JP3155289B2 - ラングミュア・ブロジェット膜作成方法、及び同成膜装置 - Google Patents

ラングミュア・ブロジェット膜作成方法、及び同成膜装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機分子の薄膜を基板上
に形成する成膜装置のうち、ラングミュア・ブロジェッ
ト(以下LBと表す)膜を作成する成膜装置及び同膜作
成方法に関するものであり、特に構造的欠陥の少ない高
品質なLB膜を再現性よく作成することが可能なLB膜
成膜装置及び同膜作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来有機超薄膜を形成する方法としてラ
ングミュア・ブロジェット(以下LBと表す)法が広く
用いられている。LB法とは水面に形成された分子1個
の厚さを有する薄膜、即ち水面の単分子膜に対して基板
を水面の単分子膜を横切る方向に浸漬及び引き上げるこ
と(係る方法を垂直浸漬法と呼ぶ)、或いは水面の単分
子膜に対して基板を平行に気相側または液相側より接触
されること(係る手法を水平付着法と呼ぶ)によって、
係る水面の単分子膜を基板上に1層ずつ移し取り、堆積
する方法であり、分子1個分の厚さに相当する寸法精度
を以って膜厚が制御された有機超薄膜(LB膜)を容易
に基板上に形成することができる。
【0003】係る操作に用いられる成膜装置としては既
に種々のものが開発・市販されているが、その基本的構
成の一例(断面図)を図4に摸式的に示す。LB膜成膜
装置の基本は水槽1と仕切り板2であり、係る仕切り板
は水槽1内に満たされた水相3の表面を仕切り、任意の
表面積を有する水相表面を形成することに用いられる。
従って、仕切り板の一部又は全ては水相表面と平行な方
向に可動である。また仕切り板の形状は板状や棒状に限
定されることなく、紐状やテープ状のものなどを用いて
もよく、兎に角上述の如く水相表面を任意の大きさに仕
切ることができればどのような形態であってもよい。次
に重要な構成部品が表面圧センサー4であって、仕切り
板2で仕切られた水相領域における表面圧を測定するの
に用いられる。係る表面圧センサーとしては、一般にウ
ィルヘルミ法若しくはラングミュア法の何れかを利用し
たものが用いられるが、これらに限定される訳では無
い。以上述べた装置を利用して、LB膜を作成する方法
について述べる。LB法に用いられる有機分子はその分
子内に例えばカルボキシル基等の親水性部位と長鎖アル
キル基等の疎水性部位を併有する両親媒性分子であり、
これを適当な溶媒、例えばクロロホルム等に溶かした溶
液を水相3表面上に展開する。この時分子はその親水性
部位を水相側に、また疎水性部位を気相側に向けて水相
表面上に分散する。その後、仕切り板2を動かして水面
上に分散した両親媒性分子を2次元的、即ち水面と平行
な方向に圧縮すると展開している分子が2次元的に凝集
し、水面に分子1個の厚さを有する単分子膜5が形成さ
れる。この時、表面圧センサー4が在れば希望の表面圧
を有する単分子膜5を形成できる他、一般には検出され
た表面圧値を仕切り板位置制御機構にフィード・バック
して、水面の単分子膜の表面圧が一定値となるよう仕切
り板の位置を制御できるように作られている。勿論、単
分子膜の表面圧を一定に保つのにこれ以外の方法を用い
ても何等差しつかえない。以上の様にして形成された水
面の単分子膜5は基板上下装置6を用いて、前述の垂直
浸漬法、或いは水平付着法により基板7上に積層され、
堆積される。
【0004】以上がLB膜成膜装置及びLB膜作成方法
のあらましであるが、一部のLB膜成膜装置においては
特殊な構造(主にヘテロ接合)のLB膜を作成すること
を目的として、複数の水槽を有するものや、水相表面に
複数の種類の単分子膜を独立に形成できるもの等があ
る。更には単分子膜を作成するのに可動仕切り板を用い
ず、水相に水流を導入したり気相側に気流を導入するこ
とにより、水面上に展開した分子を水相表面上の特定の
領域に凝集せしめて単分子膜を形成する装置もある(例
えば、オー・アルブレヒトら、モレキュラーエレクトロ
ニクス、バイオセンサーズ アンド バイオコンピュー
タース、エフ・テー・ホング編、41頁、プルニューム
プレス N.Y.1989年参照(O.Aibrechtら、Mole
cular Electronics, Biosensors and Biocomputers,F.
T.Hong 編,41頁,Plenum Press N.Y. 1989
年))。何れにせよ水相表面に単分子膜を形成する手段
と、係る単分子膜を基板上に積層する手段とを有してい
ることに変わりはない。
【0005】さて上記のLB膜成膜装置を用いて実際に
LB膜を形成する際には、作成されたLB膜中に様々な
構造的欠陥が発生することが多々ある。そこで成膜装置
上の改良点として、水相の温度を一定に保つための恒温
装置、除震装置、防塵の為の覆い、気相側の条件を制御
するための密閉系の覆い、水面の単分子膜を熱的にアニ
ールする装置(テー・カスガ(T.Kasuga))ら、シンソ
リッド フィルムス(Thin Solid Films)誌、第178
巻183頁(1989年)等参照)等の導入がなされて
きた。
【0006】当然、成膜操作そのものにおいても、上記
LB膜中における構造的欠陥を除去するために、成膜分
子の分子構造、溶媒、溶液濃度、水相温度、水相への種
々のイオンの添加、水相のpH、成膜時の表面圧、水面
の単分子膜のアニーリング(常温及び加熱)、垂直浸漬
法を用いる際の基板上下速度、基板の表面処理等の成膜
条件について、最適化を行うことが必要不可欠である。
然し乍ら、これらの条件に注意を払い、更に用いる化学
物質の純度、成膜装置の清浄度や設置場所の清浄度に多
大な注意を払ったとしても、原因不明の理由による膜の
折重なり、部分的な膜の剥がれ、部分的な分子配向状態
の変化等に因って、ストライエイション(Striation)
と呼ばれる巨視的な縞状の構造欠陥を生じることが度々
あり、再現成よく高品質なLB膜を得ることは難しかっ
た(アイ・アール・ピーターソン、ジャーナル・オブ・
モレキュラーエレクトロニクス誌(I.R.Peterson,Journ
alof Molecular Electronics)第3巻103頁(198
7年)参照)。
【0007】また一度これらの巨視的欠陥が生ずると、
それ以後の累積性が悪化し、膜質の劣化が積相回数の増
加に伴って、進行するという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記技術の問
題点に鑑みてなされたもので、その目的とする所は巨視
的な構造的欠陥(Striation)のないLB膜を再現性よ
く作成出来るLB膜成膜装置及び同作成方法を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、水槽と、該水槽の水面に両親媒性分子の単
分子膜を形成する手段と、基板を上下動させて水面に形
成した単分子膜を基板に堆積する手段とを有するラング
ミュア・ブロジェット膜成膜装置において、水面上の単
分子膜に対して静電気除去操作を行う静電気除去機構を
有し、水面に単分子膜を形成しながら単分子膜の静電除
去操作を行うか、水面に形成された単分子膜に対して静
電除去操作を行った後に単分子膜を基板に堆積するか、
水面に形成された単分子膜を静電除去操作を行いながら
基板に堆積するか、少なくともいずれか一つの操作を行
うことを特徴とするラングミュア・ブロジェット膜成膜
装置を提供するものであり、静電気除去機構が、静電気
除去操作を連続的又は断続的に行わせる制御手段を有し
てなること、静電気除去機構が帯電除去棒、又は帯電除
去板を有してなること、静電気除去機構がイオン放射装
置を有してなること、静電気除去機構がアルファ線放射
装置を有してなること、覆い部材を成膜装置の少なくと
も一部を覆って有すること、水面に単分子膜を形成する
手段として、水槽内を移動して水面を仕切ることができ
る仕切り板を用い、該仕切り板を移動させて水表面積を
減少せしめ、水面上に展開した両親媒性分子を圧縮する
方法によること、含むこと、水面に単分子膜を形成する
手段として水面に水流を導入するか及び/又は気相側に
気流を導入して、水面上に展開した両親媒性分子を圧縮
する方法によること、を含む。
【0010】更に本発明は、水面に両親媒性分子の単分
子膜を形成しながら単分子膜の静電気除去操作を行な
い、その後前記水面の単分子膜を基板上に堆積するこ
と、水面に両親媒性分子の単分子膜を形成し、次いで単
分子膜に対して静電気除去操作を行った後に、上記単分
子膜を基板上に堆積すること、水面に両親媒性分子の単
分子膜を形成し、静電気除去操作を行いながら、前記単
分子膜を基板上に堆積すること、水面に両親媒性分子の
単分子膜を形成しながら単分子膜の静電気除去操作を行
ない、引き続き静電気除去操作を行いながら、前記水面
の単分子膜を基板上に堆積すること、水面に両親媒性分
子の単分子膜を形成し、形成した単分子膜に対して静電
気除去操作を行ない、さらに引き続き静電気除去操作を
行いながら、単分子膜を基板上に堆積すること、静電気
除去操作を連続的、或いは断続的に行うこと、静電気除
去操作が帯電除去棒または帯電除去板を利用するもので
あること、静電気除去操作がイオン放射装置を利用する
ものであること、静電気除去操作がアルファ線放射装置
を利用するものであること、単分子膜を基板上に堆積す
る方法が、垂直浸漬法であること、単分子膜を基板上に
堆積する方法が、水平付着法であることを含むものであ
る。
【0011】さらに詳述すれば、本発明においては一般
にLB膜に用いられる成膜装置を大きく逸脱するもので
はなく、改良点として成膜装置内に静電気除去装置を導
入した点が従来と異なる。従って、本発明のLB膜成膜
装置を用いてLB膜を作成する方法も、基本的には従来
公知のLB法に基づいている(ジー・ロバーツ編、ラン
グニュアーブロットフィルム、プレナム プレス N.Y.
刊(1990年)参照(G.Roberts 編、Langmuir-Blodg
ett Films, Plenum Press )。異なる点は、上記静電気
除去装置を用いた静電気除去操作が含まれていることで
ある。係る静電気除去操作は、その操作時期の違いに関
して5つの場合に分類される。
【0012】(1)静電気除去操作を行いながら、水相
表面上に有機分子の単分子膜を形成し、その後水面の単
分子膜を基板上に移し取る場合。
【0013】(2)水相表面上に有機分子の単分子膜を
形成し、係る水面上単分子膜に対して静電気除去操作を
行った後に、上記水面の単分子膜を基板上に移し取る場
合。
【0014】(3)水相表面上に有機分子の単分子膜を
形成し、静電気除去操作を行いながら、上記水面の単分
子膜を基板上に移し取る場合。
【0015】(4)静電気除去操作を行いながら、水相
表面上に有機分子の単分子膜を形成し、引き続き静電気
除去操作を行いながら、上記水面の単分子膜を基板上に
移し取る場合。
【0016】(5)水相表面上に有機分子の単分子膜を
形成し、係る水面の単分子膜に対して静電気除去操作を
行い、さらに引き続き静電気除去操作を行いながら、上
記水面の単分子膜を基板上に移し取る場合。
【0017】これらの5つの方法にうち何れが良いか
は、用いる有機分子の種類や基板の種類、成膜装置の設
置場所の環境(温度、湿度、風速等)、成膜速度、或い
は静電気の除去方法の違い等によって変わる。例えば有
機分子として脂肪酸を用いて水面に形成した単分子膜を
静電気除去する場合、除去時間の増加に伴い結晶領域
(ドメイン)のサイズも大きくなるが、除去時間が長す
ぎると水面の単分子膜の粘性が高まりすぎ、基板への積
層が困難になることがある。従って、場合によっては静
電気除去操作を断続的に行ってもよい。即ち、基板への
積層時において最初の第1層積層時にのみ静電気除去を
行い、それ以後の累積操作中に静電気除去操作を中止す
る当の方法を採っもよい。
【0018】静電気除去操作において、具体的に利用さ
れる静電気除去装置(機構)としては、自己放電式除電
ブラシや誘導式静電気中和バー等の帯電除去棒或いは帯
電除去板、イオン化した空気を発生させて静電気を中和
させるイオン化ブロワーや静電ブロワー等のイオン放電
装置、或いは照射部位の空気をイオン化できるアルファ
線照射装置等を挙げることができるが、これらの装置に
限定されることなく水面の単分子膜に対して非接触に静
電気除去できる装置であれば広く利用することができ
る。
【0019】これらのうち、イオン化ブロワー等気流の
発生を伴う場合は、係る気流によって水面上単分子膜が
機械的に破壊されることのないよう、その風力を調節す
ると共に、LB膜性膜装置上の設置場所についても注意
を払わなければならない。これらの静電気除去装置は連
続的に又は断続的に作動するように公知の運転の制御装
置を取付けることもできる。また係るブロワーの風力が
