JP3146421B2 - 磁性線パルサ用材料 - Google Patents
磁性線パルサ用材料Info
- Publication number
- JP3146421B2 JP3146421B2 JP16994090A JP16994090A JP3146421B2 JP 3146421 B2 JP3146421 B2 JP 3146421B2 JP 16994090 A JP16994090 A JP 16994090A JP 16994090 A JP16994090 A JP 16994090A JP 3146421 B2 JP3146421 B2 JP 3146421B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wire
- materials
- pulse
- alloy
- present
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Soft Magnetic Materials (AREA)
- Hard Magnetic Materials (AREA)
Description
【0001】
本発明は大バルクハウゼン効果を利用して磁気を検出
し、交流磁界を印加して逆ヴィガンド効果によりパルス
を発生させるパルサあるいはセンサとして用いる磁性材
料に関するものである。
し、交流磁界を印加して逆ヴィガンド効果によりパルス
を発生させるパルサあるいはセンサとして用いる磁性材
料に関するものである。
【0002】
従来、この種の材料としては、米国エクソン社が1971
年に発明したFe−Ni合金(ヴィーガントワイヤ)あるい
は、1977年に発明された磁性線パルサにはFe−Co−V合
金が用いられた。
年に発明したFe−Ni合金(ヴィーガントワイヤ)あるい
は、1977年に発明された磁性線パルサにはFe−Co−V合
金が用いられた。
【0003】 これらの材料はいずれも線材にひねりを加えることに
より、バルクハウゼン効果が発生し外部の磁気を感知す
ると磁化が反転し検出コイルにパルス電圧が発生して電
流が流れる仕組みとなっていた。
より、バルクハウゼン効果が発生し外部の磁気を感知す
ると磁化が反転し検出コイルにパルス電圧が発生して電
流が流れる仕組みとなっていた。
【0004】
しかし、これらの材料はいずれもひねりが開放される
と大バルクハウゼン効果が減少あるいは消滅し、センサ
ーあるいはパルサーとしての機能をなくすため、この原
理が発明されて以来20年近くを経過しているにもかかわ
らず、いまだに実用化に至っていない。
と大バルクハウゼン効果が減少あるいは消滅し、センサ
ーあるいはパルサーとしての機能をなくすため、この原
理が発明されて以来20年近くを経過しているにもかかわ
らず、いまだに実用化に至っていない。
【0005】 そこで、本発明の技術的課題は、ひねりが開放されて
も大バルクハウゼン効果が消滅せず、かつ、大きなパル
スを安定して発生させ得る材料を提供するものである。
も大バルクハウゼン効果が消滅せず、かつ、大きなパル
スを安定して発生させ得る材料を提供するものである。
【0006】
本発明によれば、逆ヴィガンド効果によりパルスを発
生させる素子に用いる材料であって、Fe−Ni(Ni:5〜25
wt%)を合金に、X(1〜5wt%)(ただし、Xは、A
l、Moの内、少なくとも1種類)を添加することによ
り、塑性加工を容易としたことを特徴とする磁性線パル
サ用材料が得られる。
生させる素子に用いる材料であって、Fe−Ni(Ni:5〜25
wt%)を合金に、X(1〜5wt%)(ただし、Xは、A
l、Moの内、少なくとも1種類)を添加することによ
り、塑性加工を容易としたことを特徴とする磁性線パル
サ用材料が得られる。
【0007】
本発明の特徴を列挙するとつぎの通りである。
【0008】 (ア)パルス電圧発生を確実且つ安定させるためには保
磁力は数Oe〜数十Oeが必要である。
磁力は数Oe〜数十Oeが必要である。
【0009】 (イ)50%以上望ましくは80〜98%の冷間加工が必要で
あるため塑性加工が容易な組成でなければならない。
あるため塑性加工が容易な組成でなければならない。
【0010】 (ウ)ひねりが開放されても大きなパルス電圧を得る為
には磁束密度を出来るだけ大きくするとともに、パルス
電圧時間とピーク値との比、即ち、角形比を大きくする
必要がある。
には磁束密度を出来るだけ大きくするとともに、パルス
電圧時間とピーク値との比、即ち、角形比を大きくする
必要がある。
【0011】 (エ)製造が容易であるとともに熱的に安定している。
【0012】 以上の特徴は本発明の構成によってのみ達成されるも
のである。即ち、高い磁束密度と加工性からNi量が規定
され、角形比とパルス安定性、及び冷間加工における加
工性より、X量が規定される(ただし、X=Al及びMoの
内、少なくとも1種類)。
のである。即ち、高い磁束密度と加工性からNi量が規定
され、角形比とパルス安定性、及び冷間加工における加
工性より、X量が規定される(ただし、X=Al及びMoの
内、少なくとも1種類)。
【0013】
次に本発明の実施例について説明する。
【0014】 (実施例1) Ni=12wt%、Mo=2wt%、残部Feからなる合金を真空
に溶解し、熱間加工により5mmφの線材とする。その後
ダイスを用いて、約1mmφとなるよう線引きする。冷間
加工により硬化したこの線材に焼鈍を施し、軟化させ
る。その後再びダイスを用い0.3mmφとなるよう線引き
する。
に溶解し、熱間加工により5mmφの線材とする。その後
ダイスを用いて、約1mmφとなるよう線引きする。冷間
加工により硬化したこの線材に焼鈍を施し、軟化させ
る。その後再びダイスを用い0.3mmφとなるよう線引き
する。
【0015】 この線材に40kg/mm2の引張り応力を加えながら線材に
ひねり応力(左右どちらのひねりでも良い)として線の
中心から半径0.15mmの場所(線材の最外部)の歪量を最
大歪量として、それが0.03%になるよう歪を加えると図
1に示すようなバルクハウゼン効果があらわれる。さら
にこれらの応力をとり除くと従来例の合金は図2(b)
に示すように大バルクハウゼン効果を示さないが、本発
明の実施例は、図2(a)に示すように明らかに大バル
クハウゼン効果を示している。これは、Fe−Ni合金にMo
を添加したことによるものである。さらにこれらの線材
に約70(Oe)の交流磁界を与えると、図3に示すような
三角状パルス電圧が得られる。この三角状パルス電圧の
ピーク電圧は2〜3V(図示されているのは約2V)にも及
びパルサーとして充分実用に供しうるものである。一
方、ひねりながら線引きした線材は単に引張り応力を加
えただけで、図1に示すような大バルクハウゼン効果が
同様にあらわれる。
ひねり応力(左右どちらのひねりでも良い)として線の
中心から半径0.15mmの場所(線材の最外部)の歪量を最
大歪量として、それが0.03%になるよう歪を加えると図
1に示すようなバルクハウゼン効果があらわれる。さら
にこれらの応力をとり除くと従来例の合金は図2(b)
に示すように大バルクハウゼン効果を示さないが、本発
明の実施例は、図2(a)に示すように明らかに大バル
クハウゼン効果を示している。これは、Fe−Ni合金にMo
を添加したことによるものである。さらにこれらの線材
に約70(Oe)の交流磁界を与えると、図3に示すような
三角状パルス電圧が得られる。この三角状パルス電圧の
ピーク電圧は2〜3V(図示されているのは約2V)にも及
びパルサーとして充分実用に供しうるものである。一
方、ひねりながら線引きした線材は単に引張り応力を加
えただけで、図1に示すような大バルクハウゼン効果が
同様にあらわれる。
【0016】 従来のパルサ用合金では、このようなパルスを得るた
めには、図4を示すように歪印加後非常に複雑な熱処理
工程を必要とする上に、パルスが不安定であり、電圧も
低くバラツキが大きかったが、本発明により、歪印加後
の工程が簡単になり、しかも安定した高電圧パルスが得
られた。
めには、図4を示すように歪印加後非常に複雑な熱処理
工程を必要とする上に、パルスが不安定であり、電圧も
低くバラツキが大きかったが、本発明により、歪印加後
の工程が簡単になり、しかも安定した高電圧パルスが得
られた。
【0017】 (実施例2) Ni=15wt%、X(3、4、5、6wt%)(6wt%は比較
例)(ただし、XはAl、Moをそれぞれ単一に添加)、残
部Feからなる合金を真空溶解し、熱間加工により5mmφ
の線材とする。その後、ダイスを用いて約1mmφとなる
よう線引きする。冷間加工により硬化したこの線材に焼
鈍を施し、軟化させる。その後、再びダイスを用い、0.
3mmφとなるよう線引きする。この線材に、実施例1と
同様に、40kg/mm2の引張り応力を加えながら、線材にひ
ねり応力として最大歪量0.03%加える。その後、応力を
取り除き、直流のB−H特性を測定した。特性を図1に
示す。大バルクハウゼンジャンプをΔBmとし、各組成系
における添加元素量ΔBmの関係を調べた。
例)(ただし、XはAl、Moをそれぞれ単一に添加)、残
部Feからなる合金を真空溶解し、熱間加工により5mmφ
の線材とする。その後、ダイスを用いて約1mmφとなる
よう線引きする。冷間加工により硬化したこの線材に焼
鈍を施し、軟化させる。その後、再びダイスを用い、0.
3mmφとなるよう線引きする。この線材に、実施例1と
同様に、40kg/mm2の引張り応力を加えながら、線材にひ
ねり応力として最大歪量0.03%加える。その後、応力を
取り除き、直流のB−H特性を測定した。特性を図1に
示す。大バルクハウゼンジャンプをΔBmとし、各組成系
における添加元素量ΔBmの関係を調べた。
【0018】 その結果を図5に示す。これによると、Al、Moを添加
することで、ΔBmが9〜12(kG)の特性が得られてお
り、また、添加量の増加とともに、ΔBmが上昇する傾向
を示した。しかし、添加元素の添加量を6wt%(比較
例)とすると、硬化が著しく、冷間加工が困難となり、
測定用試料を作製することができなかった。
することで、ΔBmが9〜12(kG)の特性が得られてお
り、また、添加量の増加とともに、ΔBmが上昇する傾向
を示した。しかし、添加元素の添加量を6wt%(比較
例)とすると、硬化が著しく、冷間加工が困難となり、
測定用試料を作製することができなかった。
【0019】 本発明の場合、Ni量が5wt%以下では保磁力が小さ
く、また、25wt%以上では磁束密度が急激に降下し、充
分な出力が得られない。また、添加元素のAl、Moを添加
しない場合は、ひねりを開放すると、ΔBmが消滅し、6w
t%以上では硬度が上り必要な冷間加工が出来ない。
く、また、25wt%以上では磁束密度が急激に降下し、充
分な出力が得られない。また、添加元素のAl、Moを添加
しない場合は、ひねりを開放すると、ΔBmが消滅し、6w
t%以上では硬度が上り必要な冷間加工が出来ない。
【0020】 これにより、本発明の磁性線パルス用材料では、Fe−
Ni(Ni:5〜25wt%)を主成分とする合金にAl、Moを少な
くとも1種類添加する(添加量1〜5wt%)ことにより
室温での応力印加により応力開放後も、大バルクハウゼ
ン効果の特性が得られた。
Ni(Ni:5〜25wt%)を主成分とする合金にAl、Moを少な
くとも1種類添加する(添加量1〜5wt%)ことにより
室温での応力印加により応力開放後も、大バルクハウゼ
ン効果の特性が得られた。
【0021】 以上のことにより、図6の本発明の特許請求の範囲に
おける材料のwt%の範囲を模式的にあらわした図が得ら
れる。
おける材料のwt%の範囲を模式的にあらわした図が得ら
れる。
【0022】
以上述べたように本発明によれば、Al、Moの内、少な
くとも1種類を積極的に添加することにより、塑性加工
が容易な材料が得られるという効果を奏する。そのた
め、安価ですぐれた特性を有する磁気センサあるいはパ
ルサー用材料を提供でき、回転センサ、車速センサ、近
傍スイッチ等、自動車工業、自動化装置工業等多くの産
業分野に利用できるセンサ、パルサを量産可能となり、
その有効性は極めて大である。
くとも1種類を積極的に添加することにより、塑性加工
が容易な材料が得られるという効果を奏する。そのた
め、安価ですぐれた特性を有する磁気センサあるいはパ
ルサー用材料を提供でき、回転センサ、車速センサ、近
傍スイッチ等、自動車工業、自動化装置工業等多くの産
業分野に利用できるセンサ、パルサを量産可能となり、
その有効性は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 大バルクハウゼン効果を示す直流のB−H特性図であ
る。
る。
【図2】 (a)は応力開放後でもバルクハウゼン効果を示してい
る直流のB−H特性図であり、(b)は応力開放後に大
バルクハウゼン効果が消滅した直流のB−H特性図であ
る。
る直流のB−H特性図であり、(b)は応力開放後に大
バルクハウゼン効果が消滅した直流のB−H特性図であ
る。
【図3】 線材に約70(Oe)の交流磁界を与えた時の出力パルスを
示す図である。
示す図である。
【図4】 Fe−Co−V合金を用いた磁性線パルサの従来の製造工程
を示す図である。
を示す図である。
【図5】 添加元素(Al、Mo)量とΔBm(大バルクハウゼンジャン
プ)の関係を示す図である。
プ)の関係を示す図である。
【図6】 本発明の特許請求の範囲における材料の範囲を模式的に
あらわした図である。
あらわした図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−181179(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60 H03K 3/49
Claims (1)
- 【請求項1】逆ヴィガンド効果によりパルスを発生させ
る素子に用いる材料であって、Fe−Ni(Ni:5〜25wt%)
を合金に、X(1〜5wt%)(ただし、Xは、Al及びMo
の内、少なくとも1種類)を添加することにより、塑性
加工を容易としたことを特徴とする磁性線パルサ用材
料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16994090A JP3146421B2 (ja) | 1990-06-29 | 1990-06-29 | 磁性線パルサ用材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16994090A JP3146421B2 (ja) | 1990-06-29 | 1990-06-29 | 磁性線パルサ用材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0459947A JPH0459947A (ja) | 1992-02-26 |
JP3146421B2 true JP3146421B2 (ja) | 2001-03-19 |
Family
ID=15895723
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16994090A Expired - Fee Related JP3146421B2 (ja) | 1990-06-29 | 1990-06-29 | 磁性線パルサ用材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3146421B2 (ja) |
-
1990
- 1990-06-29 JP JP16994090A patent/JP3146421B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0459947A (ja) | 1992-02-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6355361B1 (en) | Fe group-based amorphous alloy ribbon and magnetic marker | |
US5268043A (en) | Magnetic sensor wire | |
CN1134033C (zh) | 制造由纳米晶软磁材料制的磁心的方法 | |
US3390443A (en) | Magnetic material and devices utilizing same | |
JP3146421B2 (ja) | 磁性線パルサ用材料 | |
US4053332A (en) | Enhancing magnetic properties of amorphous alloys by rolling | |
Inoue et al. | New Fe-based amorphous alloys with large magnetostriction and wide supercooled liquid region before crystallization | |
JP3038441B2 (ja) | 大バルクハウゼン効果を有する合金材料及びそれを用いた磁性線パルサ用合金線材の製造方法 | |
Hilzinger et al. | Magnetic properties of amorphous alloys with low magnetostriction | |
JPS5677356A (en) | Amorphous alloy for strain gauge material | |
JP3066604B2 (ja) | パルス発生用磁性線材の製造方法 | |
US3801312A (en) | Permanent magnet alloy using molybdenum and titanium | |
JP2937680B2 (ja) | 磁気抵抗効果型素子およびその製造方法 | |
JP4097748B2 (ja) | Fe族基非晶質金属薄帯及び磁気マーカ | |
JP3313386B2 (ja) | 超磁歪合金および磁気−機械変異変換デバイス | |
TWI628297B (zh) | Iron-based soft magnetic component with high saturation magnetization and preparation method thereof | |
Atkinson et al. | The magnetic properties of amorphous wires and their applications | |
JPS5912142B2 (ja) | 感磁要素 | |
Chiriac et al. | On the magnetic properties of amorphous FeSiB and FeSiBC wires | |
JPH0255498B2 (ja) | ||
JP2654950B2 (ja) | ヴィーガントワイヤー | |
GB2137820A (en) | Magneto-electric pulse generating device | |
JP3388773B2 (ja) | 非晶質金属細線の熱処理方法 | |
Gonzalez et al. | Magnetic and structural features of glass-coated Cu-based (Co, Fe, Ni, Mn–Cu) alloy microwires | |
Masumoto et al. | On the Properties of Semihard Magnetic Alloys “Recalloy” in the Fe–Nb System |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |