JP3148053B2 - ディジタル直交検波装置 - Google Patents

ディジタル直交検波装置

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JP3148053B2
JP3148053B2 JP17562293A JP17562293A JP3148053B2 JP 3148053 B2 JP3148053 B2 JP 3148053B2 JP 17562293 A JP17562293 A JP 17562293A JP 17562293 A JP17562293 A JP 17562293A JP 3148053 B2 JP3148053 B2 JP 3148053B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、変調信号を受信し
て、その同相成分(I成分)と直交成分(Q成分)をデ
ィジタル信号処理によって得るディジタル直交検波装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】図8は、例えば、P.J.van Gerwin,N.A.
M. Verhoeckx,H.A.van Essen,F.A.M.Snijders著の論文"
Microprocessor Implementation of High-Speed DataMo
dems"IEEE Transactions on Communications,vol.COM-2
5,No.2,pp.238-250,february1977及び電子情報通信学会
編「ディジタル信号処理の応用」に開示されたディジタ
ル直交検波装置の構成を示すブロック図である。
【0003】このディジタル直交検波装置は、RF(R
adio Frequency)狭帯域変調信号r
(t)と正弦波信号cos(2π(fc −fIF)t)と
を混合するミキサ1を有しており、ミキサ1には、帯域
制限された中心周波数f0 のIF(Intermedi
at Frequency)信号x(t)に変換するア
ナログ帯域通過フィルタ2が接続されている。そして、
アナログ帯域通過フィルタ2には、アナログ帯域通過フ
ィルタ2を通過したアナログ帯域通過信号を所定のサン
プリング周波数でサンプリングして離散時間信号に変換
するサンプラ8が接続されており、サンプラ8からの離
散時間信号をディジタル信号に変換するA/D変換器9
が接続されている。
【0004】更に、A/D変換器9には、A/D変換器
9の出力x(mT)を入力して解析信号xA (mT)を
生成する複素係数帯域通過ディジタルフィルタ10が接
続されており、複素係数帯域通過ディジタルフィルタ1
0には、解析信号xA (mT)に複素正弦波信号exp
[−j2πfIFmT]を乗じる乗算器7が接続されてい
る。そして、乗算器7には、乗算器7の出力信号をサン
プリング周波数の低減度に応じたサンプル数おきに取り
出すデシメータ15が接続されている。
【0005】次に動作について説明する。
【0006】受信した搬送波周波数fcで帯域幅B(B
<<fc)のRF(Radio Frequency)
狭帯域変調信号r(t)は、ミキサ1により正弦波信号
cos(2π(fc −fIF)t)と混合され、アナログ
帯域通過フィルタ2により帯域制限された中心周波数f
0 のIF(Intermediat Frequenc
y)信号x(t)に変換される。なお、f0 とfIFとは
異なる場合がある。このIF信号x(t)は、サンプラ
8及びA/D変換器9によってディジタル信号に変換さ
れ、x(mT)となる。
【0007】I成分・Q成分の許容量子化雑音電力から
定める所望のI成分・Q成分の語長をb3 ビットとする
と、A/D変換器9における量子化ビット数はそれと同
じになる。ただし、このb3 は、A/D変換器9に続く
フィルタリングによる丸め雑音電力の影響を小さくする
ために、余裕を持たせた値ではない。余裕を持たせる場
合には、c=1〜4程度とし、I成分・Q成分の語長は
(b3 +c)ビット、A/D変換器9における量子化ビ
ット数はb3 とする。サンプリング周期Tの逆数である
サンプリング周波数fscは式(1)を満足する必要が
ある。
【0008】 fsc≧2f0 +B …(1) 帯域通過信号x(mT)は一般に式(2)のように表現
できる。
【0009】 x(mT)=a(mT)cos{2πfIFmT+φ(mT)}=a(mT) cosφ(mT)cos(2πfIFmT)−a(mT)sinφ(mT)sin (2πfIFmT) …(2) ここで、a(mT)は包絡線、φ(mT)は位相であ
る。また、x(mT)のI成分I(mT)とQ成分Q
(mT)とは、 I(mT)=a(mT)cosφ(mT) …(3) Q(mT)=a(mT)sinφ(mT) …(4) のように表される。
【0010】以下、x(mT)からI(mT)とQ成分
Q(mT)とを生成する方法を説明する。
【0011】x(mT)のヒルベルト変換をxH (m
T)とするとき、x(mT)を実部、xH (mT)を虚
部とする複素信号xA (mT)を解析信号という。
【0012】 xA (mT)=x(mT)+jxH (mT) …(5) x(mT)のフーリエ変換をX(f)とすると、解析信
号xA (mT)のフーリエ変換XA (f)は次式(6)
のようになる。
【0013】
【数1】 つまり、0<f/fsc<0.5におけるスペクトルは
x(mT)のそれの2倍、−0.5<f/fsc<0の
スペクトルは0になる。
【0014】このような解析信号xA (mT)に対し
て、一般に複素数値を取る次式の低域通過信号y(m
T)を定義する。
【0015】 y(mT)=xA (mT)exp[−j2πfIFmT] =α(mT)+jβ(mT) …(7) ここで、α(mT)、β(mT)は実数値をとる。この
とき、 x(mT)=Re[y(mT)exp[j2πfIFmT]]=α(mT)co s(2πfIFmT)−β(mT)sin(2πfIFmT) …(8) である。ここで、Re[・]は複素数の実部をとる操作
を意味する。
【0016】式(2)〜(4)及び式(8)よりα(m
T)、β(mT)はそれぞれx(mT)のI成分、Q成
分であることがわかる。すなわち、帯域通過信号x(m
T)に対応する解析信号xA (mT)に対して複素正弦
波信号exp[−j2πfIFmT]を掛けると、その実
部がI成分、虚部がQ成分であることを示している。図
8においては、x(mT)を入力とする複素係数帯域通
過ディジタルフィルタ10で解析信号xA (mT)を生
成する。従って、複素係数帯域通過ディジタルフィルタ
10の周波数特性は0<f/fsc<0.5が通過域、
その他の領域が阻止域である。複素係数帯域通過ディジ
タルフィルタ10の出力信号xA (mT)に対して、乗
算器7で複素正弦波信号exp[−j2πfIFmT]を
乗じた出力信号y(mT)は、 y(mT)=I(mT)+jQ(mT) …(9) となる。y(mT)の帯域幅は一般にサンプリング周波
数fscに比べて狭いので、デシメータ15で信号を何
サンプルおきかで取り出してサンプリング周波数fsc
より小さいfs´に下げてもよい。図8で、1/T´=
fsc´である。ただし、fsc´はy(mT)の帯域
幅と同程度かそれより若干大きい。デシメータ15の出
力の実部、虚部、がそれぞれサンプリング周波数が低減
されたI成分(I(nT´))、Q成分(Q(nT
´))である。
【0017】以上のようなディジタル信号処理で直交検
波を行う利点は、アナログ処理と異なり、I成分とQ成
分の直交成分が高く維持できること、A/D変換器が1
個ですみ、利得や位相等の調整箇所が少ないことであ
る。なお、上述従来例の類似技術として特開昭64−5
7185号公報、特開平1−300611号公報があ
る。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】従来のディジタル直交
検波装置は、以上のように構成されており、上記のよう
な利点があるが、得られるI成分とQ成分との直交性
や、ディジタル信号処理では避けることのできない量子
化雑音電力は、A/D変換器における量子化ビット数や
変換精度に依存する。I成分とQ成分との直交性を向上
し、かつ信号対量子化雑音電力比を大きくするには高精
度で多量子化ビット数のA/D変換器を用いればよい
が、A/D変換器における量子化ビット数を大きくし、
変換精度を高くするのには以下のようないくつかの問題
点がある。
【0019】多量子化ビット数にすることによりA/D
変換器のハードウェア規模が大きくなり、コストが増大
する。また、集積回路の製造において、極めて高精度な
加工技術が必要となり、高精度なA/D変換器を作るこ
と自体困難になってくる。A/D変換を行う前にはサン
プリングに伴うエイリアシング(Aliasing)を防ぐため
にアナログの前置きフィルタが必要となるが、信号の帯
域の上限とナイキスト周波数が近接している場合には、
次数の高いフィルタが必要になる。高次のアクティブフ
ィルタは増幅素子の数も増加し、増幅器で発生する雑音
や歪みなどが無視できなくなる。その結果、信号対雑音
電力比が低下してしまうという問題点があった。また、
デシメータ15でサンプリング周波数を低減した場合、
受信信号そのものによるエイリアシングは生じないが、
量子化雑音や丸め雑音によりエイリアシングが生じるた
め、信号対雑音比が更に劣化するという問題点があっ
た。この発明は、上記のような課題を解消するためにな
されたもので、多量子化ビット数のA/D変換器を用い
ることなしに、高精度な直交性を持ち、信号対量子化雑
音電力比の大きいI成分とQ成分とを得られるディジタ
ル直交検波装置を得ることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
るディジタル直交検波装置は、受信したIF周波数f
