JP3150528B2 - 香料保留性複合繊維を用いた喫煙用フィルタおよび喫煙用パイプ - Google Patents
香料保留性複合繊維を用いた喫煙用フィルタおよび喫煙用パイプInfo
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Description
関する。また、本発明は、この香料保留性複合繊維を用
いた喫煙用フィルタおよび喫煙用パイプに関する。
くの銘柄の紙巻きたばこが開発されている。一方では、
喫煙時に香りを発生させるような喫煙用フィルタや喫煙
用パイプが開発されている。これらのフィルタまたはパ
イプは、喫煙者に銘柄の選択に加えて、香りを選択する
機会を与えている。これにより、喫煙者は、多様な銘柄
および香りの中から、自分の好みの味および香りを得る
ことができる。
して成形加工されたものが一般的である。例えば、セル
ロースジアセテート繊維が主に使用されている。また、
一部の濾材として、ポリプロピレン繊維、レーヨン繊維
または綿が使用されている。このような喫煙用フィルタ
は、紙巻きたばこに一体的に形成されて用いられるか、
先端部に紙巻きたばこが装着されるたばこ用フィルタの
内部に収容されて使用される。
も開発されている。この喫煙用パイプは、例えば、香料
を含有させた繊維束からなるフィルタを、一端部に吸引
口を有する略円筒形のパイプの内部に収容したものであ
る。
は、使用時までは安定した香りを保留することが可能で
あるが、喫煙時には必要量の香料を放出させるという相
矛盾する2つの機能を発揮できることが好ましい。しか
しながら、従来の繊維を用いたフィルタでは、このよう
な機能は未だ実現されていない。例えば、特開昭61−
254171号公報には、液状食品香料を予め練入し
た、ポリプロピレンまたはポリオレフィンのようなプラ
スチックからなる発泡繊維で構成されたフィルタが開示
されている。しかし、この場合、香料を徐々に放出させ
ることができるが、香りの発生を低減するだけで、使用
前にも香りが放出され、喫煙時のみに香りが放出される
のでない。
ルタの内部に保持させた、間接的に香料を保持させたタ
イプの喫煙用フィルタが開発されている。特公昭57−
22314号公報には、例えば、ジルコニウム化合物か
らなる担体に香料を吸蔵し、この担体をフィルタを構成
する繊維間に分散添着させるか、フィルタを二分割にし
てその間に担体を収容したフィルタが提案されている。
このフィルタによれば、香料は長期にわたり揮散が防止
され、喫煙時の吸引作用によって初めて担体に保持され
た香料が放散される。しかし、ここで使用される担体を
繊維状に成形することは不可能であり、このタイプのフ
ィルタは担体をフィルタの内部に保持させる工程が必要
である。フィルタは、通気性、濾過性、成形性、使用適
性、経済性等の評価基準を満足させるために、繊維状の
素材で構成されることが好ましい。また、香料のフィル
タへの添加量を制御するためには特殊な装置が必要であ
る。このように間接的にフィルタに香料を保留させるタ
イプのフィルタは、その製造工程が複雑になる問題があ
る。
は、ハッカ油およびクリスタルミントからなる基本配合
に、ハッカ油の発散を防止する保持剤としてプロピレン
グリコールまたはグリセリンを添加したものを納めた補
給容器と、内部に合成繊維や綿からなる吸着材を収納し
た吸入パイプとをセットにした香気パイプが開示されて
いる。しかし、この香気パイプにおいても、香料を徐々
に放出させることができるが、香りの発生を低減するだ
けで、使用前にも香りが発生し、喫煙時のみに香りが発
生するのでない。さらに、この香気パイプは、使用時ま
では香料と吸着剤は別々になっているので、初めから香
料をフィルタに保持させたタイプではない。
であり、使用時までは安定した香りを保留可能である
が、喫煙時には必要量の香料を放出させるという相矛盾
