JP3154266B2 - 光路スイッチ切替法及び装置 - Google Patents

光路スイッチ切替法及び装置

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JP3154266B2
JP3154266B2 JP5934994A JP5934994A JP3154266B2 JP 3154266 B2 JP3154266 B2 JP 3154266B2 JP 5934994 A JP5934994 A JP 5934994A JP 5934994 A JP5934994 A JP 5934994A JP 3154266 B2 JP3154266 B2 JP 3154266B2
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optical path
path switch
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switch switching
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悦 橋本
秀尚 田中
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    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/24Coupling light guides
    • G02B6/26Optical coupling means
    • G02B6/35Optical coupling means having switching means
    • G02B6/3564Mechanical details of the actuation mechanism associated with the moving element or mounting mechanism details
    • G02B6/3568Mechanical details of the actuation mechanism associated with the moving element or mounting mechanism details characterised by the actuating force
    • G02B6/3572Magnetic force

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバーの接続の
切替を行う光路スイッチ切替法及びその実施に直接使用
する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11は従来の光路スイッチ切替装置A
の構成例を説明したものである。この光路スイッチ切替
装置Aの可動部1は光ファイバαの一部に被せた磁性パ
イプ2と永久磁石3a,3bおよび電磁コイル4a,4
bとで構成され、磁性パイプ2に作用する2つの永久磁
石3a,3bからの磁力によって、光ファイバαはV溝
ガイド5aに固定される。
【0003】V溝ガイド5a,5bには別の光ファイバ
βa,βbが固定されており、光路は光ファイバαと光
ファイバβaとでつながっている可動部1を動作させる
には、電磁コイル4aに電流を流して磁性パイプ2に作
用する磁界を永久磁石3aからの磁界と逆方向につく
り、磁性パイプ2の磁化方向を反転させることでいまま
でとは逆向の磁力をはたらかせて動作させる。その結
果、光ファイバαは反対側のV溝ガイド5bに移り、光
路も光ファイバαと光ファイバβb間に切り替わる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような光路スイッ
チ切替装置Aの場合、電磁コイル4a,4bを必要とす
るので、構造が3次元的に複雑になり、小型化や半導体
の製作に見られるバッチプロセスによる一括製作が難し
く大量生産に適さないため、高価になる欠点がある。
【0005】ここにおいて従来の欠点に鑑み、本発明の
主要な技術的開発課題を次に列挙する。本発明の第1の
課題は、従来技術の問題点を解決する光路スイッチ切替
法及び装置を提供せんとするものである。
【0006】本発明の第2の課題は、切替え可動力の起
生には電磁コイルを使用しない光路スイッチ切替法及び
装置を提供せんとするものである。
【0007】本発明の第3の課題は、バッチプロセスに
よる製作にも対応できるような簡単な構造の光ファイバ
の切替えスイッチを実現できる光路スイッチ切替装置を
提供せんとするものである。
