JP3146034U - 線材コイルの保持台の間隔維持具 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の線材コイルを重ねた状態で載置、運搬するとき、上側のコイルの重量が下側のコイルに直接掛かることがなく、低コストで能率良く作業できるものを提供する。 【解決手段】巻枠なしに一定の内径と軸方向幅で巻回された線材コイルの保持台であって、軸を縦にした線材コイルの下面を支持する底部材と線材コイルの内側を貫通する芯部材とを有し、前記芯部材は逆U字形の棒材を芯部材の先端部で交叉するように組み合わせてなる線材コイルの保持台において、複数の線材コイルをそれぞれ保持台に載せたものを重ねて置くさいに、上下の保持台の間に設置する間隔維持具であって、前記間隔維持具は、下になる保持台の芯部材の先端部で保持するための逆U字形の棒材を交叉するように組み合わせた頂部を有し、上になる保持台の底部材を保持するための鍔部を下部に有する。
【選択図】 図3
【選択図】 図3
Description
本考案は巻枠なしに巻回された線材コイルを保管、運搬などのために載置する保持台、しばしばキャリアと称されるものに関する。線材なる用語は特に熱間圧延された鋼線についての名称として用いられることがあるが、本考案が主として対象とするのもこのようなものである。しかしこれに限定せず他の種類の金属線が巻枠なしに巻回された線材コイルにも本考案は適用可能である。
熱間圧延された鋼線である線材は多くの二次製品、たとえばワイヤロープなどに使用する硬鋼線、コイルばね、針金、釘などの原材料として使用されており、このため線材の製造工場からこれら二次製品の製造工場へと運搬される機会も多い。上記線材は巻枠なしに巻回された形態のものであるので、そのまま積み上げれば荷崩れを起こすおそれがある。したがって特に保持台を用意しない場合には床上に並べて置くより他ない。
そこで特開2003−182940号公報(特許文献1)には線材コイルの集積治具が提案されている。これはリング状の線材コイルの下面と接触する十字などの形状をしたコイル集積部とこれを保持する底板とからなり、さらに線材コイルの内径に挿入するように複数の棒をケージ状(かご状)に形成した棒状体と称するものが設けられている。特許文献1の装置は線材コイルの集積、搬送の目的の他にそのまま熱処理工程に送ることも目的としており、このため十字などの形状をしたコイル集積部により線材コイルを底板から浮いた状態にして加熱、冷却のさいの熱の伝達を容易にしている。
また上記の特許文献1の線材コイルの集積治具においては、線材コイルの内径に棒状体が挿通された状態で集積、載置されるので多少の揺れがあっても安定して線材コイルを保持できるとしている。また特許文献1には複数の線材コイルを重ねて集積、運搬することについては言及していないが、上記の棒状体を線材コイルの内側に挿入して保持するので、複数の線材コイルを重ねても荷崩れすることなく集積、運搬を行なうことができる。したがってこのように底板の上に線材コイルの内側に挿入して保持する機構を設けた線材コイルの保持台が、複数のコイルを積み上げて載置、運搬するのに現在実際に使用されている。
特開2003−182940号公報
上記の特許文献1において棒状体と称するような、線材コイルの内側に挿入して保持するための機構を設けた線材コイルの保持台を使用し、1台の保持台に複数のコイルを重ねて置けば場所を節約しつつコイルの集積、運搬が可能である。しかしながらこの場合、下積みになったコイルには上に積まれたコイルの重量が掛かるため、輸送時の振動などにより傷が付きやすいという問題がある。本考案は上記のような問題から、巻枠なしに一定の内径で巻回された複数の線材コイルを重ねた状態で載置、運搬するための線材コイルの保持台において、上側のコイルの重量が下側のコイルに直接掛かるのを防止するための器具を提供することを目的とする。
本考案は前記課題を解決するものであって、巻枠なしに一定の内径で巻回された線材コイルの保持台であって、軸を縦にした線材コイルの下面を支持する底部材と線材コイルの内側を貫通する芯部材とを有し、前記芯部材は逆U字形の棒材を芯部材の先端部で交叉するように組み合わせてなる線材コイルの保持台において、複数の線材コイルをそれぞれ保持台に載せたものを重ねて置くさいに、上下の保持台の間に設置する間隔維持具であって、前記間隔維持具は、下になる保持台の芯部材の先端部で保持するための逆U字形の棒材を交叉するように組み合わせた頂部を有し、上になる保持台の底部材を保持するための鍔部を下部に有するものであることを特徴とする線材コイルの保持台の間隔維持具である。ここにおいて、間隔維持具の頂部から鍔部までの高さは、保持台の芯部材の先端部から底部材までの高さから線材コイルの軸方向幅を引いた長さより短いことも特徴とする。
本考案の線材コイルの保持台の間隔維持具によれば、保管や運搬に当たって場所の節約や能率向上のため線材コイルの保持台を2段以上重ねて使用しても、下積みのコイルに上のコイルの荷重が掛からない。したがって上の線材の振動によって下の線材に傷が入るおそれが少ない。また装置の構成が簡便であって能率良く積載作業ができ、また設備コストも低い。
図1は本考案の適用対象である線材コイルの保持台を示す斜視図である。この保持台は軸を縦にした線材コイル1の下面を支持する底部材2と、線材コイルの内側を貫通し頂部3と側部4とを有する芯部材とによって構成される。このうち線材コイルの下面を支持する底部材2は図1の保持台においては棒材を曲げた形態の部材が4方に突き出た形になっているが、線材コイル1個をこの上に載せた状態で、芯部材の頂部で吊り上げて底部材を浮かせたときに重量で撓んだりしないだけの強度が必要である。この条件を満足すれば形態は図1のとおりである必要はなく、たとえば棒材を曲げた形態の部材が3方や5方に突き出た形でも良い。さらには素材が棒材ではなく板状の形態のものでも良いが、棒材のような小さな重量で曲げ強度を確保できる部材を使用するのが好ましい。
一方、芯部材は逆U字形の棒材を頂部3で交叉するように組み合わせた形態にする。逆U字形の棒材の数は図1のように通常は2つで良く、この場合頂部が十字になるように、すなわち直角に交わるように交叉させる。この芯部材は逆U字形の棒材を組み合わせると説明したが、後で述べる間隔維持具と重ね合わせたときに安定するように頂部3は平面になっているのが好ましい。したがって中央部は直線で、その両側で線材コイルの出し入れのときに引っ掛からないような曲率を以て90度曲げられた形状の棒材を組み合わせるのが良い。また棒材同士は同一平面内で交叉しているのが好ましい。これに反して重ね合わせた状態で接合されていると、保持台と間隔維持具とを重ねたときに安定せずにがたつきの原因となる。上記のように棒材を同一平面内で交叉させるためには、交叉する一方の棒材を交叉個所で切断し、他方の棒材と突き合わせて溶接すれば良い。
線材コイルの保持台は上記のような形態にすることにより、芯部材が相互に貫通した状態で同一寸法の保持台2個を重ね合わせることが可能である。すなわち2つの芯部材の側部4を形成する棒材の位置が重ならないように垂直軸の周りの回転位置を調節すれば、同じ寸法の2個の保持台の芯部材同士を貫通させることができる。したがって2台の保持台それぞれに線材コイルを載せれば積み重ねることが可能である。このようにすれば積み重ねられた線材コイルの間には底部材2が介在するので、線材コイル同士が直接こすり合わされることによって傷が入るのを防止できる。
またさらに線材コイルを載せた保持台は3段以上積み重ねることも可能である。しかしながら下になった線材コイルには上の線材コイルの荷重が掛かるので、上記のように上下の線材コイル同士が直接こすり合わされることはないものの、下になった線材コイルに摩擦による傷が入りやすい。そこで本考案は線材コイルを保持台に載せて2個以上積み上げたとき上の線材コイルの重量が下の線材コイルに掛からないようにするため、保持台と保持台との間に載置する間隔維持具を提供するものである。
図2は本考案の間隔維持具を示す斜視図であって、逆U字形の棒材を交叉するように組み合わせることにより頂部6とこれに続く側部7を形成し、さらに下部に鍔部8を設けた形状をしている。上記頂部6の形態は線材コイルの保持台の芯部材の頂部3と同じで良く、保持台の上に重ね合わせたときに安定するように平面になっているのが好ましい。また同様に棒材同士の交叉個所は重ね合わせた状態ではなく、同一平面内で交叉しているのが好ましい。また側部7の高さ寸法は後に説明するように保持台の芯部材の側部4の高さH、線材コイルの軸方向幅Wなどとの関係から定められる。
また側部7の棒材で構成される円の直径は、保持台の芯部材の側部4で構成される円の直径と同じでも良いが、これよりもやや小さいのが好ましい。すなわち間隔維持具の側部7の円の直径が保持台の側部4の円の直径より小さいと、間隔維持具の上に保持台を載せたとき間隔維持具の側部7が邪魔にらなないので、垂直軸に対する回転位置は下側の保持台との干渉だけを考慮すればよいことになる。なお下側の保持台との関係では、上記のように間隔維持具の側部7の円の直径が保持台の側部4の円の直径より小さくても、同じ場合よりさらに回転位置が制限されるということはなく格別の不都合はない。
また間隔維持具の鍔部8は、上に保持台を載せたときにこれの底部材2を支持するものである。鍔部は図2のように円環状の部材によって構成されており、たとえば4方に突き出た形の部材からなる底部材の少なくとも根元の部分を支持することができる。鍔部の突出し寸法は、上記のように保持台の底部材の少なくとも根元の部分を支持できれば良く、底部材の曲げ強度が充分あれば大きくする必要はない。
図3は本考案の間隔維持具を使用して線材コイルを2段に積んだ状態を示す斜視図である。図中11は1段目の線材コイル、12は2段目の線材コイルであって、21、31および41はそれぞれ1段目の保持台の底部材、頂部および側部、ならびに22、32および42はそれぞれ2段目の保持台の底部材、頂部および側部である。1段目の保持台の底部材21の上に1段目の線材コイル11を載せ、さらに間隔維持具を載せると1段目の保持台の頂部21と間隔維持具の頂部6が重なり合って接触した状態で間隔維持具が保持されることになる。このとき間隔維持具の垂直軸に対する回転位置を調節して間隔維持具の側部7の部材と1段目の保持台の側部41の部材とが干渉しないようにする。図3においては間隔維持具と1段目の保持台のそれぞれの頂部の部材が相互に45度の角度になる位置に回転されている。
上記のように1段目の保持台の上に間隔維持具を載せた状態で、さらにその上に1段目の保持台と同じ寸法の2段目の保持台を載せると、間隔維持具は前記のように鍔部8を有するので2段目の保持台の底部材22がここで支持される。この2段目の保持台の底部材22の上に2段目の線材コイル12を載置したとき、2段目の保持台の底部材22が1段目の線材コイル11の上面よりも高い位置にあれば、1段目の線材コイルには2段目の線材コイルの重量が掛かることはない。このように1段目の保持台と2段目の保持台との間に本考案の間隔維持具を載置することにより、2段目の保持台の底部材22は1段目の線材コイル11から浮いた状態になっているため、1段目の線材コイルには2段目の線材コイルの重量が掛かることはない。また図3に示した2段積みの上にさらに間隔維持具と保持台を載せることにより、下側の線材コイルに上側の線材コイルの重量を掛けることなく3段以上積むことも可能である。
なお間隔維持具の高さの範囲においては、間隔維持具の側部7の部材と1段目の保持台の側部41の部材に加えて、さらに2段目の保持台の側部42の部材が平行に並ぶことになる。図3においては先に述べたように間隔維持具の側部の部材と1段目の保持台の側部の部材の干渉については、間隔維持具と1段目の保持台のそれぞれの頂部の部材が相互に45度の角度になる位置に回転して防止している。
これに対して2段目の保持台の側部42の部材は図3においては間隔維持具の側部7の部材と同じ回転位置で放射方向に並んでいる。これは先に述べたように間隔維持具の側部7の棒材で構成される円の直径が、保持台の芯部材の側部4で構成される円の直径より小さくなっているので、2段目の保持台の回転位置は間隔維持具に対しては自由に選べるからである。なお間隔維持具の側部7の棒材で構成される円の直径が、保持台の芯部材の側部4で構成される円の直径と同じで、これらの側部の部材が同じ円周上で平行に並ぶ場合でも、1段目、2段目の保持台、間隔維持具の垂直軸のまわりの回転位置を適宜調整すれば、相互に干渉することなく重ね合わせることは可能である。
なお本考案の間隔維持具を使用して上側の保持台に載せた線材コイルの重量が下側の線材コイルに掛からないためには、間隔維持具の寸法が一定の関係を満足する必要がある。以下において棒材の太さの影響については無視して議論すると、図1に見るように線材コイルの保持台の芯部材の先端部3から底部材2までの高さ、すなわち側部4の高さHから線材コイルの軸方向幅Wを引いた長さが、芯部材が線材コイル1の上面から突き出る長さとなる。したがって間隔維持具の頂部6から鍔部8までの高さ、すなわち側部7の高さL(図2)がこの線材コイルより上に突き出る長さより小さければ、上側の保持台の底部材2の位置は下側の線材コイル1の上面よりも浮いた状態になる。
このようなことから、保持台の芯部材の先端部から底部材までの高さから線材コイルの軸方向幅の予想される最大値を引いた値に対して、間隔維持具の頂部から鍔部までの高さをこれより短くすれば良い。また軸方向幅が小さい線材コイルの場合に積み上げた線材コイル間の空間が無駄に大きくなるのを避けるために、側部の高さ寸法が異なる間隔維持具を用意して線材コイルの軸方向幅の範囲によって使い分けることもできる。
1 線材コイル
2 底部材
3 頂部
4 側部
6 頂部
7 側部
8 鍔部
11 1段目の線材コイル
12 2段目の線材コイル
21 1段目の保持台の底部材
22 2段目の保持台の底部材
31 1段目の保持台の頂部
32 2段目の保持台の頂部
41 1段目の保持台の側部
42 2段目の保持台の側部
2 底部材
3 頂部
4 側部
6 頂部
7 側部
8 鍔部
11 1段目の線材コイル
12 2段目の線材コイル
21 1段目の保持台の底部材
22 2段目の保持台の底部材
31 1段目の保持台の頂部
32 2段目の保持台の頂部
41 1段目の保持台の側部
42 2段目の保持台の側部
Claims (2)
- 巻枠なしに一定の内径で巻回された線材コイルの保持台であって、軸を縦にした線材コイルの下面を支持する底部材と線材コイルの内側を貫通する芯部材とを有し、前記芯部材は逆U字形の棒材を芯部材の先端部で交叉するように組み合わせてなる線材コイルの保持台において、複数の線材コイルをそれぞれ保持台に載せたものを重ねて置くさいに、上下の保持台の間に設置する間隔維持具であって、前記間隔維持具は、下になる保持台の芯部材の先端部で保持するための逆U字形の棒材を交叉するように組み合わせた頂部を有し、上になる保持台の底部材を保持するための鍔部を下部に有するものであることを特徴とする線材コイルの保持台の間隔維持具。
- 間隔維持具の頂部から鍔部までの高さは、保持台の芯部材の先端部から底部材までの高さから線材コイルの軸方向幅を引いた長さより短いことを特徴とする請求項1記載の線材コイルの保持台の間隔維持具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008005826U JP3146034U (ja) | 2008-08-21 | 2008-08-21 | 線材コイルの保持台の間隔維持具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008005826U JP3146034U (ja) | 2008-08-21 | 2008-08-21 | 線材コイルの保持台の間隔維持具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3146034U true JP3146034U (ja) | 2008-10-30 |
Family
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP3146034U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105540347A (zh) * | 2015-12-27 | 2016-05-04 | 邹桂平 | 一种纺织撑丝机入料卸料架 |
-
2008
- 2008-08-21 JP JP2008005826U patent/JP3146034U/ja not_active Expired - Fee Related
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