなLED光源は光源自体の大きさが
2〜3mm以下、高さが2mm以下のものであり小型化が進
んでいる。また、電極85及び86が基板82の側面を
経由して裏面に引き出されているために実装に際しては
単にクリームハンダを印刷した実装用の基板の上におい
てリフロー炉を等して加熱(リフロー)するだけで良
く、効率よい実装を行なうことができる。従って、線状
光源として用いるにはこのようなLED光源を用いるこ
とがより望ましい。
【0012】このようなLED光源は図8に示されるよ
うな発光指向性を有するために、図7(A)に示される
ように透光性部材3で導光、反射・拡散して原稿面を照
明しようとすると、図7(B)に示されるようにLED
光源71側の照度が高く、他の部分が低くなるといった
ような照度分布の均一性に問題が生じる。
【0013】これは、LED光源71から斜めに射出さ
れた光束が透光性部材3の領域5に直接入射しそこで散
乱されて透光性部材3の外部に取り出されてしまうため
である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な諸問題点を解決し得る画像処理システム、画像読取装
置、読取装置用導光体及び読取装置を提供することを目
的とする。
【0015】また、本発明は消費電力や発熱量が小さ
く、小型化に適した、メンテナンスが容易な画像処理シ
ステム、画像読取装置、読取装置用導光体及び読取装置
を提供することを目的とする。
【0016】更に本発明は、照度の均一性が高い画像処
理システム、画像読取装置、読取装置用導光体及び読取
装置を提供することを目的とする。
【0017】更に本発明は、LED等の光源を線状の照
明装置の光源として使用した場合に生じる照明むらの問
題、特にLED光源側とそこから離れた側とでの照度の
差が大きいという問題を解決した画像処理システム、画
像読取装置、読取装置用導光体及び読取装置を提供する
ことを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたものであり、請求項1に記載の画
像処理システムは、光源からの光を長手方向に導光し光
を照射する導光体を内蔵した照明装置と、前記照明装置
により照明された画像を読取り、画像信号を出力する光
電変換手段と、前記画像と前記光電変換素子とを相対的
に移動させる移動手段と、前記照明装置と前記光電変換
手段と前記移動手段の制御を行う制御手段とを備え、前
記導光体は、前記光源からの光を前記導光体の長手方向
に沿って拡散及び/または反射する細長い領域を有し、
少なくとも前記光源に比較的近い一部の前記領域におい
て該領域の幅の中心を通る法線が前記光源の中心を通る
法線からずれるように前記光源と前記領域との相対的位
置を設定したことを特徴とする。
【0019】請求項9に記載の画像処理システムは、光
源からの光を長手方向に導光し光を照射する導光体を内
蔵した照明装置と、前記照明装置により照明された画像
を読取り画像信号を出力する光電変換手段と、前記画像
信号を外部に送信する送信手段と、前記照明装置と前記
光電変換手段の制御を行うと共に前記送信手段と接続さ
れた制御手段とを備え、前記導光体は、前記光源からの
光を前記導光体の長手方向に沿って拡散及び/または反
射する細長い領域を有し、少なくとも前記光源に比較的
近い一部の前記領域において該領域の幅の中心を通る法
線が前記光源の中心を通る法線からずれるように前記光
源と前記領域との相対的位置を設定したことを特徴とす
る。
【0020】また、請求項16に記載の画像読取装置
は、画像を読み取り画像信号を出力するためのラインセ
ンサと、光源と、前記ラインセンサの長手方向である第
1の読取方向に沿って原稿をライン状に照射するための
導光体であって、該導光体は、前記第1の読取方向に対
応した前記導光体の長手方向の端面に前記光源が配置さ
れ、前記光源からの光を前記第1の読取方向に沿って前
記導光体内部を導光して前記原稿を前記ラインセンサの
前記第1の読取方向にライン状に照射するための光射出
面と、前記光源からの光を前記第1の読取方向に沿って
拡散及び/又は反射するために前記光射出面と異なる面
に設けられ前記第1の読取方向に沿って前記導光体のほ
ぼ全長にわたって設けられた反射部とを有し、前記導光
体のほぼ全長にわたって設けられた前記反射部の内の少
なくとも前記光源に比較的近い一部の前記反射部におい
て、該反射部の幅の中心を通る法線が前記光源の中心を
通る法線とずれるように前記光源に対して配置した導光
体と、前記導光体により前記第1の読取方向に沿って照
明される画像と前記ラインセンサとの位置関係を前記第
1の読取方向とは異なる第2の読取方向に移動するため
の駆動手段と、前記光源、前記ラインセンサ及び前記駆
動手段を制御するための制御回路と、を有することを特
徴とする。
【0021】また、請求項22に記載の読取装置用導光
体は、ラインセンサの長手方向である第1の読取方向に
沿って原稿をライン状に照射するための読取装置用導光
体であって、該読取装置用導光体は、前記ラインセンサ
の第1の読取方向に対応した方向の端面に所定の光源が
配置され、該光源からの光を前記ラインセンサの第1の
読取方向に沿って前記読取装置用導光体内部を導光して
前記原稿を前記ラインセンサの前記第1の読取方向にラ
イン状にかつ前記原稿に対して斜めに光を照射するため
の光射出面と、前記光源からの光を前記第1の読取方向
に沿って拡散及び/又は反射するために前記第1の読取
方向に沿って前記導光体のほぼ全長にわたって設けられ
た反射部とを有し、少なくとも前記光源に比較的近い一
部の前記反射部において、前記光源側から見た場合に該
反射部の幅の中心を通る法線が前記光源の中心とずれる
と共に、前記光源側から見た場合に前記法線が前記反射
部を含む辺の中心からずれるように前記反射部を前記光
源に対して配置したことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態について詳述する。
【0023】図1は本発明に係る照明装置を説明するた
めの概略的構成図であり、図1(A)には本発明に係る
照明装置を側面から見た模式的側面図が被照明面である
照明される原稿とともに示され、図1(B)には図1
(A)を紙面に垂直な面で切断した場合の導光体として
の透光性部材3と反射部としての領域5の模式的切断面
図、図1(C)は図1(A)に示される矢印A方向から
照明装置を見た模式的側面図である。図1に示されるよ
うに、本発明の照明装置は、断面が矩形の透光性部材3
の長手方向の一方の端面に光源としてのLED光源8を
配し、透光性部材3からの光束の射出部に対向する面に
光束を反射(或いは拡散)するため透光性部材3の一部
にその表面を粗面化したり光拡散反射性の塗料を塗布す
る等の手段により形成された領域5が配されている。ま
た、LED光源8の反対側の端面には透光性部材3内を
伝播した光束を反射するため透光性部材3自身の終端部
の表面にアルミ等の金属を蒸着したり或いは光拡散反射
性の塗料を塗布して設けたり或いは別部材として設けら
れた反射部が設けられている。
【0024】本発明に係る実施の形態においては、図1
(C)に示されるように、LED光源の中心位置が領域
5の短手幅の中心を通る法線からずらされて(オフセッ
トされて)配されている。
【0025】LED光源8から発せられた光束は、通常
は透光性部材内で反射を繰り返して透光性部材内部を伝
播し、反射部6まで到達して今度はLED光源8に向か
って戻ってくる。また、伝播途中で領域5に入射した光
束は領域5で拡散反射され射出部を通って被照射面であ
る原稿面に照射される(l1 )、或いは再び透光性部材
3内で反射されて伝播する(l2 )。
【0026】また、本発明に係る実施の形態では、領域
5の幅の中心を通る法線からずらされてLED光源8が
配されているので、領域5に直接LED光源8から入射
される光束が減少するので、LED光源8側のみ照度が
高くなり透光性部材3の長手方向に生じるという照度の
不均一は充分解消される。また、領域5に入射される光
束は、LED光源8から発せられた光束が透光性部材3
内で反射された間接光になるため射出部より射出される
光束は透光性部材3の長手方向に亙って均一化される。
【0027】以上のことを図面を用いて説明する。
【0028】図2には、図1(C)と同じ側面が示され
ており、LED光源8から発せられた光束の一部が矢印
3 、l4 で示されている。図2に示されるように、L
ED光源8から発せられた光束はl3 で示される直接光
とl4 で示される間接光とがある。
【0029】しかしながら、本発明に係る実施の形態に
おいては、領域5の中心を通る法線からずらしてLED
光源8を設けているため直接光l3 の入射される割合が
減り全体として間接光l4 が増すため射出部から射出さ
れる光束は透光性部材3に亙って均一化することができ
る。
【0030】なお、LED光源8をずらす量は少なくと
もLED光源8が領域5の中心を通る法線からずれる位
置とされるが、あまり離しすぎるとLED光源8からの
光束はほとんど間接光になるのと透光性部材3内での光
束の損失があるため適宜決めることが望ましい。極端に
離した場合はLED光源8の配設側で照度が落ちるので
注意すべきである。
【0031】図3は本発明に係る照明装置と従来の照明
装置との違いを説明するためのもので、図3(A)及び
図3(B)は夫々本発明に係る実施の形態の比較例であ
り、図3(C)は本発明に係る照明装置である。また、
図3においては夫々図1(A)に示される矢印Aの方向
と同様な方向から透光性部材とLED光源を見た模式的
側面図と図示される照明装置を用いた場合の照度分布が
示されている。
【0032】図示される様に、図3(A)は断面が円形
の透光性部材を用い、その中心とLED光源の中心とを
一致させ、且つ、領域5の中心を通る法線が前記中心を
通るように配置した場合の例であり、図3(B)は断面
が矩形の透光性部材を用いその対角線の交点とLED光
源の中心とを一致させ、且つ、領域5の中心を通る法線
が前記中心を通るように配置した場合の例である。
【0033】図3(C)は前記したように本発明に係る
照明装置の一例を示し、断面が長方形の透光性部材を用
い、領域5の幅の中心を通る線からaだけ離された位置
にLED光源8の中心を合わせて配されている。
【0034】また、いずれの場合も光源の中心と領域5
が設けられている透光性部材の面までの距離は同じ距離
aとした。
【0035】LED光源8から発せられ透光性部材に入
射した光束は、透光性部材の内面で一度も反射すること
なく直接領域5に入射する直接入射光と少なくとも一度
以上内面で反射した後に入射する間接入射光とに分けて
考えることができる。
【0036】ここで、直接入射光について考えると、領
域5に直接入射する光量はLED光源8から領域5を見
込む角度Δθに依存する。Δθが大きいほど直接入射光
の光量が大きく、小さいほど少なくなる。領域5の幅を
w、LED光源から取り出し部までの鉛直方向の距離を
aとすると、図3(A)及び図3(B)は領域5の直上
にLED光源があるのでこの角度Δθは、Δθ=2ta
-1{(w/2)/a}≒w/aとなる。
【0037】一方図3(C)に示される本発明に係る実
施の形態においては、LED光源は領域5の直上になく
横に距離aだけずらされているので、Δθは、Δθ=2
tan-1{(w/2×21/2 )/21/2 ×a}≒w/2
aとなり、図3(A)及び図3(B)の約半分となる。
【0038】このため、本発明に係る実施の形態におい
ては直接入射光の光量が従来のものに比べて減少する。
【0039】これに対して間接入射光はその分増加す
る。その結果、全体としての照度分布はLED光源近傍
のピークが緩和されるので改善される。
【0040】このことは、図3の光源からの位置に対す
る相対照度のグラフを見れば容易に理解できる。従来の
ものはいずれも直接入射光の光源側のピーク、光量とも
大きいため間接入射光と直接入射光とを合わせた全体の
光量は光源側にピークを持つ不均一なものとなってい
る。これに対して、本発明に係る実施の形態では光源側
の光量は減少するが全体としての光量は均一なものとな
っているので均一な照明装置としてはより使い勝手が上
がっているのがわかる。
【0041】図9は、図1に示される本発明に係る照明
装置の変形例である。図9に示される照明装置におい
て、図1に示される照明装置と大きく異なる点は、LE
D光源からの直接入射光を更に低減するために、透光性
部材3に凸部35を設け、その凸部35の端面に領域5
を設けている点である。
【0042】図9に示されるように、LED光源からの
光束は、領域5が透光性部材3の31に設けられた面よ
り突出して設けられた凸部35の下面に設けられている
ので、直接領域5に入射する量が図1に示される照明装
置の場合と較べて減少する。言い換えれば、LED光源
からの光束の多くは領域5に直接入射することなく、透
光性部材3内で少なくとも1回以上反射されてから入射
される。
【0043】つまり、図9に示される照明装置において
は、直接入射光が減少し、間接入射光の比率がより上が
っていることになる。これによって図3(C)との比較
をすると、直接入射光の割合が減少しているためにLE
D光源側の照度は減少し、間接入射光の割合が増加して
いるため間接入射光の照度はわずかではあるが増加す
る。
【0044】従って、図9に示されるように、透光性部
材3に凸部を設け、この端面に領域5を形成することに
よって照度はより均一性を高くすることができ、また照
度も向上させることができる。
【0045】図10には図1に示される照明装置の別の
変形例が示される。図10に示される照明装置は、領域
5を中心にして、LED光源が設けられている側の反対
側にも透光性部材3が延在されている。
【0046】このような構成とすることによって、間接
入射光に係る照度はより均一なものとなるためLED光
源側は照度が高いもののLED光源側の一部を除いた部
分の照度はより均一化される。
【0047】図11は図9及び図10に示される照明装
置を組み合わせた形状の照明装置が示されている。つま
り、透光性部材の原稿照射面と反対側の面に凸部35が
設けられ、その凸部35の端面に領域5が形成されてお
り、更に、領域5を中心としてLED光源8を設けた側
にも透光性部材3が延在されている。
【0048】このような構成とすることにより、領域5
に入射される光束は透光性部材3内でより多く反射され
た間接入射光となるため間接入射光に係る照度分布はよ
り均一のものとなる。また、直接入射光については図9
の場合と同様である。
【0049】従って、全体の照度としては図9の場合に
較べてより間接入射光の寄与分が均一化されるためによ
り一層の均一化が図れることになる。
【0050】LED光源を用いた場合は、白熱電球を用
いた場合に較べて光量が減少する。そこで、より光量を
増加させるためにはLEDチップの数をより多くすれば
良い。
【0051】LED光源を本発明に係る実施の形態の主
旨に沿ってより多く配設するためには、LED光源を設
けるための透光性部材の端面をより大きくすれば良い。
【0052】例えば、図12(A)に示されるように、
延在された透光性部材3の側にもLED光源8を設ける
ことによってより一層の光量向上を図ることができる。
この場合、領域5に入射される直接入射光と間接入射光
のいずれもが増加するが、LED光源8から領域5への
直接入射光の入射光量と間接入射光の入射光量とをバラ
ンスさせれば、例えば、LED光源8を配置する位置を
凸部35(領域5)から適宜離す、LED光源8側の照
度だけが高くならず全体の照度はより均一により高いも
のとすることができる。
【0053】また、領域5(凸部35)を挟むLED光
源8を領域5からより離して配置した場合は、LED光
源8を配した側の照度が領域5への直接入射光の減少に
ともない減少してしまい、領域5への間接入射光の寄与
分が増加してLED光源から離れた位置の照度が増加し
てしまう場合がある。このような場合には、図12
(B)に示されるように透光性部材の領域5(凸部3
5)と一致する位置にLED光源8を更に配置すれば良
い。このようにすることによって、LED光源8が配さ
れた側の照度もそこから離れた部分の照度も増加させる
ことができる。もちろん、このようなLED光源8の配
置は領域5への直接入射光と間接入射光とのバランスを
とって行なわれるのは言うまでもない。
【0054】なお、照明装置の照度は、LEDチップの
数に大まかには比例するので、図12にあるような構成
とすることによってより一層の照度向上を図ることがで
きる。
【0055】もちろん図12に示されるようなLED光
源の配置は図10や図11に示される照明装置と較べて
もほとんどその大きさに変わりがないのでより照度を向
上させたい場合には好ましい構成である。
【0056】また、より一層の照度の均一化と光照度化
を達成するためには、上記した例のように透光性部材3
の片側端面にのみLED光源8を設けるだけでなく、透
光性部材3の両端面に夫々LED光源8を対向させるよ
うに設けることも望ましい。
【0057】この一例を図13に示す。図13(A)に
は本発明に係る実施の形態の好ましい照明装置の模式的
側面図が照明される被照明面である原稿面とともに示さ
れ、図13(B)には図13(A)を紙面に垂直な面で
切断した場合の透光性部材3と領域5の模式的切断面
図、図13(C)は図13(A)に示される矢印A方向
から照明装置を見た模式的側面図である。
【0058】図13に示されるように、本発明に係る照
明装置はLED光源8が透光性部材3の両端に設けられ
ているため、照度の一層の向上が図られ、且つ、透光性
部材3に亙って左右対称の照度分布とすることができ
る。
【0059】ところで、ファクシミリ装置等の情報処理
装置において、1走査期間内に走査方向と交わる方向
(センサーと原稿との相対的な移動方向)でのラインセ
ンサーによって読み取られる領域はさほど広いものでは
ない。また、図30に示されるように、領域5において
拡散・反射された光束の内、被照明面に対向する射出部
から射出された光束が被照明面の照明に寄与するのであ
るが、この射出された光束は拡散光であるために透光性
部材3の光の射出部から被照明面が離れるほど急速に非
照明面を照明する照度が減少する。
【0060】従って、より一層照明強度を強くしたい場
合には透光性部材から射出された光束をレンズによって
集光することが効果的である。
【0061】図14にこの一例を示す。図14は図13
に示される照明装置の透光性部材3の被照明面側に透光
性部材3に沿って設けられたシリンドリカルレンズ9を
配してある。図に示されるように、シリンドリカルレン
ズ9の中心は領域5に対向する位置に設けるのが効果的
であるが、必要な光強度が得られるのであれば必ずしも
これにこだわる必要はない。
【0062】このように透光性部材3の被照明面側にレ
ンズを設けることによって、透光性部材3から射出され
た光束を集光して被照明面を照射することができるた
め、照度分布自体は実質的に変化しないが、平均照度を
向上させることができる。
【0063】これによって、より低感度のセンサーを使
用することが可能になるほか、同じ感度のセンサーを使
用した場合はより高速の読取に対応することができる。
また、カラー化にともなうフィルターでの光量低下によ
る感度低下の問題も高速読取を保ったままで充分解決で
きる照度を得ることができる。
【0064】粗面化や光拡散性塗料塗布が施された領域
5の場合は、そこに入射された光束がより均一に拡散さ
れるが、透光性部材3の端面への逆行する光束の成分が
あるためにLED光源8から発せられた光束の利用効率
という点では充分とは言えない面がある。そこで、平均
照度を更に向上させるためには領域5を粗面や光を拡散
するような塗料を塗布したものから、鋸歯状の反射面に
変えることも効果的である。
【0065】図15に、図1の照明装置の領域5を鋸歯
状の反射面にした例を示す。この鋸歯状の反射面とされ
た領域5は透光性部材3の側面の一部を透光性部材3と
の一体成形或いは透光性部材3の切削によって形成した
り、別部材で形成された鋸歯状の別部材を透光性部材3
の側面に接着剤や超音波接合等で接合することによって
形成することができる。中でも透光性部材と一体成形と
するのがコストや作製工程数の減少という点から望まし
い。鋸歯状の反射面とされた領域5の部分の表面にはA
lや銀等の光輝性金属を蒸着することが好ましい。
【0066】図15(A)に示されるようにLED光源
8から発せられた光束の一部は領域5に入射し、領域5
の反射面で反射されて被照射面を照明する。領域5に入
射された光束は、上記で説明されたような粗面や光拡散
性塗料面でないため実質的に拡散反射しない。従って、
反射面に入射された光は効率よく被照射面側に反射され
ることになる。
【0067】図16及び図17を用いて、上記鋸歯状の
反射面とされた領域5について詳述する。
【0068】図16は透光性部材3の模式的側断面図
で、図17は図16の部分拡大図である。LED光源8
から発せられた光束Lは透光性部材3の入射側端面4を
通って透光性部材3中に入射し、上記したように透光性
部材3内で反射を繰り返しながら伝播する。この光束L
の一部は、透光性部材3内で反射された後領域5の鋸歯
状の反射面7に到達しそこで反射されて透光性部材3の
外部に取り出される。
【0069】つまり、LED光源8からの光束は、X軸
方向に配された領域5の反射面7に入射され、反射され
て外部に取り出される。
【0070】ところで、LED光源8からの透光性部材
内での光束のX軸に対する角度をθ、透光性部材の屈折
率と外部媒介質(通常は空気)の屈折率とで決まる臨界
角をθC とすると、入射光束の透光性部材内での角度θ
は、−θC <θ<θC を満たす。
【0071】また、透光性部材の側面で全反射を繰り返
しながら光束が伝播する場合は、光束は該側面の法線に
対して臨界角θC 以上の角度を持っていなければならな
いので、透光性部材3内を伝播する光束の角度θは、−
(90−θC )<θ<(90−θC )となる。
【0072】従って、上記2つの条件から、LED光源
8から入射端面4を通って透光性部材内に入射し、その
内部を繰り返しながら伝播する光束のX軸に対する角度
θは、上記2つの条件の内の狭い方になる。
【0073】今ここでθlim をθC と90−θC の内の
小さい方とすると、−θlim <θ<θlim である。
【0074】この光束が鋸歯状の反射部7に入射され反
射される様子は図17に示されるように、透光性部材3
内を伝播する光束の内、X軸に対する角度θが負の光束
のみであるのでθ=0〜−θlim の範囲となる。ここ
で、小反射面の角度、すなわち、反射面7のX軸に対す
る角度αを、α={90+(−θlim /2)}/2とす
ると、光束はX軸に対して90度ア(θlim /2)の範
囲に反射されて領域5に対向する領域を射出部として外
部に取り出される。このとき、この射出部とX軸とが実
質的に平行であるならば、これらの光束の射出部への入
射角は(θlim /2)を越えない。上記のθlim はθC
と90−θC の内の小さい方なので、θlim ≦θC とな
り、射出部への入射角は臨界角より小さい。
【0075】このため、射出面で全反射されて透光性部
材3内を逆方向に進行し、入射端面4から射出されてし
まう光束が少なくなり光束の利用効率が高い明るい照明
装置とすることができる。
【0076】なお、αは、α={90+(−θlim
2)}/2で決まる角度と完全に一致しておらずとも、
(90−θC )<α<(90+θC −θlim )/2を満
たせば鋸歯状に形成された反射面7によって反射された
光束の射出部への入射角は臨界角θC を越えるので同様
の効果を得ることができる。
【0077】例えば、透光性部材3をアクリル樹脂を用
いると、θlim =θC ≒42°となるので、α={90
+(−42/2)}/2=34.5≒35°とすること
により効率よくLED光源8から入射された光束を透光
性部材3外に取り出すことができる。また、上述したα
の範囲で言えば、24°<α<47°となる。
【0078】透光性部材3内を伝播する光束は透光性部
材3の径がその長さに較べて充分に小さい場合には、+
θlim から−θlim の間にほぼ均一に分布するので、上
記αはできるだけ90+(−θlim /2)度に近くした
方が射出される光束の主光束が射出部に対して垂直にな
るのでより好ましい。
【0079】図18及び図19は夫々図9及び図11に
示される照明装置の領域5を鋸歯状の反射面7を有する
領域5に変えたものである。
【0080】このように凸部35の端面に鋸歯状の反射
面を形成することによってより一層平均照度向上させる
ことができ、また、照度むらも改善することができる。
【0081】上述したように、透光性部材3内に入射さ
れた光束は透光性部材3の終端まで達するとその端面か
ら射出してしまうことがある。これは光束の利用効率の
低下を招いている。この損失分に相当する光束は、透光
性部材3内を繰り返し反射していく間に一度も領域5に
入射されなかったものがほとんどである。また、図22
に示されるように、LED光源8から発せられた光束の
内、透光性部材3の側面に垂直かそれに近い角度の成分
は側面間の反射を繰り返すために容易に領域5に入射し
ない。従って、透光性部材3内の伝播中に領域5に光束
が入り易くなるような反射をさせることによって更に照
明効率を向上させることが可能である。以下、その点に
ついて説明する。
【0082】図20は本発明に係る別の照明装置の一例
を説明するための概略的構成図であり、図20(A)に
は本発明に係る照明装置を側面から見た模式的側面図が
被照明面である照明される原稿とともに示され、図20
(B)には図20(A)を紙面に垂直な面で切断した場
合の透光性部材3と領域5の模式的切断面図、図20
(C)は図20(A)に示される矢印A方向から照明装
置を見た模式的側面図である。本例における照明装置の
基本的な構成は図1に示されるものと同じであるが、図
20に示される照明装置は透光性部材3の領域5が設け
られている反対側の側面が領域5が設けられている側の
側面に対して非平行とされている。また。図に示されて
いるように、透光性部材3の領域3が設けられている面
側の透光性部材3の長さ方向に垂直な方向の辺の長さが
被照明面側の透光性部材3の長さ方向に垂直な方向の辺
の長さより短くされている。言い換えれば、透光性部材
3の領域5から遠い方の側面が被照明面側に拡がった斜
面201とされている。
【0083】図21に示されるように、LED光源8か
ら発せられた光束の一部は上述したように透光性部材3
内で反射されるが、本例においては側面が傾斜されてい
るために反射の角度が変化して領域5に入射される確率
が増加する。この結果、LED光源8から発せられた光
束の利用効率が向上するために照射強度を向上すること
ができる。
【0084】透光性部材3の側面を傾斜させることは、
上述の他の形状の透光性部材にも適用することができ
る。いずれの場合も斜面を設けることで領域5に光束が
入射される確率を増加させることができるため斜面とし
ない場合に較べてより一層の照度向上を図ることができ
る。例えば、図23に図9で説明した照明装置の透光性
部材3の1つの側面を傾斜させた斜面201にした場合
の一例を、図24〜図27に夫々図11〜14で説明し
た照明装置の透光性部材3の対向する側面を傾斜させた
斜面201にした場合の例を夫々示す。なお。図24〜
図27に示されるような延在部分を有する透光性部材の
場合は少なくともいずれか一方の側面が傾斜されていて
も良いものである。また、この領域5は上述したような
拡散・反射のどちらのタイプでもかまわないのは言うま
でもない。
【0085】上記したように、より一層照明強度を強く
したい場合には透光性部材から射出された光束をレンズ
によって集光することが効果的である。しかしながら、
レンズを別部材として照明装置に組み込むと、レンズの
光軸合わせに精度を要求されることや組み立て工数の増
加のためにコストが増加する。また、レンズが別体のた
めに、透光性部材3から射出された光束はレンズに入射
される際にレンズ表面で反射されて損失する。この反射
による損失は高々4%程度のものであるが、照度の向上
を図るためにはこの損失もない方が好ましいのは当然で
ある。
【0086】反射による損失自体は、レンズ表面に反射
防止処理を施すことによって実質的に解決することがで
きる。しかしながら、反射防止処理を施すための工数が
更に増えるためにコスト的には高いものになる。また、
反射防止処理によってレンズの反射の問題を解決するこ
とができても、上記した組立精度や組み立て工数の問題
は解決できない。
【0087】そこで、アクリル樹脂等の有機樹脂やガラ
スを用いて透光性部材を形成する際に、同時にレンズ部
分まで一体成形することが望ましい。いずれの材料の場
合も例えばモールド成形によってレンズ部も透光性部材
部分も一体に形成することが可能である。
【0088】図28は本発明に係る別の照明装置の一例
を説明するための概略的構成図であり、図28(A)に
は本発明に係る照明装置を側面から見た模式的側面図が
被照明面である照明される原稿とともに示され、図28
(B)には図28(A)を紙面に垂直な面で切断した場
合の透光性部材3と領域5の模式的切断面図、図28
(C)は図28(A)に示される矢印A方向から照明装
置を見た模式的側面図である。本例における照明装置の
基本的な構成は図1に示されるものと同じであるが、図
28に示される照明装置は透光性部材3の領域5が設け
られた部分に対向する面側が凸レンズ状にされている。
【0089】このような構成とすることによって、領域
5で拡散反射された光束はレンズ部36の集光効果によ
り集光される。図28においては、領域5で拡散反射さ
れた光束はほぼ平行な光束として透光性部材3のレンズ
部3から射出される。このことを図29を用いて説明す
る。
【0090】図29に示されるように、LED光源8か
ら発せられた光束の一部は透光性部材3内で少なくとも
一度以上反射して領域5に入射される。領域5に入射さ
れた光束は拡散反射され一部は再び透光性部材3内で反
射され、他の一部はレンズ部36に向かって進む。そし
て、レンズ部36から射出される際にレンズ効果によっ
て集光されほぼ平行な光束として被照明面に射出され
る。
【0091】従って、被照明面と照明装置との距離があ
っても充分に高い照度で被照明面を照明することができ
るため、極めて効率的な照明を行なうことができる。加
えて、被照明面と離れていても充分に高い照度で被照明
面を照明することができるためにこの照明装置を使用し
た情報処理装置の設計の自由度も向上する。
【0092】また、図28においては、図1に較べて透
光性部材3がレンズ部36の分だけ横方向に延在されて
いるため、より一層均一な照明をすることができる。
【0093】なお、本発明に係る実施の形態において
は、レンズによって領域5において拡散・反射された光
束を被照明面で完全に集光(或いは結像)しなくとも良
い。
【0094】このように透光性部材3にレンズの機能を
持たせることで小型化が図れ且つコストの低下が図れる
ばかりでなくより一層の均一化された光照度の照明装置
を提供することができる。また、透光性部材3にレンズ
の機能を設ける場合は、図28で示した例に限られるも
のでなく、例えば、図31〜図35に示されるように、
図9、図20、図25及び図26に夫々示される照明装
置の透光性部材3にレンズ機能を持たせても良いことは
言うまでもないことである。
【0095】LED光源から発せられ、領域5へ入射さ
れる間接入射光の照度は透光性部材の内部を伝播するに
従って(LED光源から離れるに従って)減少する。ま
た、領域5へ入射される直接入射光の照度も同様にLE
D光源から離れるに従って減少する。従って、透光性部
材3の両端にLED光源を設けても透光性部材3の長手
方向の長さを長くするとどうしても中央部分の照度は低
下する傾向にある。図37(A)には上述した図34に
示される照明装置による透光性部材3の長手方向に対す
る相対照度のグラフが示されている。図からわかるよう
に従来のものに較べて照度分布は格段に均一化されてい
るのことが読み取れる。しかしながら、長手方向の中央
部分における相対照度の低下が見られ、これをより均一
化することが望まれる。以下、その点について説明す
る。
【0096】図35は本発明に係る別の照明装置の一例
を説明するための概略的構成図であり、図35(A)に
は本発明に係る照明装置を側面から見た模式的側面図が
被照明面である照明される原稿とともに示され、図35
(B)には図35(A)を紙面に垂直な面で切断した場
合の透光性部材3と領域5の模式的切断面図、図35
(C)は図35(A)に示される矢印A方向から照明装
置を見た模式的側面図である。
【0097】図に示されるように、本例の照明装置は、
レンズ部(集光部)を有する透光性部材3の両端面にL
ED光源8を配するとともに、透光性部材3はレンズ部
に対向して配された凸部35を有し、該凸部35の端面
に領域5が形成されている。透光性部材3の断面は、領
域5側を短辺とする台形形状の部分に凸レンズのレンズ
部が形成された形状とされている。LED光源8は領域
5に対応する位置と、それを挟む位置の形3個が両方の
端面側に夫々設けられている。また、図に示される照明
装置では、透光性部材3の長手方向の中央付近が端部に
較べて細くされている。
【0098】図36(A)に本照明装置の模式的平面図
を、図36(B)に模式的側面図を夫々示す。図に示さ
れるように、本照明装置では透光性部材の張り出し部分
が長手方向中心に向かって減少している。すなわち、透
光性部材の断面積は両端から中央に向かって減少してい
る。
【0099】このような構成の照明装置における透光性
部材3の長手方向の照度分布を図37(B)に示す。本
例のように透光性部材3の中央付近をくびれた形にする
と、一方の端部に設けられたLED光源8から発せられ
た光束の一部は他方の端部まで達する前に領域5に入射
される光束(間接入射光)となる確率が高まるため中央
付近の照射強度が増加する。つまり、反射を繰り返して
一方の端部から他方の端部に進んでいた光束は、張り出
し部分の張り出し量の減少のために斜面201で反射さ
れ透光性部材3内で更に反射光となる。従って、くびれ
が設けられていない場合に較べて領域5に入射される光
束の量が増加するため全体の照度、特にLED光源から
離れるに連れての照度を向上させることができる。
【0100】もちろんこのくびれの量は透光性部材の長
さや領域5の幅、透光性部材の厚さ、断面積、LED光
源の配置等を考慮して決めるのが望ましい。
【0101】また、透光性部材がレンズ部を有する場合
は、レンズの特性が変化しないように、例えば、レンズ
の形状に変化がないようにすることが望ましく、領域5
とレンズ面との距離を同じに保つことが望ましい。
【0102】なお、くびれの形状は図で示されるような
直線的なものとしても曲率を有するものとしても良く、
それ等を組み合わせた形状としても良い。
【0103】また、図38に示されるような形状に透光
性部材3を形成していも良い。図に示される透光性部材
3は、LED光源からの光束の入射端面が長方形とさ
れ、長手方向の中心が短辺が下側とされた台形形状とさ
