JP3146558U - 遮音性能測定装置 - Google Patents

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【課題】被測定対象部材の遮音性能を簡易に測定できる遮音性能測定装置を提供する。
【解決手段】側面と天井及び床の6面が外部と内部の間の音の伝達を阻止する遮音壁で形成された筐体1の前面に形成された開口2があり、遮音性能の被測定対象部材11が着脱自在にセットされる。被測定対象部材11を支持するための奥行きの有る四角枠状の支持体3は、開口2の右端に回動自在に軸支されている。支持体3の背面側は四角形の係止部5が形成されており、係止部5の前面には遮音シール材が貼り付けられている。支持体3の内、回動軸側とは反対側の側面には被測定対象部材11を支持体3の内部に出し入れ可能な開閉扉7が設けられている。筐体1の開口2には、支持体3を閉じたときに支持体3の背面の周縁部の係止部5が密接する段部9が形成されており、この段部9に遮音シール材10が貼り付けられている。
【選択図】図1

Description

本考案は遮音性能測定装置に係り、とくに建築用防音壁材等の被測定対象部材の遮音性能を簡易に測定できる遮音性能測定装置に関する。
例えば建築用壁材の遮音性能は、特開平6−101290号公報(特許文献1)の図3に示される如く主にJIS A 1416規格の残響室法による音響透過損失値で評価されているが、測定に当たっては、コンクリート側壁と天井スラブ及び床スラブで囲まれた直方体の室を、面積10m2の開口部を持つ堺壁にて各々100m3以上の容積を持つ音源室と受音室に別けた大掛かりな設備を必要とし、また、被測定対象部材を開口部に設置するのに手間が掛かる不便があった。
特開平6−101290号公報の図3
本考案は上記した従来技術の問題に鑑み、簡便に被測定対象部材の遮音性能を簡易に測定できる遮音性能測定装置を提供することを、その目的とする。
本考案の1つでは、遮音壁を有し、内と外または外と内に音響発生用のスピーカと音響測定用のマイクが配設される箱形の筐体と、筐体の前面に形成された開口と、開口の端部近くに回動自在に軸支されて開口に対し開閉可能に形成されるとともに、遮音性能の被測定対象部材を着脱自在に嵌め込み可能な枠状の支持体と、を備えたこと、を特徴としている。
また、本考案の他の1つでは、支持体の背面周縁部に、被測定対象部材の背面周縁部を係止する係止部を設けるとももに、筐体の開口に支持体の係止部が当接する段部を設けたこと、を特徴としている。
また、本考案の更に他の1つでは、支持体の側面に、被測定対象部材を支持体内に出し入れ可能な開閉扉を設けたこと、を特徴としている。
また、本考案の他の1つでは、支持体の係止部の内、被測定対象部材の背面周縁部が当接する個所に遮音シール材を設けたこと、を特徴としている。
また、本考案の他の1つでは、段部の内、支持体の係止部が当接する個所に遮音シール材を設けたこと、を特徴としている。
本考案によれば、箱形の筐体の内と外または外と内を音源空間と受音空間とするので、測定に大掛かりな設備を要しない。また、測定に要する場所も1つの室で済み、装置の移動も可能である。そして、支持体を回動させて筐体の開口から開き、被測定対象部材を支持体に嵌め込んだのち、支持体を回動させて開口を閉じるだけの簡単な作業で被測定対象部材を筐体に設置できるので、被測定対象部材の設置に手間と時間が掛からず、交換も容易に行なえる。
また、支持体の背面周縁部に、被測定対象部材の背面周縁部を係止する係止部を設けるとももに、筐体の開口に支持体の係止部が当接する段部を設けたり、更に、段部の内、支持体の係止部が当接する個所に遮音シール材を設けたことにより、測定時に、支持体と開口の隙間からの音洩れを防止することができる。
また、支持体の側面に、被測定対象部材を支持体内に出し入れ可能な開閉扉を設けたことにより、支持体の前面を通しての被測定対象部材の出し入れが難しい場合に、側面から出し入れすることで、作業能率を向上することができる。
また、支持体の係止部の内、被測定対象部材の背面周縁部が当接する個所に遮音シール材を設けることにより、測定時に、支持体と被測定対象部材の隙間からの音洩れを防止することができる。
次に本考案を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は本考案の一つの実施例に係る遮音性能測定装置の外観斜視図、図2は正面図、図3は左側面図である。
図1乃至図3の内、1は側面と天井及び床の6面が外部と内部の間の音の伝達を阻止する遮音壁(例えば、硬質木材壁の内側に吸音用のグラスウールを貼り付けた構造とすれば良い)で形成された箱形の筐体であり、底面に移動用のキャスター(図示せず)が取り付けられている。2は筐体1の前面に形成された正方形の開口であり、遮音性能の被測定対象部材11が着脱自在にセットされる。3は被測定対象部材11を支持するための奥行きの有る四角枠状の支持体であり、遮音性の高い例えば硬質木材により形成されている。支持体3は開口2の右端の筐体1に軸4により回動自在に軸支されており、開口2に対し開閉可能になっている。支持体3は閉じたときに奥行き方向の略後ろ半分が開口2の中に丁度入り込む大きさに形成されている。支持体3の背面側は周縁部が内側に断面L字状に折り曲げられて四角形の係止部5が形成されており、係止部5の前面(被測定対象部材の周縁部が当接する個所)にはゴム製で断面が楕円状の遮音シール材6が貼り付けられている。支持体3の内、回動軸側とは反対側の側面には被測定対象部材を支持体3の内部に出し入れ可能な縦長の開閉扉7が設けられている。開閉扉7は軸8により支持体3に軸支されている。筐体1の開口2には、支持体3を閉じたときに支持体3の背面の周縁部の係止部5が当接して密接する段部9が形成されており、この段部9の前面にゴム製で断面が楕円状の遮音シール材10が貼り付けられている。
次に、上記した遮音性能測定装置の使用方法を図4、図5を参照して説明する。図4、図5は遮音性能測定装置の使用方法を説明するための断面図である。なお、予め、支持体3の内側に丁度嵌め込むことのできる大きさの被測定対象部材11を用意しておく。
筐体1の中に開口2の中心に向かってマイク付騒音記録計12を配置する。
まず、図4に示す如く支持体3に何も嵌め込まない状態で開口2に対し支持体3を閉じ(開閉扉7は閉じておく)、段部9に支持体3の背面側の周縁部の係止部5を防音シール材10を介して当接することで密接させる。
そして、支持体3の中心線上で前方所定距離に騒音発生用のスピーカ13を配設し、所定の音量で騒音音響(例えば可聴域のバンドノイズ)を発生させ、筐体1の中のマイク付騒音記録計12にて、騒音の音圧レベルAを記録する。
次に、支持体3を開いて、支持体3の前面から支持体3の中に被測定対象部材11を嵌め込み(図1の矢印X参照)、被測定対象部材11の背面の周縁部を係止部5に防音シール材9を介して当接することで密接させる。支持体3の前面からの嵌め込みが難しい場合は、開閉扉7を開き、側面から被測定対象部材11を支持体3の中に入れ(図1の矢印Y参照)、被測定対象部材11の背面の周縁部を係止部5に防音シール材9を介して密接させ、開閉扉7を閉じればよい。
次に、図5に示す如く支持体3を回動させて開口2に対し閉じ、段部9に支持体3の背面側の周縁部の係止部5を防音シール材10を介して当接することで密接させる。
そして、騒音発生用のスピーカ13から前記と同じ位置及び音量で騒音音響を発生させ、筐体1の中のマイク付騒音記録計12にて、騒音の音圧レベルBを記録する。
AとBの差から被測定対象部材10の凡その遮音性能を知ることが出来る。
他の被測定対象部材11に交換したい場合、支持体3を開口2から開き、被測定対象部材11を支持体3の前面から外すか、開閉扉7を開けて側面から外し、他の被測定対象部材11を嵌め込めば良い。
なお、筐体1の中に騒音発生用のスピーカ13を配設し、筐体1の外側にマイク付騒音記録計12を配設しても良い。
また、筐体1の背面または側面に、筐体1の中にスピーカ13やマイク付騒音記録計12の設置作業を行なうための開閉扉を設けても良い。
この実施例によれば、箱形の筐体1の内と外または外と内を音源空間と受音空間とするので、測定に大掛かりな設備を要しない。また、測定に要する場所も1つの室で済み、装置の移動も可能である。そして、支持体3を回動させて筐体1の開口2から開き、被測定対象部材11を支持体3に嵌め込んだのち、支持体3を回動させて開口2を閉じるだけの簡単な作業で被測定対象部材11を筐体1に設置できるので、被測定対象部材11の設置に手間と時間が掛からず、交換も容易に行なえる。
また、支持体3の背面周縁部に、被測定対象部材11の背面周縁部を係止する係止部5を設けるとももに、筐体1の開口2に支持体3の係止部5が当接する段部9を設けたり、更に、段部9の内、支持体3の係止部5が当接する個所に遮音シール材10を設けたことにより、測定時に、支持体3と開口2の隙間からの音洩れを防止することができる。
また、支持体3の側面に、被測定対象部材11を支持体3の中に出し入れ可能な開閉扉7を設けたことにより、支持体3の前面を通しての被測定対象部材11の出し入れが難しい場合に、側面から出し入れすることで、作業能率を向上することができる。
また、支持体3の係止部5の内、被測定対象部材11の背面周縁部が当接する個所に遮音シール材6を設けることにより、測定時に、支持体3と被測定対象部材11の隙間からの音洩れを防止することができる。
なお、筐体1の内面には、筐体1の内壁と隙間を開けて全面に音響反射材としてのプラスターボードを設けても良い。
本考案は、建築用壁材は勿論のこと、建築用窓、建築用扉、遮音カーテン、遮音ボードなど種々の部材を対象とした遮音性能の測定に利用できる。
本考案の一つの実施例に係る遮音性能測定装置の外観斜視図である(実施例1)。 遮音性能測定装置の正面図である。 遮音性能測定装置の側面図である。 遮音性能測定装置の断面図を含む遮音性能測定方法の説明図である。 遮音性能測定方法の説明図である。
符号の説明
1 筐体
2 開口
3 支持体
4、8 軸
5 係止部
6、10 遮音シール材
7 開閉扉
9 段部
11 被測定対象部材
12 マイク付騒音記録計
13 スピーカ

Claims (5)

  1. 遮音壁を有し、内と外または外と内に音響発生用のスピーカと音響測定用のマイクが配設される箱形の筐体と、
    筐体の前面に形成された開口と、
    開口の端部近くに回動自在に軸支されて開口に対し開閉可能に形成されるとともに、遮音性能の被測定対象部材を着脱自在に嵌め込み可能な枠状の支持体と、
    を備えたこと、
    を特徴とする遮音性能測定装置。
  2. 支持体の背面周縁部に、被測定対象部材の背面周縁部を係止する係止部を設けるとももに、
    筐体の開口に支持体の係止部が当接する段部を設けたこと、
    を特徴とする請求項1記載の遮音性能測定装置。
  3. 支持体の側面に、被測定対象部材を支持体内に出し入れ可能な開閉扉を設けたこと、
    を特徴とする請求項1記載の遮音性能測定装置。
  4. 支持体の係止部の内、被測定対象部材の背面周縁部が当接する個所に遮音シール材を設けたこと、
    を特徴とする請求項2記載の遮音性能測定装置。
  5. 段部の内、支持体の係止部が当接する個所に遮音シール材を設けたこと、
    に防音シール材を設けたこと、
    を特徴とする請求項2記載の遮音性能測定装置。
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