JP3145780B2 - Lsi設計装置 - Google Patents

Lsi設計装置

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JP3145780B2
JP3145780B2 JP10574592A JP10574592A JP3145780B2 JP 3145780 B2 JP3145780 B2 JP 3145780B2 JP 10574592 A JP10574592 A JP 10574592A JP 10574592 A JP10574592 A JP 10574592A JP 3145780 B2 JP3145780 B2 JP 3145780B2
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  • Design And Manufacture Of Integrated Circuits (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はLSI設計装置、特に、
CADツールを用いて最適なASIC設計を行うことが
できるLSI設計装置に関する。
【0002】
【従来の技術】LSIの設計工程は、一般に、機能設計
段階、論理設計段階、回路設計段階、レイアウト設計段
階の各段階を順に経ることにより行われる。そして、1
つの設計段階では、前の設計段階において作成された設
計部品データを利用した設計処理がなされる。通常は、
各段階の設計を支援するため、それぞれ別個のCADツ
ールが用意されており、これらCADツールにより設計
が行われる。このため、LSIの設計部品データは、各
CADツールごとに別々に管理されている。
【0003】近年、LSIの用途は益々広がってゆく傾
向にあり、いわゆるASIC(特定用途向け集積回路)
の需要が年々高まってきている。ASICでは、個々の
ユーザーの要求に応じた比較的大規模な回路設計を短時
間に行う必要がある。このため、半導体メーカーが、各
CADツール用の多数のLSI設計部品データをライブ
ラリとしてユーザーに提供し、ユーザーが、この提供さ
れたライブラリの中の必要な設計部品データを組み合わ
せて所望のLSI設計を行うシステムが採られている。
別言すれば、半導体メーカーが多数のLSI設計部品デ
ータをいわば個々の部品として予め用意しておき、ユー
ザーはその中から自分に必要な部品を使って所望のLS
Iを組み立てる作業を行うことになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】LSI設計の目的は、
各設計者ごとに異なる。そして、その設計目的によっ
て、用いるべき最適な部品はそれぞれ異なるはずであ
る。従来の設計方法によれば、ユーザーは予め提供され
たライブラリの中から部品を選択し、これを組み合わせ
て設計を行うことになる。ところが、一般に、各CAD
ツール用のライブラリの中には、半導体メーカー側で用
意した膨大な数の部品がすべて収容されているわけでは
なく、ユーザーの選択できる部品はある程度の範囲内に
制限されている。また、各部品の特性などを確認するた
めに、半導体メーカー側からデータシートが配布される
が、このデータシートにユーザーが必要とする情報がす
べて網羅されているわけではない。このように、従来の
LSI設計方法には、ユーザーの設計目的に応じた最適
な部品を柔軟に選択して最適な設計を行うことができな
いという問題があった。
【0005】そこで本発明は、設計目的に応じた最適な
部品を柔軟に選択することにより、最適な設計を行うこ
とができるLSI設計装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】(1) 本願第1の発明
は、LSI設計装置において、所望の部品データから、
この部品データに内在する特定の要素を抽出する要素抽
出手段と、所望の部品データに内在する要素もしくは外
部から入力された要素を合成することにより、新たな部
品データを合成する部品合成手段と、合成された部品デ
ータを記憶する設計部品データ記憶手段と、要素抽出手
段によって行われた抽出処理および部品合成手段によっ
て行われた合成処理のプロセスを記憶するプロセスデー
タ記憶手段と、設計部品データ記憶手段内に記憶されて
いる部品データを組み合わせることによりLSIの設計
を行うLSI設計手段と、このLSI設計手段で用いる
ための部品データを、設計部品データ記憶手段内のデー
タの中から検索するデータ検索手段と、このデータ検索
手段によって検索されたデータを、LSI設計手段の書
式に適合するように変換する書式変換手段と、要素抽出
手段によって抽出された要素データを、所定の情報に基
づいて編集することにより、シート情報を作成するシー
ト情報作成手段と、シート情報に基づいて、データシー
トを出力するシート出力手段と、要素抽出手段、部品合
成手段、データ検索手段、シート情報作成手段に対し
て、データもしくは指示を入力するための入力手段と、
設計者に対して必要な情報を表示するためのディスプレ
イ装置と、を設けたものである。
【0007】(2) 本願第2の発明は、上述の第1の発
明に係るLSI設計装置において、所望の部品データに
内在する要素について、表現を変換することにより別な
要素を生成する表現変換手段を更に設け、この表現変換
手段による表現変換処理のプロセスをプロセスデータ記
憶手段に記憶させるようにしたものである。
【0008】
【作 用】本発明の装置では、要素抽出手段および部品
合成手段を用いて、部品データが生成され、設計部品デ
ータ記憶手段内にデータベースとして保存される。しか
もこの部品データの生成プロセスは、プロセスデータと
して記憶される。ユーザーは、このプロセスデータを利
用して、データベース内から最適の部品を選択すること
ができ、また、その部品について必要な情報を、シート
出力手段から出力されるデータシートの形で得ることが
できる。こうして、設計目的に応じた最適な部品を柔軟
に選択し、最適な設計を行うことができるようになる。
【0009】
【実施例】§1 装置の全体構成 以下、本発明を図示する実施例に基づいて説明する。図
1は、本発明の一実施例に係るLSI設計用CADのデ
ータライブラリ生成装置の基本構成を示すブロック図で
ある。この装置は、設計部品記憶手段10、要素抽出手
段20、部品合成手段30、表現変換手段40、データ
検索手段50、書式変換手段60、LSI設計手段6
5、設計結果記憶手段66、データライブラリ67、シ
ート情報作成手段70、シート出力手段75、入力手段
80、ディスプレイ装置90、によって構成されてい
る。これらの各構成要素は、具体的には、コンピュータ
およびそのソフトウエア、ならびにその周辺機器によっ
て実現されている。
【0010】設計部品記憶手段10には、設計部品デー
タ領域11とプロセスデータ領域12との2つの領域が
定義されており、設計部品データ領域11内にすべての
LSI設計部品データがデータベースとして蓄積されて
いる。LSI設計手段65は、具体的には、従来のLS
I設計で用いられていたCADツールであり、設計部品
データ領域11内にデータベースとして用意された部品
を組み合わせることにより、目的に応じたLSIを設計
する機能を有し、設計結果は設計結果記憶手段66に保
存される。このLSI設計手段65において利用される
LSI設計部品データは、データライブラリ67に用意
することができる。一方、要素抽出手段20、部品合成
手段30、表現変換手段40は、設計部品データ領域1
1内の部品データに基づいて新たな部品データを生成し
たり、設計部品データ領域11内の部品データをバージ
ョンアップしたりする作業に利用される。このような作
業のプロセスは、プロセスデータ領域12内にプロセス
データとして保存される。データ検索手段は、このプロ
セスデータを利用して、LSI設計手段65で使用すべ
き最適部品を検索する機能をもっている。検索されたデ
ータは、書式変換手段60によってLSI設計手段65
に適した書式に変換され、LSI設計手段65に供給さ
れ、必要に応じてデータライブラリ67に保存される。
また、シート情報作成手段70は、検索されたデータに
基づいてシート情報を作成し、シート出力手段75から
データシートが出力される。オペレータは、上述の各処
理を実行するための指示を、入力手段80から入力し、
これをディスプレイ装置90の表示により確認すること
ができる。
【0011】以上が、この装置の概要である。この装置
の特徴は、半導体メーカー側が用いるシステムとユーザ
ー側が用いるシステムとを結合し、一体となった融合シ
ステムを構築した点にある。すなわち、半導体メーカー
側が用意したすべての部品についてのデータが、設計部
品データ領域11内にデータベースとして保存されてお
り、このデータベースを、LSI設計手段65を操作す
るユーザーに開放していることになる。したがって、こ
の装置は、半導体メーカー側によって操作される部分
と、ユーザー側によって操作される部分と、の双方を含
んだシステムである。半導体メーカー側は、要素抽出手
段20、部品合成手段30、表現変換手段40を用い
て、設計部品データ領域11内のデータベースを逐次更
新する作業を行う。すなわち、新たな部品データの追加
や、部品データのバージョンアップといった作業を行
い、データベースを常に最新のものに保つ保守管理を行
う。一方、ユーザー側は、こうして保守管理されたデー
タベースを利用して、個々の目的に応じた最適な部品を
用い、最適なLSI設計を行うことになる。なお、この
実施例では、入力手段80やディスプレイ装置90を、
それぞれ1つのブロックで示しているが、実用上は、半
導体メーカー用とユーザー用とでそれぞれ別個のものを
設けるようにするのが好ましい。また、各ブロック間の
情報伝達を、通信回線などを利用して行うようにすれ
ば、図1に示す構成要素のうち、一部を半導体メーカー
側に設置し、一部をユーザー側に設置することが可能に
なる。以下、この装置の動作について詳述する。
【0012】§2 LSI設計部品データ ここでは、この装置についての動作説明を行う前に、デ
ータベースとして用意されるLSI設計部品データが具
体的にどのようなデータであるかについて簡単に述べて
おく。図2は、一般的なLSI設計作業の各段階を示す
図である。まず、機能設計段階1において、設計すべき
LSIを、いくつかの機能ブロックの組み合わせによっ
て表現する設計が行われる。続く、論理設計段階2で
は、各機能ブロックをいくつかの論理素子(ANDゲー
ト、ORゲート、インバータなど)の組み合わせによっ
て表現する設計が行われる。更に、回路設計段階3で
は、各論理素子をトランジスタ素子、抵抗素子、容量素
子などを組み合わせた回路図で表現する設計が行われ
る。そして、レイアウト設計段階4では、回路図中の各
素子に対応するマスクパターンの設計が行われる。一般
に、これら各段階における設計作業は、それぞれ専用の
CADツールを用いることによって行われる。この各C
ADツールには、それぞれの設計作業に必要な部品デー
タが用意されている。すなわち、機能設計段階1では機
能設計部品データが用意され、論理設計段階2では論理
設計部品データが用意され、回路設計段階3では回路設
計部品データが用意され、レイアウト設計段階4ではレ
イアウト設計部品データが用意される。
【0013】図3に、これら設計部品データの具体例を
いくつか示す。部品データAは、論理設計段階2で用い
る部品データであり、この例では、3つのインバータ素
子I1,I2,I3を直列接続してなる素子が1つの部
品を構成している。実際には、1つのインバータだけか
らなる部品、ANDゲートやORゲートなどの他の論理
素子からなる部品、これらを組み合わせた部品、など多
数が存在する。また、同じ論理素子を組み合わせてなる
部品であっても、動作特性や大きさが異なれば別な部品
となる。たとえば、部品データAは、機能的には、3つ
のインバータ素子を直列接続してなるものであるが、こ
の部品についての動作特性(たとえば、入力信号を与え
てから出力信号が得られるまでの遅延時間)や大きさ
(半導体チップ上での占有面積)も予め定められてい
る。したがって、「3つのインバータ素子を直列接続し
た」という同一機能をもった部品であっても、遅延時間
や占有面積が異なれば、部品データAとは別個の部品と
なる。本発明における「部品データ」とは、このよう
に、対象となる部品について、機能的情報(部品データ
Aでは、3つのインバータ素子I1,I2,I3が直列
接続されているという情報)、特性的情報(遅延時間や
その他の電気的特性情報)、構造的情報(大きさ、形
状、入出力端子の位置などの情報)を含んだデータを意
味するものである。
【0014】部品データBは、回路設計段階3で用いる
部品データであり、この例では、2つのトランジスタT
1,T2を並列接続してなる素子が1つの部品を構成し
ている。回路設計段階3で用いる部品としては、このよ
うなトランジスタだけでなく抵抗素子や容量素子を含ん
だ部品が多数用意される。やはりこの部品データBは、
2つのトランジスタT1,T2を並列接続したという機
能的情報の他に、各トランジスタの特性的情報および構
造的情報を含んだものとなる。一方、部品データCは、
レイアウト設計段階4で用いる部品データであり、この
例では、拡散層F1とポリシリコン層F2とを交差させ
たマスクパターンが1つの部品を構成している。やはり
この部品データCも、拡散層F1とポリシリコン層F2
とを交差させたマスクパターンであるという機能的情報
の他に、特性的情報(各層内の電導度など)および構造
的情報(各層の面積など)を含んだものとなる。
【0015】§3 LSI設計部品データの相互関連 ASICでは、個々のユーザーの要求に応じた比較的大
規模な回路設計を短時間に行う必要があるため、半導体
メーカーは、各CADツール用の多数のLSI設計部品
データをライブラリとしてユーザーに提供する必要があ
る。すなわち、図2に示すすべての段階1〜4につい
て、膨大な数の部品データを用意する必要がある。しか
も、この膨大な数の各部品データは相互に何らかの関連
をもっており、1つの部品データは、別な部品データに
内在する要素および外部から与えられる要素を合成する
ことによって生成されるのが一般的である。
【0016】この部品データ相互の関連を図4を参照し
て簡単に説明する。前述のように、1つの部品データの
