JP3154293B2 - 音声信号帯域合成復号化装置 - Google Patents
音声信号帯域合成復号化装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はMPEG規格の高能率符
号化方式を用いた圧縮音声/オーディオの伸張装置に関
し、更に詳しくは、比較的小規模なハードウエアで高速
に伸張処理できる装置に関する。
号化方式を用いた圧縮音声/オーディオの伸張装置に関
し、更に詳しくは、比較的小規模なハードウエアで高速
に伸張処理できる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近では、マルチメディアへの使用を目
的とした動画像/音声の高能率符号化が必要不可欠とな
っている。この高能率符号化の国際標準規格としてMP
EG (Moving Picture Experts
Group)方式があり、既にISO/IEC 11
172として勧告され、MPEG規格を用いた圧縮音声
/オーディオ信号の伸張方法に関しては、「FAST
Subband Filtering in MPEG
Audio Coding(IEEE SIGNAL
PROCESSING LETTER,Vol 1,
NO 2,FEBRUARY 1994)」等にも記載
されている。
的とした動画像/音声の高能率符号化が必要不可欠とな
っている。この高能率符号化の国際標準規格としてMP
EG (Moving Picture Experts
Group)方式があり、既にISO/IEC 11
172として勧告され、MPEG規格を用いた圧縮音声
/オーディオ信号の伸張方法に関しては、「FAST
Subband Filtering in MPEG
Audio Coding(IEEE SIGNAL
PROCESSING LETTER,Vol 1,
NO 2,FEBRUARY 1994)」等にも記載
されている。
【0003】かかるMPEG方式による圧縮音声/オー
ディオ伸張に際しての帯域合成処理の原理手順を説明す
る。図10はISO/IEC 11172の勧告に示さ
れているMPEG方式のオーディオレイヤー2の規格に
したがった帯域合成のフローチャートである。MPEG
方式では32のサンプルデータごとに逆量子化が行わ
れ、帯域合成処理が開始される(ステップ101)。次
のステップ103では生成される64個の新たなVベク
タに備えて、1024個からなるVベクタ群中、古い6
4個がシフト処理され(ステップ102)、入力された
32の逆量子化サンプルデータから新たなVベクタが6
4個算出される(ステップ103)。次に1024個の
Vベクトル群から512個のUベクタ群が生成され(ス
テップ104)、Uベクタ群にウインドウ処理に用いら
れる係数である係数Diが乗じられて、ウインド処理さ
れてWベクタ群が生成される(ステップ105)。Wベ
クタ群は、所定方向に16個加算されて1サンプル分の
音声/オーディオデータ(32ワード)が伸張され(ス
テップ106)、これが36回繰り返して実行されて3
6グループからなる1フレームが伸張される。
ディオ伸張に際しての帯域合成処理の原理手順を説明す
る。図10はISO/IEC 11172の勧告に示さ
れているMPEG方式のオーディオレイヤー2の規格に
したがった帯域合成のフローチャートである。MPEG
方式では32のサンプルデータごとに逆量子化が行わ
れ、帯域合成処理が開始される(ステップ101)。次
のステップ103では生成される64個の新たなVベク
タに備えて、1024個からなるVベクタ群中、古い6
4個がシフト処理され(ステップ102)、入力された
32の逆量子化サンプルデータから新たなVベクタが6
4個算出される(ステップ103)。次に1024個の
Vベクトル群から512個のUベクタ群が生成され(ス
テップ104)、Uベクタ群にウインドウ処理に用いら
れる係数である係数Diが乗じられて、ウインド処理さ
れてWベクタ群が生成される(ステップ105)。Wベ
クタ群は、所定方向に16個加算されて1サンプル分の
音声/オーディオデータ(32ワード)が伸張され(ス
テップ106)、これが36回繰り返して実行されて3
6グループからなる1フレームが伸張される。
【0004】また、特開平6−77839号公報等に
は、かかる演算やハードウェア規模を縮小するために、
逆量子化ステップを量子化情報が共通な12グループ単
位で演算を行い、1フレーム単位で一括して帯域合成処
理を行う方法が提案されている。
は、かかる演算やハードウェア規模を縮小するために、
逆量子化ステップを量子化情報が共通な12グループ単
位で演算を行い、1フレーム単位で一括して帯域合成処
理を行う方法が提案されている。
【0005】かかる圧縮伸長を、前記した勧告の規格通
りにハードウエアに適用した場合以下のような問題点が
生ずる。音声データPCMサンプルの合成に際して、V
ベクタ群、Uベクタ群、Wベクタ群を生成する必要があ
るため、処理手順が多く、使用するメモリも多くなる。
各演算過程に共通性がないので回路の共有ができず、各
演算に応じたハードウエアが必要となり、装置全体とし
てみればハードウエア規模が大きく、高価なものとなり
民製品への利用の障害となる。
りにハードウエアに適用した場合以下のような問題点が
生ずる。音声データPCMサンプルの合成に際して、V
ベクタ群、Uベクタ群、Wベクタ群を生成する必要があ
るため、処理手順が多く、使用するメモリも多くなる。
各演算過程に共通性がないので回路の共有ができず、各
演算に応じたハードウエアが必要となり、装置全体とし
てみればハードウエア規模が大きく、高価なものとなり
民製品への利用の障害となる。
【0006】また、特開平6−77839号公報では、
1フレーム単位で一括処理を行うことによってハードウ
ェアの縮小を図っているが、逆量子化データ、Vベクタ
として3264ワード分を必要とし、さらに1フレーム
ごとの処理のため処理遅延が大きいという欠点が存在す
る。
1フレーム単位で一括処理を行うことによってハードウ
ェアの縮小を図っているが、逆量子化データ、Vベクタ
として3264ワード分を必要とし、さらに1フレーム
ごとの処理のため処理遅延が大きいという欠点が存在す
る。
【0007】本発明は前記課題を解決するため、サブバ
ンド生成用のVベクタを算出する演算の冗長的な部分を
削除して保持に必要な領域を縮小し、かつ係数(Dベク
タ群)の変換を行って、各演算手順に共通性を持たせる
ことによって、ハードウェア規模の縮小を図ることを目
的とする。
ンド生成用のVベクタを算出する演算の冗長的な部分を
削除して保持に必要な領域を縮小し、かつ係数(Dベク
タ群)の変換を行って、各演算手順に共通性を持たせる
ことによって、ハードウェア規模の縮小を図ることを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、MPEG規格
を用いた圧縮音声信号の伸長装置であって、音声データ
PCMを算出する際に必要となる係数であるNベクタ及
びDベクタに符号変換を行ったMDベクタを予め格納し
たN/MDベクタ記憶手段、逆量子化データを加算もし
くは減算して修正逆量子化データを算出する加減算手
段、修正逆量子化データ及びNベクタを用いたサブバン
ド合成用のVベクタの算出と、MDベクタ及びVベクタ
を用いた音声データPCMの算出とを同一演算手法を用
いて時分割処理により行う演算手段、Vベクタを記憶す
るVベクタ記憶手段と、これら各手段を制御する制御手
段とからなることを特徴とする音声信号帯域合成複号化
装置である。
を用いた圧縮音声信号の伸長装置であって、音声データ
PCMを算出する際に必要となる係数であるNベクタ及
びDベクタに符号変換を行ったMDベクタを予め格納し
たN/MDベクタ記憶手段、逆量子化データを加算もし
くは減算して修正逆量子化データを算出する加減算手
段、修正逆量子化データ及びNベクタを用いたサブバン
ド合成用のVベクタの算出と、MDベクタ及びVベクタ
を用いた音声データPCMの算出とを同一演算手法を用
いて時分割処理により行う演算手段、Vベクタを記憶す
るVベクタ記憶手段と、これら各手段を制御する制御手
段とからなることを特徴とする音声信号帯域合成複号化
装置である。
【0009】
【作用】本装置では、逆量子化データを修正して用いる
と共に音声データPCMを算出する際に必要とされるD
ベクタを変換して用いることにより、サブバンド合成用
のVベクタの算出手法と音声データPCMの演算手法を
同一のものとし、両手段を共用する。
と共に音声データPCMを算出する際に必要とされるD
ベクタを変換して用いることにより、サブバンド合成用
のVベクタの算出手法と音声データPCMの演算手法を
同一のものとし、両手段を共用する。
【0010】即ち、Vベクタの算出は後述するNベクタ
の変換と逆量子化データSの修正を行うことにより次式
で求められる。
の変換と逆量子化データSの修正を行うことにより次式
