JP3150705U - 花束ハンドル - Google Patents
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Abstract
Description
この点に着目し、このような場合はハンドル本体の下部に給水用の開口部を持たない花束ハンドル(以下、「ハンドル部一体成形花束ハンドル」という)も提案されている。
図7は、従来のハンドル部一体成形花束ハンドルの一例を示したものである。この花束ハンドル(100)は、略球状の吸水性フォーム(200)と、有底筒状のハンドル部(300A)および吸水性フォーム(200)の下部を収容保持しうるようにハンドル部(300A)の上端に連なって設けられたフォーム保持部(300B)を有するハンドル本体(300)と、吸水性フォーム(200)の上部を覆うようにフォーム保持部(300B)に取り付けられるケージ状のキャップ(400)とを備えてなる。ハンドル本体(300)は、射出一体成形されている。
本考案の花束ハンドルにおいて、通水溝は、その上部の流路断面積が下部の流路断面積よりも小さくなるような形状を有しているのが好ましい。
また、本考案の花束ハンドルにおいて、通水溝が、吸水性フォームおよびフォーム保持部の互いに接する部分のうち少なくともいずれか一方に、周方向に間隔をおいて複数形成されているのが好ましい。この場合において、キャップを係止しうる複数の係止用突起がフォーム保持部の上端面に周方向に間隔をおいて形成されている花束ハンドルでは、通水溝が各係止用突起に対応する位置に形成されているのが好ましい。
本考案の花束ハンドルは、上述した吸水性フォーム、ハンドル本体およびキャップに加えて、さらに、一端が吸水性フォームの下部に連結されてハンドル部内に垂下状に配される垂直吸水体を備えている場合がある。
なお、本考案は、主としてハンドル部一体成形花束ハンドルに適用されるものであるが、ハンドル本体の下部に底蓋を取り付けるタイプの花束ハンドルにも適用することができる。
また、通水溝をその上部の流路断面積が下部の流路断面積よりも小さくなるような形状とした場合、切り花のアレンジを行なった後で花束ハンドルを上下逆さにしても、ハンドル部内から水が漏れ出すおそれがない。
通水溝を吸水性フォームおよびフォーム保持部の互いに接する部分のうちいずれか一方または両方に周方向に間隔をおいて複数形成した場合、切り花を挿す位置にかかわりなく吸水性フォームから出た水を速やかにかつ確実にハンドル部内に流下させることができる。また、これらの通水溝をフォーム保持部の係止用突起に対応する位置に形成したものにおいては、係止用突起によって通水溝が隠れるかあるいは目立たなくなるため、花束ハンドルの見栄えが損なわれない。
さらに、垂直吸水体を付加した本考案の花束ハンドルにあっては、垂直吸水体の存在により、切り花のアレンジ後に花束ハンドルを上下逆さにした際の水漏れがより確実に防止される。従って、この花束ハンドルの場合、通水溝の形状をその上部の流路断面積が下部の流路断面積よりも小さくなるようなものとしなくても、十分な水漏れ防止効果が得られる。
図1および図2は、本考案の第1実施形態を示したものである。
図示の花束ハンドル(11)は、切り花(図示略)を挿すための吸水性フォーム(2)と、有底筒状のハンドル部(3A)および吸水性フォーム(2)の下部を収容保持しうるようにハンドル部(3A)の上端に連なって設けられたフォーム保持部(3B)を有するハンドル本体(3)と、吸水性フォーム(2)の上部を覆うようにフォーム保持部(3B)に取り付けられるケージ状のキャップ(4)とを備えてなる。
フォーム保持部(3B)は、漏斗状のものであって、ハンドル部(3A)の上端に連なってハンドル部(3A)と一体に設けられている。フォーム保持部(3B)の上端には、水平外向き環状のフランジ(33)が設けられている。フランジ(33)の上面には、4つの係止用突起(34)が周方向に等間隔おきに形成されている。係止用突起(34)は、その上部に外向きの係止爪(341)を有している。
ハンドル本体(3)は、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を用いて射出一体成形されている。
このキャップ(4)も、例えばポリプロピレンやポリエチレン等の熱可塑性樹脂により射出一体成形されている。
キャップ(4)は、その下位の水平環状フレーム(41a)が係止用突起(34)の係止爪(341)に係り止められることにより、ハンドル本体(3)のフォーム保持部(3B)に着脱自在に取り付けられている。
本実施形態では、これらの互いに密接する部分のうち、吸水性フォーム(2)の表面部分に、切り花を挿した際に吸水性フォーム(2)から排出される水をハンドル部(3A)内に流下させる通水溝(21)が形成されている。
4つの通水溝(21)を上記のように形成しておけば、フォーム保持部(3B)に収容する際に吸水性フォーム(2)の向きを適宜調整することによって、各通水溝(21)をフォーム保持部(3B)の各係止用突起(34)に対応する位置に配置させることができる(図2参照)。そのため、通水溝(21)が係止用突起(34)の裏側に隠れるため、外からは見えないかほとんど目立たない。なお、通水溝(21)の数は、上記の通りフォーム保持部(3B)の係止用突起(34)の数と一致させるのが好ましいが、それより多くあるいは少なくすることも可能である。
各通水溝(21)は、その上部の流路断面積が下部の流路断面積よりも小さくなるような形状、より具体的には、上方に向かうにつれて次第に幅狭となるテーパ溝形をしている。このような形状を採用することにより、切り花のアレンジを行なった後で花束ハンドル(11)を上下逆さにした際にハンドル部(3A)内から水が漏れ出すのを効果的に防止することができる。もっとも、通水溝(21)の形状は、上記に限定されない。
通水溝(21)を吸水性フォーム(2)に形成する方法としては、型による方法、切削による方法、彫り出しによる方法等が考えられるが、好ましくは、型による方法が用いられる。
具体的には、略球状の吸水性フォーム(2)の下部を受け得る形状の雌型(図示略)に通水溝(21)に対応する突起加工を施しておき、この雌型に吸水性フォーム(2)を押し付けてその表面に通水溝(21)を形成すればよい。この型による方法は、量産に適している。雌型の材質は、耐久性の面から金属製が望ましいが、木製、樹脂製等でも良く、特に材質を特定するものではない。
図3および図4は、本考案の第2実施形態を示したものである。
この実施形態の花束ハンドル(12)は、以下の点を除いて、図1および図2に示す第1実施形態の花束ハンドル(11)と同一である。
即ち、図3および図4の花束ハンドル(12)では、通水溝(35)が、ハンドル本体(3)のフォーム保持部(3B)における吸水性フォーム(2)と密接する内面部分に形成されている。
図4に示すように、通水溝(35)は、フォーム保持部(3B)の上記内面部分に、周方向に等間隔おきに4つ形成されている。4つの通水溝(35)は、それぞれ係止用突起(34)に対応する位置に形成されており、フォーム保持部(3B)内面の上縁から下縁近くまで達するように母線方向に延びている。また、各通水溝(35)は、その上部の流路断面積が下部の流路断面積よりも小さくなるような形状、より具体的には、上方に向かうにつれて次第に幅狭となるテーパ溝形をしている。
フォーム保持部の肉厚は、通常1〜2mm程度で、同部全体が均一な厚みになるように設計される。しかしながら、この実施形態では、通水溝(35)を形成する必要上、フォーム保持部(35)の上部の厚みを3〜5mm程度と厚くし、下部を通常通り1〜2mm程度の厚みとしている。そして、通水溝(35)を、その深さが上端で1〜3mm程度、下端で0mmとなるように形成している。
図5は、本考案の第3実施形態を示したものである。
第3実施形態の花束ハンドル(13)は、以下の点を除いて、図1および図2に示す第1実施形態の花束ハンドル(11)と同一である。
即ち、図5の花束ハンドル(13)は、その構成部材として、さらに、一端が吸水性フォーム(2)の下部に連結されてハンドル部(3A)内に垂下状に配される垂直吸水体(5)を備えているものである。
垂直吸水体(5)としては、例えば、モール、吸水紙、吸水布等を使用することが可能であり、図5ではモールよりなる垂直吸水体(5)が示されている。モールは、アルミニウムなどの金属線材よりなる芯(51)に、ポリエステル繊維等(52)をブラシ状に取り付けてなる。モール(5)の径は、通常6〜10mm程度となされる。モール(5)の長さは、通常、ハンドル部(3A)の長さと同程度となされる。吸水紙としては、例えば、厚さ1〜2mm程度のスポンジクロスを幅2〜7mm程度の帯状に裁断してなるものが用いられる。このスポンジクロスは、自重の12〜15倍程度の吸水量を有している。吸水紙の長さも、ハンドル部(3A)と同程度の長さとなされるのが通常である。吸水布は、いわゆるタオル生地を吸水紙の場合と同様に帯状に裁断してなり、その長さは通常ハンドル部(3A)の長さと同程度となされる。
垂直吸水体(5)を吸水性フォーム(2)の下部に連結する手段は、特に限定されないが、例えば、垂直吸水体を手で吸水性フォームに差し込むことで達成される。
