JP3154111B2 - 吸気マニホルドの製造方法 - Google Patents
吸気マニホルドの製造方法Info
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- JP3154111B2 JP3154111B2 JP29427992A JP29427992A JP3154111B2 JP 3154111 B2 JP3154111 B2 JP 3154111B2 JP 29427992 A JP29427992 A JP 29427992A JP 29427992 A JP29427992 A JP 29427992A JP 3154111 B2 JP3154111 B2 JP 3154111B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、たとえば自動車用ガ
ソリンエンジンやディーゼルエンジンに用いられる吸気
マニホルドの製造方法に関し、さらに詳しくは、所定長
さの略筒状部分を有するアルミニウム展伸材製部品と、
アルミニウム展伸材製部品の略筒状部分を差込む孔を有
するアルミニウム鋳物製部品とを備えている吸気マニホ
ルドを、アルミニウム展伸材製部品の筒状部分を略水平
としてアルミニウム鋳物製部品の孔に差込んだ状態で両
部品をろう付することにより製造する方法に関する。
ソリンエンジンやディーゼルエンジンに用いられる吸気
マニホルドの製造方法に関し、さらに詳しくは、所定長
さの略筒状部分を有するアルミニウム展伸材製部品と、
アルミニウム展伸材製部品の略筒状部分を差込む孔を有
するアルミニウム鋳物製部品とを備えている吸気マニホ
ルドを、アルミニウム展伸材製部品の筒状部分を略水平
としてアルミニウム鋳物製部品の孔に差込んだ状態で両
部品をろう付することにより製造する方法に関する。
【0002】この明細書において、「アルミニウム」と
いう語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を
含むものとする。また、この明細書において、「略水
平」という語には、完全な水平状態はもちろんのこと、
水平から45度未満傾斜した状態も含むものとする。ま
た、「略垂直」という語には、完全な垂直状態はもちろ
んのこと、垂直から45度未満傾斜した状態も含むもの
とする。さらに、この明細書において、「孔」という語
には、貫通孔および有底孔の両者を含むものとする。
いう語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を
含むものとする。また、この明細書において、「略水
平」という語には、完全な水平状態はもちろんのこと、
水平から45度未満傾斜した状態も含むものとする。ま
た、「略垂直」という語には、完全な垂直状態はもちろ
んのこと、垂直から45度未満傾斜した状態も含むもの
とする。さらに、この明細書において、「孔」という語
には、貫通孔および有底孔の両者を含むものとする。
【0003】
【従来の技術】上述した吸気マニホルドを製造する方法
として、従来、アルミニウム鋳物製部品のアルミニウム
展伸材製部品差込み側端面の全体の表面皮膜、および孔
内周面のろう付部分の表面皮膜を除去して清浄面として
おき、アルミニウム展伸材製部品の筒状部分の端部を、
アルミニウム鋳物製部品の孔内に差込み、置きろう方式
により両部品を相互にろう付することを含む方法が考え
られている。
として、従来、アルミニウム鋳物製部品のアルミニウム
展伸材製部品差込み側端面の全体の表面皮膜、および孔
内周面のろう付部分の表面皮膜を除去して清浄面として
おき、アルミニウム展伸材製部品の筒状部分の端部を、
アルミニウム鋳物製部品の孔内に差込み、置きろう方式
により両部品を相互にろう付することを含む方法が考え
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では、アルミニウム鋳物製部品のアルミニウム展伸
材製部品差込み側端面の全体の表面皮膜が除去されて清
浄面となっているので、この面の濡れ性が良く、ろう材
が溶融したさいに、アルミニウム展伸材製部品の筒状部
分を略水平としてアルミニウム鋳物製部品の孔に差込ん
ださいに接合予定部位の下部にあるろう材が下方に流
れ、これにより接合予定部位の上部のろう材も下方に流
れて接合予定部位の上部に形成されるフィレットが小さ
くなる。したがって、十分なろう付強度が得られず、し
かもこの部分から洩れが発生するおそれがあるという問
題がある。
方法では、アルミニウム鋳物製部品のアルミニウム展伸
材製部品差込み側端面の全体の表面皮膜が除去されて清
浄面となっているので、この面の濡れ性が良く、ろう材
が溶融したさいに、アルミニウム展伸材製部品の筒状部
分を略水平としてアルミニウム鋳物製部品の孔に差込ん
ださいに接合予定部位の下部にあるろう材が下方に流
れ、これにより接合予定部位の上部のろう材も下方に流
れて接合予定部位の上部に形成されるフィレットが小さ
くなる。したがって、十分なろう付強度が得られず、し
かもこの部分から洩れが発生するおそれがあるという問
題がある。
【0005】この発明の目的は、上記問題を解決した吸
気マニホルドの製造方法を提供することにある。
気マニホルドの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明による吸気マニ
ホルドの製造方法は、所定長さの筒状部分を有するアル
ミニウム展伸材製部品と、アルミニウム展伸材製部品の
筒状部分を差込む孔を有するアルミニウム鋳物製部品と
を備えた吸気マニホルドを、アルミニウム展伸材製部品
の筒状部分を略水平としてアルミニウム鋳物製部品の孔
に差込んだ状態で両部品をろう付することにより製造す
る方法であって、アルミニウム鋳物製部品のアルミニウ
ム展伸材製部品差込み側端面における孔の周縁からの所
定幅部分の表面皮膜を除去して清浄面を形成するととも
にこの清浄面の周囲に表面皮膜を残存させておき、さら
にアルミニウム鋳物製部品の孔内周面のろう付部分の表
面皮膜を除去して清浄面としておき、アルミニウム展伸
材製部品の筒状部分の端部を、アルミニウム鋳物製部品
の孔内に差込み、両部品の接合予定部位の全周にわたっ
てろう材を配置する置きろう方式により両部品を相互に
ろう付することを特徴とするものである。
ホルドの製造方法は、所定長さの筒状部分を有するアル
ミニウム展伸材製部品と、アルミニウム展伸材製部品の
筒状部分を差込む孔を有するアルミニウム鋳物製部品と
を備えた吸気マニホルドを、アルミニウム展伸材製部品
の筒状部分を略水平としてアルミニウム鋳物製部品の孔
に差込んだ状態で両部品をろう付することにより製造す
る方法であって、アルミニウム鋳物製部品のアルミニウ
ム展伸材製部品差込み側端面における孔の周縁からの所
定幅部分の表面皮膜を除去して清浄面を形成するととも
にこの清浄面の周囲に表面皮膜を残存させておき、さら
にアルミニウム鋳物製部品の孔内周面のろう付部分の表
面皮膜を除去して清浄面としておき、アルミニウム展伸
材製部品の筒状部分の端部を、アルミニウム鋳物製部品
の孔内に差込み、両部品の接合予定部位の全周にわたっ
てろう材を配置する置きろう方式により両部品を相互に
ろう付することを特徴とするものである。
【0007】上記において、アルミニウム展伸材製部品
の筒状部分を略水平としてアルミニウム鋳物製部品の孔
に差込んださいに接合予定部位全体の上側にくる部分に
おける垂直上方を中心とした90〜180度の範囲の部
分のろう材の量を他の部分よりも多くしておくことがよ
い。
の筒状部分を略水平としてアルミニウム鋳物製部品の孔
に差込んださいに接合予定部位全体の上側にくる部分に
おける垂直上方を中心とした90〜180度の範囲の部
分のろう材の量を他の部分よりも多くしておくことがよ
い。
【0008】
【作用】アルミニウム鋳物製部品のアルミニウム展伸材
製部品差込み側端面における孔の周縁からの所定幅部分
の表面皮膜を除去して清浄面を形成するとともにこの清
浄面の周囲に表面皮膜を残存させておき、さらにアルミ
ニウム鋳物製部品の孔内周面のろう付部分の表面皮膜を
除去して清浄面としておき、アルミニウム展伸材製部品
