JP3155585B2 - 周波数倍増装置 - Google Patents

周波数倍増装置

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JP3155585B2 JP30784091A JP30784091A JP3155585B2 JP 3155585 B2 JP3155585 B2 JP 3155585B2 JP 30784091 A JP30784091 A JP 30784091A JP 30784091 A JP30784091 A JP 30784091A JP 3155585 B2 JP3155585 B2 JP 3155585B2
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doubling device
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イブ・ベツソン
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トムソン−セーエスエフ
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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03BGENERATION OF OSCILLATIONS, DIRECTLY OR BY FREQUENCY-CHANGING, BY CIRCUITS EMPLOYING ACTIVE ELEMENTS WHICH OPERATE IN A NON-SWITCHING MANNER; GENERATION OF NOISE BY SUCH CIRCUITS
    • H03B19/00Generation of oscillations by non-regenerative frequency multiplication or division of a signal from a separate source
    • H03B19/06Generation of oscillations by non-regenerative frequency multiplication or division of a signal from a separate source by means of discharge device or semiconductor device with more than two electrodes
    • H03B19/14Generation of oscillations by non-regenerative frequency multiplication or division of a signal from a separate source by means of discharge device or semiconductor device with more than two electrodes by means of a semiconductor device

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  • Amplifiers (AREA)
  • Measuring Frequencies, Analyzing Spectra (AREA)
  • Networks Using Active Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、周波数倍増装置に関す
る。より詳細には、本発明は、数GHzから数十GHz
のオーダの周波数で機能し得る低ノイズ周波数倍増装置
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】これら
の周波数で作動できる周波数倍増装置は、安定している
低周波数源から安定した高周波数を発生するために、特
に、レーダや周波数発生及び周波数合成を行う機器に用
いられる。
【0003】低周波数(LF)信号は、例えば、非常に
安定した低周波数を提供する水晶振動子から得られるか
もしれない。直列接続された周波数倍増装置を使用する
ことにより、信号周波数が急速に増大し、安定した周波
数の高周波数信号を提供する。所望の高周波数に達する
のに必要とされる逓倍数を減少させるため、比較的高い
周波数を有する安定したLF源を利用できるようにする
ことは有利である。
【0004】用いられる周波数倍増装置の大部分は、ス
ペクトルを増やすため、これにより入力周波数の高調波
周波数2F、3F、4F等を生成するために、周波数F
の入力正弦波信号の歪みを導入することを基本としてい
る。充分な振幅を有しつつ生成された場合は、選択的な
フィルタリングによって所望の高調波を再生させること
ができる。周波数倍増装置の場合には、2F高周波が選
択される。
【0005】入力正弦波信号に歪みを与えるために行わ
れる動作(頂部のチョッピング、整流、底部のチョッピ
ング)及びこの動作が行われる方法に応じて、所望の高
調波が発生するかもしれない。一般的にこの動作の効率
は多かれ少なかれ十分であり、ノイズスペクトルの位相
及び/又は振幅においていくらかの減衰が達成される。
【0006】LF信号から多重周波数を発生することが
可能な異なる種類の装置が公知である。
【0007】例えば、その1つは、それに印加される周
波数Fの正弦波信号の1周期における全てのエネルギを
蓄え、ディラック(Dirac)パルスの形態、即ち非
常に短時間内にエネルギを回復する「スナップオフ」ダ
イオードを使う装置かもしれない。得られる信号のスペ
クトル幅が非常に広いために、例えば、2F等の、所望
の周波数の高調波を引き出すために、信号はフィルタを
通さなければならない。 この種の装置の主な欠点は、
導入されるノイズレベルが比較的高く、そして低ノイズ
アプリケーションに適さないことにある。
【0008】信号の周波数を増大させるために用いられ
る他の方法は、それ自体を逓倍した周波数Fの入力信号
が、その振幅が入力信号の振幅の2乗に等しく、周波数
が2倍である信号を提供するという事実を利用する。信
号をそれ自体に逓倍することが、周波数を倍増すること
を可能にするため、数十のGHzの信号は、数十のMH
zの低周波数信号から得ることができる。
【0009】例えば、同じ周波数を有する2つの同一信
号を受け取るミキサを使えるが、逓倍動作が線形でなく
かつ2次高調波が生成される唯一の高調波でもないの
で、スペクトルは不必要に増やされる。
【0010】他のタイプの周波数倍増装置が図1に示さ
れている。この図は、全波整流を用いる周波数倍増装置
を示している。
【0011】周波数Fの入力正弦波信号Ve は変圧器1
2の1次巻線で装置の入力に印加され、変圧器12の出
力はそのカソードが接地されているダイオードDのアノ
ードに接続された変圧器12の2次側の中間点に関して
対称差動である。コンデンサCは、ダイオードDに並列
に接続されており、これら2つの部品は変圧器12の2
次側の中間点のダイオードのしきい値電圧に等しい電圧
を保持するために協働する。ダイオードDは、抵抗Rを
介する電圧+Vの電流によって付勢される。変圧器12
の対称差動出力端子の各々は、バイポーラトランジスタ
1 及びT2 のベースに接続されている。トランジスタ
1 及びT2 のエミッタはアースに接続され、かつそれ
らのコレクタは、負荷抵抗Rcに接続される。2つのト
ランジスタT1 及びT2 の共通点(点A)は、フィルタ
10の入力に接続されている。フィルタ10の出力信号
は、周波数が2Fの正弦波信号である。
【0012】この周波数倍増装置は、以下のように動作
する。トランジスタT1 及びT2 のベースに印加された
信号は、逆位相である。このため、各トランジスタは交
互に入力信号を増幅するが、この間、他方のトランジス
タは非導通である。ダイオードD及びコンデンサCは、
それらのVbeを補償するためにトランジスタのしきい値
を変化させる。このダイオードのしきい値電圧は、一般
的に約0.6〜0.7ボルトである。周波数倍増装置の
動作は、このため、B級のプッシュプル動作(対称的)
である。トランジスタT1 及びT2 が半周期の正弦波を
交互に発生するため、点Aでの信号Va は並列の整流さ
れた正弦波状の半周期から形成される。正弦波の隣り合
う半周期間の結合は急激であり、信号Va は非常に高い
周波数スペクトルを帯びたスイッチング点11を有して
いる。フィルタ10は、基本周波数Fを除去し周波数2
Fの出力信号Vb を提供する。エミッタが接地されてお
りかつトランジスタT1 及びT2 のタイプに左右される
(エミッタの動的抵抗値)ため、この構成による利得は
一定している。
【0013】このタイプのいくつかのモジュールを直列
で使用することにより、第1モジュールがその出力で2
F、第2モジュールが4F、第3モジュールが8F等の
周波数を供給し、入力信号の周波数を大幅に高めること
を可能にする。
【0014】にもかかわらず、全波整流が非常に豊富な
スペクトル(数GHzの線が150MHzのオーダの入
力信号Ve に関して見られる)を有するスイッチング点
11を生じるため、スペクトルを全体的に制御すること
は可能ではなくかつ漏れも見られ、これらが寄生現象の
原因となる。
【0015】これらの寄生現象は、例えば、周波数倍増
装置のチェイン(直列接続)の一部であるユニットに装
置が取り付けられるとき、この装置を振動に対して敏感
にさせる。さらに、この寄生周波数は、装置に定常波を
生成することもありかつ機械的振動は、これらの波を変
調させることもある。出力信号Vb の形状は、かなりこ
れにより影響される。
【0016】さらに、高調波を選択するフィルタは、周
波数倍増装置のチェインを構成するユニットにより、少
なからぬ空間を占めているとともに、サイズの問題は、
このタイプの周波数倍増装置を用いた機器において共通
である。
【0017】フィルタが、固定周波数に集中しているた
め、入力信号の周波数は、ほんの少ししか変更できな
い。このため、周波数倍増装置のチェインから異なる出
力周波数を得ることを所望し、又は、チェインの入力周
波数の基本周波数Fを変えることを所望するならば、チ
ェインの周波数倍増装置のフィルタ全体を変える必要が
ある。
【0018】フィルタの存在から生じる付随的な欠点
は、この種の周波数倍増装置はコストが高いということ
である。
【0019】本発明の目的は、これらの欠陥を克服する
ことにある。
【0020】より正確には、本発明の目的の1つは、高
調波をほとんど発生させない又は発生しても高次ではな
い周波数倍増装置を提供することにある(さらに、これ
らの高調波の振幅は小さい)。これにより、周波数2F
を選択するフィルタを必要としないか、又は、従来の技
術の電流状態で用いられるフィルタに比べてより選択的
でなくかつ高価でないフィルタを必要とする。
【0021】本発明の他の目的は、非常に広い周波数帯
域、低周波数から数GHzまで、さらには数十GHzま
での帯域で動作することができるような周波数倍増装置
を提供することにある。
【0022】本発明のさらに他の目的は、図1に関する
上記の周波数倍増装置の構造と同様の構造であり、現存
するこの種の周波数倍増装置を本発明の装置に適合させ
るべく簡単に改良され得る周波数倍増装置を提供するこ
とにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】以下に示される他の目的
に沿ったこれらの目的は、周波数Fの入力信号から18
0゜の位相差を有する2つの信号が得られることを可能
にする位相シフト手段と、180゜の位相差を有する各
当該信号を増幅させる手段でありかつこの増幅された信
号を付加することによって周波数2Fの出力信号が形成
される増幅手段とを含んでおり、該増幅手段が、該増幅
された信号の振幅に実際的に比例して該増幅手段の利得
とするために該増幅手段の利得変化手段と協働するとい
う事実によって特徴づけられるタイプの、特に、マイク
ロ波帯域で動作する周波数倍増装置を用いることによっ
て達成される。
【0024】利得を変化させる前記手段が、その動的抵
抗が印加される電圧によって変化するダイオードで、好
ましくは構成されている。
【0025】有利には、前記増幅手段がバイポーラトラ
ンジスタで構成されている。
【0026】本発明の1つの実施態様によると、180
゜の位相差を有する前記信号が、前記トランジスタのベ
ースに印加されており、該トランジスタのコレクタが互
いに接続され、かつ該ダイオードの1つのアノードに前
記トランジスタのエミッタが各々接続されているが、前
記ダイオードのカソードが、互に接続されている。
【0027】有利には、前記トランジスタが、該トラン
ジスタのしきい値電圧が補償されることができる手段と
協働する。
【0028】前記トランジスタの前記しきい値電圧の補
償手段がダイオードと好ましくは協働する。
【0029】本発明の1つの実施態様によると、前記位
相シフト手段が、変圧器を備えており、この変圧器の1
次側が周波数Fの前記入力信号を受け、この変圧器の2
次側が2つの対称差動出力を有している。
【0030】本発明の他の実施態様によると、前記位相
シフト手段が周波数Fの前記入力信号の180゜の位相
シフトを生成するモジュールを備えており、かつ前記モ
ジュールの出力及び入力が前記トランジスタのベースに
接続されている。
【0031】前記バイポーラトランジスタ及び前記ダイ
オードが、好ましくは広帯域部品である。
【0032】有利には、本発明による周波数倍増装置が
周波数逓倍チェインで用いられる。
【0033】
【実施例】本発明の他の特性及び利点は、以下の簡単な
図で示される実施例の説明によってより明解になる。
【0034】図1を参照して前述したように、周波数F
の入力正弦波信号の全波整流によって高調波を発生し、
かつ周波数2Fの信号がフィルタリングによって再生さ
れる。 この種の装置の主な欠点は、高次スペクトルの
高調波がフィルタリングによって効果的に除去され得
ず、寄生現象を起こす原因となることにある。
【0035】本発明は、出力フィルタを必要とせず、そ
の周波数が入力信号の2倍である正弦波形状の出力信号
を直接的に発生することを提供するものである。
【0036】これが、入力信号を2乗するための線形動
作の実現化を本発明が目的としている理由である。
【0037】数学的には、この動作は信号Ve =k・V
・sinwtを逓倍することからなる。ここで、w=2
・π・F、Fは信号Ve 自体の周波数である。
【0038】従って、出力信号は、 V0 =k′V2 ・sin2 wt=k′・V2 (1−cos2wt)/ 2 となる。
【0039】このため出力信号は、値がk′V2 / 2で
ある直流要素、及び値が(k′V2 ・cos2wt)/
2である周波数2Fの要素からなる2つの要素を含む。
【0040】このため信号の自動逓倍は、リングミキサ
の状態と対して、大振幅の2次より高い周波数の発生を
避けるためにできるだけ線形でなければならない。
【0041】図2は、本発明による周波数倍増器の好ま
しい実施例を示す。
【0042】周波数Fを有する入力信号Ve は、2つの
対称差動出力を有する変圧器12の1次側に印加され
る。変圧器12の2次側の中間点は接地されている。こ
の回路は、正電圧+V及び負電圧−Vによって付勢され
る。これらの電圧の絶対値は異なるかもしれない。変圧
器12の各差動出力は、NPNバイポーラトランジスタ
1 及びT2 で構成された増幅手段のベースに接続され
ている。トランジスタT1 及びT2 のコレクタは、同じ
負荷抵抗Rc に接続されている。トランジスタは、増幅
段が線形となるように適切に選ばれた零入力電流によっ
て極性を与えられる。2つの抵抗R1 及びR2 は、トラ
ンジスタT1 及びT2 の平均電流を規定する。
【0043】本発明の目的の1つが、望ましくない周波
数を発生するスイッチング点を抑制することにあるた
め、周波数倍増器は、2つのトランジスタのベースに印
加される信号Vb1及びVb2がそれらの振幅の関数として
増幅されるようにトランジスタT1 及びT2 と協働する
利得変化手段を含んでいる。従って、この利得は信号振
幅に比例し、またVs / Ve =G=k′Ve であるがゆ
えにVs/ Ve =k′Ve となる。
【0044】本発明の好ましい実施例によると、利得変
化手段は2つのPINダイオードD1 及びD2 で構成さ
れており、これらダイオードの動的抵抗特性、即ち印加
電圧が増大する時にこの種のダイオードの動的抵抗が減
少するという特性を利用している。
【0045】図2において、ダイオードD1 及びD2
アノードはトランジスタT1 及びT2 のエミッタに接続
されており、それらのカソードは共に接続されている。
ダイオードD1 及びD2 は、適切に極性を与えられてお
り、これらダイオードのしきい値はR3 によって極性を
与えられたダイオードD3 によって制御される。抵抗R
1 及びR2 は、トランジスタT1 及びT2 の平均電流を
決定する。
【0046】ダイオードD1 及びD2 の導通度は、これ
らダイオードに印加される電圧が増すにつれて増大す
る。ダイオードの動的抵抗が減少すると、増幅段の利得
が増大す。これにより、各トランジスタの利得は可変と
なり、かつ動的抵抗が印加された電圧レベルによって変
化するダイオードD1 及びD2 の影響によって入力信号
e のレベルに比例する。無負荷状態、即ち、入力信号
がまったく印加されていない状態において、R1 及びR
2 の端子に電圧は現れず、このため、印加された信号の
レベルだけがダイオードの動的抵抗を変化させ、これに
より段の利得を変化させる。動作中は、ダイオードはコ
ンデンサCが存在するがゆえに動的に接地される。
【0047】T1 及びT2 のコレクタの共通接続点でサ
ンプリングされる1次の出力信号(高調波を有さない)
は、周波数Fの入力信号の2乗に比例し、従って、出力
信号の周波数は正に2Fである。出力にコンデンサ(図
示されていない)を直列に設けることによって、この出
力信号の直流電圧成分が除去される。
【0048】他の実施例ももちろん可能である。例え
ば、変圧器12は、位相が入力信号の位相と逆の信号を
得るように予め定められた180゜の位相シフト回路に
よって置換することが可能である。この種の位相シフト
回路の入力及び出力は、トランジスタT1 及びT2 のベ
ースにそれぞれ接続される。マジックTとも呼ばれるハ
イブリッドTは、入力信号の周波数がマイクロ波の導波
管を伝搬可能な場合に、この機能を置換えるために用い
られ得る。同じことがハイブリッドリングにも応用でき
る。
【0049】トランジスタT1 及びT2 は、例えば、P
NPトランジスタであってもよい。この場合、特に回路
に印加される電圧とトランジスタの極性とを変更するこ
とが必要である。
【0050】C及びD3 によるダイオードD1 及びD2
の電圧の前もって行う極性付けが、電流の極性付けによ
ってに置換されることが有利であり、これによりダイオ
ードD3 が抑制される。この電流極性付けは、電圧の極
性付けによるよりも高い効率を有する周波数倍増器を提
供する。
【0051】本発明の1つの実施例における抵抗R1
びR2 の値は、数kWのオーダであり、コンデンサCの
値は入力信号Ve の周波数Fに応じる。周波数Fが増大
するにつれてコンデンサの容量は低下し、このためこの
部品は、使用可能な周波数帯域を限定している。
【0052】本発明による周波数倍増装置の動作は、非
導電状態のトランジスタから導通状態への通過が漸進的
に生じるB級動作である。
【0053】図3は、トランジスタT1 及びT2 のベー
スに印加される信号Vb1及びVb2、並びに本発明による
周波数倍増器の出力信号V0 を示す。信号Vb1及びVb2
は、図2の変圧器12によって供給されかつ互いに逆位
相である。
【0054】図示されている出力信号Vs は、例えば、
周波数倍増器の出力に直列に設けられたコンデンサによ
ってその直流成分が抑制された信号に相当する。
【0055】公知の周波数倍増器において高次の高調波
を発生する急激な電圧変動(図1のスイッチング点1
1)とは反対に、本発明によれば、出力信号は、1つの
周期から他の周期へと「静かに」通過する。この漸進的
な変動は、寄生高調波が発生するのを防止する。これ
は、トランジスタのベースに印加される電圧が減少する
につれて導通トランジスタの利得を漸進的に減少させる
ことによって達成される。図3において、出力信号Vs
は4つの連続的な時間周期へと分割される。
【0056】周期30の期間において、トランジスタT
2 のベースに印加される電圧Vb2は負であるが、電圧V
b1は正でありかつ減少している。導通トランジスタはT
1 であるが、トランジスタT2 は非導通である。Vb1
零電位に近づくために、トランジスタT1 の利得は減少
しかつダイオードD1 の動的抵抗は増大する。Vb1が零
電位に達する時に、トランジスタT1 は導通を停止しト
ランジスタT2 が導通を開始するため、電圧Vb2は正と
なり増大する。
【0057】周期31の期間において、トランジスタT
1 は非導通であり、かつトランジスタT2 のベースに印
加される信号Vb2を漸進的に増幅させる。その増幅率は
信号Vb2が増大するにつれてより大きくなる。Vb2が減
少しかつ零電位に近づくとき、ダイオードD2 の動的抵
抗の変動結果として、トランジスタT2 の利得はVb2
対して線形に低下する。Vb1が零電位に達したとき、ト
ランジスタT2 が導通を停止し、かつトランジスタT1
が導通を開始する(周期32)。この周期は、この場
合、T1 が非導通でT2 が導通である周期33とともに
継続し、さらに入力電圧Ve が消滅するまで続く。
【0058】これにより、入力信号Ve の半周期の期
間、即ち入力信号Ve が零を通る瞬間に対応する1半周
期の初めと終りにおいて、各トランジスタT1 及びT2
が導通するのが見られる。この瞬間、2つのトランジス
タT1 及びT2 が零の利得を有しかつ水平接線34にお
いてスイッチングが生じる。このスイッチング点は、前
述のスイッチング点11(図1)に対応する。
【0059】図3との相関関係において、図4はトラン
ジスタT1 及びT2 の出力信号を示している。
【0060】信号40はトランジスタT1 のコレクタに
生じる信号であり、信号41はトランジスタT2 のコレ
クタに生じる信号である。2つのトランジスタのうちの
1つが導通を終了した時にそれは非導通状態であるが、
他方のトランジスタは導通する。2つのトランジスタT
1 及びT2 が接続されているため、出力信号は直流成分
も含んでいる。この成分は、例えば出力に直列に取り付
けられるコンデンサを用いた簡単なフィルタリングによ
って除去され得る。
【0061】2つの増幅チャネルは完全に独立してお
り、各トランジスタは他方がその動作に全くいかなる影
響をも受けずに1半周期の期間中、動作する。
【0062】トランジスタT1 及びT2 は、有利にはペ
アトランジスタ、即ち同じ特性を有するトランジスタで
ある。このため、これらのトランジスタの一方の導通の
終りは他方のトランジスタの導通の始まりに相応し、ま
た、その増幅率も同じである。ダイオードに関しても同
様のことが当てはまり、その動的抵抗は、トランジスタ
を漸進的に導通させかつ非導通とさせるために用いられ
る電圧(PINダイオード)の関数として変化する。
【0063】用いられるトランジスタ及びダイオードの
特性は、要求される動作周波数の関数である。入力信号
の周波数Fが増大するにつれて、トランジスタT1 及び
2 並びにダイオードD1 及びD2はより高速となるべ
きである。
【0064】本発明の周波数倍増器の利点の1つは、出
力信号Vs のエネルギが入力信号Ve のエネルギにほぼ
等しい、即ちこの倍増器が優れた効率を有することであ
る。これは同じ特性を有するいくつかの段がカスケード
接続されることを可能とし、かつトランジスタ及びダイ
オードの特性は、当然、各段の動作周波数の関数として
適用される。
【0065】高調波のための選択フィルタは、トランジ
スタによる導通の漸進的な立上がりのために要求されな
い。フィルタを使用しない出力信号は、周波数2Fの振
幅よりも小さい少なくとも25dBの振幅を有する高調
波となる。出力信号の形状は、ほぼ正弦波である。
【0066】入力信号Ve は、当然正弦波では有り得
ず、例えば、鋸波や矩形波等となり得る。
【0067】本発明による周波数倍増器の適用の分野は
数多くある。例えば、周波数基準、測定合成器(固定周
波数発生器)、ネットワークアナライザ、周波数メー
タ、レーダ、遠隔通信送信及び受信、スペクトルアナラ
イザ、並びに振幅及びスペクトルの特性(ノイズ、高調
波)について電波周波数を効率的に倍増すべきところに
おいて用いられ得る。
【0068】さらに、フィルタを要求しない適用例にお
いて、本発明による周波数倍増器はスペースが問題とな
る場合に有利に使用され、MMIC(モノリシックマイ
クロ波集積回路)で使用する装置で容易に実施されるか
もしれない。
【0069】このフィルタの不在は、計算された周波数
とは異なる周波数で本発明による周波数倍増器を用いる
ことを特に可能とするが、同時に入力周波数帯域内にあ
ることが、優れた特性の倍増周波数を有する出力信号に
発生させる。周波数倍増装置のチェイン全体を変更する
ことなく、出力周波数の所与の変化が望まれる場合にこ
れは有用な特徴である。
【0070】さらに、その構造が従来技術(図1)の現
在のものに類似しており、現存の周波数倍増器を、本発
明に適合するように簡単に改良することができる。他の
倍増器の置換又は補足のように、あらゆる現存の周波数
倍増装置チェインにおいて本発明を統合させることは当
然可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 全波整流によって機能する周波数倍増装置の
公知のタイプを示す回路図である。
【図2】 本発明による周波数倍増装置の好ましい実施
例を示す回路図である。
【図3】 トランジスタT1 及びT2 のベースに印加さ