で求められる。
【0011】
【数1】
【0012】一方、Dベクタを変換したMDベクタを用
いると、音声データPCM(Sj)の算出は次式により
求めることができる。
いると、音声データPCM(Sj)の算出は次式により
求めることができる。
【0013】
【数2】
【0014】両式は、乗算とシグマ加算とからなるもの
であるため、同じ演算手法(演算回路)を共用すること
ができる。
であるため、同じ演算手法(演算回路)を共用すること
ができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の帯域合成複合化装置について
詳述する。図1は本装置の基本的な装置構成を示すブロ
ック図である。同図に示す如く、本装置は、サブバンド
合成用のVベクタの算出手段と音声データPCMの演算
手段を共用する演算手段1を中心として、該演算手段に
データを入力する手段として、MN/MDベクタ記憶手
段2、演算手段から出力されるVベクタを格納するVベ
クタ記憶手段3、逆量子化サンプルデータを格納した逆
量子化サンプルデータメモリ4からの出力を加減算して
修正逆量子化サンプルデータを出力する加減算手段5を
有し、これら各手段のコントロールを行う制御手段6と
からなる。
詳述する。図1は本装置の基本的な装置構成を示すブロ
ック図である。同図に示す如く、本装置は、サブバンド
合成用のVベクタの算出手段と音声データPCMの演算
手段を共用する演算手段1を中心として、該演算手段に
データを入力する手段として、MN/MDベクタ記憶手
段2、演算手段から出力されるVベクタを格納するVベ
クタ記憶手段3、逆量子化サンプルデータを格納した逆
量子化サンプルデータメモリ4からの出力を加減算して
修正逆量子化サンプルデータを出力する加減算手段5を
有し、これら各手段のコントロールを行う制御手段6と
からなる。
【0016】以下、各手段について、順次詳述する。図
2は、逆量子化サンプルデータメモリ4の内部構成を示
すブロック図である。このブロックは逆量子化されたサ
ンプルデータを保持するブロックで、1グループ分(3
6グループで1フレームを構成)を保持する32ワード
のメモリ41(RAM)と、メモリのリード/ライトを
制御するコントローラー42が存在し、出力するデータ
のアドレスは制御手段により制御される。
2は、逆量子化サンプルデータメモリ4の内部構成を示
すブロック図である。このブロックは逆量子化されたサ
ンプルデータを保持するブロックで、1グループ分(3
6グループで1フレームを構成)を保持する32ワード
のメモリ41(RAM)と、メモリのリード/ライトを
制御するコントローラー42が存在し、出力するデータ
のアドレスは制御手段により制御される。
【0017】加減算手段5は、Vベクタを算出する前処
理として、逆量子化されたデータを加算/減算するもの
であり、図3は、同手段の内部構成を示すブロック図で
ある。逆量子化サンプルデータは、後述する式に基づい
て特定アドレスの逆量子化サンプルデータと加算又は減
算が施されるが、加減算手段には、1ワードづつ入力を
行うのが装置規模を縮小するためには好ましく、このた
め加算/減算器51の一方にはレジスタ52が設けら
れ、制御装置からの指示によって、連続して入力された
2つの逆量子化サンプルデータが加算/減算処理され
る。
理として、逆量子化されたデータを加算/減算するもの
であり、図3は、同手段の内部構成を示すブロック図で
ある。逆量子化サンプルデータは、後述する式に基づい
て特定アドレスの逆量子化サンプルデータと加算又は減
算が施されるが、加減算手段には、1ワードづつ入力を
行うのが装置規模を縮小するためには好ましく、このた
め加算/減算器51の一方にはレジスタ52が設けら
れ、制御装置からの指示によって、連続して入力された
2つの逆量子化サンプルデータが加算/減算処理され
る。
【0018】Vベクタ記憶手段3は、後述する演算装置
によって算出されたVベクタを保持するメモリ31で、
512ワードのメモリに、新規作成される32個のVベ
クタを含む512個のVベクタを保持する。Vベクタ記
憶手段の内部構成を図4に示す。同手段は、メモリを初
期設定(0番地から480番地までデータ値をゼロに設
定)するブロック32と、Vベクタのアドレス番地を書
き換える(シフティング)ブロック33、メモリのライ
ト/リード動作を制御するメモリコントロールブロック
34で構成されており、メモリに使用するアドレス値や