の略筒状部分の端部を、アルミニウム鋳物製部品の孔内
に差込み、両部品の接合予定部位の全周にわたってろう
材を配置する置きろう方式により両部品を相互にろう付
するので、ろう材が溶融したさいに、接合予定部位の下
部のろう材が下方に流れるのを防止することができる。
すなわち、アルミニウム鋳物製部品のアルミニウム展伸
材製部品差込み側端面における孔の周りの孔近傍部分以
外の部分には、鋳肌である表面皮膜が残存しており、こ
の表面皮膜には、ガス孔、酸化物、不純物等が存在して
いるので、溶融したろう材との濡れ性が悪く、溶融した
ろう材がその表面に沿って流れにくくなる。したがっ
て、接合予定部位の下部のろう材が下方に流れるのを防
止することができ、その結果接合予定部位の上部のろう
材が下方に流れるのを防止できる。
製部品差込み側端面における孔の周縁からの所定幅部分
の表面皮膜を除去して清浄面を形成するとともにこの清
浄面の周囲に表面皮膜を残存させておき、さらにアルミ
ニウム鋳物製部品の孔内周面のろう付部分の表面皮膜を
除去して清浄面としておき、アルミニウム展伸材製部品
の略筒状部分の端部を、アルミニウム鋳物製部品の孔内
に差込み、両部品の接合予定部位の全周にわたってろう
材を配置する置きろう方式により両部品を相互にろう付
するので、ろう材が溶融したさいに、接合予定部位の下
部のろう材が下方に流れるのを防止することができる。
すなわち、アルミニウム鋳物製部品のアルミニウム展伸
材製部品差込み側端面における孔の周りの孔近傍部分以
外の部分には、鋳肌である表面皮膜が残存しており、こ
の表面皮膜には、ガス孔、酸化物、不純物等が存在して
いるので、溶融したろう材との濡れ性が悪く、溶融した
ろう材がその表面に沿って流れにくくなる。したがっ
て、接合予定部位の下部のろう材が下方に流れるのを防
止することができ、その結果接合予定部位の上部のろう
材が下方に流れるのを防止できる。
【0009】2つの部品の接合予定部位全体の上側にく
る部分における垂直上方を中心とした90〜180度の
範囲の部分のろう材の量を他の部分よりも多くしておく
と、接合予定部位の上側のろう材が若干下方に流れたと
しても、この部分にろう材が不足するのを防止できる。
る部分における垂直上方を中心とした90〜180度の
範囲の部分のろう材の量を他の部分よりも多くしておく
と、接合予定部位の上側のろう材が若干下方に流れたと
しても、この部分にろう材が不足するのを防止できる。
【0010】
【実施例】以下、この発明の実施例を、図面を参照して
説明する。
説明する。
【0011】図4はこの発明により製造された自動車用
吸気マニホルドを示す。
吸気マニホルドを示す。
【0012】図4において、自動車用吸気マニホルド
(1) は、1つの吸気入口(3) および複数の吸気出口(4)
を有するアルミニウム鋳物製プレナムチャンバ(2) と、
プレナムチャンバ(2) の各吸気出口(4) に接続された複
数のアルミニウム展伸材製分岐管(5) とを備えている。
(1) は、1つの吸気入口(3) および複数の吸気出口(4)
を有するアルミニウム鋳物製プレナムチャンバ(2) と、
プレナムチャンバ(2) の各吸気出口(4) に接続された複
数のアルミニウム展伸材製分岐管(5) とを備えている。
【0013】プレナムチャンバ(2) の吸気入口(3) の周
囲には外向きフランジ(6) が形成されており、このフラ
ンジ(6) にスロットルバルブを内蔵したスロットルボデ
ィ(図示略)が取付けられ、これにエアクリーナからの
送気管が接続されるようになっている。
囲には外向きフランジ(6) が形成されており、このフラ
ンジ(6) にスロットルバルブを内蔵したスロットルボデ
ィ(図示略)が取付けられ、これにエアクリーナからの
送気管が接続されるようになっている。
【0014】各分岐管(5) の他端は、1つのアルミニウ
ム鋳物製のシリンダヘッドへの取付用フランジ(7) にま
とめてろう付されている。そして、取付用フランジ(7)
を介して各分岐管(5) が図示しないエンジンのシリンダ
ヘッドに接続されるようになっている。取付用フランジ
(7) は、分岐管(5) と同数の孔(図示略)と、孔の周囲
に一体的に設けられた複数の分岐管接続用筒状突出部
(8) とを備えており、各分岐管(5) の他端が筒状突出部
(8) 内に挿入された状態でろう付されている。取付用フ
ランジ(7) における各突出部(8) に隣接する部分には燃
料噴射装置の差込み部(9) が形成されている。
ム鋳物製のシリンダヘッドへの取付用フランジ(7) にま
とめてろう付されている。そして、取付用フランジ(7)
を介して各分岐管(5) が図示しないエンジンのシリンダ
ヘッドに接続されるようになっている。取付用フランジ
(7) は、分岐管(5) と同数の孔(図示略)と、孔の周囲
に一体的に設けられた複数の分岐管接続用筒状突出部
(8) とを備えており、各分岐管(5) の他端が筒状突出部
(8) 内に挿入された状態でろう付されている。取付用フ
ランジ(7) における各突出部(8) に隣接する部分には燃
料噴射装置の差込み部(9) が形成されている。
【0015】各分岐管(5) のプレナムチャンバ(2) 側の
端部に水平な筒状部分(5a)が設けられている。また、各
分岐管(5) の取付用フランジ(7) 側の端部に垂直な筒状
部分(5b)が設けられている。
端部に水平な筒状部分(5a)が設けられている。また、各
分岐管(5) の取付用フランジ(7) 側の端部に垂直な筒状
部分(5b)が設けられている。
【0016】上記吸気マニホルド(1) は、各分岐管(5)
のプレナムチャンバ(2) 側の端部の筒状部分(5a)が垂直
となり、取付用フランジ(7) 側の端部の筒状部分(5b)が
水平状となる姿勢で、プレナムチャンバ(2) と分岐管
(5) 、および取付用フランジ(7) と分岐管(5) とが同時
にろう付されることによって製造される。
のプレナムチャンバ(2) 側の端部の筒状部分(5a)が垂直
となり、取付用フランジ(7) 側の端部の筒状部分(5b)が
水平状となる姿勢で、プレナムチャンバ(2) と分岐管
(5) 、および取付用フランジ(7) と分岐管(5) とが同時
にろう付されることによって製造される。
【0017】以下、図1〜図3を参照して、吸気マニホ
ルド(1) の製造方法について説明する。
ルド(1) の製造方法について説明する。
【0018】まず、取付用フランジ(7) の筒状突出部
(8) の孔(10)の内周面における開口側の端部に、この孔
(10)の内径よりも大きくかつ分岐管(5) の筒状部分(5b)
の外径とほぼ等しい内径を有する分岐管差込み孔(11)を
切削により形成しておく。また、分岐管差込み孔(11)の
内周面における開口側の端部に、この孔(11)の内径より
も若干、たとえば2.0mm程度大径の大径部(11a) を
切削により形成しておく。分岐管差込み孔(11)および大
径部(11a)を切削により形成することによって、フラン
ジ(7)全体の鋳肌である表面皮膜(12)全体のうち、分岐
管差込み孔(11)および大径部(11a)の内周面の表面皮
膜、ならびに分岐管差込み孔(11)の最も奥の段部および
大径部(11a)の最も奥の段部の表面皮膜が除去されて清
浄面(13)となる。また、突出部(8)の分岐管(5)差込み側
の端面における分岐管差込み孔(11)の周縁からの所定幅
の環状部分の鋳肌である表面皮膜(12)を除去して清浄面
(14)としておく。分岐管差込み孔(11)の周囲の部分の表
面皮膜(12)を除去する幅Wは1.0〜2.0mmの範囲
内であることが好ましい。また、突出部(8)の分岐管(5)
差込み側の端面における清浄面の周囲には、鋳肌である
表面皮膜(12)が残存している。
(8) の孔(10)の内周面における開口側の端部に、この孔
(10)の内径よりも大きくかつ分岐管(5) の筒状部分(5b)
の外径とほぼ等しい内径を有する分岐管差込み孔(11)を
切削により形成しておく。また、分岐管差込み孔(11)の
内周面における開口側の端部に、この孔(11)の内径より
も若干、たとえば2.0mm程度大径の大径部(11a) を
切削により形成しておく。分岐管差込み孔(11)および大
径部(11a)を切削により形成することによって、フラン
ジ(7)全体の鋳肌である表面皮膜(12)全体のうち、分岐
管差込み孔(11)および大径部(11a)の内周面の表面皮
膜、ならびに分岐管差込み孔(11)の最も奥の段部および
大径部(11a)の最も奥の段部の表面皮膜が除去されて清
浄面(13)となる。また、突出部(8)の分岐管(5)差込み側
の端面における分岐管差込み孔(11)の周縁からの所定幅
の環状部分の鋳肌である表面皮膜(12)を除去して清浄面
(14)としておく。分岐管差込み孔(11)の周囲の部分の表
面皮膜(12)を除去する幅Wは1.0〜2.0mmの範囲
内であることが好ましい。また、突出部(8)の分岐管(5)
差込み側の端面における清浄面の周囲には、鋳肌である
表面皮膜(12)が残存している。
【0019】ついで、突出部(8) が水平状態になるよう
に取付用フランジ(7) を配置し、各分岐管(5) の取付用
フランジ(7) 側の端部の筒状部分(5b)を分岐管差込み孔
(11)内に差込むとともに、筒状部分(5b)の端部の外周面
に短筒状ろう材(15)を嵌め被せ、このろう材(15)を大径
部(11a) 内に嵌め入れる。また、接合予定部位の上側に
くる部分において、筒状部分(5b)の孔(11)から出ている
部分に、横断面円弧状のろう材(16)を被せておく。ろう
材(16)は、垂直上方を中心として90〜180度の範囲
に配置しておくのがよい。これらのろう材(15)(16)の肉
厚は、たとえば1mm程度としておく。
に取付用フランジ(7) を配置し、各分岐管(5) の取付用
フランジ(7) 側の端部の筒状部分(5b)を分岐管差込み孔
(11)内に差込むとともに、筒状部分(5b)の端部の外周面
に短筒状ろう材(15)を嵌め被せ、このろう材(15)を大径
部(11a) 内に嵌め入れる。また、接合予定部位の上側に
くる部分において、筒状部分(5b)の孔(11)から出ている
部分に、横断面円弧状のろう材(16)を被せておく。ろう
材(16)は、垂直上方を中心として90〜180度の範囲
に配置しておくのがよい。これらのろう材(15)(16)の肉
厚は、たとえば1mm程度としておく。
【0020】一方、図示は省略したが、プレナムチャン
バ(2) の分岐管差し込み側の端面の鋳肌である表面皮膜
をすべて除去するとともに、吸気出口(4) の開口側端部
の内周面の鋳肌である表面皮膜を除去しておく。そし
て、吸気出口(4) が垂直上方を向くようにプレナムチャ
ンバ(2) を配置し、各分岐管(5) のプレナムチャンバ
(2) 側の端部の筒状部分(5a)を吸気出口(4) 内に差込
み、筒状部分(5a)の外周面と吸気出口(4) の内周面との
間にろう材を配置しておく。
バ(2) の分岐管差し込み側の端面の鋳肌である表面皮膜
をすべて除去するとともに、吸気出口(4) の開口側端部
の内周面の鋳肌である表面皮膜を除去しておく。そし
て、吸気出口(4) が垂直上方を向くようにプレナムチャ
ンバ(2) を配置し、各分岐管(5) のプレナムチャンバ
(2) 側の端部の筒状部分(5a)を吸気出口(4) 内に差込
み、筒状部分(5a)の外周面と吸気出口(4) の内周面との
間にろう材を配置しておく。
【0021】その後、炉中において、塩化物系や、弗化
物系のフラックスを使用し、窒素ガス雰囲気または大気
雰囲気中で加熱することによって、分岐管(5) と取付用
フランジ(7) 、および分岐管(5) とプレナムチャンバ
(2) とを同時にろう付する。
物系のフラックスを使用し、窒素ガス雰囲気または大気
雰囲気中で加熱することによって、分岐管(5) と取付用
フランジ(7) 、および分岐管(5) とプレナムチャンバ
(2) とを同時にろう付する。
【0022】取付用フランジ(7) の分岐管差込み側端面
における分岐管差込み孔(11)の周りの清浄面(14)以外の
部分には、鋳肌である表面皮膜(12)が残存しており、こ
の表面皮膜(12)には、ガス孔、酸化物、不純物等が存在
していて溶融したろう材との濡れ性が悪くなっているの
で、分岐管(5) と取付用フランジ(7) とのろう付部にお
いて、ろう付時の加熱により溶融したろう材における接
合予定部位の下部のものが下方に流れるのが防止され
る。したがって、接合予定部位の上部のろう材が下方に
流れるのが防止される。また、ろう材(16)により、接合
予定部位全体の上側にくる部分のろう材の量が他の部分
よりも多くなっているので、接合予定部位の上側のろう
材が若干下方に流れたとしても、この部分にろう材が不
足するのを防止できる。したがって、分岐管(5) の筒状
部分(5b)と取付用フランジ(7) の筒状突出部(8) の分岐
管差込み側端面の清浄面(14)との間に、全周にわたって
均一な大きさのフィレット(17)が形成される。こうし
て、吸気マニホルド(1) が製造される。
における分岐管差込み孔(11)の周りの清浄面(14)以外の
部分には、鋳肌である表面皮膜(12)が残存しており、こ
の表面皮膜(12)には、ガス孔、酸化物、不純物等が存在
していて溶融したろう材との濡れ性が悪くなっているの
で、分岐管(5) と取付用フランジ(7) とのろう付部にお
いて、ろう付時の加熱により溶融したろう材における接
合予定部位の下部のものが下方に流れるのが防止され
る。したがって、接合予定部位の上部のろう材が下方に
流れるのが防止される。また、ろう材(16)により、接合
予定部位全体の上側にくる部分のろう材の量が他の部分
よりも多くなっているので、接合予定部位の上側のろう
材が若干下方に流れたとしても、この部分にろう材が不
足するのを防止できる。したがって、分岐管(5) の筒状
部分(5b)と取付用フランジ(7) の筒状突出部(8) の分岐
管差込み側端面の清浄面(14)との間に、全周にわたって
均一な大きさのフィレット(17)が形成される。こうし
て、吸気マニホルド(1) が製造される。
【0023】なお、この発明による方法によって製造さ
れる吸気マニホルドの形状は、図示のものに限られず、
適宜変更可能である。
れる吸気マニホルドの形状は、図示のものに限られず、
適宜変更可能である。
【0024】
【発明の効果】この発明の吸気マニホルドの製造方法に
よれば、上述のように、ろう付時に接合予定部位の下部
のろう材が下方に流れるのを防止することができ、その
結果接合予定部位の上部のろう材が下方に流れるのを防
止できるので、接合予定部位の全周にわたって均一な大
きさの大きなフィレットが形成され、接合予定部位の上
部に形成されるフィレットが小さくなるのが防止され
る。したがって、十分なろう付強度が得られるとともに
洩れの発生を防止できる。
よれば、上述のように、ろう付時に接合予定部位の下部
のろう材が下方に流れるのを防止することができ、その
結果接合予定部位の上部のろう材が下方に流れるのを防
止できるので、接合予定部位の全周にわたって均一な大
きさの大きなフィレットが形成され、接合予定部位の上
部に形成されるフィレットが小さくなるのが防止され
る。したがって、十分なろう付強度が得られるとともに
洩れの発生を防止できる。
【0025】また、2つの部品の接合予定部位全体の上
側にくる部分における垂直上方を中心とした90〜18
0度の範囲の部分のろう材の量を他の部分よりも多くし
ておくので、接合予定部位の上側のろう材が若干下方に
流れたとしても、この部分にろう材が不足するのを防止
できる。
側にくる部分における垂直上方を中心とした90〜18
0度の範囲の部分のろう材の量を他の部分よりも多くし
ておくので、接合予定部位の上側のろう材が若干下方に
流れたとしても、この部分にろう材が不足するのを防止
できる。
【図1】この発明の実施例を示し、分岐管と取付用フラ
ンジとのろう付前の状態の拡大縦断面図である。
ンジとのろう付前の状態の拡大縦断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】同じくろう付後の拡大縦断面図である。
【図4】この発明の方法で製造される吸気マニホルドの
斜視図である。
斜視図である。
5 分岐管(アルミニウム展伸材製部品) 5b 筒状部分 7 取付用フランジ(アルミニウム鋳物製部
品) 11 分岐管差込み孔 12 表面皮膜 13 清浄面 14 清浄面
品) 11 分岐管差込み孔 12 表面皮膜 13 清浄面 14 清浄面
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−264293(JP,A) 特開 昭63−90358(JP,A) 特開 昭63−90357(JP,A) 特開 昭58−81559(JP,A) 実開 平4−108957(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 1/00 - 1/20
Claims (2)
- 【請求項1】 所定長さの筒状部分を有するアルミニウ
ム展伸材製部品と、 アルミニウム展伸材製部品の筒状部分を差込む孔を有す
るアルミニウム鋳物製部品とを備えた吸気マニホルド
を、アルミニウム展伸材製部品の筒状部分を略水平とし
てアルミニウム鋳物製部品の孔に差込んだ状態で両部品
をろう付することにより製造する方法であって、 アルミニウム鋳物製部品のアルミニウム展伸材製部品差
込み側端面における孔の周縁からの所定幅部分の表面皮
膜を除去して清浄面を形成するとともにこの清浄面の周
囲に表面皮膜を残存させておき、さらにアルミニウム鋳
物製部品の孔内周面のろう付部分の表面皮膜を除去して
清浄面としておき、アルミニウム展伸材製部品の筒状部
分の端部を、アルミニウム鋳物製部品の孔内に差込み、
両部品の接合予定部位の全周にわたってろう材を配置す
る置きろう方式により両部品を相互にろう付することを
特徴とする吸気マニホルドの製造方法。 - 【請求項2】 アルミニウム展伸材製部品の筒状部分を
略水平としてアルミニウム鋳物製部品の孔に差込んださ
いに、接合予定部位全体の上側にくる部分における垂直
上方を中心とした90〜180度の範囲の部分のろう材
の量を他の部分よりも多くしておくことを特徴とする請
求項1記載の吸気マニホルドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29427992A JP3154111B2 (ja) | 1992-11-02 | 1992-11-02 | 吸気マニホルドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP29427992A JP3154111B2 (ja) | 1992-11-02 | 1992-11-02 | 吸気マニホルドの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06142905A JPH06142905A (ja) | 1994-05-24 |
JP3154111B2 true JP3154111B2 (ja) | 2001-04-09 |
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ID=17805653
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP29427992A Expired - Fee Related JP3154111B2 (ja) | 1992-11-02 | 1992-11-02 | 吸気マニホルドの製造方法 |
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JP (1) | JP3154111B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4103424B2 (ja) | 2002-03-28 | 2008-06-18 | アイシン精機株式会社 | エンジンの吸気装置 |
-
1992
- 1992-11-02 JP JP29427992A patent/JP3154111B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH06142905A (ja) | 1994-05-24 |
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