【0008】本発明の第4の課題は、光ファイバ切替え
装置に電磁コイルのない簡単な構造のアクチュエータを
備える光路スイッチ切替装置を提供せんとするものであ
る。
【0009】本発明の第5の課題は、アクチュエータの
一部の構成素材にキューリー温度の低い感熱磁性材を用
いる光路スイッチ切替装置を提供せんとするものであ
る。
【0010】本発明の第6の課題は、感熱磁性材の磁化
力を弱める加熱には電熱又は光熱を利用するヒータ又は
レーザによる光路スイッチ切替装置を提供せんとするも
のである。
【0011】本発明の第7の課題は、集積型、アレイ型
に複数搭載又は実装配列しても一括コントロール可能な
光路スイッチ切替装置を提供せんとするものである。
【0012】本発明のその他の課題は、明細書、図面、
特に特許請求の範囲の記載から自づと明らかとなろう。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題の解決は、本発
明の次に列挙する新規な特徴的構成手法及び手段を採用
することにより達成される。即ち、本発明法の第1の特
徴は、一本の光路端を可動して二本の光路端のいずれか
に切替接続するに当り、前記可動光路端寄りに一体固着
した可動磁性体を、相対峙して両側相互に引き合うそれ
ぞれの磁界内に設置した一対の固定磁性体の対向間かつ
片方に自己保持自在に吸着臨ませ、当該一対の固定磁性
体と前記可動磁性体のいずれか一方又は両方にキューリ
ー点の低い感温磁性を予め付与して置き、当該一対の固
定磁性体の一方又は当該可動磁性体の片側又は当該一対
の固定磁性体の一方及び当該可動磁性体の同側を加熱し
て磁化力を弱めることにより前記光路端の切替可動力を
起生してなる光路スイッチ切替法である。
【0014】本発明法の第2の特徴は、前記本発明法の
第1の特徴における磁界が、永久磁石により形成してな
る光路スイッチ切替法である。
【0015】本発明方法の第3の特徴は、前記本発明方
法の第1又は第2の特徴における相対峙する磁界が、相
互に等しい磁界の強さを有してなる光路スイッチ切替法
である。
【0016】本発明方法の第4の特徴は、前記本発明方
法の第1,第2又は第3の特徴における加熱が、電熱又
は光熱によってなる光路スイッチ切替法である。
【0017】本発明装置の第1の特徴は、相対向するV
溝ガイド内にそれぞれ設定した二本の光ファイバ固定接
続端に選択切替自在に一本の光ファイバ可動接続端を接
続するファイバ結合部と、永久磁石とこれにバックアッ
プされた磁性固定子とで形成した一対の固定部間に、適
宜支持手段先端により支持され前記光ファイバ可動接続
端寄りに一体取着した磁性可動子を一方の当該固定部に
自己保持自在に吸着臨ませて、適宜加熱手段により当該
磁性可動子を他方の前記固定部に切替吸着自在に設けた
アクチュエータ部とを備えてなる光路スイッチ切替装置
である。
【0018】本発明装置の第2の特徴は、前記本発明装
置の第1の特徴における磁性固定子と磁性可動子が、い
ずれか一方又は両方を感温磁性材で成形してなる光路ス
イッチ切替装置である。
【0019】本発明装置の第3の特徴は、前記本発明装
置の第2の特徴における感温磁性材が、ニッケル、Ni
の成分比が20〜50%のNiFe合金又はNiFeC
r合金である光路スイッチ切替装置である。
【0020】本発明装置の第4の特徴は、前記本発明装
置の第1,第2又は第3の特徴における固定部が、1個
の永久磁石と2個の磁性固定子で磁気回路の一部を組成
自在にコ字状に形成してなる光路スイッチ切替装置であ
る。
【0021】本発明装置の第5の特徴は、前記本発明装
置の第1,第2,第3又は第4の特徴における磁性可動
子が、各対向する2個の磁性固定子開放端に亙り閉鎖密
接自在に両側部を並行延設した平面横倒しH状に形成し
てなる光路スイッチ切替装置である。
【0022】本発明装置の第6の特徴は、前記本発明装
置の第1,第2,第3,第4又は第5の特徴における適
宜支持手段が、固定アンカーに基端を片持突設し、磁性
可動子中間部に自由端を結合する弾性片持梁である光路
スイッチ切替装置である。
【0023】本発明装置の第7の特徴は、前記本発明装
置の第1,第2,第3,第4,第5又は第6の特徴にお
ける適宜支持手段が、磁性可動子両側両端に自由端をそ
れぞれ結合しそれぞれの固定アンカーにそれぞれに基端
を片持突設する弾性並行片持梁である光路スイッチ切替
装置である。
【0024】本発明装置の第8の特徴は、前記本発明装
置の第1,第2,第3,第4,第5,第6又は第7の特
徴における磁性可動子が、中間部に光ファイバの可動接
続端寄りを挿通取着するリング状ファイバ留めを取付け
てなる光路スイッチ切替装置である。
【0025】本発明装置の第9の特徴は、前記本発明装