初期設定命令、シフティング命令は制御手段から制御さ
れる。
によって算出されたVベクタを保持するメモリ31で、
512ワードのメモリに、新規作成される32個のVベ
クタを含む512個のVベクタを保持する。Vベクタ記
憶手段の内部構成を図4に示す。同手段は、メモリを初
期設定(0番地から480番地までデータ値をゼロに設
定)するブロック32と、Vベクタのアドレス番地を書
き換える(シフティング)ブロック33、メモリのライ
ト/リード動作を制御するメモリコントロールブロック
34で構成されており、メモリに使用するアドレス値や
初期設定命令、シフティング命令は制御手段から制御さ
れる。
【0019】MN/MDベクタ記憶手段2は、乗算に使
用する係数であり勧告で定められたNベクタ及びDベク
タについて、これを変換したMNベクタ及びMDベクタ
を予め格納するもので、本実施例では、ROMを用いて
いる。MN/MDベクタ記憶手段の内部構成を図5に示
す。
用する係数であり勧告で定められたNベクタ及びDベク
タについて、これを変換したMNベクタ及びMDベクタ
を予め格納するもので、本実施例では、ROMを用いて
いる。MN/MDベクタ記憶手段の内部構成を図5に示
す。
【0020】MNベクタは後述するNベクタの冗長的な
係数部分を削除したものであり、MDベクタはDベクタ
に、後述する符号変換関数を用いて符号変換を行ったも
のであり、さらに、Vベクタと同様のアドレス関数を使
用することができるようにアドレスの番地の変換も施し
たものであり、該アドレスは制御装置により制御され
る。
係数部分を削除したものであり、MDベクタはDベクタ
に、後述する符号変換関数を用いて符号変換を行ったも
のであり、さらに、Vベクタと同様のアドレス関数を使
用することができるようにアドレスの番地の変換も施し
たものであり、該アドレスは制御装置により制御され
る。
【0021】制御手段6は、本装置の各種制御である初
期設定やシフティング、積和演算、メモリのアドレスや
動作制御等を統括する手段であり、その内部構成を図6
に示す。同図に示す如く、本実施例では、外部から帯域
合成スタート命令を受けて、マスタカウンタ61を稼働
させ、カウンター値をデコードして、逆量子化サンプル
データメモリ制御デコーダ62、加減算手段制御デコー
ダ63、Vベクタ記憶手段制御デコーダ64、N/MD
ベクタ記憶手段制御デコーダ65、演算手段制御デコー
ダ66の夫々を起動する信号を発生する。
期設定やシフティング、積和演算、メモリのアドレスや
動作制御等を統括する手段であり、その内部構成を図6
に示す。同図に示す如く、本実施例では、外部から帯域
合成スタート命令を受けて、マスタカウンタ61を稼働
させ、カウンター値をデコードして、逆量子化サンプル
データメモリ制御デコーダ62、加減算手段制御デコー
ダ63、Vベクタ記憶手段制御デコーダ64、N/MD
ベクタ記憶手段制御デコーダ65、演算手段制御デコー
ダ66の夫々を起動する信号を発生する。
【0022】各デコーダはまずVベクタ記憶手段デコー
ダを起動し、後述する図11ステップ201のシフティ
ング動作を行う。次に、逆量子化サンプルメモリ制御デ
コーダ62、加減算手段制御デコーダ63、Vベクタ記
憶手段デコーダ64、MN/MDベクタ65の記憶手段
デコーダ及び演算手段制御デコーダ66を起動し、図1
1ステップ202のVベクタ算出/記憶を行う。次にV
ベクタ記憶手段デコーダ64、MN/MDベクタの記憶
手段デコーダ65及び演算手段制御デコーダ66を起動
し、図11ステップ203の出力PCM信号を算出す
る。
ダを起動し、後述する図11ステップ201のシフティ
ング動作を行う。次に、逆量子化サンプルメモリ制御デ
コーダ62、加減算手段制御デコーダ63、Vベクタ記
憶手段デコーダ64、MN/MDベクタ65の記憶手段
デコーダ及び演算手段制御デコーダ66を起動し、図1
1ステップ202のVベクタ算出/記憶を行う。次にV
ベクタ記憶手段デコーダ64、MN/MDベクタの記憶
手段デコーダ65及び演算手段制御デコーダ66を起動
し、図11ステップ203の出力PCM信号を算出す
る。
【0023】演算手段1は、Vベクタの算出及びPCM
データの算出に使用する積和演算器であり、その内部構
成を図7に示す。本発明では、後述する係数等を採用す
ることにより2つの積和演算は同一の演算手法、演算量
となるため、演算手段では、時分割処理を行い同一回路