IFのアナログ帯域通過信号を所定のサンプリング周波
数でサンプリングして離散時間信号に変換するサンプリ
ング手段と、所望の同相成分と直交成分の語長より短い
所定の量子化ビット数で前記離散時間信号を量子化する
A/D変換手段と、前記A/D変換手段の出力信号を帯
域通過型の帯域制限を行いかつサンプリング周波数を低
減する帯域通過型帯域制限・サンプリング周波数低減手
段と、前記帯域通過型帯域制限・サンプリング周波数低
減手段の出力信号と所定の周波数の複素正弦波信号とを
乗ずる乗算手段とを備え、前記帯域通過型帯域制限・サ
ンプリング周波数低減手段が、その入力信号のサンプリ
ング周波数fs1に対して、入力信号の0<f/fs1
<0.5の所定の周波数成分のみを通過させる帯域通過
特性を有し、前記帯域通過型帯域制限・サンプリング周
波数低減手段の出力信号の語長を入力信号の語より拡
張することを特徴とするものである。
【0021】請求項2記載の発明に係るディジタル直交
検波装置は、受信したIF周波数fIFのアナログ帯域
通過信号を所定のサンプリング周波数でサンプリングし
て離散時間信号に変換するサンプリング手段と、所望の
同相成分と直交成分の語長より短い所定の量子化ビット
数で前記離散時間信号を量子化するA/D変換手段と、
前記A/D変換手段の出力信号を低域通過型の低域制限
を行いかつサンプリング周波数を低減する低域通過型帯
域制限・サンプリング周波数低減手段と、前記低域通過
型帯域制限・サンプリング周波数低減手段の出力信号に
対して帯域通過の帯域制限を行いかつサンプリング周波
数を低減する帯域通過型帯域制限・サンプリング周波数
低減手段と、前記帯域通過型帯域制限・サンプリング周
波数低減手段の出力信号と所定の周波数の複素正弦波信
号とを乗ずる乗算手段とを備え、前記低域通過型帯域制
限・サンプリング周波数低減手段が所定のカットオフ周
波数の低域通過特性を有し、その出力信号の語長を入力
信号の語長より拡張し、前記帯域通過型帯域制限・サン
プリング周波数低減手段が、その入力信号のサンプリン
グ周波数fs2に対して、入力信号の0<f/fs2
0.5の所定の周波数成分のみを通過させる帯域通過特
性を有し、前記帯域通過型帯域制限・サンプリング周波
数低減手段の出力信号の語長を入力信号の語より拡張
することを特徴とするものである。
【0022】請求項3記載の発明に係るディジタル直交
検波装置は、受信したIF周波数fIFのアナログ帯域
通過信号を所定のサンプリング周波数fs1でサンプリ
ングして離散時間信号に変換するサンプリング手段と、
所望の同相成分と直交成分の語長より短い所定の量子化
ビット数で前記離散時間信号を量子化するA/D変換手
段と、前記A/D変換手段の出力信号に対して帯域通過
型の帯域制限を行いかつサンプリング周波数を低減する
帯域通過型帯域制限・サンプリング周波数低減手段とを
備え、前記IF周波数fIFが所望の同相成分と直交成
分のサンプリング周波数fs3の1以上の整数倍であり
かつ前記アナログ帯域通過信号をサンプリングして離散
時間信号に変換するサンプリング手段におけるサンプリ
ング周波数fs1が、前記アナログ帯域通過信号の中心
周波数の2倍にアナログ帯域通過信号の帯域幅を加えた
値より大きくかつ前記所望の同相成分と直交成分のサン
プリング周波数f s3 の2以上の整数倍であり、前記帯
域通過型帯域制限・サンプリング周波数低減手段が、そ
の入力信号のサンプリング周波数fs1に対して、入力
信号の0<f/fs1<0.5の所定の周波数成分のみ
を通過させる帯域通過特性を有し、前記帯域通過型帯域
制限・サンプリング周波数低減手段の出力信号の語長を
入力信号の語より拡張することを特徴とするものであ
る。
【0023】請求項4記載の発明に係るディジタル直交
検波装置は、受信したIF周波数fIFのアナログ帯域
通過信号を所定のサンプリング周波数fs1でサンプリ
ングして離散時間信号に変換するサンプリング手段と、
所望の同相成分と直交成分の語長より短い所定の量子化
ビット数で前記離散時間信号を量子化するA/D変換手
段と、前記A/D変換手段の出力信号に対して低域通過
型の帯域制限を行いかつサンプリング周波数を低減する
低域通過型帯域制限・サンプリング周波数低減手段と、
前記低域通過型帯域制限・サンプリング周波数低減手段
の出力信号に対して帯域通過型の帯域制限を行いかつサ
ンプリング周波数を低減する帯域通過型帯域制限・サン
プリング周波数低減手段とを備え、前記IF周波数f
IFが所望の同相成分と直交成分のサンプリング周波数
s3の1以上の整数倍でありかつ前記アナログ帯域通
過信号をサンプリングして離散時間信号に変換するサン
プリング手段におけるサンプリング周波数fs1が、前
記所望の同相成分と直交成分のサンプリング周波数f
s3の素数でない整数倍でありかつサンプリング周波数
s1が前記アナログ帯域通過信号の中心周波数の2倍
にアナログ帯域通過信号の帯域幅を加えた値より大き
く、前記域通過型帯域制限・サンプリング周波数低減
手段が、その入力信号のサンプリング周波数fs2に対
して、入力信号の0<f/fs2<0.5の所定の周波
数成分のみを通過させる帯域通過特性を有し、前記
通過型帯域制限・サンプリング周波数低減手段の出力信
号の語長を入力信号の語より拡張することを特徴とす
るものである。
【0024】請求項5記載の発明に係るディジタル直交
検波装置は、サンプリング周波数の低減度もしくは必要
な帯域通過型帯域制限・サンプリング周波数低減手段の
入力信号の帯域幅に応じた帯域幅を持つと共に帯域通過
型帯域制限・サンプリング周波数低減手段の中心周波数
が入力信号の中心周波数もしくはIF周波数fIFと等し
くかつ通過域が0から入力信号のサンプリング周波数の
1/2の間の所定の範囲に存在する帯域通過ディジタル
フィルタと、前記帯域通過ディジタルフィルタの出力信
号をサンプリング周波数の低減度に応じたサンプル数お
きに取り出すデシメーション手段と、を直列に接続して
前記帯域通過型帯域制限・サンプリング周波数低減手段
を構成し、前記帯域通過ディジタルフィルタの出力信号
の語長がその入力信号の語長より拡張されることを特徴
とするものである。
【0025】請求項6記載の発明に係るディジタル直交
検波装置は、サンプリング周波数の低減度に応じたカッ
トオフ周波数の低域通過ディジタルフィルタと、前記低
域通過ディジタルフィルタの出力信号をサンプリング周
波数の低減度に応じたサンプル数おきに取り出すデシメ
ーション手段と、を直列に接続して前記低域通過型帯域
制限・サンプリング周波数低減手段を構成し、前記低域
通過ディジタルフィルタの出力信号の語長がその入力信
号の語長より拡張されることを特徴とするものである。
【0026】請求項7記載の発明に係るディジタル直交
検波装置は、所定の帯域幅と中心周波数を持つ帯域通過
ディジタルフィルタと、前記帯域通過ディジタルフィル
タに直列に接続した所定のサンプル数おきに取り出すデ
シメーション手段と、を複数組列に接続して前記帯域
通過型帯域制限・サンプリング周波数低減手段を構成
し、前記複数の帯域通過ディジタルフィルタの出力信号
の語長がその入力信号の語長より拡張されることを特徴
とするものである。
【0027】請求項8記載の発明に係るディジタル直交
検波装置は、所定の帯域幅の低域通過ディジタルフィル
タと、前記域通過ディジタルフィルタに直列に接続し
た所定のサンプル数おきに取り出すデシメーション手段
と、を複数組直列に接続して前記低域通過型帯域制限・
サンプリング周波数低減手段を構成し、前記複数の低域
通過ディジタルフィルタの出力信号の語長がその入力信
号の語長より拡張されることを特徴とするものである。
【0028】請求項9記載の発明に係るディジタル直交
検波装置は、前記帯域通過型帯域制限・サンプリング周
波数低減手段を、帯域通過型帯域制限・サンプリング周
波数低減手段がサンプリング周波数を入力信号の整数
(D2 )の逆数(1/D2 )に低減しようとするときに
入力信号をサンプル毎に整数(D2 )本の通路に振り分
けるスイッチと、整数(D2 )本の通路にそれぞれ接続
された複数(D2 )個のディジタルフィルタと、複数
(D2 )個のディジタルフィルタの出力信号を加算する
加算手段とから構成し、複数(D2 )個のディジタルフ
ィルタの出力信号もしくは前記加算手段の出力信号の語
長が帯域通過型帯域制限・サンプリング周波数低減手段
の入力信号の語長より拡張されることを特徴とするもの
である。
【0029】請求項10記載の発明に係るディジタル直
交検波装置は、前記低域通過型帯域制限・サンプリング
周波数低減手段を、低域通過型帯域制限・サンプリング
周波数低減手段がサンプリング周波数を入力信号の整数
(D1 )の逆数(1/D1 )に低減しようとするときに
入力信号をサンプル毎に整数(D1 )本の通路に振り分
けるスイッチと、整数(D1 )本の通路にそれぞれ接続
された複数(D1 )個のディジタルフィルタと、複数
(D1 )個のディジタルフィルタの出力信号を加算する
加算手段とから構成し、複数(D1 )個のディジタルフ
ィルタの出力信号もしくは前記加算手段の出力信号の語
長が低域通過型帯域制限・サンプリング周波数低減手段
の入力信号の語長より拡張されることを特徴とするもの
である。
【0030】請求項11記載の発明に係るディジタル直
交検波装置は、前記低域通過型帯域制限・サンプリング
周波数低減手段が、サンプリング周波数の低減度に応じ
たカットオフ周波数の低域通過ディジタルフィルタ及び
低域通過ディジタルフィルタの出力信号をサンプリング
周波数の低減度に応じたサンプル数おきに取り出すデシ
メーション手段を直列に接続してなり、あるいは所定の
帯域幅の低域通過ディジタルフィルタ及び低域通過ディ
ジタルフィルタに直列に接続した所定のサンプル数おき
に取り出すデシメーション手段を複数組直列に接続し
てなり、あるいは低域通過型帯域制限・サンプリング周
波数低減手段がサンプリング周波数を入力信号の整数
(D )の逆数(1/D )に低減しようとするとき
に入力信号をサンプル毎に整数(D )本の通路に振
り分けるスイッチ、整数(D )本の通路にそれぞれ
接続された複数(D )個のディジタルフィルタ及び
複数(D )個のディジタルフィルタの出力信号を加
算する加算手段とからなり、かつ帯域通過型帯域制限・
サンプリング周波数低減手段が、サンプリング周波数の
低減度もしくは必要な帯域通過型帯域制限・サンプリン
グ周波数低減手段の入力信号の帯域幅に応じた帯域幅を
持つと共に帯域通過型帯域制限・サンプリング周波数低
減手段の中心周波数が入力信号の中心周波数もしくはI
F周波数fIFと等しくかつ通過域が0から入力信号の
サンプリング周波数の1/2の間の所定の範囲に存在す
る帯域通過ディジタルフィルタ及び帯域通過ディジタル
フィルタの出力信号をサンプリング周波数の低減度に応
じたサンプル数おきに取り出すデシメーション手段を直
列に接続してなり、あるいは所定の帯域幅と中心周波数
を持つ帯域通過ディジタルフィルタ及び帯域通過ディジ
タルフィルタに直列に接続した所定のサンプル数おきに
取り出すデシメーション手段を複数組直列に接続してな
り、あるいは帯域通過型帯域制限・サンプリング周波数
低減手段がサンプリング周波数を入力信号の整数(D
)の逆数(1/D )に低減しようとするときに入力
信号をサンプル毎に整数(D )本の通路に振り分け
るスイッチ、整数(D )本の通路にそれぞれ接続さ
れた複数(D )個のディジタルフィルタ及び複数
(D )個のディジタルフィルタの出力信号を加算す
る加算手段とからなることを特徴とするものである。
【0031】
【作用】請求項1及び請求項5記載の発明におけるディ
ジタル直交検波装置は、IF信号をIF周波数fIFの4
倍かつIF信号の帯域幅の4倍以上のサンプリング周波
数でオーバサンプリングし、A/D変換手段で所望のI
成分とQ成分の語長(ビット数)より少ない量子化ビッ
ト数で量子化する。このようにオーバサンプリングされ
た信号を周波数f>0の信号帯域のみを通過域とする狭
帯域複素係数帯域通過ディジタルフィルタによってf>
0の周波数成分のみを抽出し、信号帯域幅相当までサン
プリング周波数を低減する。これによって、量子化雑音
は低減され、複素係数帯域通過ディジタルフィルタ出力
信号の実部・虚部それぞれの語長を複素係数帯域通過デ
ィジタルフィルタ入力信号のそれより長くすることによ
ってディジタル信号の振幅分解能を維持する。サンプリ
ング周波数低減前のfIFの周波数成分はサンプリング周
波数低減後に移動するが、そのベースバンドにおけるf
IFに対応する周波数fb が0でなければ、適当な周波数
の複素正弦波信号を乗じてfb に対応する周波数成分を
0に移動させる。こうして得られた信号の実部が所望の
I成分、虚部がQ成分である。
【0032】請求項2、請求項5及び請求項6記載の発
明におけるディジタル直交検波装置は、IF信号をIF
周波数fIFの8倍かつIF信号の帯域幅の8倍以上のサ
ンプリング周波数でオーバサンプリングし、A/D変換
手段で所望のI成分とQ成分の語長(ビット数)より少
ない量子化ビット数で量子化する。後の複素係数帯域通
過ディジタルフィルタにおける信号処理演算量及びハー
ドウェア量を少くするため、このようにオーバサンプリ
ングされた信号を一旦低域通過ディジタルフィルタで帯
域制限し、サンプリング周波数を適切に低減する。この
とき量子化雑音は低域通過ディジタルフィルタにより減
少する。低域通過ディジタルフィルタ出力信号は入力信
号のそれより長くすることによってディジタル信号の振
幅分解能を維持する。このようにして得られた信号を周
波数f>0の信号帯域を通過域とする狭帯域複素係数帯
域通過ディジタルフィルタによってf>0の周波数成分
のみを抽出し、信号帯域幅相当までサンプリング周波数
を低減する。これによって、量子化雑音は低減され、複
素係数帯域通過ディジタルフィルタ出力信号の語長を複
素係数帯域通過ディジタルフィルタ入力信号のそれより
長くすることによってディジタル信号の振幅分解能を維
持する。サンプリング周波数低減前のfIFの周波数成分
はサンプリング周波数低減後に移動するが、そのベース
バンドにおけるfIFに対応する周波数fb が0でなけれ
ば、適当な周波数の複素正弦波信号を乗じてfb に対応
する周波数成分を0に移動させる。こうして得られた信
号の実部が所望のI成分、虚部がQ成分である。
【0033】請求項3及び請求項4記載の発明における
ディジタル直交検波装置は、IF信号の中心周波数とサ
ンプリング周波数を適切に選ぶことによって、処理され
た受信信号と複素正弦波信号との乗算を不要にしてい
る。
【0034】請求項7及び請求項8記載の発明における
ディジタル直交検波装置は、サンプリング周波数を少し
ずつ低減し、これにより各帯域通過あるいは低域通過デ
ィジタルフィルタの遷移帯域幅を広く設定して、各帯域
通過あるいは低域通過ディジタルフィルタ次数を低く押
さえることができ、信号処理演算量が少くてすむ。各帯
域通過あるいは低域通過ディジタルフィルタの出力信号
の語長は入力信号のそれよりサンプリング周波数の低減
度に応じて長くすることによって振幅分解能を維持す
る。
【0035】請求項9及び請求項10記載の発明におけ
るディジタル直交検波装置は、入力信号を1サンプル毎
に複数個のディジタルフィルタに振り分けて並列処理を
行い、それらの出力を加算することによって帯域制限と
サンプリング周波数の低減を同時に行う。帯域制限・サ
ンプリング周波数低減手段の出力信号の語長は入力信号
のそれより長くすることによって振幅分解能を維持す
る。
【0036】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図を用いて説明
する。まず、ナイキスト周波数の2倍に比べて大きいサ
ンプリング周波数でサンプリングし、低分解能(量子化
ビット数)のA/D変換を行い、ディジタルフィルタに
よる帯域制限の後にサンプリング周波数を低減するオー
バサンプリングA/D変換技術について説明する。オー
バサンプリング技術が注目されている理由は、高精度か
つ大きな信号対量子化雑音電力比を得るために、A/D
変換器を高分解能化(多量子化ビット数化)するのは難
しいのに対して、低分解能(低量子化ビット数)だが高
いサンプリング周波数のA/D変換器の方が製造するの
が容易である。また変換しようとする信号帯域よりサン
プリング周波数がかなり高いので、サンプリングを行う
前のアナログフィルタの特性の制約が緩和され、低次の
ものですむ。従って集積回路化しやすくなる。
【0037】次に、オーバサンプリングの原理について
簡単に説明する。
【0038】量子化ステップΔの直線量子化を行うA/
D変換器を考える。量子化雑音電力NQ は量子化雑音が
領域±Δ/2の間に均一に分布しているものと仮定する
と、NQ =Δ2 /12となる。これは、入力信号振幅が
量子化ステップより数倍以上大きいとき実際とよく一致
することが知られている。量子化雑音が白色雑音である
と仮定した場合、サンプリング周波数をfs 、必要な帯
域を −fB ≦f≦fB とし、それ以外の帯域は低域通過ディジタルフィルタで
除去すれば量子化雑音電力NQ は、 NQ =(Δ2 /12)(2fB /fs ) …(10) となる。正弦波信号に対して、bビットのA/D変換器
で得られる最大の信号対量子化雑音電力比S/NQ は、
【数2】 となる。
【0039】式(11)により、サンプリング周波数を
必要な帯域に比べて高くしてA/D変換を行い、その後
低域通過フィルタリングを行えば、量子化雑音電力が小
さくなり、その結果等価的に分解能が増すことが分か
る。例えば、サンプリング周波数を4倍すると、信号対
量子化雑音電力比は約6dB改善される。これは分解能
が1ビット増えることに相当する。また、量子化ビット
数を1減らしても、サンプリング周波数を4倍すれば同
等の分解能を得ることができる。このように、低量子化
ビット数だが高速のA/D変換器と低域通過ディジタル
フィルタを用いれば、低速だが多量子化ビット数のA/
D変換器を使った場合と同等な効果を得ることができ
る。これは、量子化雑音電力がサンプリング周波数には
依存しないため、サンプリング周波数を高くすると、信
号帯域における量子化雑音レベルが下がることを利用し
ている。
【0040】以上は、直線量子化を行う多ビットのA/
D変換器を用いた場合であるが、ΔΣ変調を用いるオー
バサンプリングA/D変換器でも、量子化雑音電力や信
号対量子化雑音電力比を与える式は異なるが、例えば1
ビットの量子化器を用いても信号帯域における量子化雑
音レベルが非常に低くなるためにオーバサンプリングに
より分解能を増すことができる。
【0041】2次ΔΣ変調、1ビット量子化器を用いる
A/D変換器の場合、正弦波信号に対する最大の信号対
量子化雑音電力比S/NQ は、
【数3】 となることが知られている。ここで、 fs /2fB =128 とすると、信号対量子化雑音電力比S/NQ は約94d
Bとなり、オーバサンプリングを行わない場合の15ビ
ット相当の分解能を得ることができる。
【0042】実施例1. 図1は、請求項1及び請求項5記載の発明に係るディジ
タル直交検波装置の構成を示すブロック図である。
【0043】ディジタル直交検波装置は、RF狭帯域変
調信号r(t)と正弦波信号cos(2π(fc −
IF)t)とを混合するミキサ1を有しており、ミキサ
1には、帯域制限された中心周波数f0 のIF信号x
(t)に変換するアナログ帯域通過フィルタ2が接続さ
れている。そして、アナログ帯域通過フィルタ2には、
アナログ帯域通過フィルタ2を通過したアナログ帯域通
過信号を所定のサンプリング周波数でサンプリングして
離散時間信号に変換するサンプリング手段としてのサン
プラ3が接続されており、サンプラ3からの離散時間信
号をディジタル信号に変換するA/D変換器4が接続さ
れている。
【0044】更に、A/D変換器4には、A/D変換器
4の出力x(kT1 )を入力して信号xC (nT3 )を
出力する帯域通過特性を持つ帯域通過型帯域制限・サン
プリング周波数低減装置101が接続されており、帯域
通過型帯域制限・サンプリング周波数低減装置101に
は、出力信号xC (nT3 )に複素正弦波信号exp
[−j2πnfb /fs3]を乗じる乗算手段としての乗
算器7が接続されている。そして、帯域通過型帯域制限
・サンプリング周波数低減装置101は、帯域通過ディ
ジタルフィルタ5と、帯域通過ディジタルフィルタ5の
出力信号xA (kT1 )をサンプリング周波数の低減度
に応じたサンプル数おきに取り出すデシメーション手段
としてのデシメータ6とにより構成されている。
【0045】次に、本実施例の作用について説明する。
【0046】搬送波周波数fc、帯域幅(B<<fc)
の受信RF信号r(t)は、ミキサ1により正弦波信号
cos(2π(fc −fIF)t)と混合され、アナログ
帯域通過フィルタ2により帯域制限された中心周波数f
0 のIF信号x(t)に変換される。なお、f0 とfIF
とは異なる場合がある。なお、x(t)はサンプラ3で
サンプリング周波数fs でサンプリングされる。fs
オーバーサンプリングするためにIF周波数の少なくと
も4倍以上かつx(t)の帯域幅の4倍以上にとる。
【0047】A/D変換器4でサンプラ3でサンプリン
グされた信号をディジタル信号に変換する。直線量子化
を行う多ビットのA/D変換器を用いた場合、A/D変
換器4における量子化ビット数b1 はI成分・Q成分の
許容量子化雑音電力から定める所望のI成分・Q成分の
ビット数をb3 (>b1 )、サンプリング周波数fs3
するとき、b3 −log4 (fs1/fs3)以上の最小の
整数値が目安となる。逆に、A/D変換器4における量
子化ビット数b1 と所望のI成分・Q成分のビット数b
3 からfs1を決めてもよい。ただし、このb3 は丸め雑
音の影響を小さくするために余裕をもたせた値ではな
い。余裕をもたせる場合には、c=1〜4程度として、
I成分・Q成分の語長は(b3 +c)ビット、A/D変
換器4における量子化ビット数は上述同様にb1 とす
る。
【0048】fs1とfs3との選択において、fs1/fs3
の値は回路の簡単化のため、なるべく2以上の整数値に
なることが望ましい。ここではそのように選択するもの
として説明する。
【0049】2次ΔΣ変調・1ビット量子化器を用いる
A/D変換器の場合、サンプラ3におけるサンプリング
周波数fs1は所望のI成分・Q成分のビット数b3 とサ
ンプリング周波数fs3から決める。
【0050】
【数4】 程度が目安となる。A/D変換器はここで例示したもの
以外も使用できることはもちろんである。
【0051】A/D変換された帯域通過ディジタル信号
x(kT1 )(T1 =1/fs1)を帯域通過型帯域制限
・サンプリング周波数低減装置101に入力する。この
帯域通過型帯域制限・サンプリング周波数低減装置10
1は、中心周波数がf0 もしくはfIFであり、通過域幅
が受信信号帯域幅Bと同程度もしくはやや広く、−0.
5<f/fs1<0には通過域を持たず、インパルス応答
が複素数の複素係数帯域通過ディジタルフィルタ5と、
デシメータ6が直列に接続してある。なお、複素係数帯
域通過ディジタルフィルタ5において、その入力信号x
(kT1 )は解析信号xA (kT1 )に変換される。x
A (kT1 )は複数値をとり、図1において複数値をと
る信号は太線で示している。
【0052】それから、デシメータ6でサンプリング周
波数fs1を fs3=fs1/D に低減する。これは複素係数帯域通過ディジタルフィル
タ5の出力信号xA (kT1 )を(D−1)個おきにと
る操作である。なお、fs3はxA (kT1 )の帯域幅B
と同程度もしくはそれよりやや大きい値であり、Dは2
以上の適切な整数である。
【0053】複素係数帯域通過ディジタルフィルタ5は
その通過域を受信信号の帯域幅と同程度とすることによ
って信号帯域外の量子化雑音及びA/D変換時に生じた
直流成分を抑圧する。そして、複素係数帯域通過ディジ
タルフィルタ5内部では、信号とフィルタ係数との積和
演算が行われ、これによりディジタルフィルタ内部の信
号語長はフィルタ係数語長の分長くなる。これは、ディ
ジタルフィルタ5の出力でそれより短いある語長に丸め
るのが普通である。その際、複素係数帯域通過ディジタ
ルフィルタ5の出力信号xA (kT1 )の語長は、実部
・虚部ともに、ディジタルフィルタ5の入力信号x(k
1 )の語長よりサンプリング周波数を低減した分は長
くしてb3 ビットにする。なお、丸め雑音の影響を小さ
くするために、前述のように更に数ビット大きくするこ
とが望ましい。このようにしないと、複素係数帯域通過
ディジタルフィルタ5による量子化雑音低減効果は現れ
ない。逆に、このような操作を行うことによってサンプ
リング周波数を低減してもエイリアシングによる折り返
し雑音は発生せず、従ってディジタル信号における振幅
の分解能を維持できるため、高精度な直交性を持ち、信
号対量子化雑音電力比の大きいI成分とQ成分を得るこ
とができる。
【0054】図2は、サンプリング周波数低減による複
素係数帯域通過ディジタルフィルタ5の出力信号x
A (kT1 )とデシメータ6の出力信号xC (nT3
(T3 =1/fs3)のスペクトルの関係を示したもので
ある。なお、図2は、サンプリング周波数を1/4に低
減する例である(D=4)。ここでは、IF周波数とx
A(kT1 )の中心周波数f0 は一致しているものとし
て説明する。複素係数帯域通過ディジタルフィルタ5の
出力信号xA (kT1 )のスペクトルは実線で描いてお
り、破線と一点鎖線はサンプリング周波数を1/4に低
減することによって生じる折り返しによるxC (n
3 )のスペクトルであり、このうち必要なのはベース
バンドにある一点鎖線のスペクトルである。
【0055】IF周波数fIFがある整数Kに対して (K−0.5)fs3<fIF≦(K+0.5)fs3 の範囲にあるとき、xA (kT1 )のfIFの周波数成分
はデシメーションよってベースバンドではfb に移動す
る。
【0056】 fb =fIF−Kfs3 …(14) となる。式(14)のfb は0になるとは限らない。そ
こで、乗算器7によってxC (nT3 )に複素正弦波信
号exp[−j2πnfb /fs3]を乗じることによっ
てfb の周波数成分を0に移動させる。この乗算器7の
出力信号y(nT3 )の実部が所望のI成分I(n
3 )、虚部がQ成分Q(nT3 )となる。
【0057】以上のように、ディジタル直交検波処理に
オーバサンプリング技術を導入することによって、所望
のI成分・Q成分の信号語長より低い量子化ビット数で
A/D変換を行う。すなわち、多量子化ビット数のA/
D変換器を用いることなしに、高精度な直交性を持ち、
信号対量子化雑音電力比の大きいI成分とQ成分とが得
られるディジタル直交検波装置を実現できる。
【0058】実施例2. 図3は、請求項2、請求項5及び請求項6記載の発明に
係るディジタル直交検波装置の構成を示すブロック図で
ある。なお、図1と同一構成部分には同一符号を付して
説明を省略する。
【0059】102は低域通過型帯域制限・サンプリン
グ周波数低減装置であり、103は帯域通過型帯域制限
・サンプリング周波数低減装置であり、低域通過型帯域
制限・サンプリング周波数低減装置102は、低域通過
ディジタルフィルタ11とデシメータ12とにより構成
されており、帯域通過型帯域制限・サンプリング周波数
低減装置103は、複素係数帯域通過ディジタルフィル
タ13とデシメータ14とにより構成されている。この
ように、低域通過型帯域制限・サンプリング周波数低減
装置102と帯域通過型帯域制限・サンプリング周波数
低減装置103とを直列に接続する目的は、オーバサン
プリングされた帯域通過信号を解析信号に変換する複素
係数帯域通過ディジタルフィルタ13での信号処理演算
量低減並びにハードウェアの簡素化を図るためである。
【0060】次に、本実施例の作用について説明する。
【0061】搬送波周波数fc 、帯域幅Bの受信RF信
号r(t)をIF信号x(t)に変換する過程は上述実
施例1と同様であるので説明を省略する。
【0062】x(t)はサンプラ3でサンプリング周波
数fs1でサンプリングされる。fs1はオーバサンプリン
グするためにIF周波数の少なくとも8倍以上でかつx
(t)の帯域幅の8倍以上にとる。
【0063】A/D変換器4でサンプラ3でサンプリン
グされた信号をディジタル信号に変換する。直線量子化
を行う多ビットのA/D変換器を用いた場合、A/D変
換器4における量子化ビット数b1 は、所望のI成分・
Q成分のビット数をb3 (>b1 )、サンプリング周波
数fs3とするとき、b3 −log4 (fs1/fs3)以上
の最小の整数値が目安となる。逆に、A/D変換器4に
おける量子化ビット数b1 と所望のI成分・Q成分のビ
ット数b3 からfs1を決めてもよい。ただし、このb3
は丸め雑音の影響を小さくするために余裕をもとせた値
ではない。余裕をもたせる場合には、c=1〜4程度と
して、I成分・Q成分の語長は(b3 +c)ビット、A
/D変換器4における量子化ビット数は上述同様にb1
とする。fs1とfs3、及び後述するデシメータ12の出
力におけるサンプリング周波数fs2の選択において、f
s1/fs2とfs2/fs3の値は回路の簡単化のため、なる
べく2以上の整数値になることが望ましい。以下、これ
らの比は整数であるものとして説明する。
【0064】2次ΔΣ変調・1ビット量子化器を用いる
A/D変換器の場合、サンプラ3におけるサンプリング
周波数fs1は所望のI成分・Q成分のビット数b3 とサ
ンプリング周波数fs3から決める。その目安は上記の式
(13)で求められる。A/D変換器はここで例示した
もの以外も使用できることはもちろんである。
【0065】オーバサンプリングされた帯域通過信号を
解析信号に変換する複素係数帯域通過ディジタルフィル
タ13での信号処理演算量低減並びにハードウェアの簡
素化を図るために、A/D変換器4の出力信号x(kT
1 )(T1 =1/fs1)を低域通過型帯域制限・サンプ
リング周波数低減装置102で一旦サンプリング周波数
s2(=fs1/D1 )に低減する。なお、D1 は2以上
の整数である。これからは、D1 のようなサンプリング
周波数の低減度をデシメーション比と呼ぶことにする。
デシメーション比は1より大きい値である。
【0066】低域通過型帯域制限・サンプリング周波数
低減装置102では、低域通過ディジタルフィルタ11
とデシメータ12とを直列に接続してあり、量子化雑音
によるエイリアシングを防ぐために、低域通過ディジタ
ルフィルタ11によって低域通過型の帯域制限を行い、
デシメータ12でサンプリング周波数fs2に低減する。
これは低域通過ディジタルフィルタ11の出力信号を
(D1 −1)個おきにとる操作である。なお、 fs2>2f0 +B とする必要がある。
【0067】低域通過ディジタルフィルタ11のカット
オフ周波数はfs1/2D1 以下とする。また、低域通過
ディジタルフィルタ11の係数は実数である。なお、図
3ではサンプリング周波数fs1に対する遅延演算子をz
1、サンプリング周波数fs2に対する遅延演算子をz2
と表している。
【0068】低域通過ディジタルフィルタ11内部で
は、信号とフィルタ係数との積和演算が行われ、これに
よりディジタルフィルタ内部の信号語長はフィルタ係数
語長の分長くなる。これは、ディジタルフィルタ11の
出力でそれより短いある語長に丸めるのが普通である。
その際、低域通過ディジタルフィルタ11の出力信号の
語長(b2 ビット)は、ディジタルフィルタ11の入力
信号の語長(b1 ビット)よりサンプリング周波数を低
減した分は長くする。すなわち、 b2 ≧b1 +log4 1 としてビットレートを下げることはしない。このように
することによって、サンプリング周波数を低減してもデ
ィジタル信号振幅の分解能を維持できる。丸め雑音の影
響を小さくするために、b2 は上式で与えられる最小値
より数ビット大きくすることが望ましい。
【0069】そして、低域通過型帯域制限・サンプリン
グ周波数低減装置102の出力信号x2 (mT2 )を、
2 (mT2 )の0<f/fs2<0.5の帯域だけを通
過させて解析信号に変換し、サンプリング周波数をおよ
そ信号帯域Bと同程度に低くする帯域通過型帯域制限・
サンプリング周波数低減装置103に入力する。
【0070】図3における帯域通過型帯域制限・サンプ
リング周波数低減装置103は中心周波数f0 またはf
IFで、通過域幅が信号帯域幅Bと同程度かつ−0.5<
f/fs2<0には通過域を持たない複素係数帯域通過デ
ィジタルフィルタ13とデシメータが直列に接続されて
いる。
【0071】複素係数帯域通過ディジタルフィルタ13
において、その入力信号x2 (mT2 )は解析信号xA2
(mT2 )に変換される。xA2(mT2 )は複数値をと
り、図3において複数値をとる信号は太線で示してい
る。
【0072】それから、デシメータ14でサンプリング
周波数fs2を fs3=fs2/D2 に低減する。これは複素係数帯域通過ディジタルフィル
タ13の出力信号xA2(mT2 )のサンプルを(D2
1)個おきにとる操作である。なお、fs3はxA2(mT
2 )の帯域幅Bと同程度の値であり、D2 は2以上の適
切な整数である。
【0073】複素係数帯域通過ディジタルフィルタ13
の通過域をIF信号の帯域幅と同程度とすることによっ
て信号帯域外の量子化雑音及びA/D変換時に生じる直
流オフセット成分を抑圧する。そして、複素係数帯域通
過ディジタルフィルタ13の出力信号xC3(nT3 )の
語長は、低域通過ディジタルフィルタ11の場合と同様
に、実部・虚部ともに、複素係数帯域通過ディジタルフ
ィルタ13の入力信号x2 (mT2 )の語長よりサンプ
リング周波数を低減した分は長くする。すなわち、 b3 ≧b2 +log4 1 としてビットレートを下げることはしない。このように
することによって、サンプリング周波数を低減してもデ
ィジタル信号振幅の分解能を維持できる。なお、丸め雑
音の影響を小さくするために、前述のように更に数ビッ
ト大きくすることが望ましい。
【0074】複素係数帯域通過ディジタルフィルタ13
の出力信号xA2(mT2 )と帯域通過型帯域制限・サン
プリング周波数低減装置103の出力信号xC3(n
3 )のスペクトルの関係は、上述実施例における複素
係数帯域通過ディジタルフィルタ13の出力信号x
A (kT1 )とデシメータ6の出力信号xC (nT3
の関係と同じである。
【0075】複素係数帯域通過ディジタルフィルタ13
の出力信号xA2(mT2 )のfIFの周波数成分はデシメ
ーション後のベースバンドではfb に移動する。このf
b は0になるとは限らない。そこで、乗算器7によって
C3(nT3 )に複素正弦波信号exp[−j2πnf
b /fs3]を乗じることによってfb の周波数成分を0
に移動させる。この乗算器7の出力信号y(nT3 )の
実部が所望のI成分I(nT3 )、虚部がQ成分Q(n
3 )となる。
【0076】以上のように、ディジタル直交検波処理に
オーバサンプリング技術を導入することによって、所望
のI成分・Q成分の信号語長より低い量子化ビット数で
A/D変換を行う。すなわち、多量子化ビット数のA/
D変換器を用いることなしに、高精度な直交性を持ち、
信号対量子化雑音電力比の大きいI成分とQ成分とが得
られるディジタル直交検波装置を実現できる。更に、低
域通過型帯域制限・サンプリング周波数低減装置102
を設けたことによって、複素係数帯域通過ディジタルフ
ィルタ13の入力において予めサンプリング周波数をあ
る程度下げることができる。従って、複素係数帯域通過
ディジタルフィルタ13の特性の制約は従来例よりも緩
くなる。すなわち、狭遷移帯域幅のフィルタである必要
がない。従って、複素係数帯域通過ディジタルフィルタ
13の次数が減り、ハードウェア量を低減できる。その
結果、複素係数帯域通過ディジタルフィルタ13におけ
るフィルタリングに要する信号処理演算量も低減でき
る。帯域通過型帯域制限・サンプリング周波数低減装置
103におけるフィルタリング処理が複素数を扱うのに
対して、低域通過型帯域制限・サンプリング周波数低減
装置102におけるフィルタリング処理は実数値の信号
処理なので、低域通過型、帯域通過型の2つの帯域制限
・サンプリング周波数低減手段を合わせても実施例1の
場合より演算量は少なくてすむという利点がある。
【0077】実施例3. 図4は、請求項3記載の発明に係るディジタル直交検波
装置の構成を示すブロック図である。なお、図1と同一
構成部分には同一符号を付して説明を省略する。本実施
例においては、IF周波数fIFとサンプラ3におけるサ
ンプリング周波数fs1を適切に選ぶことによって、帯域
通過型帯域制限・サンプリング周波数低減装置101の
出力信号xC (nT3 )に複素正弦波信号exp[−j
2πnfb /fs3]を乗じる乗算器7を省略している。
【0078】図2に示すように、帯域通過型帯域制限・
サンプリング周波数低減装置101の帯域通過ディジタ
ルフィルタ5の出力信号xA (kT1 )をサンプリング
周波数fs3(=fs1/D)に低減させると、折り返しの
スペクトルが生じる。xA (kT1 )のfIFの周波数成
分はデシメーションによって移動するが、そのうちベー
スバンド −fs3/2≦f≦fs3/2 に存在するfb が0であれば、図1における帯域通過型
帯域制限・サンプリング周波数低減装置101に続く乗
算器7でxC (nT3 )と複素正弦波信号exp[−j
2πnfb /fs3]との乗算は必要なくなる。この場
合、図4に示す帯域通過型帯域制限・サンプリング周波
数低減装置101の出力信号xA (nT3 )の実数部が
所望のI成分I(nT3 )、虚部がQ成分Q(nT3
となる。なお、太線は複素信号を示す。
【0079】次に、図2における周波数fb が0となる
ための条件を求める。
【0080】周波数fb が0となるためには、式(1
4)よりIF周波数fIFが帯域通過型帯域制限・サンプ
リング周波数低減装置101の出力信号xC (nT3
のサンプリング周波数fs3の整数倍であればよい。更
に、帯域通過型帯域制限・サンプリング周波数低減装置
101におけるデシメーション比が整数であるとしてい
るので、サンプラ3におけるサンプリング周波数fs1
帯域通過型帯域制限・サンプリング周波数低減装置10
1出力におけるサンプリング周波数fs3の2以上の整数
倍であればよい。
【0081】すなわち、図1における乗算器と複素正弦
波信号exp[−j2πnfb /fs3]との乗算が不要
となる条件は、 (1)IF周波数fIFが、所望のI成分、Q成分のサン
プリング周波数fs3の1以上の整数倍であること。
【0082】(2)サンプラ3におけるサンプリング周
波数fs1が所望のI成分、Q成分のサンプリング周波数
s3の2以上の整数倍であり、IF信号の中心周波数f
0 、帯域幅をBとするときにfs1>2f0 +B以上であ
ることである。
【0083】このように、IF周波数fIFとサンプラ3
におけるサンプリング周波数fs1とを選択すれば、受信
信号と複素正弦波信号との乗算を行う乗算器が必要なく
なり、回路規模を縮小することができ、小型化に有利と
なる。
【0084】実施例4. 図5は、請求項4記載の発明に係るディジタル直交検波
装置の構成を示すブロック図である。なお、図3と同一
構成部分には同一符号を付して説明を省略する。本実施
例においては、帯域通過型帯域制限・サンプリング周波
数低減装置103の出力信号xC (nT3 )に複素正弦
波信号exp[−j2πnfb /fs3]を乗じる乗算器
7を省略している。
【0085】IF周波数fIF、サンプラ3におけるサン
プリング周波数fs1、低域通過型帯域制限・サンプリン
グ周波数低減装置102によって低減された後のサンプ
リング周波数fs2を適切に選ぶことによって、乗算器7
を省略することができる。
【0086】図2に示すように、帯域通過型帯域制限・
サンプリング周波数低減装置103の複素係数帯域通過
ディジタルフィルタ13の出力信号xA2(mT2 )のサ
ンプリング周波数fs3(=fs2/D2 )に低減させる
と、折り返しのスペクトルが生じる。xA2(mT2 )の
IFの周波数成分はデシメーションによって移動する
が、そのうちベースバンド −fs3/2≦f≦fs3/2 に存在するfb が0であれば、図3における帯域通過型
帯域制限・サンプリング周波数低減装置103に続く乗
算器7でxC3(nT3 )と複素正弦波信号exp[−j
2πnfb /fs3]との乗算は必要なくなる。この場
合、図5に示す帯域通過型帯域制限・サンプリング周波
数低減装置103の出力信号xC3(nT3 )の実部が所
望のI成分I(nT3 )、虚部がQ成分Q(nT3 )と
なる。なお、太線は複素信号を示す。
【0087】次に、図2における周波数fb が0となる
ための条件を求める。
【0088】周波数fb が0となるためには、式(1
4)よりIF周波数fIFが帯域通過型帯域制限・サンプ
リング周波数低減装置103の出力信号xC3(nT3
のサンプリング周波数fs3の1以上の整数倍であればよ
い。更に、低域通過型帯域制限・サンプリング周波数低
減装置102及び帯域通過型帯域制限・サンプリング周
波数低減装置103におけるデシメーション比が整数で
あるとしているので、低域通過型帯域制限・サンプリン
グ周波数低減装置102の出力におけるサンプリング周
波数fs2が帯域通過型帯域制限・サンプリング周波数低
減装置103の出力におけるサンプリング周波数fs3
2以上の整数倍、かつサンプラ3におけるサンプリング
周波数fs1が低域通過型帯域制限・サンプリング周波数
低減装置102の出力におけるサンプリング周波数fs2
の2以上の整数倍であればよい。
【0089】すなわち、図3の乗算器において帯域通過
型帯域制限・サンプリング周波数低減装置103の出力
信号xC3(nT )と複素正弦波信号exp[−j
2πnf /fs3]との乗算が不要となる条件は、
(1)IF周波数fIFが、所望のI成分、Q成分のサ
ンプリング周波数fs3以上の整数倍であること。
【0090】(2)サンプラ3におけるサンプリング周
波数fs1が所望のI成分、Q成分のサンプリング周波数
s3の素数でない整数倍であり、IF信号の中心周波数
0 、帯域幅をBとするときにfs1>2f0 +Bである
ことである。
【0091】このように、IF周波数fIFとサンプラ3
におけるサンプリング周波数fs1とを選択すれば、受信
信号と複素正弦波信号との乗算を行う乗算器が必要なく
なり、より高速に信号処理をすることができる。また、
受信信号と複素正弦波信号との乗算手段と、複素正弦波
信号発生手段あるいは複素正弦波信号値を記憶する手段
が必要なくなるため、回路規模を縮小することができ、
小型化に有利となる。
【0092】実施例5. 図6は、請求項記載の発明に係る帯域通過型帯域制限
・サンプリング周波数低減装置101、103の構成を
示すブロック図である。
【0093】帯域通過型帯域制限・サンプリング周波数
低減装置101は、複数の帯域通過ディジタルフィルタ
21〜2Lと、複数のデシメータ31〜3Lとを交互に
直列に接続して構成されている。そして、帯域通過ディ
ジタルフィルタ21〜2Lの通過域の中心周波数は前段
デシメータ出力信号のベースバンドにおける中心周波数
とだいたい同じであり、受信信号の帯域幅Bと同程度の
通過域幅を持つ。遷移帯域幅はフィルタにより異なる
が、図1のような単一の複素係数帯域通過ディジタルフ
ィルタとデシメータを用いる場合の複素係数帯域通過デ
ィジタルフィルタより広くできる。
【0094】複素係数帯域通過ディジタルフィルタ21
の係数は複素数であるので、その出力信号も複素数にな
る。従って、図6では複素係数帯域通過ディジタルフィ
ルタ21以降の信号の流れを示す矢印は太線で示す。
【0095】本実施例では、一度にサンプリング周波数
を1/Dにするのではなく、少しずつ帯域制限とサンプ
リング周波数低減を行う動作をL回繰り返すことによっ
てサンプリング周波数を1/Dにするものである。な
お、Dは整数である。サンプリング周波数を1/Dにす
る場合、 D=D1 ・D2 ・…・DL のようにL個の2以上の整数の積に分解できるとき、ま
ずサンプリング周波数fs1をその1/D1 であるfs12
にし、次にサンプリング周波数fs12 をその1/D2
あるfs13 にするというように順次にL回繰り返す。な
お、Lは適切な整数である。また、本実施例における整
数D1 、D2 、…は上述実施例2、4におけるデシメー
ション比D1 、D2 とは異なる値である。
【0096】各複素係数帯域通過ディジタルフィルタ2
1〜2Lの出力信号の語長は実部・虚部ともにそれらの
フィルタの入力信号の語長よりサンプリング周波数を低
減する分長くする。図6では、 b11≧b1 +log4 1 、b12≧b11+log4 2 、… として、ビットレートを下げることはしない。むしろこ
れらの式で与えられる最小値より数ビット大きくするの
が望ましい。
【0097】このような複素係数帯域通過ディジタルフ
ィルタとデシメータとを複数組み直列接続する構成で
は、デシメーション比Dが大きい場合、各複素係数帯域
通過ディジタルフィルタに急峻なカットオフ特性が要求
されないため、フィルタ次数が低くてすみ、これにより
フィルタリングに要する演算量も図1及び図3に示す単
一の複素係数帯域通過ディジタルフィルタとデシメータ
を直列に接続する構成より少なくすることができること
がわかっている。
【0098】また、第1ステージの複素係数帯域通過デ
ィジタルフィルタ21の中心周波数を適切に選ぶことに
より、第2ステージ以降の複素係数帯域通過ディジタル
フィルタ22〜2Lの正規化中心周波数(入力信号のサ
ンプリング周波数で規格化した中心周波数)を0または
±0.5にでき、その結果、ディジタルフィルタ22〜
2Lは実係数のみを持つフィルタとすることができ、更
に信号処理演算量を減すことが可能となる。
【0099】上述実施例においては、複数の帯域通過デ
ィジタルフィルタと、複数のデシメータとを直列に接続
してなる帯域制限・サンプリング周波数低減手段が帯域
通過特性を持つ場合について説明したが、これに限ら
ず、請求項記載の発明に係る低減通過型域制限・サ
ンプリング周波数低減手段についても同様な構成をとる
ことができる。すなわち、複数の低域通過ディジタルフ
ィルタと、複数のデシメータを交互に直列に接続してな
るように構成できる。
【0100】実施例6. 図7は、請求項9記載の発明に係る帯域制限・サンプリ
ング周波数低減装置101または103の構成を示すブ
ロック図である。低減装置101と103とは同一構成
なので、低減装置101についてのみ説明する。
【0101】帯域通過型帯域制限・サンプリング周波数
低減装置101は、入力信号x(kT1 )をサンプル毎
に整数(D)本の通路71〜7Dに振り分けるスイッチ
70を有しており、D本の通路71〜7Dには、それぞ
れディジタルフィルタ81〜8Dが接続されている。そ
して、ディジタルフィルタ81〜8Dには、D個のディ
ジタルフィルタ81〜8Dの出力信号を加算する加算手
段としての加算器80が接続されている。なお、z3は
サンプリング周波数fs3に対する遅延演算子である。
【0102】スイッチ70は帯域制限・サンプリング周
波数低減装置101の入力信号x(kT1 )を1サンプ
ルずつ順にD本の各通路71〜7Dに振り分ける。通路
7Dに振り分けた後は再び通路71〜7Dの順にx(k
1 )を振り分ける。従って、通路71〜7Dを通る信
号のサンプリング周波数は帯域制限・サンプリング周波
数低減装置101の入力信号x(kT1 )の1/Dであ
る。つまり、fs1/D=fs3になっている。各ディジタ
ルフィルタ81〜8Dもサンプリング周波数fs3に対応
する速度で動作する。そのため、ここでは遅延演算子z
3と表現している。
【0103】ディジタルフィルタ81に入力信号が入力
するタイミングは、ディジタルフィルタ82への信号入
力タイミングよりT1 だけ早い。ディジタルフィルタ8
2への信号入力タイミングも同様にディジタルフィルタ
83だけ早い。以下同様である。各ディジタルフィルタ
81〜8Dの出力において、それらの入力信号と同様、
隣り合う通路の信号はT1 づつタイミングがずれてお
り、加算器80でD個の信号を加えて出力するのにD・
1 (=T3 )だけ時間がかかる。よって、この加算器
出力で、帯域制限されたサンプリング周波数が低減され
た信号xC (nT3 )を得ることができる。
【0104】各ディジタルフィルタ81〜8Dの係数は
複素数であるため、それらの出力信号もまた複素数であ
る。従って、図7では各フィルタ81〜8D以降の信号
の流れを示す矢印は太線で描いてある。なお、各ディジ
タルフィルタ81〜8Dの出力信号の語長(b3 ビッ
ト)は実部・虚部ともにサンプリング周波数を低減する
分長くする。すなわち、 b3 ≧b1 +log4 D としてビットレートを下げることはしない。丸め雑音の
影響を小さくするため、b3 はこの式で与えられる最小
値より数ビット大きくするのが望ましい。各ディジタル
フィルタ81〜8Dのインパルス応答p1 (n)、p2
(n)、…、pD(n)は、図1における帯域制限・サ
ンプリング周波数低減装置101の複素係数帯域通過デ
