JP3151641B2 - 電気炉を用いる、炭化水素の熱分解方法 - Google Patents

電気炉を用いる、炭化水素の熱分解方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気炉を用いた炭化水
素の熱分解方法に関する。この方法は特に、軽質オレフ
ィン、より詳しくはエチレンおよびプロピレンの製造の
ためのものである。
【0002】
【従来技術および解決すべき課題】多くの特許が、これ
らの方法およびこれらの方法の実施のための反応器につ
いて記載している。特に、本出願人名での特許US-A-4,7
80,196を挙げることができる。これは、セラミック材料
製の多管反応器において実施される、水蒸気の存在下に
おける熱分解方法、いわゆる蒸気分解方法について記載
している。この方法は、エチレンおよびプロピレンの良
好な収率を生じる。しかしながら、この反応器の設計は
難しい。これの製作に用いられるセラミックは、比較的
高価なセラミックであり、反応帯域の全長にわたって一
定の温度を維持するのは難しい。このことがこの方法に
不利な条件を与える。
【0003】先行技術は特に、特許EP-A-323,287、EP-A
-457,643、FR-A-1,305,287およびUS-A-1,407,339によっ
て例証されている。
【0004】熱分解、特に炭化水素の蒸気分解の実施に
おいてぶつかる最も大きな問題の1つは、コークスの形
成と関連する。この形成は、大部分、副反応例えば縮合
多環式芳香族炭化水素の形成、および形成されたオレフ
ィンの重合による。この重合反応は、温度が500 ℃〜60
0 ℃程度である時、重合されるオレフィンが示す傾向か
ら生じる。同様に、この副反応の大きさを減らすため
に、反応流出物の急速な冷却(多くの場合急冷と呼ばれ
るもの)を行なって、これらを迅速に、一般に間接熱交
換器によって、熱分解が行われる温度から、約500 ℃以
下の温度にせざるをえない。
【0005】従って炭化水素の熱分解反応の熱力学的お
よび動力学的研究では、オレフィンの製造の方へ反応の
選択性を増加させるために、下記パラメータに働きかけ
ることになる: −一定の仕込原料についての最適熱分解温度までの、仕
込原料の温度の迅速な上昇、および反応帯域内でのこの
温度の可能なかぎりの一定維持、 −反応部分における仕込原料の滞留時間の短縮、 −炭化水素仕込原料の分圧の減少、 −反応流出物の迅速かつ効率的な急冷。
【0006】従って反応生成物と、反応器の熱い壁との
接触時間を最少限にすることは、特に重要である。
【0007】技術面において、これらの絶対要件は、下
記からなる方法の一般図式を急速に生じることになっ
た: (a) 場合によっては水蒸気によって希釈された仕込原料
の予備加熱、 (b) この熱分解段階中に、炭化水素の滞留時間を制限す
るために、管状炉において、この仕込原料または仕込原
料−水蒸気混合物の高温での加熱、 (c) 反応流出物の急冷。
【0008】熱分解炉、特に蒸気分解炉の発達は、主と
して、最短の滞留時間を得て、圧力減少(perte de char
ge) を減らすことを中心としたものであった。このこと
によって、建造者は管状反応器の長さを減少させ、従っ
て熱フラックスの密度を増すことになった。
【0009】この最後のファクターの増加は、主として
管状反応器の表面温度を増すことによって、および/ま
たは管の直径を減少させることによって実施できる(こ
のことによって、s/v比を増すことができる。sは熱
交換表面積であり、vは反応容積である)。
【0010】ますます高くなる温度に耐性がある特殊合
金に対して、金属学においてなされた進歩(例えばINCO
LOY 800H、HK 40 、HP 40 )によって、特に蒸気分解用
の熱分解炉の建造者は、これらの管状炉の作動温度を高
めることができた。金属学の現在の限界は、約1,300 ℃
付近に位置する。
【0011】さらに、技術はまた、満足すべき能力を維
持するために、かつ適切な圧力減少の範囲にとどまるた
めに、平行に配置された、直径がより小さい管を使用す
る方向に発展してきた。
【0012】同様に複数の熱分解炉モデルも提案され
た。これらはすべて、直径が漸増する管状反応器を用い
るか、あるいはある長さの反応帯域の後で、少なくとも
2つの熱分解管を1つにまとめることによって、熱フラ
ックスの密度を、熱分解管の始まりのあたりで増加さ
せ、その後の密度を減らす傾向がある(例えば"Chemica
lEngineering Progress" 、1983年、12月、50〜55ペー
ジで公開されたF. WALL の論文参照)。同様に、s/v
比を増す傾向がある非円筒状の管状炉についても記載さ
れている。このようにして、特許US-A-3,572,999は、卵
型断面を有する管の使用について記載しており、特許US
-A-3,964,873は、断面がダンベル型の管の使用について
記載している。
【0013】熱分解反応器、特に蒸気分解反応器の技術
はこのようにして、長さ約100 メートル(m)、内径90
〜140 ミリメートル(mm)程度の水平管の使用から、長
さ約40m、直径60 mm で、滞留時間0.3 〜0.4 秒(s) 程
度で作動する、垂直に吊り下げられた管の従来の技術ま
で発達してきた。また最後に、PULLMAN-KELLOGによって
提案されたいわゆるミリ秒技術であって(特許US-A-3,6
71,198)、長さ約10m、内径25〜35 mm の垂直かつまっ
すぐな管を用いるものもある。これらの管は、1,100 ℃
程度の温度にされる(最も多くの場合、金属の使用限度
の温度に非常に近い温度)。仕込原料の滞留時間は、こ
の型の炉においては、0.07s程度である。観察される圧
力減少は、0.9 〜1.8 バール程度であり(1バールは0.
1 メガパスカルである)、熱交換表面積(s) の、反応容
積(v) に対する計算は、120 m-1程度の値を生じる。
【0014】本発明の目的の1つは、前記欠点を解消す
ることである。達成しようとする目標、および先行技術
によって提起された問題に応える目標は、主として下記
のものである: −特に熱い表面、例えば抵抗器を取り囲むケースの壁上
へのコークスの形成を最大限に制限すること; −抵抗器の空間内のガスとして、好ましくはプロセス空
間内を流れるガス混合物中に既に存在しているガスを含
むガスまたはガス混合物を用いること、このことによっ
て、気密性がそれほど大きくなくてもよいケースを用い
ることができる; −少なくとも2個の炭素原子を有する少なくとも1つの
炭化水素、または少なくとも2つの炭化水素を含む炭化
水素混合物であって、これらの炭化水素のうちの少なく
とも1つが、少なくとも2個の炭素原子を有するもので
ある炭化水素混合物を含む気体混合物と、この混合物と
接触している熱い表面間の熱交換を改善すること; −装置の信頼性を増すこと; −既存方法に対して、エチレンおよびプロピレン収率を
増すこと。
【0015】本発明は、先行技術による実施に比して顕
著な改善をもたらす実施、例えば投資のレベルでもエネ
ルギー物資(utilites)のレベルでも、より容易で、より
柔軟、より良く制御され、かつコストが安い実施のため
の方法および装置を提案している。この使用の柔軟性
は、熱フラックス、従ってプロセスガスの温度プロフィ
ールを望みどおりに調節することができる電気の使用と
関連している。
【0016】
【課題を解決するための手段】より詳しくは、本発明
は、加熱帯域と、この加熱帯域に続く冷却帯域とを備え
る、一方向(軸)に沿って細長い形状をした反応帯域に
おける、炭化水素の熱分解方法であって、少なくとも2
個の炭素原子を有する少なくとも1つの炭化水素を含む
気体混合物を、加熱帯域において、反応帯域の方向
(軸)に対して実質的に平行な流れ方向に沿って流し、
前記加熱帯域は、横断面に見て、三角形、正方形、また
は長方形状のピッチの束を形成する、実質的に互いに平
行な層状に配列された複数の電気加熱手段を備え、前記
加熱手段は、反応帯域の方向(軸)に対して実質的に垂
直な連続横断区分によって再編成されており、これらの
区分は、加熱帯域に少なくとも2つの部分を画定するよ
うに、互いに独立し、かつ電気エネルギーが供給される
ものであり、この第一部分によって、仕込原料を、高く
とも約1,300 ℃の温度まですることができ、第一部分に
次ぐ第二部分によって、仕込原料を、これが前記第一部
分においてなされた最大の温度に実質的に等しい温度に
維持することができる方法であり、かつ、加熱帯域の流
出物を冷却し、ついで反応帯域の端部で形成された生成
物を回収する方法において、電気加熱手段が、少なくと
も1つの炭化水素を含む気体混合物との直接接触から、
ケースガス(gaz de gaine)または気密ガスと呼ばれるガ
ス(G) が導入されるケース(gaines)によって隔離され、
前記ケースは適切な透過性を有しており、このガスは、
少なくともいくつかの点において、前記ケースの内部か
ら前記ケースの外部の方へ、このガス(G) の少なくとも
一部の拡散があるような圧力で、前記ケースの内部に導
入され、このガス(G) はこの際前記気体混合物中に希釈
されうることを特徴とする方法に関する。
【0017】この方法の実施において、反応器の内部
に、2つの空間が画定される: −一方で、少なくとも2個の炭素原子を有する少なくと
も1つの炭化水素を含む気体混合物が流れる、抵抗器を
保護しているケースの外部の反応空間またはプロセス空
間; −他方で、ガス(G) が導入される、いわゆる抵抗器と隔
離ケースとの間の容積によって形成される抵抗器の空
間。
【0018】反応空間内を流れる気体混合物はまた、20
容量%までのメタンを含んでいてもよい。この混合物は
好ましくは10容量%以下のメタンを含むものとする。
【0019】本発明の熱分解方法は特に、エタン、また
はエタンを含む炭化水素混合物の、水素の存在下におけ
る熱分解に適用される。
【0020】本発明の熱分解方法において、反応空間を
流れる気体混合物は、さらに水蒸気を含んでいてもよ
い。この水蒸気を含んでいる場合に、熱分解方法は、通
常、蒸気分解という用語で記載される。本発明の方法の
以下の記載は、この場合と関連してなされる。
【0021】加熱帯域は、電気エネルギーの補給によっ
て、加熱手段、例えば電気抵抗器を通って加熱される。
これらの抵抗器においてジュール効果によって発生した
熱は、主として放射によって、接合的ではなく、抵抗器
の周りに配置されたケースに伝達される。これらのケー
スは、通常、必要とされる温度、および媒質の還元およ
び/または酸化雰囲気に耐性がある、セラミック材料ま
たはその他のあらゆる耐火性材料、例えばKANTHAL SA社
のいくつかの新規金属合金、例えばKANTHAL AF、または
KANTHAL APM 製である。ケースの軸に対して実質的に垂
直に加熱帯域内を流れる少なくとも1つの炭化水素を含
む気体混合物は、主として対流および放射によって加熱
される。
【0022】少なくとも2個の炭素原子を有する炭化水
素の蒸気分解は、非常に吸熱的な反応であり、800 〜1,
300 ℃程度の高い温度レベルにおいて、非常に大きな熱
フラックス密度を得る必要がある。最大限の熱補給は、
分解吸熱反応および脱水素反応が実施される帯域で行な
われる必要がある。さらに、形成される物質、エチレン
および/またはプロピレンの反応性を考慮に入れると、
制御された接触時間を比較的短くし、ついで急冷を行な
って、「正方形」型の温度プロフィールを得、かつコー
クスの多量すぎる形成を避けるようにする必要がある。
【0023】熱交換は、非常に吸熱的なこの型の反応の
ためのキー要素の1つである。ここにおいては、非常に
多量なエネルギーを、抵抗器から、以下プロセスガスと
呼ばれる、少なくとも2個の炭素原子を有する少なくと
も1つの炭化水素を含む気体混合物の方へ伝達する必要
がある。本発明において用いられるモデルに従って建造
された熱分解炉において、熱交換に対して本出願人が実
施した予備研究の間に、抵抗器からケースの方への熱交
換は、主として放射熱交換であることに気がついたが、
それに対してケースとプロセスガスとの間の放射熱交換
は少ししかない。実際、このガスは通常主として、炭化
水素−水混合物、すなわちケースから発せられる放射線
をほとんど吸収しない混合物からなる。従ってプロセス
ガスとケースとの熱伝達は、本発明において考えられて
いるケースでは、主として対流による伝達である。この
ような場合、熱交換の質は、利用しうる熱交換表面積、
および表面積/容積比と直接関連している。
【0024】従って熱交換表面積が比較的小さいなら
ば、予め選ばれた転換率に対応するプロセスガスの一定
の温度を得るには、この表面積が小さければ小さいほど
大きな割合で、ケースの温度を上昇させる必要があるで
あろう。このことは、コークスの形成リスクが増すこ
と、およびまた抵抗器の温度を増す必要があることをも
意味する。これはこれらの抵抗器のより急速な老化を引
起こす。あるいは予め選ばれた転換率が非常に高いなら
ば、伝達されるエネルギーの量が非常に大きくなり、抵
抗器の劣化のリスクが非常に大巾に増す。
【0025】壁が熱交換に非常に大巾に関与している。
これは、壁がケースから発せられた放射線を吸収するこ
とができ、その結果ケースおよび壁の温度は、平衡する
傾向があるからである。従って熱交換表面積を顕著に増
加させることができ、下記のように装置の設計を変える
ことによって、これをほぼ2倍にすることができる:当
初の設計において、抵抗器を保護し、かつプロセスガス
への熱伝達を可能にするケースが、好ましくは五点形に
配置されていたのに、本発明の好ましい実施態様に従え
ば、これらは一列に並べられるであろう。このことによ
って、長さの方向にn列またはm個の層の抵抗器を構成
することができ(n×mの抵抗器の総数について)、従
って各々加熱要素の少なくとも1つの層、多くの場合複
数の層を備える、少なくとも1つの縦長の帯域、最も多
くの場合少なくとも2つの縦長の帯域を形成するものと
する。各帯域は耐火性材料製の壁によって次の帯域と分
離されている。放射によって、これらの壁の温度が上昇
し、抵抗器を取り囲むケースの値と同じ値に達する傾向
がある。従ってこれらの壁はまた、プロセスガスの対流
によって加熱にも関与する。このようにして、この実施
態様においては、熱交換表面積が顕著に増すので、ケー
スおよび壁の比較的より低い温度とともに、同じプロセ
スガスの温度を得ることができよう。その結果これによ
って、コークス形成の減少が可能になる。この明細書に
おいて、加熱要素という用語は、保護ケースと、前記ケ
ースの内部の少なくとも1つの抵抗器とからなる全体を
示す。
【0026】本発明の特別な実施態様において、各帯域
は、ただ1つの加熱要素層を含むものとする。
【0027】これら2つの実施態様によれば、プロセス
ガスと壁との対流熱交換は、大巾に増加し、これらは、
大きな速度のプロセスガスに対して行なうことによっ
て、かつ乱流帯域を作り出すことによってさらに改善さ
れることもある。プロセスガスの速度の増加は、例えば
この速度増加および乱流帯域の出現を促進する形状を有
する壁を用いることによって達成できる。特別な形状の
壁は、図3に、非限定的に示されている。
【0028】壁は通常、耐火性材料でできている。これ
らの壁を作るためには、あらゆる耐火性材料を用いう
る。非限定的な例として、ジルコニア、炭化ケイ素、ム
ライト、および種々の耐火コンクリートが挙げられる。
【0029】ガスの組成が壁の両側でほぼ同一であるの
で、壁のレベルで気密性を得る必要はまったくない以
上、この実施は炉のコストのわずかな増加しか引き起こ
さない。実際一方で、特別に厚い壁を備える必要も、特
に複雑な実施も不要であり、他方、炉の全体の大きさは
ほとんど増加しない。これはこの炉の幅の主な部分は、
ケースの幅によるものであるからである。例えばケース
は、50 mm 程度の値の壁の厚みに対して、150 mm程度の
幅があってもよい。これは、炉の全体の幅の30%程度の
増加しか引起こさない。
【0030】壁を備えるこの実施のその他の利点は、炉
のより簡単な製作が可能であることであり、垂直な壁に
よって、対流による熱伝達の改善の外に、炉のクラウン
を支えることができる。
【0031】さらに各壁は、壁の両側に位置する縦長の
帯域における圧力を均衡させることができる少なくとも
1つの手段を備えることが好ましい。圧力を均衡させる
ことができる、単純であるが効率的な手段の例として、
1つまたは複数の穿孔を備える帯域、または多孔質帯域
を作ることが挙げられる。
【0032】本発明の特徴の1つによれば、加熱帯域に
熱を供給する電気抵抗器は、個別に、あるいは横断列に
より、あるいはさらには小さなグループごとに、独立し
てエネルギーが供給されて、加熱帯域に沿って、加熱区
域を画定するようにし、従ってこの帯域全長にわたって
供給されるエネルギーの量を変調できるようにする。
【0033】加熱帯域は、通常、2〜20個の加熱区域、
好ましくは5〜12個の区域からなる。この帯域の第一部
分において、予め約600 ℃に加熱された、少なくとも1
つの炭化水素を含む気体混合物は、通常、高くとも約1,
300 ℃の温度、有利には800〜1,100 ℃にされる(加熱
帯域の始まりの部分は、仕込原料が導入される場所に位
置する)。
【0034】これらの加熱区域の変調は、従来の方法で
実施される。前記区分に対応する加熱要素は、一般にサ
イリスタ変調器装置全体によって供給が行なわれる。場
合によっては変圧器によって、電圧をただちに適合させ
ることができ、一方変調器によって、注入電力の連続的
で細かな調節が可能になる。
【0035】装置全体の調節を可能にするために、各加
熱区域は、温度レベルに適した熱電対の付いた高温測定
棒を備えていてもよい。これらの棒は、仕込原料が流れ
る空間内に配置され、情報はサイリスタ変調器を制御す
るレギュレータに伝達される。
【0036】加熱帯域の第一部分の長さは、通常、加熱
帯域の全長の5〜50%、有利には10〜20%である。
【0037】加熱帯域のこの第一部分に供給される電気
エネルギーは、加熱帯域全体において、比較的高い仕込
原料の平均温度を得ることができる強い温度勾配を引き
起こすようなものである。このことは、軽質オレフィン
の選択性にとって有利である。
【0038】加熱帯域の第二部分において、この帯域の
種々の加熱区域に供給される電気エネルギーを変調し
て、この帯域全長にわたる温度変動が低く、通常、約50
℃以下(規制値付近の+または−25℃)、有利には約20
℃以下(規制値付近の+または−10℃)になるようにす
る。
【0039】さらに互いに独立した、種々の加熱横断区
分の使用によって、加熱帯域の第二部分のレベルにおい
て、吸熱反応の最大部分が実施される場所に、最大の熱
エネルギーをもたらし、かつ加熱帯域の残りの部分にお
いて、ほぼ均一な温度を維持することができる。
【0040】加熱帯域の長さは、通常、反応帯域の全長
の約50〜約90%である。
【0041】特に前記加熱条件において、高い温度レベ
ルにおける非常に大きな熱フラックスが得られる。この
ことは、通常、抵抗器の構成材料についての特別な選択
を意味する。この材料は、作動の温度条件下に抵抗器が
包まれている雰囲気に耐性があるという事実の外に、比
較的大きな表面積1単位あたりの電力をもたらすことが
できるものでなければならない。抵抗器の製作に使用し
うる材料の例として、炭化ケイ素、窒化ホウ素、窒化ケ
イ素、および二ケイ化モリブデン(MoSi2)を挙げ
ることができる。通常、高温での使用の際に、多くの利
点を示す二ケイ化モリブデン製の抵抗器を用いるのが好
ましい: −これらは、20W/cm2 までであってもよい大きな負荷
を受入れる(表面積1単位あたり発生する電力); −これらは、非常に高温で作動しうる; −これらは、経時的に無視しうる老化を示す; −これらは、高温の還元性雰囲気に容易に耐える。
【0042】本発明の方法において、加熱帯域の後に、
冷却(急冷)帯域が続き、加熱帯域の流出物の温度を、
例えば約300 ℃へ、非常に急激に低下させる。加熱およ
び急冷帯域は、以下、反応器と呼ばれる同じ閉鎖容器に
組み込まれても、組み込まれなくてもよい。
【0043】実施態様に従って、直接急冷を行なう。反
応流出物は、加熱帯域を離れ、反応器の周辺に配置され
た、通常セラミック材料製の少なくとも1つのインジェ
クタを用いて、流出物中に注入される冷却流体との直接
接触によって、非常に急激に冷却される。冷却流体とし
て、炭化水素油または水を用いることができる。つい
で、混合物から生じる流出物全部を回収し、分離する。
【0044】好ましい実施態様によれば、加熱帯域から
出る反応流出物は、例えば冷却帯域の内部の気密管内に
前記流体を流通させることによって冷却される。
【0045】これらの特徴全体によって、この方法のお
かげで、エチレンとプロピレンへの炭化水素の分解を行
なうことができる。これの実施は、これらの物質の良好
な転換率および高い選択率を伴なう。
【0046】本発明の一般的枠内で使用しうる炭化水素
仕込原料は、飽和脂肪族炭化水素、例えばエタン、アル
カン混合物、あるいは石油留分、例えばナフサ、常圧ガ
スオイルおよび減圧ガスオイルを含む。これら後者のも
のは、570 ℃程度の終留点を有していてもよい。石油留
分は、場合によっては、予備処理例えば水素化処理を受
けたものであってもよい。これらの仕込原料はまた、例
えば90容量%までであってもよい量で、水素を含んでい
てもよい。これらの仕込原料は、最も多くの場合、分子
内に2個の炭素原子を有する少なくとも1つの炭化水素
を含む。非常に多くの場合、分子内に少なくとも2個の
炭素原子を有する炭化水素を大部分含む(50容量%以
上)仕込原料を用いる。
【0047】例えば、石油留分として、原油の蒸留から
生じたLPG 留分、またはナフサまたはガスオイルの蒸気
分解から生じた留分、例えばC4 留分を考えることがで
きる。
【0048】これらの留分のうち、とりわけアセチレ
ン、メチルアセチレン、およびプロパジエンを得るため
に、下記留分を熱分解するのが有利である: −原油の常圧蒸留から生じた、n−ブタンおよびイソブ
タンに富むC4 留分, −蒸気分解器から出た完全なC4 留分, −蒸気分解器からの完全なC4 留分からのブタジエンの
抽出蒸留から生じた精製物であって、n−ブテンとイソ
ブテンに富む精製物, −イソブテンに富む留分。
【0049】アセチレン系炭化水素の収率を最大限にす
るために要求される反応温度の高いレベル(最も多くの
場合、900 〜1200℃)を考慮にいれて、これらの留分の
熱分解は、好ましくは希釈剤として水素を用いて行われ
る。このことによって、抵抗器を取り囲むケースに導入
される気密ガス(G) は、好ましくは実質的に純粋な水素
であろう。このような気密ガスの使用から考えて、ケー
スは好ましくは非多孔質材料で製作される。プロセスガ
スの方へのガス(G) の洩れは、故意に不完全に作られる
各ケース上に気密性を結果として生じる。
【0050】希釈水蒸気の炭化水素仕込原料に対する重
量比は、処理される仕込原料によって変わる。これは一
般に約0.2 :1〜約1.5 :1であってもよく、用いられ
る比は、減圧ガスオイルを用いる時は1:1程度であ
り、ナフサの蒸気分解を実施するには、0.5 :1程度で
ある。希釈水蒸気の一部は、ガス(G) とともに導入され
てもよい。その際、ガス(G) とともに導入されるこのフ
ラクションは、蒸気分解に必要な水の量の100 %までで
あってもよい。好ましくはこのフラクションは、この量
の0〜50%である。
【0051】処理される仕込原料は、反応帯域内の滞留
時間が、通常、約2ミリ秒〜約1秒、好ましくは約30〜
約400 ミリ秒である。
【0052】抵抗器を取り囲むケース内に導入されるガ
ス(G) は、通常、コークスの形成を生じる熱転換反応を
受けやすいあらゆる炭化水素が除去されたガスである。
このガスはまた、用いられる抵抗器に損傷を与えないよ
うに、かつこれらの抵抗器の促進老化を生じないように
選ばれる。このガスは、水蒸気だけであっても、水素だ
けであっても、水蒸気と水素とを含むガス混合物であっ
てもよい。このガス(G) はまた、不活性ガス、例えば窒
素、または希ガス例えばヘリウムまたはアルゴンであっ
てもよい。このガス(G) はまた、水蒸気および/または
水素の外に、例えば前記のような不活性ガスまたは希ガ
スを含むガス混合物であってもよい。
【0053】通常、水蒸気および/または水素を含むガ
ス(G) 、最も多くの場合、約50%以上の容積割合の水蒸
気および/または水素を含むガスを用いるのが好まし
い。最も多くの場合、水蒸気を含むガス(G) を用いるこ
とが勧められる。
【0054】ケースの透過性は、少なくともいくつかの
点において、抵抗器の空間に導入されるガス(G) の少な
くとも一部の、プロセス空間の方への拡散を可能にする
のに十分なものでなければならない。ケースの透過性
が、抵抗器の空間に導入されるガス(G) 中に含まれる気
体化合物全体の、プロセス空間の方への拡散を可能にす
るようなものであるような場合には、本発明の枠から逸
脱しないであろう。この透過性は、任意に不完全に作ら
れた、各ケース上の気密性から生じるものであってもよ
く、および/またはガス(G) の少なくとも一部の通過を
可能にする、開いた細孔を有するケースの構成材料、す
なわち換言すれば、透過性材料の使用から生じるもので
あってもよい。最も多くの場合、透過性材料を用いるこ
とが推奨される。
【0055】従って発明の好ましい実施態様によれば、
ケースは、少なくとも1つの炭化水素を含む気体混合物
との直接接触から、電気加熱手段を隔離しているが、こ
れらは、ガス(G) の少なくとも一部の前記ケースを通る
拡散を可能にするのに十分な多孔性を有する多孔質材料
からなる。従ってこれらのケースは、好ましくは、壁の
容積に対して、少なくとも約1容量%、多くとも約40容
量%、通常約5容量%〜約30容量%の開いた細孔を有す
る多孔質材料で作られる。
【0056】少なくとも一部、プロセス空間の方へ拡散
する、水蒸気および/または水素を含むガス(G) の使用
には、いくつかの利点がある。熱分解炉の下流での分離
が難しくない。これは、水蒸気がプロセス空間に存在す
る化合物であり、水素は、分解反応の生成物として、お
よび場合によっては仕込原料の成分として、プロセス空
間に存在する化合物であってもよいからである。
【0057】さらには本発明によれば、プロセス空間と
抵抗器の空間との間にできるだけ完全な気密性を求める
ことはもはや望ましいものでない以上、ケースの接合部
のレベルで、熱力学応力をも減じつつ、炉の製作費用を
低減させる。このことは、この装置全体の信頼性を増
す。
【0058】セラミック材料製ケースの使用の場合、数
多くの様々なセラミック、特に炭化ケイ素があること
は、当業者によく知られている。これらは、非常に様々
な品質の構成粉末、および様々な焼結条件に由来するも
のである。詳細を述べたくはないが、品質基準の1つ
は、焼結後、多孔性が最もわずかしか残存しないことと
関連するということに注目できる。この細孔の一部が閉
じられているなら、すなわち材料の全体の気密性に対し
て効果がないならば、特に最も普通に用いられている炭
化ケイ素の場合、無視できないもう1つの部分は、開い
た細孔であること、および特に高温ではガス(G) の少な
くとも一部(またはガス混合物の成分の少なくとも1
つ)の、この材料を通る拡散があることはよく知られて
いる。従って気密ガスとして、水蒸気および/または水
素のようなガスを用いる時に、できるだけ気密な、すな
わち非常に高品質の、従って非常に値段の高いセラミッ
ク材料、特に炭化ケイ素製のケースを用いる必要はない
ことがよくわかる。
【0059】従って少なくとも約1容量%(例えば約20
容量%)の開いた細孔を有する、中程度の品質のセラミ
ック特に炭化ケイ素製のケースを用いることは、可能で
あるだけでなく、望ましいものでさえある。このこと
は、炉の製作費用を下げる。さらにこの開いた細孔の存
在自体が、プロセス空間側のセラミック製ケースの表面
に、抵抗器の空間に導入されるガス(G) の分圧を作り出
す。これはいわばセラミックの表面をプロセスガスから
隔離する。このことは、なんらかの理論と関連させたく
はないが、コークス形成の顕著な減少を説明している。
これはコークスが、通常、概してケースの表面に形成さ
れ、かつこれとは逆に、形成された物質は、コークスの
形成にあまり有利でない局部雰囲気中に見出だされるか
らである。
【0060】本発明の記載においては、開いた細孔と
は、該純セラミック製品に含まれているミクロキャビテ
ィからなる細孔を有する。形容詞の「開いた」は、一方
では前記ミクロキャビティの大部分の相互間の、他方で
は前記ミクロキャビティと、該製品の内部および外部表
面との間に自由な通路があるということを示している。
自由な通路という概念はまた、媒質の種類と、セラミッ
クが置かれている物理的条件によって考えられなければ
ならない。例えば、水素またはヘリウムのような小さな
サイズの分子の場合、さらに、セラミック製の部品の2
つの表面間に圧力差があるならば、自由な通過はそれだ
け一層容易であろう。この場合、製品は例えば水素に対
して透過性があると言われるか、または気密ではないと
言われる。
【0061】閉じた細孔とは、本発明の記載において、
製品の表面と通じていないミクロキャビティからなる細
孔を表わす。この場合この閉じた多孔性は、製品の密度
の全体的な減少しか生じない。
【0062】本発明による方法は、次のような装置にお
いて実施できる。すなわちこの装置は、好ましくは正方
形または長方形断面を有する、軸に沿って細長い形状の
反応器(1) であって、第一端部に、少なくとも1つの炭
化水素を含む気体混合物供給手段(5) を備え、反対側の
端部に、生成流出物の排出手段(10)を備え、これら2つ
の端部の間に冷却流体供給手段を有する反応器を備え
る。前記反応器は、第一部分(第一端部側)に、ケース
(4) に取り囲まれた複数の電気加熱手段(3) を備え、実
質的に互いに平行な前記手段は、反応器の軸に対して垂
直な、実質的に平行な層として配列されて、ケースおよ
び/またはこれらのケースによって形成される層間に、
気体混合物および/または流出物の流通のための空間ま
たは通路を画定するようにする。前記加熱手段および前
記ケースは、反応器の軸に対して実質的に垂直な独立し
た連続横断区分によって、前記通路を加熱するのに適し
ている。さらに前記反応器は、前記加熱手段と連結され
た制御手段および加熱変調手段を備え、第一部分に隣接
した第二部分(8) (反対の端部側)に、冷却流体の前記
供給手段と連結された、流出物の冷却手段(9) を備え
る。前記装置は、好ましくは水蒸気および/または水素
を含む、ケースガスまたは気密ガスと呼ばれるガス(G)
の、ケース(4) 内への適当な圧力での導入手段を備えて
おり、これは、前記ケースが、少なくともいくつかの点
において、前記ケースの内部から前記ケースの外部の方
へ、このガス(G) の少なくとも一部の拡散を可能にする
のに十分な透過性を有し、従ってこのガス(G) は、前記
気体混合物中に希釈されることを特徴とする。
【0063】ガス(G) の適切な圧力での導入手段は、当
業者に知られたものである。これらはさらに、前記ケー
スの内部と外部の圧力の調整および制御手段を備えてい
てもよい。
【0064】前記冷却手段は、加熱帯域を離れる流出物
を、直接接触または間接接触によって冷却するのに適し
た手段である。
【0065】通常、接合的ではない、抵抗器を取り囲む
ケースは、積重ねて、あるいは五点形に配列されていて
もよく、横断面に見て、三角形、正方形または長方形状
のピッチの束を形成してもよい。
【0066】加熱手段を備える層の総数および1層あた
りの各ケース内の加熱手段の数は、この方法においては
決定的なものではない。これらはもちろん、加熱手段、
これらを取り囲むケース、大きさ、およびもしあれば、
層を分離している壁の大きさによって決まる。加熱要素
は、大きさも、加熱力も、互いに同一または異なってい
てもよい。例えば加熱要素は、ケースの内部に、1〜5
個の抵抗器、最も多くの場合、1〜3個の抵抗器を備え
ていてもよいであろう。
【0067】加熱要素の数は、一定の反応容積について
利用できる最大の電力を決定し、同様に、仕込原料の滞
留時間に影響を与える。これはこれらのパラメータを考
慮に入れて、許容しうる仕込原料の流量によって選ばれ
るものとする。
【0068】本発明の枠内において、加熱帯域と急冷帯
域との反応器全体を、モノブロック形態で、あるいはさ
らにはあらゆる使用しうる手段によって、例えば帯金(b
ride) によって、互いに組立てられる、同一形状の種々
の要素の接合的並置によって製作することができる。
【0069】本発明の枠内で使用しうる電気加熱手段
は、好ましくは1,500 ℃程度の温度まで使用できる加熱
抵抗器である。二ケイ化モリブデン製の抵抗器、例えば
ピン型抵抗器を用いるのが好ましい。
【0070】仕込原料の気体混合物と抵抗器との直接接
触を避けるために、抵抗器を取り囲むケースは、好まし
くは管状のものである。耐火性材料のこれらのケース
は、通常、セラミック製または焼結金属製である。セラ
ミック例えばムライト、コージエライト、窒化ケイ素、
炭化ケイ素、シリカまたはアルミナを用いてもよい。炭
化ケイ素は、良好な熱伝導性を有するので、選ばれるの
が好ましい材料である。層が壁によって分離されている
場合、これらの壁を製作するために選ばれる材料は、ケ
ースに用いられるものと同じであってもよい。しかしな
がら、特に炉の製造コストの問題のために、これはしば
しば異なるものである。
【0071】加熱要素とケースとを隔てている距離は、
加熱要素の断面積による。これらを含んでいる円の最大
直径がdである加熱手段の場合、通常、約1.2 ×d〜約
8×d、最も多くの場合約1.5 ×d〜約4×dの直径D
の、通常は管状または円筒状のケースを用いる。
【0072】加熱要素は、仕込原料(プロセスガス)の
流れる方向に実質的に垂直な、平行な層として配列さ
れ、好ましくは実質的に一直線に配列され、2つの隣接
するケースを隔てる距離が、許容しうる圧力減少の絶対
条件を考慮に入れて、できるだけ小さくなるようにす
る。隣接する2つの層のケース相互間の距離、または層
が壁によって分離されている場合に、層のケースと最も
近い壁との距離は、通常、ある一定の層内の2つの連続
するケース間の距離と同じである。この距離は、通常、
ケース相互間、またはケースと最も近い壁との間に形成
された通路である。すなわち炭化水素を含む気体混合物
が流れる通路は、約1〜約100 mm、最も多くの場合、約
5〜約40 mm の大きさであろう。
【0073】本発明の実施態様によれば、プロセスガス
の流通のための、前記自由空間または通路は、少なくと
も一部、通常はセラミック製の、好ましくは熱伝導性充
填物によって占められている。このようにしてある一定
の型の反応器の場合、気体混合物の流れを均質化しつ
つ、かつ散逸した熱をよりよく分配しつつ、この反応器
内の仕込原料の滞留時間を短縮することができる。これ
らの充填物は、種々の形状であってもよく、例えばリン
グ(ラシヒリング、レシング(Lessing) リングまたはポ
ール(Pall)リング)、サドル(バールサドル)、格子、
閉じた円筒管の形態であってもよい。
【0074】いくつかの実施態様の説明は、純粋に例証
的に挙げられており、まったく非限定的なものである
が、これによって本発明はよりよく理解されよう。以下
に添付図面を用いて説明がなされる。これらの図面で
は、同様な装置は、同じ数字および参照記号によって示
される。
【0075】−図1、2、3および6は、ケースの軸に
対して垂直な平面に沿う反応器の縦断面図を表わす。図
2の場合、この反応器には充填物が入っている。図3お
よび6の場合、この反応器は、電気加熱手段の入ったケ
ースの1つまたは複数の層を分離している壁を備える。
【0076】−図4および5は、ケースの軸に沿った反
応器の縦断面図を表わす。
【0077】−図7は、図4および5のものと同一な平
面内の加熱帯域の製作の詳細図を示す。
【0078】図1に、実施態様に従って、長方形断面
の、細長い形状の垂直反応器(1) を示した。これは、導
入口(5) によって、反応器に反応気体混合物を供給する
ことができる分配器(2) を備えている。この反応気体混
合物は、水蒸気と少なくとも1つの炭化水素との混合物
を含んでおり、図面に示されていない、通常の予備加熱
帯域において、好ましくは対流によって予備加熱された
ものである。反応器は、複数の電気加熱手段(3) を備え
る。これらは、平行な層状に配列され、かつ平面(図面
の平面)において、正方形ピッチの束を形成するケース
(4) により取り囲まれている。これらの層は、仕込原料
の流れの方向に沿って画定された、反応器の軸に対して
実質的に垂直な横断加熱区分を画定する。
【0079】これらの加熱区分には、1対の電極によっ
て(図4および5の(6a)(6b))、独立して、電気エネル
ギーが供給される。熱電対の付いた高温測定用センサ
(図4および5の(7) )は、仕込原料がケース(4) 間を
流れている空間内に位置しており、これらにより、各加
熱区分の温度を、従来の調節装置および図示されていな
い変調器によって、自動的に調節することができる。
【0080】加熱帯域の第一部分において、ケースは、
仕込原料の温度が600 ℃(予備加熱温度)から約900 ℃
まで急激に変わるように加熱される。この加熱帯域は、
一般に、加熱帯域の全長の約15%である。ついで気体混
合物は、加熱帯域の第二部分を流れる。ここでは一般
に、温度を、第一加熱帯域の終わりに達成された値と実
質的に同じ一定の値、すなわち一般に約900 ℃に維持す
る。このために、加熱帯域の第二部分をなす複数の加熱
区域に供給される電力を変調する。このようにして規制
値付近を約10℃も越えない温度変動を得ることができ
る。この第二加熱帯域の長さは、加熱帯域の全長の約85
%である。
【0081】反応流出物は、加熱帯域を出ると、冷却帯
域(8) で冷却される。これらは、急冷剤、例えば反応器
(1) の周辺に配置され、かつ図示されていない外部水源
と連結された、急冷インジェクタ(9) を介して導入され
た水と接触させられる。流出ガス全体は、約500 ℃の温
度で冷却され、反応帯域(1) の端部にある排出口(10)を
経て回収される。
【0082】例証されていないもう1つの態様によれ
ば、流出物は、急冷剤が流れている、帯域(8) に配置さ
れた気密導管を通って流れる時に、冷却されてもよい。
これらの導管は、急冷剤の外部源と連結されている。
【0083】図2に図示された実施態様によれば、図1
に図示されたものと同じ反応器は、仕込原料が流れる空
間内に、充填物(20)を備える。これは有利にはセラミッ
ク材料でできており、これはグリッド(21)によって、加
熱帯域の端部に保持される。ケース(4) は、平行な層と
して配置され、1つの平面(図面の平面)では、三角形
ピッチの束を形成している(五点形配置)。
【0084】図3においては、実施態様に従って、長方
形断面の、細長い形状の水平反応器(1) を示した。これ
は次の点においてしか、図1に示した反応器とは異なら
ない。すなわち、反応器は実質的に水平であり、平行な
層状に配列され、かつ1つの平面(図面の平面)では、
正方形ピッチの束を形成するケースを備えること、およ
びこれらの層は、有利にはセラミック材料製の壁(22)に
よって互いに離れているという点である。これらの壁
は、各ケース(4) のレベルで、蜂の巣房を備える、乱流
を生じるのに適した形状を有する。
【0085】図6に図示された実施態様は、加熱要素の
複数の層が、2つの壁(22)の間に位置することにおいて
しか、図3のものと異ならない。
【0086】図4は、水平反応器の場合、図1と関連し
て記載された要素と同じ要素を示す。さらに、下記のよ
うな保護箱(11)が示されている。この箱は、例えば水蒸
気を含むガス(G) が導入される口(12)と、このガス(G)
のフラックスを調節することができるバルブ(24)を備え
た口(13)を備える。この保護箱(11)は、反応器(1) の金
属骨組み(armature)に固定され、電気抵抗器と、これら
の入っているケースの全体を取り囲んでいる。ただし電
気エネルギーの供給が行なわれる、電気抵抗器の端部は
除く。ピン型の抵抗器(3) は、例えばセラミック繊維の
座金(rondelle)(18)によって、ケース(4) 内に配置され
ている。これは、ガス(G) 例えば水蒸気が、抵抗器とケ
ースとの間の空間に入ることを可能にする通路(23)を備
える。
【0087】図5は、図1と関連して記載されたものと
同じ要素を表わす。さらに口(12)(13)を備えた保護箱(1
1)が示されている。これらの口は、例えば抵抗器の位置
決めを行なう座金(18)の口(23)を経て、抵抗器の空間内
に入る水蒸気を含むガス(G)の箱内での流通を可能にす
る。口(13)はバルブ(24)を備え、これらのバルブは例え
ば水蒸気を含むガス(G) のフラックスの、より容易な調
節を可能にする。これらの箱(11)は、反応器の金属骨組
みに固定され、電気抵抗器と、これらの入っているケー
スの全体を取り囲んでいる。ただし電気エネルギーの供
給が行なわれる、電気抵抗器の端部は除く。ガス(G) の
流通は、反応器の中のプロセスガスの圧力に対してわず
かに超過圧で実施され、このようにして、完全に調節さ
れた雰囲気と、このガス(G) のプロセス空間の方へのよ
り良好な拡散が行なわれる。
【0088】抵抗器の空間とプロセス空間との間の絶対
圧力の差、すなわち超過圧は、好ましくは抵抗器の空間
の圧力が、プロセス空間の圧力より、少なくとも0.1
%、最も多くの場合少なくとも1%高くなるようなもの
であろう。非常に大きな超過圧は必要でなく、最も多く
の場合、抵抗器の空間内の圧力は、プロセス空間の圧力
の2倍より低いものにとどまる。
【0089】図7は、本発明による加熱帯域の製作方法
の詳細図を示す。電気加熱手段として、円筒状の抵抗器
(3) を用いる。これらの抵抗器は、これらの端部の各々
に、冷たい帯域と、例えば全長の約68%の熱い帯域であ
る中央帯域の一部を備える。
【0090】長方形断面の反応器を製作する。これの壁
は、絶縁耐火コンクリート(14)と、金属骨組み(15)とか
らなる。向かい合った2つの側壁に、円形の孔をあけ
る。この孔から、電気抵抗器(3) の直径の2倍の直径
の、例えばセラミック製のケース(4) を通過させる。ケ
ース(4) は、パッキン圧縮装置(systeme presse etoup
e)(16) を用いて配置される。この装置は、金属骨組み
のレベルの溝(gorge) の部分において、耐火材料製の編
組被覆(tresse)、例えばセラミック材料製の編組被覆に
作用する。ケース(4) 内の抵抗器(3) の位置決めは、例
えばセラミック繊維の座金(18)を用いて実施される。こ
れらの座金は、ガス(G) の通過を可能にする口(23)を備
える。このガスは、例えば抵抗器(24)の空間内の導管(1
2)を経て、箱(11)に導入される水蒸気を含んでいる。
【0091】抵抗器(3) の熱い帯域は、絶縁コンクリー
ト壁を通る通過口内に入らないように配置される。パッ
キン圧縮装置のレベルで、編組被覆(17)を用いることは
不可欠ではない。この理由は、これが本発明の枠内で、
位置決め手段の役割を果たし、かつその主要な目的が反
応器の内部と外部とのできるだけ完全な気密性を保証す
ることではないからである。さらにこのパッキン圧縮装
置は、有利には、ケースのより単純な位置決め手段、例
えば耐火性材料製の単純な座金と代えられてもよい。
【0092】このように、連続する水平な列になった、
例えばセラミック材料製の、壁の中でケースに入れられ
たいくつかの数の加熱抵抗器を利用する。これらの列
は、好ましくは炉の側壁上で、正方形または長方形ピッ
チの束を形成するように並べられている。箱(11)は、抵
抗器の端部および/またはそれらの電源(6) だけがここ
から出ているが、これには、例えば水蒸気を含むガス
(G) 流が流れている。
【0093】
【実施例】間接急冷の水平反応器を用いる。これの熱分
解帯域の長さは2.21メートルであり、長方形断面積が1.
4 ×3.72mである。この反応器の加熱手段は、二ケイ化
モリブデン(MoSi2 )製のピン型電気抵抗器からな
る。これらの抵抗器は、抵抗器を含んでいる円の中心に
対して同心に配置された、セラミックケースに取り囲ま
れている。
【0094】これらのケースは、炭化ケイ素であり、15
容量%の開いた細孔を有する。端部が閉じられた各ケー
スは、ピン型の2つの抵抗器を取り囲んでいる(図3お
よび4)。これらのケースは、平行な層として仕込原料
の流通方向に対して垂直に(鉛直に)配置され、垂直に
見て、正方形ピッチの束を形成する。電気抵抗器のピン
の各支線の長さは、1.4 mであり、抵抗器の直径は9mm
である。セラミックケースは、長さが1.4 mであり、外
径が150 mmであり、内径が130 mmである。隣接する2つ
のケースを隔てる距離(Eg)(図3) は、20 mm である。
ケースの層は、電鋳アルミナをベースとする耐火コンク
リート製の壁によって隔てられている。ケースと壁との
距離(Ee)(図3) 、または通路の大きさは、10 mm であ
る。壁はそれらの最も薄い部分では、厚み(Ep)(図3)
が、15 mm である。
【0095】長さが34 cm の加熱帯域の第一部分は、20
層の抵抗器を備え、各層は2つのケースを備えている。
この帯域において、600 ℃に予備加熱された仕込原料
は、900 ℃にされる。この帯域は、仕込原料が流れる空
間内に配置された熱電対を介して温度調節されている。
【0096】前記第一部分と隣接する、加熱帯域の第二
部分は、1.87mの長さである。これは、加熱帯域の第一
部分と同様に配置された、11ケースの20層からなる。こ
の帯域は、独立して調節されている5つの加熱区分から
なり、これらの区分によって、この帯域の温度を、900
℃プラスマイナス10℃に維持することができる。
【0097】流出ガスは、仕込原料のガスとの間接熱交
換によって、まず500 ℃に冷却され、ついで、外の熱交
換器によって、これらの温度を約350 ℃に低下させるこ
とができる。
【0098】仕込原料として、密度d20/4=0.715 、沸
騰範囲38〜185 ℃のナフサを、水蒸気/仕込原料重量比
0.5 :1で、水で希釈して用いる。この混合物を600 ℃
に予備加熱し、前記反応器において900 ℃で分解する。
反応器内のガス混合物の絶対圧力は、実質的に一定に維
持され、0.170 MPa である。抵抗器空間に、実質的に純
粋な水を導入して、この空間において、実質的に一定か
つ0.175 MPa の絶対圧力を得、かつ維持するようにす
る。
【0099】同じ仕込原料が、特許US-A-4,780,196の実
施例1に記載されたものと同一な装置で分解された。こ
の装置は、炭化ケイ素製の多管熱分解帯域を備え、各管
路は、1辺が10 mm 、長さが3mの正方形断面を有す
る。作動条件は、仕込原料が、この反応器に、600 ℃の
温度で導入されるようなものである。熱分解終了時の流
出物は、900 ℃である。この装置において、加熱は熱移
送流体によって行なわれる。
【0100】大気温度における冷却後、本発明による方
法の場合、39.6%のエチレン重量収率と、16.4%のプロ
ピレン重量収率が得られる。特許US-A-4,780,196に記載
された多管反応器の使用の場合、38.5%のエチレン重量
収率と、15.0%のプロピレン重量収率が得られる。
【0101】本発明による方法の場合、最大当初コーク
ス化速度10g×h-1×m-2が見られる。特許US-A-4,78
0,196に記載された、炭化ケイ素製の多管反応器の使用
の場合、観察された最大当初コークス化速度は15g×h
-1×m-2である。
【0102】従って本発明による方法によって、改善収
率約14%で、エチレン−プロピレンの合計が得られ、最
大当初コークス化速度を約33%減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ケースの軸に対して垂直な平面に沿う反応器の
縦断面図である。
【図2】ケースの軸に対して垂直な平面に沿う反応器の
縦断面図である。
【図3】ケースの軸に対して垂直な平面に沿う反応器の
縦断面図である。
【図4】ケースの軸に沿った反応器の縦断面図である。
【図5】ケースの軸に沿った反応器の縦断面図である。
【図6】ケースの軸に対して垂直な平面に沿う反応器の
縦断面図である。
【図7】図4および5と同一平面内の加熱帯域の製作の
詳細図である。
【符号の説明】
(1) …反応器 (2) …分配器 (3) …電気加熱手段 (4) …ケース (5) …気体混合物の供給手段 (8) …冷却帯域 (9) …冷却流体の供給手段 (10)…生成流出物の排出手段 (22)…壁 (Eg)…隣接するケース間の距離 (Ee)…ケースと壁との距離 (Ep)…壁の厚み
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クリスチャン ブサン フランス国 シャルボニエール アヴニ ュー ベルジュロン 47 (72)発明者 ジェローム ヴェイユ フランス国 リヨン ルート デ トゥ レル 18 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10G 9/24 B01J 19/00 - 19/32 EPAT(QUESTEL)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱帯域と、この加熱帯域に続く冷却帯
    域とを備える、一方向(軸)に沿って細長い形状をした
    反応帯域における、炭化水素の熱分解方法であって、少
    なくとも2個の炭素原子を有する少なくとも1つの炭化
    水素を含む気体混合物を、加熱帯域において、反応帯域
    の方向(軸)に対して実質的に平行な流れ方向に沿って
    流し、前記加熱帯域は、横断面に見て、三角形、正方
    形、または長方形状のピッチの束を形成する、実質的に
    互いに平行な層状に配列された複数の電気加熱手段を備
    え、前記加熱手段は、反応帯域の方向(軸)に対して実
    質的に垂直な連続横断区分によって再編成されており、
    これらの区分は、加熱帯域に少なくとも2つの部分を画
    定するように、互いに独立しかつ電気エネルギーが供給
    されるものであり、この第一部分によって、仕込原料
    を、高くとも約1,300℃の温度まですることができ、第
    一部分に次ぐ第二部分によって、仕込原料を、これが前
    記第一部分においてなされた最大の温度に実質的に等し
    い温度に維持することができる方法であり、かつ、加熱
    帯域の流出物を冷却し、ついで反応帯域の端部で形成さ
    れた生成物を回収する方法において、 電気加熱手段が、少なくとも1つの炭化水素を含む気体
    混合物との直接接触から、ケースガス(gaz de gaine)ま
    たは気密ガスと呼ばれるガス(G) が導入されるケース(g
    aines)によって隔離され、前記ケースは適切な透過性を
    有しており、このガスは、少なくともいくつかの点にお
    いて、前記ケースの内部から前記ケースの外部の方へ、
    このガス(G) の少なくとも一部の拡散があるような圧力
    で、前記ケースの内部に導入され、このガス(G) はこの
    際前記気体混合物中に希釈されうることを特徴とする方
    法。
  2. 【請求項2】 加熱帯域の第一部分を、高くとも約1,30
    0 ℃の最大温度まで加熱し、前記第一部分に次ぐ第二部
    分を、加熱帯域のこの第二部分全部にわたる温度変動
    が、約50℃以下、好ましくは約20℃以下になるように加
    熱する、請求項1による方法。
  3. 【請求項3】 ケース内のガスの圧力が、前記ケースの
    外部の圧力よりも少なくとも約0.1 %高い、請求項1ま
    たは2による方法。
  4. 【請求項4】 気体混合物との直接接触から電気加熱手
    段を隔離しているケースは、ガス(G) の少なくとも一部
    の、前記ケースを通る拡散を可能にするのに十分な多孔
    性を有する多孔質材料からなる、請求項1〜3のうちの
    1つによる方法。
  5. 【請求項5】 これらのケースが多孔質セラミック材料
    製であり、この材料の開いた細孔は、少なくとも約1容
    量%、高くても40容量%である、請求項4による方法。
  6. 【請求項6】 加熱手段は、直径が前記加熱手段を含む
    円の最大直径の約1.2 〜約4倍の円筒ケースによって、
    気体混合物との直接接触から隔離される、請求項1〜5
    のうちの1つによる方法。
  7. 【請求項7】 気体混合物が流れる通路の大きさは、約
    1〜約100 mmである、請求項1〜6のうちの1つによる
    方法。
  8. 【請求項8】 反応帯域が、少なくとも2つの縦長の帯
    域を備え、各縦長の帯域が、少なくとも1つの加熱要素
    の層を備え、耐火製材料の壁によって、次の帯域から分
    離されている、請求項1〜7のうちの1つによる方法。
  9. 【請求項9】 電気加熱手段が、二ケイ化モリブデン耐
    性を備える、請求項1〜7のうちの1つによる方法。
  10. 【請求項10】 気体混合物がさらに水蒸気を含む、請
    求項1〜9のうちの1つによる方法。
  11. 【請求項11】 気体混合物が、エタンと水素とを含
    む、請求項1〜9のうちの1つによる方法。
  12. 【請求項12】 気体混合物が、C4 留分を好ましくは
    水素とともに含む、請求項1〜9のうちの1つによる方
    法。
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