を用いて演算を行う。よって入力値を選択するセレクタ
12a,12bを設けて修正逆量子化サンプルデータと
MNベクタの組み合わせと、VベクタとMDベクタの組
み合わせを選択する。また、積和演算器11の制御やセ
レクトライン等は制御手段により制御されている。
データの算出に使用する積和演算器であり、その内部構
成を図7に示す。本発明では、後述する係数等を採用す
ることにより2つの積和演算は同一の演算手法、演算量
となるため、演算手段では、時分割処理を行い同一回路
を用いて演算を行う。よって入力値を選択するセレクタ
12a,12bを設けて修正逆量子化サンプルデータと
MNベクタの組み合わせと、VベクタとMDベクタの組
み合わせを選択する。また、積和演算器11の制御やセ
レクトライン等は制御手段により制御されている。
【0024】次に、本装置で用いる帯域合成のアルゴリ
ズムについて説明する。かかるアルゴリズムは、ISO
/IEC 11172の勧告に示されているMPEG方
式のオーディオレイヤー2の規格にしたがった帯域合成
の演算手法を基本として、次の4項目について改良を加
えることを特徴としている。以下、各改良項目について
詳述する。
ズムについて説明する。かかるアルゴリズムは、ISO
/IEC 11172の勧告に示されているMPEG方
式のオーディオレイヤー2の規格にしたがった帯域合成
の演算手法を基本として、次の4項目について改良を加
えることを特徴としている。以下、各改良項目について
詳述する。
【0025】(1)Vベクタの算出 図10の勧告に示される処理フローでは、まず前回まで
のVベクタ群のアドレス位置を変更する処理(shif
ting)が行われた後、新規のVベクタ(64個)が
算出される。勧告に示されるVベクタの算出は以下の式
の如くである。
のVベクタ群のアドレス位置を変更する処理(shif
ting)が行われた後、新規のVベクタ(64個)が
算出される。勧告に示されるVベクタの算出は以下の式
の如くである。
【0026】
【数3】
【0027】また、この式に用いられる係数N[i]
[k]は以下の式によって定義されている。
[k]は以下の式によって定義されている。
【0028】
【数4】
【0029】かかる式から分かるように新規のVベクタ
を算出するには、2048回(32×64)の乗算と1
984回(31×64)の和が必要となってくる。とこ
ろが、この係数N[i][k]を[i=行][k=列]
としたマトリクス形式で表現すると以下の様な性質があ
ることが解る。
を算出するには、2048回(32×64)の乗算と1
984回(31×64)の和が必要となってくる。とこ
ろが、この係数N[i][k]を[i=行][k=列]
としたマトリクス形式で表現すると以下の様な性質があ
ることが解る。
【0030】17行から32行までの係数は、0行から
15行までの係数と対象であり、逆符号の関係である。
49行から63行までの係数は、33行から47行まで
の係数と対象の関係でる。16行目の係数はは常に「零
(0)」であり、48行目の係数は「−1」である。1
6列から31列までの係数は、0列から15列までの係
数と奇数行が対象、偶数行が逆符号対象の関係である。
以上の性質を利用し、Vベクタの算出は図8に示すよう
に変形され、次式の様に変形される。
15行までの係数と対象であり、逆符号の関係である。
49行から63行までの係数は、33行から47行まで
の係数と対象の関係でる。16行目の係数はは常に「零
(0)」であり、48行目の係数は「−1」である。1
6列から31列までの係数は、0列から15列までの係
数と奇数行が対象、偶数行が逆符号対象の関係である。
以上の性質を利用し、Vベクタの算出は図8に示すよう
に変形され、次式の様に変形される。
【0031】
【数5】
【0032】結果、必要とする演算量は、496回(1
6×31)の乗算と480回(15×32)の和、及び
前処理としてそれぞれ16回の和・差、及び後処理とし
ての符号変換が16回となり、演算に必要なNベクタは
図8に示された32行×16列のマトリクスとなり、こ
れをMNベクタと定義する。
6×31)の乗算と480回(15×32)の和、及び
前処理としてそれぞれ16回の和・差、及び後処理とし
ての符号変換が16回となり、演算に必要なNベクタは
図8に示された32行×16列のマトリクスとなり、こ
れをMNベクタと定義する。
【0033】(2)Vベクタ群の履歴の保持 Vベクタは、勧告では新規に作成された64個のVベク
