JP3154900B2 - 燃焼炉運転支援装置 - Google Patents

燃焼炉運転支援装置

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JP3154900B2 JP21920994A JP21920994A JP3154900B2 JP 3154900 B2 JP3154900 B2 JP 3154900B2 JP 21920994 A JP21920994 A JP 21920994A JP 21920994 A JP21920994 A JP 21920994A JP 3154900 B2 JP3154900 B2 JP 3154900B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焼却炉等の燃焼炉の燃
焼状態を診断し、この診断結果に基づいて燃焼炉の運転
を支援する燃焼炉運転支援装置に関する。
【0002】
【従来の技術】焼却炉等の燃焼炉において、燃焼状態の
診断は、例えば炉の正常な燃焼を維持し、炉の損傷を防
止する上において重要な役割を果たしている。燃焼炉で
あっても、重油,LNG等の定まった燃料を燃焼させる
ボイラにおいては火炎監視による燃焼診断の技術が確立
している。とはいえ、この燃焼診断技術は、燃料によっ
て定まる特有のスペクトルを利用するものであり、特有
なスペクトルが特定しにくい燃料に対しては適用が困難
である。
【0003】一方、例えばごみ焼却炉のような焼却炉に
ついては、従来、火炎監視による燃焼診断の技術が確立
しておらず、燃焼の評価指標として、次のものがあげら
れる。 1)火格子燃焼率:燃焼室内の火格子面積1m2 、1時
間当りの焼却物の焼却重量[kg/m2 ・h] 2)灰の熱尺減量:燃焼前の焼却物重量に対する燃焼後
の重力減少の割合[%] しかしながら、これらは、炉設計の妥当性評価に使用さ
れる指標であり、これらの指標から運転の動特性を評価
することはできず、したがって、炉運転中の燃焼状態を
定量的に把握することもできない。
【0004】このため、現状における焼却炉の燃焼管理
は、焼却炉の覗き窓に監視カメラを設置し、炉から離れ
た監視室でモニタを熟練運転員が目視判定することによ
って行われている。このような目視判定は、人間の直感
に訴える形で判定が容易であるが、運転者の主観的判断
に大きく左右され、判定の最適さは保証されない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述したボイラ等と異
なり、焼却炉において火炎監視技術が確立されていない
理由は、その燃焼物にある。つまり、例えばごみ焼却炉
のような焼却炉では不特定多種の焼却物を燃焼させるの
で、酸素、窒素、炭水化物等の火炎含有成分が逐次変化
し、火炎スペクトルを特定することができない。したが
って、スペクトル値に不確実性が存在し、燃焼状態を特
定のスペクトルに着目して定量的に評価するのが困難に
なっている。
【0006】本発明は、このような実情を考慮してなさ
れたもので、焼却炉における燃焼状態を定量的に診断
し、この定量的な診断結果に基づいて燃焼炉の運転制御
を支援する燃焼炉運転支援装置を提供することにある。
【0007】
【0008】
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解消するため
に本発明の燃焼炉運転支援装置においては、燃焼炉の運
転中における火炎スペクトル分布の統計値を運転時統計
値として算出する統計値計算手段と、燃焼炉の正常な燃
焼状態およびまたは異常な燃焼状態の火炎スペクトル分
布から算出された統計値である基準統計値、または予め
定められた基準統計値を記憶する基準統計値保存手段
と、基準統計値と前記運転時統計値とに基づいて、正常
な燃焼状態およびまたは異常な燃焼状態の火炎スペクト
ル分布と前記運転中の火炎スペクトル分布との接近度合
いを示す燃焼指標を算出する燃焼指標算出手段と、この
燃焼指標算出手段で算出された燃焼指標が予め指定され
た許容区間に入るか否かをしきい値を用いて判定するし
きい値判定手段と、燃焼指標を複数のクラスに分類して
記憶し、しきい値判定手段で許容区間に入らず異常と判
定された燃焼指標に対応するクラスを決定するクラス決
定手段と、各クラス毎に、該当クラスに対応した燃焼炉
の運転に対する処置ガイダンスを記憶するガイダンスデ
ータベースと、このガイダンスデータベースから決定さ
れたクラスに対応する処置ガイダンスを読み出し、出力
するガイダンス抽出手段と、燃焼炉を運転制御する運転
制御系に処置ガイダンスに対応した処置を、基準統計値
と前記運転時統計値と前記燃焼指標とに基づいて算出さ
れる量だけ施すように指令する運転状態調整手段とを
えている。
【0010】
【作用】このように構成された燃焼炉雲底支援装置にお
いては、燃焼炉の炉内の正常な燃焼状態およびまたは異
常な燃焼状態の火炎スペクトル分布の平均や分散(標準
偏差)といった統計値が基準統計値として算出される。
一方、燃焼炉の運転中における火炎スペクトル分布の平
均や分散(標準偏差)といった統計値が運転時統計値と
して算出される。そして運転中の燃焼状態における火炎
スペクトラム分布の燃焼指標が算出される。 この燃焼指
標には、様々な算出方法があるが、例えば以下のような
方法もある。すなわち、正常なおよび異常な火炎スペク
トル分布の平均及び分散の差によって求まる数値を基準
距離とし、現在の運転状態および異常状態の火炎スペク
トル分布の平均及び分散の差によって求まる数値を異常
状態までの距離として、この距離を先の基準距離で除し
て規格化する。この算出された燃焼指標の合否がしきい
置によって判定され、異常判定された燃焼指標のクラス
が決定され、このクラスに対応した処置ガイダンスが読
出される。その結果、この読出された処置ガイダンスに
対応した処置が自動実施される。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 (第1実施例)図1は本発明に係る第1実施例の燃焼炉
燃焼診断装置の構成を示すブロック図であり、図2は同
実施例における主要構成部を示すブロック図である。
【0021】図1において、燃焼炉としての焼却炉1に
対し、センサ部2を介して燃焼炉燃焼診断装置3が設け
られている。この燃焼炉燃焼診断装置3は、統計値計算
部4と燃焼指標算出手段及び基準統計値保存手段として
の燃焼評価部5としきい値判定部6と診断部7とガイダ
ンスデータベース8とによって構成されている。
【0022】統計値計算部4は、運転中の焼却炉1に対
するセンサ部2に計測された一定時間間隔の火炎情報
(火炎スペクトル値)(a)が入力され、入力された時
系列上の複数の火炎スペクトル値群から平均,分散等の
統計値(b)を算出し、燃焼評価部5に送出する。
【0023】燃焼評価部5は、統計値計算部4で算出さ
れた統計値(b)と、予め想定されている異常な燃焼状
態としての不完全燃焼状態の火炎スペクトル分布の平
均,分散等の統計値とに基づいて、燃焼指標θ(c)を
算出し、しきい値判定部6に送出する。
【0024】しきい値判定部6は、燃焼指標θが想定さ
れた区間幅から逸脱していないか否かをしきい値との比
較で調べ、区間幅から逸脱していれば、運転中の焼却炉
の燃焼状態を「異常状態」と判定し、区間幅から逸脱し
ていなければ、運転中の焼却炉の燃焼状態を「正常状
態」と判定する。
【0025】診断部7は、さらに、警報部71とクラス
決定部72とガイダンス抽出部73とによって構成され
ている。警報部71は、しきい値判定部6の判定結果
(d)が入力され、判定結果(d)が、「異常状態」で
あれば警報を発する。
【0026】クラス決定部72は、図2に示すようにク
ラステーブル72aとサブクラステーブル72bとを有
している。そして、燃焼状態の「異常状態」判定時の燃
焼指標θ(e)がしきい値判定部6から入力されると、
この燃焼指標θ(e)に基づき、クラステーブル72a
から燃焼状態評価に関するクラス決定を行う。さらに、
センサ部2から入力される火炎情報(火炎輝度)(f)
に基づいてサブクラステーブル72bから当該クラス内
でのサブクラスを決定する。
【0027】ガイダンス抽出部73は、図1,図2に示
すように、クラス決定部72により決定されたクラス値
を含むサブクラス値(g)が入力され、サブクラス値
(g)に対応するガイダンス(h)をガイダンスデータ
ベース8から抽出し、抽出したガイダンス(h)を診断
結果として出力する。
【0028】ガイダンスデータベース8は、図2に示す
ようなガイダンステーブル8a備え、燃焼指標θの定量
値でランク分けされたサブクラス値(g)に対応する処
置ガイダンスを格納している。処置ガイダンスrは燃焼
指標θの程度(クラス値)と輝度(サブクラス値)で規
定される異常な燃焼状態を正常な燃焼状態に戻すための
運転処置案である。例えば「炉内搬入焼却物量の抑
制」,「炉内酸素量の増減」,「熱風量の増減」等の運
転処置案であり、このような内容がガイダンステーブル
8aのr1,r2,...に保存されている。
【0029】また、図3は、センサ部2の具体的な構成
を示す一例である。センサ部2は、外部センサとそれに
接続されたスペクトル解析装置とからなりたっている。
【0030】図3において、焼却炉1の炉壁覗き窓1a
を介して設けられた光プローブ21により取り込まれた
炉内火炎の光は光ファイバ22を介して分光器23に導
かれる。
【0031】分光器23で分離された各スペクトル光は
光電検出器24によりそれぞれ検出され、さらに、増幅
器25で増幅される。増幅された火炎情報は、解析用計
算器26によって解析され、火炎スペクトル値(a)及
び火炎輝度(f)として、燃焼炉燃焼診断装置3に送出
される。
【0032】次に、以上のように構成された本実施例の
燃焼炉燃焼診断装置の動作について図4の動作フロー図
に沿って説明する。まず、センサ部2で運転中の焼却炉
1の炉内の火炎光がサンプリングされ、火炎スペクトル
値(a)として燃焼炉燃焼診断装置に送出される(ステ
ップS1)。
【0033】次に、統計値計算部4によって、火炎スペ
クトル値(a)の平均,分散(標準偏差)等の統計値
(b)つまりモーメント値が算出される(ステップS
2)。さらに、燃焼評価部5によって、この算出された
統計値(b)と予め想定された不完全燃焼状態の火炎ス
ペクトル分布の統計値(平均,分散)とに基づいて燃焼
指標θを算出する。
【0034】ここで、図5の燃焼指標の概念図を用い
て、燃焼指標θの考え方について説明する。燃焼指標θ
の考え方には様々なものがある。本実施例では、図5に
示すように、予め不完全燃焼の場合の火炎スペクトル分
布Dを用意しておき、これと実際に炉内で観測される火
炎スペクトル分布Sとの接近の度合いを評価することに
より燃焼指標θを求める。つまり、2つの火炎スペクト
ルDとSが接近しているほど、現在観測されている燃焼
は不完全燃焼に近いと評価するのである。
【0035】この不完全燃焼の場合の火炎スペクトル分
布Dは、例えばシミュレーションで求められ、また、例
えば実際の焼却炉1で不完全燃焼を起こしたときに観測
された火炎スペクトル分布Dを使用する。
【0036】上記した火炎スペクトルの「接近の度合
い」について、本実施例での定量表現方法を述べる。ま
ず、図5における火炎スペクトル分布S、Dの分布間距
離dを(1)式に示すような平均と分散の差の絶対値を
線形重み付けした値とする。
【0037】 分布間距離d=α|uS −uD |+β|σS −σD | …(1) ただし、 α :平均の差の重み係数 β :標準偏差の差の重み係数 uS :観測した火炎スペクトル分布Sのスペクトル周波
数の平均 uD :不完全燃焼状態の火炎スペクトル分布Kのスペク
トル周波数の平均 σS :観測した火炎スペクトル分布Sのスペクトル周波
数の標準偏差 σD :不完全燃焼状態の火炎スペクトル分布Kのスペク
トル周波数の標準偏差 一方、同様な考え方により、完全燃焼状態の火炎スペク
トル分布Cを用意し、これと不完全燃焼状態の火炎スペ
クトル分布Dとの間の分布間距離dR は、(2)式のよ
うに示される。
【0038】 分布間距離dR =α|uC −uD |+β|σC −σD | …(2) ただし、 uC :完全燃焼状態の火炎スペクトル分布Cのスペクト
ル周波数の平均 σC :完全燃焼状態の火炎スペクトル分布Cのスペクト
ル周波数の標準偏差 (1)式、(2)式で求められる分布間距離を用いれ
ば、観測している火炎スペクトル分布Sと不完全燃焼の
火炎スペクトル分布Dとの接近度合いを、 分布S,Dの接近度合いθ=d/dR …(3) ただし、 0≦d≦dR , 0≦θ≦1 と評価することができる。
【0039】本実施例では、(3)式の分布S,Dの接
近度合いθを燃焼指標θとして用いている。ここで、こ
の場合の燃焼指標θの定性的解釈は「θが大きくなれば
分布Sは分布Dから離れ、燃焼状態が完全燃焼状態に近
づいている。また、θが小さくなれば、分布Sは分布D
に接近し、燃焼状態が不完全燃焼状態に近づいてい
る。」である。
【0040】また、この完全燃焼の場合の火炎スペクト
ル分布Cは、不完全燃焼の場合と同様に、例えばシミュ
レーションで求められ、また、例えば実際の焼却炉1で
完全燃焼をさせたときに観測された火炎スペクトル分布
Cを使用する(ステップS3)。
【0041】さらに、本実施例では、不完全燃焼の場合
の火炎スペクトル分布Dとの接近の度合いで燃焼指標θ
を決めているが、例えば図6に示すように全燃焼の場合
の火炎スペクトル分布Cと観測された火炎スペクトル分
布Sとの接近の度合いで燃焼指標θを決めてもよい。こ
のときは、燃焼指標θを「分布S,Cの接近度合いθ=
d´/dR 」(d´は、(1)式でuD をuC に、σD
をσC に置き換えたもの)とすればよい。
【0042】以上の手順ステップS1〜S3を一定時間
毎に逐次繰り返すことで、時系列上の燃焼指標θが計算
できる(プロセスP1)。以下、プロセスP2(ステッ
プS4〜S8)によって、焼却炉炉内の燃焼状態の異常
判定、異常時の警報発信及び処置ガイダンス出力が行わ
れる。
【0043】まず、プロセスP1により算出された燃焼
指標θの時系列データ(c)がしきい値判定部6に入力
される。しきい値判定部6では、この燃焼指標θの時系
列データ(c)のトレンドをオペレータに設定されたし
きい値と比較する。
【0044】図7は、しきい値を示すと共に、時間幅T
ごとの燃焼指標θ(θ1 ,θ2 ,...,θ7 )をプロ
ットしたものである。この各θは(3)式で求められた
ものであり、したがって、しきい値よりも燃焼指標θが
大きい場合は正常な燃焼状態であると判定し、しきい値
よりも燃焼指標θが小さい場合は異常な燃焼状態である
と判定する。
【0045】ここで、正常な燃焼状態とは、燃焼が完全
燃焼に近いということであり、異常な燃焼状態とは、燃
焼が不完全燃焼に近いということである(ステップS
4)。しきい値判定部6での判定結果(d)は警報部7
1に送出され、警報部71は、判定結果が正常な燃焼状
態であれば何もせず、判定結果が異常な燃焼状態であれ
ば外部警報器(図示せず)に警報発信の命令を出す(ス
テップS5、ステップS6)。
【0046】一方、判定結果が異常な燃焼状態であると
き、さらに、しきい値判定部6からクラス決定部72に
このときの燃焼指標θ(e)が送出され、クラス決定部
72によって異常の燃焼状態に応じた処置クラスが決定
される。
【0047】クラス決定部72には、図2に示したよう
に、クラステーブル72aとサブクラステーブル72b
とを有している。この場合、クラステーブル72aで
は、しきい値をθ=0.8とし、燃焼指数θがそれより
も小さい異常燃焼状態を5つのクラス(クラス値=A〜
E)に分類している。
【0048】各クラスは、さらにサブクラスに分類され
る。サブクラスの分類基準は、上記した燃焼指数ではな
く、火炎の輝度によっている。このため、クラス決定部
72は、火炎の輝度情報(f)をセンサ部2より入力す
る。
【0049】火炎輝度は、火炎温度と相関があり、火炎
温度は燃焼の状態の良否と相関がある。このため、火炎
輝度は、燃焼状態を規定する上で重要な要素となってい
る。したがって、燃焼状態の評価に火炎輝度の情報
(f)も考慮することで、より適切な処置内容(ガイダ
ンス)を選択することができる。
【0050】図2のサブクラステーブル72bでは、0
〜1の幅に正規化された輝度を4段階に分類している。
いま、異常と判定された燃焼指標がθ=0.7(e)と
すると、クラステーブル72aからクラスAが選定され
る。
【0051】さらに、θ=0.7(e)のサンプリング
時の火炎輝度が0.5(f)であったとすると、サブク
ラステーブル72bからサブクラス値A2(g)が選定
される(図2のクラステーブル72a,サブクラステー
ブル72bの斜線部分:ステップS7)。
【0052】ガイダンス抽出部73は、図2に示すよう
に、入力されたサブクラス値(この場合はA2(g))
を検索キーとして、ガイダンスデータベース8から対応
する処置ガイダンスを検索、抽出する。
【0053】いま、サブクラス値がA2(g)であるの
で、ガイダンステーブル8aの斜線部分r2の処置ガイ
ダンスr(h)がガイダンス抽出部83に抽出され、例
えば「炉内搬入焼却物量の抑制」といったガイダンス内
容が図示しない表示装置等によって外部に出力される
(ステップS8)。
【0054】上述したように、本実施例による燃焼炉燃
焼診断装置は、不完全および正常な燃焼状態の火炎スペ
クトル分布の統計値と焼却炉1の運転時の火炎スペクト
ル分布の統計値から燃焼評価部5で燃焼指標θを算出
し、ガイダンス抽出部73によって、これに対応する処
置ガイダンスを抽出して出力するようにしたので、不完
全および正常な燃焼状態の火炎スペクトル分布の統計値
等の基準統計値を用いて現在の燃焼状態を評価すること
ができ、燃焼状態の不確実性を考慮した燃焼状態の動的
診断を可能とすることができる。
【0055】すなわち、ごみ焼却炉のような燃焼物を特
定できない燃焼炉であっても有効な燃焼診断をすること
ができる。また、しきい値判定部6を設けて、燃焼指標
θがしきい値より異常側の値になったとき、警報部71
でこれを通知するようにしたので、より安全確実な燃焼
炉の運転を行うことができる。
【0056】さらに、クラス決定部72を設けて、燃焼
状態が異常なとき、その燃焼指標θに基づいてクラス分
けをし、ガイダンスデータベース8の内容をクラスに対
応させたので、診断内容を容易に燃焼状態と対応づける
ことができる。
【0057】さらに、クラス決定部72において、セン
サ部2から輝度情報を受信し、クラス分けされた燃焼状
態を輝度情報に基づいてさらにサブクラス分けし、これ
に処置ガイダンスを対応させたので、より一層正確な燃
焼診断を行うことができる。
【0058】なお、本実施例の燃焼炉燃焼診断装置にお
ける燃焼状態の評価、診断方法は、焼却炉に限定される
ものではなく、化学プロセス機器の反応炉など、いわゆ
る炉内で燃焼が生じる機器すなわち燃焼炉のすべてに適
用できる。 (第2実施例)図8は本発明に係る第2実施例の燃焼炉
運転支援装置の構成を示すブロック図であり、図1,図
2と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、ここ
では異なる部分についてのみ述べる。
【0059】図8において、燃焼炉運転支援装置9より
運転パラメータの操作量(i)が運転制御系10に入力
され、運転制御系10は焼却炉1を制御するための操作
(j)を焼却炉1に対して行っている。
【0060】この燃焼炉運転支援装置9は、第1実施例
と同様な燃焼炉燃焼診断装置3に運転状態調整部11を
付加することによって構成されている。運転状態調整部
11は、図9に示すように、例えば処置量テーブル11
aと操作量テーブル11bを有している。そして、ガイ
ダンス抽出部73より受信した処置ガイダンスr及び燃
焼指標θ及び火炎スペクトル分布に対する統計値等から
燃焼指標θの感度が1に最も近い処置量(h1)を算出
し、これにより運転パラメータの操作量(i)を算出
し、さらに、この運転パラメータの操作量(i)を運転
制御系10に送出する。
【0061】次に、以上のように構成された本実施例の
燃焼炉運転支援装置の動作について説明する。本実施例
の燃焼炉運転支援装置は、ガイダンス抽出部73により
処置ガイダンス(h)が送出されるまでは、第1実施例
と同様に動作する。
【0062】運転状態調整部11は、入力された処置ガ
イダンス(h)に基づき、焼却炉の操作量(運転量)を
算出し、正常な運転状態を保持するための制御を支援す
る。一例として処置ガイダンスrが「炉内酸素量の増
量」であった場合について、説明する。
【0063】まず、処置量すなわち炉内酸素の増量に対
応する燃焼指標θに対する感度を算出する。この感度と
は、「処置iをある処置量だけ実施した場合の燃焼指標
θの目標値θrへの復帰度合い」と定義する。
【0064】この感度の算出方法は、様々のものが考え
られるが、本実施例では以下の方法によっている。燃焼
指標θの感度の計算式を(4)式の通りに定義する。
【0065】 燃焼指標θの感度=(θ0 +Δθi )/θr …(4) ただし、Δθi =θ{u(Δdi ),σ(Δdi )} θ0 :観測燃焼状態の燃焼指標値 θr :燃焼指標の目標値 Δθi :処置実施に伴う燃焼指標値の変化量 Δdi :処置iの処置量 u :火炎スペクトルの平均 σ :火炎スペクトルの標準偏差 このとき、(4)式の意味は以下の通りである。
【0066】火炎スペクトル分布の平均u,標準偏差σ
が処置iの処置量di の関数で記述できると仮定する
と、処置iの実施に伴う火炎スペクトル分布の平均u,
標準偏差σの変化量u(Δdi ),σ(Δdi )を算出
することができる。
【0067】次に、これらの変化量u(Δdi ),σ
(Δdi )を(1)式のuS ,σS に代入し、(2)
式,(3)式によって、処置iを実施した場合の燃焼指
標値の変化量Δθi を算出する。
【0068】したがって、処置iを実施したときの燃焼
指標値の復帰値を、 燃焼指標値の復帰値=θ0 +Δθi と計算することができる。そして、これを燃焼指標の目
標値θr で除することにより、燃焼指標の目標値θr に
対する燃焼指標値の復帰値の割合が算出される。この割
合が、処置iの処置量di の燃焼指標θに対する感度で
ある。
【0069】この各処置i,各処置量di に対する燃焼
指標θの感度は逐次計算することももできるが、図9に
示すように予め処置量テーブル11aとして用意してお
くこともできる。
【0070】本実施例の場合、処置量テーブル11aを
用い、燃焼指標θの感度が1に最も近くなる処置量di
を読み出すようにしている。すなわち、処置量テーブル
11aの斜線部で表示された処置量di としての炉内酸
素量の増量0.7m3 (h1)である。
【0071】このようにして読み出された処置量0.7
3 (h1)を実現するための必要な運転パラメータの
操作量を操作量テーブル11bに示す形式で決定し、決
定された運転パラメータの操作量(i)が、焼却炉1の
運転制御系10への制御量(制御命令)として出力され
る。
【0072】この操作量(i)は焼却炉1の運転制御構
造から必然的に決定される物理量である。運転制御系1
0は、この操作量(i)によって運転状態を変更し、焼
却炉1に酸素0.7m3 (j)を注入する。
【0073】上述したように、本実施例による燃焼炉運
転支援装置は、第1実施例の燃焼炉燃焼診断装置3に運
転状態調整部11を付加し、運転制御系を介して、処置
ガイダンスに対応する処置を実施するようにしたので、
第1実施例と同様の効果が得られる他、診断情報を運転
制御量の決定に逐次利用することが可能となり、燃焼に
異常が起った場合、早急に運転状態を変更して、異常か
らの復帰が可能となる。
【0074】なお、本実施例の燃焼炉運転支援装置にお
ける運転状態調整方法は、焼却炉に限定されるものでは
なく、化学プロセス機器の反応炉など、いわゆる炉内で
燃焼が生じる機器すなわち燃焼炉のすべてに適用でき
る。また、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々
変形が可能である。
【0075】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、焼
却炉における燃焼状態を定量的に診断する燃焼炉燃焼診
断方法及び装置を提供し、燃焼状態の定量的な診断に基
づいて燃焼炉の制御を支援する燃焼炉運転支援装置を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例の燃焼炉燃焼診断装置
の構成を示すブロック図。
【図2】同実施例における主要構成部を示すブロック
図。
【図3】同実施例におけるセンサ部の構成例を示すブロ
ック図。
【図4】同実施例における燃焼炉燃焼診断装置の動作フ
ロー図。
【図5】火炎スペクトル分布から燃焼指標を算出する概
念図。
【図6】火炎スペクトル分布から他の方法によって燃焼
指標を算出する概念図。
【図7】時間幅ごとに燃焼指標をプロットした図。
【図8】本発明に係る第2実施例の燃焼炉運転支援装置
の構成を示すブロック図。
【図9】同実施例における主要構成部を示すブロック
図。
【符号の説明】
1…焼却炉、2…センサ部、4…統計値計算部、5…燃
焼評価部、6…しきい値判定部、7…診断部、72…ク
ラス決定部、73…ガイダンス抽出部、8…ガイダンス
データベース、11…運転状態調整部。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼炉の運転中における火炎スペクトル
    分布の統計値を運転時統計値として算出する統計値計算
    手段と、 燃焼炉の正常な燃焼状態およびまたは異常な燃焼状態の
    火炎スペクトル分布から算出された統計値である基準統
    計値、または予め定められた基準統計値を記憶する基準
    統計値保存手段と、 前記基準統計値と前記運転時統計値とに基づいて、前記
    正常な燃焼状態およびまたは異常な燃焼状態の火炎スペ
    クトル分布と前記運転中の火炎スペクトル分布との接近
    度合いを示す燃焼指標を算出する燃焼指標算出手段と、この燃焼指標算出手段で算出された燃焼指標が予め指定
    された許容区間に入るか否かをしきい値を用いて判定す
    るしきい値判定手段と、 燃焼指標を複数のクラスに分類して記憶し、前記しきい
    値判定手段で許容区間に入らず異常と判定された燃焼指
    標に対応するクラスを決定するクラス決定手段と、 前記各クラス毎に、該当クラスに対応した 燃焼炉の運転
    に対する処置ガイダンスを記憶するガイダンスデータベ
    ースと、 このガイダンスデータベースから前記決定されたクラス
    対応する処置ガイダンスを読み出し、出力するガイダ
    ンス抽出手段と、 前記燃焼炉を運転制御する運転制御系に前記処置ガイダ
    ンスに対応した処置を、前記基準統計値と前記運転時統
    計値と前記燃焼指標とに基づいて算出される量だけ施す
    ように指令する運転状態調整手段とを備えた燃焼炉運転
    支援装置。
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