ィジタルフィルタ5のインパルス応答g(k)より式
(15)のように計算できる。
【0105】 pi (n)=g(nD+i−1) (i=1、2、…、D) …(15) このような構造の利点は、各ディジタルフィルタ81〜
8Dをスイッチ70の入力信号x(kT1 )のサンプリ
ング間隔T1 ほど高速に動作させる必要がないため、結
局のところ、高いサンプリング周波数まで対応可能なこ
とである。
【0106】なお、上述実施例においては、帯域制限・
サンプリング周波数低減装置101が帯域通過特性を持
つ場合について説明したが、請求項10に係る低域通過
特性を持つ域制限・サンプリング周波数低減装置10
2についても同様な構成をとることができる。この場
合、上記の複素係数帯域通過ディジタルフィルタを実数
の係数を持つ低域通過ディジタルフィルタに置き換え
る。フィルタ出力信号は実数となる。
【0107】実施例7. 請求項11に係る発明の実施例の説明を行う。
【0108】図3または図5に示すように、帯域通過型
帯域制限・サンプリング周波数低減手段103と低域通
過型帯域制限・サンプリング周波数低減手段102との
内部構成は同様の構成としていたが、これに限らず、帯
域通過型帯域制限・サンプリング周波数低減手段103
と低域通過型帯域制限・サンプリング周波数低減手段1
02との内部構成が異なっていてもよい。例えば、低域
通過型帯域制限・サンプリング周波数低減手段102を
図6と同様の構成とし、帯域通過型帯域制限・サンプリ
ング周波数低減手段103を図7と同様の構成としても
よく、その逆でもよい。
【0109】実施例8. 上述実施例においては、RF信号をIF信号に変換する
ものとして説明したが、受信器やA/D変換器で扱える
サンプリング周波数によっては、直接RF信号をディジ
タル信号に変換して直交検波処理を行うことも可能であ
る。このようにした場合、信号のIF周波数fIFを搬送
波周波数fc に置き換える。
【0110】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、ディジタル直交検波処理において量子化雑音低減を
行っているので、所望のI成分・Q成分の信号語長より
低い量子化ビット数のA/D変換を用いることができ
る。また、高速でそれほど量子化ビット数の多くないA
/D変換器を用いることにより高精度な直交性を保ち、
信号対量子化雑音電力比の大きいI成分とQ成分とを容
易に得ることができる。
【0111】また、低域通過型帯域制限・サンプリング
周波数低減手段と帯域通過型帯域制限・サンプリング周
波数低減手段とを設けたので、予めサンプリング周波数
をある程度下げることができ、その複素係数帯域通過デ
ィジタルフィルタの特性の制約を緩和し、複素係数ディ
ジタルフィルタに狭遷移帯域幅のものを使う必要がなく
なり、複素係数帯域通過ディジタルフィルタの次数を低
減でき、フィルタリングに要する演算量及び部品点数を
低減することができる。これにより、有限語長効果によ
る信号劣化を抑えることができる。更に、低域通過型帯
域制限・サンプリング周波数低減手段におけるフィルタ
リング処理は実数の信号処理となり、演算量及び部品点
数を低減することができる。
【0112】また、IF周波数とその後に続くサンプラ
におけるサンプリング周波数を適切に選ぶことにより、
ディジタル化後の信号と複素正弦波信号との乗算が不要
となり、信号処理をより高速に行うことができる。これ
により、受信信号と複素正弦波信号との乗算手段、複素
正弦波信号の発生手段、または複素正弦波信号を記憶す
る手段が必要なくなり、回路規模を小さくして小型化を
図ることができ、また乗算による丸め雑音が発生するこ
とを防止することができる。
【0113】更に、低域通過型帯域制限・サンプリング
周波数低減手段及び帯域通過型帯域制限・サンプリング
周波数低減手段を複数のディジタルフィルタと複数のデ
シメータとを交互に直列に接続したので、デシメーショ
ン比が大きい場合、ディジタルフィルタに急峻なカット
オフ特性が要求されず、フィルタ次数を低減でき、これ
によりフィルタリングに要する演算量をよりいっそう低
減することができ、集積回路による小型化や有限語長効
果の点においても有利である。
【0114】そして、低域通過型帯域制限・サンプリン
グ周波数低減手段及び帯域通過型帯域制限・サンプリン
グ周波数低減手段を入力信号をD本の通路に分けるスイ
ッチと、各通路に接続されたD個の並列なディジタルフ
ィルタとにより構成したので、各ディジタルフィルタを
スイッチの入力信号のサンプリング間隔ほど高速に動作
させる必要がなくなり、高いサンプリング周波数に対応
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1及び請求項5記載の発明に関わるディ
ジタル直交検波装置の構成を示すブロック図である。
【図2】帯域通過信号のサンプリング周波数低減前後の
スペクトルを示す模式図である。
【図3】請求項2、請求項5及び請求項6記載の発明に
関わるディジタル直交検波装置の構成を示すブロック図
である。
【図4】請求項3記載の発明に関わるディジタル直交検
波装置の構成を示すブロック図である。
【図5】請求項4記載の発明に関わるディジタル直交検
波装置の構成を示すブロック図である。
【図6】請求項7記載の発明に関わる帯域通過型帯域制
限・サンプリング周波数低減装置の構成を示すブロック
図である。
【図7】請求項9記載の発明に関わる帯域通過型帯域制
限・サンプリング周波数低減装置の構成を示すブロック
図である。
【図8】従来のディジタル直交検波装置の構成を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
3、8 サンプラ 4、9 A/D変換器 5、10、13、21〜2L 複素係数帯域通過ディジ
タルフィルタ 6、12、14、15、31〜3L デシメータ 7 乗算器 11 低域通過ディジタルフィルタ 70 スイッチ 80 加算器 81〜8D ディジタルフィルタ 101、103 帯域通過型帯域制限・サンプリング周
波数低減装置 102 低域通過型帯域制限・サンプリング周波数低減
装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 14/00 - 14/06 H04L 27/00

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信したIF周波数fIFのアナログ帯
    域通過信号を所定のサンプリング周波数でサンプリング
    して離散時間信号に変換するサンプリング手段と、 所望の同相成分と直交成分の語長より短い所定の量子化
    ビット数で前記離散時間信号を量子化するA/D変換手
    段と、 前記A/D変換手段の出力信号を帯域通過型の帯域制限
    を行いかつサンプリング周波数を低減する帯域通過型帯
    域制限・サンプリング周波数低減手段と、 前記帯域通過型帯域制限・サンプリング周波数低減手段
    の出力信号と所定の周波数の複素正弦波信号とを乗ずる
    乗算手段と、 を備え、前記帯域通過型帯域制限・サンプリング周波数
    低減手段が、その入力信号のサンプリング周波数fs1
    に対して、入力信号の0<f/fs1<0.5の所定の
    周波数成分のみを通過させる帯域通過特性を有し、前記
    帯域通過型帯域制限・サンプリング周波数低減手段の出
    力信号の語長を入力信号の語より拡張することを特徴
    とするディジタル直交検波装置。
  2. 【請求項2】 受信したIF周波数fIFのアナログ帯
    域通過信号を所定のサンプリング周波数でサンプリング
    して離散時間信号に変換するサンプリング手段と、 所望の同相成分と直交成分の語長より短い所定の量子化
    ビット数で前記離散時間信号を量子化するA/D変換手
    段と、 前記A/D変換手段の出力信号を低域通過型の帯域制限
    を行いかつサンプリング周波数を低減する低域通過型帯
    域制限・サンプリング周波数低減手段と、 前記低域通過型帯域制限・サンプリング周波数低減手段
    の出力信号に対して帯域通過の帯域制限を行いかつサン
    プリング周波数を低減する帯域通過型帯域制限・サンプ
    リング周波数低減手段と、 前記帯域通過型帯域制限・サンプリング周波数低減手段
    の出力信号と所定の周波数の複素正弦波信号とを乗ずる
    乗算手段と、 を備え、前記低域通過型帯域制限・サンプリング周波数
    低減手段が所定のカットオフ周波数の低域通過特性を有
    し、その出力信号の語長を入力信号の語長より拡張し、
    前記帯域通過型帯域制限・サンプリング周波数低減手段
    が、その入力信号のサンプリング周波数fs2に対し
    て、入力信号の0<f/fs2<0.5の所定の周波数
    成分のみを通過させる帯域通過特性を有し、前記帯域通
    過型帯域制限・サンプリング周波数低減手段の出力信号
    の語長を入力信号の語より拡張することを特徴とする
    ディジタル直交検波装置。
  3. 【請求項3】 受信したIF周波数fIFのアナログ帯
    域通過信号を所定のサンプリング周波数fs1でサンプ
    リングして離散時間信号に変換するサンプリング手段
    と、 所望の同相成分と直交成分の語長より短い所定の量子化
    ビット数で前記離散時間信号を量子化するA/D変換手
    段と、 前記A/D変換手段の出力信号に対して帯域通過型の帯
    域制限を行いかつサンプリング周波数を低減する帯域通
    過型帯域制限・サンプリング周波数低減手段と、 を備え、前記IF周波数fIFが所望の同相成分と直交
    成分のサンプリング周波数fs3の1以上の整数倍であ
    りかつ前記アナログ帯域通過信号をサンプリングして離
    散時間信号に変換するサンプリング手段におけるサンプ
    リング周波数fs1が、前記アナログ帯域通過信号の中
    心周波数の2倍にアナログ帯域通過信号の帯域幅を加え
    た値より大きくかつ前記所望の同相成分と直交成分のサ
    ンプリング周波数f s3 の2以上の整数倍であり、前記
    帯域通過型帯域制限・サンプリング周波数低減手段が、
    その入力信号のサンプリング周波数fs1に対して、入
    力信号の0<f/fs1<0.5の所定の周波数成分の
    みを通過させる帯域通過特性を有し、前記帯域通過型帯
    域制限・サンプリング周波数低減手段の出力信号の語長
    を入力信号の語より拡張することを特徴とするディジ
    タル直交検波装置。
  4. 【請求項4】 受信したIF周波数fIFのアナログ帯
    域通過信号を所定のサンプリング周波数fs1でサンプ
    リングして離散時間信号に変換するサンプリング手段
    と、 所望の同相成分と直交成分の語長より短い所定の量子化
    ビット数で前記離散時間信号を量子化するA/D変換手
    段と、 前記A/D変換手段の出力信号に対して低域通過型の帯
    域制限を行いかつサンプリング周波数を低減する低域通
    過型帯域制限・サンプリング周波数低減手段と、 前記低域通過型帯域制限・サンプリング周波数低減手段
    の出力信号に対して帯域通過型の帯域制限を行いかつサ
    ンプリング周波数を低減する帯域通過型帯域制限・サン
    プリング周波数低減手段と、 を備え、前記IF周波数fIFが所望の同相成分と直交
    成分のサンプリング周波数fs3の1以上の整数倍であ
    りかつ前記アナログ帯域通過信号をサンプリングして離
    散時間信号に変換するサンプリング手段におけるサンプ
    リング周波数fs1が、前記所望の同相成分と直交成分
    のサンプリング周波数fs3の素数でない整数倍であり
    かつサンプリング周波数fs1が前記アナログ帯域通過
    信号の中心周波数の2倍にアナログ帯域通過信号の帯域
    幅を加えた値より大きく、前記域通過型帯域制限・サ
    ンプリング周波数低減手段が、その入力信号のサンプリ
    ング周波数fs2に対して、入力信号の0<f/fs2
    <0.5の所定の周波数成分のみを通過させる帯域通過
    特性を有し、前記域通過型帯域制限・サンプリング周
    波数低減手段の出力信号の語長を入力信号の語より拡
    張することを特徴とするディジタル直交検波装置。
  5. 【請求項5】 サンプリング周波数の低減度もしくは必
    要な帯域通過型帯域制限・サンプリング周波数低減手段
    の入力信号の帯域幅に応じた帯域幅を持つと共に帯域通
    過型帯域制限・サンプリング周波数低減手段の中心周波
    数が入力信号の中心周波数もしくはIF周波数fIFと等
    しくかつ通過域が0から入力信号のサンプリング周波数
    の1/2の間の所定の範囲に存在する帯域通過ディジタ
    ルフィルタと、 前記帯域通過ディジタルフィルタの出力信号をサンプリ
    ング周波数の低減度に応じたサンプル数おきに取り出す
    デシメーション手段と、 を直列に接続して前記帯域通過型帯域制限・サンプリン
    グ周波数低減手段を構成し、 前記帯域通過ディジタルフィルタの出力信号の語長がそ
    の入力信号の語長より拡張されることを特徴とする請求
    項1から請求項4までの内のいずれかの請求項に記載の
    ディジタル直交検波装置。
  6. 【請求項6】 サンプリング周波数の低減度に応じたカ
    ットオフ周波数の低域通過ディジタルフィルタと、 前記低域通過ディジタルフィルタの出力信号をサンプリ
    ング周波数の低減度に応じたサンプル数おきに取り出す
    デシメーション手段と、 を直列に接続して前記低域通過型帯域制限・サンプリン
    グ周波数低減手段を構成し、 前記低域通過ディジタルフィルタの出力信号の語長がそ
    の入力信号の語長より拡張されることを特徴とする請求
    項2または請求項4に記載のディジタル直交検波装置。
  7. 【請求項7】 所定の帯域幅と中心周波数を持つ帯域通
    過ディジタルフィルタと、 前記帯域通過ディジタルフィルタに直列に接続した所定
    のサンプル数おきに取り出すデシメーション手段と、 を複数組列に接続して前記帯域通過型帯域制限・サン
    プリング周波数低減手段を構成し、 前記複数の帯域通過ディジタルフィルタの出力信号の語
    長がその入力信号の語長より拡張されることを特徴とす
    る請求項1から請求項4までの内のいずれかの請求項に
    記載のディジタル直交検波装置。
  8. 【請求項8】 所定の帯域幅の低域通過ディジタルフィ
    ルタと、 前記域通過ディジタルフィルタに直列に接続した所定
    のサンプル数おきに取り出すデシメーション手段と、 を複数組直列に接続して前記低域通過型帯域制限・サン
    プリング周波数低減手段を構成し、 前記複数の低域通過ディジタルフィルタの出力信号の語
    長がその入力信号の語長より拡張されることを特徴とす
    る請求項2または請求項4に記載のディジタル直交検波
    装置。
  9. 【請求項9】 前記帯域通過型帯域制限・サンプリング
    周波数低減手段を、帯域通過型帯域制限・サンプリング
    周波数低減手段がサンプリング周波数を入力信号の整数
    (D2 )の逆数(1/D2 )に低減しようとするときに
    入力信号をサンプル毎に整数(D2 )本の通路に振り分
    けるスイッチと、整数(D2 )本の通路にそれぞれ接続
    された複数(D2 )個のディジタルフィルタと、複数
    (D2 )個のディジタルフィルタの出力信号を加算する
    加算手段とから構成し、 複数(D2 )個のディジタルフィルタの出力信号もしく
    は前記加算手段の出力信号の語長が帯域通過型帯域制限
    ・サンプリング周波数低減手段の入力信号の語長より拡
    張されることを特徴とする請求項1から請求項4までの
    内のいずれかの請求項に記載のディジタル直交検波装
    置。
  10. 【請求項10】 前記低域通過型帯域制限・サンプリン
    グ周波数低減手段を、低域通過型帯域制限・サンプリン
    グ周波数低減手段がサンプリング周波数を入力信号の整
    数(D1 )の逆数(1/D1 )に低減しようとするとき
    に入力信号をサンプル毎に整数(D1 )本の通路に振り
    分けるスイッチと、整数(D1 )本の通路にそれぞれ接
    続された複数(D1 )個のディジタルフィルタと、複数
    (D1)個のディジタルフィルタの出力信号を加算する
    加算手段とから構成し、 複数(D1 )個のディジタルフィルタの出力信号もしく
    は前記加算手段の出力信号の語長が低域通過型帯域制限
    ・サンプリング周波数低減手段の入力信号の語長より拡
    張されることを特徴とする請求項2または請求項4に記
    載のディジタル直交検波装置。
  11. 【請求項11】 前記低域通過型帯域制限・サンプリン
    グ周波数低減手段が、サンプリング周波数の低減度に応
    じたカットオフ周波数の低域通過ディジタルフィルタ及
    び低域通過ディジタルフィルタの出力信号をサンプリン
    グ周波数の低減度に応じたサンプル数おきに取り出すデ
    シメーション手段を直列に接続してなり、あるいは所定
    の帯域幅の低域通過ディジタルフィルタ及び低域通過デ
    ィジタルフィルタに直列に接続した所定のサンプル数お
    きに取り出すデシメーション手段を複数組直列に接続
    してなり、あるいは低域通過型帯域制限・サンプリング
    周波数低減手段がサンプリング周波数を入力信号の整数
    (D )の逆数(1/D )に低減しようとするとき
    に入力信号をサンプル毎に整数(D )本の通路に振
    り分けるスイッチ、整数(D )本の通路にそれぞれ
    接続された複数(D )個のディジタルフィルタ及び
    複数(D )個のディジタルフィルタの出力信号を加
    算する加算手段とからなり、 かつ帯域通過型帯域制限・サンプリング周波数低減手段
    が、サンプリング周波数の低減度もしくは必要な帯域通
    過型帯域制限・サンプリング周波数低減手段の入力信号
    の帯域幅に応じた帯域幅を持つと共に帯域通過型帯域制
    限・サンプリング周波数低減手段の中心周波数が入力信
    号の中心周波数もしくはIF周波数fIFと等しくかつ
    通過域が0から入力信号のサンプリング周波数の1/2
    の間の所定の範囲に存在する帯域通過ディジタルフィル
    タ及び帯域通過ディジタルフィルタの出力信号をサンプ
    リング周波数の低減度に応じたサンプル数おきに取り出
    すデシメーション手段を直列に接続してなり、あるいは
    所定の帯域幅と中心周波数を持つ帯域通過ディジタルフ
    ィルタ及び帯域通過ディジタルフィルタに直列に接続し
    た所定のサンプル数おきに取り出すデシメーション手段
    を複数組直列に接続してなり、あるいは帯域通過型帯域
    制限・サンプリング周波数低減手段がサンプリング周波
    数を入力信号の整数(D )の逆数(1/D )に低
    減しようとするときに入力信号をサンプル毎に整数(D
    )本の通路に振り分けるスイッチ、整数(D )本
    の通路にそれぞれ接続された複数(D )個のディジ
    タルフィルタ及び複数(D )個のディジタルフィル
    タの出力信号を加算する加算手段とからなることを特徴
    とする請求項2または請求項4記載のディジタル直交検
    波装置。
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