JP3155779U - 衣料用裏地 - Google Patents

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登 鎌田
博 並川
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Abstract

【課題】裏地としての基本機能を満たすとともに、塩素系の漂白剤や還元漂白剤に対しても、また、長時間の揉み洗いに対する負荷に対しても、ピリングや色落ちや色褪せや変色や外観変化を殆んどしない衣料用裏地を提供する。【解決手段】着色剤を総量に対して0.2〜5質量%の範囲で含有した原着ポリエステル繊維と、着色剤を総量に対して0.2〜5質量%の範囲で含有した原着セルロース系繊維とを複合した複合繊維からなる衣料用裏地であって、前記原着ポリエステル繊維Aと前記原着セルロース系繊維Bとの混用重量比率A/Bが80/20〜30/70であり、カバーファクターCFが20以上45以下である。【選択図】図1

Description

本考案は、デニムやカラージーンズと称するジャケットやパンツ等の縫製品のポケットやベルト廻りの腰裏に使われる衣料用裏地に関し、さらに詳しくは、使い古した外観を表現するために漂白加工剤を併用して製品洗い加工を施しても、さらに繰り返しの洗濯や長時間の着用に対しても、脱色や褪色の殆んどない堅牢性に優れ、吸湿性の良い衣料用裏地に関する。
ブルーデニムやブラックデニムやカラージーンズと称する生地を用いたパンツやジャケット等の縫製品は、製品洗いと称して、漂白剤を併用して強制的に色落ちさせたり、長時間の揉み洗いによって、生地表面に物理的な摩擦による濃淡部分を現出させ、洗い前とはまったく異なった着古し感や、表情の異なる個性的な生地外観を得ることによって、幅広くユーザーから支持を得て、定着していることは周知の事実である。
前記製品洗い用の衣料品に付属するポケットやベルト廻りの腰裏に使用される衣料用裏地は、汗を吸い、風合いが良く、擦れに強く、小物をいれても破れにくい等の裏地としての基本機能を満たすとともに、コストパフォーマンスにも優れていることから、ポリエステルレーヨン混織物が広く使われる。
前記衣料用裏地は、着古し感のある表生地と対比させるためのデザイン面からの要請から、黒や濃色に染色されているものが必要とされ、製品洗い時の漂白剤や揉み洗いに対する負荷に対しても、色落ちや色褪せが殆んどしない高い堅牢度を維持する性能を要望された。
これらのニーズに対して、従来から広く使用されている分散/反応染や分散/硫化染料染で染色した裏地では、製品洗い時に用いられる塩素系漂白剤に色褪せしてしまうため、分散/スレン染料で染色した裏地が使われていたが、染料コストが高い上に、濃度があがらず、また鮮明性に欠ける欠点が有り、顧客ニーズを満たしているとは云い難かった。
また、昨今、地球環境保全が強く叫ばれる中、洗い加工時に多量の塩素系漂白剤を使用することが環境汚染を誘発するとして問題視されはじめ、セルロース系繊維に対して漂白作用があり、天然系のぶどう糖の還元漂白作用を活用した製品洗い方法が開発され(特許文献1参照)、地球環境にやさしい製品洗い法としてクローズアップされ、定着しはじめてきた。
しかしながら、分散/スレン染料は、その染色特性から塩素系漂白剤には耐性のあるものの、還元漂白作用のある漂白剤に対しては、色褪せしてしまうと云う問題が出てきており、色目が濃く、深く、塩素系漂白剤にも還元漂白剤にも褪色しにくい製品洗い用のデニムやカラージーンズ用に適した裏地の商品化を強く望まれてきていた。
特開平10−121387号公報
本考案の課題は、汗を吸い、風合いが良く、擦れに強く、小物をいれても破れにくい等の裏地としての基本機能を満たすともに、色目は、濃く、深く、塩素系の漂白剤や還元漂白剤に対しても、また、長時間の揉み洗いに対する負荷に対しても、ピリングや色落ちや色褪せや変色や外観変化を殆んどしない高い磨耗、漂白耐性堅牢度を備えた衣料用裏地を提供することである。
本考案者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、従来、生地を染色して本用途に供されていた裏地に比べて、顔料等の着色剤を繊維自体に練り込んだ原着繊維は、色目が深く、濃く、セルロース系繊維に使用される漂白剤に対しても、色褪せがしにくいことを見出して、本考案を完成するに至った。
すなわち、本考案は以下の構成からなる。
(1)着色剤を総量に対して0.2〜5質量%の範囲で含有した原着ポリエステル繊維と、着色剤を総量に対して0.2〜5質量%の範囲で含有した原着セルロース系繊維とを複合した複合繊維からなる衣料用裏地であって、
前記原着ポリエステル繊維(A)と前記原着セルロース系繊維(B)との混用重量比率(A/B)が80/20〜30/70であり、かつ下記式で表されるカバーファクター(CF)が20以上45以下であることを特徴とする衣料用裏地。
カバーファクター:CF=CF1+CF2
CF1=経糸密度Dw(本/2.54cm)/√経糸番手Nw
CF2=緯糸密度Df(本/2.54cm)/√横糸番手Nf
(2)前記原着ポリエステル繊維と前記原着セルロース系繊維とが短繊維であり、これら短繊維どうしを混紡した紡績糸を用いた前記(1)に記載の衣料用裏地。
(3)前記原着ポリエステル繊維がフィラメント糸であり、前記衣料用裏地の一部に交織されている前記(1)および(2)に記載の衣料用裏地。
本考案による製品洗い用の衣料用裏地は、着色剤を含有したポリエステルレーヨン混織物として、汗を吸い、風合いが良く、擦れに強く、小物をいれても破れにくい等の裏地としての基本機能を満たすとともに、色目は、濃く、深く、塩素系の漂白剤や還元漂白剤に対しても、また、長時間の揉み洗いに対する負荷に対しても、ピリングや色落ちや色褪せや変色や外観変化を殆んどしない高い磨耗、漂白耐性堅牢度を備えた、従来にはみられない高い性能を有する。
(a)は本考案に係る裏地を備えるボトムスの1例であるパンツの正面図であり、(b)は同パンツの背面図である。 本考案に係る裏地を備えるアウターウェアの1例であるジャケットの正面図である。
(ポリエステル繊維)
本考案におけるポリエステル繊維とは、エチレンテレフタレートを主たる構成単位としたポリエステル繊維を代表例とするが、少量の第三成分と共重合させたポリエステル繊維でも良く、静電防止剤等その他の改質剤を含んでいても差し支えない。
(セルロース系繊維)
本考案におけるセルロース系繊維とは、ビスコース法レーヨン、モダールに代表されるハイウエットモジュラスレーヨン、セルロースを有機溶剤(NメチルモルフォリンNオキサイド)に溶かして紡糸される精製セルロース繊維や銅アンモニアレーヨンやポリノジックレーヨン、竹を原料とする再生セルロース繊維等があげられ、これらを単独で用いても、混用して用いても良い。
(ポリエステル繊維の着色剤)
本考案でいう着色剤は、ポリマーの重合段階から紡糸されるまでの任意の過程で添加すれば良いが、設備の汚染、制御等の取り扱性から、重合終了後に添加する方がより好ましい。
添加方法としては、溶融紡糸時の安定性、着色剤の取り扱い性により、マスターバッチ方式が好ましい。
本考案でいう着色剤の具体例としては、カーボンブラック、酸化チタン、弁柄、群青等の無機系顔料、フタロシアニン系、ポリアゾ系、アンスラキノン系、ペリレン系等の有機系顔料などがあげられる。
(原着ポリエステル繊維)
本考案における原着ポリエステル繊維には、着色剤を原着ポリエステル繊維の総量に対して0.2〜5.0質量%含有させており、好ましくは0.5〜3.0質量%を含有させるのが良い。原着ポリエステル繊維の総量に対して0.2質量%よりも少ないと該原着ポリエステル繊維に充分な発色や色濃度が得られず、一方、5.0質量%を超えると円滑な該原着ポリエステル繊維の紡糸を行い難くなり好ましくない。
(原着ポリエステル繊維のフィラメント糸・短繊維)
本考案における原着ポリエステル繊維のフィラメント糸は、ポリエステルポリマーに着色剤の含有量が原着ポリエステル繊維の総量に対して0.2~5.0質量%に成る様に混合させたものを、常法により、溶融紡糸溶融紡糸装置を用いて紡糸・延伸して得られる。
また、本考案における原着ポリエステル繊維の短繊維は、得られたフィラメント糸を延伸したのちに捲縮を付与し、さらに必要な長さにカットして得られる。
(原着ポリエステル繊維の性質)
本考案における原着ポリエステル繊維は、水、油、アルコールなどに不溶で、かつ染料よりもはるかに大きな粒径を有する着色顔料(色素粒子)が、繊維内部に分散した状態で着色しているために、原着ポリエステル繊維は、色目が深く、濃く、酸化漂白や還元漂白に対する耐性に優れ、耐熱性、耐光性をもち、さらに洗濯や摩擦等による色素の変化、色素の脱落、色素の熱に対する移行の問題が、はるかにおきにくい。
(原着セルロース系繊維)
本考案における原着セルロース系繊維には、原着セルロース系繊維の総量に対して0.2~5.0質量%の着色剤を含有させており、好ましくは0.5〜3.0質量%を含有させるのが良い。原着セルロース系繊維の総量に対して0.2質量%よりも少ないと該原着セルロース系繊維に充分な発色や色濃度が得られず、一方、5.0質量%を超えると円滑な原着セルロース系繊維の紡糸に支障をきたすからである。
(セルロース系繊維の着色剤)
本考案でいう着色剤の具体例としては、原着ポリエステル繊維の着色剤で例示したものと同じ、カーボンブラック、酸化チタン、弁柄、群青等の無機系顔料、フタロシアニン系、ポリアゾ系、アンスラキノン系、ペリレン系等の有機系顔料などがあげられる。
(原着セルロース系繊維フィラメント糸・短繊維)
本考案における原着セルロース系繊維のフィラメント糸は、着色剤をセルロース原液に原着セルロース系繊維の総量に対して0.2〜5.0質量%混合したのち、常法によって、湿式紡糸または乾・湿式紡糸して得られる。
本考案における原着セルロース系繊維の短繊維は、得られたフィラメント糸を紡糸したのち必要な長さにカットし、乾燥させて得られる。
(原着セルロース系繊維の性質)
本考案における原着セルロース系繊維は、水、油、アルコールなどに不溶で、かつ染料よりもはるかに大きな粒子径を有する着色顔料(色素粒子)が、繊維内部に分散した状態で着色しているために、原着セルロース系繊維は酸化漂白や還元漂白に対する耐性に優れ、耐熱性、耐光性をもち、さらに洗濯や摩擦等による色素の変化や色素の脱落が、はるかにおきにくい。
(混紡糸)
本考案における原着ポリエステル繊維と原着セルロース系繊維との混紡糸は、これらの短繊維を常法の紡績工程で混綿したのち、梳綿、練条、粗紡、精紡工程を経て得られるリング紡績糸でも、スライバーから直接糸に紡ぐオープエンド紡績法や空気過流(村田機械製MVS)紡績法等によって得られる紡績糸でも、紡績法にはこだわらないが、紡績糸としての必要な強度や均斉度や糸外観を備えている必要がある。
(裏地織物)