置の第1,第2,第3,第4,第5,第6,第7又は第
8の特徴における加熱手段が、磁性固定子に取付たヒー
タである光路スイッチ切替装置である。
【0026】本発明装置の第10の特徴は、前記本発明
装置の第7又は第8の特徴における加熱手段が、弾性並
行片持梁全長に亙り給電線を伝張又はメッキ形成し弾性
可動子の両側部に添着した薄膜ヒータである光路スイッ
チ切替装置である。
【0027】本発明装置の第11の特徴は、前記本発明
装置の第1,第2,第3,第4,第5,第7又は第8の
特徴における加熱手段が、永久磁石側基端同志を橋渡し
連結した二本の磁性固定子と磁性可動子のいずれか一方
又は両方を感温磁性材により磁化方向に幾重にも折重ね
延在して両端に電極を形成しヒータ兼用としてなる光ス
イッチ切替装置である。
【0028】本発明装置の第12の特徴は、前記本発明
装置の第1,第2,第3,第4,第5,第7又は第8の
特徴における加熱手段が、一方の磁性固定子又は磁性可
動子の片側又は一方の磁性固定子及び磁性可動子の同側
を照射加熱するレーザ光源で光スイッチ切替装置であ
る。
【0029】本発明装置の第13の特徴は、前記本発明
装置の第1,第2,第3,第4,第5,第6,第7,第
9,第10又は第11の特徴における加熱手段が、複数
集積配置されたファイバ結合部と対の各アクチュエータ
部の磁性固定子又は磁性可動子にそれぞれ取付けられ、
固定接続端を有する各二本の光ファイバにそれぞれセッ
トされた切替え感知器群と接続するコントロール部によ
って制御されるヒートドライバにそれぞれ接続してなる
光路スイッチ切替装置である。
【0030】本発明装置の第14の特徴は、前記本発明
装置の第1,第2,第3,第4,第5,第6,第7,第
8又は第12の特徴における加熱手段が、一対のファイ
バ結合部とアクチュエータ部を複数列設した光路アレー
スイッチ上方を架設ガイドロッドに沿って滑動位置決め
するリニアアクチュエータに取付けられ、下端の集光レ
ンズを通して前記各アクチュエータ部の一対の磁性固定
子の一方又は磁性可動子の片側又は当該一対の磁性固定
子の一方及び当該磁性可動子の同側を照射自在なレーザ
ダイオードである光路スイッチ切替装置である。
【0031】本発明装置の第15の特徴は、前記本発明
装置の第14の特徴におけるリニアアクチュエータとレ
ーザダイオードが、固定接続端を有する各二本の光ファ
イバにそれぞれセットされた切替え感知器と接続するコ
ントロール部によって制御されるリニアアクチュエータ
ドライバとレーザダイオードドライバにそれぞれ接続し
てなる光路スイッチ切替装置である。
【0032】
【作用】本発明は、前記のような新規な手法および手段
を講じたので、磁力の変化を従来のように電磁的な作用
で生じさせるのではなく、磁気回路中に配置した感温磁
性材を局所的に加熱することで、磁化を減少または喪失
させ、加熱部に作用する磁力を減少または喪失させるこ
とで、力の平衡状態を変化させて光路を切り替える。
【0033】即ち、起磁力源には永久磁石を用い、感温
磁性材から作られた一対の磁性固定子もしくは磁性可動
子を含む磁気回路でアクチュエータ部を構成し、この一
対の磁性固定子または磁性可動子を加熱して磁化を減少
または消失させることで、永久磁石によって磁性可動子
にはたらく磁力を減少させて力の平衡状態を変化させ
て、スイッチ動作を得るものである。
【0034】そのため電磁コイルを必要とせずに簡単な
構造の光スイッチが実現する。なお、感温磁性材とは、
実用的な加熱方法によって容易に磁化の変化が起こる磁
性材料を指す。代表的なものとしてキュリー温度の低い
磁性材料があげられ、ニッケル、Niの成分比が20〜
50%のNiFe合金系、NiFeCr合金系などの材
料がある。
【0035】
【実施例】
(装置例1)本発明の第1の装置例を図面につき説明す
る。図1は一本の光ファイバの可動接続端をヒータ加熱
による磁化変化で可動するアクチュエータ部で動かすこ
とで、並列にならぶ二本の光ファイバの固定接続端のど
ちらかと接続する本装置例の構成を説明する概念模式
図、図2はアクチュエータ部の概念模式図である。
【0036】図中、Bは本装置例の光路スイッチ切替装
置、α1は可動接続端、βa1,βb1は固定接続端、
6はアクチュエータ部、7はファイバ結合部、8は可動
部、9a,9bは固定部、10は可動磁性体たる平面横
倒しH状磁性可動子、10a,10bは並行に延在した
両側部、
【0037】11はリング状ファイバ留め、12はアン
カー、13は弾性片持梁、14a,14bは固定磁性体
たる磁性固定子、15a,15bは加熱手段である電熱
ヒータである。なお、図11に示す前記従来装置例Aと
同一部材は同一符号を付して説明の重複を避けた。
【0038】この光路スイッチ切り替え装置Bは、光フ
ァイバαの可動接続端α1を光ファイバβaの固定接続
部βa1または光ファイバβbの固定接続端βb1に接
続するように動かすアクチュエータ部6と、結合を良好
にするためのV溝ガイド5a,5bからなるファイバ結
合部7からなる。
【0039】アクチュエータ部6は磁性可動子10と先
端がつながる弾性片持梁13の基端と弾性片持梁13を
固定するアンカー12からなる可動部8、磁性固定子1
4a,14bと永久磁石3a,3bから磁気回路の一部
を構成するコ字状の固定部9a,9b、それに磁性固定
子14a,14bを加熱するためのヒータ15a,15
bから構成される。
【0040】光ファイバαの可動接続端α1寄りはアク
チュエータ部6の磁性可動子10の中間部10cにファ
イバ留め11若しくは接着などで固定される。このアク
チュエータ部6は磁化変化で磁性可動子10を光ファイ
バβaとファイバβbの固定接続端βa1,βb1が並
んだ面に水平に動作させて光ファイバαの可動接続端α
1の位置を変える。光ファイバαの可動接続端α1の位
置決めは、光ファイバβa,βbの固定接続端βa1,
βb1の端面部に設置したV溝ガイド5a,5bによっ
て行う。
【0041】より詳しくは、アクチュエータ部6は磁性
可動子10とそれを自由端で支える弾性片持梁13、そ
して弾性片持梁13の基端を固定するアンカー12で可
動部8を構成し、固定部9a,9bは永久磁石3a,3
bと感温磁性材からなる磁性固定子14a,14b,1
5a,15bによって開放端が相向い合う一対のコ字状
に形成される。
【0042】固定部9a,9bは磁性可動子10を中に
挟んで2つあり、磁性可動子10はこれら固定部9a,
9bとの相対的な位置関係から両側部10a,10bの
一方をどちらかの開放端に磁力で吸引されて閉鎖接触し
ている。磁性固定子14a,14bはヒータ15a,1
5bに密着しており、任意に加熱できるようになってい
る。
【0043】(方法例1)当該本装置例に適用する本発
明の第1の方法例の実行手順を図面ついて説明する。
図3(a)(b)(c)は、本方法例の各段階の説明図
である。
【0044】同図(a)で示すように、磁性可動子10
が接触している側のヒータ15aに電流iを流して磁性
固定子14aを加熱する。その結果、同図(b)で示す
ように磁性固定子14aの磁化は減少・消失し、加熱領
域に相当するギャップが磁性固定子14aと磁性可動子
10との間に等価的に生じる。
【0045】この等価ギャップG1が反対方向の磁性固
定子14bと磁性可動子10間の物理的ギャップG2よ
りも大きくなると、磁性可動子10は反対方向の磁性固
定子14bに引きつられて、同図(c)で示すようにス
イッチする。この状態で、今度はヒータ15b側に電気
を流して磁性固定子14bを加熱すれば、逆方向へのス
イッチも可能であることは明らかである。
【0046】(装置例2)本発明の第2の装置例を図面
について説明する。図4は、本装置例のアクチュエータ
部の構成模式図である。図中、9a′,9b′は固定
部、16はアクチュエータ部、17は可動部、18は横
倒しH状の感温磁性可動子、18a,18bは並行に延
在した両側部、18cは中間部である。
【0047】19a,19bはアンカー、20a,20
bは弾性並行片持梁、21a,21bは薄膜ヒータ、2
2a,22bは給電線、23a,23bは磁性固定子で
ある。なお、図2に示す前記第1装置例と同一部材は同
一符号を付し重複説明を避けた。
【0048】本装置例は、感温磁性可動子18を薄膜ヒ
ータ21a,21bで加熱することで動作するアクチュ
エータ部16を有する。アクチュエータ部16は感温磁
性可動子18と両側部18a,18bを自由端で両方か
ら支える弾性並行片持梁20a,20b、そして弾性並
行片持梁20a,20bの基端を固定するアンカー19
a,19bで可動部17を構成し、固定部9a′,9
b′は永久磁石3a,3bと磁性固定子23a,23b
がスパッタ形成される。薄膜ヒータ21a,21bの給
電は弾性並行片持梁20a,20b全長にメッキで形成
した給電線22a,22b、により行う。
【0049】(方法例2)当該本装置例に適用する本発
明の第2の方法例を説明する。磁性固定子23aと接続
している側の給電線22aに電流iを流し感温磁性可動
子18の半分を磁化消失させ、感温磁性可動子18と接
続側の磁性固定子23aの間の磁気吸引力を無くすこと
で、感温磁性可動子18は反対側の磁性固定子23bに
引きつけられてスイッチする。
【0050】図には示さないが、図2で示した加熱手段
のヒータ15a,15bをもつ感温磁性固定子14a,
14bと図4で示した加熱手段の薄膜ヒータ21a,2
1bをもつ感温磁性可動子18の組み合わせによるアク
チュエータ部によっても同様なスイッチ動作をするアク
チュエータ部が実現可能であることはいうまでもない。
【0051】(装置例3)本発明の第3の装置例を図面
について説明する。図5は、本装置例のレーザ光加熱に
よるアクチュエータ部の構成模式図である。図示してい
ないがファイバ結合部の構成は図1の前記第1装置例と
同一である。
【0052】図中、24は本装置例の光動作型アクチュ
エータ部、25は可動部、26は感温磁性可動子、26
a,26bは並行に延在する両側部、26cは中間部で
ある。なお、図2および図4にそれぞれ示す前記第1乃
至第2装置例と同一部材は同一符号を付し重複説明を避
けた。
【0053】アクチュエータ部24は、感温磁性材料か
らなる可動子26とそれを自由端で支える弾性片持梁1
3そして弾性片持梁13の基端を固定する固定アンカー
12で可動部25を構成し、固定部9a′,9b′は永
久磁石3a,3bと磁性固定子23a,23bによって
向い合せに対向する一対のコ字状に構成される。固定部
9a′,9b′は感温磁性可動子26を挟んで2つあ
り、感温磁性可動子25はこれら磁性固定部9a′,9
b′との相対的な位置関係からどちらに引きつけられ接
触している。
【0054】(方法例2)当該本装置例に適用した本発
明の第2の方法例の実行手順を図面につき説明する。図
6(a)(b)(c)は本方法例の各段階の説明図であ
る。同図(a)で示すように、磁性固定子28aの開放
端と接触している側の感温磁性可動子26の両側部26
aをレーザLによって光加熱する。
【0055】その結果、同図(b)で示すように磁性固
定子23aの開放端を閉鎖密接している側の可動子26
の両側部26aの磁化が減少・消失し、接触側で磁力が
作用する対象がなくなる。このため、感温磁性可動子2
6は反対方向の磁性固定子23bに引きつけられて、同
図(c)で示すようにスイッチする。この状態で、レー
ザLの照射位置を新たに接触した磁性固定子23b側の
可動子26の両側部26bに変えれば、逆方向へのスイ
ッチも可能であることは明かである。
【0056】(装置例4)本発明の第4の装置例を図面
について説明する。図7は、本装置例のアクチュエータ
部の構成模式図である。本装置例のアクチュエータ部
6′は、図2に示す前記第1装置例のアクチュエータ部
6においてヒータ15a,15bを取り払って図示しな
いレーザ光源を別位置に設ける以外前記第1装置例と全
く同一に構成され、同一部材は同一符号を付して重複説
明を避けた。
【0057】本装置例は、感温磁性固定子14a,14
bをレーザLで光加熱することで動作するアクチュエー
タ部6′を有する。アクチュエータ部6′は磁性可動子
10とそれを支える弾性片持梁13、そして弾性片持梁
13の基端を固定する固定アンカー12で可動部8を構
成し、固定部9a′,9b′は永久磁石3a,3bと感
温磁性可動材料からなる各1箇の方体形固定子14a,
14bによって構成される。
【0058】固定部9a′,9b′は磁性可動子10を
挟んで2つあり、磁性可動子10はこれら固定部9
a′,9b′との相対的な位置関係からどちらかに磁力
で吸引されている。感温磁性固定子14a,14bはレ
ーザLなどを照射する図示しない加熱光源により任意に
加熱されるようになっている。磁性可動子10が接続し
ている側の感温磁性固定子14aを光加熱すると、この
感温磁性固定子14aと磁性可動子10の間に働く磁気
吸引力が小さくなり、磁性可動子10は反対側の磁性固
定子14bへとスイッチする。
【0059】本発明の第5の装置例を図面について説明
する。図8は、本装置例のアクチュエータ部の要部構成
模式図である。図中、27は本装置例のアクチュエータ
部、28a,28bは感温磁性固定子、29a,29b
は固定部、30a,30bは電極である。
【0060】本装置例のアクチュエータ部27は、感温
磁性固定子28a,28bがヒータの役割も兼ねた構造
に形成され、アクチュエータ部27の構成は図2に示す
磁性固定子14a,14bとヒータ15a,15b以
外、同図の第1実施例と同じであり、同一部材には同一
符号を付し重複説明を避けた。固定部29a,29b
は、磁性可動部10を中に挟んで、永久磁石3a,3
b、ヒータ兼感温磁性固定子28a,28b、そして固
定子28a,28b閉鎖側両端からでる通電用電極30
a,30bからなる。
【0061】感温磁性材料は、例えばFeNi合金など
は電気抵抗率がニクロム線なみに大きい(体積抵抗率:
70μΩ・cm)ので、それ自体が発熱体に容易になる。
そこで、感温磁性固定子28a,28b体積が小さくな
らないように、又反磁界も考慮して磁化方向に長くなる
よう折重ねた構造にする。電極30a,30bから通電
すれば感温磁性固定子28a,28b自身が発熱し磁化
を失う。
【0062】このように感温磁性固定子28a,28b
にヒータの役割を持たせれば、ヒータとの熱結合の考慮
も不要になるし、別にヒータを作る必要がなくなり、作
製プロセスが容易になる。この図では、感温磁性固定子
28a,28bにヒータの役割を持たせたが、感温磁性
可動子、もしくは固定子・可動子両方に同様にヒータの
役割を持たせることが可能なのはいうまでもない。
【0063】(応用例1)本発明装置の第1の応用例を
図面について説明する。図9は、本応用例のレーザ等を
使った光加熱の制御システム構成図である。図中、31
は本応用例の制御システム、32は光路スイッチ群アレ
ー切替装置、33は集光レンズ、34はレーザダイオー
ドLD、35はリニアアクチュエータ、36はコントロ
ール部、37はリニアアクチュエータドライバ、38は
レーザダイオードドライバ、39は切替感知器,40は
基板である。
【0064】本応用例は、図5や図7で示した前記第3
乃至第4装置例のアクチュエータ部24、6′を使った
光路スイッチ群を、加熱箇所が直線的になる様に基板4
0上に並べて光路スイッチ群アレー切替装置32を構成
する。この加熱箇所に焦点が合うように集光レンズ33
を下端に取り付けたレーザダイオード34を、任意の加
熱箇所を照射できるように一対の支柱41間に水平延架
したガイドロッド42に沿って滑動自在なリニアアクチ
ュエータ35に取り付けてある。
【0065】切替えは、コントロール部36の指令で行
われ、コントロール部36はリニアアクチュエータドラ
イバ37に照射場所への移動命令と、レーザダイオード
ドライバ38に照射の開始命令を出す。また、切替えが
行われたかを各光路スイッチに対応して基板40上に実
装配列したフォトセンサ等からなる切替感知器39から
受け取り、レーザダイオードドライバ38に照射の終了
命令を出す。
【0066】このような構成では、切り替える光路スイ
ッチが大規模になるにつれて、共通の加熱光源を用いる
のでコストの低減につながる。また、2台のリニアアク
チュエータ35をX−Y軸を構成するように繋げば、平
面的に広がる光路スイッチ群アレー切替装置の加熱にも
応用できることはいうまでもない。
【0067】(応用例2)本発明の第2の応用例を図面
について説明する。図10は、本応用例のヒータを使っ
た加熱制御システム構成図である。図中、43は本応用
例の制御システム、44は光路スイッチ群集積型切替装
置、45はコントロール部、46はヒータドライバ、4
7は切替感知器である。
【0068】本応用例は、図1の前記第1装置例で示し
たような光路スイッチ群を並べて光路スイッチ群集積型
切替装置44を構成する。図示しないが、図4で示す前
記第2装置例のアクチュエータ群16を使った光路スイ
ッチ切替装置にもこのシステムが適用できる。
【0069】切り替えは、コントロール部45の指令で
行われ、コントロール部45はヒータドライバ46に通
電命令を出す。また、切り替えが行われたかを各二本の
光ファイバβa,βbにそれぞれセットされた切替感知
器47から受け取り、ヒータドライバ46に通電終了命
令を出す。このような構成では、光路スイッチが比較的
小規模の場合や、頻繁かつ同時に切り替わる場合の多い
集積型の光路スイッチに有効である。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は熱による
磁化変化により磁力を変化させるアクチュエータ部を駆
動源にした光路スイッチ切替装置及び方法であるため、
電磁コイルが不要で、プロセス作製が容易である。ま
た、材料もプロセス作製の可能なNiやFeNi合金な
どを使えるので、メッキ等を用いたマイクロマシーニン
グによって作製することや、感温磁性薄板材から直接ウ
ェットエッチングにより製作することもできる。
【0071】そのために一度に大量に生産することが可
能で、低コストの光路スイッチ切替装置を実現する。ま
た、集積化も容易であり、アレー状に配列した光路スイ
ッチ群切替装置が実現できる。さらに、自己保持機能を
有しているので、供給エネルギーが必要なのは光路スイ
ッチを切り替えるときのみであり、省エネルギー化にも
つながる。また、プロセス作製において光路スイッチの
パターン等を容易に実現できることは明らかである等優
れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1装置例の構成を示す概念模式図で
ある。
【図2】同上、アクチュエータ部の構成を示す概念模式
図である。
【図3】本発明の第1方法例の各段階の説明図で、
(a)は加熱開始直後の状況、(b)は加熱によって磁
化が消失した状態で動作する直前の状況、(c)は切替
え動作直後の状況を示す。
【図4】本発明の第2装置例におけるアクチュエータ部
の構成を示す概念模式図である。
【図5】同上、第3装置例におけるアクチュエータ部の
構成を示す概念模式図である。
【図6】同上、第3方法例の各段階を説明する図で、
(a)は光加熱開始直後の状況、(b)は光加熱によっ
て磁化が消失した状態で動作する直前の状況、(c)は
切替動作直後の状況を示す。
【図7】同上、第4装置例におけるアクチュエータ部の
構成を示す概念模式図である。
【図8】同上、第5装置例におけるアクチュエータ部の
要部構成を示す概念模式図である。
【図9】同上、第1応用例であって、レーザ光加熱源と
それを動作させるための制御システム構成図である。
【図10】同上、第2応用例であって、ヒータによる加
熱制御システム構成図である。
【図11】従来例の光路スイッチ切替装置の構成を示す
概念模式図である。
【符号の説明】
A,B…光路スイッチ切替装置 α,βa,βb…光ファイバ α1…可動接続端 βa1,βb1…固定接続端 L…レーザ 1,8,17,25…可動部 2…磁性パイプ 3a,3b…永久磁石 4a,4b…磁性コイル 5a,5b…V溝ガイド 6、6′、16、24,27…アクチュエータ部 7…ファイバ結合部 9a,9b,9a′,9b′29a,29b…固定部 10,18,26…磁性可動子 10a,10b,18a,18b,26a,26b…両
側部 10c,18c,26c…中間部 11…ファイバ留め 12,19a,19b…固定アンカー 13…弾性片持梁 14a,14b,23a,23b,28a,28b…磁
性固定子 15a,15b…ヒータ 20a,20b…弾性並行片持梁 21a,21b…薄膜ヒータ 22a,22b…給電線 30a,30b…通電用電極 31,43…制御システム 32…光路スイッチ群アレー切替装置 33…集光レンズ 34…レーザダイオード 35…リニアアクチュエータ 36,45…コントロール部 37…リニアアクチュエータドライバ 38…レーザダイオードドライバ 39,47…切替感知器 41…支柱 42…ガイドロッド 44…光路スイッチ群集積型切替装置 46…ヒータドライバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡部 昭憲 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−154406(JP,A) 特開 昭60−49518(JP,A) 特開 平5−302859(JP,A) 特開 平5−142064(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 26/00 - 26/08

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一本の光路端を可動して二本の光路端のい
    ずれかに切替接続するに当り、 前記可動光路端寄りに一体固着した可動磁性体を、相対
    峙して両側相互に引き合うそれぞれの磁界内に設置した
    一対の固定磁性体の対向間かつ片方に自己保持自在に吸
    着臨ませ、 当該一対の固定磁性体と前記可動磁性体のいずれか一方
    又は両方にキューリー点の低い感温磁性を予め付与して
    置き、 当該一対の固定磁性体の一方又は当該可動磁性体の片側
    又は当該一対の固定磁性体の一方及び当該可動磁性体の
    同側を加熱して磁化力を弱めることにより前記光路端の
    切替可動力を起生することを特徴とする光路スイッチ切
    替法。
  2. 【請求項2】磁界は、永久磁石により形成することを特
    徴とする請求項1記載の光路スイッチ切替法。
  3. 【請求項3】相対峙する磁界は、相互に等しい磁界の強
    さを有することを特徴とする請求項1又は2記載の光路
    スイッチ切替法。
  4. 【請求項4】加熱は、電熱又は光熱によることを特徴と
    する請求項1,2又は3記載の光路スイッチ切替法。
  5. 【請求項5】相対向するV溝ガイド内にそれぞれ設定し
    た二本の光ファイバ固定接続端に選択切替自在に一本の
    光ファイバ可動接続端を接続するファイバ結合部と、 永久磁石とこれにバックアップされた磁性固定子とで形
    成した一対の固定部間に、適宜支持手段先端により支持
    され前記光ファイバ可動接続端寄りに一体取着した磁性
    可動子を一方の当該固定部に自己保持自在に吸着臨ませ
    て、適宜加熱手段により当該磁性可動子を他方の前記固
    定部に切替吸着自在に設けたアクチュエータ部と、 を備えることを特徴とする光路スイッチ切替装置。
  6. 【請求項6】磁性固定子と磁性可動子は、いずれか一方
    又は両方を感温磁性材で成形することを特徴とする請求
    項5記載の光路スイッチ切替装置。
  7. 【請求項7】感温磁性材は、ニッケル、Niの成分比が
    20〜50%のNiFe合金又はNiFeCr合金であ
    ることを特徴とする請求項6記載の光路スイッチ切替装
    置。
  8. 【請求項8】固定部は、1個の永久磁石と2個の磁性固
    定子で磁気回路の一部を組成自在にコ字状に形成するこ
    とを特徴とする請求項5,6又は7記載の光路スイッチ
    切替装置。
  9. 【請求項9】磁性可動子は、各対向する2個の磁性固定
    子開放端に亙り閉鎖密接自在に両側部を並行延設した平
    面横倒しH状に形成することを特徴とする請求項5,6
    又は7記載の光路スイッチ切替装置。
  10. 【請求項10】適宜支持手段は、固定アンカーに基端を
    片持突設し、磁性可動子中間部に自由端を結合する弾性
    片持梁であることを特徴とする請求項5,6,7,8又
    は9記載の光路スイッチ切替装置。
  11. 【請求項11】適宜支持手段は、磁性可動子両側両端に
    自由端をそれぞれ結合しそれぞれの固定アンカーにそれ
    ぞれの基端を片持突設する弾性並行片持梁であることを
    特徴とする請求項5,6,7,8又は9記載の光路スイ
    ッチ切替装置。
  12. 【請求項12】磁性可動子は、中間部に光ファイバの可
    動接続端寄りを挿通取着するリング状ファイバ留めを取
    付けることを特徴とする請求項5,6,7,8,9,1
    0又は11記載の光路スイッチ切替装置。
  13. 【請求項13】加熱手段は、磁性固定子に取付けたヒー
    タであることを特徴とする請求項5,6,7,8,9,
    10,11又は12記載の光路スイッチ切替装置。
  14. 【請求項14】加熱手段は、弾性並行片持梁全長に亙り
    給電線を伝張又はメッキ形成し弾性可動子の両側部に添
    着した薄膜ヒータであることを特徴とする請求項11又
    は12記載の光路スイッチ切替装置。
  15. 【請求項15】加熱手段は、永久磁石側基端同志を橋渡
    し連結した二本の磁性固定子と磁性可動子のいずれか一
    方又は両方を感温磁性材により磁化方向に幾重にも折重
    ね延在して両端に電極を形成しヒータ兼用としたことを
    特徴とする請求項5,6,7,8,9,11、又は12
    記載の光スイッチ切替装置。
  16. 【請求項16】加熱手段は、一方の磁性固定子又は磁性
    可動子の片側又は一方の磁性固定子及び磁性可動子の同
    側を照射加熱するレーザ光源である請求項5,6,7,
    8,9,10,11又は12記載の光スイッチ切替装
    置。
  17. 【請求項17】加熱手段は、複数集積配置されたファイ
    バ結合部と対の各アクチュエータ部の磁性固定子又は磁
    性可動子にそれぞれ取付けられ、固定接続端を有する各
    二本の光ファイバにそれぞれセットされた切替え感知器
    群と接続するコントロール部によって制御されるヒート
    ドライバにそれぞれ接続することを特徴とする請求項
    5,6,7,8,9,10,11,13,14又は15
    記載の光路スイッチ切替装置。
  18. 【請求項18】加熱手段は、一対のファイバ結合部とア
    クチュエータ部を複数列設した光路アレースイッチ上方
    を架設ガイドロッドに沿って滑動位置決めするリニアア
    クチュエータに取付けられ、下端の集光レンズを通して
    前記各アクチュエータ部の一対の磁性固定子の一方又は
    磁性可動子の片側又は当該一対の磁性固定子の一方及び
    当該磁性可動子の同側を照射自在なレーザダイオードで
    あることを特徴とする請求項5,6,7,8,9,1
    0,11,12又は16記載の光路スイッチ切替装置。
  19. 【請求項19】リニアアクチュエータとレーザダイオー
    ドは、固定接続端を有する各二本の光ファイバにそれぞ
    れセットされた切替え感知器と接続するコントロール部
    によって制御されるリニアアクチュエータドライバとレ
    ーザダイオードドライバにそれぞれ接続することを特徴
    とする請求項18記載の光路スイッチ切替装置。
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