れている。そして、該入射端面より中央側に寄った部分
の断面は端面部分の長方形の下側の両角が削られたよう
な形状とされ、この削られた形状の領域が徐々に拡大し
て上記台形形状の斜面につながっている。
【0104】図に示されるような形状にすることによっ
てより一層長手方向に均一な照度特性を有する照明装置
となる。
【0105】図39は図35に示される照明装置の領域
5を拡散面から上記した鋸歯状反射面に変えた例であ
る。領域5から集光部を望む角度が充分大きい(凸部の
深さや形状にもよるが、例えば60度以上)場合は領域
5に入射される光束の角度が垂直入射に近いものになる
が、本例のように領域5を鋸歯状の反射面とすることに
よって入射した光束は主として集光部に向かって反射さ
れ平行かそれに近い光束となって射出される。従って、
本例の構成とすれば、より一層照度の高い、且つ、長手
方向に照度が均一な照明装置となる。
【0106】図40は図39の照明装置に更に集光部と
してシリンドリカルレンズ9を配した例である。このよ
うにすることによって、平行な光束で射出された光を更
に集光することができるためにより一層強い照度で被照
明面を照射することができる。
【0107】次にLED光源の取り付けについて説明す
る。上記した例ではLED光源を配置することは説明し
たが、LED光源の具体的な取り付けについては説明を
省略した。以下にLED光源の取り付けについてより詳
細に説明する。なお。LED光源の取り付けは上記した
照明装置のいずれにも適用することができるし、上記し
た照明装置を適宜変形組み合わせた照明装置のいずれに
も適用することが可能であることは言うまでもない。
【0108】LED光源の取り付けに際して要求される
のは設計した位置にLED光源を正確に取り付けるこ
と、取り付け工程が精度を含めて簡略化できること、そ
してLED光源が発した光束をできるだけ損失すること
なく透光性部材の中に入射させることである。この要求
を満たせばLED光源の取り付けには特に制約はない。
【0109】その取り付けの最も簡単な例としてはLE
Dチップを透光性部材の端面に接着することである。し
かし接着による方法は、LED光源の交換が容易に行な
えず、また、透光性部材にアクリル等の樹脂を使用した
場合は温湿度による膨張収縮が大きいため接着の剥れや
LEDの破損等の不具合が発生する場合がある。
【0110】また、透光性部材とLED光源とを離して
配置すると透光性部材の膨張収縮によりLED光源と透
光性部材の端面との距離が変化して光束の損失を生じる
場合がある。
【0111】このような問題を解決する例として図41
に示されるような取り付け方法がある。
【0112】図41に示されるように、本例は透光性部
材3の端面に突出部3aを形成し、この突出部3aに嵌
合するように延在させた反射枠83を設けたLED光源
8を有している。
【0113】このような構成とすることによって、透明
封止樹脂84の外側表面と透光性部材3の入射側端面4
との間に透き間が空いても反射枠83があるために拡散
反射され光束が外部に漏れるという損失をなくすことが
できる。また、反射枠83で反射された光束の一部は入
射側端面4から透光性部材3内に入射されるのでより効
率よくLEDチップ81から発せられた光束の利用効率
は向上する。反射枠83は透光性部材3の突出部3aと
接着しても良いが、単に嵌合するだけにすることは透光
性部材3や反射枠83の膨張収縮にともなう応力を緩和
することができるために好ましい。
【0114】透光性部材3に突出部3aを設け、これと
LED光源8とを嵌合させることによってLED光源8
の取り付けの位置決め精度は向上し、嵌合だけにすれば
より工程を簡略化することができる。
【0115】図42は図41に示されたLED光源の取
り付け方法の変形例である。本例においてはLEDチッ
プを実装基板11の表面に表面実装し、その回りを白色
の樹脂や金属等で形成された反射枠と一体化したLED
光源8の反射枠11と突出部3aとを勘合させた例であ
る。
【0116】このような構成とすることによって、突出
部3aを所望の大きさ、形状に形成しそれに合わせてL
ED光源を取り付けることができるため、要求された特
性に合致した照明特性をより容易に得ることができる。
【0117】LED光源が取り付けられた部分以外の領
域の少なくとも一部に反射部を更に形成しても良い。反
射部を設けることで反対側の端面側から伝播された光束
が透光性部材の端面から射出されることなく再び内部反
射を繰り返すためにより光束の利用効率を上げることが
できる。
【0118】尚、突出部3aは必ずしも必要はないが、
上記したように位置決め精度が向上するという点で設け
られていることが好ましい。この突出部3aは、透光性
部材3と同時に成形することが可能であるが、必要に応
じて切削により設けても良いものである。
【0119】また、LED光源は透光性部材の入射側端
面に設けられた凹部に嵌合させる形式をとっても良い、
この場合にはLEDチップから発せられた光束の一部に
損失はあるが、位置決め精度と取り付け部分の突出量を
より少なくするという点においては効果的である。
【0120】図43は図42に示される本発明に係る照
明装置を利用した読取装置あるいは画像読取装置として
の光電変換装置の一例を説明するための模式的斜視図で
ある。図において、14はセンサー基板、15は保護ガ
ラス、16は光電変換装置の筺体である。センサー基板
14にはアモルファスシリコンや多結晶シリコン等の薄
膜半導体層を利用して形成された光電変換素子が複数、
1次元状に配列されている。保護ガラス15は不図示の
光電変換素子の複数上に設けられており、原稿との相対
移動による破損から光電変換素子を保護している。筺体
16には照明装置及びシリンドリカルレンズ9と嵌合す
る空間が形成されており、一方の端部側より照明装置及
びシリンドリカルレンズ9を挿入することによって所定
位置にセットされる。LED光源8は透光性部材3の突
出部3aに反射枠10が嵌合されて実装基板を取り付け
手段である螺子162を用いて筺体に設けられた螺子1
61と螺合される。
【0121】なお、透光性部材3には筺体16と嵌合す
る取り付け部37が形成されている。もちろん取り付け
部37は必ずしも設ける必要はないし、ここに図示され
る形状に限定されるものでもない。
【0122】次に、本発明に係る照明装置を画像処理シ
ステムとしての情報処理装置に適用した例を図面を用い
て説明する。
【0123】図44は、本発明に係る光電変換装置を用
いて構成した情報処理装置(例えばファクシミリ)の一
例を示す。
【0124】ここで、102は原稿17を読み取り位置
に向けて給送するための給送ローラ−、104は原稿P
を一枚ずつ確実に分離給送するための分離片である。1
8は光電変換装置100の読み取り位置に設けられて原
稿17の被読み取り面を規制するとともに原稿17を搬
送する、移動手段としての搬送ローラーである。
【0125】Wは図示の例ではロール紙形態をした記録
媒体であり、光電変換装置100により読み取られた画
像情報あるいはファクシミリ装置等の場合には外部から
送信された画像情報が形成される。110は当該画像形
成をおこなうための記録ヘッドであり、サーマルヘッ
ド、インクジェット記録ヘッド等種々のものを用いるこ
とができる。また、この記録ヘッドは、シリアルタイプ
のものでも、ラインタイプのものでもよい。112は記
録ヘッド110による記録位置に対して記録媒体Wを搬
送するとともにその被記録面を規制するプラテンローラ
である。
【0126】120は、操作入力を受容するスイッチや
メッセージその他、装置の状態を報知するための表示部
等を配したオペレーションパネルである。
【0127】130は、システムコントロール基板であ
り、各部の制御を行なう制御部や、光電変換素子の駆動
回路、画像情報の処理部、送受信部等が設けられる。1
40は、装置の電源である。
【0128】図44に示される情報処理装置の光電変換
装置部分の模式的拡大図を図45及び図46に示す。図
45は完全密着型のセンサーを用いたもので上記した図
43に示される光電変換装置を用いた例である。図46
は結像光学形19を用いた例であり、図35に示される
照明手段から射出された光束は原稿17を照射し、原稿
情報に応じて反射された光を結像光学形19を通じて光
電変換素子20に結像する。
【0129】また、図51に示されるように結像光学系
25を原稿側に設け、センサー基板21上に形成された
薄膜半導体を利用した光電変換素子22に保護層(保護
ガラス)23を通して結像させ読み取るタイプとしても
良いものである。
【0130】いずれの場合においても、照射される原稿
面は極めて均一な照度分布で照射され極めて優れた読取
を行なうことができた。
【0131】また、上記した他の照明装置を用いた場合
も従来の照明装置を用いた場合に較べて極めて優れた読
取を行なうことができた。
【0132】なお、本発明に係る照明装置においては、
充分な光量を得ることができることからカラー読取にも
適したものになる。また、照射光の色温度や色味を変え
るためにLED光源と透光性部材3の端面との間にフィ
ルターを介しても良く、透光性部材そのものを染色して
も良い。透光性部材を染色する場合は、入射端面を染色
することが好ましいが、表面のみの染色で良いのであれ
ば透光性部材から射出される射出面のみを染色するのが
望ましい。これは、透光性部材全体を染色或いは色つけ
すると、内部反射による光束の減衰量が大きくなり中央
(或いはLED光源から離れたところ)での光量の低下
が生じてしまうからである。
【0133】次に、図44に示される情報処理装置等に
適用することのできる出力方法としては上記したように
サーマルヘッドを用いた熱転写記録方法や感熱記録方
法、或いはインクジェット記録ヘッドを用いたインクジ
ェット記録方法がある。
【0134】このような方式の記録ヘッドを出力手段と
して情報処理装置の出力部分に適用した場合の構成例を
以下に説明する。なお、ここでは出力部分のみの説明を
行なう。
【0135】インクジェット記録方式の中でも、熱エネ
ルギーを利用した方式の記録ヘッドを用いることは本発
明に係る実施の形態にとってより優れた効果をもたらす
ものである。これはヘッド自体が小型化可能なため、照
明装置の小型化の効果を情報処理装置全体として享受す
ることができるためである。
【0136】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行なうものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド
型、コンテイニユス型のいずれにも適用可能であるが、
特に、オンデマンド型の場合は装置全体の小型化が図れ
るために好適である。
【0137】この方式を簡単に説明すると、液体(イン
ク)が保持されているシートや液路に対応して配置され
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰させて、
結果的にこの記録信号に一体一対応し液体内に気泡を形
成する。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介し
て液体を吐出させて少なくとも一つの適を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行なわれるので、特に応答性に優れた液体の吐
出が達成でき、より好ましい。
【0138】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが好ましい。なお、
上記熱作用面の温度上昇率に関する発明が記載されてい
る米国特許第4313124号明細書に記載されている
条件を採用すると、より優れた記録を行なうことができ
る。
【0139】記録ヘッドの構成としては、上記の各明細
書に記載されているような、吐出口、液路、電気熱変換
体の組み合わせ構成(直線状液路または曲折部を有する
液路を含む)の他に熱作用面が屈曲する領域に配置され
ている構成を開示する米国特許第4558333号明細
書、同第4459600号明細書を用いた構成も適用で
きるものである。
【0140】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを液体の吐出部とする構成を開示する特
開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波
を吸収する開口を吐出部に対応させる構成が開示される
特開昭59−138461号公報に基づいた構成を適用
することも有効である。
【0141】更に、記録装置が記録できる最大記録媒体
の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘ
ッドを用いても良く、この場合は上記した各明細書に記
載されているような複数の記録ヘッドの組み合わせによ
ってその長さを満たす構成としても良いし一体的に形成
された一つの記録ヘッドとして構成しても良い。
【0142】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、或
いは記録ヘッド自体に電気的な接続やインクタンクが一
体的に設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用
いることも好ましい。
【0143】また、本発明に係る情報処理装置の構成と
して設けられる記録ヘッドに対しての回復手段、予備的
な補助手段等を付加することはより一層のメンテナンス
フリーかを図ることができるためにより好ましいもので
ある。
【0144】これらを具体的にあげれば、記録ヘッドに
対しての、キャッピング手段、クリーニング手段、加圧
或いは吸引手段、記録ヘッドを加温するための電気熱変
換体のような加温手段、記録とは別の吐出を行なう予備
吐出モードを有することも安定した記録を行なうために
有効である。
【0145】更に、記録モードとしては黒色等の主流色
のみの記録モードだけでなく、記録ヘッドを一体的に構
成するか複数個の組み合わせによってでも良いが、異な
る色の複色カラーまたはフルカラーを可能にしても良
い。
【0146】以上の説明においては、液体(インク)の
例で説明しているが、インクは室温で固体状であるイン
クであっても、室温で軟化状態となるインクであっても
用いることができる。上述のインクジェット方式ではイ
ンク自体を30℃〜70℃の範囲で温度調整を行なって
インクの粘度を安定吐出範囲にあるように温度制御する
ものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインク
が液体状をなすものであれば良い。加えて、積極的に熱
エネルギーによる昇温でインクを固体状態から液体状態
として使用するのであっても良い。
【0147】次にこのような熱エネルギーを利用して液
体を吐出して記録を行なう方式に利用されるインクジェ
ット記録ヘッドについて簡単に説明する。
【0148】図47はこのようなインクジェット記録ヘ
ッドの一例を説明するための概略構成図であり、エッチ
ング・蒸着・スパッタリング等の半導体製造プロセス工
程を経て、基板1102上に成膜形成された電気熱変換
体1103、電極1104、液路1105、天板110
6から構成されているインクジェット記録ヘッドが示さ
れている。記録用の液体1112は図示していない液体
貯蔵室から液体供給管1107を通して記録ヘッド11
01の共通液室1108に供給される。図中1109は
液体供給管用コネクタである。
【0149】共通液室1108内に供給された液体11
12は所謂毛管減少により液路1110内に供給され、
液路先端の吐出口(オリフィス)面でメニスカスを形成
することにより安定に保持される。ここで電気熱変換体
1103に通電することにより、電気熱変換体面上の液
体が急峻に加熱され、液路中に気泡が生起され、その気
泡の膨張・収縮により吐出口1111から液体を吐出し
液滴が形成される。
【0150】上記したような構成により吐出口密度16
ノズル/mm以上といった高密度の吐出口配列で128吐
出口或いは256吐出口という更には、記録幅内全域に
亙って吐出口が配置されたフルラインタイプのインクジ
ェットヘッドが形成できる。図48はインクジェット記
録方式を用いた出力部の外部構成の概略を示した斜視図
である。
【0151】図において、1801は所定の記録信号に
基づいてインクを吐出し、所望の画像を記録するインク
ジェット記録ヘッド(以下記録ヘッドという)、180
2は前記記録ヘッド1801を記録方向(主走査方向)
に走査移動するためのキャリッジである。前記キャリッ
ジ1802は、ガイド軸1803、1804によって摺
動可能に支持されており、タイミングベルト1808に
連動して主走査方向に往復運動する。プーリー180
6、1807に係合している前記タイミングベルト18
08は、プーリー1807を介してキャリッジモーター
1805によって駆動される。
【0152】記録し1809はペーパーパン1810に
よってガイドされ、ピンチローラで圧接されている不図
示の紙送りローラによって搬送される。
【0153】この搬送は、紙送りモーター1816を駆
動源として行なわれる。搬送された記録紙1809は、
排紙ローラ1813と拍車1814によりテンションを
加えられていて、弾性部材で形成される紙押え板181
2によってヒータ1811に密着させられながら搬送さ
れる。記録ヘッド1801により吐出されたインクが付
着した記録紙1809は、ヒータ1811によって温め
られ、付着したインクはその水分が蒸発して記録紙18
09に定着する。
【0154】1815は回復系と呼ばれるユニットで、
記録ヘッド1801の吐出口(不図示)に付着した異物
や粘度の高くなったインクを除去することにより、吐出
特性を正規の状態に維持するためのものである。
【0155】
【0154】1818aは回復系ユニット1815の一
部を構成するキャップであり、記録ヘッド1801の吐
出口をキャピングして目詰りの発生を防止するためのも
のである。キャップ1818aの内部には、インク吸収
体1818を配することが望ましい。
【0156】また、回復系ユニット1815の記録領域
側には、記録ヘッド1801の吐出口が形成された面と
当接し吐出口面に付着した異物やインクをクリーニング
するためのブレード1817が設けられている。
【0157】本発明に係る実施の形態においては、図5
0のブロック図に示されるように、光電変換装置で読み
取られた画像情報を担った電気信号を画像処理手段によ
って記録のための電気信号に変換し、CPU(中央演算
処理回路)等のコントローラーによりキャリッジモータ
ー、紙送りモーター、回復装置等をコントロールして記
録を行なう。
【0158】なお、前記画像情報を担った電気信号は、
通信手段を介して別の画像処理装置に送信されそこで出
力されても良いし、別の情報処理装置から通信手段を介
して情報を受信して上記記録ヘッドによって記録がなさ
れても良い。
【0159】次にフルラインタイプの記録ヘッド193
2が搭載された場合の出力部分の概略を図49に示す。
【0160】図49において、1965は記録媒体を搬
送するための搬送ベルトであり、この搬送ベルト196
5は搬送ローラ1964の回転にともなって不図示の記
録媒体を搬送する。記録ヘッド1932の下面は記録媒
体の記録領域に対応して吐出口が複数配された吐出口面
1931となっている。
【0161】この場合においても前記したシリアルタイ
プの場合と同様に記録を行なうことができる。
【0162】もちろん上記した出力部分は一例としてあ
げられたものであって多くの変形例が考え得る。
【0163】しかしながら、上記したように熱エネルギ
ーを利用して液体を吐出する方式を利用した場合は、よ
り小型化が可能になるばかりでなく、より高精細な記録
を行なえるため、本発明の効果をより一層際立たせるこ
とができ、情報処理装置全体として見ても極めて優れた
ものとすることができる。
【0164】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
小型で且つ均一な照明を高強度で行ない得ると共に、安
定した画像読み取りが可能な画像処理システム、画像読
取装置、読取装置用導光体及び読取装置を提供すること
ができる。
【0165】なお、本発明は、本発明の範囲内で適宜変
形可能であるし、上記した各実施態様例を適宜組み合わ
せても良いことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る照明装置の一例を説明するための
図である。
【図2】本発明に係る照明装置を説明するための図であ
る。
【図3】本発明に係る照明装置と従来の照明装置との違
いを説明するための図である。
【図4】LEDアレイを利用した照明装置の一例を説明
するための図である。
【図5】LEDアレイを利用した照明装置の一例を説明
するための図である。
【図6】透光性部材を利用した照明装置の一例を説明す
るための図である。
【図7】透光性部材を利用した照明装置の一例を説明す
るための図である。
【図8】LED光源の一例を説明するための模式的断面
図である。
【図9】本発明に係る照明装置の一例を説明するための
図である。
【図10】本発明に係る照明装置の一例を説明するため
の図である。
【図11】本発明に係る照明装置の一例を説明するため
の図である。
【図12】本発明に係る照明装置の一例を説明するため
の図である。
【図13】本発明に係る照明装置の一例を説明するため
の図である。
【図14】本発明に係る照明装置の一例を説明するため
の図である。
【図15】本発明に係る照明装置を説明するための図で
ある。
【図16】本発明に係る照明装置の一例を説明するため
の図である。
【図17】本発明に係る照明装置の一例を説明するため
の図である。
【図18】本発明に係る照明装置の一例を説明するため
の図である。
【図19】本発明に係る照明装置の一例を説明するため
の図である。
【図20】本発明に係る照明装置の一例を説明するため
の図である。
【図21】本発明に係る照明装置を説明するための図で
ある。
【図22】本発明に係る照明装置を説明するための図で
ある。
【図23】本発明に係る照明装置の一例を説明するため
の図である。
【図24】本発明に係る照明装置の一例を説明するため
の図である。
【図25】本発明に係る照明装置の一例を説明するため
の図である。
【図26】本発明に係る照明装置の一例を説明するため
の図である。
【図27】本発明に係る照明装置の一例を説明するため
の図である。
【図28】本発明に係る照明装置の一例を説明するため
の図である。
【図29】本発明に係る照明装置を説明するための図で
ある。
【図30】本発明に係る照明装置を説明するための図で
ある。
【図31】本発明に係る照明装置の一例を説明するため
の図である。
【図32】本発明に係る照明装置の一例を説明するため
の図である。
【図33】本発明に係る照明装置の一例を説明するため
の図である。
【図34】本発明に係る照明装置の一例を説明するため
の図である。
【図35】本発明に係る照明装置の一例を説明するため
の図である。
【図36】本発明に係る照明装置の一例を説明するため
の図である。
【図37】照明装置の長手方向に対する照度分布を説明
するための図である。
【図38】本発明に係る照明装置の一例を説明するため
の図である。
【図39】本発明に係る照明装置の一例を説明するため
の図である。
【図40】本発明に係る照明装置の一例を説明するため
の図である。
【図41】本発明に係る光源の取り付けを説明するため
の模式的断面図である。
【図42】本発明に係る光源の取り付けを説明するため
の模式的断面図である。
【図43】本発明に係る照明装置を説明するための模式
的斜視図である。
【図44】本発明に係る照明装置が適用可能な情報処理
装置の模式的断面図である。
【図45】本発明に係る照明装置を適用した情報処理装
置の一部を示す模式的断面図である。
【図46】本発明に係る照明装置を適用した情報処理装
置の一部を示す模式的断面図である。
【図47】本発明に係る情報処理装置に適用可能なイン
クジェット記録ヘッドの一例を説明するための模式的斜
視図である。
【図48】本発明に係る情報処理装置に適用可能なイン
クジェット記録方式を用いた記録部の一例の模式的斜視
図である。
【図49】本発明に係る情報処理装置に適用可能なイン
クジェット記録方式を用いた記録部の一例の模式的斜視
図である。
【図50】本発明に係る情報処理装置の構成の一例を説
明するためのブロック構成図である。
【図51】本発明に係る照明装置を適用した情報処理装
置の一部を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
3 透光性部材 4 入射面 5 領域 6 反射面 8 LED光源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 板橋 哲 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 1/024 - 1/207 G06T 1/00 - 9/40 G02B 6/00 G03B 27/54

Claims (28)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源からの光を長手方向に導光し光を照
    射する導光体を内蔵した照明装置と、 前記照明装置により照明された画像を読取り、画像信号
    を出力する光電変換手段と、 前記画像と前記光電変換素子とを相対的に移動させる移
    動手段と、 前記照明装置と前記光電変換手段と前記移動手段の制御
    を行う制御手段とを備え、 前記導光体は、前記光源からの光を前記導光体の長手方
    向に沿って拡散及び/または反射する細長い領域を有
    し、少なくとも前記光源に比較的近い一部の前記領域に
    おいて該領域の幅の中心を通る法線が前記光源の中心を
    通る法線からずれるように前記光源と前記領域との相対
    的位置を設定したことを特徴とする画像処理システム。
  2. 【請求項2】 請求項1において、さらに前記画像信号
    を外部に送信するための送信手段を備えたことを特徴と
    する画像処理システム。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記領域
    は、前記導光体の長手方向に沿って前記導光体のほぼ全
    長にわたって配設されていることを特徴とする画像処理
    システム。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項におい
    て、前記領域は、光反射性の塗料を塗布することにより
    形成されることを特徴とする画像処理システム。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至3のいずれか1項におい
    て、前記領域は、前記導光体に粗面を形成したものであ
    ることを特徴とする画像処理システム。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至3のいずれか1項におい
    て、前記領域は、前記導光体の一部を鋸歯状の面を形成
    したものであることを特徴とする画像処理システム。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至3のいずれか1項におい
    て、前記領域は、前記導光体に設けた凸部に形成される
    ことを特徴とする画像処理システム。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれか1項におい
    て、さらに照射する光を集光する集光手段を有すること
    を特徴とする画像処理システム。
  9. 【請求項9】 光源からの光を長手方向に導光し光を照
    射する導光体を内蔵した照明装置と、 前記照明装置により照明された画像を読取り画像信号を
    出力する光電変換手段と、 前記画像信号を外部に送信する送信手段と、 前記照明装置と前記光電変換手段の制御を行うと共に前
    記送信手段と接続された制御手段とを備え、 前記導光体は、前記光源からの光を前記導光体の長手方
    向に沿って拡散及び/または反射する細長い領域を有
    し、少なくとも前記光源に比較的近い一部の前記領域に
    おいて該領域の幅の中心を通る法線が前記光源の中心を
    通る法線からずれるように前記光源と前記領域との相対
    的位置を設定したことを特徴とする画像処理システム。
  10. 【請求項10】 請求項9において、前記領域は、前記
    導光体の長手方向に沿って前記導光体のほぼ全長にわた
    って配設されていることを特徴とする画像処理システ
    ム。
  11. 【請求項11】 請求項9または10において、前記領
    域は、光反射性の塗料を塗布することにより形成される
    ことを特徴とする画像処理システム。
  12. 【請求項12】 請求項9または10において、前記領
    域は、前記導光体に粗面を形成したものであることを特
    徴とする画像処理システム。
  13. 【請求項13】 請求項9または10において、前記領
    域は、前記導光体の一部を鋸歯状の面を形成したもので
    あることを特徴とする画像処理システム。
  14. 【請求項14】 請求項9または10において、前記領
    域は、前記導光体に設けた凸部に形成されることを特徴
    とする画像処理システム。
  15. 【請求項15】 請求項9乃至14のいずれか1項にお
    いて、さらに照射する光を集光する集光手段を有するこ
    とを特徴とする画像処理システム。
  16. 【請求項16】 画像を読み取り画像信号を出力するた
    めのラインセンサと、 光源と、 前記ラインセンサの長手方向である第1の読取方向に沿
    って原稿をライン状に照射するための導光体であって、
    該導光体は、前記第1の読取方向に対応した前記導光体
    の長手方向の端面に前記光源が配置され、前記光源から
    の光を前記第1の読取方向に沿って前記導光体内部を導
    光して前記原稿を前記ラインセンサの前記第1の読取方
    向にライン状に照射するための光射出面と、前記光源か
    らの光を前記第1の読取方向に沿って拡散及び/又は反
    射するために前記光射出面と異なる面に設けられ前記第
    1の読取方向に沿って前記導光体のほぼ全長にわたって
    設けられた反射部とを有し、前記導光体のほぼ全長にわ
    たって設けられた前記反射部の内の少なくとも前記光源
    に比較的近い一部の前記反射部において、該反射部の幅
    の中心を通る法線が前記光源の中心を通る法線とずれる
    ように前記光源に対して配置した導光体と、 前記導光体により前記第1の読取方向に沿って照明され
    る画像と前記ラインセンサとの位置関係を前記第1の読
    取方向とは異なる第2の読取方向に移動するための駆動
    手段と、 前記光源、前記ラインセンサ及び前記駆動手段を制御す
    るための制御回路と、を有することを特徴とする画像読
    取装置。
  17. 【請求項17】 前記ラインセンサから出力された前記
    画像信号を処理するためのプロセッサと、 前記画像信号を外部処理装置に伝達するための伝達手段
    と、を有することを特徴とする請求項16に記載の画像
    読取装置。
  18. 【請求項18】 前記反射部は前記導光体のほぼ全長に
    わたって設けられていると共に、該反射部のすくなくと
    も一部が前記導光体の断面の中央からずれた位置に設け
    られていることを特徴とする請求項16または17に記
    載の画像読取装置。
  19. 【請求項19】 前記画像読取装置はカラー読取用のも
    のであることを特徴とする請求項16ないし19記載の
    画像読取装置。
  20. 【請求項20】 前記導光体は直交する複数の面と、該
    複数の面に対して傾斜した傾斜面を有することを特徴と
    する請求項16に記載の画像読取装置。
  21. 【請求項21】 前記導光体は平行な複数の面と、該複
    数の面に対して傾斜した傾斜面を有することを特徴とす
    る請求項16に記載の画像読取装置。
  22. 【請求項22】 ラインセンサの長手方向である第1の
    読取方向に沿って原稿をライン状に照射するための読取
    装置用導光体であって、 該読取装置用導光体は、前記ラインセンサの第1の読取
    方向に対応した方向の端面に所定の光源が配置され、該
    光源からの光を前記ラインセンサの第1の読取方向に沿
    って前記読取装置用導光体内部を導光して前記原稿を前
    記ラインセンサの前記第1の読取方向にライン状にかつ
    前記原稿に対して斜めに光を照射するための光射出面
    と、 前記光源からの光を前記第1の読取方向に沿って拡散及
    び/又は反射するために前記第1の読取方向に沿って前
    記導光体のほぼ全長にわたって設けられた反射部とを有
    し、 少なくとも前記光源に比較的近い一部の前記反射部にお
    いて、前記光源側から見た場合に該反射部の幅の中心を
    通る法線が前記光源の中心とずれると共に、前記光源側
    から見た場合に前記法線が前記反射部を含む辺の中心か
    らずれるように前記反射部を前記光源に対して配置した
    ことを特徴とする読取装置用導光体。
  23. 【請求項23】 前記読取装置用導光体はカラー読取用
    のものであることを特徴とする請求項22記載の読取装
    置用導光体。
  24. 【請求項24】 前記読取装置用導光体は直交する複数
    の面と、該複数の面に対して傾斜した傾斜面を有するこ
    とを特徴とする請求項22に記載の読取装置用導光体。
  25. 【請求項25】 前記読取装置用導光体は平行な複数の
    面と、該複数の面に対して傾斜した傾斜面を有すること
    を特徴とする請求項22に記載の読取装置用導光体。
  26. 【請求項26】 前記光射出面から原稿に対して斜めに
    射出された光の反射光が結像光学系を介して前記ライン
    センサに結像するように前記光射出方向が設定されてい
    ることを特徴とする請求項22に記載の読取装置用導光
    体。
  27. 【請求項27】 請求項22に記載の読取装置用導光体
    と前記光源とを位置決めすることによって一体化すると
    共に、前記ラインセンサと組み合わせたことを特徴とす
    る読取装置。
  28. 【請求項28】 請求項27に記載の読取装置におい
    て、前記導光体により前記第1の読取方向に沿って照明
    される画像と前記ラインセンサとを前記第1の読取方向
    とは異なる第2の読取方向に相対的に移動させるための
    移動手段を有することを特徴とする読取装置。
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