JP3153051B2 - 圧力センサ用ダイヤフラムの耐久試験装置 - Google Patents

圧力センサ用ダイヤフラムの耐久試験装置

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JP3153051B2
JP3153051B2 JP17747793A JP17747793A JP3153051B2 JP 3153051 B2 JP3153051 B2 JP 3153051B2 JP 17747793 A JP17747793 A JP 17747793A JP 17747793 A JP17747793 A JP 17747793A JP 3153051 B2 JP3153051 B2 JP 3153051B2
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毅 堀田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は圧力センサ用ダイヤフラ
ムの耐久試験装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ダイヤフラムを備えた圧力センサは、液
体や気体等流体の圧力を検出する場合に使用される。従
来、この圧力センサの感圧部としてのダイヤフラムの耐
久試験は、圧力センサのダイヤフラムに流体圧を繰り返
し加えることによって行われていた。
【0003】圧力センサが、燃焼圧センサとしてエンジ
ンの燃焼室に取り付けられる場合があるが、この場合に
おける耐久試験は、図15に示すように、エンジン式耐
久試験装置において行われる。エンジン式耐久試験装置
は、実際のエンジンに試験条件制御装置302を設けた
ものである。試験条件制御装置302は、エンジンの出
力軸に設けられた動力計306と、スロットルバルブ駆
動装置308と、これらを制御する制御装置310とを
備えたものである。動力計306は、出力軸に決められ
た大きさの負荷をかけるものであり、スロットルバルブ
駆動装置308(実際のエンジンに予め設けられている
場合もある)は、スロットルバルブを決められた角度だ
け回動させるものである。
【0004】動力計306,スロットルバルブ駆動装置
308が制御装置310の指令値に基づいて制御された
状態でエンジンを駆動すれば、エンジンの出力トルクの
大きさや出力軸の回転数が制御される。燃焼室304内
の圧力は出力トルクに基づいて決まり、圧力の振動数は
出力軸の回転数によって決まる。
【0005】上記エンジン式耐久試験装置によって耐久
試験を行う場合には、燃焼圧センサ312を燃焼室30
4に取り付けて、燃焼圧センサ312の出力信号を検出
しつつエンジンを駆動する。吸気,圧縮,膨張(爆
発),排気の工程が繰り返されることによって燃焼室3
04内の圧力が変動し、それに伴って、燃焼圧センサ3
12のダイヤフラムが振動させられる。燃焼圧センサ3
12の出力信号が増加すれば、ダイヤフラムの弾性係数
が小さくなった(ダイヤフラムが疲労した)とされる。
【0006】ダイヤフラムの耐久試験が油圧式耐久試験
装置において行われる場合もある。その一例を図16に
示す。この油圧式耐久試験装置は、ダイヤフラム350
を備えた圧力センサ352を支持する支持部材354
と、油圧供給装置356と、ダイヤフラム350の受圧
面358と油圧供給装置356とを連通させる連通管3
60とを備えており、油圧供給装置356には、ダイヤ
フラム350に供給する油量を決められた変化量,振動
数で振動させる油圧振動装置362が設けられている。
本油圧式耐久試験装置によって耐久試験を行う場合に
は、圧力センサ352の出力信号を検出しつつ油圧供給
装置356を駆動する。受圧面358には、油圧供給装
置356において設定された変化量,振動数で振動する
油圧が伝達され、受圧面358が振動させられる。圧力
センサ352の出力信号が増加すればダイヤフラム35
0が疲労したとされる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のエンジ
ン式耐久試験装置や油圧式耐久試験装置は、設備費が高
いという問題があった。エンジン式耐久試験装置におい
ては、エンジンの他、エンジンの出力トルクや出力軸の
回転数等を制御する試験条件制御装置302が必要であ
るが、この試験条件制御装置302、特に、動力計30
6は高価なものである。一方、油圧式耐久試験装置にお
いては、ダイヤフラム350の受圧面358に与える油
圧を予め決められた変化量,振動数等で振動させる油圧
振動装置362が高価なものである。
【0008】また、エンジン式耐久試験装置や油圧式耐
久試験装置においては、ダイヤフラムに加わる圧力の変
化量,振動数を精度よく設定することが困難であるとい
う問題があった。エンジン式耐久試験装置においては、
動力計306やスロットルバルブ駆動装置308を制御
装置310の指令値に基づいて制御しても、燃焼室30
4内の圧力の変化量や振動数を精度よく設定することが
困難である。動力計306やスロットルバルブ駆動装置
308に対する制御装置310の指令値と燃焼室304
内の圧力の変化量や振動数との関係を予め求めておけ
ば、燃焼室304内の圧力の変化量や振動数をある程度
の精度で設定することは可能であるが、その精度を十分
に高めることが困難なのである。
【0009】油圧式耐久試験装置においては、油圧供給
装置356における油圧の変化量を正確に設定しても、
受圧面358に加わる油圧の変化量はそのままの大きさ
になるとは限らない。油圧供給装置356における油圧
の振動が、連通管360を経てダイヤフラム350の受
圧面358に伝達されるのであるが、油の圧縮性等の原
因によって、受圧面358にそのまま伝達されない場合
もある。予め受圧面358近傍の油圧の変化量や振動数
と、油圧供給装置356において設定された油圧の変化
量や振動数との関係を求めておけば、受圧面358に加
わる油圧の変化量や振動数をより精度よく設定すること
はできるが、油圧供給装置356において設定された振
動数が大きい場合や変化量が小さい場合には、その振動
が受圧面358に伝達され難くなる。
【0010】さらに、エンジン式耐久試験装置や従来の
油圧式耐久試験装置においては、耐久試験を所望の温度
で行うことができないという問題があった。ダイヤフラ
ムの回りの温度は、エンジン式耐久試験装置においては
燃焼温度で決まり、油圧式耐久試験装置においては油温
(室温に近い温度)で決まるからである。後者の場合に
は加熱装置を設ければ油の温度を多少高くすることはで
きるが、発火する恐れがあるためそれほど高くすること
はできない。
【0011】そこで、第一発明の課題は、試験精度を向
上させつつ耐久試験装置の設備費を低減させることにあ
り、第二発明の課題は、さらに、耐久試験を室温以上の
所望の温度において行い得るようにすることにある。ま
た、第三発明ないし第発明の課題は、ダイヤフラムの
耐久試験に適した耐久試験装置を得ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】第一発明の要旨とすると
ころは、(a) ダイヤフラムを、それの受圧面以外の部分
において支持する支持装置と、(b) 加振装置と、(c) 一
端がその加振装置に連結され、他端が前記ダイヤフラム
の受圧面に当接させられる振動伝達部材とを含む圧力セ
ンサ用ダイヤフラムの耐久試験装置であって、前記支持
装置を、(d) 保持孔を有するハウジングと、(e) 前記ダ
イヤフラムを、前記保持孔の開口周辺に形成された支持
面に着座した状態に保つリテーナとを含むものとするこ
とにある。また、第二発明の要旨とするところは、第一
発明の耐久試験装置において、支持装置のダイヤフラム
の近傍部にダイヤフラムを集中的に加熱する加熱装置を
設けるとともに、前記振動伝達部材と前記加振装置との
間に断熱装置を設けることにある。第発明の要旨とす
るところは、耐久試験装置に、(f) 固定フレームと、
(g)その固定フレームを支持する支柱と、(h) 前記支柱
に摺動可能、かつ、前記固定フレームに相対移動可能に
設けられ、前記支持装置を保持する可動フレームと、
(i) 前記可動フレームの前記固定フレームに対する相対
位置を調節可能な調節装置とを設けることにある。ま
た、第発明の要旨とするところは、前記加振装置を、
非振動部と前記振動伝達部材との間に設けられ、振動伝
達部材を弾性的に支持することにより、前記ダイヤフラ
ムの受圧面への初期当接力を付与するサスペンション装
置を含むものとすることにあり、第発明の要旨とする
ところは、前記サスペンション装置を、(j) エアシリン
ダと、(k) そのエアシリンダに供給されるエアを調節す
ることによって、前記振動伝達部材の前記ダイヤフラム
の受圧面への初期当接力を調節する初期当接力調節装置
とを含むものとすることにある。さらに、第発明の要
旨とするところは、当該耐久試験装置に、前記ダイヤフ
ラムの振動の状態を検出する検出装置を設けたことにあ
り、第発明の要旨とするところは、前記検出装置を、
前記支持装置の振動の状態を検出することによって前記
ダイヤフラムの振動の状態を検出するものとすることに
ある。
【0013】第一発明の圧力センサ用ダイヤフラムの耐
久試験装置においては、被試験体としてのダイヤフラム
が支持装置によってそれの受圧面以外の部分において支
持され、その受圧面には一端が加振装置に連結された振
動伝達部材の他端が当接させられる。ダイヤフラムは、
圧力センサに設けられた場合と同様な状態、換言すれ
ば、受圧面に圧力が加わればその圧力に応じて変形し得
る状態で支持される。ハウジングとリテーナとにより保
持孔の開口周辺に形成された支持面に着座した状態で保
持されるのである。したがって、ダイヤフラムには、加
振装置の振動が振動伝達部材を介して良好に伝達される
ことになる。
【0014】加振装置を作動させれば、振動伝達部材が
振動し、ダイヤフラムを振動させる。本発明の耐久試験
装置においては、ダイヤフラムが、流体でなく、振動伝
達部材によって変形させられ、圧力が加わるのと同様な
状態にされるのである。以下、実験データに基づいて説
明する。
【0015】振動伝達部材によりダイヤフラムに与えら
る変位(以下、振動伝達部材による変位と称する)とダ
イヤフラムの受圧面に加わる荷重との関係を示す実験デ
ータを図13に示す。図から、振動伝達部材による変位
の大きさとダイヤフラムの受圧面に加わる荷重の大きさ
とが比例関係にあることがわかる。また、受圧面の面積
が一定であれば、荷重は応力(圧力)に比例するため、
振動伝達部材による変位の大きさとダイヤフラムの受圧
面に加わる圧力の大きさとは比例する。したがって、ダ
イヤフラムを変形させることと、受圧面に圧力を加える
こととは等価である。
【0016】次に、加振装置の変位(振幅)に対するダ
イヤフラムの変位(振幅)を示す実験データを図14に
示す。図から、ダイヤフラムの振幅は加振装置の振幅の
ほぼ80%であるが、加振装置の振幅とダイヤフラムの
振幅とが比例関係にあることがわかる。加振装置の振幅
を設定すれば、ダイヤフラムの振幅を設定できる。ま
た、図から、ダイヤフラムには加振装置の振動が振動伝
達部材を介して良好に伝達されることが明らかである。
そのため、ダイヤフラムの振動数と加振装置の振動数と
は同じであり、加振装置の振動数を設定すれば、ダイヤ
フラムの振動数を設定できる。さらに、図13に示す実
験データ等を考慮すれば、ダイヤフラムの受圧面に加わ
る圧力の変化量と振動伝達部材の振幅とが比例関係にあ
り、振動伝達部材の振幅を設定すれば、受圧面に加わる
圧力の変化量を設定できる。
【0017】第一発明の耐久試験装置において被試験体
としてのダイヤフラムの耐久試験を行う場合には、例え
ば、ダイヤフラムを支持装置に支持させ、加振装置を所
望の振幅と振動数で作動させる。ダイヤフラムの受圧面
に所望の大きさの変化量の圧力を所望の振動数で繰り返
し加えるのであり、ダイヤフラムが疲労(塑性変形や破
断)するまでの振動回数を調べ、あるいは、所定回数の
振動を加えても疲労しない場合にはダイヤフラムが所定
の耐久性を有すると判定するのである。なお、本耐久試
験装置にダイヤフラムの耐久性を評価し得る量を検出す
る耐久性評価量検出装置を設ければ、ダイヤフラムの圧
力センサへの組付け以前における評価が可能となり、そ
の分、コストダウンを図ることが可能となる。
【0018】第二発明に係る耐久試験装置において、支
持装置のダイヤフラムの近傍部には加熱装置が設けられ
ている。ダイヤフラムの回りを、集中的に加熱装置によ
って加熱すれば、ダイヤフラムを室温以上にすることが
でき、燃焼温度に相当する温度以上にすることもでき
る。また、加振装置と振動伝達部材との間には断熱装置
が配設されている。そのため、加熱装置によってダイヤ
フラムの回りが熱せられても、その熱が加振装置に伝達
されることが回避される。断熱装置は、断熱材等熱の伝
達を抑制するものであっても、冷却装置等積極的に熱を
除去するものであってもよい。第発明に係る耐久試験
装置においては、支持装置を保持する可動フレームが固
定フレームに対して相対移動可能に設けられる。また、
発明に係る耐久試験装置の加振装置には、振動伝達
部材を弾性的に支持するサスペンション装置が設けられ
ており、サスペンション装置により、ダイヤフラムの受
圧面への初期当接力が付与される。第発明に係る耐久
試験装置においては、サスペンション装置のエアシリン
ダに供給されるエアを調節することによって、ダイヤフ
ラムの受圧面への初期当接力が調節される。さらに、第
発明に係る耐久試験装置においては、ダイヤフラムの
振動の状態が検出装置によって検出される。ダイヤフラ
ムの振動の状態は、第発明のように、支持装置の振動
の状態を検出することによって検出することができる。
【0019】
【発明の効果】第一発明の耐久試験装置によれば、流体
によらないで受圧面に圧力が加えられるため、従来は不
可欠であった高価な試験条件制御装置302や油圧振動
装置362等が不要になり、その分、設備費を安くする
ことができる。また、ダイヤフラムには加振装置の振動
が振動伝達部材を介して良好に伝達されるため、受圧面
に加わる圧力の変化量や振動数を精度よく設定すること
ができ、試験精度を向上させることができる。
【0020】第二発明の耐久試験装置によれば、加振装
置への熱の伝達を抑制しつつダイヤフラムの温度を上げ
ることができる。そのため、耐久試験を、燃焼温度や室
温以外の温度においても行うことができる。
【0021】
【実施例】第一発明ないし第発明の共通の実施例とし
ての圧力センサ用ダイヤフラムの耐久試験装置の一例を
図面に基づいて詳細に説明する。図1,2において、1
0はフレーム,12は加振装置,14は支持装置であ
る。支持装置14は被試験体としてのダイヤフラム16
を受圧面18以外の部分において支持する。支持装置1
4は、加振装置12の非振動部20に固定されたフレー
ム10に取り付けられ、振動伝達部材としての圧子22
は、それの一端が加振装置12の振動部24に固定さ
れ、他端がダイヤフラム16の受圧面18に当接させら
れる。加振装置12が駆動されると、圧子22が振動さ
せられ、それに伴ってダイヤフラム16が振動させられ
る。
【0022】フレーム10は、2本の支柱30,32,
固定サポート34,可動サポート36等を備えている。
支柱30,32は、加振装置12の非振動部20に適当
な間隔を隔てて固定され、支柱30,32の上部には固
定サポート34が固定されることによって門型のフレー
ムが形成されている。また、支柱30,32の中間部に
は可動サポート36が摺動可能に取り付けられている。
可動サポート36の支柱30,32に対応する位置に
は、それぞれガイドブッシュ38,39が設けられ、そ
れらガイドブッシュ38,39に支柱30,32がそれ
ぞれ嵌合されているのである。可動サポート36の下面
には前記支持装置14が固定され、可動サポート36の
上面には加速度センサ40が固定されている。
【0023】可動サポート36の固定サポート34に対
する相対位置を調節する高さ調節装置44が、固定サポ
ート34と可動サポート36との間に設けられている。
高さ調節装置44は、ハンドル46,調節軸48,ナッ
ト49等を備えている。調節軸48の一端にはハンドル
46が固定されてハンドル46と一体に回転可能とされ
ており、他端部にはねじ部50が形成されている。ハン
ドル46にはシェイク52が取り付けられて、ハンドル
46の回転が容易にされている。
【0024】固定サポート34の中間部には貫通孔54
が形成され、その貫通孔54にはサポートユニット56
が固定され、それに対して、可動サポート36の中間部
には貫通孔58が形成されるとともにナット49が固定
されている。このナット49に調節軸48のねじ部50
が螺合されている。サポートユニット56は、調節軸4
8の回転を許容するとともに軸方向の移動の阻止するも
のであるため、ハンドル46により調節軸48が回転さ
せられると、可動サポート36が上下方向に移動させら
れる。
【0025】また、可動サポート36と固定サポート3
4との間には、2本のポスト66,68が支柱30,3
2の間に適当な間隔を隔てて取り付けられている。ポス
ト66,68の一端は可動サポート36にボルト70,
72によって固定され、他端部は固定サポート34に固
定のくさび型クランプ装置74,76に挿通されてい
る。高さ調節装置44により可動サポート36の固定サ
ポート34に対する相対位置が調節された後、くさび型
クランプ装置74,76によりポスト66,68がクラ
ンプされることによって可動サポート36が固定サポー
ト34に固定される。これによって可動サポート36が
ポスト66,68を介して固定サポート34により背後
から支持される状態となる。見かけ上、可動サポート3
6の剛性が高められるのであり、支持装置14を介して
ダイヤフラム16の支持剛性が高くなる。したがって、
圧子22の変位が有効にダイヤフラム16の振動(弾性
変形)に変換される。
【0026】しかし、可動サポート36が全く振動しな
いわけではない。可動サポート36の振幅はダイヤフラ
ム16の振幅よりは著しく小さいのであるが、ダイヤフ
ラム16の振幅が大きいほど可動サポート36の振幅も
大きくなる。したがって、可動サポート36の振動の加
速度を加速度センサ40によって検出すれば、その検出
結果に基づいてダイヤフラム16の振動状況を知ること
ができる。ダイヤフラム16の振動の大きさを直接検出
するより可動サポート36の加速度を検出する方が容易
であるため、このようにされているのである。
【0027】可動サポート36に固定された支持装置1
4は、図3に拡大して示すように、概して円筒状のハウ
ジング82と,リテーナ84とを備えている。ハウジン
グ82の中央部には、貫通孔86が形成されるととも
に、下端部には貫通孔86より大径の嵌合孔88が形成
されている。この嵌合孔88に嵌め込まれるリテーナ8
4の中央部の貫通孔89の上端には座ぐり部90が形成
されている。
【0028】ダイヤフラム16は、図4に示すように、
概して円板状をなすダイヤフラム部96と円筒状の保持
部98とを備えており、有底円筒状をなすもので、オー
ステナイト系ステンレス,黄銅,高張力アルミニウム合
金等の金属材料で製造する。ダイヤフラム部96の外面
が受圧面18をなすのであるが、ダイヤフラム部96の
中央部が剛性の高い肉厚部100とされ、その周辺部が
薄肉部102とされている。また、保持部98は大径部
104と小径部105とを備えおり、大径部104の下
端外周面から外方へフランジ部106が突出させられて
いる。
【0029】前記ハウジング82の貫通孔86の内径は
ダイヤフラム16の大径部104の外径に対応する大き
さとされ、リテーナ84の座ぐり部90は、フランジ部
106を収容可能な大きさとされている。したがって、
貫通孔86にダイヤフラム16の大径部104を嵌合
し、リテーナ84を嵌合孔88に嵌合して図示しないボ
ルトで固定すれば、ダイヤフラム16のフランジ部10
6が座ぐり部90の座面と嵌合孔88の底面との間に挟
まれて固定される。ダイヤフラム16が受圧面18以外
の部分であるフランジ部106において支持され、受圧
面18に加振装置12の振動が伝達されると自由に変形
し得る状態となるのである。リテーナ84の貫通孔89
の内径は、圧子22の外径よりやや大きくされ、圧子2
2の上下方向の振動が妨げられないようにされている。
【0030】ダイヤフラム16が燃焼圧センサの感圧部
として使用される場合には、図5に示すようにフランジ
部106において本体に装着され、肉厚部100がロッ
ド108および半球部材110を介して圧電素子111
に弾性的に押し付けられている。受圧面18に圧力(燃
焼圧)が加わると、その燃焼圧に応じてダイヤフラム部
96が破線(図4参照)のように変形させられる。薄肉
部102のたわみによって肉厚部100に変位が生じる
のである。その変位がロッド108,半球部材110を
介して圧電素子111に伝達され、電気信号に変えら
れ、アンプ112によって増幅されて出力される。燃焼
室内の圧力の振動に伴って受圧面18に圧力が繰り返し
加われば、ダイヤフラム部96が繰り返し変形させら
れ、ダイヤフラム16の疲労が進行する。薄肉部102
が塑性変形したり、破断したりするとダイヤフラム部9
6の弾性係数が小さくなる。
【0031】前記ハウジング82の内部には、軸方向に
延びた孔113(図1参照)が複数個(1個のみ図示)
形成され、それら孔113にはそれぞれヒータ114が
取り付けられている。また、半径方向に延びた孔も複数
個形成されており、その内の1個の孔には熱電対115
が配設され、他の孔にはガス封入管116が嵌め込まれ
ている。ガス封入管116には燃焼ガス供給装置119
(図7参照)が接続され、燃焼ガス供給装置119には
制御装置120が接続されている。ダイヤフラム16の
回りには、制御装置120の制御により燃焼ガスが供給
される。すなわち、ハウジング82内に存在していた気
体が隙間等から放出され、燃焼ガスに置換させられるの
である。また、ヒータ114には、直流電流供給装置1
22が接続され、同様に、制御装置120に接続されて
いる。ダイヤフラム16の回りの温度は熱電対115に
よって検出され、温度を表す信号が制御装置120に供
給される。ダイヤフラム16の回りの温度は作業者によ
って設定された高さにされるのである。ヒータ114を
複数個設けるのは、ダイヤフラム16の回りを一様に、
かつ、高温に加熱するためである。
【0032】ハウジング82と可動サポート36との間
には冷却板124が配設されている。冷却板124は、
図示は省略するが、ハウジング82側の断熱層と、内部
に冷却水通路が形成された冷却層とを備えている。ハウ
ジング82からの熱伝達はまず断熱層で抑制され、断熱
層を通過した熱は冷却水通路の水によって運び去られて
可動サポート36への熱の伝達が防止される。そのた
め、ハウジング82が熱せられてもその熱が可動サポー
ト36に伝達されることが良好に回避され、加速度セン
サ40等が熱せられることが回避される。
【0033】ダイヤフラム16の受圧面18に当接させ
られる圧子22の一端は、加振装置12の振動部24に
固定されている。加振装置12を図6に示す。加振装置
12は、前述のように非振動部20と振動部24とを備
えているが、非振動部20はフレーム140に水平軸線
回りに回動可能に支持されている。非振動部20は、磁
性材料製のヨーク144とエアシリンダ146を備えて
いる。ヨーク144に、励磁コイル147,148が取
り付けられ、励磁コイル147,148には直流電流供
給装置150(図7参照)が接続されている。励磁コイ
ル147,148に直流電流が供給されると、その電流
量に応じた強さの磁界Pが形成される。また、非振動部
20と振動部24とは複数個のロッキングアーム152
によって連結されている。
【0034】振動部24は、支持部材155,振動板1
56等を備えている。支持部材155は軸部157とを
備えており、振動板156が支持部材155に固定され
ている。軸部157の下端にガイド部材158が固定さ
れ、これが複数個のガイドローラ159に囲まれてい
る。これらガイド部材158およびガイドローラ159
が前記ロッキングアーム152と共同して振動板154
および支持部材155の軸方向の移動を案内する案内手
段を構成している。前記エアシリンダ146は、上記ガ
イド部材158の下方に配設されており、振動板154
および支持部材155を上方に付勢しつつ弾性的に支持
する。このエアシリンダ146と上記案内手段とによっ
てサスペンション装置160が構成されているのであ
る。エアシリンダ146に供給される空気圧の調節によ
って圧子22のダイヤフラム16の受圧面18側への初
期当接力が調節される。
【0035】支持部155の下部の周縁部には駆動コイ
ル164が固定されている。駆動コイル164には自動
振動制御装置166(図7参照)が接続されている。自
動振動制御装置166によって駆動コイル164に交番
電流が供給されると、振動部24が上下方向に正弦振動
させられる。交番電流の振幅が大きい場合には振動部2
4の振幅が大きくなり、周波数が大きい場合には振動部
24の振動数が大きくなる。本実施例における自動振動
制御装置166においては周波数が1Hz〜10kHz
の間において調節可能とされている。また、非振動部2
0には、図示しないファンが取り付けられており、励磁
コイル147,148や駆動コイル164が高温になる
ことが回避される。170はダクトケースである。
【0036】一方、172は回動装置である。回動装置
172は非振動部20のフレーム140に対する回動を
許容するとともに、その回動位置において固定するもの
である。非振動部20のフレーム140に対する回動角
度を変えることによって振動部24の振動方向が変わ
る。
【0037】振動板154の上面には冷却板180が固
定され、その冷却板180の上面にはプレート181が
固定され、プレート181の上面の中央部には圧子ホル
ダ182が固定されている。圧子ホルダ182には圧子
22が焼ばめによって固定されている。すなわち、圧子
22は振動板154と一体的に振動させられるようにな
っているのである。
【0038】下端部が圧子ホルダ182に固定された圧
子22は、概して円柱状の部材であって、当接部184
がリテーナ84の貫通孔89を経てダイヤフラム16の
受圧面18の中央に当接する。当接部184は比較的大
きい半径の球面形状とされ、ダイヤフラム16の圧子2
2との接触部分を塑性変形させないように、かつ、変形
後のダイヤフラム16と干渉しないようにされている。
【0039】加振装置12の駆動によって、圧子22
が、当接部184がダイヤフラム16に当接した状態で
振動させられる。この場合には、図14の実験データが
示すように、加振装置12の振幅が圧子22を介してそ
のまま(100%)ダイヤフラム16に伝達されるわけ
ではないが、加振装置12の振動が良好にダイヤフラム
16に伝達されることがわかる。したがって、加振装置
12の振幅や振動数を設定することによって、ダイヤフ
ラム16の振幅や振動数を精度よく設定し得る。
【0040】本実施例の耐久試験装置においては、ダイ
ヤフラム16の受圧面18全体に圧力が加えられるわけ
ではなく、肉厚部100に強制的に変位が与えられるの
である。前述のように、燃焼圧センサにおいては、受圧
面18に燃焼圧が加えられると、薄肉部102がたわむ
ことによって肉厚部100に変位が生じるのであるが、
それに対して、本実施例の耐久試験装置においては、肉
厚部100に直接変位を与えることによって薄肉部10
2がたわまされるのである。しかし、前者の状態と後者
の状態とは等価と見なすことができる。
【0041】また、冷却板180は、冷却板124と同
様にプレート181側の断熱層と振動板154側の冷却
層とを備えたものであり、冷却層の冷却水通路に水を流
せば、加振装置12への熱の伝達が良好に防止される。
【0042】本実施例の耐久試験装置を制御する制御装
置120はコンピュータを主体とするものであり、図7
に示すように、その入力部には、加速度センサ40,熱
電対115等が接続されている。また、出力部には、前
記加振装置12の空気供給装置162,直流電流供給装
置150,自動振動制御装置166,前記支持装置14
のヒータ114に接続された直流電流供給装置122,
燃焼ガス供給装置119等が接続され、これらが制御装
置120によって制御される。
【0043】以上のように構成された耐久試験装置にお
いてダイヤフラム16の耐久試験を行う場合の手順を説
明する。まず、くさび型クランプ装置74,76のクラ
ンプを緩めることによって、可動サポート36の固定サ
ポート34に対する相対移動を許容する。ハンドル46
を回すことによって可動サポート36を上昇させ、リテ
ーナ84を外してダイヤフラム16を取り付ける。可動
サポート36を、ダイヤフラム16の受圧面18が圧子
22に当接するまで下降させ、その位置において固定す
る。
【0044】この状態において、エアシリンダ146内
に空気圧を供給すると圧子22は供給された空気圧に応
じた力で受圧面18に当接させられ、ダイヤフラム16
に初期変位が与えられる。励磁コイル157,158に
直流電流を供給するとともに駆動コイル164に予め決
められた振幅,周波数の交番電流を供給する。振動部2
4は、駆動コイル164に供給された交番電流に応じた
振幅および振動数で振動させられる。振動部24の振動
によって圧子22が振動させられ、それに伴ってダイヤ
フラム16が振動させられる。その振動が可動サポート
36に伝達され、その振動の加速度が加速度センサ40
によって検出される。
【0045】ダイヤフラム16は疲労が進行していない
状態では弾性係数が大きい。そのため、ダイヤフラム1
6に伝達された加振装置12の振動が可動サポート36
に良好に伝達され、加速度センサ40によって検出され
る加速度が大きい。振動回数の増加に伴ってダイヤフラ
ム16の疲労が進行すると、加速度センサ40によって
検出される加速度は小さくなる。ダイヤフラム16の薄
肉部102が塑性変形させられたり、破断させられたり
するため、加振装置12の振動がダイヤフラム16を介
して可動サポート36に良好に伝達されなくなるからで
ある。つまり、加速度センサ40によって検出される加
速度が小さくなれば、ダイヤフラム16が疲労したこと
がわかる。
【0046】次に、本実施例の耐久試験装置において実
際に行われた耐久試験の結果を示す。加速度センサ40
によって検出された加速度と加振装置12の振動回数と
の関係を図8に示す。丸でプロットされた実験データ
は、ダイヤフラム16が破断した場合のものであり、三
角でプロットされた実験データは、塑性変形した場合の
ものである。振動回数の増加に伴ってダイヤフラム16
の疲労が進行する。
【0047】加速度が急激に小さくなることによってダ
イヤフラムが破断したことがわかる。破断によって弾性
係数が急激に小さくなり、圧子22の振動が急に可動サ
ポート36に伝達され難くなるからである。この被試験
体としてのダイヤフラムの耐久限界は約25万回であ
る。加速度が徐々に小さくなることによってダイヤフラ
ムが塑性変形したことがわかる。薄肉部102の薄肉化
に伴って弾性係数が除々に小さくなるからである。この
被試験体としてのダイヤフラムの耐久限界は約20万回
である。
【0048】このように、本実施例の加振装置12にお
いては、前述のように、振動数を1Hz〜10kHzの
間の調節することができるため、ダイヤフラムを、塑性
変形が開始するまで(20万回)振動させるのに要する
時間は、加振装置12の振動数を555Hzに設定した
場合には6分でよい。それに対して、エンジン式耐久試
験装置においては、エンジンの回転数を67Hz(40
00サイクル)ぐらいにすれば、振幅が同じであると仮
定しても、100分かかる(燃焼室内の圧力がエンジン
が2回転する間に1回燃焼圧に達するため)。本実施例
の耐久試験装置によれば、実際のエンジンの回転数によ
る振動数より振動数を大きくすることができるため、ダ
イヤフラムを同じ回数だけ振動させるのに必要な時間を
短縮することができ、その分試験能率を向上させること
ができる。また、試験時間の短縮によって試験にかかる
費用も安くすることができる。さらに、振動数を、エン
ジン式耐久試験装置におけるより広い範囲で調節できる
という利点もある。
【0049】次に、初期変位量を同じにした場合におい
て、各種温度の、ダイヤフラムの変位量(振幅)とダイ
ヤフラムが破断した際の振動回数との関係を図9に示
す。同じ温度においては、振幅が大きいほど少ない振動
回数で破断し、同じ振幅においては、温度が高いほど少
ない振動回数で破断することがわかる。また、破線は、
燃焼室内(実使用温度)におけるダイヤフラムの振幅
(燃焼室内の圧力変化量に相当する変位)を示すもので
ある。このように、それぞれの温度,振幅におけるダイ
ヤフラムの耐久限界が求められれば、ダイヤフラムの耐
久性を総合的に判断することができる。また、温度,振
幅等を変えることによって目的に合わせた適切な耐久試
験条件を設定することができる。
【0050】本実施例の耐久試験装置においては、ダイ
ヤフラム16の回りの温度を室温以上にすることがで
き、エンジンの燃焼室と同じ温度以上にすることもでき
る。すなわち、作業者の意図する温度にすることができ
るのである。そのため、耐久試験を、燃焼温度において
行ったり、燃焼温度以上の温度において行ったりするこ
とができる。また、温度を燃焼温度以上にしたり、振幅
を燃焼室に配設したと仮定した場合に生じる振幅より大
きくしたりすれば、促進耐久試験を行うことができ、試
験能率を向上させることができる。
【0051】また、支持装置14の上側と圧子22の下
側とには冷却板124,180が設けられているため、
ヒータ114の熱が加速度センサ40等可動サポート3
6側の装置や加振装置12に伝達されることが良好に回
避される。
【0052】以上のように、本実施例の耐久試験装置に
おいては、流体を使用しないでダイヤフラム16に変位
を与えるようにされているため、従来は不可欠であった
高価な試験条件制御装置や油圧振動装置等が不要にな
り、設備費を安くすることができる。しかも、ダイヤフ
ラム16には加振装置12の振動が良好に伝達されるた
め、受圧面18に加える力の変化量や振動数を精度よく
設定することができ、試験精度を向上させることができ
る。
【0053】また、上記実施例の耐久試験装置において
は、被試験体が圧力センサでなく、ダイヤフラムである
ため、ダイヤフラムの燃焼圧センサに組付ける以前にお
ける評価が可能となり、その分、コストダウンを図るこ
とができる。さらに、エンジン式耐久試験装置において
耐久試験が行われる場合より、騒音が小さくなるため、
作業環境を向上させることも可能である。
【0054】また、上記実施例の耐久試験装置において
は、ダイヤフラム16の回りに燃焼ガスを供給すること
ができるため、ダイヤフラム16の腐食耐久試験を行う
ことができる。さらに、ダイヤフラム16の回りにおい
て、温度を上げ、かつ、燃焼ガスを供給すれば、ダイヤ
フラム16の回りを燃焼室と同様な状態にすることがで
き、燃焼室と同様な環境で耐久試験を行うことができ
る。
【0055】また、ダイヤフラム16の初期変位量を変
えることもできる。すなわち、上記実施例の耐久試験装
置においては、受圧面18に加える力の変化量,振動
数,初期変位量,ダイヤフラム16の回りの温度,雰囲
気ガス等の各試験条件をそれぞれ独立に制御可能なので
あり、種々の試験条件における耐久試験を行うことがで
きる。さらに、試験途中に振動数や振幅等を変えるラン
ダム振動耐久試験を行ったり、実際のエンジンの燃焼室
の経時的な状態変化を解析して、それに基づいてプログ
ラムを作成すれば、燃焼室により近い状態を設定し得、
その状態における耐久試験を行うこともできる。
【0056】さらに、試験精度の向上および種々の試験
条件の設定が可能となるため、ダイヤフラムの耐久性を
向上させるためのより詳しい解析が可能となり、その結
果、ダイヤフラムの品質の向上やコストダウンを図るこ
とが可能となる。
【0057】なお、上記実施例の耐久試験装置において
は、加速度センサ40を用いて振動に基づく加速度が検
出されるようにされていたが、非接触型の変位測定装置
により変位等耐久性評価量が検出されるようにしてもよ
い。また、加速度センサ40等耐久性評価量検出装置は
不可欠ではない。例えば、ダイヤフラムが予め定められ
た耐久性を満たすか否かを検出する場合には、耐久性評
価量検出装置は不要である。ダイヤフラムを予め決めら
れた振幅,初期変位量で決められた振動回数だけ振動さ
せ、その後、ダイヤフラムが変形,破断等していないか
否かを確認すればよい。変形,破断等していない場合に
は、決められた耐久性を満たすとされる。当然、このよ
うな耐久試験を上記実施例の耐久試験装置において実施
しても差し支えない。さらに、ダイヤフラム16の代わ
りに燃焼圧センサを取り付ければ、耐久性評価量検出装
置が不要になる。この場合には、燃焼圧センサのダイヤ
フラムが変形,破断等すれば、センサの出力信号は大き
くなる。また、制御装置120も不可欠ではなく、作業
者によることもできる。
【0058】さらに、上記実施例の耐久試験装置におい
ては、装着される被試験体としてのダイヤフラムが1個
であったが、図10に示すように、複数個装着されるよ
うにしてもよい。図10に示すダイヤフラム耐久試験装
置は上記実施例の耐久試験装置と、その大部分において
同様であるが、支持装置等が異なる。
【0059】支持装置200において、フレーム202
には中心の回りに環状に並んで貫通孔204が複数個
(2個のみを図示)形成されるとともに下端部にはこれ
ら複数個の貫通孔204に共通の嵌合孔が形成されてい
る。この嵌合孔に嵌合されるリテーナ206の、貫通孔
204に対応する位置には図示しない貫通孔が形成され
るとともにその貫通孔の上端にはそれぞれ座ぐり部が形
成されている。複数個のダイヤフラム16がフレーム2
02の嵌合孔の上面とリテーナ206の座ぐり部とによ
って支持される。また、圧子ホルダ208の貫通孔20
4に対応する位置には圧子22がそれぞれ固定されてい
る。
【0060】ダイヤフラム16を上記実施例における場
合と同様に装着すれば、各圧子22の当接部184が、
それぞれのダイヤフラム16の受圧面18の中央部に当
接させられる。本実施例の耐久試験装置において耐久試
験を行う場合には、上記実施例における耐久試験と同様
な方法で行うことも可能であるが、ダイヤフラムが予め
決められた耐久性を満たすか否かの試験を行う場合に特
に有効である。複数個のダイヤフラムを同時に同じ条件
で振動させることができるため、試験時間を短縮するこ
とができるのである。
【0061】また、上記実施例の耐久試験装置において
は、ポスト66,68が2本であったが、3本でも4本
以上であってもよい。図11の例においては、固定サポ
ート220が3本の支柱222〜224によって固定さ
れ、固定サポート220と図示しない可動サポートとの
間には3本のポスト226〜228が配設されている。
したがって、可動サポートは3本のポスト226〜22
8によって背後から支持されることになる。
【0062】同様に、図12の例では、固定サポート2
40が4本の支柱242〜245によって固定され、固
定サポート240と図示しない可動サポートとの間に4
本のポスト247〜250が配設されている。このよう
に、ポストの本数を増やすことによって可動サポートの
支持強度を大きくすることができ、そのため、ダイヤフ
ラム16を介して伝達される振動による可動サポートの
変形が良好に抑制される。ダイヤフラム16が複数個装
着される場合には特に効果がある。
【0063】さらに、ガス封入管116には燃焼ガス供
給装置119でなく、酸素ガス供給装置等他のガスを供
給する装置を接続してもよい。また、上記各実施例にお
いては、燃焼ガスがダイヤフラム16の内周部に供給さ
れるようにガス封入管116が取り付けられていたが、
ダイヤフラム16の受圧面18の近傍に供給されるよう
に取り付けてもよい。その場合には、リテーナ84とそ
れに対するハウジング82とに孔を形成し、ガス封入管
116を、先端がダイヤフラム16の受圧面18近傍に
位置するように取り付ける。さらに、ガス封入管116
や燃焼ガス供給装置119等は不可欠ではない。また、
加振装置は、他のタイプの加振装置であってもよい。
【0064】さらに、第一発明の実施例においては、ヒ
ータ114は不可欠ではない。
【0065】その他、いちいち例示することはしない
が、特許請求の範囲を逸脱することなく当業者の知識に
基づいて種々の変形,改良を施した態様で本発明を実施
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一ないし第発明の共通の実施例であるダイ
ヤフラム耐久試験装置の全体の概略を示す正面(一部断
面)図である。
【図2】上記耐久試験装置の平面図である。
【図3】上記耐久試験装置のダイヤフラム支持装置の要
部を示す拡大図である。
【図4】上記耐久試験装置の被試験体としてのダイヤフ
ラムの断面図である。
【図5】上記ダイヤフラムが組付けられた燃焼圧センサ
の断面図である。
【図6】上記耐久試験装置の加振装置の一部断面図であ
る。
【図7】上記耐久試験装置の制御装置のブロック図であ
る。
【図8】上記耐久試験装置において行った耐久試験の結
果を示す図である。
【図9】上記耐久試験装置において行った耐久試験の結
果を示す図である。
【図10】第一ないし第発明に共通の上記実施例とは
別の実施例のダイヤフラム耐久試験装置を示す正面(一
部断面)図である。
【図11】さらに別の実施例の耐久試験装置の平面図で
ある。
【図12】さらに別の実施例の耐久試験装置の平面図で
ある。
【図13】振動伝達部材による変位とダイヤフラムに加
わる荷重との関係を示す図である。
【図14】振動伝達部材の入力端(加振装置側の端)の
変位とダイヤフラムの変位との関係を示す図である。
【図15】従来のエンジン式耐久試験装置を示す概略図
である。
【図16】従来の油圧式耐久試験装置を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
12 加振装置 14,200 支持装置 22 圧子 82,202 フレーム 84,206 リテーナ 100 肉厚部 106 フランジ部 114 ヒータ 180 冷却板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀田 毅 愛知県名古屋市中区正木三丁目6番6号 株式会社高木製作所内 (72)発明者 伊藤 誠 愛知県名古屋市中区正木三丁目6番6号 株式会社高木製作所内 (56)参考文献 特開 昭59−216031(JP,A) 特開 昭56−10229(JP,A) 特開 昭63−145942(JP,A) 特開 昭58−151539(JP,A) 実開 昭58−42654(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01L 7/08 G01L 27/00 G01M 15/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイヤフラムを、それの受圧面以外の部
    分において支持する支持装置と、 加振装置と、 一端がその加振装置に連結され、他端が前記ダイヤフラ
    ムの受圧面に当接させられる振動伝達部材とを含む圧力
    センサ用ダイヤフラムの耐久試験装置であって、前記支持装置が保持孔を有するハウジングと、 前記ダイヤフラムを、前記保持孔の開口周辺に形成され
    た支持面に着座した状態に保つリテーナとを含むことを
    特徴とする圧力センサ用ダイヤフラムの耐久試験装置。
  2. 【請求項2】 前記支持装置の前記ダイヤフラムの近傍
    部にダイヤフラムを集中的に加熱する加熱装置を設ける
    とともに、前記振動伝達部材と前記加振装置との間に断
    熱装置を設けたことを特徴とする請求項1記載の圧力セ
    ンサ用ダイヤフラムの耐久試験装置。
  3. 【請求項3】 固定フレームと、 その固定フレームを支持する支柱と、 前記支柱に摺動可能、かつ、前記固定フレームに相対移
    動可能に設けられ、前記支持装置を保持する可動フレー
    ムと、 前記可動フレームの前記固定フレームに対する相対位置
    を調節可能な調節装置とを含む請求項1または2に記載
    の圧力センサ用ダイヤフラムの耐久試験装置。
  4. 【請求項4】 前記加振装置が、非振動部と前記振動伝
    達部材との間に設けられ、振動伝達部材を弾性的に支持
    することにより、前記ダイヤフラムの受圧面への初期当
    接力を付与するサスペンション装置を含む請求項1ない
    のいずれか1つに記載の圧力センサ用ダイヤフラム
    の耐久試験装置。
  5. 【請求項5】 前記サスペンション装置が、 エアシリンダと、 そのエアシリンダに供給されるエアを調節することによ
    って、前記振動伝達部材の前記ダイヤフラムの受圧面へ
    の初期当接力を調節する初期当接力調節装置とを含む請
    求項に記載の圧力センサ用ダイヤフラムの耐久試験装
    置。
  6. 【請求項6】 前記ダイヤフラムの振動の状態を検出す
    る検出装置を含む請求項1ないしのいずれか1つに記
    載の圧力センサ用ダイヤフラムの耐久試験装置。
  7. 【請求項7】 前記検出装置が、前記支持装置の振動の
    状態を検出することによって前記ダイヤフラムの振動の
    状態を検出するものである請求項に記載の圧力センサ
    用ダイヤフラムの耐久試験装置。
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