JP3148957U - 止水・電源遮断機構付電気抵抗スポット溶接機 - Google Patents

止水・電源遮断機構付電気抵抗スポット溶接機 Download PDF

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武夫 蕗澤
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Abstract

【課題】不良品の生成を防止するとともに、作業者の負傷を防止することが可能な、電気抵抗スポット溶接機を提供する。【解決手段】電極4をその先端に取り付け、電極4を冷却する冷却水が流通する供給路及び前記電極を冷却した排水が流通する排水路を内部に有し、離接動可能に対向して配設された一対のシャンクと、前記シャンクの基端に取り付けられ、前記供給路に冷却水を供給する第1の水路と、前記排水路から排出される排水を外部に排出する第2の水路が形成された給排水器本体1と、前記第1の水路及び第2の水路を遮断する遮断機構と、前記遮断機構の遮断状態を検知する検知手段19と、前記一対のシャンクの離接動及び、変圧器68によるシャンクへの電流の供給をシーケンス制御する制御部66とを有し、検知手段19が遮断状態を検知している状態では、制御部のシーケンス制御が開始しないように構成する。【選択図】図1

Description

本考案は、スポット溶接機の電極チップを交換する際に、簡単な操作で電極チップの冷却水の流通を止水することを可能とし、且つ、電極が冷却されないことによる溶接不良及び、作業者が電極の交換作業中に相対向するシャンクに挟まれることを防止することができる止水・電源遮断機構付電気抵抗スポット溶接機に関するものである。
電気抵抗スポット溶接機は、上部電極と下部電極間にワークを挟んで加圧、通電して、ワークに流れる電気抵抗熱でワークを溶かして溶接するものであり、自動車のボディ等を溶接する場合に広く使用されている。
この電気抵抗スポット溶接は、電極間に流れる電流により電気抵抗熱でワークを溶接することから、電極は常に熱に曝される。この熱により電極が、ワークに溶着することを防止するために、図7に示されるように、シャンク150内に電極152の内部に臨む内管151を設け、この内管151から供給される冷却水で、キャップチップ式の電極152を冷却している。シャンク150の基端には、給排水器153が取り付けられていて、この給排水器153の吸水口153aから内管151に冷却水が供給され、電極152が冷却されるようになっている。電極152を冷却した排水は、シャンク150と内管151の間の排水路155を流通して、給排水器153の排水口153bから外部に排水されるようになっている。
ところで、電気抵抗スポット溶接機に使用される電極152は、使用に伴って、その先端部の形状が加圧力や摩耗により変形する。電極152が変形すると、ワークに傷がついたり、溶着不良やスパッタが発生したりする原因となる。このため、所定の溶接回数毎(例えば1500回〜5000回)に、チップドレッサー等で電極152を切削して表面形状をなめらかにする必要がある。ところが、切削するごとに電極152が減少することから、切削する回数にも限度があり、所定回数切削した場合には、電極152全体を交換する必要がある。
内管151には水圧がかかっている状態で、電極152をシャンク150から取り外すと、冷却水が内管151から噴出してしまうため、電極152を交換する際には、作業者は止水弁を閉じて、内管151への冷却水の供給を止めてから、電極152の交換作業を行っていた。
なお、上述した内容は、公知・公用の技術であり、出願人は特に先行技術調査を行っていないため、先行技術の開示については行わない。
しかしながら、作業者が止水弁が閉じている状態であることを忘れてしまい、内管151への冷却水の供給が停止されている状態で溶接を行ってしまうということが頻発していた。内管151への冷却水の供給が停止されている状態で溶接を行うと、電極152が過熱され、電極152が軟化し、電極152の先端形状が潰れてしまうと、電極152とワークとの接触面積が増えることから、ワークに流れる電流が集中しなくなり、ワークの溶融が不十分となり、溶接強度が弱い不良品を生成してしまうという問題があった。
また、作業者が電極152の交換作業中に、誤って電気抵抗スポット溶接機を作動させてしまい、作業者の手が相対向するシャンク151に挟まれ、負傷してしまうという問題があった。
一方で、前記した止水弁は一般的に、交換する電極52から離れた場所に設置してあることが多く、作業性が悪いという問題があった。また、冷却水の供給を止めても、シャンク50や内管51等の冷却水の経路には冷却水が残存していることから、電極52を取り外した際に、残存している冷却水がシャンクから流出し、流出した冷却水が工場の床面にこぼれてしまう。このため、電極52を交換する際には、作業者が予めバケツ等をシャンク50の下に置いて前記冷却水を受ける必要があり、手間がかかるという問題があった。
本考案は、上記問題を解決し、不良品の生成を防止するとともに、作業者の負傷を防止することが可能な、電気抵抗スポット溶接機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の考案は、被溶接部材と当接する電極と、
前記電極をその先端に取り付け、前記電極を冷却する冷却水が流通する供給路及び前記電極を冷却した排水が流通する排水路を内部に有し、離接動可能に対向して配設された一対のシャンクと、
前記シャンクの基端に取り付けられ、前記供給路に冷却水を供給する第1の水路と、前記排水路から排出される排水を外部に排出する第2の水路が形成された給排水器本体と、
前記第1の水路及び第2の水路を遮断する遮断機構と、
前記遮断機構の遮断状態を検知する検知手段と、
前記シャンクに電流を供給する変圧器と、
前記一対のシャンクの離接動及び、前記変圧器によるシャンクへの電流の供給をシーケンス制御する制御部とを有し、
前記検知手段が、前記遮断機構の遮断状態を検知している状態では、前記制御部のシーケンス制御が開始しないように構成したことを特徴とする。
請求項2に記載の考案は、請求項1に記載の考案において、
検知手段は、2本のリード線を有し、遮断機構の遮断状態を検知していない状態で、前記2本のリード線が電気的に接続し、遮断機構の遮断状態を検知している状態では、前記2本のリード線が電気的に接続しないように構成され、
制御部は、2つの投入部を有し、当該2つの投入部が電気的に接続すると、シーケンス制御が開始するように構成され、
前記2本のリード線を、それぞれ、前記2つの投入部に電気的に接続し、
前記リード線と前記投入部を電気的に接続する電路の途中に、当該電路を遮断・接続するスイッチを設けたことを特徴とする。
請求項3に記載の考案は、請求項1に記載の考案において、
検知手段は、遮断機構の遮断状態を検知している状態で、検知信号を制御部に出力し、
制御部に前記検知信号が入力されている状態では、制御部はシーケンス制御を開始させないことを特徴とする。
請求項4に記載の考案は、請求項1〜請求項3に記載の考案において、
給排水器本体に、第1の水路及び第2の水路を横断する、断面形状が円形状の横断穴を形成し、
前記横断穴内に、前記横断穴の内面に対応する形状の回転部材を回動自在に取り付け、
前記回転部材には、前記回転部材の側面を貫通する流通穴が2つ形成され、
前記回転部材が前記給排水器本体に対して所定位置にある場合には、前記2つの流通穴が、それぞれ前記第1の水路及び第2の水路と合致するが、前記所定位置から所定角度回転部材を回転させると、前記2つの流通路が、それぞれ前記第1の水路及び第2の水路と合致することなく、前記回転部材が、前記第1の水路及び前記第2の水路の流路を遮断するように構成して、遮断機構を構成したことを特徴とする。
請求項5に記載の考案は、請求項4に記載の考案において、
検知手段は、近接状態を検知する検知部を有する近接センサーであり、
回転部材を回動させるにハンドルを、前記回動部材に取り付け、
前記回転部材が第1の水路及び第2の水路の流路を遮断している状態のハンドル位置に対向する位置に、前記検知部を位置させて、
検知手段が、第1の水路及び第2の水路の流路の遮断を検知するように構成したことを特徴とする。
請求項6に記載の考案は、請求項4又は請求項5に記載の考案において、
横断穴の内面及び回転部材の外面を円錐形状としたことを特徴とする。
請求項7に記載の考案は、請求項6に記載の考案において、
回転部材の外面を、横断穴の内面に押し付ける方向に、回転部材に軸力を作用させるように構成したことを特徴とする。
請求項8に記載の考案は、請求項7に記載の考案において、
回転部材を給排水器本体に取り付けるための、回転部材の先端に形成されたネジ部と、このネジ部を締め付けるナットとの間に配設された皿ワッシャーの弾性変形により回転部材に軸力を作用させたことを特徴とする。
請求項9に記載の考案は、請求項4〜請求項8に記載の考案において、
回転部材の外表面に潤滑剤を塗布したことを特徴とする。
請求項10に記載の考案は、請求項4〜請求項9に記載の考案において、
回転部材の軸線方向に対して、流通穴の外側の回転部材にパッキンを取り付け、本体と回転部材との境界面を気密構造にしたことを特徴とする。
請求項11に記載の考案は、請求項4〜請求項10に記載の考案において、
回転部材が給排水器本体に対して所定位置にある状態において、冷却水が供給される供給口側の横断穴に臨む第1の水路及び第2の水路の開口部を接続するパイパス路を回転部材に形成したことを特徴とする。
請求項12に記載の考案は、請求項11に記載の考案において、
バイパス路は、回転部材の側面を凹陥して形成したことを特徴とする。
請求項1に記載の考案は、シャンクの基端に取り付けられ、前記供給路に冷却水を供給する第1の水路と、前記排水路から排出される排水を外部に排出する第2の水路が形成された給排水器本体と、前記第1の水路及び第2の水路を遮断する遮断機構と、前記遮断機構の遮断状態を検知する検知手段と、前記シャンクに電流を供給する変圧器と、前記一対のシャンクの離接動及び、前記変圧器によるシャンクへの電流の供給をシーケンス制御する制御部とを有し、前記検知手段が、前記遮断機構の遮断状態を検知している状態では、前記制御部のシーケンス制御が開始しないように構成したことを特徴とする。
このため、検知手段が、前記遮断機構の遮断状態を検知している状態では、前記制御部のシーケンス制御が開始しないので、電極が過熱されることがなく、溶接強度が弱い不良品の生成を防止することが可能となる。
また、作業者が電極の交換作業中に、スポット溶接のシーケンス制御が開始しないので、作業者が相対向するシャンクに挟まれることがない。
請求項2に記載の考案は、請求項1に記載の考案において、検知手段は、2本のリード線を有し、遮断機構の遮断状態を検知していない状態で、前記2本のリード線が電気的に接続し、遮断機構の遮断状態を検知している状態では、前記2本のリード線が電気的に接続しないように構成され、制御部は、2つの投入部を有し、当該2つの投入部が電気的に接続すると、シーケンス制御が開始するように構成され、前記2本のリード線を、それぞれ、前記2つの投入部に電気的に接続し、前記リード線と前記投入部を電気的に接続する電路の途中に、当該電路を遮断・接続するスイッチを設けたことを特徴とする。
このため、前記検知手段が、前記遮断機構の遮断状態を検知している状態では、確実に、前記制御部のシーケンス制御が開始しない機構を提供することが可能となる。
請求項3に記載の考案は、請求項1に記載の考案において、検知手段は、遮断機構の遮断状態を検知している状態で、検知信号を制御部に出力し、制御部に前記検知信号が入力されている状態では、制御部はシーケンス制御を開始させないことを特徴とする。
このため、前記検知手段が、前記遮断機構の遮断状態を検知している状態では、確実に、前記制御部のシーケンス制御が開始しない機構を提供することが可能となる。
請求項4に記載の考案は、請求項1〜請求項3に記載の考案において、給排水器本体に、第1の水路及び第2の水路を横断する、断面形状が円形状の横断穴を形成し、前記横断穴内に、前記横断穴の内面に対応する形状の回転部材を回動自在に取り付け、前記回転部材には、前記回転部材の側面を貫通する流通穴が2つ形成され、前記回転部材が前記給排水器本体に対して所定位置にある場合には、前記2つの流通穴が、それぞれ前記第1の水路及び第2の水路と合致するが、前記所定位置から所定角度回転部材を回転させると、前記2つの流通路が、それぞれ前記第1の水路及び第2の水路と合致することなく、前記回転部材が、前記第1の水路及び前記第2の水路の流路を遮断するように構成して、遮断機構を構成したことを特徴とする。
このため、シャンクからの冷却水や排水の流出を、防止することが可能となり、電極を交換する際に、作業者が予めバケツ等をシャンクの下に置いて冷却水を受ける必要がなくなり、電極の交換作業の作業性を向上させることが可能となる。
請求項5に記載の考案は、請求項4に記載の考案において、検知手段は、近接状態を検知する検知部を有する近接センサーであり、回転部材を回動させるにハンドルを、前記回動部材に取り付け、前記回転部材が第1の水路及び第2の水路の流路を遮断している状態のハンドル位置に対向する位置に、前記検知部を位置させて、検知手段が、第1の水路及び第2の水路の流路の遮断を検知するように構成したことを特徴とする。
このため、第1の水路及び第2の水路の流路の遮断を確実に検知することが可能となる。
請求項6に記載の考案は、請求項4又は請求項5に記載の考案において、横断穴の内面及び回転部材の外面を円錐形状としたことを特徴とする。
このため、回転部材の外表面と横断穴の内表面とを密着させることにより、給排水ジャケット本体と回転部材との間から、大気が侵入することを防止し、シャンクの先端側からのみ大気圧を作用させることが可能となり、シャンクからの冷却水や排水の流出を防止することが可能となる。
請求項7に記載の考案は、請求項6に記載の考案において、
回転部材の外面を、横断穴の内面に押し付ける方向に、回転部材に軸力を作用させるように構成したことを特徴とする。
このため、回転部材の外表面と給排水ジャケット本体の内表面とを確実に密着させることにより、給排水ジャケット本体と回転部材との間から、大気が侵入することがなく、シャンクの先端側からのみ大気圧を作用させることが可能となり、シャンクからの冷却水や排水の流出を防止することが可能となる。
請求項8に記載の考案は、請求項7に記載の考案において、回転部材を給排水器本体に取り付けるための、回転部材の先端に形成されたネジ部と、このネジ部を締め付けるナットとの間に配設された皿ワッシャーの弾性変形により回転部材に軸力を作用させたことを特徴とする。
このため、確実に回転部材に軸力を作用させることが可能となる。
請求項9に記載の考案は、請求項4〜請求項8に記載の考案において、回転部材の外表面に潤滑剤を塗布したことを特徴とする。
このため、前記潤滑剤が、横断穴と回転部材との接触面に充填されることにより、前記接触面の隙間が無くなる。このため、給排水ジャケット本体と回転部材との間から、大気が侵入することがなく、シャンクの先端側からのみ大気圧を作用させることが可能となり、シャンクからの冷却水や排水の流出を防止することが可能となる。
請求項10に記載の考案は、請求項4〜請求項9に記載の考案において、回転部材の軸線方向に対して、流通穴の外側の回転部材にパッキンを取り付け、本体と回転部材との境界面を気密構造にしたことを特徴とする。
このため、前記パッキンが、弾性変形して、横断穴と回転部材との間を閉塞し、給排水ジャケット本体と回転部材との間から、大気が侵入することがなく、シャンクの先端側からのみ、大気圧を作用させることが可能となり、シャンクからの冷却水や排水の流出を防止することが可能となる。
請求項11に記載の考案は、請求項4〜請求項10に記載の考案において、
回転部材が給排水器本体に対して所定位置にある状態において、冷却水が供給される供給口側の横断穴に臨む第1の水路及び第2の水路の開口部を接続するパイパス路を回転部材に形成したことを特徴とする。
このため、電極への冷却水の供給を遮断しても、前記パイパス路を通じて、冷却水が排水路から排出されるので、冷却水の循環が停止することがなく、他のスポット溶接機を停止させる必要がなく、生産効率が向上する。
請求項12に記載の考案は、請求項11に記載の考案において、バイパス路は、回転部材の側面を凹陥して形成したことを特徴とする。
このため、簡単な加工によりバイパス路を形成することが可能となる。
(電気抵抗スポット溶接用電極の全体構造)
図1は本考案の実施の形態を示す止水・電源遮断機構付電気抵抗スポット溶接機100(以下単にスポット溶接機100とする)の側面図である。51はスポット溶接機100の装置本体である。装置本体51には、制御部66、溶接電流制御部67、変圧器68が取り付けられている。装置本体51には、下部腕部52及び上部腕部53が、装置本体51の前方側に突出して設けられている。下部腕部52及び上部腕部53は上下に相対向している。
下部腕部52には、下部給電部57が取り付けられている。下部給電部57は、導体61により、変圧器68の二次側と接続している。下部給電部57の前端には、下部電極ユニット54が取り付けられている。
上部腕部53の先端には、加圧機構55が設けられている。加圧機構55は、上下方向に摺動するシリンダー55aを有している。シリンダー55aの下端には、上部給電部58が取り付けられている。加圧機構55には、電動式及びエア式の両方が含まれる。加圧機構55は、制御部66に接続している。制御部66の指令により、加圧機構55が駆動し、シリンダー55aが上下方向に摺動するようになっている。
上部給電部58は、可撓導体62により、変圧器68の二次側と接続している。上部給電部58の前端には、上部電極ユニット56が取り付けられている。上部電極ユニット56は、加圧機構55によって上下動するようになっていて、対向する下部電極ユニット54の先端に取り付けられた電極4と、上部電極ユニット56の先端に取り付けられた電極4とが離接するようになっている。
