JP3147605B2 - D/a変換装置 - Google Patents

D/a変換装置

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JP3147605B2 JP22108393A JP22108393A JP3147605B2 JP 3147605 B2 JP3147605 B2 JP 3147605B2 JP 22108393 A JP22108393 A JP 22108393A JP 22108393 A JP22108393 A JP 22108393A JP 3147605 B2 JP3147605 B2 JP 3147605B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディジタル信号をアナロ
グ信号に変換するD/A(ディジタル/アナログ)変換
装置に関し、特にディジタル入力信号のサンプリング周
波数よりも高いサンプリング周波数でD/A変換を行う
オーバーサンプリング型D/A変換装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】D/A変換装置の一つとして、ノイズシ
ェーパとPWMを用いたD/A変換装置が報告されてい
る。従来報告されていたこの方式のD/A変換装置につ
いて図11を用いて説明する。なお、この技術について
は「ナショナル・テクニカル・レポート(第34巻第2
号、昭和63年4月)pp.40-45」にその記載がある。
【0003】図11は従来のD/A変換装置の一例を示
すブロック図である。10はディジタルフィルタ(D
F)であり、入力されたディジタル信号のサンプリング
周波数fsをk倍(k≧2)にするものである。ここでは
説明のためk=64とする。11は多段量子化型のノイ
ズシェーパ(NS)であり、DF10から出力されるデ
ィジタル信号の量子化(語長制限)を行うとともにノイ
ズの周波数特性を所定の特性に変化させるものである。
ここでは3次特性のノイズシェーパとし、入力Xに対す
る出力Yは(数1)で表されるものとする。
【0004】
【数1】
【0005】また、ここでは出力Yが11(=p)レベ
ルの出力(−5〜+5)を持つものとする。19はパル
ス幅変調回路(PWM)であり、NS11から出力され
るディジタル信号に対応した11通りのパルス幅を有す
る1ビットのパルス信号に変換し、アナログ信号として
出力する。図11のD/A変換装置は、DF10とNS
11によりディジタル入力信号をサンプリング周波数6
4fs、11レベルとしたのちに、PWM19でさらに少
なくとも704倍(64×11)のクロックを用いてア
ナログ信号に変換するものであり、ディジタル信号をよ
り高いサンプリング周波数でアナログ信号に変換するい
わゆるオーバーサンプリング型のD/A変換装置となっ
ている。
【0006】図11のNS11のさらに詳しい構成を図
12に示す。20は1次ΔΣ変調器であり、入力Xの量
子化とノイズの周波数特性の変更を行って出力するとと
もに、量子化誤差成分−Vq1を抽出し、次段へ出力す
る。ここで、入力Xに対する出力Y1は(数2)で表さ
れる。
【0007】
【数2】
【0008】また、ここでは出力Y1が7(=p1)レベ
ルの出力(−3〜+3)を持つものとする。21は2次
ΔΣ変調器であり、1次ΔΣ変調器20の量子化誤差成
分−Vq1を入力とし、その入力−Vq1の量子化とノイズ
の周波数特性の変更を行って出力する。ここで、入力−
Vq1に対する出力Y2は(数3)で表される。
【0009】
【数3】
【0010】また、ここでは出力Y2が3レベルの出力
(−1,0,+1)を持つものとする。22は微分器で
あり、出力Y2をディジタル微分して出力するものであ
る。微分器22の入力Y2に対する出力Y2'は(数4)
で表される。
【0011】
【数4】
【0012】このときの出力Y2'は5(=p2)レベル
の出力(−2〜+2)を持つものとなる。23は加算器
であり、出力Y1とY2'を加算してNS11の出力Yを
得るものである。
【0013】図11のD/A変換装置の出力信号スペク
トラムをコンピュータ・シミュレーションで求めた結果
を図13に示す。簡単のため、ここでは0〜2fsまでの
信号を示している。前記したように、僅か11レベルの
ディジタル信号をアナログ信号に変換したものながら、
図13に示したように、NS11によって0〜fs/2の信
号帯域では120dB以上のダイナミックレンジ(D.R.)
が得られるものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら図11に
示す構成では、PWM19には少なくとも704fsのク
ロックを必要とする。例えばディジタルオーディオで広
く用いられているサンプリング周波数fs=48kHzの場
合、704fs=33.792MHzという極めて高いクロックと
なり、電磁妨害の対策が必要になるなど実用上の課題が
ある。
【0015】PWM以外の方式でD/A変換を行う場合
にはPWMの場合よりも低いクロックで動作させること
も可能である。例えば抵抗列を用いたD/A変換回路を
用いればよい。しかし、このためには抵抗列に極めて高
い相対精度が必要である。その理由は、NS11によっ
て語長制限されたディジタル信号は、僅かな語長にも係
わらずもとの信号帯域(0〜fs/2)においては前記した
ように120dB以上の高い精度を維持しているからであ
る。即ち、抵抗列の精度がD/A変換精度を決定するこ
とになり、高精度のD/A変換のためには高精度の抵抗
列が要求されるため、D/A変換回路の製造が困難にな
るという課題があった。
【0016】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、PWMのように高いクロックを必要とせず、また、
D/A変換回路に高い精度を必要としないようなD/A
変換装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は以下の構成とする。即ち、(1)入力された
ディジタル信号のサンプリング周波数をk倍(k≧2)
にするディジタルフィルタと、前記ディジタルフィルタ
の出力を入力とし語長制限とともにノイズの周波数特性
を所定の特性に変化させる多段量子化型のノイズシェー
パと、前記ノイズシェーパの各段の出力を各々入力と
し、その入力の値に対応した1ビット信号列に変換する
複数個のデコーダと、前記デコーダの各出力をアナログ
信号に変換する1ビットD/A変換器列と、前記1ビッ
トD/A変換器列の出力を総合するアナログ加算器とを
備え、前記デコーダの出力を、前記ノイズシェーパの出
力の値に応じた数の1ビット信号が巡回するような出力
としたD/A変換装置とする。
【0018】また本発明は、(2)前記デコーダの出力
を、前記ノイズシェーパから出力されるp通り(pは整
数)の値を持つ信号に対応して少なくとも(p−1)個
の1ビット信号列を出力するようにし、その1ビット信
号列の割り当て開始位置が1サンプルデータ前の1ビッ
ト信号列の最終割り当て位置の次の位置になるように巡
回して割り当てられるようにしたD/A変換装置とす
る。
【0019】また本発明は、(3)前記デコーダの出力
を、前記ノイズシェーパから出力されるp通り(pは整
数)の値を持つ信号に対応して少なくとも(p−1)個
の1ビット信号列を出力するようにし、その1ビット信
号列の割り当て開始位置が1サンプルデータごとに所定
数だけ巡回するようにしたD/A変換装置とする。
【0020】また本発明は、(4)前記デコーダから出
力される連続した1ビット信号列に対し、対応する1ビ
ットD/A変換器群が、その1ビットD/A変換器群の
平均出力レベルとの誤差の極性が相反し、かつ、その誤
差のレベルが近いような1ビットD/A変換器が隣合う
ような並びに割り当てられるようにしたD/A変換装置
とする。
【0021】また本発明は、(5)前記デコーダの各出
力に対応する、前記1ビットD/A変換器列におけるm
個の1ビットD/A変換器群を出力レベルの順に、DAC-
1,DAC-2,DAC-3,DAC-4,・・・,DAC-(m-3),DAC-(m-2),DAC-(m
-1),DAC-mとし(mは1ビットD/A変換器群における
1ビットD/A変換器の数)、前記デコーダから出力さ
れる連続した1ビット信号列に対して前記1ビットD/
A変換器群が、 DAC-1,DAC-(m-1),DAC-3,DAC-(m-3),・・・,DAC-4,DAC-(m-
2),DAC-2,DAC-m という並びに割り当てられるようにしたD/A変換装置
とする。
【0022】また本発明は、(6)前記デコーダの各出
力に対応する、前記1ビットD/A変換器列における各
1ビットD/A変換器群を、その1ビットD/A変換器
列の出力レベルの順に割り当てるようにしたD/A変換
装置とする。
【0023】また本発明は、(7)前記デコーダの各出
力に対応する、前記1ビットD/A変換器列における各
1ビットD/A変換器群の割り当てを、前記ノイズシェ
ーパの各段の出力順に対応する前記デコーダの各出力
が、前記1ビットD/A変換器の出力レベルの順に対し
て中央に近い方から順に割り当てたD/A変換装置とす
る。
【0024】また本発明は、(8)第1,第2の量子化
ステップによる2段構成とした前記ノイズシェーパの出
力を各々入力とし、その入力を対応する1ビット信号列
に変換する第1,第2のデコーダを備え、前記デコーダ
の各出力に対応する、前記1ビットD/A変換器列にお
ける第1,第2の1ビットD/A変換器群を、前記1ビ
ットD/A変換器列における1ビットD/A変換器の出
力レベルの順に割り当てるようにし、前記第1の1ビッ
トD/A変換器群を出力レベル順の並びとし、前記第2
の1ビットD/A変換器群を出力レベル逆順の並びとし
たD/A変換装置とする。
【0025】また本発明は、(9)第1,第2の量子化
ステップによる2段構成とした前記ノイズシェーパの出
力を各々入力とし、その入力を対応する1ビット信号列
に変換する第1,第2のデコーダを備え、そのデコーダ
の各出力に対応する、前記1ビットD/A変換器列にお
ける第1,第2の1ビットD/A変換器群を、前記1ビ
ットD/A変換器列における1ビットD/A変換器の出
力レベルの順に対して第1の1ビットD/A変換器群に
は両端部分を割り当て、第2の1ビットD/A変換器群
には残る中央部分を割り当てるようにし、前記第1の1
ビットD/A変換器群を出力レベル順の並びとし、前記
第2の1ビットD/A変換器群を出力レベル逆順の並び
としたD/A変換装置とする。
【0026】
【作用】上記した構成により本発明は、ノイズシェーパ
の出力をデコーダで1ビット信号列に変換し、さらに1
ビットD/A変換器列でアナログ信号に変換することに
より、D/A変換時のサンプリング周波数がノイズシェ
ーパのディジタル出力のサンプリング周波数と同じでよ
く、PWMに比較して遥かに低いクロックでの動作が可
能である。また、デコーダがノイズシェーパの出力を複
数個の1ビットD/A変換器に巡回するように割り当て
ることにより、ノイズシェーパの出力値と特定の1ビッ
トD/A変換器との相関を無くしている。このことによ
って各1ビットD/A変換器間の出力にバラツキがある
場合でも、信号帯域での歪やノイズの発生を小さくする
ことができる。また多段量子化型のノイズシェーパの各
段の出力を各々デコーダで変換し、該デコーダの出力を
アナログ信号に変換する1ビットD/A変換器の並びを
出力順とすることで、各デコーダごとの1ビットD/A
変換器列の誤差によるノイズをさらに低減できる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。
【0028】図1は本発明によるD/A変換装置の一実
施例を表すブロック図である。図1で、10はディジタ
ルフィルタ(DF)であり、図11で示したものと同一
の構成・機能を有する。11は多段量子化型のノイズシ
ェーパ(NS)であり、図11のNS11と類似の構成
をもつが、後述するように出力Y1とY2'を加算せずに
そのまま出力するようになっている。12,13はデコ
ーダ(DEC)であり、NS11から出力されるディジ
タル信号に対応してそれぞれDEC12はm個、DEC
13はn個の1ビット信号を出力するものである。1
4,15は一連の1ビットD/A変換器列における1ビ
ットD/A変換器群(DAC)であり、14は第1のD
/A変換器(DAC−1)から第mのD/A変換器(D
AC−m)までの、また15は第1のD/A変換器(D
AC−1)から第nのD/A変換器(DAC−n)まで
の、全て均一な(m+n)個の1ビットD/A変換器で
構成される。16はアナログ加算器であり、DAC14
およびDAC15から出力される(m+n)個のアナロ
グ信号を総合し、アナログ信号として出力する。17は
D/A変換回路であり、DAC14,15とアナログ加
算器16とで構成される。図1のD/A変換装置は、D
F10とNS11によりディジタル入力信号をサンプリ
ング周波数64fs、7(=p1)レベルの信号Y1および
5(=p2)レベルの信号Y2'としたのちに、DEC1
2,13でそれぞれm個およびn個の1ビット信号と
し、さらにD/A変換回路17でアナログ信号に変換す
るものであり、ディジタル信号をより高いサンプリング
周波数でアナログ信号に変換するいわゆるオーバーサン
プリング型のD/A変換装置となっている。
【0029】図1のNS11のさらに詳しい構成を図2
に示す。前記したように、図2のNS11は図11のN
S11と類似の構成・機能を持つものであり、1次ΔΣ
変調器20、2次ΔΣ変調器21、微分器22は同一の
ものであるから説明を省略する。異なる点は、図11の
NS11では、1次ΔΣ変調器20の出力Y1と微分器
22の出力Y2'を加算して出力するようになっている
が、図2のNS11ではY1とY2'をそれぞれ独立に出
力するようになっている。なお、このときの出力Y1は
7(=p1)レベルの出力(−3〜+3)を、出力Y2'
は5(=p2)レベルの出力(−2〜+2)を持つもの
である。
【0030】図1のD/A変換回路17の一例を図3に
示す。図3で、14,15は1ビットD/A変換器群
(DAC)、16はアナログ加算器であり、それぞれ図
1に対応している。30はインバータであり、1ビット
入力信号を反転して出力する。31,32は抵抗器、3
3はオペアンプ(演算増幅器)である。図3の動作を説
明すると、まずオペアンプ33の非反転入力端子は接地
されており、反転入力端子は仮想接地点となっている。
また、1ビット入力信号はインバータ30、抵抗器31
を介して全てオペアンプ33の反転入力端子に接続さ
れ、さらに抵抗器32を介してオペアンプ33の出力端
子に接続されている。即ち、抵抗器31,32による電
流加算回路を構成している。いま、DAC14のDAC
−1の抵抗器31の抵抗値をR11、DAC−2の抵抗器
31の抵抗値をR12、・・・、DAC−mの抵抗器31
の抵抗値をR1mとし、DAC15のDAC−1の抵抗器
31の抵抗値をR21、DAC−2の抵抗器31の抵抗値
をR22、・・・、DAC−nの抵抗器31の抵抗値をR
2nとし、抵抗器32の抵抗値をRfとするとき、アナロ
グ出力電圧Eoは(数5)で求められる。
【0031】
【数5】
【0032】ここで、DAC14,15は全て均一な構
成であるから、抵抗器31の抵抗値もR11=R12=・・
・=R1m=R21=R22=・・・=R2nであり、オペアン
プ33の出力即ちアナログ出力は、1ビット入力信号の
うち“0”(即ちインバータ30の出力が“1”)にな
っている信号の数に比例した電圧値を出力するものとな
っている。
【0033】実際の回路ではDAC14,15の抵抗器
31を完全に均一に製造することは不可能であり、何ら
かの相対誤差が存在する。この場合は(数5)からも明
らかなように1ビット入力信号のうち“0”になってい
る信号の数だけではなく位置にも依存した電圧値が出力
される。
【0034】図1のDEC12,13の一例を図4に示
す。図4で、40はポインタであり、入力信号の累算値
の剰余を出力するものである。41はROM(読み出し
専用メモリ)であり、入力信号を下位、ポインタ40の
出力を上位とするアドレスに対応してmビットまたはn
ビットのデータを出力するものである。ここではm=6
(=p1−1)、n=4(=p2−1)とする。DEC1
2とDEC13の相違はmとnの違いによるものであっ
て、動作原理は基本的に同じであるから、ここではDE
C12についてのみ説明する。なお、DEC12は7レ
ベルの信号Y1(−3〜+3)を入力とするが、簡単の
ためここでは該信号に3を加えて(0〜6)として説明
を進める。
【0035】図4の動作を説明すると、まずポインタ4
0は図1のNS11から出力される7レベルの信号Y1
(0〜6)を累算し、6の剰余を求め出力する。従っ
て、その出力は(0〜5)の6通りとなる。次に、入力
信号を下位、ポインタ40の出力信号を上位とするアド
レスをROM41に入力し、6ビットのデータを得る。
この6ビットのデータは、1ビット信号6個を表すもの
である。この時のアドレス(10進数)とデータ(1ビ
ット信号6個)の関係を(表1)に示す。
【0036】
【表1】
【0037】(表1)を説明すると、6ビットデータは
アドレス下位即ち入力信号の数値が示すだけ“1”とな
っており、各ビットの総和が入力信号に等しくなるよう
になっている。また、アドレス下位即ちポインタ40の
出力信号の数値が示すだけ左にシフトされ、あふれた桁
は右から現れるように巡回している。(表1)のように
ROM41を定義することにより、例えば(表2)のよ
うにデータが出力される。
【0038】
【表2】
【0039】(表2)からも判るように、入力信号の数
値が示すだけの“1”が6ビットデータを巡回するよう
に出力されており、このことは入力信号の数値と6ビッ
トデータのうちの特定ビットとの相関が無いことを示し
ている。このため、6ビットデータがそれぞれ接続され
るDAC14の各1ビットD/A変換器の出力間にバラ
ツキがある場合でも、信号帯域での歪やノイズの発生を
小さくすることができる。
【0040】以上DEC12について説明したが、DE
C13についても入力Y2'が5レベル(−2〜+2)で
出力が4ビットであることによる相違を考慮すれば基本
的に同じものである。
【0041】図1のD/A変換装置で、DAC14,1
5の出力が例えば(表3)に示すような1%のバラツキ
(±1%の範囲に均等に誤差が分布する)を持つ場合の
出力信号スペクトラムをシミュレーションで求めた結果
を図5に示す。簡単のため、ここでは0〜2fsまでの信
号を示している。
【0042】
【表3】
【0043】図11にも示したように、NS11からの
出力では0〜fs/2の信号帯域では120dB以上のダイナ
ミックレンジが得られるが、図5では約103.9dBの
ダイナミックレンジとなっており、DAC14,15の
出力に1%ものバラツキが存在するにも関わらず性能劣
化は小さいことが判る。これに対してデータが巡回しな
いような出力の場合、例えばDEC12,13それぞれ
のポインタ40の出力が共に入力によらず0に固定され
ている場合の出力信号スペクトラムをシミュレーション
で求めた結果を図6に示す。図6に見られるように、図
5に比較してノイズが増加し、高調波歪が発生してお
り、またダイナミックレンジは約61dBと大きく劣化し
ていることが判る。
【0044】なお、DAC14,15からなる1ビット
D/A変換器列の各1ビットD/A変換器を出力レベル
の順に並べ、例えば(表3)のように順にDAC14,
15として割り当てるようにすれば、各DACにおける
1ビットD/A変換器群の相対誤差を等価的に小さくで
き、ノイズの発生を小さくできる。さらに、図1のNS
11が図2に示したように2段構成の場合、DAC1
4,15の並びを(表4)に示すように各1ビットD/
A変換器の出力レベルの順を互いに逆にすれば、各DA
Cにおける1ビットD/A変換器群の相対誤差によるノ
イズの位相が逆相となる確率が高くなるから、ノイズの
発生をさらに小さくできる。
【0045】
【表4】
【0046】図1のD/A変換装置で、DAC14,1
5の出力が(表4)の場合の出力信号スペクトラムをシ
ミュレーションで求めた結果を図7に示す。図7に示し
たように約104.7dBのダイナミックレンジとなって
おり、図5の場合より約1dBノイズが小さくなってい
る。
【0047】また、DAC14,15からなる1ビット
D/A変換器列の各1ビットD/A変換器を出力レベル
の順に並べ、例えば(表5)のようにDAC14を両端
部分に、DAC15を中心部分に割り当てるようにすれ
ば、各DACの平均出力レベルの差を小さくでき、NS
11の出力Y1とY2'を加算して(数2)および(数
4)におけるVq1の項を相殺することが高精度に実現で
きるため、ノイズの発生を小さくできる。この場合もN
S11が2段構成の場合にDAC14,15の各1ビッ
トD/A変換器の出力レベルの順を互いに逆にすること
で、ノイズの発生を小さくできることは同様である。
【0048】
【表5】
【0049】図1のD/A変換装置で、DAC14,1
5の出力が(表5)の場合の出力信号スペクトラムをシ
ミュレーションで求めた結果を図8に示す。図8に示し
たように約105.8dBのダイナミックレンジとなって
おり、図5の場合より約2dBノイズが小さくなってい
る。
【0050】また、各DACにおける1ビットD/A変
換器を、1ビットD/A変換器群の平均出力レベルとの
誤差の極性がなるべく相反し、かつ、その誤差のレベル
が近いような順に並べれば、例えば偶数値を出力する場
合の出力誤差が小さくなるからノイズの発生を小さくで
きる。これを実現するには、まず1ビットD/A変換器
群の1ビットD/A変換器を出力レベルの順に並べ、次
に両端から数えて偶数番目の1ビットD/A変換器同志
を交換して行けばよい。例えば(表4)のDAC14お
よびDAC15の並びをそれぞれ変更すれば(表6)の
ようになる。
【0051】
【表6】
【0052】図1のD/A変換装置で、DAC14,1
5の出力が(表6)の場合の出力信号スペクトラムをシ
ミュレーションで求めた結果を図9に示す。図9に示し
たように約105.4dBのダイナミックレンジとなって
おり、図5の場合より約2dBノイズが小さくなってい
る。また、図5〜図8に比較して、この場合は1.0fs
付近までノイズ特性が比較的平坦であり、従って信号帯
域をより広く使用する用途にも適している。
【0053】また、ここでは図4のポインタ40の動作
を図1のNS11から出力される信号を累算し剰余を求
め出力するものとしたが、本発明の他の実施例として、
DEC12のポインタ40の動作をNS11の出力によ
らず(0〜6)の信号を順に繰り返し出力するものと
し、DEC13のポインタ40の動作も同様に(0〜
4)の信号を順に繰り返し出力するものとしてもよい。
この場合の出力信号スペクトラムをシミュレーションで
求めた結果を図10に示す。図10に見られるように、
図5に比較してノイズの増加はあるものの、図6の場合
では発生していた高調波歪が見られなくなっており、ま
た図6に比較してダイナミックレンジも約79dBと大き
く改善されている。特にこの方式ではポインタ40の動
作が所定数を繰り返し出力するだけでよく、累算と剰余
の演算が不要なためポインタ40の回路規模を小さくで
きる。
【0054】以上説明したようにD/A変換装置を構成
するものである。ここではNS11に(数1)および図
2で表されるものを用いたが、多段量子化型のノイズシ
ェーパとして機能するものであれば異なる次数、特性で
あってもよいことは勿論である。また、図4に示したD
EC12,13の構成や(表1)のROMデータ等は説
明のための一例であり、勿論これに限ったものではな
い。さらに、NS11のp1通りの出力Y1に対してDE
C12の出力ビット数m(即ちDAC14の個数m)を
(p1−1)として説明したが、これらは何れも最少の
場合であるから回路構成等の都合によって、mはこれ以
上の数であっても良い。NS11のp2通りの出力Y2'
に対するDEC13の出力ビット数nについても同様で
ある。
【0055】
【発明の効果】以上述べたように本発明のD/A変換装
置は、D/A変換時のサンプリング周波数がノイズシェ
ーパのディジタル出力のサンプリング周波数と同じでよ
く、PWMに比較して遥かに低いクロックでの動作が可
能であるという優れた特長を有するものである。
【0056】また、デコーダがノイズシェーパの出力を
複数個の1ビットD/A変換器に巡回するように割り当
てるようにしたため、ノイズシェーパの出力値と特定の
1ビットD/A変換器との相関が無く、各1ビットD/
A変換器間の出力にバラツキがある場合でも、信号帯域
での歪やノイズの発生を小さくすることができるという
優れた特長を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるD/A変換装置の一実施例を表す
ブロック図
【図2】図1のノイズシェーパ11の一例を表す回路図
【図3】図1のD/A変換回路17の一例を表す回路図
【図4】図1のデコーダ12,13の一例を表すブロッ
ク図
【図5】コンピュータ・シミュレーションで求めた、
(表3)に基づく図1のD/A変換装置の出力信号スペ
クトラム
【図6】図1のD/A変換装置で、ポインタ40の出力
が入力によらず0に固定されている場合の出力信号スペ
クトラム
【図7】(表4)に基づく図1のD/A変換装置の出力
信号スペクトラム
【図8】(表5)に基づく図1のD/A変換装置の出力
信号スペクトラム
【図9】(表6)に基づく図1のD/A変換装置の出力
信号スペクトラム
【図10】図1のD/A変換装置で、ポインタ40の動
作をNS11の出力によらず所定数を順に繰り返し出力
するものとした場合の出力信号スペクトラム
【図11】従来のD/A変換装置の一例を示すブロック
【図12】図11のノイズシェーパ1の一例を表す回路
【図13】コンピュータ・シミュレーションで求めた、
図11のD/A変換装置の出力信号スペクトラム
【符号の説明】
10 ディジタルフィルタ(DF) 11 ノイズシェーパ(NS) 12 第1のデコーダ(DEC12) 13 第2のデコーダ(DEC13) 14 第1の1ビットD/A変換器群(DAC14) 15 第2の1ビットD/A変換器群(DAC15) 16 アナログ加算器 17 D/A変換回路 20 1次ΔΣ変調器 21 2次ΔΣ変調器 22 微分器 30 インバータ 31,32 抵抗器 33 オペアンプ(演算増幅器) 40 ポインタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畠中 秀晃 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 福本 富彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−335963(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 3/02

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力されたディジタル信号のサンプリン
    グ周波数をk倍(k≧2)にするディジタルフィルタ
    と、 前記ディジタルフィルタの出力を入力とし語長制限とと
    もにノイズの周波数特性を所定の特性に変化させる多段
    量子化型のノイズシェーパと、 前記ノイズシェーパの各段の出力を各々入力とし、その
    入力の値に対応した1ビット信号列に変換する複数個の
    デコーダと、 前記デコーダの各出力をアナログ信号に変換する1ビッ
    トD/A変換器列と、 前記1ビットD/A変換器列の出力を総合するアナログ
    加算器とを備え、 前記デコーダの出力を、前記ノイズシェーパの出力の値
    に応じた数の1ビット信号が巡回するような出力とした
    D/A変換装置。
  2. 【請求項2】 デコーダの出力を、ノイズシェーパから
    出力されるp通り(pは整数)の値を持つ信号に対応し
    て少なくとも(p−1)個の1ビット信号列を出力する
    ようにし、その1ビット信号列の割り当て開始位置が1
    サンプルデータ前の1ビット信号列の最終割り当て位置
    の次の位置になるように巡回して割り当てられるように
    した請求項1記載のD/A変換装置。
  3. 【請求項3】 デコーダの出力を、ノイズシェーパから
    出力されるp通り(pは整数)の値を持つ信号に対応し
    て少なくとも(p−1)個の1ビット信号列を出力する
    ようにし、その1ビット信号列の割り当て開始位置が1
    サンプルデータごとに所定数だけ巡回するようにした請
    求項1記載のD/A変換装置。
  4. 【請求項4】 デコーダから出力される連続した1ビッ
    ト信号列に対し、対応する1ビットD/A変換器群が、
    その1ビットD/A変換器群の平均出力レベルとの誤差
    の極性が相反し、かつ、その誤差のレベルが近いような
    1ビットD/A変換器が隣合うような並びに割り当てら
    れるようにした請求項1記載のD/A変換装置。
  5. 【請求項5】 デコーダの各出力に対応する、1ビット
    D/A変換器列におけるm個の1ビットD/A変換器群
    を出力レベルの順に、 DAC-1,DAC-2,DAC-3,DAC-4,・・・,DAC-(m-3),DAC-(m-2),DA
    C-(m-1),DAC-m とし(mは1ビットD/A変換器群における1ビットD
    /A変換器の数)、前記デコーダから出力される連続し
    た1ビット信号列に対して前記1ビットD/A変換器群
    が、 DAC-1,DAC-(m-1),DAC-3,DAC-(m-3),・・・,DAC-4,DAC-(m-
    2),DAC-2,DAC-m という並びに割り当てられるようにした請求項1記載の
    D/A変換装置。
  6. 【請求項6】 デコーダの各出力に対応する、1ビット
    D/A変換器列における各1ビットD/A変換器群を、
    その1ビットD/A変換器列の出力レベルの順に割り当
    てるようにした請求項1記載のD/A変換装置。
  7. 【請求項7】 デコーダの各出力に対応する、1ビット
    D/A変換器列における各1ビットD/A変換器群の割
    り当てを、ノイズシェーパの各段の出力順に対応する前
    記デコーダの各出力が、前記1ビットD/A変換器の出
    力レベルの順に対して中央に近い方から順に割り当てた
    請求項1記載のD/A変換装置。
  8. 【請求項8】 第1,第2の量子化ステップによる2段
    構成としたノイズシェーパの出力を各々入力とし、その
    入力を対応する1ビット信号列に変換する第1,第2の
    デコーダを備え、 前記デコーダの各出力に対応する、前記1ビットD/A
    変換器列における第1,第2の1ビットD/A変換器群
    を、前記1ビットD/A変換器列における1ビットD/
    A変換器の出力レベルの順に割り当てるようにし、 前記第1の1ビットD/A変換器群を出力レベル順の並
    びとし、 前記第2の1ビットD/A変換器群を出力レベル逆順の
    並びとした請求項1記載のD/A変換装置。
  9. 【請求項9】 第1,第2の量子化ステップによる2段
    構成としたノイズシェーパの出力を各々入力とし、その
    入力を対応する1ビット信号列に変換する第1,第2の
    デコーダを備え、 前記デコーダの各出力に対応する、前記1ビットD/A
    変換器列における第1,第2の1ビットD/A変換器群
    を、前記1ビットD/A変換器列における1ビットD/
    A変換器の出力レベルの順に対して第1の1ビットD/
    A変換器群には両端部分を割り当て、第2の1ビットD
    /A変換器群には残る中央部分を割り当てるようにし、 前記第1の1ビットD/A変換器群を出力レベル順の並
    びとし、 前記第2の1ビットD/A変換器群を出力レベル逆順の
    並びとした請求項1記載のD/A変換装置。
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