JP3152094B2 - セルフポンピングアブソーバ装着車両の荷重推定装置 - Google Patents

セルフポンピングアブソーバ装着車両の荷重推定装置

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JP3152094B2 JP1725395A JP1725395A JP3152094B2 JP 3152094 B2 JP3152094 B2 JP 3152094B2 JP 1725395 A JP1725395 A JP 1725395A JP 1725395 A JP1725395 A JP 1725395A JP 3152094 B2 JP3152094 B2 JP 3152094B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セルフポンピングアブ
ソーバ装着車両の荷重推定装置に係り、特に、セルフポ
ンピングアブソーバの内圧と、車高とに基づいて、車両
の荷重を検出するセルフポンピングアブソーバ装着車両
の荷重推定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両のサスペンションを構成
するショックアブソーバとして、例えば特開昭59−1
59441号公報に開示される如く、車両のバウンド・
リバウンド動作に伴うポンプ作用により、所定の車高が
実現されるまでアブソーバ内圧を上昇させて車高調整を
行うセルフポンピングアブソーバが知られている。
【0003】すなわち、ショックアブソーバは、作動流
体が充填されたシリンダ内に、その内部を摺動するピス
トンを備えている。そして、そのピストンの一方の側に
は、ピストンと車輪又は車体とを連結するピストンロッ
ドが固定されている。この際、ピストンの断面積をS,
ピストンロッドの断面積をsとすると、ピストンの一方
の側(ピストンロッドが固定されていない側)には受圧
面積“S”が形成され、他方の側には受圧面積“S−
s”が形成される。
【0004】従って、シリンダ内部の作動流体の圧力
(以下、アブソーバ内圧と称す)をPとすると、ピスト
ンには、ショックアブソーバを縮小させる向きに“P・
(S−s)”の力が、また、ショックアブソーバを延長
させる向きに“P・S”の力が作用することになる。こ
の場合、両者を合成すると、結局“P・s”の力がショ
ックアブソーバを延長させる向きに作用しており、その
力は、アブソーバ内圧Pを高めるほど大きな力となる。
【0005】これに対して、上記従来のセルフポンピン
グアブソーバの如く、車輪のバウンド・リバウンド動作
を利用して、所定の車高が実現されるまでアブソーバ内
圧Pを上昇させることとすれば、車高が所定車高に達す
るまで、ショックアブソーバを延長させる向きに作用す
る力“P・s”が車両の走行に伴って増加する。
【0006】このため、上述したセルフポンピングアブ
ソーバ装着車両においては、荷重の変動等に伴って一時
的に車高が変動しても、その後、車両が走行するに連れ
て適当な車高調整が行われることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、アブソーバ
内圧が変化しないショックアブソーバ、すなわち、ピス
トンに作用する伸び方向の力が変動しないショックアブ
ソーバを装着した車両においては積載荷重に応じて車高
が変化する。従って、かかる車両においては、車高に基
づいて積載荷重を推定することが可能である。
【0008】しかしながら、上記公報に開示される如き
セルフポンピングアブソーバを装着した車両において
は、荷重の軽重に因らず車高が一定高に調整されるた
め、車高のみに基づいて積載荷重を推定することが不可
能である。このため、セルフポンピングアブソーバを装
着する車両において積載荷重を検出する場合、従来は、
車輪にかかる荷重を荷重センサ等で検出する構成が一般
的であり、安価に実現することが困難であった。
【0009】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、セルフポンピングアブソーバのアブソーバ内圧
