JP3151982B2 - ホスホエノールピルビン酸の製造方法 - Google Patents
ホスホエノールピルビン酸の製造方法Info
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- JP3151982B2 JP3151982B2 JP34963392A JP34963392A JP3151982B2 JP 3151982 B2 JP3151982 B2 JP 3151982B2 JP 34963392 A JP34963392 A JP 34963392A JP 34963392 A JP34963392 A JP 34963392A JP 3151982 B2 JP3151982 B2 JP 3151982B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酵母の生産する炭素源
資化酵素系を用いて炭素源よりホスホエノールピルビン
酸を生成蓄積せしめ採取する方法に関する。
資化酵素系を用いて炭素源よりホスホエノールピルビン
酸を生成蓄積せしめ採取する方法に関する。
【0002】ホスホエノールピルビン酸(以下PEPと
略す)は高エネルギーリン酸化合物であり、アデノシン
三リン酸(ATP)の再生系には必須かつ重要な化合物
である。
略す)は高エネルギーリン酸化合物であり、アデノシン
三リン酸(ATP)の再生系には必須かつ重要な化合物
である。
【0003】
【従来の技術】PEPの化学合成は古くから公知(Ch
em.Pev.,Vol.61,607(1961))
であり、生化学的手段によりPEPを生成させる方法と
しては、デバリオマイセス(Debaryomyce
s)属の乾燥菌体を用いる方法(J.Ferment.
Technol.,Vol.65,225(198
7))が知られている。
em.Pev.,Vol.61,607(1961))
であり、生化学的手段によりPEPを生成させる方法と
しては、デバリオマイセス(Debaryomyce
s)属の乾燥菌体を用いる方法(J.Ferment.
Technol.,Vol.65,225(198
7))が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、化学合
成は収率、収量が低く、また乾燥菌体による酵素法は、
乾燥菌体調整など、操作が煩雑であるという問題があっ
た。
成は収率、収量が低く、また乾燥菌体による酵素法は、
乾燥菌体調整など、操作が煩雑であるという問題があっ
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、収率、収
量が高くかつ操作が簡便なPEPの製造方法について鋭
意検討した結果、以下の本発明に到達した。
量が高くかつ操作が簡便なPEPの製造方法について鋭
意検討した結果、以下の本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明は、サッカロミセス(S
accharomyces)属、ハンゼヌラ(Hans
enula)属、ピキア(Pichia)属、キャンデ
ィダ(Candida)属またはトルロプシス(Tor
ulopsis)属に属する酵母の培養物を用いて、前
記酵母の資化し得る炭素源よりホスホエノールピルビン
酸を生成蓄積せしめ、これを単離採取することを特徴と
するホスホエノールピルビン酸の製造方法である。
accharomyces)属、ハンゼヌラ(Hans
enula)属、ピキア(Pichia)属、キャンデ
ィダ(Candida)属またはトルロプシス(Tor
ulopsis)属に属する酵母の培養物を用いて、前
記酵母の資化し得る炭素源よりホスホエノールピルビン
酸を生成蓄積せしめ、これを単離採取することを特徴と
するホスホエノールピルビン酸の製造方法である。
【0007】本発明において使用され得る酵母として
は、サッカロミセス属、ハンゼヌラ属、ピキア属、トル
ロプシス属、キャンディダ属に属する酵母であれば、い
かなるものも使用できる。このうち、各種炭素源資化能
力の高いものが好ましく使用できる。好ましい酵母の具
体例としては、たとえば、サッカロミセス・セレビシェ
Saccharomyces cerevisie(I
FO 0213、0538、1950)、サッカロミセ
ス・クルイベリ Saccharomyceskluy
veri(IFO 1982)、ハンゼヌラ・グルコザ
イマ Hansenula glucozyma(IF
O 1472)、ピキア・パストリスPichia p
astoris(IFO 0948)、キャンディダ・
メタノリカ Candida methanolica
(ATCC 26175)、キャンディダ・リポリティ
カ Candida lipolytica(IFO0
717)、トルロプシス・ピナス Torulopsi
s pinus(IFO 0741)、トルロプシス・
グラブラータ Torulopsis glabrat
a(IFO 0622)などが挙げられる。
は、サッカロミセス属、ハンゼヌラ属、ピキア属、トル
ロプシス属、キャンディダ属に属する酵母であれば、い
かなるものも使用できる。このうち、各種炭素源資化能
力の高いものが好ましく使用できる。好ましい酵母の具
体例としては、たとえば、サッカロミセス・セレビシェ
Saccharomyces cerevisie(I
FO 0213、0538、1950)、サッカロミセ
ス・クルイベリ Saccharomyceskluy
veri(IFO 1982)、ハンゼヌラ・グルコザ
イマ Hansenula glucozyma(IF
O 1472)、ピキア・パストリスPichia p
astoris(IFO 0948)、キャンディダ・
メタノリカ Candida methanolica
(ATCC 26175)、キャンディダ・リポリティ
カ Candida lipolytica(IFO0
717)、トルロプシス・ピナス Torulopsi
s pinus(IFO 0741)、トルロプシス・
グラブラータ Torulopsis glabrat
a(IFO 0622)などが挙げられる。
【0008】本発明においては、酵母の培養物を用い
る。培養物は上記酵母を適当な栄養培地に培養すること
によって調整できる。これらの酵母を培養するための培
地としては、通常の天然あるいは合成培地が用いられる
が、好ましくはアミノ酸を適当に含んだ天然培地が良好
に用いられる。
る。培養物は上記酵母を適当な栄養培地に培養すること
によって調整できる。これらの酵母を培養するための培
地としては、通常の天然あるいは合成培地が用いられる
が、好ましくはアミノ酸を適当に含んだ天然培地が良好
に用いられる。
【0009】本発明で用いる酵母の培養物の形態は任意
であり、酵母の培養した培養物そのもの、培養された生
菌体、真空乾燥菌体、凍結乾燥菌体、有機溶媒による乾
燥菌体などの乾燥菌体、処理菌体などが本発明の範囲に
含まれる。このうち、工業的には酵母を栄養培地に培養
した培養物そのものが有利に用いられる。
であり、酵母の培養した培養物そのもの、培養された生
菌体、真空乾燥菌体、凍結乾燥菌体、有機溶媒による乾
燥菌体などの乾燥菌体、処理菌体などが本発明の範囲に
含まれる。このうち、工業的には酵母を栄養培地に培養
した培養物そのものが有利に用いられる。
【0010】ピルビン酸生成原料である炭素源として
は、本発明で使用する酵母が資化し得るものであればい
かなるものでもよい。好ましい炭素源の具体例として
は、グルコース、フラクトース、シュクロース、マンノ
ース、マンニトール、キシロース、ガラクトース、糖
蜜、ソルビトール、グリセリンなどの糖もしくは糖アル
コール、酢酸、クエン酸、乳酸などの有機酸、メタノー
ル、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、そ
の他炭化水素などを挙げることができる。糖もしくは糖
アルコールを用いることにより、より好ましい結果を得
ることができる。
は、本発明で使用する酵母が資化し得るものであればい
かなるものでもよい。好ましい炭素源の具体例として
は、グルコース、フラクトース、シュクロース、マンノ
ース、マンニトール、キシロース、ガラクトース、糖
蜜、ソルビトール、グリセリンなどの糖もしくは糖アル
コール、酢酸、クエン酸、乳酸などの有機酸、メタノー
ル、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、そ
の他炭化水素などを挙げることができる。糖もしくは糖
アルコールを用いることにより、より好ましい結果を得
ることができる。
【0011】本発明で使用する酵母の培養物の量は、乾
燥菌体濃度に換算して1〜50g/lが好ましく、より
好ましくは5〜20g/lの範囲である。
燥菌体濃度に換算して1〜50g/lが好ましく、より
好ましくは5〜20g/lの範囲である。
【0012】また、生成蓄積系中の酵素反応はATP、
マグネシウムイオン、カリウムイオンおよびリン酸を必
要とするものが多く、ATPが0.1mM〜15mM、
好ましくは1mM〜5mMであり、MgSO4 ・7H2
Oが0.01〜0.2%、好ましくは0.02〜0.1
%であり、KH2 PO4 が3〜14%、好ましくは6〜
13%の濃度で用いられるのが通常である。
マグネシウムイオン、カリウムイオンおよびリン酸を必
要とするものが多く、ATPが0.1mM〜15mM、
好ましくは1mM〜5mMであり、MgSO4 ・7H2
Oが0.01〜0.2%、好ましくは0.02〜0.1
%であり、KH2 PO4 が3〜14%、好ましくは6〜
13%の濃度で用いられるのが通常である。
【0013】生成蓄積反応中は有機酸の生成に伴ってp
Hの低下が生じるので、炭酸カルシウムまたは苛性カリ
などのアルカリで通常pH5〜10、好ましくは7〜9
に調節することがホスホエノールピルビン酸生産のため
には有効である。
Hの低下が生じるので、炭酸カルシウムまたは苛性カリ
などのアルカリで通常pH5〜10、好ましくは7〜9
に調節することがホスホエノールピルビン酸生産のため
には有効である。
【0014】反応中の温度は20〜37℃、好ましくは
25〜32℃が適当である。
25〜32℃が適当である。
【0015】反応終了後、生成蓄積系中に生成蓄積した
ホスホエノールピルビン酸は逆浸透膜などを使い、ホス
ホエノールピルビン酸とリン酸を分離し、水酸化アルカ
リを加え、ホスホエノールピルビン酸のアルカリ金属塩
水溶液とし、濃縮・晶析により単離できる。
ホスホエノールピルビン酸は逆浸透膜などを使い、ホス
ホエノールピルビン酸とリン酸を分離し、水酸化アルカ
リを加え、ホスホエノールピルビン酸のアルカリ金属塩
水溶液とし、濃縮・晶析により単離できる。
【0016】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明する。
【0017】実施例において生成したピルビン酸の確認
と定量は、高速液体クロマトグラフィー、ピルベートキ
ナーゼと乳酸デヒドロゲナーゼを用いる酵素法などによ
り行った。以下の分析結果については上記両分析法とも
よく合致しており、同じ分析数値を示した。
と定量は、高速液体クロマトグラフィー、ピルベートキ
ナーゼと乳酸デヒドロゲナーゼを用いる酵素法などによ
り行った。以下の分析結果については上記両分析法とも
よく合致しており、同じ分析数値を示した。
【0018】実施例1 表1に示した各種酵母を、グリコース0.5%、KH2
PO4 0.2%、MgSO4 ・7H2 O0.05%、ペ
プトン1.0%、酵母エキス0.1%、pH6.0から
なる倍地100mlを500ml容振盪フラスコに分注滅菌
後、1白金植菌し、24時間、30℃で振盪培養した。
PO4 0.2%、MgSO4 ・7H2 O0.05%、ペ
プトン1.0%、酵母エキス0.1%、pH6.0から
なる倍地100mlを500ml容振盪フラスコに分注滅菌
後、1白金植菌し、24時間、30℃で振盪培養した。
【0019】培養終了後遠心分離して集菌し、これをグ
ルコース1%、KH2 PO4 9%、MgSO4 ・7H2
O0.05%、ATP5mMを含有する反応液60ml
(KOH水溶液でpHを7.5に調整)に添加し、30
℃で30時間反応した。
ルコース1%、KH2 PO4 9%、MgSO4 ・7H2
O0.05%、ATP5mMを含有する反応液60ml
(KOH水溶液でpHを7.5に調整)に添加し、30
℃で30時間反応した。
【0020】各反応液中に生成したホスホエノールピル
ビン酸は、表1のとおりであった。
ビン酸は、表1のとおりであった。
【表1】
【0021】実施例2 実施例1で用いた反応液の炭素源を表2に示す炭素源に
おきかえ、表2に示す菌株を用いて培養した結果を表2
に示す。
おきかえ、表2に示す菌株を用いて培養した結果を表2
に示す。
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、酵母の生産する炭素源
資化酵素系を用いて、炭素源よりホスホエノールピルビ
ン酸を温和な条件下で煩雑な操作を要することなく製造
することができる。
資化酵素系を用いて、炭素源よりホスホエノールピルビ
ン酸を温和な条件下で煩雑な操作を要することなく製造
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI (C12P 9/00 C12R 1:78) (C12P 9/00 C12R 1:84) (C12P 9/00 C12R 1:72) (C12P 9/00 C12R 1:73) (C12P 9/00 C12R 1:88)
Claims (1)
- 【請求項1】 サッカロミセス(Saccharomy
ces)属、ハンゼヌラ(Hansenula)属、ピ
キア(Pichia)属、キャンディダ(Candid
a)属またはトルロプシス(Torulopsis)属
に属する酵母の培養物を用いて、前記酵母の資化し得る
炭素源よりホスホエノールピルビン酸を生成蓄積せし
め、これを単離採取することを特徴とするホスホエノー
ルピルビン酸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34963392A JP3151982B2 (ja) | 1992-12-28 | 1992-12-28 | ホスホエノールピルビン酸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34963392A JP3151982B2 (ja) | 1992-12-28 | 1992-12-28 | ホスホエノールピルビン酸の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06197778A JPH06197778A (ja) | 1994-07-19 |
JP3151982B2 true JP3151982B2 (ja) | 2001-04-03 |
Family
ID=18405059
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34963392A Expired - Fee Related JP3151982B2 (ja) | 1992-12-28 | 1992-12-28 | ホスホエノールピルビン酸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3151982B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1081230A2 (en) | 1999-08-30 | 2001-03-07 | Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. | Process for producing N-acetyl-neuraminic acid |
-
1992
- 1992-12-28 JP JP34963392A patent/JP3151982B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1081230A2 (en) | 1999-08-30 | 2001-03-07 | Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. | Process for producing N-acetyl-neuraminic acid |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06197778A (ja) | 1994-07-19 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |