JP3066604B2 - パルス発生用磁性線材の製造方法 - Google Patents

パルス発生用磁性線材の製造方法

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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/0302Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity characterised by unspecified or heterogeneous hardness or specially adapted for magnetic hardness transitions
    • H01F1/0304Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity characterised by unspecified or heterogeneous hardness or specially adapted for magnetic hardness transitions adapted for large Barkhausen jumps or domain wall rotations, e.g. WIEGAND or MATTEUCCI effect

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、大バルクハウゼン効果を利用して磁気を検
出し,パルサあるいはセンサとして用いる磁性材料に関
し,詳しくは,回転センサ,車速センサ,近接スイッチ
等,自動車工業,自動化装置工業等に使用されるセン
サ,パルサに用いられる磁性材料の製造方法に関する。
[従来の技術] 従来,パルス発生用磁性材料としては米国エクリン社
が1971年に発明したFe−Ni合金(ヴィガントワイヤ)あ
るいは,1977年に発明された磁性線パルサにはFe−Co−
V合金が知られている。
これらの材料はいずれも線材にひねりを加えることに
より大バルクハウゼン効果が発生し外部の磁気を感知す
ると磁化が反転し検出コイルにパルス電流が発生する仕
組みとなっていた。ところでこの大バルクハウゼン効果
というのは,強磁性体の磁化が多くの不連続的磁化をと
もなうことをいう。
[発明が解決しようとする課題] しかし,これらの材料はいずれもひねりを開放すると
大バルクハウゼン効果が減少あるいは消滅し,センサー
あるいはパルサーとしての機能をなくすため,原理が発
明されて以来20年近くを経過しているにもかかわらずま
だ実用化に至っていない。
そこで,本発明の第1の技術的課題は張力及びひねり
によりパルスを発生する大バルクハウゼン効果を有する
磁性線材の製造方法を提供することにある。
また、本発明の第2の技術的課題は前記磁性線材への
樹脂等の被覆により,張力及びひねりを固定することに
よって,大バルクハウゼン効果が消滅せずかつ大きなパ
ルスを安定して発生させうるパルス発生用磁性線材の製
造方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明によれば,大バルクハウゼン効果によりパルス
を誘発させる材料であって,化学組成が5〜25wt%Ni,0
〜10wt%(0は含まず)M(但し,MはFe,Ni以外の遷移
金属),残部が鉄からなるパルス発生用磁性線材に、0
〜50kg/mm2(0は含まず)の張力で1方向への10cm当り
のひねり回数が0〜150(0は含まず)である応力が印
加されていることを特徴とするパルス発生用磁性線材の
製造方法が得られる。
更に,本発明によれば,前記パルス発生用磁性線材
に,印加した応力を固定するための樹脂等を被覆したこ
とを特徴とするパルス発生用磁性線材の製造方法が得ら
れる。
ここで,本発明において,パルス発生を確実且つ安定
させるためには保持力は数[Oe]〜数十[Oe]が必要で
ある。
また,本発明においては,50%以上望ましくは80〜98
%の冷間加工が必要であるため塑性加工容易な組成でな
ければならない。本発明のパルス発生用磁性材料におい
ては,磁束密度,角形比,パルス安定性からNi量が規定
され,加工性からM量が規定される。本発明において,
遷移金属MとしてCu,Mo,Mn等が例示できるが,Fe,Ni以外
の遷移金属であるば全てに適用でき,これらに限定され
るものではない。
第1図において,本発明の磁性線材は,斜線領域で示
される。Ni量が5wt%以下では保磁力が小さくまた,25wt
%以上では磁束密度が急激に降下し,充分な出力が得ら
れない。また,M(ここではM=Cuを代表例とすると)10
wt%以上では硬度が上り必要な冷間加工が出来ない。
[実施例] 以下,本発明を実施例により詳細に説明する。
(実施例−1) 本発明の実施例1に係るパルス発生用磁性線材を次の
ように製造した。10Ni−3Cu−残部Fe(wt%)からなる
合金を真空溶解し,熱間加工により5mmφの線材とす
る。その線材をダイスを用いて,約0.3mmφとなるよう
線引きする。
次に,長さ20cmの線材の両端に10kg/mm2の張力を加え
ながら線材にひねりを30回(左右どちらか1方向)を加
え,樹脂にて固定した。次に,70[Oe],1〜100Hzの交流
磁界を与えると第2図に示すようなパルス電圧が誘発さ
れる(この時の検出用コイルは2000T/2cm)。このパル
ス電圧は1.5〜2.5Vにも及びパルスサーとして充分実用
に供しうるものであった。
尚,比較例として,張力及びひねりの応力を開放した
後の線材から誘発されたパルス電圧を第2図に示す。
(実施例−2) 本発明の実施例2にパルス発生用磁性線材を次のよう
に製造した。
12Ni−2Mo−残部Fe(wt%)からなる合金を実施例1
と同様に,真空溶解し熱間加工により5mmφの線材とす
る。その線材をダイスを用いて約0.3mmφに線引きをす
る。この線材に実施例1と同様の条件にて線材に張力,
ひねりを加え樹脂にて固定する。次に,実施例1と同様
に70[Oe],1〜100Hzの交流磁界を与えた時に誘発され
たパルス電圧を第3図に示す。
実施例1と同様に,比較例として張力及びひねりの応
力を開放した後の線材から誘発されたパルス電圧を第3
図に示す。
尚,本実施例1及び2では応力の固定として樹脂を用
いたが,樹脂以外の材料により固定の方法においても,
その効果が得られることは容易に推察される。
(実施例−3) 本発明の実施例3に係るパルス発生用磁性線材を次の
ように製造した。
12Ni−2Mn−残部Fe(wt%)からなる合金を実施例1
と同様に,真空溶解し熱間加工により5mmφの線材とす
る。その線材をダイスを用いて約0.3mmφに線引きをす
る。この線材に実施例1と同様の条件にて線材に張力,
ひねり(0〜400回)を加えた。この時,70[Oe],5Hzの
交流磁界を与え,誘発されたパルス電圧を測定した。こ
の結果を第4図に示す。
第4図に示すように,10cm当りのひねり回数が150を超
えるとひねりを加えない場合よりパルス電圧が低下す
る。このことから,10cm当りのひねり回数は0〜150の範
囲(0は含まず)で行うことが望ましい。
本発明により製造されたパルス発生用磁性材料の用途
は回転センサ,車速センサ,近接スイッチ等,自動車工
業,自動化装置工業等多くの産業分野に利用できるセン
サ,パルサを量産可能とするものでありその有効性は極
めて大である。
[発明の効果] 以上述べたように,本発明によれば,安価ですぐれた
大バルクハウゼン効果による誘発パルス特性を有する磁
性線材の製造方法を提供することができる。
更に,本発明によれば,前記磁性線材への樹脂等の被
覆により,張力及びひねりを固定することによって大き
なパルスを安定して発生させうるパルス発生用磁性線材
の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るパルス発生用磁性線材の組成範囲
を示す図で,遷移金属MとしてCuを代表例として挙げて
いる。第2図は本発明の実施例1に係る10Ni−3Cu−残
部Fe(wt%)の約0.3mmφ線材に誘発されたパルス電圧
と比較例として応力開放後の線材から誘発されたパルス
電圧を示す図,第3図は本発明の実施例2に係る12Ni−
2Mo−残部Fe(wt%)の約0.3mmφ線材に誘発されたパル
ス電圧と比較例として応力開放後の線材から誘発された
パルス電圧を示す図,第4図は本発明の実施例3に係る
12Ni−2Mn−残部Fe(wt%)の約0.3mmφ線材(長さ200m
m)に張力を印加しながらひねりを0〜400回加えたとき
に誘発されたパルス電圧を示す図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】大バルクハウゼン効果によりパルスを誘発
    させる材料であって,化学組成が5〜25wt%Ni,0〜10wt
    %(0は含まず)M(MはFe,Ni以外の遷移金属),残
    部Feであるパルス発生用磁性線材に,0〜50kg/mm2(0は
    含まず)の張力で一方向への10cm当りのひねりの回数が
    0〜150(0は含まず)である応力が印加することを特
    徴とするパルス発生用磁性線材の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のパルス発生用磁性線材に印
    加した応力を固定するための樹脂等を被覆することを特
    徴とするパルス発生用磁性線材の製造方法。
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