JP3154754B2 - 成形活性炭の製造方法 - Google Patents

成形活性炭の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた組織強度ならび
に吸着性能を有する成形活性炭の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、吸着材として各種用途に汎用され
ている活性炭には、粉末、粒状、繊維状、成形状のもの
が知られている。これらのうち、粉末、粒状の活性炭は
本質的に比較的脆弱な炭素の集合体であるため、ハンド
リング過程で粉体が飛散したり器材を汚染するといった
取扱上の難点がある。この点、炭素繊維を活性化して製
造される繊維状活性炭は汚染性が少ないうえに可撓性が
あるためハンドリングに至便であるが、吸着容量が小さ
く、破過時間が短いという性能上の問題がある。そのう
え繊維状活性炭は、低沸点分子を有する水溶液には極め
て優れた吸着性能を発揮するが、有機溶剤等を含有する
気体に対しては、チャンネリング現象を起こすことが多
い。したがって、賦形された一定の組織構造を備え、優
れた吸着性能ならびに機械的強度を有する成形状の活性
炭が開発されれば、上記問題の多くは解決される。
【0003】しかしながら、従来提案されている成形活
性炭およびその製造技術には、要求される吸着性能、組
織強度および経済性を同時に満足するものは開発されて
いない。すなわち、特開昭62-72509号公報には、レーヨ
ン、パルプ、椰子殻炭等を何層かに抄き合わせた成形活
性炭が開示されているが、成形体中に占める活性炭量が
制限されるため充分な吸着性能の確保が困難であり、ま
た主原料がレーヨン、パルプであるため高温度域での制
約がある。活性炭粉末を例えばフェノール樹脂、フラン
樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、シリコン樹脂、メチ
ルセルロース、リグニン主原料樹脂、PVA、木節粘
度、活性白土、石油系ピッチ等のバインダーを用いて成
形する方法に関しては多くの提案がなされている(特開
昭50-14595号公報、同51-39594号公報、同53-125292 号
公報、同55-167118 号公報、同59-213610 号公報等)。
しかし、これらバインダーの使用は概して気孔を閉塞す
る因となり易く、またバインダー自体の中には高価なも
のもあり経済性の見地から用途が限定される問題点があ
る。
【0004】この他、フェノール樹脂等に活性炭と発泡
剤を混入して作製する多孔質成形体(特願昭53-125292
号公報)もあるが、この場合にも相対的に活性炭量が少
なくなるため吸着性能が減退する難点がある。また、合
成樹脂系の成形活性炭として、ポリビニルホルマール、
ポリウレタンフォーム等の発泡成形体にフェノールある
いはメラミン樹脂等を含浸して炭化したのち、水蒸気あ
るいは炭酸ガス等で賦活化する技術報告もあるが、ポリ
ビニルホルマール、ポリウレタンホォーム等は熱可塑性
樹脂であるため炭化後にその部分が空洞になり、成形体
の組織がかなり脆弱なものになるという強度面の難点が
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術とは異なり、特定された性状の不織布基材に熱硬化
性樹脂液を含浸し、焼成炭化後に賦活処理すると要求特
性を満足する成形活性炭が得られることを実証して開発
に至ったものである。
【0006】したがって、本発明の目的は、高度の組織
強度と優れた吸着性能を兼備する均質多孔構造の成形活
性炭を効率よく製造するための方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による成形活性炭の製造方法は、平均気孔径
200μm〜2mm、気孔率50%以上の性状を有する
有機質不織布を所定の厚さに積層し、これに残炭率50
%以上の熱硬化性樹脂液を含浸して加熱硬化したのち、
非酸化性雰囲気下800℃以上の温度域で焼成炭化し、
得られた炭素成形体を水蒸気もしくは炭酸ガスにより賦
活処理することを構成上の特徴とする。
【0008】本発明では原料基材として、平均気孔径 2
00μm 〜2mm、気孔率50%以上の性状を有する有機質の
不織布を選択使用する。平均気孔径および気孔率がそれ
ぞれ200μm 、50%を下廻る場合には、熱硬化性樹脂液
の含浸から焼成炭化処理に至る後工程において気孔の閉
塞化を誘発し、他方、平均気孔径が2mmを越えると強度
特性の低下が著しくなる。不織布を構成する繊維は特に
限定されないが、熱処理時に溶融しないで炭化する熱不
融性のものが好ましく用いられる。熱不融性の繊維とし
ては、例えばセルロース繊維、ポリビニルアルコール繊
維、フェノール繊維などを挙げることができる。これら
の不織布は所定の厚さに積層し、必要により圧縮処理し
て使用に供される。この際、積層前に予め50〜 110℃程
度の温度域で加熱処理を施して不織布に含まれる水分の
除去と表面の改質をおこなっておくと、含浸時、樹脂液
との濡れ性が効果的に改善される。
【0009】積層された不織布には、熱硬化性樹脂液が
含浸される。使用する熱硬化性樹脂としては、残炭率が
50%以上のものを選択する必要がある。残炭率とは、樹
脂を非酸化性雰囲気中1000℃の温度で焼成したときに残