れる信号と本発明による周波数倍増装置からの出力信号
とを示す波形図である。
【図4】 図3と相関関係にあるトランジスタT1 及び
2 からの出力信号を示す波形図である。
【符号の説明】
10 フィルタ 11 スイッチング点 12 変圧器 C コンデンサ D1 、D2 、D3 ダイオード R1 、R2 、R3 抵抗 T1 、T2 トランジスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭55−91208(JP,U) 実公 昭49−29568(JP,Y1) 米国特許3577009(US,A) 米国特許3335290(US,A) 西独国特許出願公開1929988(DE, A1) 英国特許出願公開1093913(GB,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03B 19/00 - 19/16

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号Ve から180゜の位相差を有
    する周波数Fの2つの信号Vb1及びVb2を発生可能な位
    相シフト手段を含んでいるタイプであり、周波数Fの周
    期的入力信号Ve を受け取って該入力信号Ve の周波数
    の2倍である周波数2Fの出力信号Vs を発生する特に
    マイクロ波帯域で動作する周波数倍増装置であって、出
    力信号Vs を供給する同一の出力に共に接続された2つ
    の増幅器T1 及びT2 を含んでおり、各増幅器が、前記
    周期的入力信号の1方の半周期の間は利得零であり、該
    周期的入力信号の他方の半周期の間に前記入力信号に比
    例して利得を変化させる手段を有しており、前記増幅器
    1が第1信号Vb1を受け取り、前記増幅器T2 が第2
    信号Vb2を受け取ることを特徴とする周波数倍増装置。
  2. 【請求項2】 利得を変化させる前記手段が、動的抵抗
    が印加される電圧によって変化するダイオードからなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の周波数倍増装置。
  3. 【請求項3】 前記増幅手段が、バイポーラトランジス
    タからなることを特徴とする請求項1に記載の周波数倍
    増装置。
  4. 【請求項4】 180゜の位相差を有する前記信号が前
    記トランジスタのベースに印加されており、該トランジ
    スタのコレクタが互いに接続されており、該トランジス
    タのエミッタが各々前記ダイオードのアノードに接続さ
    れており、該ダイオードのカソードが互いに接続されて
    いることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に
    記載の周波数倍増装置。
  5. 【請求項5】 前記トランジスタが、該トランジスタの
    しきい値電圧を補償する手段と協働することを特徴とす
    る請求項3又は4に記載の周波数倍増装置。
  6. 【請求項6】 前記トランジスタのしきい値電圧を補償
    する前記手段が、ダイオードと協働することを特徴とす
    る請求項5に記載の周波数倍増装置。
  7. 【請求項7】 前記位相シフト手段が、1次側が周波数
    Fの前記入力信号を受け取り、2次側が2つの対称差動
    出力を含んでいる変圧器からなることを特徴とする請求
    項1に記載の周波数倍増装置。
  8. 【請求項8】 前記位相シフト手段が、周波数Fの前記
    入力信号の位相を180゜シフトするモジュールからな
    り、該位相シフトモジュールの入力及び出力が前記トラ
    ンジスタのベースにそれぞれ接続されていることを特徴
    とする請求項1、3から7のいずれか1項に記載の周波
    数倍増装置。
  9. 【請求項9】 前記トランジスタ及び前記ダイオード
    が、広帯域部品であることを特徴とする請求項2から6
    のいずれか1項に記載の周波数倍増装置。
  10. 【請求項10】 請求項1から9のいずれか1項に記載
    の少なくとも1つの周波数倍増装置を含んでいることを
    特徴とする周波数逓倍チェイン。
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