微弱であっても十分な静電気除去効果を挙げるため、L
B膜成膜装置全体が覆いの中に設置されていることが望
ましい。但し、係る覆いは必ずしも完全な密閉系である
必要はない。また気流の発生を伴わないその他の静電気
除去装置を利用する場合においても、矢張り除電効果を
高めるために覆いを取付けることが望ましい。
【0020】以上より判るように本発明のLB膜成膜装
置及び同作成方法は、従来公知のLB膜の成膜全てにつ
いて広く利用することができるが、特にクリーンルーム
等の比較的湿度が低く静電気が発生し易い条件において
成膜を行う場合有効である。
【実施例】以下本発明のLB膜成膜装置、及びLB膜の
作成方法について、実施例を挙げて説明する。実施例1 湿度50±5%、温度23±3℃に保たれたクリーンル
ーム(クラス1000)内に設置された図1に示すLB
膜成膜装置を用いた。なお、装置の参照符号は、以後は
図4で使用したものと同じものである。
【0021】図1において水相表面上方30cmの高さに
イオン化ブロワー8を設置した。また一部の制御装置を
除いて送致の機械部は直方体状のアクリル製の覆い部材
9の内側に設置した。
【0022】両親媒性有機分子としてベヘン酸(以下C
22と表す)を用いた。係るC22をクロロホルムに濃
度5x10-4Mで溶かしたのち、水温20℃に保たれた
純水上に展開した。溶媒を蒸発除去後、水面上の分子π
=26mN/mにまで圧縮して水面にC22の単分子膜
を形成した。次に係る表面圧を一定に保持したまま、イ
オン化ブローのブロワー吐出方向を図1中矢印Xで示す
方向にして5分間動作させた。
【0023】引き続きイオン化ブロワーを動作させた状
態で、表面をヘキサメチルジシラザン(以下HMDSと
表す)で疎水処理したSi基板を速度30mm/minで水面
を横切る方向に浸漬し、続いて引き上げ、Si基板上に
C22の2層LB膜を作成した。次に速度を100mm/m
inに変更して、前記基板に対して上記浸漬・引き上げ繰
り返し、10層LB膜を作成した。続いてイオン化ブロ
ワーの動作を停止した上で、C22単分子膜の累積を続
け、最終的に50層LB膜を作成した。なお、イオン化
ブロワー装置はSiMCO製AEROSTAT A−3
00を用いた。
【0024】各々作成日時を変えた他は上記と同じ方法
に拠り、合計10個の試料を作成した。
【0025】得られた試料表面を偏光顕微鏡(反射)で
観察したところ、何れの試料においてもストライエイシ
ョンの発生は見られず、また各ドメインはエピタキシャ
ル成長していることが確認された。この時のドメイン・
サイズは平均1mm角程度であった。比較例1 静電気除去操作を省略した他は実施例1と同様にして、
合計10個のC22の50層LB膜をSi基板上に作成
した。
【0026】得られた試料を偏光顕微鏡観察したとこ
ろ、7個の試料にストライエイションの発生が見られ、
その内4個の試料ではストライエイションの発生が甚だ
しく、ドメインはエピタキシャル成長も著しく阻害され
ていた。ストライエイションが見られなかった3個の試
料におけるドメイン・サイズは平均300μm角であっ
た。実施例2 湿度50±5%、温度23±3℃に保たれたクリーンル
ーム(クラス1000)内に設置されたLB膜成膜装置
(図2)を用いた。図2において、水槽1の累積位置1
0付近に累積用の基板7に対して平行になるように静電
気中和用イオナイズ・バー11を水槽3表面上方8mmの
位置に取付けた。静電気除去操作はLB成膜の全工程中
に渡って行った。
【0027】両親媒成有機分子としてC22を用いた。
係るC22をクロロホルムに濃度5x10-4Mで溶かし
たのち、水温20℃に保たれた純水上に展開した。溶媒
蒸発除去後、仕切り板2を動かして水面上の分子をπ=
26mN/mにまで圧縮してC22の水面上単分子膜を
形成した。次に係る表面圧を一定に保持したまま、水面
上単分子膜を5分間放置した。
【0028】次に表面をHMDSで疎水処理したSi基
板を速度30mm/minで水面を横切る方向に浸漬し、続い
て引き上げ、Si基板上にC22の2層LB膜を作成し
た。続いて、速度を100mm/minに変更して、前記基板
に対して上記浸漬・引き上げを繰り返し、50層LB膜
を作成した。なお、イオナイズ・バーはStaic.Inc.社製
11型イオナイズ・バーを使用した。
【0029】各々作成日時を変えた他は上記と同じ方法
に拠り、合計10個の試料を作成した。
【0030】得られた試料表面を偏光顕微鏡(反射)で
観察したところ、何れの試料においてもストライエイシ
ョンの発生は見られず、また各ドメインはエピタキシャ
ル成長していることが確認された。この時のドメイン・
サイズは平均300μm角程度であった。実施例3 実施例1において両親媒製有機分子として22−トリコ
セン酸(以下22−TCAと表す)を用い、基板として
ガラス基板上に30Å厚のCr下引き層を蒸着した後、
300Å厚のAuを蒸着した基板を用いた他は実施例1
と全く同様にして試料を作成した。
【0031】即ち、22−TCAをクロロホルムに濃度
5x10-4Mで溶かしたのち、水温20℃に保たれた純
水上を展開した。溶媒蒸発除去後、水面上の分子をπ=
27mN/mにまで圧縮し、22−TCAの水面上単分
子膜を形成した。
【0032】次に係る表面圧を一定に保持したまま、水
面上30cmの高さに設置したイオン化ブロワーを5分間
動作させた。引き続きイオン化ブロワーを動作させた状
態で、Au基板を速度30mm/minで水面を横切る方向に
浸漬し、続いて引き上げ、Au基板上に22−TCAの
2層LB膜を作成した。次に速度を200mm/minに変更
して、前記基板に対して上記浸漬・引き上げを繰り返
し、50層LB膜を作成した。
【0033】各々作成日時を変えた他は上記と同じ方法
に拠り、合計10個の試料を作成した。
【0034】得られた試料表面を偏光顕微鏡(反射)で
観察したところ、何れの試料においてもストライエイシ
ョンの発生は見られず、また各ドメインはエピタキシャ
ル成長してるいことが確認された。この時のドメイン・
サイズは平均500μm角程度であった。実施例4 実施例3とほぼ同様にして22−TCAの50層LB膜
をAu基板上に作成した。以下変更点について述べる。
【0035】イオン化ブロワーを作動させた状態22−
TCAを水面上に展開し、更にπ=27mN/mににま
で圧縮して水面に22−TCAの単分子膜を形成した
後、係る表面圧を一定に保持したまま、イオン化ブロワ
ーを5分間動作させた。次に、イオン化ブロワーの作動
を中止した上で、Au基板上に22−TCAのLB膜を
堆積させた。この時の基板上下速度は300mm/minであ
った。
【0036】得られた試料表面を偏光顕微鏡(反射)で
観察したところ、ストライエイションの発生は見られ
ず、また各ドメインはエピタキシャル成長していること
が確認された。この時のドメイン・サイズは平均200
μm×500μm程度であった。なお、試料の水面上へ
の展開及び圧縮時に於いてイオン化ブロワーの作動を行
わず、圧縮操作完了後、積層までの期間のみにイオン化
ブロワーを作動作させた場合も効果は同様であった。実施例5 実施例2と同様のLB膜成膜装置を用いて、アラキジン
酸(以下C20と表す)LB膜を作成した。静電気除去
操作はLB成膜の全工程中に渡って行った。
【0037】C20をクロロホルムに濃度5x10-4
で溶かしたのち、水温13℃に保たれた純水上に展開し
た。溶媒蒸発除去後、水面上の分子をπ=25mN/m
にまで圧縮し、C20の水面上単分子間を形成した。次
に係る表面圧を一定に保持したまま、水面上単分子膜を
5分間放置した。
【0038】次に表面をHMDSで疎水処理したSi基
板を速度30mm/minで水面を横切る方向に浸漬し、続い
て引き上げ、Si基板上にC20の2層LBを作成し
た。続いて速度を100mm/minに変更して、前記基板に
対して上記浸漬・引き上げを繰り返し、50層LB膜を
作成した。
【0039】各々作成日時を変えた他は上記と同じ方法
に拠り、合計10個の試料を作成した。
【0040】得られた試料表面を偏光顕微鏡(反射)で
観察したところ、何れの試料においてもストライエイシ
ョンの発生は見られず、また各ドメインはエピタキシャ
ル成長していることが確認された。この時のドメイン・
サイズは平均1mm×2mm角程度であった。実施例6 実施例1と同様にして湿度50±5%、温度23±3℃
に保たれたクリーンルーム(クラス1000)内に設置
されたアルファー線プローブ12を含むLB膜成膜装置
(図4)を用いた。アルファー線源としてはポロニウム
210Po)を用い、該プローブ12を累積用基板7と
水相3とが接触する付近に固定し(水相表面までの距離
=3mm)、単分子膜形成から堆積までの全工程を通して
静電気除去を行った。
【0041】両親媒成有機分子としてC22を用いた。
係るC22をクロロホルムに濃度5x10-4Mで溶かし
たのち、水温20℃に保たれた純水上に展開した。溶媒
蒸発除去後、水面上の分子をπ=26mN/mにまで圧
縮してC22の水面上単分子膜を形成した。次に係る表
面圧を一定に保持したまま、C22の水面上単分子膜を
5分間放置した。
【0042】その後、表面をHMDSで疎水処理したS
i基板を速度30mm/minで水面を横切る方向に浸漬
し、続いて引き上げ、Si基板上にC22の2層LB膜
を作成した。次に速度を100mm/minに変更して、前
記基板に対して上記浸漬・引き上げを繰返し、50層L
B膜を作成した。
【0043】各々作成日時を変えた他は上記と同じ方法
に拠り、合計10個の試料を作成した。
【0044】得られた試料表面を偏光顕微鏡(反射)で
観察したところ、何れの試料においてもストライエイシ
ョンの発生は見られず、また各ドメインはエピタキシャ
ル成長していることが確認された。この時のドメイン・
サイズは平均500μm角程度であった。実施例7 実施例6と略同様にして、C22の50層LB膜をSi
基板上に作成した。以下変更点について述べる。
【0045】アルファー線プローブ12を取り外した状
態で、水面にC22の単分子膜を形成し(π=26mN
/m)、引き続き表面圧を一定に保持したまま5分間放
置した。
【0046】次にアルファー線プローブ12を実施例6
と同様の位置に取付け、静電気除去操作を行い乍らSi
基板上にC22・LB膜を作成した。この時の基板上下
速度は、最初の2層については30mm/min、残りの48
層については100 mm/minとした。
【0047】得られた試料表面を偏光顕微鏡(反射)で
観察したところ、ストライエイションの発生は見られ
ず、また各ドメインはエピタキシャル成長していること
が確認された。この時のドメイン・サイズは平均500
μm角程度であった。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のLB膜成
膜装置によれば、ストライエイション等の構造的欠陥の
無い高品質のLB膜を再現性よく作成できる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る成膜装置の一例を示す概略側面断
面図である。
【図2】(A)は本発明に係る性膜装置の他の例を示す
概略側面断面図、(B)は同平面図である。
【図3】本発明に係る成膜装置の更に他の例を示す概略
側面断面図である。
【図4】従来の成膜装置を示す概略側面断面図である。
【符号の説明】
1 水槽 2 仕切り板 3 水相 4 表面圧センサー 5 単分子膜 6 基板上下装置 7 基板 8 イオン化ブロワー 9 覆い 10 累積位置 11 静電気中和用イオナイズ・バー 12 アルファー線プローブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05D 1/20 B05C 3/09 - 3/109 B01J 19/00 H01L 21/208

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水槽と、該水槽の水面に両親媒性分子の
    単分子膜を形成する手段と、基板を上下動させて水面に
    形成した単分子膜を基板に堆積する手段とを有するラン
    グミュア・ブロジェット膜成膜装置において、水面上の
    単分子膜に対して静電気除去操作を行う静電気除去機構
    を有し、水面に単分子膜を形成しながら単分子膜の静電
    除去操作を行うか、水面に形成された単分子膜に対して
    静電除去操作を行った後に単分子膜を基板に堆積する
    か、水面に形成された単分子膜を静電除去操作を行いな
    がら基板に堆積するか、少なくともいずれか一つの操作
    を行うことを特徴とするラングミュア・ブロジェット膜
    成膜装置。
  2. 【請求項2】 前記静電気除去機構が、静電気除去操作
    を連続的又は断続的に行わせる制御手段を有してなる請
    求項1記載の成膜装置。
  3. 【請求項3】 静電気除去機構が帯電除去棒、又は帯電
    除去板を有してなる請求項1または2記載の成膜装置。
  4. 【請求項4】 静電気除去機構がイオン放射装置を有し
    てなる請求項1または2記載の成膜装置。
  5. 【請求項5】 静電気除去機構がアルファ線放射装置を
    有してなる請求項1または2記載の成膜装置。
  6. 【請求項6】 覆い部材を成膜装置の少なくとも一部を
    覆って有してなる請求項1または2記載の成膜装置。
  7. 【請求項7】 水面に単分子膜を形成する手段として、
    水槽内を移動して水面を仕切ることができる仕切り板を
    用い、該仕切り板を移動させて水表面積を減少せしめ、
    水面上に展開した両親媒性分子を圧縮する方法によるこ
    とを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の
    成膜装置。
  8. 【請求項8】 水面に単分子膜を形成する手段として水
    面に水流を導入するか及び/又は気相側に気流を導入し
    て、水面上に展開した両親媒性分子を圧縮する方法によ
    ることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に
    載の成膜装置。
  9. 【請求項9】 水面に両親媒性分子の単分子膜を形成し
    ながら単分子膜の静電気除去操作を行ない、その後前記
    水面の単分子膜を基板上に堆積することを特徴とするラ
    ングミュア・ブロジェット膜作成方法。
  10. 【請求項10】 水面に両親媒性分子の単分子膜を形成
    し、次いで単分子膜に対して静電気除去操作を行った後
    に、前記単分子膜を基板上に堆積することを特徴とする
    ラングミュア・ブロジェット膜作成方法。
  11. 【請求項11】 水面に両親媒性分子の単分子膜を形成
    し、静電気除去操作を行いながら、前記単分子膜を基板
    上に堆積することを特徴とするラングミュア・ブロジェ
    ット膜作成方法。
  12. 【請求項12】 水面に両親媒性分子の単分子膜を形成
    しながら単分子膜の静電気除去操作を行ない、引き続き
    静電気除去操作を行いながら、前記水面の単分子膜を基
    板上に堆積することを特徴とするラングミュア・ブロジ
    ェット膜作成方法。
  13. 【請求項13】 水面に両親媒性分子の単分子膜を形成
    し、形成した単分子膜に対して静電気除去操作を行な
    い、さらに引き続き静電気除去操作を行いながら、単分
    子膜を基板上に堆積することを特徴とするラングミュア
    ・ブロジェット膜作成方法。
  14. 【請求項14】 静電気除去操作を連続的、或いは断続
    的に行なう、請求項9乃至13のいずれか一項に記載の
    ラングミュア・ブロジェット膜作成方法。
  15. 【請求項15】 静電気除去操作が帯電除去棒または帯
    電除去板を利用する請求項9乃至14のいずれか一項に
    記載のラングミュア・ブロジェット膜作成方法。
  16. 【請求項16】 静電気除去操作がイオン放射装置を利
    用する請求項9乃至14のいずれか一項に記載のラング
    ミュア・ブロジェット膜作成方法。
  17. 【請求項17】 静電気除去操作がアルファ線放射装置
    を利用する請求項9乃至14のいずれか一項に記載のラ
    ングミュア・ブロジェット膜作成方法。
  18. 【請求項18】 単分子膜を基板上に堆積する方法が、
    垂直浸漬法である請求項9乃至17のいずれか一項に
    載のラングミュア・ブロジェット膜作成方法。
  19. 【請求項19】 単分子膜を基板上に堆積する方法が、
    水平付着法である請求項9乃至17のいずれか一項に
    載のラングミュア・ブロジェット膜作成方法。
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