タと過去15回分のVベクタ(64×15=980)の
合わせて1024個のVベクタを保持する必要がある。
しかし、前述の如くVベクタは、符号だけが違い、絶対
値は同じであるデータが約半数を占めているため、新規
に作成されたVベクタを例に取ると、図8に示されるよ
うにデータ内容の重複あるいは符号が反転しているもの
が存在することが確認でき、保持すべきVベクタは64
個の内、半分の32個で良いことが解る。よって全体で
は保持すべきVベクタ群は1024個(64×16)の
内、512個(32×16)となり、シフトの回数も9
60回から480回となり、処理時間、保持領域メモリ
を半減せしめることが可能となる。前述の性質より、1
024個保持するVベクタ群をV1024、512個保
持するVベクタ群をV512とすると、2つのベクタ群
の関係は次の式の如くとなる。
タと過去15回分のVベクタ(64×15=980)の
合わせて1024個のVベクタを保持する必要がある。
しかし、前述の如くVベクタは、符号だけが違い、絶対
値は同じであるデータが約半数を占めているため、新規
に作成されたVベクタを例に取ると、図8に示されるよ
うにデータ内容の重複あるいは符号が反転しているもの
が存在することが確認でき、保持すべきVベクタは64
個の内、半分の32個で良いことが解る。よって全体で
は保持すべきVベクタ群は1024個(64×16)の
内、512個(32×16)となり、シフトの回数も9
60回から480回となり、処理時間、保持領域メモリ
を半減せしめることが可能となる。前述の性質より、1
024個保持するVベクタ群をV1024、512個保
持するVベクタ群をV512とすると、2つのベクタ群
の関係は次の式の如くとなる。
【0034】
【数6】
【0035】(3)中間ベクタ(Uベクタ・Wベクタ)
作成の削除 勧告によるフローでは、作成されたVベクタから中間的
なベクタ群(Uベクタ・Wベクタ)を抽出・算出して音
声データPCMを算出する。勧告による音声データPC
Mを算出する式を以下に示す。
作成の削除 勧告によるフローでは、作成されたVベクタから中間的
なベクタ群(Uベクタ・Wベクタ)を抽出・算出して音
声データPCMを算出する。勧告による音声データPC
Mを算出する式を以下に示す。
【0036】
【数7】
【0037】この式に対して、以下の式を用いて変形
し、それぞれのベクタのアドレスを示す関数(F1、F
2、F3)を定義する。
し、それぞれのベクタのアドレスを示す関数(F1、F
2、F3)を定義する。
【0038】
【数8】
【0039】この結果、前記式は以下の様に変換され
る。
る。
【0040】
【数9】
【0041】また、この変形過程を図9に示す。かかる
式に定義したアドレス関数を用いればV512ベクタ群
からU/Wベクタに相当するデータを読み出すことがで
きるので、U/Wといった中間ベクタ群を生成する手順
を省略できる。
式に定義したアドレス関数を用いればV512ベクタ群
からU/Wベクタに相当するデータを読み出すことがで
きるので、U/Wといった中間ベクタ群を生成する手順
を省略できる。
【0042】(4)Dベクタ郡の改良 前記式を用いて音声データPCMを算出する場合、V5
12ベクタから抽出したベクタに符号変換関数(F3関
数)を用いて符号変換を行った後、Dベクタと乗算す
る。符号変換関数およびDベクタは、V512ベクタと
同一アドレスで一対一に対応する性質を有するので、符
号変換関数とDベクタを乗算したものを保持するだけ
で、Vベクタの符号変換演算を削除できる。よって符号
変換関数とDベクタを乗算した結果を、新係数MDベク
タ(modified Dvector)と定義する
と、以下の式の様になり、Vベクタを算出したときと同
様の積和演算で済むこととなる。
12ベクタから抽出したベクタに符号変換関数(F3関
数)を用いて符号変換を行った後、Dベクタと乗算す
る。符号変換関数およびDベクタは、V512ベクタと
同一アドレスで一対一に対応する性質を有するので、符
号変換関数とDベクタを乗算したものを保持するだけ
で、Vベクタの符号変換演算を削除できる。よって符号
変換関数とDベクタを乗算した結果を、新係数MDベク
タ(modified Dvector)と定義する
と、以下の式の様になり、Vベクタを算出したときと同
様の積和演算で済むこととなる。
【0043】
【数10】
【0044】図11は、以上の改良を採り入れた本装置
で用いる帯域合成のアルゴリズムを示す処理フローチャ