を推定し、アブソーバ内圧の推定値に応じた車高−荷重
特性に基づいて積載荷重の推定を行うことにより、車高
に基づいて、セルフポンピングアブソーバ装着車両の積
載荷重を精度良く推定し得る装置を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、車輪のバ
ウンド・リバウンド動作に伴うポンプ作用により、所定
の車高が実現されるまでアブソーバ内圧を上昇させて車
高調整を行うセルフポンピングアブソーバを装着した車
両の荷重を推定する装置であって、前記セルフポンピン
グアブソーバの内圧を推定するアブソーバ内圧推定手段
と、車高を検出する車高検出手段と、アブソーバ内圧の
推定値に対する車高−荷重特性と、前記車高検出手段の
検出値とに基づいて、車両の積載荷重を推定する荷重推
定手段と、を備えるセルフポンピングアブソーバ装着車
両の荷重推定装置により達成される。
【0011】
【作用】本発明において、前記セルフポンピングアブソ
ーバは、車両の走行中に、所定の車高が実現されるまで
アブソーバ内圧を上昇させて車高調整を行う。これに対
して、前記アブソーバ内圧推定手段は、アブソーバ内圧
を推定する。
【0012】ところで、セルフポンピングアブソーバの
アブソーバ内圧が既知であれば、そのアブソーバ内圧に
対して、車高−荷重特性を特定することができる。これ
に対して、前記荷重推定手段はそのように特定した車高
−荷重特性と、前記車高検出手段の検出値とに基づいて
車両の積載荷重を推定する。この場合、セルフポンピン
グアブソーバのアブソーバ内圧が変動するにも関わら
ず、車高のみに基づいて精度良く積載荷重が推定される
ことになる。
【0013】
【実施例】図1、及び図2は、それぞれ本発明の一実施
例であるセルフポンピングアブソーバ装着車両の荷重推
定装置(以下、単に荷重推定装置と称す)の全体構成
図、及びブロック構成図を示す。また、図3乃至図6
は、本実施例において左右後輪RL,RRを支持するサ
スペンションに用いられるセルフポンピングアブソーバ
10の構成を表す断面図を示す。
【0014】以下、荷重推定装置の全体構成を説明する
に先立って、図3乃至図6を参照してセルフポンピング
アブソーバ10の構成、及び動作について説明する。図
3に示す如く、セルフポンピングアブソーバ10が備え
るシリンダ本体12の上端には、車体連結用の連結部1
2aが、また、その下端開口部には、後述する中空ピス
トンロッド14を摺動自在にガイドする軸受部材16、
及び軸受部材16の脱落を防止する環状の固定部材17
が組み付けられている。
【0015】シリンダ本体12の内部には内部シリンダ
18が配設されている。この内部シリンダ18の内部に
は、その内壁に沿って摺動するピストン20と、このピ
ストン20が一端に固定された中空ピストンロッド14
と、ピストン20を貫通して上方から中空ピストンロッ
ド14内に挿入された中空ポンプロッド22が収納され
ている。ここで、中空ピストンロッド14の下端開口部
は、車輪を支持するアームに連結される連結部24によ
って閉塞されている。この結果、中空ピストンロッド1
4の内部には、作動流体が充填される低圧室26が形成
されている。
【0016】図4に示すように、シリンダ本体12の内
部、かつ内部シリンダ18の外部の空間は、筒状のイン
ナチューブ28により低圧調圧室30と高圧調圧室32
とに画成されている。尚、低圧調圧室30には、作動流
体と共に窒素ガス等の低圧ガスが封入されており、その
結果、低圧調圧室30内には、低圧ガス室30aと、低
圧流体室30bとが形成されている。
【0017】また、高圧調圧室32の内部には、更にそ
の空間を内周側と外周側とに隔成する筒上のダイヤフラ
ム33が配設されており、また、その外周側の空間には
窒素ガス等の高圧ガスが、内周側の空間には作動流体が
それぞれ封入されている。この結果、高圧調圧室32の
内部には、高圧ガス室32aと高圧流体室32bとが形
成されている。
【0018】ところで、上述したインナチューブ28と
内部シリンダ18との間には、全周に亘って間隙34が
形成されている。また、内部シリンダ18の上端部に
は、この間隙34と内部シリンダ18の内部空間とを連
通する貫通孔36が設けられている。
【0019】尚、内部シリンダ18の内部空間には作動
流体が充填されており、以下、その空間を作動流体室3
8と称す。この場合、上述した間隙34と貫通孔36と
は、高圧流体室32bと作動流体室38とを連通する通
路として機能し、その結果、作動流体室38の圧力は、
ほぼ高圧流体室32bの圧力、すなわち高圧ガス室32
aの圧力と等圧に維持されることになる。
【0020】作動流体室38は、ピストン20によって
更に上室38aと下室38bとに画成されている。ここ
で、図5及び図6に示す如く、ピストン20には、下動
する際に下室38bの作動流体を上室38aに導く小孔
20aと、上動する際に上室38aの作動流体を下室3
8bに導く小孔20bとが設けられている。
【0021】すなわち、ピストン20の下面側には小孔
20bを開閉するリーフバルブ20cが、また、ピスト
ン20の上面側には小孔20aを開閉するリーフバルブ
20dがそれぞれ設けられている。かかる構成によれ
ば、ピストン20が上動する際には下面側のリーフバル
ブ20cが開弁し、ピストン20が下動する際には上面
側のリーフバルブ20dが開弁し、その結果、上記の如
き作動流体の流れのみが許容されることになる。
【0022】ところで、中空ピストンロッド14の内部
には、上述の如く中空ポンプロッド22が挿入されてい
る。この中空ポンプロッド22は、図4に示す如く、中
空ピストンロッド14内に挿入される側の端部にポンプ
ピストン40を備え、他端がシリンダ本体11の上部内
面に固定され、かつ、その内部に軸方向に貫通する連通
路22aを有している。
【0023】ここで、連通路22aの上端は、低圧流体
室30b内に挿入されるパイプ42に連通されており、
また、その下端は、中空ピストンロッド18内に形成さ
れる低圧室26に開口している。従って、低圧流体室3
0b内の作動流体は、パイプ42及び連通路22aを通
って低圧室26に流入することができる。
【0024】図4に示す如く、中空ポンプロッド22と
中空ピストンロッド18との間には、ピストン20が上
動(圧縮方向に移動)する際に拡張され、また、ピスト
ン20が下動(伸び方向に移動)する際に縮小されるポ
ンプ室44が形成されている。
【0025】ここで、ポンプピストン40は、低圧室2
6とポンプ室44とを連通する吸込通路40aと、低圧
室22からポンプ室44へ向かう作動流体の流れのみを
許容するインレットバルブ40bとを備えている。更
に、ピストン20は、その上端部に、ポンプ室44と上
室38aとを連通する吐出通路20eと、ポンプ室44
から上室38aへ向かう作動流体の流れのみを許容する
アウトレットバルブ20fとを備えている。
【0026】従って、ピストン20が上動(圧縮方向に
移動)する過程では、ポンプ室44が拡張されるに伴っ
てインレットバルブ40bのみが開弁し、低圧室22の
作動流体がポンプ室44に吸い込まれて吸い込み行程が
実行される。また、ピストン20が下動(伸び方向に移
動)する過程では、ポンプ室44が縮小されるに伴って
アウトレットバルブ20fが開弁し、ポンプ室44の作
動流体を上室38aに吐出する吐出行程が実行される。
【0027】この際、インレットバルブ40bは、図4
に示す如く、中空ポンプロッド22に固定されたバネ受
け部材46の下端とポンプピストン40との間に介装さ
れたコイルバネ48によって閉弁方向に付勢されてい
る。従って、インレットバルブ40bが開弁するために
は、コイルバネ48の付勢力を超える開弁圧が必要であ
る。このため、インレットバルブ40bには、安定した
開弁特性が確保されている。
【0028】また、図5に示すように、中空ポンプロッ
ド22は、その内部に形成される連通路22aと外部空
間とを連通する連通孔22bを備えている。更に、中空
ポンプロッド22の外周には、ピストン20が伸び方向
に動作した際に中空ポンプロッド20に沿って摺動し、
連通孔6aを開閉する開閉弁50が配設されている。こ
こで、開閉弁50は、通常は上述したバネ受け部材46
(図4参照)の上端に介装されたコイルバネ52によ
り、中空ポンプロッド22の連通孔22bを閉弁する位
置に保持されている。
【0029】ところで、ピストン20が伸び方向(下
方)に変位すると、やがて開閉弁50の上端はピストン
20の下端に当接し、更にピストン20が伸び方向に変
位すると、開閉弁50はコイルバネ52の付勢力に抗っ
て図中下方に変位し、遂には、図6に示す如く、連通孔
22bがピストン20の上方に、すなわち上室38aに
開口した状態となる。
【0030】そして、このように連通孔22bが上室3
8aに開口した状態においては、上室38a内に充填さ
れていた作動流体が、連通孔22b、及び連通路22a
を介して低圧調圧室30(図4参照)に戻され、アブソ
ーバ内圧の低下が図られることになる。
【0031】尚、開閉弁50の鍔部50a、及び上述し
たバネ受け部材46には、作動流体の流通を許容するた
めの切欠又は小孔が設けられている。このため、ポンプ
室44に流入した作動流体は、開閉弁50やバネ受け部
材46によってその流れが阻害されずに上室38aへ吐
出される。
【0032】ところで、上述したセルフポンピングアブ
ソーバ10を装着した車両の走行中は、車輪の上下振動
が連結部24を介して中空ピストンロッド14に伝達さ
れる。この場合、ピストン20の上下動に伴って適当な
減衰力が中空ピストンロッド14に伝達されると共に、
ポンプ室44の容積変化に伴って低圧室26内の作動流
体が適宜上室38a、すなわち、作動流体室38内に吐
出される。従って、作動流体室38の内圧、すなわちア
ブソーバ内圧は、車両の走行中に徐々に上昇する。
【0033】これに対して、アブソーバ内圧が上昇する
と、ピストン20の上室38a側受圧面と下室38b側
受圧面積との差により、ピストン20には伸び方向への
推力が作用する。このため、車両の走行が続行される
と、ピストン20は徐々に伸び方向に変位し、遂には上
記図6に示すように、連通孔22bがピストン20の上
方に開口する状態に至る。この場合、以後、車両の走行
が続行しても、アブソーバ内圧が上昇することはなく車
高がほぼ一定に保たれることになる。
【0034】以下、図1及び図2を参照して、本実施例
の荷重装置の構成、及び動作について説明する。ここ
で、図1は、ワゴン車の後輪RL,RR用サスペンショ
ンのショックアブソーバとして、上述したセルフポンピ
ングアブソーバ10を用いた構成を例示したものであ
る。ワゴン車には、比較的大きな積載重量が設定されお
り、その後輪RL,RRの車輪荷重には大きな変動が生
ずるため、常に適正な車両姿勢を維持すべくかかる構成
としたものである。
【0035】図1に示す如く、後輪RL,RRの近傍に
は、それぞれ左後輪RLにおける車高、及び右後輪RR
における車高を検出する車高センサ60L,60R(以
下、これらを総称する場合は車高センサ60と記す)が
配設されている。また、前後左右のキャビン用ドア、及
びラッゲージコンパートメント用の背面ドアの近傍に
は、それらの開閉を検出するドアスイッチ62FL,6
2FR,62RL,62RR,62B(以下、これらを
総称する場合はドアスイッチ62と称す)が配設されて
いる。
【0036】そして、上述した車高センサ60、及びド
アスイッチ62は、図1及び図2に示す如く、内燃機関
(図示せず)の冷却水温を検出すべく配設された水温セ
ンサ64、内燃機関の吸入空気温を検出すべく配設され
た吸気温センサ66、及び内燃機関の運転時にオンとさ
れるイグニッションスイッチ(IGスイッチ)68と共
に、電子制御ユニット(ECU)70に接続されてい
る。
【0037】ECU70が、マイクロコンピュータを主
体に構成され、後述の処理を行うことで、車高センサ6
0の検出値に基づいて、精度良く車両の積載荷重を検出
する本実施例の要部である。以下、その処理内容につい
て説明する。図7は、セルフポンピングアブソーバ10
のアブソーバ内圧PがPn(n=0〜3)である場合の
車高Hrと荷重Wとの関係を表した車高−荷重特性図を
示す。ここで、車高Hrは、後輪RL,RR近傍に配設
した車高センサ60L,60Rが検出した値の平均値あ
り、荷重Wは左右の後輪RL,RRにかかる荷重の総荷
重である。
【0038】尚、同図において、一点鎖線で示す特性曲
線は、セルフポンピングアブソーバ10と共に左右後輪
RL,RRのサスペンションを構成すべく配設されるコ
イルスプリングが受け持つ分担荷重についての特性を表
したものである。図7に示す如く、異なるアブソーバ内
圧Pに対しては、異なる車高−荷重特性が示される。従
って、セルフポンピングアブソーバ10の如く、アブソ
ーバ内圧Pが所定の目標車高Hr1 を実現し得る圧力に
調整されるショックアブソーバを用いた場合、車高Hr
から直接的に荷重Wを推定することはできない。
【0039】しかしながら、例えばアブソーバ内圧Pの
初期値がP0 であることが明らかであれば、アブソーバ
内圧Pが昇圧される以前の車高−荷重特性を特定するこ
とは可能であり、仮にその際の車高Hrが図7に示す如
くHr0 であれば、同図に示す特性曲線を基に、その際
の荷重WがW0 であると推定できる。
【0040】また、上記の如く一旦荷重WがW0 である
と推定できれば、以後、車高Hrが目標車高Hr1 とな
った時点で、特性曲線が座標(Hr1 ,W0 )を通過す
ることに基づいて、アブソーバ内圧Pを図7に示すP2
の如く特定することができる。
【0041】そして、目標車高Hr1 時におけるアブソ
ーバ内圧PをP2 として特定できれば、以後、荷重Wが
変化した際に、セルフポンピングアブソーバ10におい
てアブソーバ内圧Pを変化させるポンピング作動が行わ
れる前に、荷重W変化後の車高Hr(図7におけるHr
2 )を検出すれば、アブソーバ内圧P2 に対する特性曲
線とその車高Hr2 とに基づいて、変化後の荷重Wを図
7に示す如くW1 と特定することができる。
【0042】つまり、セルフポンピングアブソーバ10
を装着する車両においても、何れかのタイミングでアブ
ソーバ内圧Pが特定できれば、その後、車高Hrのみに
基づいて精度良く荷重Wを推定することができる。とこ
ろで、本実施例において用いるセルフポンピングアブソ
ーバ10は、上記図6に示す如く連通孔22bがピスト
ン20の上部に開口することで上室38aの内圧を連通
路22a、乃至低圧室26等に開放する構成である。従
って、車両の停車後、ピストン20が縮小方向に変位
し、連通孔22bがピストン20に閉塞される状態とな
れば、その時点で車高の低下が止まるはずである。
【0043】しかしながら、中空ポンプロッド22とピ
ストン20とのシール性は、両者の摺動を許容する必要
等から必ずしも完全なものではない。このため、連通孔
22bがピストン20に閉塞される状態となった後も、
上室38aから連通孔22bへの作動流体の流通は継続
し、車両が比較的長期間停車した場合、上室38aの内
圧、すなわちアブソーバ内圧Pは、最終的に低圧調圧室
30(図3又は図4参照)と等圧のP0 (以下、P0
最低圧と称す)まで低下して安定する。このため、車両
が長期間停車した後であれば、アブソーバ内圧Pを最低
圧P0 と特定することができる。
【0044】また、車両が停車した後、アブソーバ内圧
Pが最低圧P0 まで低下する過程では、後述の如く、そ
の値Pを車高Hrから推定することができる。このた
め、車両の停車期間が比較的短い場合は、アブソーバ内
圧Pを車高Hrの関数として特定することができる。
【0045】このように、セルフポンピングアブソーバ
10のアブソーバ内圧Pは、車両の停車後に精度良く推
定することが可能である。従って、例えばIGスイッチ
68がオンとされた直後に、その時点におけるアブソー
バ内圧Pを特定することとすれば、以後上述した処理を
進めることで、車高Hrのみに基づいて荷重Wを推定す
ることができる。
【0046】図8及び図9は、かかる手法による荷重W
の推定を実現すべくECU70が実行する荷重推定ルー
チンの一例のフローチャートを示す。以下、これら図8
及び図9を参照して、ECU70が実行する処理の内容
について説明する。図8及び図9に示す荷重推定ルーチ
ンは、IGスイッチ68がオンとされることで起動さ
れ、その後所定時間毎に実行される定時割り込みルーチ
ンである。本ルーチンが起動すると、先ずステップ10
0で、車高Hr、冷却水温THW、吸気温THA等の各
パラメータ、及びドアスイッチ62の出力状態を読み込
む。
【0047】次に、ステップ102では、フラグFに
“1”がセットされているかを判別する。ここで、フラ
グFは、IGスイッチ69がオフからオンに変化した後
本ルーチンが始めて実行される際に“1”がセットされ
るフラグである。従って、今回が初回の処理時である場
合は、F=1が不成立であると判別され、以後ステップ
104が実行される。
【0048】ステップ104は、冷却水温THWと吸気
温THAとに基づいて、IGスイッチがオンとされる以
前の車両停車期間が比較的短期間であっかか否かを判別
するステップである。すなわち、車両の停車期間が比較
的短い場合は、内燃機関の温度が未だ暖かく、THWは
THAに比して十分に高温となるはずである。一方、停
車期間が十分に長い場合は、内燃機関が十分に冷却され
てTHWとTHAがほぼ等温となるはずである。そこ
で、本ルーチンでは、所定値αを用いて、THW>TH
A+αが成立するか否かに基づいて、車両の停車期間の
長短を判別することとしたものである。
【0049】ここで、所定値αは、車両が停車した後、
セルフポンピングアブソーバ10のアブソーバ内圧Pが
最低圧P0 まで低下するのに要する時間、及び、内燃機
関の運転停止後におけるTHWの冷却特性等を考慮して
定めた値であり、本実施例では5℃程度の値を用いてい
る。
【0050】従って、上述した判別の結果、THW>T
HA+αが成立する場合は、アブソーバ内圧Pが最低圧
0 に向けて低下している過程であると、一方、上記条
件が不成立である場合は、アブソーバ内圧Pが既に最低
圧P0 まで低下していると判断することができる。
【0051】このため、上記ステップ104の条件が成
立する場合は、以後ステップ106へ進み、下記(1)
式中車高Hrに上記ステップ100で読み込んだ車高H
rの初期値Hr0 を代入してアブソーバ内圧Pを推定
し、一方、上記ステップ104の条件が不成立である場
合は、以後ステップ108へ進んで最低圧P0 をアブソ
ーバ内圧Pとする。
【0052】 P=K*Pm*(Hr0 /Hm) ・・・(1) 但し、K ;定数 Pm;前回IGスイッチ68がオンからオフへと変化し
た際に記憶したアブソーバ内圧Pの値 Hm;前回IGスイッチ68がオンからオフへと変化し
た際に記憶した車高Hrの値 つまり、アブソーバ内圧Pは車両の停車後徐々に低下す
ることは前記した通りであるが、Pが低下すれば、セル
フポンピングアブソーバ10のピストン20に作用する
伸び方向の力が低下し、その結果車高Hrが低下する。
この場合、適当な定数Kを用いれば、アブソーバ内圧P
を車高Hrの関数として表すことができ、上記(1)式
にIGスイッチ68がオンとなった直後の車高Hrであ
るHr0を代入すれば、アブソーバ内圧Pの初期値が精
度良く求まることになる。
【0053】このようにしてアブソーバ内圧Pの初期値
を求めたら、次にステップ110へ進む。ステップ11
0では、予めメモリ内に記憶している複数のマップか
ら、初期値として設定したアブソーバ内圧Pに対応した
車高−荷重特性を特定し、その特性において車高Hr=
Hr0 となる荷重W0 を算出し、更に、そのW0 を荷重
Wの初期値として記憶する処理を行う。
【0054】以後、ステップ112でフラグFに“1”
をセットし、ステップ114でIGスイッチ68がオン
からオフへ切り替わったかを判別する。そして、IGス
イッチ68がオンのままであればステップ116で荷重
Wを出力した後、一方、IGスイッチ68がオフに切り
替わっている場合は、次回の処理時に備えて、ステップ
118で、その時点におけるアブソーバ内圧P、及び車
高Hrを、それぞれPm,Hmとして記憶して今回の処
理を終了する。
【0055】ところで、IGスイッチ68が引続きオン
であると、所定時間後に再び本ルーチンが起動される。
この場合、フラグFには既に“1”がセットされている
ため、ステップ102では条件成立が判別され、以後、
図9に示すステップ120が実行される。
【0056】ステップ120では、ドアスイッチ62の
出力状態に基づいて、キャビン用、又はラッゲージコン
パートメント用のドアが開けられていないかを検出す
る。その結果、何れのドアも開けられていないと判別さ
れた場合は、その後乗員の乗り降りや積荷の出し入れが
行われることはない、すなわち、車両の荷重Wが変化し
ないと判断することができる。
【0057】従って、上記ステップ120において、何
れのドアも開けられていないと判別された場合は、既に
特定した荷重W(現時点ではW0 )に変化がないものと
し、そのWに基づいて以後の処理を進めるべくステップ
122へ進む。ステップ122は、車速がほぼ“0”で
あるか否かを判別するステップである。ここで、車速が
ほぼ“0”であれば、車両には上下動がなく、その時点
で車高センサ60が検出した値は車両の定常的な車高H
rを表していることになる。
【0058】そこで、上記条件が成立する場合は、以後
ステップ124へ進み、車高センサ60の検出値が目標
車高Hr1 と同等であるか、すなわち車両の定常的な車
高Hrが既に目標車高Hr1 に到達しているかを判別す
る。ところで、セルフポンピングアブソーバ10につい
て、図7に示す如き車高−荷重マップが設定されている
場合、目標車高Hr1 が実現された際のアブソーバ内圧
Pは、荷重Wの関数として把握することができる。言い
換えれば、図7に示す如きマップが予め記憶されている
ECU70においては、車高Hrが目標車高Hr1 に到
達した際のアブソーバ内圧Pは、荷重Wに基づいて特定
することができる。
【0059】このため、上記ステップ124で車高Hr
がほぼ目標車高Hr1 に達していると判別された場合
は、以後、ステップ126に進み、図7に示す車高−荷
重マップを基に、既に特定されている荷重Wと目標車高
Hr1 とでアブソーバ内圧P(図7においてP2 )を特
定し、その値をアブソーバ内圧Pとして記憶した後、上
記ステップ114へ進む。
【0060】従って、ECU70が本ルーチンを実行す
る場合、IGスイッチ68がオンとされた後、先ず初期
荷重Wが特定され、その後車両が走行を開始すると、車
高Hrが目標車高Hr1 に到達した時点で、アブソーバ
内圧Pが特定されることになる。
【0061】一方、上記ステップ122において車速が
ほぼ“0”ではないと判別された場合、及び上記ステッ
プ124において車高Hrが目標車高Hr1 と同等では
ないと判別された場合は、その時点でアブソーバ内圧P
を特定すべきではないと判断し、何ら特別な処理を行う
ことなく上記ステップ114へ進む。
【0062】また、本実施例の荷重推定装置を搭載する
車両が停車し、かつ、何れかのドアが開けられた場合
は、上記ステップ120においてその状況が検出され、
以後ステップ128が実行される。尚、ステップ128
の処理が終了した後は、上記ステップ114以降の処理
を実行して今回のルーチンを終了する。
【0063】ステップ128は、上記の如く既に特定さ
れたアブソーバ内圧Pに対する車高−荷重特定を基に、
現実の車高Hrから、その車高Hrに対応する荷重Wを
算出し、その値を記憶するステップである。すなわち、
ドアが開けられた状況においては、乗員の乗り降り、積
荷の出し入れ等により車両の積載荷重が変動することが
考えられる。一方、セルフポンピングアブソーバ10の
アブソーバ内圧Pは、車両の積載荷重が変動しても、そ
れに連れて急激に変化することはない。
【0064】従って、例えばアブソーバ内圧Pが図7中
2 と特定されている場合において、荷重Wが図7中W
0 からW1 に減量された場合、その際の車高Hrは、ア
ブソーバ内圧P2 に対する車高−荷重特性に沿って変化
するはずであり、図7においては、Hr2 まで上昇する
と推定できる。
【0065】逆に、アブソーバ内圧PがP2 である場合
に、何れかのドアが開き(この場合車両は停車している
はずである)、その後車高Hrが図7に示すHr2 まで
上昇したとすれば、荷重WがW0 からW1 に減量された
と推定できる。そして、本ルーチンにおいては、全ての
ドアが閉じられるまで上記の処理が繰り返し実行されて
荷重Wが更新されるため、車両の走行中における荷重W
は、常に全てのドアが閉められる直前の荷重Wとなり、
実情に沿った荷重推定が実現されることになる。
【0066】このように、本実施例の荷重推定装置によ
れば、セルフポンピングアブソーバ10を装着した車両
の荷重を、荷重センサ等の高価なセンサを用いることな
く、実質的に車高センサ60の検出値のみに基づいて高
精度に推定することができる。この場合、荷重推定装置
が、安価に、かつ、組み付け作業性を損なうことなく実
現できるという利益が得られることになる。
【0067】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、アブソー
バ内圧を推定し、その推定値に基づいて適当な車高−荷
重特性を特定して積載荷重の推定を行うことから、セル
フポンピングアブソーバにおけるアブソーバ内圧が変動
するにも関わらず、車高情報のみに基づいて、常に精度
良く車両の積載荷重を推定することができる。
【0068】従って、本発明によれば、セルフポンピン
グアブソーバを装着車両の積載荷重を、精度良く推定し
得る装置を、荷重センサ等を用いることなく、安価に実
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるセルフポンピングアブ
ソーバ装着車両の荷重推定装置の全体構成を表す斜視図
である。
【図2】本実施例の荷重推定装置のブロック構成図であ
る。
【図3】本実施例に用いるセルフポンピングアブソーバ
の全体構成を表す断面図である。
【図4】本実施例に用いるセルフポンピングアブソーバ
の要部構成を表す要部断面図である。
【図5】本実施例に用いるセルフポンピングアブソーバ
の要部を拡大して表した要部拡大断面図(その1)であ
る。
【図6】本実施例に用いるセルフポンピングアブソーバ
の要部を拡大して表した要部拡大断面図(その2)であ
る。
【図7】本実施例に用いるセルフポンピングアブソーバ
の車高−荷重特性をアブソーバ内圧をパラメータとして
表したマップの一例である。
【図8】本実施例において実行される荷重推定ルーチン
の一例のフローチャート(その1)である。
【図9】本実施例において実行される荷重推定ルーチン
の一例のフローチャート(その2)である。
【符号の説明】
10 セルフポンピングアブソーバ 60(60L,60R) 車高センサ 62(62FL,62FR,62RL,62RR) ド
アスイッチ 64 水温センサ 66 吸気温センサ 68 イグニッションスイッチ(IGスイッチ) 70 電子制御ユニット(ECU)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01G 19/08 - 19/12 B60G 17/044 F16F 9/32

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪のバウンド・リバウンド動作に伴う
    ポンプ作用により、所定の車高が実現されるまでアブソ
    ーバ内圧を上昇させて車高調整を行うセルフポンピング
    アブソーバを装着した車両の荷重を推定する装置であっ
    て、 前記セルフポンピングアブソーバの内圧を推定するアブ
    ソーバ内圧推定手段と、 車高を検出する車高検出手段と、 アブソーバ内圧の推定値に対する車高−荷重特性と、前
    記車高検出手段の検出値とに基づいて、車両の積載荷重
    を推定する荷重推定手段と、 を備えることを特徴とするセルフポンピングアブソーバ
    装着車両の荷重推定装置。
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