また、この実施形態では、吸水性フォーム(2)に形成される通水溝(21)が、全長にわたって同一の幅を有する平行溝となされている。これは、垂直吸水体(5)の存在により、第1実施形態のようなテーパ溝としなくても、花束ハンドル(13)を上下逆さにした際の水漏れを十分に抑止できるからである。もっとも、通水溝(21)については、第1実施形態の場合と同様のテーパ溝とするか、あるいは、これとは逆に上方に向かうにつれて次第に幅広となるテーパ溝にすることも可能である。
図6は、本考案の第4実施形態を示したものである。
この実施形態の花束ハンドル(14)は、以下の点を除いて、図3および図4に示す第2実施形態の花束ハンドル(12)と同一である。
即ち、図6の花束ハンドル(14)は、その構成部材として、さらに、一端が吸水性フォーム(2)の下部に連結されてハンドル部(3A)内に垂下状に配される垂直吸水体(5)を備えているものである。なお、垂直吸水体(5)の構造、材質、寸法等は、第3実施形態と同じであるので、説明を省略する。
また、この実施形態では、フォーム保持部(3B)に形成される通水溝(35)が、全長にわたって同一の幅を有する平行溝となされている。これは、垂直吸水体(5)の存在により、第2実施形態のようにテーパ溝としなくても、花束ハンドル(14)を上下逆さにした際の水漏れを十分に抑止できるからである。もっとも、通水溝(35)については、第1実施形態の場合と同様のテーパ溝とするか、あるいは、これとは逆に上方に向かうにつれて次第に幅広となるテーパ溝にすることも可能である。
また、上記各実施形態では、吸水性フォームとフォーム保持部のいずれか一方に通水溝を形成した例を示したが、吸水性フォームとフォーム保持部の双方に通水溝を形成してもよい。この場合、吸水性フォームの通水溝とフォーム保持部の通水溝とは、通常、互いに重ならないように周方向にずれた位置に形成される。
図1および図2に示す花束ハンドル(11)と同一の構造を有する花束ハンドルを作製した。吸水性フォーム(2)は、吸水性フェノール樹脂発泡体製とし、全体を略球形に成形した。吸水性フォーム(2)の4つの通水溝(21)は、型を用いて形成した。各通水溝(21)は、吸水性フォーム(2)表面の赤道に近い点で幅2mm、深さ2mm、下側の極に近い点で幅5mm、深さ3mmとなるテーパ溝とし、また、赤道から下側の極までの球表面の距離の約3/4、即ち20mmの長さを有するものとした。ハンドル本体(3)、キャップ(4)は、それぞれポリプロピレンによって射出一体成形したものである。ハンドル本体(3)のフォーム保持部(3B)は、全体が1.5mmの均一な厚みを有するものとした。
図3および図4に示す花束ハンドル(12)と同一の構造を有する花束ハンドルを作製した。吸水性フォーム(2)は、吸水性フェノール樹脂発泡体製とし、全体を略球形に成形した。ハンドル本体(3)、キャップ(4)は、それぞれポリプロピレンによって射出一体成形した。フォーム保持部(3B)は、その上縁の厚みが4mm、下縁の厚みが1.5mmとなるように、上方に向かって次第に厚みを増すものとした。フォーム保持部(3B)の4つの通水溝(35)は、それぞれ、フォーム保持部(3B)の上縁付近で幅2mm、深さ2mm、同下縁付近で幅5mm、深さ0mmとなるテーパ溝とし、また、全長を32mmとした。
吸水性フォーム(2)の各通水溝(21)を幅5mm、深さ3mmの平行溝とした点を除いて、実施例1と同様の花束ハンドルを作製した。
各通水溝(35)を幅5mmの平行溝とした点を除いて、実施例2と同様の花束ハンドルを作製した。
図5に示す花束ハンドル(13)と同一の構造を有する花束ハンドルを作製した。垂直吸水体(5)としては、アルミニウム製針金よりなる芯(51)にポリエステル繊維(52)をブラシ状に取り付けてなるモール(直径6mm、長さ140mm)を使用した。なお、垂直吸水体(5)以外の構成は、実施例1と同じである。
図6に示す花束ハンドル(14)と同一の構造を有する花束ハンドルを作製した。垂直吸水体(5)は、アルミニウム製針金よりなる芯(51)にポリエステル繊維(52)をブラシ状に取り付けてなるモール(直径6mm、長さ140mm)を使用した。なお、垂直吸水体(5)以外の構成は、実施例3と同じである。
図7に示す花束ハンドル(100)(従来技術)と同一の構造を有する花束ハンドルを作製した。この花束ハンドルは、吸水性フォーム(200)として通水溝を有しない通常のものを用いた点以外は、実施例1の花束ハンドルと同じである。
その結果、実施例1〜6の花束ハンドルについては、いずれも吸水性フォーム(2)の表面から水が溢れ出すことはなかったが、比較例1の花束ハンドルでは、吸水性フォーム(2)の表面から水が溢れ出した。
その結果、実施例1、2、5、6の花束ハンドルについては、上下逆さにしても水が花束ハンドルから漏れ出ることはなかった。その後、これらの花束ハンドルの天地を元に戻してから、キャップ(4)と吸水性フォーム(2)を外して、ハンドル本体(3)の内部を覗き込むと、ハンドル部(3A)に水が貯まっていた。この水は、切り花の挿入に伴って吸水性フォーム(2)から通水溝(21)(35)を通って流れ込んだ水であると考えられる。また、実施例5、6では、モール(5)も十分に水を吸った状態であった。
実施例3、4の花束ハンドルの場合、上下逆さにしたら、若干量の水が花束ハンドルから漏れ落ちた。その後、これらの花束ハンドルの天地を元に戻してから、キャップ(4)と吸水性フォーム(2)を外して、ハンドル本体(3)の内部を覗き込むと、ハンドル部(3A)に水が貯まっていたが、逆さにした時に漏れたせいで実施例1、2、5、6の約1/2の量であった。
また、比較例1の花束ハンドルでは、上下逆さにしても水は漏れ落ちず、その後、元に戻して、キャップ(4)と吸水性フォーム(2)を外し、ハンドル本体(3)の内部を覗き込むと、ハンドル部(3A)に水は貯まっていなかった。つまり、比較例1の場合、切り花の茎の挿入時に吸水性フォーム(2)から排出された水は、ハンドル本体(3A)に流れ込まず、全て吸水性フォーム(2)の表面に溢れ出したものと考えられる。
2:吸水性フォーム
21:通水溝
3:ハンドル本体
3A:ハンドル部
3B:フォーム保持部
34:係止用突起
35:通水溝
4:キャップ
5:垂直吸水体
Claims (5)
- 切り花を挿すための吸水性フォームと、有底筒状のハンドル部および吸水性フォームの下部を収容保持しうるようにハンドル部の上端に連なって設けられたフォーム保持部を有するハンドル本体と、吸水性フォームの上部を覆うようにフォーム保持部に取り付けられるケージ状のキャップとを備えてなる花束ハンドルにおいて、
吸水性フォームおよびフォーム保持部の互いに接する部分のうち少なくともいずれか一方に、切り花を挿した際に吸水性フォームから排出される水をハンドル部内に流下させる通水溝が形成されていることを特徴とする、花束ハンドル。 - 通水溝は、その上部の流路断面積が下部の流路断面積よりも小さくなるような形状を有していることを特徴とする、請求項1記載の花束ハンドル。
- 通水溝が、吸水性フォームおよびフォーム保持部の互いに接する部分のうち少なくともいずれか一方に、周方向に間隔をおいて複数形成されていることを特徴とする、請求項1または2記載の花束ハンドル。
- キャップを係止しうる複数の係止用突起がフォーム保持部の上端面に周方向に間隔をおいて形成され、通水溝が各係止用突起に対応する位置に形成されていることを特徴とする、請求項3記載の花束ハンドル。
- さらに、一端が吸水性フォームの下部に連結されてハンドル部内に垂下状に配される垂直吸水体を備えていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載の花束ハンドル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009001421U JP3150705U (ja) | 2009-03-11 | 2009-03-11 | 花束ハンドル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009001421U JP3150705U (ja) | 2009-03-11 | 2009-03-11 | 花束ハンドル |
Publications (1)
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JP3150705U true JP3150705U (ja) | 2009-05-28 |
Family
ID=54855172
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2009001421U Expired - Lifetime JP3150705U (ja) | 2009-03-11 | 2009-03-11 | 花束ハンドル |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3150705U (ja) |
-
2009
- 2009-03-11 JP JP2009001421U patent/JP3150705U/ja not_active Expired - Lifetime
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