ートである。先ず、逆量子化されたデータが1グループ
(32ワード)分入力される(ステップ201)。而し
て、以下のステップでは、前記(1)、(2)の項で説
明したデータの性質を用いて、特開平6−77839号
公報がフレーム単位で処理を行っていたのに対し、32
個のデータを単位として処理を行う。即ち、ステップ2
02では生成される32個の新たなVベクタに備えて、
512個からなるVベクタ群中、古い32個がシフト処
理され、入力された逆量子化サンプルデータから新たな
Vベクタが32個算出される(ステップ203)。従っ
て、新たに保持すべきVベクタは512個で良い。
で用いる帯域合成のアルゴリズムを示す処理フローチャ
ートである。先ず、逆量子化されたデータが1グループ
(32ワード)分入力される(ステップ201)。而し
て、以下のステップでは、前記(1)、(2)の項で説
明したデータの性質を用いて、特開平6−77839号
公報がフレーム単位で処理を行っていたのに対し、32
個のデータを単位として処理を行う。即ち、ステップ2
02では生成される32個の新たなVベクタに備えて、
512個からなるVベクタ群中、古い32個がシフト処
理され、入力された逆量子化サンプルデータから新たな
Vベクタが32個算出される(ステップ203)。従っ
て、新たに保持すべきVベクタは512個で良い。
【0045】次に前記(3)(4)の項で説明したアル
ゴリズムを用いて、Uベクタ群、Wベクタ群の生成を省
略して1グループ分の音声/オーディオデータ(32P
CMサンプルデータ)が伸張され(ステップ203)、
これが36回繰り返して実行されて1フレームが伸張さ
れる。
ゴリズムを用いて、Uベクタ群、Wベクタ群の生成を省
略して1グループ分の音声/オーディオデータ(32P
CMサンプルデータ)が伸張され(ステップ203)、
これが36回繰り返して実行されて1フレームが伸張さ
れる。
【0046】以上の如きアルゴリズムでは、MPEG方
式規格を準拠しつつ冗長的な演算を削除したため、ハー
ドウェア化した場合、以下のような特徴を有する。係数
Nの冗長性を利用した積和演算を行うために演算量が半
減し高速処理が可能となる。保持するデータ(Vベク
タ)の冗長的な部分を保持しておく必要がないため、保
持領域が半減し、メモリアクセス量を減少させることが
できる。音声データを生成する際に必要となる中間ベク
タ(U/Wベクタ)を生成する必要がないため処理フロ
ーを簡素化することできる。Vベクタの算出方式におけ
る冗長部分の削除およびDベクタを符号変換した新係数
の採用により、音声データを作成する演算がVベクタを
作成する過程と同様の積和演算(乗算とシグマ加算)と
なるため、演算器を共有することが可能になり、ハード
ウエアの構成を簡素化することができる。
式規格を準拠しつつ冗長的な演算を削除したため、ハー
ドウェア化した場合、以下のような特徴を有する。係数
Nの冗長性を利用した積和演算を行うために演算量が半
減し高速処理が可能となる。保持するデータ(Vベク
タ)の冗長的な部分を保持しておく必要がないため、保
持領域が半減し、メモリアクセス量を減少させることが
できる。音声データを生成する際に必要となる中間ベク
タ(U/Wベクタ)を生成する必要がないため処理フロ
ーを簡素化することできる。Vベクタの算出方式におけ
る冗長部分の削除およびDベクタを符号変換した新係数
の採用により、音声データを作成する演算がVベクタを
作成する過程と同様の積和演算(乗算とシグマ加算)と
なるため、演算器を共有することが可能になり、ハード
ウエアの構成を簡素化することができる。
【0047】
【発明の効果】本発明では、帯域合成復号化装置の冗長
的な演算処理を削除したアルゴリズムを採用することに
より、デコード期間の短縮/高速化と、ハードウエア規
模の縮小化が図れ、同等の機能を安価に製造することが
でき、本装置は、MPEG規格による圧縮音声の伸張を
民生用途に利用する際に頗る有用なものである。
的な演算処理を削除したアルゴリズムを採用することに
より、デコード期間の短縮/高速化と、ハードウエア規
模の縮小化が図れ、同等の機能を安価に製造することが
でき、本装置は、MPEG規格による圧縮音声の伸張を
民生用途に利用する際に頗る有用なものである。
【図1】本装置全体の基本的な構成を示すブロック図で
ある。
ある。
【図2】本装置の逆量子化サンプルデータメモリの内部
構成を示すブロック図である
構成を示すブロック図である
【図3】本装置の加減算手段の内部構成を示すブロック
図である。
図である。
【図4】本装置のVベクタ記憶手段の内部構成を示すブ
ロック図である。
ロック図である。
【図5】本装置のN/MDベクタ記憶手段の内部構成を
示すブロック図である。
示すブロック図である。
【図6】本装置の制御手段の内部構成を示すブロック図
である。
である。
【図7】本装置の演算手段の内部構成を示すブロック図
である。
である。
【図8】Vベクタの算出過程を示す説明図である。
【図9】Vベクタの算出過程を示す説明図である。
【図10】MPEG方式の勧告に示されている帯域合成
処理手順を示すフローチャートである。
処理手順を示すフローチャートである。
【図11】本装置で用いる帯域合成処理手順を示すフロ
ーチャートである。
ーチャートである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−96041(JP,A) 特開 昭63−285032(JP,A) 特開 平3−263925(JP,A) 特開 平6−77839(JP,A) 「MPEG/マルチメディア符号化の 国際標準」、安田浩編著、平成6年9 月、丸善株式会社発行、pp114−122 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 7/30
Claims (1)
- 【請求項1】 MPEG規格を用いた圧縮音声信号の伸
長装置であって、音声データPCMを算出する際に必要
となる係数であるNベクタ及びDベクタに符号変換を行
ったMDベクタを予め格納したN/MDベクタ記憶手
段、逆量子化データを加算もしくは減算して修正逆量子
化データを算出する加減算手段、修正逆量子化データ及
びNベクタを用いたサブバンド合成用のVベクタの算出
と、MDベクタ及びVベクタを用いた音声データPCM
の算出とを同一演算手法を用いて時分割処理により行う
演算手段、Vベクタを記憶するVベクタ記憶手段と、こ
れら各手段を制御する制御手段とからなることを特徴と
する音声信号帯域合成複号化装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10795795A JP3154293B2 (ja) | 1995-04-07 | 1995-04-07 | 音声信号帯域合成復号化装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10795795A JP3154293B2 (ja) | 1995-04-07 | 1995-04-07 | 音声信号帯域合成復号化装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08279758A JPH08279758A (ja) | 1996-10-22 |
JP3154293B2 true JP3154293B2 (ja) | 2001-04-09 |
Family
ID=14472356
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10795795A Expired - Fee Related JP3154293B2 (ja) | 1995-04-07 | 1995-04-07 | 音声信号帯域合成復号化装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3154293B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002245027A (ja) | 2001-02-15 | 2002-08-30 | Seiko Epson Corp | フィルタリング処理方法およびフィルタリング処理装置 |
-
1995
- 1995-04-07 JP JP10795795A patent/JP3154293B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
「MPEG/マルチメディア符号化の国際標準」、安田浩編著、平成6年9月、丸善株式会社発行、pp114−122 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08279758A (ja) | 1996-10-22 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |