JP3146923U - 焚き火用野草保護用具、およびそれを利用した野外用カマドセット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】底板20外面22を接地が安定する形状とした直径または一辺寸法30ないし100cmで、その外周縁の全周に渡って高さ2ないし10cmの周壁24を連続的に一体形成し、火床用堆積物3受けとしての強度を確保でき、且つ携行可能な重量となるよう規制した金属製皿状の火床用殻枠体2と、該火床用殻枠体2底板20内面上に密に堆積可能で、耐熱性および断熱性を有する粒状体、粉状体、またはそれらの混合体の何れか一つからなる火床用堆積物3とを組み合わせてなるものとした焚き火用野草保護用具1である。
【選択図】図1
Description
山形県内およびその隣県地域では、秋になると家族連れや友人同士、地域や学校、職場内などの親睦を深める行事として、河川敷などの野外で小グループ毎に分かれて牛肉、里芋、ゴボウ、人参、豆腐などの材料(材料は地域によって異なる)を煮込んだ鍋を囲んで野外パーティーをする、所謂芋煮会が盛んに行われており、この芋煮会は、キャンプ場の炊事施設やバーベキュー施設などを利用したり、テント内でバーナーを用いて煮炊きしたりするような場合とは異なり、屋外という不便な場所で普段あまり料理をしていない男性や子供達などが、和気藹々に集い合って多少の失敗をしながらも調理する過程までをも楽しんで普段からの友好を深めるという地方の一風物詩となっており、一般にカマドなどの調理施設が全く無い、自然のままの渓谷や河川敷、草原などを会場とすることが多く、周辺の大きな石を集めて適当に組み合わせて造ったカマドに大きな鍋を載せ、薪を燃やして加熱調理するのが一般的であり、したがって、宴会が終わった後には、十分に消火してからカマドを崩して清掃することになるものの、地面や石には焼け焦げた痕が残ってしまうことになって、特に宴会には打ってつけの草原などを選ぶと、焚き火の痕が草原の景観を損ねてしまうという厄介な問題があった。
こうした状況を憂慮し、例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、円板状の底板の周囲に、その周方向に沿って互いに重なりを持って配列した複数枚の可動片を配設し、且つ各可動片下端部が、底板の周縁部にヒンジ結合されたものとしてなり、使用するときには、複数枚の可動片を外側へ倒し広げ、また、持ち運ぶときには、複数枚の可動片を内側へ畳み込み、小型化できるようにしてなる携帯用の火床や、同特許文献1(2)に見られるような、炉は燃料を載置する炉内壁と炉外壁の二重構造とし、炉内壁および炉内部底板の全面に小孔を形成し、該炉内部底板中央に着火皿を設け、炉外壁の炉外壁側面および炉外壁底面には通気口が設けられており、この炉外壁には炉を支持し、本体の設置面と炉外壁底面との間に間隔を設ける4本の脚が対角線状に固定されていて煙突側面に小孔が形成されると共に、等間隔となる3ヶ所には五徳受けが設けられて炉に載置されたものとし、防風機能と、燃料の完全燃焼に必要な吸・排気機能の確保と、格納時の小型化とを可能とした野外用の料理または焚き火用の道具などが散見されなくもない。
上述したとおり、従前までに提案のある各種の野外用の火床などは、携帯性に優れているものの、焚き火専用のものであってカマドとの組み合わせが不可欠な芋煮会への利用には不向きなものであり、また、従前までに提案のある野外用の料理または焚き火用の道具などは、防風性能や通気性能などの確保を目的とした構造が複雑化してしまい、部品点数の増加や各部品およびその組み合わせの複雑化などにより、価格の高騰や耐久性の悪化などが懸念されるものであり、構造がシンプルで耐久性に秀れ、しかも低廉にて提供することができる野外用の火床やカマド技術については未だ存在しないという状況にある。
そこで、この考案は、年に1度ないし数度程度の利用であっても経済的に購入、利用することができ、構造がシンプルで運搬性、設置性、耐久性に秀れ、しかも野草上に設置しても枯らすことなく撤去、清掃できる新たな野外用の火床技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の焚き火用野草保護用具、およびそれを利用した新規な構造の野外用カマドセットを実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの考案を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
図面に示すこの考案を代表する実施例からも明確に理解されるように、この考案の焚き火用野草保護用具は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、底板外面を接地が安定する形状とした直径または一辺寸法30ないし100cmで、その外周縁の全周に渡って高さ2ないし10cmの周壁を連続的に一体形成し、後述の火床用堆積物受けとしての強度を確保でき、且つ携行可能な重量となるよう規制した金属製皿状の火床用殻枠体と、該火床用殻枠体底板内面上に密に堆積可能で、耐熱性および断熱性を有する粒状体、粉状体、またはそれらの混合体の何れか一つからなる火床用堆積物とを組み合わせてなるものとした構成を要旨とする焚き火用野草保護用具である。
上記した焚き火用野草保護用具に関連し、この考案には、それを利用した野外用カマドセットも包含している。
即ち、この考案の基本をなす前記何れか記載の焚き火用野草保護用具に、火床用殻枠体の直径より小さな鉛直姿勢の筒型体であって、同筒型体の天面中央に鍋の底がわを装置可能な開口寸法、形状に設定した鍋受け口を開口すると共に、搭載対象の鍋を火床用殻枠体上の所定高さ位置に保持可能とする高さに設定し、同筒型体の下端寄り周壁の適所に焚き口を形成した上、該焚き口には扉部を開閉自在に装着したカマド体を組み合わせてなるものとした構成からなる野外用カマドセットである。
焚き火用野草保護用具の火床用殻枠体は、運搬が容易で地上に安定的に設置可能であり、適量の火床用堆積物用の受け皿となって盛り付けるよう堆積可能とすると共に、焚き火やカマドの火床を形成可能とする機能を果たし、該適量の火床用堆積物の重量にも変形することのない十分な強度と耐熱性とを有するものとしなければならず、運搬性を損ねることなく、しかも焚き火面積を十分に確保するには、直径30ないし100cmとし、火床用堆積物が周囲に溢れ出さぬよう、外周縁の全周に渡り、焚き火の作業性を阻害しない程度の高さ2ないし10cmの周壁を連続形成してなるものとすべきであり、耐久強度や耐熱性および運搬容易性などを考慮すると金属製、浅型の皿状に形成されたものとするのが望ましく、設置状体が安定するよう底板外面の全面を平面状に形成したものとすることが可能である外、底板外面中央が上方に僅かに膨らむ凹面状をなし、同底板外面の外周がわが安定接地可能な平面形状に形成されてなるものとすることが可能であって、その平面形状が円形、矩形などの外、楕円形や五角形以上の多角形などに設定されたものとし、底板に補強用の凹凸形状を形成したものや、あるいは、後述する実施例に示すように、該周壁の外周面壁適所に、1個または複数個の運搬用のハンドルを設けたものなどとすることができる。
そして、該野外用カマドセット5には、図4中に示すように、適量の薪43を追加して組み合わせたものとすることができる。
図1または図2中に示した、この考案の焚き火用野草保護用具1は、それらに加えて鍋8や、図示しない飲料水や消火用水、鍋用の食材などの外、必要に応じ、着火用の新聞紙や固形燃料などを加えて、図1のものの場合には、適量の薪43を芋煮会の会場となる河川敷の草原などに運搬し、図5中に示すように、安全に調理可能な野外カマド7の接地箇所を選び、当該火床用殻枠体2をできるだけ水平な地上面の野草上適所に平置き状とした後、河砂30の袋を破いて同火床用殻枠体2内面21上の中央に厚く堆積し、同火床用殻枠体2内面21上の外周付近には適度に堆積するよう手盛りした上、河原で選んだ複数個の自然石65,65,……で野外カマド7を形成するよう組み合わせてから、火床用殻枠体2内面21中央の河砂30上であって、しかも該野外カマド7内となる位置で、新聞紙や固形燃料などを用いて薪43に着火し、鍋8を該野外カマド7上に安定するよう装置して加熱調理する。
図3または図4に示したこの考案の野外用カマドセット5は、それらに加えて鍋8、図示しない飲料水、消火用水、着火用の新聞紙や固形燃料、鍋用の食材などの外、図3のセットの場合には、適量の薪43を加えて、芋煮会会場となる河川敷の草原などに運搬し、図6中に示すように、野外カマド7の設置に適した、できるだけ平坦な場所を選び、当該火床用殻枠体2を地上面の野草上に平置きし、河砂30の袋を破いて同火床用殻枠体2内面21上の中央に厚く堆積し、同火床用殻枠体2内面21上の外周付近には適度に堆積するよう手盛りした上、該火床用殻枠体2内面21上の河砂30上に、カマド体6を鉛直姿勢に載置し、同カマド体6筒型体60の内がわに、中央に厚く堆積させた河砂30の箇所が位置するように設置した後、同カマド体6の焚き口63を通じて、該火床用殻枠体2内面21中央の河砂30上であって、カマド体6筒型体60の内がわとなる位置に、薪43を投入して新聞紙や固形燃料などを用いて着火し、鍋8を該カマド体6鍋受け口62に嵌合状に装置し、風向きや火加減などに応じて扉部64の開閉度を調節しながら加熱調理する。
以上のような構成からなる実施例1の焚き火用野草保護用具1は、前記この考案の効果の項で記載の特徴に加え、火床用殻枠体2が、厚さ3mmのアルミニウム板からなるものとして、鋼板やステンレス板などの他の金属類を利用したものより一段と軽量化して運搬性を高めると共に、高い熱伝導率によって放熱性を確保し、地面や野草などへの加熱を一層低減できるものとなり、さらに、図2中に示した火床用殻枠体2は、直径が大型化されたものの場合であっても、ハンドル26を把持して簡単且つ安全に持ち運ぶことができるものとなる。
以上のような構成からなる実施例2の野外用カマドセット5は、カマド体の6筒型体60が、周囲の風雨から焚き火を保護するものとなり、鍋受け口62に嵌合状に装置した鍋8を安定して保持可能とする上、焚き口63に上下にスライド自在に装着されている扉部64を上下動し、焚き口63の開口寸法を調節しながら火加減を調節することができるようになり、野外における安全で効率的な煮炊き作業を実現化できる上、火床用殻枠体2とカマド体6とを個別に運搬することができ、河砂30を河原などに捨ててしまえば、自然環境に悪影響を与えずに、大幅に軽量化して身軽に帰宅することができるという効果を奏するものとなる。
叙述の如く、この考案の焚き火用野草保護用具、およびそれを利用した野外用カマドセットは、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの携帯用の火床などに比較して大幅に耐火性、断熱性を高め、構造がシンプルで大型化、軽量化且つ低廉化して遥かに経済的なものとすることができる上、設置作業性を大幅に改善し得るものとなることから、従前までの芋煮会などでは、自然豊かで景観の美しい渓谷や草原などであるにも拘わらず、地面の焼け痕や燃え残りの薪などをそのまま放置してしまったり、草原の至る所に石を組んでカマドを造り、野草を焼き枯らしてしまっていた人々にも、新たな自然環境保護の手段を与えることができるものとなり、いつ訪れても美しい風景が維持されていることを望む観光客や地元住民はもとより、毎年芋煮会が行われる土地の管理者や管理団体、およびアウトドア用品やレジャー用品などを取り扱うホームセンターやスポーツ用品業界などにおいても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
2 火床用殻枠体
20 同 底板
21 同 内面
22 同 外面
23 同 凹面部
24 同 周壁
25 同 補強リブ
26 同 ハンドル
3 火床用堆積物
30 同 河砂(粒状体)
4 付属品
40 同 軍手
41 同 火ばさみ
42 同 使い捨てライター(マッチ)
43 同 薪
5 野外用カマドセット
6 カマド体
60 同 筒型体
61 同 天板(天面)
62 同 鍋受け口
63 同 焚き口
64 同 扉部
65 同 自然石
7 野外カマド
8 鍋
80 同 底
Claims (5)
- 底板外面を接地が安定する形状とした直径または一辺寸法30ないし100cmで、その外周縁の全周に渡って高さ2ないし10cmの周壁を連続的に一体形成し、後述の火床用堆積物受けとしての強度を確保でき、且つ携行可能な重量となるよう規制した金属製皿状の火床用殻枠体と、該火床用殻枠体底板内面上に密に堆積可能で、耐熱性および断熱性を有する粒状体、粉状体、またはそれらの混合体の何れか一つからなる火床用堆積物とを組み合わせてなるものとしたことを特徴とする焚き火用野草保護用具。
- 底板外面の全面を安定接地可能な平面状に形成するか、または、底板外面中央が上方に僅かに膨らむ凹面状をなし、同底板外面の外周がわが安定接地可能な平面形状に形成するかの何れか一方とした直径30ないし100cmで、その外周縁の全周に渡って高さ2ないし10cmの周壁を連続的に一体形成し、後述の火床用堆積物受けとしての強度を確保でき、且つ携行可能な重量となるよう規制した金属製皿状の火床用殻枠体と、該火床用殻枠体の底板内面に薪や火の粉などが直接接触しないよう、同底板内面上に密に堆積可能で、耐熱性および断熱性を有する粒状体か、粉状体か、またはそれらの混合体かの何れか一つからなる火床用堆積物適量とを組み合わせてなるものとしたことを特徴とする焚き火用野草保護用具。
- 底板外面の全面を安定接地可能な平面状に形成した直径30ないし100cmで、その外周縁の全周に渡って高さ2ないし10cmの周壁を連続的に一体形成し、後述の火床用堆積物受けとしての強度を確保でき、且つ携行可能な重量となるよう規制した金属製皿状の火床用殻枠体、および、該火床用殻枠体の底板内面に薪や火の粉などが直接接触しないよう、同底板内面上に密に堆積可能で、耐熱性および断熱性を有する粒状体、粉状体、またはそれらの混合体の何れか一方からなる火床用堆積物の適量、ならびに、軍手、火ばさみ、適量の薪、使い捨てライターを組み合わせてなるものとしたことを特徴とする焚き火用野草保護用具。
- 火床用堆積物は、洗浄処理済みの砂適量を袋詰めしてなるものとした、請求項1ないし3何れか一項記載の焚き火用野草保護用具。
- 請求項1ないし4何れか一項記載の焚き火用野草保護用具に、平面形において火床用殻枠体よりも小さな筒型体であって、同筒型体の天面中央に鍋の底がわを装着可能な開口寸法、形状とした鍋受け口を有すると共に、装着対象の鍋を火床用殻枠体上の所定高さ位置に保持可能とする高さの周壁、および該周壁の下端寄り適所に設けた焚き口を備えてなるカマド体を組み合わせてなるものとしたことを特徴とする野外用カマドセット。
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