本考案の裏地は、上記混紡糸を用いて、特に限定されるものではないが、平織、綾織、朱子織、それらの変化組織等の製織方法で得られ、好ましくは綾織で製織されるのが良い。綾織は、連続的に浮き沈みした交錯点によって、表面に綾線が走り、得られる織物は、かっちりとした組織で平滑性があり、平織りよりも糸密度を高くすることができ、地質が柔らかく、光沢のある厚い織物が得られる。さらに原着ポリエステル繊維のフィラメント糸を用い、本考案の裏地に原着ポリエステル繊維のフィラメント糸が交織されて含むことが好ましい。
その際、本考案の裏地は、原着ポリエステル繊維(A)と原着セルロース系繊維(B)との混用率重量比率(A/B)が、80/20〜30/70の範囲で、下記式で表される織物の織物被覆度(CF:カバーファクター)が、20以上45以下、好ましくは23〜30の範囲であるのが良い。
カバーファクター:CF=CF1+CF2
CF1= 経糸密度Dw(本/2.54cm)/√経糸番手Nw
CF2= 緯糸密度Df(本/2.54cm)/√横糸番手Nf
上記CFが20より低いと、従来の染料による織物設計では、裏地として密度が不足してしまい、目ズレ等の問題が発生しやすい。上記CFが45を超えてしまうと、高密度になりすぎて、製織上の問題が多発したり、織物として硬く、厚くなりすぎて、裏地として適さない。それに対して、本願は上記生地を使っているので、高温、高熱、水洗等の長時間に及ぶ染色負荷によって生ずる経方向や緯方向の数%〜10%程度(組織、密度、染色法によって異なる)の生地収縮を、殆んど起こすことがない。さらに、本願の上記生地は、裏地として必要な擦れに対する強度や吸湿性があり、ピリングの発生もなく、酸化漂白剤や還元漂白剤に対しての脱色や色褪せなどの漂白耐性を有するとともに、色目が深く、濃く、摩擦に対する堅牢度が良好で、目ズレや毛羽立ち等の外観変化をおこさない良好な織物が得られる。
(実施形態)
以下、本考案に係る裏地を適用した実施形態を、図1および図2に基づいて説明する。これらの図に示す衣服は、主にカジュアルウェアとして着用されるパンツAおよびジャケットBである。
本考案に係る裏地を適用したパンツAの実施例を説明する。図1に示すように、このパンツAは長ズボンタイプであり、左右一対の脇ポケット用生地1と、左右一対の腰ポケット用生地2と、ベルト廻りの腰裏帯地用生地3に本考案の裏地を使用したものである。
前記パンツAは長ズボンタイプであるが、長ズボンタイプに限定されるものではなく、七分丈ズボンタイプでも半ズボンタイプ等であってもよい。
次に、図2に基づいて本考案に係る裏地を適用したジャケットBの構成を説明する。図2に示すように、このジャケットBは長袖タイプであり、左右一対の胸ポケット用生地4と、左右一対の腰ポケット用生地5に本考案の裏地を使用したものである。
前記ジャケットAは長袖タイプであるが、長袖タイプに限定されるものではなく、七分袖等の短い袖や半袖等であってもよい。
これらの裏地は、パンツAまたはジャケットBに縫合または接着するなどして取付けられる。また、これらの裏地は、洗い加工で色落ちしないため、色目が濃く、深く、塩素系漂白剤にも還元漂白剤にも褪色しにくい製品洗い用のデニムやカラージーンズの裏地に適している。
以下、本考案を実施例および比較例により、具体的に説明するが、本考案はこれらに制限されるものではない。なお、実施例および比較例におけて用いた織物の性能の評価は次の方法で実施した。
(1)洗い前の織物の色の深み・濃さの評価
カラーアイ(グレタグマクベス社(株)製)を用いて織物のL値(明度)を測定した。L値によって以下の評価をした。
○: 優 ( L ≦ 16.0 )
△: 良〜可( 16.0 < L < 22.0 )
×: 不可 ( L ≧ 22.0 )
(2)塩素系漂白剤で洗い後の織物の色の深み・濃さ(試験I)の評価
織物と塩素系漂白剤として有効塩素12%の次亜塩素酸ソーダ10g/L溶液の浴比を1:20とし、ワッシャーにて水温60℃で20分間撹拌浸漬させ、脱塩素処理し、該織物を水洗・乾燥させた(この一連の工程は標準的な製品洗いのブリーチ工程である。)後にカラーアイ(グレタグマクベス社(株)製)を用いて該織物のL値(明度)を測定した。L値によって以下の評価をした。
○: 優 ( L ≦ 16.0 )
△: 良〜可( 16.0 < L < 22.0 )
×: 不可 ( L ≧ 22.0 )
(3)還元漂白剤で洗い後の織物の色の深み・濃さ(試験II)の評価
織物と還元系漂白剤としてハイドロサルファイト15g/Lと苛性99%の固形苛性ソーダの5g/Lの溶液の浴比を1:20とし、ワッシャーにて水温80℃で20分間撹拌浸漬させ、溶液を中和し、該織物を水洗・乾燥させた後にカラーアイ(グレタグマクベス社(株)製)を用いて該織物のL値(明度)を測定した。ここで、ぶどう糖での製品洗い条件に近似した漂白にするために、還元漂白剤(ハイドロサルファイト)を用いた。L値によって以下の評価をした。
○: 優 ( L ≦ 16.0 )
△: 良〜可( 16.0 < L < 22.0 )
×: 不可 ( L ≧ 22.0 )
(4)乾燥状態の織物の摩擦堅牢度の判定(乾試験)
染色堅牢度試験方法(JIS―L−0849)に規定されている摩擦試験機II形(学振形)に準拠し、乾燥状態の織物の級数(G)判定を行った。級数判定によって、以下の判定をした。
○: 優 ( G ≧ 4級 )
△: 良〜可( G = 3.5級 )
×: 不可 ( G ≦ 3級 )
(5)湿潤状態の織物の摩擦堅牢度の判定(湿試験)
染色堅牢度試験方法(JIS―L−0849)に規定されている摩擦試験機II形(学振形)に準拠し、湿潤状態の織物の級数(G)判定を行った。級数判定によって、以下の判定をした。
○: 優 ( G ≧ 3級 )
△: 良〜可( G = 2.5級 )
×: 不可 ( G ≦ 2級 )
(6)織物の昇華堅牢度の判定
昇華に対する染色堅牢度試験方法(JIS―L−0854)にて、織物の級数(G)判定を行った。級数判定によって、以下の判定をした。
○: 優 ( G ≧ 4級 )
△: 良〜可( G = 3.5級 )
×: 不可 ( G ≦ 3級 )
(7)織物の磨耗強度の評価
一般織物試験方法(JIS−L−1096)に規定されている摩耗強さのA法(ユニバーサル形法)のA−1法(平面法)にて磨耗するまでの摩擦回数Fを測定した。摩擦回数によって、以下の評価をした。
○: 優 ( F ≧ 300回 )
△: 良〜可( 150回 < F < 300回 )
×: 不可 ( F ≦ 150回 )
(8)織物の縫い目滑脱抵抗の評価
一般織物試験方法(JIS−L−1096)に規定されている縫い目滑脱法B法にて滑脱幅Sを測定した。滑脱幅によって、以下の評価をした。
○: 優 ( S ≦ 2mm )
△: 良〜可( 2mm < S < 3mm )
×: 不可 ( S ≧ 3mm )
(9)織物のピリング性の判定
織物および編物のピリング試験法(JIS−L−1076)に規定されるA法(ICI形試験機を用いる方法)にて試験片に摩擦を10時間与えた後に級数(G)判定を行った。級数判定によって、以下の判定をした。
○: 優 ( G ≧ 3級 )
△: 良〜可( 2.5級 ≦ G < 3級 )
×: 不可 ( G < 2.5級 )
(10)織物の吸湿性の評価
繊維製品の吸水性試験方法(JIS−L−1907)に規定されているバイレック法にて吸水高さHを測定した。吸水高さによって、以下の評価をした。
○: 優 ( H ≧ 45mm )
△: 良〜可( 20mm < H < 45mm )
×: 不可 ( H ≦ 20mm )
[実施例1]
着色剤としてカーボンブラックを原着ポリエステル繊維の総量に対して2.0質量%を含有させた1.7dtex×38mmの原着ポリエステル短繊維を作製した。同じく、着色剤としてカーボンブラックを原着レーヨンの総量に対して2質量%練り込んで、ビスコース法にて1.7dtex×38mmの原着レーヨン短繊維を作製した。次いで、前記原着ポリエステル短繊維65%と前記原着レーヨン短繊維35%の短繊維を、常法のリング紡績工程にて混綿混紡し、梳綿、練条、粗紡、精紡工程を経て、Ne30番手の黒色の紡績糸を得た。
この糸を用いて、経83本/2.54cm、緯63本/2.54cm、CF=26.7の2/1の左方向の綾織物を製織したのち、常法の毛焼、糊抜き、精錬工程を経て、乾燥仕上げ工程にて、生地の収縮率を安定させるためにヒートセット(170℃×45秒)を付与し、ポリエステル65%、レーヨン35%の黒色の綾織物を得た。
得られた織物に対して、前記の諸物性・堅牢度を測定したのち、製品洗い時に使用する酸化漂白剤及び還元漂白剤に対する色褪せ耐性を評価・判定するために、前記洗い条件にて洗い試験を実施した。試験結果を表1に表す。
[実施例2]
原着ポリエステル短繊維50%と原着レーヨン短繊維50%の短繊維とした他は、実施例1と同様にしてNe30番手の黒色の紡績糸を得た。
この得られた糸は経糸に用いた。一方、緯糸には、着色剤としてカーボンブラックを2.0質量%含有させた原着ポリエステルのフィメント糸167dtex/36fを用いて、経83本/2.54cm、緯65本/2.54cm、CF=28の2/1の左方向の綾織物を製織したのち、常法の毛焼、糊抜き、精錬工程を経て、乾燥仕上げ工程にて、生地の収縮率を安定させるためにヒートセット(170℃×45秒)を付与し、ポリエステル71%、レーヨン29%の黒色の綾織物を得た。
得られた綾織物に対して、実施例1と同様の評価・判定を行った。試験結果を表1に表す。
[比較例1]
原着ポリエステル短繊維20%と原着レーヨン短繊維80%の短繊維とした他は、実施例1と同様にしてNe30番手の黒色の紡績糸を得た。
この糸を用いて、経83本/2.54cm、緯63本/2.54cm、CF=26.7の2/1の左方向の綾織物を製織したのち、常法の毛焼、糊抜き、精錬工程を経て、乾燥仕上げ工程にて、生地の収縮率を安定させるためにヒートセット(170℃×45秒)を付与し、ポリエステル20%、レーヨン80%の黒色の綾織物を得た。
得られた綾織物に対して、実施例1と同様の評価・判定を行った。試験結果を表1に表す。
[比較例2]
原着ポリエステル短繊維65%と原着レーヨン短繊維35%の短繊維とした他は、実施例1と同様にしてNe30番手の黒色の紡績糸を得た。
この糸を用いて、経66本/2.54cm、緯42本/2.54cm、CF=19.7の2/1の左方向の綾織物を製織したのち、常法の毛焼、糊抜き、精錬工程を経て、乾燥仕上げ工程にて、生地の収縮率を安定させるためにヒートセット(170℃×45秒)を付与し、ポリエステル65%、レーヨン35%の黒色の綾織物を得た。
得られた綾織物に対して、実施例1と同様の評価・判定を行った。試験結果を表1に表す。
[比較例3]
1.7dtex×38mmのポリエステル短繊維を65%、ビスコース法にて製造した1.7dtex×38mmのレーヨン短繊維35%とを、常法のリング紡績工程にて混綿混紡し、梳綿、練条、粗紡、精紡工程を経て、Ne30番手紡績糸を得た。
この糸を用いて、経83本/2.54cm、緯63本/2.54cm、CF=26.7の2/1の左方向の綾織物を製織したのち、常法の毛焼、糊抜き、精錬工程を経て、染色法にて分散/硫化染料で染色し、乾燥仕上げ工程にて、生地の収縮率を安定させるためにヒートセット(170℃×45秒)を付与し、ポリエステル65%、レーヨン35%の黒色の綾織物を得た。
得られた綾織物に対して、実施例1と同様の評価・判定を行った。試験結果を表1に表す。
[比較例4]
比較例3と同様にして、1.7dtex×38mmのポリエステル短繊維を65%、ビスコース法にて製造した1.7dtex×38mmのレーヨン短繊維35%とを、常法のリング紡績工程にて混綿混紡し、梳綿、練条、粗紡、精紡工程を経て、Ne30番手紡績糸を得た。
この糸を用いて、経83本/2.54cm、緯63本/2.54cm、CF=26.7の2/1の左方向の綾織物を製織したのち、常法の毛焼、糊抜き、精錬工程を経て、常法による連続染色法にて分散/スレン染料で染色し、乾燥仕上げ工程にて、生地も収縮率を安定させるためにヒートセット(170℃×45秒)を付与し、ポリエステル65%、レーヨン35%の織物を得た。
得られた織物に対して、前記諸物性や堅牢度を測定したのち、製品洗い時に使用する酸化および還元漂白剤に対する色褪せ耐性を評価・判定するために、前記洗い条件にて洗い試験を実施した。試験結果を表1に表す。
[比較例5]
1.7dtex×38mmのポリエステル短繊維100%を、常法のリング紡績工程にて混綿し、梳綿、練条、粗紡、精紡工程を経て、Ne30番手紡績糸を得た。
この糸を用いて、経83本/2.54cm、緯63本/2.54cm、CF=26.5の2/1の左方向の綾織物を製織したのち、常法の毛焼、糊抜き、精錬工程を経て、常法による連続染色法にて分散染料で染色し、乾燥仕上げ工程にて、生地も収縮率を安定させるためにヒートセット(170℃×45秒)を付与し、黒色の綾織物を得た。
得られた綾織物に対して、実施例1と同様の評価・判定を行った。試験結果を表1に表す。
Figure 0003155779
表1より、比較例1は磨耗強度に問題があり、裏地に穴あきが発生する可能性があり、比較例2は、縫い目滑脱抵抗が低いため、縫い目が損傷する恐れがあり、比較例3は塩素漂白に耐えられず、色褪せがひどく、摩擦堅牢度も悪く色落ちする。比較例4は、織物の色濃度が実施例、比較例の中でもっとも浅く、還元漂白にて色褪せもする。比較例5は、ピリングの発生がひどく、吸水性および、昇華堅牢度も悪いため、裏地としての基本機能に劣る。
一方、本考案による裏地は、表1の実施例1、2に示す如く、織物の色目は深く、濃く、塩素漂白にも還元漂白にも色褪せもほとんどせず、裏地として必要な諸物性もすべて満たした優れた性質を有している。
A パンツ
B ジャケット
C 裏地
1 脇ポケット
2 腰ポケット
3 腰裏帯地
4 胸ポケット
5 腰ポケット

Claims (3)

  1. 着色剤を総量に対して0.2〜5質量%の範囲で含有した原着ポリエステル繊維と、着色剤を総量に対して0.2〜5質量%の範囲で含有した原着セルロース系繊維とを複合した複合繊維からなる衣料用裏地であって、
    前記原着ポリエステル繊維(A)と前記原着セルロース系繊維(B)との混用重量比率(A/B)が80/20〜30/70であり、かつ下記式で表されるカバーファクター(CF)が20以上45以下であることを特徴とする衣料用裏地。
    カバーファクター:CF=CF1+CF2
    CF1=経糸密度Dw(本/2.54cm)/√経糸番手Nw
    CF2=緯糸密度Df(本/2.54cm)/√横糸番手Nf
  2. 前記原着ポリエステル繊維と前記原着セルロース系繊維とが短繊維であり、これら短繊維どうしを混紡した紡績糸を用いた請求項1に記載の衣料用裏地。
  3. 前記原着ポリエステル繊維がフィラメント糸であり、前記衣料用裏地の一部に交織されている請求項1、2に記載の衣料用裏地。
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