する2つの機能を発揮でき、かつ、製造が容易なフィル
タを提供するための香料保留性複合繊維を提供する。ま
た、本発明は、この香料保留性複合繊維を用いた喫煙用
フィルタ並びに喫煙用パイプを提供する。
着性樹脂およびベース樹脂からなる複合繊維であって、
前記脂溶性物質吸着性樹脂に脂溶性香料を吸着させたこ
とを特徴とする香料保留性複合繊維を提供する。
よびベース樹脂からなる複合繊維を通気性構造体に成形
してなる喫煙用フィルタであって、前記脂溶性物質吸着
性樹脂に脂溶性香料を吸着させたことを特徴とする喫煙
用フィルタを提供する。
よびベース樹脂からなる複合繊維または前記複合繊維を
通気性構造体に成形してなるフィルタを、パイプ本体の
内部に収容した喫煙用パイプであって、前記脂溶性物質
吸着性樹脂に脂溶性香料を吸着させたことを特徴とする
喫煙用パイプを提供する。
発明の香料保留性複合繊維は、脂溶性物質吸着性樹脂お
よびベース樹脂からなる複合繊維で構成されている。こ
こで、脂溶性物質吸着性樹脂とは、以下で説明する脂溶
性香料を吸着することができる樹脂をいい、例えば、ポ
リエステル、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピ
レン、エチレン−酢酸ビニル共重合体またはナイロン6
である。これらのうち、ポリエチレンおよびエチレン−
酢酸ビニル共重合体は脂溶性物質の吸着性が特に高いの
で好適に使用できる。
ないが、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイ
ロン66である。ベース樹脂としては、フィルタ−構造
を保持するため、使用性樹脂の保留性に劣り、且つ、ベ
ース樹脂の融点が脂溶性物質吸着性樹脂の融点よりも高
いことが好ましい。
一体となって繊維加工されているものをいう。例えば、
複合繊維は、その断面において、少なくとも一部が脂溶
性物質吸着性樹脂からなり、その他の部分がベース樹脂
からなるものである。特に好ましい複合繊維10の構造
は、図1に示すように、ベース樹脂からなる芯部11
と、その外周面上に配置された脂溶性物質吸着性樹脂か
らなる鞘部12で構成される二重構造である。
繊維としての紡糸が可能なもので鞘部に対して相対的に
高融点のものが好ましい。例えば、ポリアミド系、ポリ
エステル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポリ
ビニルアルコール形、ポリ塩化ビニル系、ポリアクリル
ニトリル系、ポリウレタン系、フェノール系、ポリアル
キレンパラオキシルベンゾエート系等の合成繊維、炭素
繊維、ガラス繊維等の無機繊維が挙げられる。より好ま
しくは、ポリアミド系、ポリエステル系およびポリプロ
ピレン系である。
物質の保留適性、芯鞘タイプまたはサイドバイサイドタ
イプの複合繊維としての紡糸適正、および、芯部に対し
て相対的に低融点であることが好ましい。例えば、ポリ
エチレン系、ポリプロピレン系、ポリエステル系、ポリ
スチレン系、ポリアミド系、エチレン酢酸ビニル共重合
体系等が挙げられる。より好ましくは、ポリエチレンと
エチレン−酢酸ビニル共重合体であり、特に後者がもっ
とも好ましい。
に成形する場合を考慮すると、鞘部12を構成する脂溶
性物質吸着性樹脂として、芯部11を構成するベース樹
脂よりも低い融点の樹脂を用いることが好ましい。特
に、芯部のベース樹脂としてポリプロピレンのような不
活性繊維を使用し、一方で、鞘部として脂溶性物質との
親和性が高いエチレン−酢酸ビニル共重合体を用いたも
のが好ましい。繊維束からなるフィルタは、複数の繊維
を一つに束ねた後に加熱して繊維の一部を溶融させて、
隣り合う繊維の一部を互いに融着させ、一本のフィルタ
とする。このため、上述のような融点が異なる樹脂から
なる複合繊維は、鞘部の脂溶性物質吸着性樹脂の融点よ
りも高く、芯部のベース樹脂の融点よりも低い温度で加
熱処理することにより、鞘部のみが溶融し、容易にフィ
ルタを成形することができる。これにより、繊維どうし
は互いに一部分で融着しているので、フィルタにおいて
適度な通気性を確保することができる。
であることが好ましい。単糸繊度が2デニール未満のも
のは、複合繊維の製造面で不都合な問題が多く、一方、
10デニールを越えるものは、フィルタの成形性、成形
されたフィルタの通気性および放香性が劣る。
着される。脂溶性香料は、例えば、脂溶性であれば特に
限定されず、天然香料、合成香料、調合香料のいずれの
ものも使用することができる。例えば、天然香料として
は、ローズ、ジャスミン、オレンジ、アニス、ペパーミ
ント、シトロネラ、ラベンダー、シナモン、ベチパー等
の各植物性精油、じゃ香、シベット、アンバーグリス等
の動物性精油、その他微生物や昆虫起源の天然香料等を
用いることができる。合成香料としては、例えば、リモ
ネン、リナロール、ゲラニオール、オイゲノール、バニ
リン、カルボン、ヨノン、フェニルエチルアルコール、
メントン、メントール等を用いることができる。調合香
料としては、例えば、天然香料および/または合成香料
を組み合わせて調合したもので、香粧品用、芳香剤用、
食品用、医療用、たばこ用或いは動物や昆虫、微生物用
に調合したものを用いることができる。常温では不揮発
性の高級脂肪酸、ジテルペン、トリテルペン、アルカロ
イド等の脂溶性化合物で水蒸気蒸留で留出可能なものな
ども使用することができる。
ば、複合繊維を香料を含有する溶液中に浸漬し、所定の
時間放置することにより行われる。また、複合繊維に香
料を含有する溶液を噴霧しても良い。
に従って、通気性構造体に成形し、喫煙用フィルタとし
て使用できる。例えば、このフィルタは、まず、複数の
複合繊維を一つに束ねた後に加熱処理を施して、隣り合
う繊維の一部を融着させて、一体の通気性構造体とす
る。この後、複合繊維中の脂溶性物質吸着性樹脂に脂溶
性香料を吸着させる。この樹脂への脂溶性香料の吸着
は、例えば、フィルタを香料を含有する溶液中に浸漬さ
せたり、この溶液をフィルタに噴霧または注入すること
により行うことができる。
は、上述の通り、鞘部を構成する脂溶性物質吸着性樹脂
とし、一方、芯部を構成するベース樹脂よりも低い融点
の樹脂を用いることが好ましい。
直接連結して用いることができる。例えば、図2に示す
ように、紙巻きたばこ21の端部に、通常のフィルタ2
2、本発明の香料を含有したフィルタ23、および、通
常のフィルタ22を順次組み合わせた、いわゆるトリプ
ル(三層)フィルタ24を連結し、その周囲をフィルタ
巻取紙25およびチップペーパー26で順次囲包するこ
とができる。
1の端部に、本発明の香料を含有したフィルタ32およ
び通常のフィルタ33を順次組み合わせた、いわゆるデ
ュアル(二層)フィルタ34を連結し、その周囲をフィ
ルタ巻取紙35およびチップペーパー36で順次囲包し
ても良い。
充填量を調節することにより、喫煙時に口内に流入する
タール量を調節することが可能である。また、上述の香
料保留性複合繊維は、これを直接または上述のフィルタ
に成形した後にパイプ本体の内部に収容した喫煙用パイ
プに用いることができる。この喫煙用パイプは、紙巻き
たばこを装着して、この紙巻きたばこの煙を複合繊維ま
たはフィルタに送通させて、たばこの煙に香りを付与す
ることを目的とするものの他、禁煙または節煙のため
に、複合繊維およびフィルタに吸着された香料の香りを
吸引することを目的としたものを含む。
のたばこを装着するタイプのパイプ40は、例えば、図
4に示すように、略円筒形で内部にフィルタ41を収容
するための収容部42を有し、一端部に紙巻きたばこ4
3を装着するためのたばこ装着部44と、他端部に使用
者が吸引するための吸引口45がそれぞれ形成されてい
る。
タイプのパイプ50は、図5に示すように、略円筒形で
内部にフィルタ51を収容するための収容部52を有
し、一端部に空気を取り込むための空気入口部53と、
他端部に使用者が吸引するための吸引口54がそれぞれ
形成されている。
の装填は、これらを直接に収容部に装填しても良いが、
複合繊維およびフィルタの交換を容易に行うという観点
からは、図6に示すように、例えば、フィルタ61を別
途用意した円筒体62に充填した後、これを収容部63
に装填するタイプの喫煙用フィルタ60が好ましい。
0において、複合繊維またはフィルタに吸着させる香料
の量を、複合繊維の脂溶性物質吸着性樹脂に飽和状態で
吸着される量にすることにより、非喫煙状態、すなわ
ち、パイプ40にたばこ43を装着しないで吸引する状
態では、ほとんど香りは感じられないが、喫煙状態、す
なわち、パイプ40にたばこ43を装着して吸引する状
態では、香りが感じられるようにすることができる。こ
れは、非喫煙状態では、単に空気が複合繊維間を通過す
るだけであるために香料が発生し難いが、喫煙状態で
は、複合繊維間をたばこ中に存在するエチルアルコール
等の溶媒に随伴して、または、喫煙時に煙成分に伴って
吸引される水分による繊維の細孔の膨潤によって、脂溶
性物質吸着性樹脂に吸着された香料が放散させるためで
あると考えられる。
着性樹脂に脂溶性香料を吸着させているので、吸着され
た香料は貯蔵時には放出され難いが、たばこ用フィルタ
に用いた場合に喫煙時に初めて香料が放出される。この
ため、香料が長期間安定して保留され、かつ、喫煙時に
は十分な量の香料が放散される。また、繊維状となって
いるので、例えばフィルタ状に成形する場合に、適度な
通気性を保たせるための成形性に優れていると共に、煙
等との接触面積が大きくなるので煙等との置換による放
香が大きくなる。
構成する複合繊維の脂溶性物質吸着性樹脂に、脂溶性香
料が吸着されているので、吸着された香料は、貯蔵時に
は放出され難い。しかし、喫煙時には、フィルタの内部
に流入する煙により香料が放出される。このため、貯蔵
時には香料が長期間安定して保留され、喫煙時には十分
な香料が放出される。また、脂溶性物質吸着性樹脂およ
びベース樹脂の複合繊維からなる通気性構造体であるの
で、喫煙時に煙と繊維との接触面積が大きく、脂溶性物
質吸着性樹脂に吸着された香料が煙に置換され易くな
り、放出量が大きくなる。
物質吸着性樹脂およびベース樹脂からなる複合繊維また
この複合繊維を通気性構造体に成形してなるフィルタ
を、パイプ本体の内部に収容している。脂溶性物質吸着
性樹脂に脂溶性香料が吸着されているので、吸着された
香料は、貯蔵時や非喫煙状態では放出され難い。しか
し、たばこ喫煙時には、フィルタの内部に流入する煙に
より香料が放出される。このため、貯蔵時には香料が長
期間安定して保留され、喫煙時には十分な香料が放出さ
れる。複合繊維またはフィルタのみを交換することによ
り再利用が可能である。さらに、禁煙または節煙を目的
とした喫煙用具として使用する際には、保存時には香料
は放出され難いが、吸入時には香料が十分放出される。
表1に示す複合繊維を用意し、これらの複合繊維1gを
容量20mlの栓付き試験管に入れ、エチルアルコール
9gおよびペパーミント油1gを加えた後に、室温で2
4時間放置した。
ルアルコールで洗浄し、熱風で乾燥した後に、サンプル
の質量Wを測定し、処理前の質量(1g)と比較して増
加重量ΔWを求めた。増加重量ΔWが0mg以上5mg
未満のサンプルを「不可」、5mg以上10mg未満の
サンプルを「可」、10mg以上30mg未満のサンプ
ルを「やや良好」、30mg以上100mg未満のサン
プルを「良好」、100mg以上のサンプルを「非常に
良好」と評価した。この結果を表1に併記する。また、
比較例として、セルロースパルプ、セルロースジアセテ
ートを用いて上述と同様の試験を行った。この結果を、
比較例1および2として表1に併記する。
良好、+:可、−:不可 PET:ポリエステル、PP: ポリプロピレン、PS:ポリスチ
レン、PE:ポリエチレン、EVA :エチレン−酢酸ビニル
共重合体、N6:ナイロン6、N66 :ナイロン66 表1から明らかなように、実施例1〜6のサンプルは、
何れも香料を保留することができた。これらのうち、実
施例1,3,4,5の複合繊維の保留性が良好であり、
特に、実施例5のポリエチレンからなる芯部とエチレン
−酢酸ビニル共重合体からなる鞘部を有する複合繊維の
香料保留性が特に良好であった。一方、比較例1および
2は、いずれも香料の保留量が少なく、実用可能な香料
保留性を有しているとは認められなかった。
各素材繊維1gをベンジル酢酸(香料)に30分間浸せ
きした後、余剰の香料が手に付かなくなる程度までろ紙
を繊維に押し付けて拭いとり、吸着(0時間)した後、
この試料を通風恒温室(35℃)中に置き、1時間毎に
3時間までの重量減少量を測定し、香料の揮散率を求め
た。この結果を表2に併記する。
P/EVA複合繊維が最も香料の保留性が高いことがわ
かった。上記試験でもっとも優れた香料保留性を示した
実施例5の複合繊維を用いて、香料保留性複合繊維の貯
蔵中の香料の減衰について試験した。
酢酸ビニル共重合体複合繊維(以下、PE/EVAとい
う)9.24gに、ペパーミント油を上述と同様にして
吸着させた。この際の香料を吸着したPE/EVAサン
プル中の香料の重量は10.6gであり、全体重量中の
香料の重量%は、14.6重量%であった。その後、温
度20度、湿度60%の調和室で蔵置した。付香直後の
サンプル中の香料の重量を100%とし、付香後1週間
毎にサンプル中の香料残存率を求めた。この結果を図7
の特性線Iに示す。
置した後でも50%以上の香料残存率を示していた。こ
の結果、複合繊維に香料を吸着させた香料保留性複合繊
維は香料を長期間安定して保留できることが確認され
た。
ルタを試作し、喫煙試験を行った結果について説明す
る。
成形部口金を備えた熱融着性繊維フィルター製造装置を
用いて、芯部がポリプロピレン(融点165℃)からな
り、鞘部がエチレン酢酸ビニル共重合体(融点110
℃)からなる熱融着性複合繊維(チッソ株式会社製、E
V繊維束、単糸繊度3デニール、総繊度80,000デニー
ル)を、加熱温度140℃、熱風圧力0.8Kg/cm
2 、冷風温度4℃、冷風圧力3Kg/cm2 、成形速度
4m/分の条件で、長尺状のフィルターに成形した。得
られたフィルターを25mm毎に切断した。得られたフ
ィルターのチップと、市販の紙巻きたばこ[日本タバコ
産業株式会社製「キャビン」(商品名)]の端末部に粘
着テープで接続した。このチップ部にバーレーたばこフ
レーバー(曽田香料株式会社製)15μlを付香して、
サンプルとした。このサンプルを、温度20℃、湿度6
0%の調和室で1週間蔵置した後、パネラーが試喫し
た。この結果、サンプルのたばこは、未処理の紙巻きた
ばこに比べてバーレーの香りが顕著に増強された。
会社製、単糸繊度4デニール、総繊度40.000デニー
ル)、直径5mm、長さ27mmのフィルターを作製し
た。このフィルタチップ1本あたり3μlのペパーミン
ト油をマイクロシリンジを用いて注入した。
mのポリプロピレン製円筒の内部に挿入した。この円筒
を、喫煙パイプの煙流路に装填した。この喫煙パイプ
は、非喫煙状態で吸引してもほとんど香りは感じられな
かったが、市販の紙巻きたばこをこの喫煙パイプに装着
して喫煙したときは、強いペパーミントの香りが感知で
きた。また、同一の喫煙パイプをくり返し使用して紙巻
きたばこを5回喫煙したが、最後までペパーミントの香
りが感知できた。また、フィルターを円筒に挿入した直
後と、挿入から1ヶ月経過後との喫煙時の香りの発生状
態にほとんど変化は認められなかった。
0.5μlを噴霧して付香した。付香した複合繊維を、
内径5mm、長さ30mmのプラスチック製円筒に10
0mgずつ充填した。次に、この円筒を喫煙パイプの煙
流路内に装填した。
もほとんど香りは感じられなかったが、市販の紙巻きた
ばこをこの喫煙パイプに装着して喫煙したときは、ライ
ムの香りが感知できた。また、同一の喫煙パイプをくり
返し使用して紙巻きたばこを5回喫煙したが、最後まで
ライムの香りが感知できた。
lのペパーミント油をマイクロシリンジで注入して付香
した。付香したフィルターを喫煙パイプに装填した。こ
の喫煙パイプに紙巻きたばこを装着せずに吸引したとこ
ろ、ペパーミントの香りを感知することができた。その
後、同様の条件での吸引を、1回あたり1分間づつ、1
日あたり約10回の割合で行った。1週間経過後におい
てもペパーミントの香りを感知することができた。これ
により、香料保留性複合繊維を用いたフィルタが禁煙又
は節煙用の喫煙用フィルタとして有用であることが確認
された。
香料を脂溶性物質吸着性樹脂に吸着させているので、香
料を長期間安定して保留することができる。このため、
長期間保存した後であっても十分な香りを放出させるこ
とができる。この結果、使用時までは安定した香りを保
留可能であるが、喫煙時には必要量の香料を放出させる
という相矛盾する2つの機能を発揮できる。また、脂溶
性物質吸着性樹脂だけでなく、ベース樹脂との複合繊維
であるので、熱融着等により容易にフィルタに成形する
ことができ、また、フィルタに十分な通気性を持たせる
ことができる。
物質吸着性樹脂およびベース樹脂の複合繊維の通気性複
合体で構成されているので、脂溶性香料を脂溶性物質吸
着性樹脂に吸着させているので、香料が長期間安定して
保留され、喫煙時には香料が放出される。これにより、
長期間にわたって保存した後であっても、喫煙時に十分
な香料を放出させ、香喫味を改善することができる。
質吸着性樹脂およびベース樹脂からなる複合繊維またこ
の複合繊維を通気性構造体に成形してなるフィルタを、
パイプ本体の内部に収容し、香料は脂溶性物質吸着性樹
脂に吸着されているので、貯蔵時や非喫煙状態では放出
され難いが、たばこ喫煙時には十分な香料が放出され
る。また、複合繊維またはフィルタのみを交換すること
により再利用することができる。さらに、禁煙または節
煙を目的とした喫煙用パイプとして使用する際には、保
存時には香料は放出され難いが、吸入時には香料が十分
放出させることができる。
図。
斜視図。
斜視図。
視図。
視図。
視図。
過時間との関係を示す特性図。
21…紙巻きたばこ、22,23,32、33…フィル
タ、24…トリプルフィルタ、34…デュアルフィル
タ、40…喫煙用パイプ、41…フィルタ、42…収容
部、44…たばこ装着部、45…吸い口、50,60…
喫煙用パイプ、51,61…フィルタ、52,62…収
容部、53,63…空気入口部、54…吸い口。
Claims (2)
- 【請求項1】 脂溶性物質吸着性樹脂およびベース樹脂
からなる複合繊維を通気性構造体に成形してなる喫煙用
フィルタであって、前記脂溶性物質吸着性樹脂に脂溶性
香料を吸着させたことを特徴とする喫煙用フィルタ。 - 【請求項2】 脂溶性物質吸着性樹脂およびベース樹脂
からなる複合繊維または前記複合繊維を通気性構造体に
成形してなる喫煙用フィルタを、パイプ本体の内部に収
容した喫煙用パイプであって、前記脂溶性物質吸着性樹
脂に脂溶性香料を吸着させたことを特徴とする喫煙用パ
イプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP06845494A JP3150528B2 (ja) | 1994-04-06 | 1994-04-06 | 香料保留性複合繊維を用いた喫煙用フィルタおよび喫煙用パイプ |
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