変圧器68の一次側には、溶接電流制御部67と交流電源69が直列に接続している。交流電源69は、周波数50Hz、60Hz、電圧100V、200V等の所謂商用電源である。溶接電流制御部67は、制御部66と接続している。溶接電流制御部67は、サイリスタを有している。制御部66の指令により、溶接電流制御部67は、変圧器69に流れる電流を制御する。
下部電極ユニット54の検知手段19、スイッチ65、上部電極ユニット56の検知手段19が直列に接続し、制御部66の投入部66a、66bに接続している。なお、下部電極ユニット54の検知手段19、スイッチ65、上部電極ユニット56の検知手段19の接続順は、任意であっても差し支えない。なお、検知手段19からは、2本のリード線19b、19cが延出し、スイッチ65及び制御部の投入部66a、66bは、これらリード線19b、19cに電気的に接続している。スイッチ65は、図に示された実施形態では、フットペダル式のスイッチ65であるが、押しボタン式のスイッチ65であっても差し支えない。
制御部66は、所謂プログラマブルロジックコントローラ(PLC:programmable logic controller)である。制御部66は、加圧機構55及び溶接電流制御部67をシーケンス制御する。制御部66の投入部66a、66bが電気的に接続すると、スポット溶接のシーケンス制御が開始し、制御部66は、加圧機構55及び溶接電流制御部67に指令を出力する。具体的には、制御部66は、加圧機構55にシリンダー55aを下降させる命令を出力して、下部電極ユニット56を下降させる。すると、被溶接部材は、上部電極ユニット56及び下部電極ユニット54に取り付けられた電極4で挟まれて加圧され、この状態で、制御部56は、溶接電流制御部67に、変圧器68に電流を流す命令を出力し、交流電源69から供給された交流電流が、変圧器68で降圧されて大電流となり、当該大電流が対向する電極4間の被溶接部材を通電し、被溶接部材の電気抵抗熱により、被溶接部材が溶融して被溶接部材が溶接される。溶接が終了すると、制御部66は、溶接電流制御部67に、変圧器68への電流の供給を停止させる指令を出力するとともに、加圧機構55にシリンダー55aを上昇させる命令を出力する。
(上部電極ユニット及び下部電極ユニットの構造)
図2に上部電極ユニット56及び下部電極ユニット54の側面図を示し、図3に給排水器の説明図を示して、以下、説明する。上部電極ユニット56、下部電極ユニット54は、は、給排水器20と、基シャンク2、先端側シャンク3、電極4、内管5とから構成されている。給排水器20は、給排水器本体1、回転部材6、Oリング7、8、ワッシャー9、皿ワッシャー10、ナット11、検知手段19とから構成されている。給排水器20は、シャンク(基シャンク2及び先端側シャンク3)の基端に取り付けられ、シャンクに冷却水を供給し、電極4を冷却後の排水を外部に排出するものである。
図に示される実施形態では、基シャンク2と先端側シャンク3とから、シャンクが構成されているが、一体となったシャンクであっても差し支えない。基シャンク2と先端側シャンク3の形状は、略円筒形状である。先端側シャンク3は、基シャンク2の先端に嵌合して取り付けられている。基シャンク2及び先端側シャンク3の内部は、冷却水が流通する流路2a、3aとなっている。基シャンク2及び先端側シャンク3の材質は、電気抵抗が低く導電性に優れた銅やクロム銅等の銅合金等で構成されている。
先端側シャンク3の先端には、先端側に向かって徐々に内径が小さくなる円錐面が形成され、電極取付部3bとなっている。電極4は、銅やクロム銅等の銅合金で構成されている。電極4の基端には、前記電極取付部3aと対応する形状の取付部4aが凹陥形成されている。電極4の取付部4aが下部電極3の電極取付部3bと嵌合して、電極4が下部電極3に取り付けられている。電極4は被溶接部材と当接する。
図1や図2に示されるように、給排水器本体1は、ブロック形状をしている。給排水器本体1は、耐腐食性に優れたステンレス鋼や真鍮等の金属で構成されている。給排水器本体1には、略円筒をした取付部1aが突出形成されている。取付部1a内には、流通路1bが形成され、当該流通路1bが給排水器本体1の内部にまで形成されている。取付部1aの外周面には、ネジ山が形成されている。基シャンク2の基端内面には、ネジ溝が形成され取付部2bとなっている。基シャンク2の取付部2bが、給排水器本体1の取付部1aのネジ山に螺合して、基シャンク2が給排水器本体1に取り付けられている。
給排水器本体1には、第1の水路1d及び第2の水路1eが、それぞれ平行して形成されている。第1の水路1d及び第2の水路1eと直交するように、流通路1bに接続している。第1の水路1dは、給排水器本体1の外表面に開口し、当該開口部内面にネジ溝が螺刻され供給口1fとなっている。この供給口1fには、冷却水を供給する供給管16が接続されている。第2の水路1eもまた、給排水器本体1の外面に開口し、当該開口部内面にネジ溝が形成され排水口1gとなっている。この排水口1gには、排水を外部に排水する排水管17が接続されている。
内管5は、流通路1bの基部(第1の水路1dと第2の水路1eの間)に圧入されて取り付けられている。内管5は、耐腐食性に優れたステンレス鋼や銅合金等で構成されている。内管5の先端は、電極4の取付部4aに開放している。このような構造により、供給口1fから供給された冷却水、第1の水路1f、流通路1b、内管5を流通し、電極4の取付部4aに供給され、電極4が冷却されるようになっている。
内管5の外径は、流通路1bの先端側及び流通路2a、流通路3aの内径よりも小さくなっている。流通路1bの先端側及び流通路2a、流通路3aの内側で内管5の外側には、排水路15が形成されている。電極4を冷却した排水は、排水路15、第2の水路1gを流通し、排水口1gから排出されるようになっている。
給排水器本体1には、第1の水路1d及び第2の水路1eを横断するように横断穴1hが貫通形成されている。言い換えると、第1の水路1d及び第2の水路1eと直交するように、横断穴1hが貫通形成されている。この横断穴1hの断面形状は円形状をしている。本実施形態では、横断穴1hの内面は、円錐形状となっている。
給排水器本体1の横断穴1h内に収納されるようにして、回転部材6が回転自在に取り付けられている。回転部材6は、略円錐形状の回転部材本体6aと、この回転部材本体6aの基部に取り付けられたハンドル6bとから構成されている。回転部材本体6aの外表面は、給排水器本体1の横断穴1hの内表面に対応した形状となっている。つまり、横断穴1hの円錐面のテーパー角と、回転部材本体6aの円錐面のテーパー角は同一角度となっている。このように、回転部材本体6aの外表面は、横断穴1hの内表面に対応した形状をしているので、回転部材本体6aの外表面と横断穴1hの内表面とが合致するようになっている。回転部材本体6aの先端は、ネジ部6cとなっている。
図4に示されるように、回転部材本体6aには、回転部材本体6aの側面を貫通する流通穴6f、流通穴6gが貫通形成されている。流通穴6f、流通穴6gは、回転部材本体6aの軸線方向に対して、垂直に形成されている。流通穴6fと流通穴6gは、第1の水路1dと第2の水路1eと同じ間隔で、それぞれが平行となるように、回転部材本体6aに貫通形成されている。
図4に示されるように、回転部材6の軸線に対して、流通穴6f、6gから所定角度(望ましい角度は45°〜90°、本実施形態では90°)回転した、回転部材本体6aの表面には、回転部材本体6aの軸線方向に沿って、バイパス路6hが凹陥形成されている。バイパス路6hの両端の間隔は、給排水器本体1の第1の水路1dと第2の水路1eと同じ間隔になっている。
回転部材本体6aは、給排水器本体1aの横断穴1h内に配設され、ネジ部6cにワッシャー9、皿ワッシャー10を入れて、ネジ部6cにナット11を締め付けて、回転部材6を給排水器本体1に回転自在に取り付けている。ネジ部6cにナット11を締め付けると、ナット11の締結力によりネジ部6cが弾性変形し、回転部材本体6aに軸力が作用する。また、ワッシャー9とナット11の間に配設された皿ワッシャー10が弾性変形して、回転部材本体6aに軸力が更に作用する。なお、皿ワッシャー10の代わりに、弾性部材であるOリングを使用して、Oリングの弾性により、回転部材本体6aに軸力を作用させることとしても差し支えない。このように、横断穴1hの内面及び回転部材6の外面を、円錐形状とし、回転部材6の外面を、横断穴1hの内面に押し付ける方向に、回転部材6に軸力を作用させることにより、横断穴1hの内面と回転部材6の外面とを大きな接触面積で、確実に接触させることにより、横断穴1hと回転部材6との境界面を気密な構造にしている。
回転部材本体6aの表面には、潤滑剤が塗布されている。このため、この潤滑剤が、回転部材本体6aの内面や横断穴1hの外面の切削痕を埋めて、回転部材本体6aと横断穴1hとの隙間を密閉して、確実に横断穴1hと回転部材6との境界面を気密な構造にしている。なお、前記潤滑剤は、耐水性のあるシリコングリス等の潤滑剤であることが好ましい。
図3に示されるように、回転部材本体6aの流通穴6fの上部には、回転部材本体6aの外表面を一周するOリング溝6eが凹陥形成されている。また、回転部材本体6aの流通穴6gの下部には、回転部材本体6aの外表面を一周するOリング溝6dが凹陥形成されている。言い換えると、回転部材本体6aの軸線方向に対して、流通穴6f及び流通穴6gの外側の回転部材本体6aの外表面には、それぞれ、回転部材本体6aの外表面を一周するOリング溝6e、Oリング溝6dが凹陥形成されている。これら、Oリング溝6e、6dには、それぞれ、Oリング7、8が取り付けられている。横断穴1hと回転部材本体6aとの間に配設されたOリング7、8により、横断穴1hと回転部材6との境界面を気密な構造にしている。横断穴1hの内面及び回転部材6の外面を、円錐形状とし、回転部材6の外面を、横断穴1hの内面に押し付ける方向に、回転部材6に軸力を作用させているので、Oリング7、8を横断穴1hの内面に強く押し付けて、横断穴1hと回転部材6との境界面の気密性を確実にしている。
本考案では、前述した構造により、横断穴1hと回転部材6との境界面を、水密構造よりもシール性が上回る気密構造とした。このため、横断穴1hと回転部材6との境界面から、水分子が漏洩しないのは勿論であり、水分子より小さい分子構造の空気分子も前記境界面に侵入することがないようになっている。
回転部材6が図1の位置、つまりハンドル6bが図3の(1)の位置にある場合には、第1の水路1dと流通穴6fとが合致し、第2の水路1eと流通穴6gとが合致するようになっている。ハンドル6bを図3の(2)の位置に90°回転させると、供給口1f側の、横断穴1hに臨む第1の水路1dと第2の水路1eの開口部1j、1kが、回転部材本体6aのバイパス路6hに臨むようになる。バイパス路6hは、回転部材本体6aの外表面を凹陥形成したものであるので、バイパス路6hと横断穴1hとの間には流路が形成され、横断穴1hに臨む第1の水路1d及び第2の水路1eの開口部1j、1kが、前記流路で接続されるようになっている。
図3に示されるように、給排水器本体1には、検知手段19が取り付けられている。検知手段19は、第1の水路1dと流通穴6fとが合致し、第2の水路1eと流通穴6gとが合致し、冷却水が電極4に供給されている状態を検知するセンサーである。本実施形態では、ハンドル6bが図3の(1)の位置にある状態(第1の水路1dと流通穴6fとが合致し、第2の水路1eと流通穴6gとが合致している状態)において、検知手段19の検知手段19aが、ハンドル6aと対面するように、検知手段19が給排水器本体1に取り付けられている。
検知手段19には、電磁誘導を利用した高周波発信型、磁石を用いた磁気型、静電容量の変化を利用した静電気容量型、赤外線の反射光をセンシングする赤外線検知型、超音波の反射波を検知する超音波検知型等の近接センサーが含まれる。また、検知手段19として、機械的なスイッチを用いても差し支えない。
検知手段19が、ハンドル6bが図3の(1)の状態にあることを検知した場合には(第1の水路1dと流通穴6fとが合致し、第2の水路1eと流通穴6gとが合致し、冷却水が電極4に供給されている状態を検知した場合には)、検知手段19から延出している2本のリード線19b、19cが、電気的に接続している状態となる。つまり、上部電極ユニット56及び下部電極ユニット57の両方の検知手段19のリード線19b、19cが直結状態である状態で、作業者がスイッチ65を押下すると、投入部66a及び投入部66bが電気的に接続している状態となるので、スポット溶接のシーケンス制御が開始し、前述したように、制御部66は加圧機構55及び溶接電流制御部67に指令を出力する。言い換えると、上部電極ユニット56及び下部電極ユニット57の少なくとも一方の検知手段19のリード線19b、19cが電気的に接続していない状態で、作業者がスイッチ65を押下したとしても、スポット溶接のシーケンス制御が開始しないようになっている。
(本考案の第1の作用)
以下に本考案の第1の作用について説明をする。ハンドル6bが図3の(1)の位置にある状態では、前述したように、第1の水路1dと流通穴6fとが合致するようになっているので、供給口1fから供給される冷却水が、回転部材本体6aの流通穴6f内を流通し、内管5内に流通するようになっている。内管5内を流通する冷却水は、内管5の先端から放出され、電極4を冷却する。
電極4を冷却した排水は、内管5の外側である排水路15を流通して、流通路1b内を流通する。回転部材6が、ハンドル6bが図3の(1)の位置にある状態では、前述したように、第2の水路1eと流通穴6gとが合致するようになっているので、流通路1b内を流通する排水は、流通穴6gを通じて、排水口1gから外部に排水されるようになっている。
一方で、ハンドル6bを図3の(2)の位置に90°回転させると、前述したように横断穴1hに臨む第1の水路1dと第2の水路1eの開口部1j、1kが、回転部材本体6aのバイパス路6hに臨むようになるので、供給口1fから供給された冷却水は、第1の水路1dからバイパス路6hを流通して、第2の水路1eに導かれ、排水口1gから排水されるようになっている。この状態では、回転部材本体6aが、第1の水路1d及び第2の水路1eの流路を遮断するので、冷却水が、電極4側に流通することなく、また、排水が電極4側に逆流することはない。
スポット溶接をする場合には、電極4を冷却するために、ハンドル6bを図3の(1)の位置にする。一方で、電極4を交換する場合には、ハンドル6bを図3の(2)の位置に回転させて、第1の水路1d及び第2の水路1eの流路を回転部材本体6aで遮断して、冷却水の供給を遮断するとともに、排水が逆流することを防止するようにしている。
ハンドル6bが図3の(2)の位置の状態では、電極4への冷却水の供給を遮断しても、パイパス路6hを通じて、冷却水が排水口1gから排水されるので、冷却水の循環が停止することがなく、並列して設置された他のスポット溶接機を停止させる必要がない。
なお、本考案では、回転部材6の軸線に対して、流通穴6f、6gから45°〜90°回転した位置に、バイパス路6hを形成したので、ハンドル6bを図3の(1)の状態から、(2)の状態、もしくは、(2)の状態から(1)の状態に回転する場合に、常に、流通穴6f、6g及びバイパス路6hの少なくとも一方が、横断穴1hに臨む第1の水路1jや第2の水路1eの開口部1j、1kと接続されるようになり、冷却水の循環が停止することがない。このため、急速に冷却水の流通が停止することにより発生する水撃作用(ウォーターハンマー)が発生することがなく、この水撃作用により、本考案のスポット溶接機の止水機構が破壊されることを防止している。
回転部材本体6aに作用する軸力により、回転部材本体6aの外表面は、横断穴1hの内表面に押し付けられている。このため、横断穴1hの内表面と回転部材本体6aの外表面とは密着していて隙間がない状態であるので、ハンドル6bが図3の(2)の位置にある状態において、冷却水や排水が横断穴1hと回転部材本体6aとの間から漏洩することはない。また、回転部材本体6aの表面には、前述したようにシリコングリス等の潤滑剤が塗布されているので、この潤滑剤が、横断穴1hと回転部材本体6aとの接触面に充填されることにより、前記接触面の隙間を完全に無くして、冷却水や排水が横断穴1hと回転部材本体6a表面との間から漏洩することを防いでいる。更に、回転部材本体6aに取り付けられたOリング7、8が弾性変形して、横断穴1hと回転部材本体6aとの間を閉塞するにより、横断穴1hと回転部材本体6aの表面との間からの冷却水や排水の漏洩を完全に防止している。また、ハンドル6bが図3の(2)の位置にある状態では、第1の水路1dと排水路1とが、バイパス路1hで接続されるようになっているので、供給口1fから供給される冷却水が、バイパス路1hを通じて、第2の水路1eから排水口1gに排水されるので、第1の水路1dの水圧が高くなることはない。このため、供給口1fから供給される冷却水が、横断穴1hと回転部材本体6aとの接触面からの漏洩することはない。
ハンドル6bが図3の(2)の位置にある状態において、電極4を先端側シャンク3から取り外しても、殆ど冷却水や排水が先端側シャンク3から流出することはない。この理由として以下のことが考えられる。
第1の理由として、前述したように、横断穴1hと回転部材6との境界面を気密な構造にしている。このため、前記境界面から空気が侵入することがなく、図5に示されるように、先端側シャンク3の先端側からのみ、先端側シャンク3内に満たされた冷却水や排水に大気圧Pが作用する。標準的な大気圧Pは約10Paであり、これは約10.13mの水柱が与える圧力に等しい。図2に示されるように第1の水路1dから先端側シャンク3の先端までの位置ヘッドHは、大きくても1mであるので、水の密度をρ、重力加速度をgとすると。以下の関係式が成り立つ。
P>Hρg
大気圧Pの方が、位置ヘッドHが与える圧力より大きく、先端側シャンク3、基シャンク2、給排水器本体1内の冷却水や排水が、先端側シャンク3の先端から、流出することがないと考えられる。
第2の理由として、先端側シャンク3内の冷却水や排水と大気との境界面Mには、前記冷却水や排水の分子間力による界面張力が発生し、前記境界面Mからの大気の侵入を防止していることが考えられる。このため、先端側シャンク3、基シャンク2、給排水器本体1内の冷却水や排水が、先端側シャンク3の先端から、流出することがないと考えられる。また、先端側シャンク3の内径は小さく、大きくても10mm程度であり、先端側シャンク3先端の開口面積に対する、先端側シャンク3先端の開口部の内縁長さの比が大きくなっている。このため、先端側シャンク3先端の開口部が前記境界面Mに作用する界面張力が大きくなり、前記境界面Mからの大気の侵入を防止していることが考えられる。
以上説明したように、ハンドル6bが図3の(2)の位置にある状態において、電極4を先端側シャンク3から取り外しても、殆ど冷却水や排水が先端側シャンク3から流出することはないので、電極4を交換する際に、作業者がバケツ等を先端側シャンク3の下に置いて冷却水や排水を受ける必要がなくなり、電極4の交換作業の作業性を向上させることが可能となった。また、本考案のスポット溶接機の止水機構を用いた給排水器本体1は、基シャンク2の基端に取り付けられていることから、電極4を取り外す作業者が、移動することなく、回転部材6を回転させるだけで冷却水を止水することができ、電極4の交換作業の作業性を向上させることが可能となった。
(本考案の第2の作用)
次に本考案の第2の作用について説明する。作業者が電極4を交換した場合において、ハンドルを図3の(2)の状態にあり、検知手段19がハンドル19aの近接を検知しない場合には、検知手段19から延出する2本のリード線19b、19cが電気的に接続していないので、作業者がスイッチ65を押下したとしても、スポット溶接のシーケンス制御が開始しない。つまり、上部電極ユニット56及び下部電極ユニット54の少なくとも一方のハンドルが図3の(2)の状態にあり、上部電極ユニット56及び下部電極ユニット54の少なくとも一方に、冷却水が供給されない状態では、作業者がスイッチ65を押下したとしても、スポット溶接のシーケンス制御が開始しないようになっている。このため、電極4が過熱されることを防止し、溶接強度が弱い不良品の生成を防止することが可能となった。
また、作業者が電極4の交換作業中に、誤ってスイッチ65を押下したとしても、ハンドルが図3の(2)の位置にある状態では、スポット溶接のシーケンス制御が開始しないので、電気抵抗スポット溶接機100が作動し、作業者が相対向するシャンク2、3に挟まれることがない。
(第2の実施形態)
図6に第2の実施形態の止水・電源遮断機構付電気抵抗スポット溶接機200の説明図を示して、以下、説明する。第2の実施形態において、上部電極ユニット56及び下部電極ユニット54の検知手段19から延出する信号線19dは、制御部66の信号入力部66e、66fに接続している。ハンドル6bが、図3の(1)の状態にある場合には、検知手段19は、ハンドル6bの近接を検知して、信号線19dを介して、「検知信号」を制御部66の信号入力部66e、66fに出力する。つまり、検知手段19が、第1の水路1dと流通穴6fとが合致し、第2の水路1eと流通穴6gとが合致し、冷却水が電極4に供給されている状態を検知した場合には、検知手段19は、信号線19cを介して、「検知信号」を制御部66の信号入力部66e、66fに出力する。
スイッチ65は、制御部66の投入部66c、66dに接続している。上部電極ユニット56及び下部電極ユニット54の両方の検知手段19から出力された「検知信号」が、制御部66の信号入力部66e、66fに入力されている状態で、作業者がスイッチ65を押圧して、投入部66cと投入部66dが電気的に直結すると、スポット溶接のシーケンス制御が開始し、前述したように、制御部66は加圧機構55及び溶接電流制御部67に指令を出力する。言い換えると、上部電極ユニット56及び下部電極ユニット54の少なくとも一方の検知手段19が、「検知信号」を出力していな状態で、作業者がスイッチ65を押下したとしても、スポット溶接のシーケンス制御が開始しないようになっている。つまり、上部電極ユニット56及び下部電極ユニット54の少なくとも一方のハンドルが図3の(2)の状態にあり、上部電極ユニット56及び下部電極ユニット54の少なくとも一方に、冷却水が供給されない状態では、作業者がスイッチ65を押下したとしても、スポット溶接のシーケンス制御が開始しない。第2の実施形態の効果も、第1の実施形態の効果と同様である。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本考案を説明したが、本考案は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる考案の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う止水・電源遮断機構付電気抵抗スポット溶接機もまた技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
本考案の止水・電源遮断機構付電気抵抗スポット溶接機の説明図である。 電極ユニットの断面図である。 給排水器の説明図である。 回転部材の説明図である。 冷却水や排水が流出しない理由の説明図である。 第2の実施形態の止水・電源遮断機構付電気抵抗スポット溶接機の説明図である。 従来のスポット溶接機の断面図である
符号の説明
1 給排水器本体
1a 取付部
1b 流通路
1c ネジ山
1d 第1の水路
1e 第2の水路
1f 供給口
1g 排水口
1h 横断穴
2 基シャンク
2a 流通路
2b 取付部
2c ネジ山
3 先端側シャンク
3a 流通路
3b 電極取付部
4 電極
4a 取付部
5 内管
5a 供給路
6 回転部材
6a 回転部材本体
6b ハンドル
6c ネジ部
6d Oリング溝
6e Oリング溝
6f 流通穴
6g 流通穴
6h バイパス路
7 Oリング
8 Oリング
9 ワッシャー
10 皿ワッシャー
11 ナット
15 排水路
16 供給管
17 排水管
19 検知手段
19a 検知部
19b リード線
19c リード線
19d 信号線
20 給排水器
50 シャンク
51 装置本体
52 下部腕部
53 上部腕部
54 下部電極ユニット
55 加圧機構
55a シリンダー
56 上部電極ユニット
57 上部給電部
61 導体
62 可撓導体
65 スイッチ
66 制御部
66a 投入部
66b 投入部
66c 投入部
66d 投入部
66e 信号入力部
66f 信号入力部
67 溶接電流制御部
68 変圧器
69 交流電源
100 止水・電源遮断機構付電気抵抗スポット溶接機(第1の実施形態)
200 止水・電源遮断機構付電気抵抗スポット溶接機(第2の実施形態)
151 内管
152 電極
153 給排水器
153a 給水口
153b 排水口
155 流路

Claims (13)

  1. 被溶接部材と当接する電極と、
    前記電極をその先端に取り付け、前記電極を冷却する冷却水が流通する供給路及び前記電極を冷却した排水が流通する排水路を内部に有し、離接動可能に対向して配設された一対のシャンクと、
    前記シャンクの基端に取り付けられ、前記供給路に冷却水を供給する第1の水路と、前記排水路から排出される排水を外部に排出する第2の水路が形成された給排水器本体と、
    前記第1の水路及び第2の水路を遮断する遮断機構と、
    前記遮断機構の遮断状態を検知する検知手段と、
    前記シャンクに電流を供給する変圧器と、
    前記一対のシャンクの離接動及び、前記変圧器によるシャンクへの電流の供給をシーケンス制御する制御部とを有し、
    前記検知手段が、前記遮断機構の遮断状態を検知している状態では、前記制御部のシーケンス制御が開始しないように構成したことを特徴とする止水・電源遮断機構付電気抵抗スポット溶接機。
  2. 検知手段は、2本のリード線を有し、遮断機構の遮断状態を検知していない状態で、前記2本のリード線が電気的に接続し、遮断機構の遮断状態を検知している状態では、前記2本のリード線が電気的に接続しないように構成され、
    制御部は、2つの投入部を有し、当該2つの投入部が電気的に接続すると、シーケンス制御が開始するように構成され、
    前記2本のリード線を、それぞれ、前記2つの投入部に電気的に接続し、
    前記リード線と前記投入部を電気的に接続する電路の途中に、当該電路を遮断・接続するスイッチを設けたことを特徴とする請求項1に記載の止水・電源遮断機構付電気抵抗スポット溶接機。
  3. 検知手段は、遮断機構の遮断状態を検知している状態で、検知信号を制御部に出力し、
    制御部に、前記検知信号が入力されている状態では、制御部は、シーケンス制御を開始させないことを特徴とする請求項1に記載の止水・電源遮断機構付電気抵抗スポット溶接機。
  4. 給排水器本体に、第1の水路及び第2の水路を横断する、断面形状が円形状の横断穴を形成し、
    前記横断穴内に、前記横断穴の内面に対応する形状の回転部材を回動自在に取り付け、
    前記回転部材には、前記回転部材の側面を貫通する流通穴が2つ形成され、
    前記回転部材が前記給排水器本体に対して所定位置にある場合には、前記2つの流通穴が、それぞれ前記第1の水路及び第2の水路と合致するが、前記所定位置から所定角度回転部材を回転させると、前記2つの流通路が、それぞれ前記第1の水路及び第2の水路と合致することなく、前記回転部材が、前記第1の水路及び前記第2の水路の流路を遮断するように構成して、遮断機構を構成したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の止水・電源遮断機構付電気抵抗スポット溶接機。
  5. 検知手段は、近接状態を検知する検知部を有する近接センサーであり、
    回転部材を回動させるにハンドルを、前記回動部材に取り付け、
    前記回転部材が第1の水路及び第2の水路の流路を遮断している状態のハンドル位置に対向する位置に、前記検知部を位置させて、
    検知手段が、第1の水路及び第2の水路の流路の遮断を検知するように構成したことを特徴とする請求項4に記載の止水・電源遮断機構付電気抵抗スポット溶接機。
  6. 横断穴の内面及び回転部材の外面を円錐形状としたことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の止水・電源遮断機構付電気抵抗スポット溶接機。
  7. 回転部材の外面を、横断穴の内面に押し付ける方向に、回転部材に軸力を作用させるように構成したことを特徴とする請求項6に記載の止水・電源遮断機構付電気抵抗スポット溶接機。
  8. 回転部材を給排水器本体に取り付けるための、回転部材の先端に形成されたネジ部と、このネジ部を締め付けるナットとの間に配設された皿ワッシャーの弾性変形により回転部材に軸力を作用させたことを特徴とする請求項7に記載の止水・電源遮断機構付電気抵抗スポット溶接機。
  9. 回転部材の外表面に潤滑剤を塗布したことを特徴とする請求項4〜請求項8のいずれかに記載の止水・電源遮断機構付電気抵抗スポット溶接機。
  10. 回転部材の軸線方向に対して、流通穴の外側の回転部材にパッキンを取り付け、本体と回転部材との境界面を気密構造にしたことを特徴とする請求項4〜請求項9のいずれかに記載の止水・電源遮断機構付電気抵抗スポット溶接機。
  11. 回転部材が給排水器本体に対して所定位置にある状態において、冷却水が供給される供給口側の横断穴に臨む第1の水路及び第2の水路の開口部を接続するパイパス路を回転部材に形成したことを特徴とする請求項4〜請求項10のいずれかに記載のスポット溶接機の電極冷却用給排水ジャケット。
  12. バイパス路は、回転部材の側面を凹陥して形成したことを特徴とする請求項11に記載の止水・電源遮断機構付電気抵抗スポット溶接機。
  13. 回転部材の軸線に対して、流通穴から45°〜90°回転した位置にバイパス路を形成したことを特徴とする請求項12に記載のスポット溶接機の止水機構。
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CN113597355A (zh) * 2019-03-27 2021-11-02 新光机器株式会社 电极装置

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