留する炭素分の重量を指し、これが50%未満の場合には
得られる成形体の組織強度を実用水準まで引き上げるこ
とが極めて困難となる。また、炭素残留量が多い程、後
工程の賦活処理後の強度および比表面積の向上が顕著と
なる。この種の残炭率50%以上の熱硬化性樹脂の例とし
ては、フェノールホルムアルデヒト、フルフリルアルコ
ール、ジビニルベンゼン等が挙げられ、いずれも本目的
に有効使用される。
【0010】熱硬化性樹脂の溶液化は、樹脂をアルコー
ル、アセトンのような常用の有機溶媒に溶解することに
よっておこなわれるが、溶液の濃度は、20〜70wt%に設
定することが望ましい。この理由は、溶液濃度が20wt%
以下になると強度特性の減退を招き、また70wt%を越え
ると円滑な含浸が阻害されるうえに気孔の閉塞を伴うか
らである。不織布に対する熱硬化性樹脂液の含浸処理
は、浸漬、塗布、スプレー等の手段を用いておこなうこ
とができる。
【0011】ついで、含浸物を加熱して樹脂を硬化させ
る。加熱硬化処理の好ましい条件は、60℃〜 140℃まで
6時間で昇温することで、この処理により含浸樹脂成分
は完全に硬化する。加熱硬化後の材料は、焼成炉に移
し、窒素、アルゴン等の非酸化性雰囲気下で 800℃〜12
00℃の温度により焼成炭化処理する。このようにして得
られた炭素成形体は、常法により水蒸気、炭酸ガス雰囲
気下で 800℃〜1000℃の温度で賦活処理して本発明の成
形活性炭を製造する。
【0012】
【作用】本発明において原料基材として用いる平均気孔
径 200μm 〜2mm、気孔率50%以上の不織布は、熱硬化
性樹脂液の含浸から硬化するまでの骨格として機能し、
焼成炭化時には繊維状炭化物として残留する。一方、不
織布基材に含浸された残炭率50%以上の熱硬化性樹脂は
焼成炭化処理により炭化残留して強度の高いガラス状炭
素に転化する。引続く水蒸気または炭酸ガスによる賦活
処理により炭素成形体中の不織布から転化した繊維状炭
化物の部分が活性化され、 200μm 〜2mm程度の孔と0.
5 nm〜3nm程度の微細孔が混在する広い吸着能の多孔質
組織を形成する。
【0013】上記の作用が複合して、組織強度が高く且
つ優れた吸着性能を備える成形活性炭を安定して製造す
ることが可能となる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。
【0015】実施例1〜3、比較例1〜3 平均気孔径および気孔率の異なるセルロース繊維からな
る厚さ0.25mmの不織布(クラレ社製“KURAFLEX”) を 1
10℃の乾燥器中で2時間加熱乾燥し、これを20枚密着状
に積層した。積層した不織布を、残炭率50%のフェノー
ル樹脂(大日本インキ社製“プライオフェン5900”)の
50wt%アセトン溶液に浸漬して十分に含浸させた。含浸
処理した不織布は、60℃の乾燥器に入れて2時間保持
し、アセトン成分を除去したのち、加熱しながら面圧0.
5kg/cm2 の圧力で圧縮した。この圧縮段階の加熱条件
は、80℃から1時間おきに20℃づつ温度を上昇させ、最
終的に140℃まで昇温した。
【0016】ついで、硬化後の成形体を窒素ガス雰囲気
に保持された焼成炉に入れ、1000℃の温度により焼成炭
化処理して厚さ 3.0mmの多孔質炭素成形体を得た。引き
続き得られた炭素成形体を賦活炉に移し、炭酸ガス雰囲
気下、 950℃の温度により賦活処理を施した。
【0017】このようにして製造された各成形活性炭の
各種特性を、基材として用いた不織布の平均気孔径およ
び気孔率と対比させて表1に示した。なお、各性状の測
定は、平均気孔径および気孔率は水銀圧入法、平均細孔
径および比表面積についてはBET法、曲げ強度および
曲げ弾性率はJIS K6911の方法に従っておこな
った。
【0018】比較のために、レーヨン紙を抄造したもの
を積層したのち賦活操作をおこなう従来技術で製造した
成形活性炭についても各種特性を測定し、結果を同様に
して表1に併載した(比較例)。
【0019】表1の結果から、本発明の要件を満たす実
施例は、いずれも良好な強度特性を示し、また吸着性能
の指標となる気孔構造および比表面積も比較例と同等あ
るいはそれ以上の高特性を示している。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に従えば比較的簡
易な製造プロセスにより優れた組織強度と吸着性能を兼
備する成形活性炭を効率よく製造することができる。し
たがって、工業用吸着材として、上下水をはじめとする
各種液体の浄化精製、排ガスに含まれる硫黄酸化物、窒
素酸化物ほかの有毒成分の吸着除去などに有用である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均気孔径 200μm 〜2mm、気孔率50%
    以上の性状を有する有機質不織布を所定の厚さに積層
    し、これに残炭率50%以上の熱硬化性樹脂液を含浸して
    加熱硬化したのち、非酸化性雰囲気下800℃以上の温度
    域で焼成炭化し、得られた炭素成形体を水蒸気もしくは
    炭酸ガスにより賦活処理することを特徴とする成形活性
    炭の製造方法。
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