JP3148983U - 手動生ごみ処理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気を使用することなく容易に使用でき、有機肥料化ができ、しかも、排液の臭いの対策もなしうる手動生ごみ処理器を提供する。【解決手段】発酵促進用の放線菌のついた落ち葉と生ごみを投入して攪拌する攪拌槽と、攪拌槽の下部に脱着可能に連結されて混合した結果生じる混合液を液肥として貯留する貯留槽14と、貯留槽14を受け入れて外部から支持して転倒を防止する受け台16と有し、攪拌槽は、頂部に設置された蓋18と、蓋18に形成された通気孔20と、底部に設置された金網22と、攪拌槽を貫通する攪拌棒28と、攪拌棒28の上端部に取り付けられた手動回転用の攪拌ハンドル30と、攪拌棒28に取り付けられた複数の攪拌刃32,34とを有し、貯留槽14は、攪拌棒28の下端に吊り下げ保持された混合液攪拌棒64と、貯留槽14の側壁上部に形成された通気孔48と、貯留槽14の側壁下部に形成された開閉可能な排水孔50とを有する。【選択図】図1
Description
本考案は、手動生ごみ処理器に関し、特に、発酵促進用の放線菌のついた落ち葉と生ごみを投入処理するのに適した手動生ごみ処理器に関する。
近年、地球の温暖化による影響が問題視され、地球に優しいエコロジー対策が叫ばれている。
地球の温暖化問題の一つとして、二酸化炭素の発生量の増加があり、その削減は世界的な問題となっている。
二酸化炭素の発生量の削減の一つに都市における生ごみの減量化が上げられ、生ごみの減量化と有機肥料化は急務と考えられる。
これまでの家庭用の生ごみ処理器は、電気を用いる方式のものや、コンポストが一般的であった。
電気を用いる方式のものは、電気により温度を上げて発酵を早くしたり、温風により水分を早く乾燥させて臭気をなくす方式のものが一般的であり、コスト的に効果となり、電力も多く必要とすることから、エコロジーの問題としては貢献度が低い。
コンポストによる場合には、地面を必要とすることから、マンションなどの集合住宅においては用いることができないという不都合がある。
このため、特許文献1に示すような手動式の生ごみ処理器なども種々提案されてきている。
実用新案登録第3030025号公報
このような手動式の生ごみ処理器にあっては、生ごみを土壌改良剤とともに容器に入れて攪拌することで、空気を積極的に取り入れて好気性菌の活動を活発にして生ごみの発酵を促進させるものであるが、発酵途中で発生する混合液については、後処理を施すことなく、そのまま排出するようになっており、排出液のにおいに対する問題が生じることとなる。
本考案の目的は、電気を使用することなく、マンション等の集合住宅でも容易に使用でき、生ごみの減量化、有機肥料化ができ、しかも、排液の臭いの対策もなしうる手動生ごみ処理器を提供することにある。
前記目的を達成するため、本考案の手動生ごみ処理器は、発酵促進用の放線菌のついた落ち葉と生ごみを投入して攪拌する攪拌槽と、前記攪拌槽の下部に脱着可能に連結されて前記攪拌槽で攪拌した放線菌のついた落ち葉と生ごみを混合した結果生じる混合液を液肥として貯留する貯留槽と、前記貯留槽を受け入れて外部から支持して転倒を防止する受け台とを有し、
前記攪拌槽は、頂部に設置された蓋と、前記蓋に形成された通気孔と、底部に設置された金網と、上下の軸受け部に支持された前記攪拌槽を貫通する攪拌棒と、前記攪拌棒の上端部に取り付けられた手動回転用の攪拌ハンドルと、前記攪拌棒に取り付けられた複数の攪拌刃とを有し、
前記貯留槽は、前記貯留槽の側壁上部に形成された通気孔と、前記貯留槽の側壁下部に形成された開閉可能な排水孔とを有することを特徴とする。
前記攪拌槽は、頂部に設置された蓋と、前記蓋に形成された通気孔と、底部に設置された金網と、上下の軸受け部に支持された前記攪拌槽を貫通する攪拌棒と、前記攪拌棒の上端部に取り付けられた手動回転用の攪拌ハンドルと、前記攪拌棒に取り付けられた複数の攪拌刃とを有し、
前記貯留槽は、前記貯留槽の側壁上部に形成された通気孔と、前記貯留槽の側壁下部に形成された開閉可能な排水孔とを有することを特徴とする。
本考案によれば、発酵促進用の放線菌のついた落ち葉と生ごみを攪拌槽に投入して手動回転用のハンドルを用いて攪拌刃を回転させて攪拌することで、発酵を促進し、生ごみの減量化と有機肥料化を確実になしえ、しかも、発酵途中に生じる混合液は貯留層に貯留して液肥として使用することができ、混合液が臭気を生ぜず、しかも、液肥として使用する必要がない場合には、貯留槽の排水孔を開いて外部に排出することができ、混合液の後処理も確実に行うことができ、エコロジーに有効に寄与することが可能となる。
本考案においては、前記貯留槽内には、袋入りの土が収容され、この袋入りの土を混合液に浸して乾燥させることで肥料として利用することができる。
このような構成とすることにより、袋入りの土に混合液を浸して乾燥させることで、液肥を有機肥料土として使用することが可能となる。
本考案においては、前記貯留槽は、前記攪拌棒の下端にチェーンにて吊り下げ保持された混合液攪拌用の混合液攪拌棒を有するものとすることができる。
このような構成とすることにより、混合液攪拌棒の回転により混合液を攪拌して空気と接触させることで、混合液の発酵を促進し、無臭の混合液とすることができ、液肥として用いる場合のみならず、土に浸透させて有機肥料土とする場合、あるいは、そのまま外部に排出する場合にも臭気発生の問題をなくすことができる。
本考案においては、前記攪拌槽及び貯留槽の各通気孔には、不織布が配設されるようにすることができる。
このような構成とすることにより、攪拌槽及び貯留層内に虫が入り込むのを防止して、蚊やハエの発生を防止することができる。
以下、本考案の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1〜図5は、本考案の一実施の形態にかかる手動生ごみ処理器を示す図である。
図1は、本実施の形態にかかる手動生ごみ処理器の全体縦断面図である。
この手動生ごみ処理器10は、攪拌槽12と、貯留槽14と、受け台16とを有している。
攪拌槽12は、発酵促進用の放線菌のついた落ち葉と生ごみを投入して攪拌するもので、頂部に設置された蓋18と、蓋18に形成された通気孔20と、底部に設置された金網22と、上下の軸受け部24、26に支持された攪拌槽12を貫通する攪拌棒28と、攪拌棒28の上端部に取り付けられた手動回転用の攪拌ハンドル30と、攪拌棒28に取り付けられた複数の攪拌刃32、34とを有している。
攪拌槽12自体は、市販の一般のFRPポリエチレン容器の底を抜いた状態のものとなっており、壊れた場合には容易に交換できるようになっている。
また、攪拌槽12は側壁を二重構造とし、内側に詰まり防止のため直径10mmの多数の孔36を形成した通気壁38を配設し、横側からも必要な空気が取り入れられるようになっている。
蓋18は、前述の一般のFRPポリエチレン容器に付随している蓋を用いている。
また、蓋18と攪拌槽12とは、攪拌時に互いに回転しないように、かつ脱着可能になるよう攪拌棒28の上部は円形で蓋18を貫通している。
通気孔20は、蓋18の適所に複数、例えば8個形成し、各通気孔20には虫除けに不織布40を取り付けている。
これによって、攪拌槽12に対するハエ、蚊などの虫の寄り付き、発生を防止することができる。
金網22は、図4にも示すように、5mm目のステンレス製のものを用いている。
これは、パンチングメタル等よりもよく混合物を分解できるようにするためである。
攪拌棒28は、ステンレス製のもので、図2にも示すように、攪拌槽12の上部に配設したステンレス製の支持アーム42に取り付けた上部側の軸受け部24と、図4にも示すように、攪拌槽12の下部に配設した2本のステンレス棒44に取り付けた下部側の軸受け部26とにより軸支され、攪拌槽12のほぼ中心位置で上下方向に貫通した状態となっている。
また、この攪拌棒28は、攪拌刃32、34を取り付けやすくするために6角形に形成されている。
手動回転用の攪拌ハンドル30は、ステンレス製のもので、図3に示すように、リング状とされ、しかも、冬場などのように攪拌力が大きく必要な場合でも、操作力が小さくて済むように、直径を受け台16の直径とほぼ同程度に大きく設定してある。
また、この攪拌ハンドル30は、攪拌棒28の頂部に脱着部46を介して脱着可能にされている。
複数の攪拌刃32、34は、ステンレス鍛造製のもので、ごみを切削するようになっている。
上部2本の攪拌刃32は、図1に示すように、攪拌時の抵抗を考慮して水平より先端が下がるように、15度の角度をつけて攪拌棒28に取り付け、混合物を跳ね上げて空気が良く入るようにしている。
底部の攪拌刃34は、水平状態で攪拌棒28に取り付けられ、落ち葉等の攪拌物を金網22にこすり付けて水分を絞りだせるようにしている。
貯留槽14は、取り扱いが便利なように、攪拌槽12の下部に脱着可能に連結されて、攪拌槽12で攪拌した放線菌のついた落ち葉と生ごみを混合した結果生じる混合液を液肥として貯留するもので、貯留槽14の側壁上部に形成された通気孔48と、貯留槽14の側壁下部に形成された開閉可能な排水孔50とを有する。
貯留槽14自体は、攪拌槽12と同様に、市販の一般のFRPポリエチレン容器のものとなっており、壊れた場合には容易に交換できるようになっている。
また、この貯留槽14は、攪拌槽12の下部に脱着可能に連結されている。
さらに、貯留槽14と攪拌槽12とは、攪拌刃32、34の回転時に攪拌槽12が回転しないようにボルト止めしておくのが望ましい。
通気孔48は、貯留槽14の側壁上部の適所に複数、例えば8個形成し、各通気孔48には虫除けに不織布40を取り付けている。
これによって、貯留槽14に対するハエ、蚊などの虫の寄り付き、発生を防止することができる。
排水孔50は、貯水槽14の下部側面にビニールソケット52を取り付けて形成し、その排水孔50にゴム栓54を取り付け、所定時間、例えば2週間ごとにゴム栓54をはずして混合液を抜くことができるようにしている。
受け台16は、貯留槽14を受け入れて外部から支持し、転倒を防止するためのもので、図5にも示すように、貯留槽14の側壁上部に装着されるリング状の装着部56と、貯留槽14の底部側にあって転倒を防止するためのリング状の安定部58と、これら装着部56及び安定部58を連結する複数の脚部60とを有している。
安定部58は、安定性を高めるため、装着部56よりも大きな直径のものとされている。
脚部60は、攪拌時に安定部58を足で踏んで回転を阻止できるよう3本に設定されている。
このように、本実施の形態によれば、発酵促進用の放線菌のついた落ち葉と生ごみを攪拌槽12に投入して手動回転用の攪拌ハンドル30を用いて攪拌刃32、34を回転させて攪拌することで、発酵を促進し、生ごみの減量化と有機肥料化を確実になしえ、しかも、発酵途中に生じる混合液は貯留層14に貯留して液肥として使用することができ、混合液が臭気を生ぜず、しかも、液肥として使用する必要がない場合には、貯留槽14の排水孔50のゴム栓54を抜いて外部に排出することができ、混合液の後処理も確実に行うことができ、エコロジーに有効に寄与することが可能となる。
また、本実施の形態においては、貯留槽内14に、袋入りの畑土等の土を収容し、この袋入りの土を混合液に浸して乾燥させることで肥料として利用することができるようになっている。
この肥料土の利用のみに手動ごみ処理器10を用いる場合には、排水孔50を形成しなくとも良い。
このように、袋入りの土に混合液を浸して乾燥させることで、液肥を有機肥料土として使用することが可能となる。
さらに、本実施の形態においては、貯留槽12は、攪拌棒28の下端にチェーン62にて混合液攪拌用のステンレス製の混合液攪拌棒64を吊り下げ保持して、攪拌刃32、34の回転とともに混合液攪拌棒64を回転可能にしている。
このように、混合液攪拌棒64の回転により混合液を攪拌して空気と接触させることで、混合液の発酵を促進し、無臭の混合液とすることができ、液肥として用いる場合のみならず、土に浸透させて有機肥料土とする場合、あるいは、そのまま外部に排出する場合にも臭気発生の問題をなくすことができる。
次に、このような手動ごみ処理器10の使用状態について説明する。
まず、攪拌槽12に生ごみと落ち葉を投入して攪拌する。
落ち葉は、2〜3年経過したもので、発酵を促進する放線菌がついたものを用いる。
一日に1回、如雨露で微生物(放線菌)入りの水を散水後、攪拌ハンドル30により攪拌槽12内の混合物を左右に数回ずつ回転させる。
この場合、回転させないと臭気が生じるので忘れずに回転操作を行う。
これによって、落ち葉は生ごみの臭気をとり、回転、攪拌によって空気が混入して発酵が促進される。
また、散水の量によって、臭気がなくなるため、虫、特にハエ対策がなしえ、通気孔20に設けた不織布40によって、ハエ、蚊等の虫の侵入が防止され、その結果、虫の発生も防止できることとなる。
投入する生ごみ量は、例えば700gで、常に生ごみの上に新しい落ち葉が載るようにすると臭いが出ない。
生ごみとしては、一般の家庭用電気式生ごみ処理器と同様に、貝殻、卵の殻、太い動物の骨、紙、プラスチックは分解されず、動物の糞尿は大腸菌があるため使用しないこととする。
発酵が始まると、混合物は水分(液肥)になる。
微生物の活動が気温に左右されるため、分解は、夏季は早く、冬季は遅くなる。
都心の日当たりのベランダ、寒冷地のビニールハウスの中でも発酵する。
それらは、底部の金網22を通して、貯留槽14に溜められる。
一般の家庭用生ごみ処理器では、稼動を始めると肥料ができすぎて処理に困るものである。
この種の生ごみ処理器では、生ごみを分解するだけで、その後処理が簡単にできていない。
本実施の形態における手動生ごみ処理器では、次のような3通りの処理方法を行うことができる。
第1に、下水処理である。
これは、貯留槽14内に貯留された混合液を約2週間後、下水管に放流する処理方法である。
この場合、微生物の働きにより油分が分解しているので、下水管が詰まることがない。
第2に、肥料処理である。
これは、例えば畑土を袋詰め(土嚢袋)にして貯留層14に入れ、混合液(液肥)を含浸させた後、乾燥させて、肥料として用いる処理方法である。
これは、虫のいない季節、10月〜翌年3月が適している。
第3に、再使用である。
これは、混合液は100日以上経ると、無臭となり、再び放線菌入りの水として再使用する処理方法である。
混合液はかき回して空気を入れれば、無臭となる期間を短縮することができる。手動生ごみ処理器10を用いてかき回す場合には、攪拌槽に生ごみを投入せずに行うと良い。
これらのいずれかの処理方法を適宜組み合わせて行うことで、生ごみ分解後の後処理を簡単かつ有効に行うことが可能となる。
本考案は、前記実施の形態に限定されるものではなく、本考案の要旨の範囲内において種々の形態に変形可能である。
例えば、前記実施の形態では、攪拌槽及び貯留槽にFRPポリエチレンを採用しているが、この例に限定されるものではなく、種々の材質のものを採用することができる。
10 手動生ごみ処理器
12 攪拌槽
14 貯留槽
16 受け台
18 蓋
20、48 通気孔
24、26 軸受け部
28 攪拌棒
30 攪拌ハンドル
32,34 攪拌刃
40 不織布
50 排水孔
62 チェーン
64 混合液攪拌棒
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Claims (4)
- 発酵促進用の放線菌のついた落ち葉と生ごみを投入して攪拌する攪拌槽と、前記攪拌槽の下部に脱着可能に連結されて前記攪拌槽で攪拌した放線菌のついた落ち葉と生ごみを混合した結果生じる混合液を液肥として貯留する貯留槽と、前記貯留槽を受け入れて外部から支持して転倒を防止する受け台とを有し、
前記攪拌槽は、頂部に設置された蓋と、前記蓋に形成された通気孔と、底部に設置された金網と、上下の軸受け部に支持された前記攪拌槽を貫通する攪拌棒と、前記攪拌棒の上端部に取り付けられた手動回転用の攪拌ハンドルと、前記攪拌棒に取り付けられた複数の攪拌刃とを有し、
前記貯留槽は、前記貯留槽の側壁上部に形成された通気孔と、前記貯留槽の側壁下部に形成された開閉可能な排水孔とを有することを特徴とする手動生ごみ処理器。 - 請求項1において、
前記貯留槽内には、袋入りの土が収容され、この袋入りの土を混合液に浸して乾燥させることで肥料として利用することを特徴とする手動生ごみ処理器。 - 請求項1または2において、
前記貯留槽は、前記攪拌棒の下端にチェーンにて吊り下げ保持された混合液攪拌用の混合液攪拌棒を有することを特徴とする手動生ごみ処理器。 - 請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記攪拌槽及び貯留槽の各通気孔には、不織布が配設されることを特徴とする手動生ごみ処理器。
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