中には様々な情報が内在しており、ある特定の情報のみ
を1つの要素として抽出することができる。LSI設計
部品データでは、一般的に、機能的要素、特性的要素、
構造的要素の抽出が可能である。たとえば、図4に示す
ようなレイアウト設計部品データDを考える。レイアウ
ト設計部品データは、図3の部品データCに示されてい
るように、LSIの一部を図形の集合として表現したも
のである。図4に示す例では、レイアウト設計部品デー
タDからは、機能的要素d1として素子の種類や素子の
接続情報が抽出されており、特性的要素d2として素子
の特性値が抽出されており、構造的要素d3として各図
形の大きさ、形状、入出力端子の位置および名称が抽出
されている。別言すれば、レイアウト設計部品データD
に内在している情報は、機能的要素d1,特性的要素d
2,構造的要素d3、の3つの要素に分解されたことに
なる。
【0017】また、このレイアウト設計部品データDの
生成プロセスを考えると、図4の例では、要素eと要素
b1との合成によって部品データDが生成されている。
ここで、要素b1は、別な部品、すなわち回路設計部品
データB´を分解することによって得られる機能的要素
(具体的には回路図)であり、要素eは外部から与えら
れるデザインルール(たとえば、配線層相互の間隔な
ど)である。結局、レイアウト設計部品データDは、別
な部品を分解することによって得られる要素b1と外部
から与えられる要素eとを合成することによって生成さ
れるデータということになる。
【0018】この部品データ相互の関連を更に具体例に
即して説明しよう。たとえば、図3に示す部品データA
(論理設計部品データ)に対応する回路設計部品データ
を生成しようとすれば、1つのインバータは2つのトラ
ンジスタによって構成されるので、結局、部品データB
を3段直列に接続したような部品データB´(図示され
ていない)が生成されることになる。この場合、部品デ
ータB´は、部品データAに内在する機能的要素a1
(すなわち、インバータ素子が3段直列に接続されてい
る部品であるという情報)を用いて合成された部品とな
る。更に、この部品データB´に対応するレイアウト設
計部品データDを生成するには、部品データB´に内在
する機能的要素b1(すなわち、一対の並列トランジス
タを3段直列接続したことを示す回路図)と、外部から
与えられたデザインルールeとを合成する作業を行うこ
とになる。
【0019】結局、多数のLSI設計部品データは、相
互に複雑に関連をもった集合体となっている。図5は、
この相互関連の一例を示す簡単なモデルである。部品デ
ータAを分解すると要素a1,a2,a3が抽出され、
部品データBを分解すると要素b1,b2,b3が抽出
され、部品データCを分解すると要素c1,c2が抽出
されている。そして、部品データCは、要素a3と要素
b3とを合成することによって生成され、部品データD
は、要素b2と、外部から与えられた要素であるデザイ
ンルールeとを合成することによって生成されている
(このモデルは、図4の例とは多少異なっている)。以
上の説明で、図2に示す各段階で用いる部品データが相
互に複雑な関連をもっていることが理解できたであろ
う。
【0020】§4 LSI設計部品データの生成管理機
さて、ここで再び図1に戻って、本発明に係る装置の動
作を説明する。要素抽出手段20は、所望の部品データ
から、この部品データに内在する特定の要素を抽出する
機能を有する手段である。すなわち、図4におけるレイ
アウト設計部品データDが与えられたとき、これから機
能的要素d1,特性的要素d2,構造的要素d3を抽出
する処理を行う。このような処理を行う手段自身は公知
である。たとえば、機能的要素d1を抽出する手段とし
ては、様々な回路網抽出ソフトウエアが知られており、
特性的要素d2を抽出する手段としては、様々な電気的
パラメータ抽出ソフトウエアが知られており、構造的要
素d3を抽出する手段としては、様々な図形演算操作ソ
フトウエアが知られている。一方、部品合成手段30
は、所望の部品データに内在する要素もしくは外部から
入力された要素を合成することにより、新たな部品デー
タを合成する機能を有する手段である。すなわち、図4
において、部品データB´に内在する要素b1と外部か
ら入力された要素eとを合成することにより、新たな部
品データDを合成する処理を行う。このような処理を行
う手段も公知である。すなわち、個々のLSI設計部品
データは、いくつかの要素を合成することによって生成
するのが一般的であり、従来から様々なソフトウエアに
よってこのような部品データの生成処理が行われてきて
いる。また、表現変換手段40は、所望の部品データに
内在する要素について、表現を変換することにより別な
要素を生成する機能を有する手段である。たとえば、イ
ンバータという素子を、論理設計部品データとして表現
すれば、三角形に丸を付したいわゆるインバータのシン
ボルマークで表現されるが、これを回路設計部品データ
として表現すれば、並列接続された一対のトランジスタ
で表現され、更にこれをレイアウト設計部品データとし
て表現すれば、複雑な図形パターンとして表現される。
ただ、これら各部品はいずれも同じ機能を果たすインバ
ータという論理素子であることには相違ない。表現変換
手段40は、実質的には同一の部品について、表現の変
換を行う手段である。図5のモデルには、要素a2を表
現変換することによって、要素x1が得られる例が示さ
れている。このような表現変換処理を行う手段も公知で
あり、従来から様々なソフトウエアが利用されている。
【0021】この装置の特徴は、要素抽出手段20によ
って要素抽出処理を行ったとき、部品合成手段30によ
って部品合成処理を行ったとき、表現変換手段40によ
って表現変換処理を行ったときに、それぞれ、各処理の
プロセスをプロセスデータとして記憶させておくように
した点にある。すなわち、図1において、設計部品記憶
手段10内には、設計部品データ領域11とプロセスデ
ータ領域12とが設けられており、生成された各部品デ
ータA,B,C,…は設計部品データ領域11に保存さ
れ、各処理のプロセスを記述したプロセスデータP1,
P2,P3、…は、プロセスデータ領域12に保存され
る。ここで、プロセスデータとは、どのような部品また
は要素に、どのような処理を施すことにより、どのよう
な部品または要素が得られたか、という処理プロセスを
示す情報である。たとえば、図4に示す例において、レ
イアウト設計部品データDに対して要素抽出処理(分解
処理)を行うことにより、機能的要素d1,特性的要素
d2,構造的要素d3が得られた場合、各要素抽出処理
に用いたソフトウエアを特定する情報がプロセスデータ
として記憶されることになる。たとえば、「部品データ
Dに対して回路網抽出ソフトウエアを用いて機能的要素
を抽出する処理を行った結果、要素d1が得られた」と
いう情報が、プロセスデータとして記録されることにな
る。なお、図4に示す実施例では、更に、各要素につい
ての関連要素を示す情報もプロセスデータの一部に含ま
せている。たとえば、機能的要素d1を抽出するプロセ
スについては、この要素d1が部品データB´の機能的
要素b1に関連していることを示す情報がプロセスデー
タとして記録されており、構造的要素d3を抽出するプ
ロセスについては、この要素d3がデザインルールeに
関連していることを示す情報がプロセスデータとして記
録されている。このような関連要素を示す情報は、各プ
ロセスを実行したときにオペレータに入力させることも
できるし、各プロセスを実行するためのソフトウエアに
よって自動的に発生させることもできる。
【0022】図5に示すモデルについての、図1の装置
の動作は次のようになる。まず、設計部品データ領域1
1に、部品データAおよびBが予め記憶されているもの
とする。ここで、要素抽出手段20内の特定のソフトウ
エアを用いて、部品データAを分解して要素a1,a
2,a3を抽出するプロセスP1と、部品データBを分
解して要素b1,b2,b3を抽出するプロセスP2と
を実行し、更に、部品合成手段30内の特定のソフトウ
エアを用いて、要素a3と要素b3とを合成して新たな
部品データCを生成するプロセスP5を実行したものと
する。この場合、設計部品データ領域11内には、新た
な部品データCが追加されるが、同時に、プロセスデー
タ領域12内には、プロセスデータP1,P2,P3が
記録されることになる。続いて、再び要素抽出手段20
内の特定のソフトウエアを用いて、部品データCを分解
して要素c1,c2を抽出するプロセスP4を実行し、
更に、部品合成手段30内の特定のソフトウエアを用い
て、要素b2,c1と外部要素eとを合成して新たな部
品データDを生成するプロセスP5を実行したものとす
る。この場合、設計部品データ領域11内には、新たな
部品データDが追加され、同時に、プロセスデータ領域
12内には、プロセスデータP4,P5が記録されるこ
とになる。また、表現変換手段40内の特定のソフトウ
エアを用いて、要素a2の表現を変換して要素x1を得
る表現変換処理を行った場合には、更に、プロセスP6
が追加記録されることになる。
【0023】こうして、図1に示す装置における各手段
を用いて、様々な処理を行うと、その処理プロセスがプ
ロセスデータとしてプロセスデータ領域12に逐次記録
されてゆくことになる。ところで、LSI設計用データ
シートを作成するためには、設計部品データ領域11内
の各部品データさえあれば足り、プロセスデータ領域1
2内のプロセスデータは直接必要とされるものではな
い。そこで、このようなプロセスデータを記録しておく
メリットを以下に説明する。
【0024】半導体プロセスの進歩は日進月歩であり、
半導体ウエハ上に形成される素子の集積度は年々向上し
ていっている。したがって、各部品データは適宜更新さ
れ、いわゆるバージョンアップが行われることになる。
たとえば、絶縁性の向上により、各配線層の間隔を更に
短く設計することができる技術が開発された場合、デザ
インルールが更新され、その結果、レイアウト設計部品
データがバージョンアップされることになる。たとえ
ば、図3に示す部品データCをバージョンアップする
と、各図形をひとまわり小さくした新たな部品データC
Nが生成できる。このとき、部品データCとCNとを、
それぞれから抽出した要素ごとに比較すると、機能的要
素については同じである(たとえば、インバータ素子に
ついてのマスクパターンであれば、デザインルールが更
新されても、インバータ素子であるという点については
変わりない)が、特性的要素(たとえば、動作時間)や
構造的要素(大きさ、形状、入出力端子位置)は変わる
ことになる。そこで、この特性的要素や構造的要素に基
づいて生成された別な部品データについても更新を行
い、新たな部品データを生成する必要がある。このよう
なバージョンアップを行う場合、プロセスデータ領域1
2に記録されているプロセスデータは極めて有効であ
る。すなわち、ある1つの部品あるいは要素の内容がバ
ージョンアップした場合、そのバージョンアップが別な
どの部品や要素に影響を及ぼすかを、このプロセスデー
タから容易に認識することができ、しかも、このプロセ
スデータに基づいて、影響の及ぶ別な部品や要素のバー
ジョンアップ処理を容易に行うことができるのである。
【0025】これを、図5のモデルで説明しよう。い
ま、何らかの技術的な進歩により、部品データAの内容
がバージョンアップされ、新たな部品データANが生成
された場合を考える。この場合、プロセスデータ領域1
2内のプロセスデータP1を読み出せば、過去に、部品
データAが要素a1,a2,a3に分解されたという事
実が記録されており、また、プロセスデータP3を読み
出せば、要素a3と要素b3とによって部品データCが
合成されたという事実が記録されている。したがって、
要素a3がバージョンアップした場合、部品データCも
バージョンアップする必要があることが認識できるので
ある。たとえば、部品データAがANにバージョンアッ
プしたため、要素a3が要素a3nにバージョンアップ
していたとすると、要素a3nと要素b3とを合成して
新たな部品データCNを生成する必要がある。別言すれ
ば、部品データAをANにバージョンアップしたことに
より、部品データCをCNにバージョンアップする必要
が出てくる。本発明による装置では、このバージョンア
ップ処理も容易に行うことができる。なぜなら、プロセ
スデータP3には、要素a3と要素b3に対してどのソ
フトウエアを用いてどのような合成処理を施したことに
より部品データCが生成できたかという過去の処理プロ
セスがそのまま記録されているため、要素a3の代わり
に要素a3nを用いて全く同様の処理プロセスを実行す
れば、バージョンアップされた部品データCNが自動的
に得られるからである。
【0026】こうして、部品データCがCNにバージョ
ンアップされた場合、これにプロセスP4を施すことに
よって得られる要素c1の内容に変化があるかどうかを
容易に認識することができる。たとえば、要素c1が要
素c1nにバージョンアップされた場合には、この要素
c1nと要素b2とデザインルールeとに対して、プロ
セスP5を実行すれば、部品データDをDNにバージョ
ンアップすることが容易にできるのである。
【0027】要するに、プロセスデータ領域12内に、
実行した各プロセス処理の記録を残しておくことによ
り、ある部品や要素がバージョンアップしたときに、他
のどの部品や要素に影響が及ぶかということを自動的に
認識することができ、しかも、過去のプロセス処理と同
様の処理を再度実行することにより、影響が及ぶ部品に
ついてのバージョンアップも自動的に行うことが可能に
なる。したがって、半導体メーカー側は、設計部品デー
タ領域11内のデータベースに対する保守管理を容易に
行うことができるようになる。
【0028】§5 LSI設計手段へのライブラリ提供
機能 以上、図1に示す装置におけるLSI設計部品データの
生成管理機能についての動作を説明した。半導体メーカ
ー側は、この機能を用いることにより、設計部品データ
領域11内に、既存のデータに併せて、常に最新の部品
データをデータベースとして保持することが容易に行え
ることになる。続いて、この装置のもう一方の利用者で
あるユーザー側からみたこの装置の機能について説明す
る。この機能は、LSI設計手段65としてのCADツ
ールに対し、設計部品データ領域11内の部品データを
データライブラリとして提供する機能ということができ
る。
【0029】いま、ユーザーが、LSI設計手段65と
してのCADツールを使って特定のASIC設計を行っ
ている場合を考える。この場合、ユーザーは、設計部品
データ領域11内に用意された多数の部品のうち、LS
I設計手段65で利用可能な部品を使って、特定のAS
ICを組み立てる作業を行うことになる。たとえば、L
SI設計手段65が、図2に示すレイアウト設計段階4
を実行するためのツールであったとすると、このツール
ではレイアウト設計部品データが利用されることにな
る。ユーザーがある条件を特定すると、LSI設計手段
65は、この特定された条件を示す検索情報をデータ検
索手段50に伝達する。データ検索手段50は、この検
索情報に基づいて、設計部品データ領域11内のデータ
ベースから条件に該当する部品を検索する。該当する部
品データが検索されたら、要素抽出手段20によって、
その部品データの中から必要な要素データが抽出され、
抽出された要素データは書式変換手段60に与えられ
る。書式変換手段60内には、LSI設計手段65に関
する書式情報が用意されており、抽出された要素データ
は、LSI設計手段65に適合する書式に変換されてか
らLSI設計手段65に提供される。こうして、LSI
設計手段65は、必要なデータを所定の書式で得ること
ができる。また、このような必要なデータを複数集めて
専用のデータライブラリ67を構成することもできる。
【0030】LSI設計手段65として複数のCADツ
ールを用意した場合には、書式変換手段60内に各CA
Dツールに関する書式情報を用意しておき、各CADツ
ールに適合した書式に変換を行うようにすればよい。た
とえば、要素抽出手段20によって、図6に示すような
マスクパターンのデータが要素データとして抽出され、
このデータが書式変換手段60に与えられたとする。こ
の場合、あるCADツールは図6に示すデータのすべて
を必要とするかもしれないが、別なCADツールでは、
図7に示すように、入出力端子の位置および名称だけを
必要とするかもしれない。また、同じ内容のデータであ
っても、各CADツールによってデータ構造も異なる。
書式変換手段60は、このような場合に、各CADツー
ルに適合した書式にデータを変換した上、これを供給す
る処理を行う。このように、設計部品データ領域11内
のデータベースは、各CADツールに全く依存すること
なく、共通の書式で一元管理しておき、書式変換手段6
0によって各CADツールに適合した書式に変換してデ
ータ供給が行われる。また、新たなCADツールが加わ
ったような場合でも、この新たなCADツールに関する
書式情報を書式変換手段60内に付加するだけで、新た
なCADツールについてのデータライブラリの提供が可
能になる。
【0031】また、この装置によれば、データ検索手段
50は、プロセスデータ領域12内のプロセスデータを
利用したデータ検索を行うことも可能である。たとえ
ば、ユーザーが、LSI設計手段65を使って論理設計
を行っており、種々の論理ゲートを部品として使った設
計を行う場合を考える。ここでは、説明の便宜上、図5
のモデルの各部品データA〜Dが、いずれも複数の部品
データからなる部品データ群を構成しているものとして
説明する。たとえば、部品データA−1の要素a3−1
を用いて部品データC−1が合成され、部品データA−
2の要素a3−2を用いて部品データC−2が合成され
ている。ここで、ユーザーが、部品データ群Cの中か
ら、ある特定の消費電力をもった論理ゲートを選んで使
いたいという要望をもったとする。この場合、仮に要素
a3−1,a3−2,…がそれぞれ「消費電力」を示す
要素であるとすれば、各部品データC−1,C−2,…
について、それぞれプロセスP3−1,P3−2,…を
参照することにより、要素a3−1,a3−2,…を得
ることができる。そこでこれら要素a3−1,a3−2
…の中から、所望の消費電力に対応するものを検索すれ
ばよい。たとえば、要素a3−2が所望の消費電力に対
応していれば、部品データ群Cの中から部品データC−
2を選べばよいことになる。前述したように、設計部品
データ領域11内の各部品は、他の部品の要素を複雑に
絡み合わせて生成されたものであり、その生成プロセス
は、プロセスデータ領域12内にプロセスデータとして
記録されている。したがって、このプロセスデータを参
照すれば、ある特定の「消費電力」をもった部品を容易
に検索することが可能である。このように、ユーザーが
所定の条件(たとえば「消費電力」)を検索情報として
入力すれば、データ検索手段50が、プロセスデータ領
域12内のプロセスデータを参照してこの条件に合致し
た最適な部品を選択できる点が、この装置の重要な特徴
である。この機能を利用すれば、たとえば「低消費電力
型」の部品のみを集めたライブラリや、「高速動作型」
の部品のみを集めたライブラリなど、ユーザーの設計目
的に合致した部品からなる専用のライブラリを構築する
ことができ、この専用のライブラリを利用して最適設計
を行うことが可能になる。
【0032】この最適部品を選択する機能を利用したL
SI設計の具体例を以下に示す。ここでは、LSI設計
手段65として、自動配置配線を行うCADツールを利
用した場合を例にとって説明を行う。この自動配置配線
は、論理設計を行う別なCADツールにおける設計結果
(論理接続情報)に基づいて、自動的にレイアウト設計
を行う処理である。たとえば、図8には、3つの部品
J,K,Lについて自動配置配線を行った結果を示す。
ここで、部品Kは2入力NANDゲートであるものとす
る。従来のLSI設計では、各CADツールごとにそれ
ぞれ別個のライブラリを用意していたが、この従来のラ
イブラリには、通常、1つの機能をもった論理素子につ
いては1つの部品のみが用意されているだけである。し
たがって、この従来のCADツール用のライブラリにお
いて、2入力NANDゲートという部品は部品Kのみし
か用意されていない。この部品Kを部品として利用する
限りは、図8に示すように、部品JとKとの間隔dをこ
れ以上短くすることはできない。ところが、実際には、
2入力NANDゲートという同じ機能をもった部品は、
半導体メーカー側においていくつか用意されているのが
普通である。すなわち、「2入力NANDゲート」とい
う部品は、いずれも機能的要素は同一であるが、特性的
要素(動作速度、消費電力など)や構造的要素(大き
さ、形状、入出力端子の位置など)によって様々なバリ
エーションが存在し、設計部品データ領域11内には、
複数の「2入力NANDゲート」が部品として用意され
ていることになる。これら複数の部品は、機能的要素が
同一であるという共通点をもつため、通常は、1つの部
品から派生して作られた部品である(たとえば、図5に
示すようなプロセス参照)。そして、この派生のプロセ
スは、プロセスデータ領域12内にプロセスデータとし
て保存されている。したがって、データ検索手段50
は、このプロセスデータ領域12内のプロセスデータを
参照することにより、条件に合った部品を検索する処理
を行うことができる。たとえば、上述の例の場合、「2
入力NANDゲート」という機能的要素を有し、所定の
特性的要素(所定の動作速度、所定の消費電力)を有
し、構造的要素が異なるいくつかの部品を検索する処理
を行えば、図9に示すように、入出力端子位置(構造的
要素)が異なる部品K1,K2,K3を検索することが
できる。図8では、部品K1(部品Kと同じ)を用いて
いたために、部品JとKとの間隔dが必要になっていた
が、部品K1の代わりに部品K2を用いれば、図10に
示すように、間隔dを0にすることが可能になることが
わかる。ユーザーは、図9に示すような検索結果をディ
スプレイ装置90に表示させれば、上述のように、より
最適な部品選択を行うことができる。こうして部品の選
択をやりなおしてから、再度、自動配置配線の処理を実
行すれば、図10に示すような最適な結果が得られるこ
とになる。
【0033】要するに、半導体メーカー側が用意してい
るすべての部品についてのデータが保存されている設計
部品データ領域11内のデータベースを、ユーザー側に
開放するようにしたため、ユーザーはその中から最適な
部品を選択し、最適なLSI設計を行うことが可能にな
る。
【0034】§6 データシートの出力機能 この装置のもうひとつの特徴は、特定の部品についてユ
ーザーが必要とする情報を、データシートという形で出
力することができる点である。たとえば、ユーザーが特
定のASIC設計を行う場合を考える。この場合、ユー
ザーは、設計に用いる部品について、種々の情報を得た
いと考えるであろう。従来は、半導体メーカーから配布
されたデータブックの中から必要な情報を探し出すとい
う作業を行っていたが、本発明の装置によれば、次のよ
うな操作により、必要な情報を掲載したデータシートを
容易に得ることができるようになる。
【0035】まず、ユーザーは、入力手段80から、要
素抽出手段20に対して要素指定情報を与える。これ
は、どの部品のどの要素を必要としているかを特定する
ための情報である。たとえば、図4に示すレイアウト設
計部品データDについて、大きさや形状、あるいは入出
力端子の位置および名称といった構造的要素d3に関す
る情報が必要であれば、「部品データDの構造的要素d
3が必要である」という指示を入力してやればよい。要
素抽出手段20は、この指示を受け、設計部品データ領
域11内の部品データDから、構造的要素d3を抽出す
る処理を行う。ここでは、たとえば、図6に示すような
マスクパターンデータが構造的要素データd3として抽
出されたものとする。
【0036】こうして抽出された要素データd3は、シ
ート情報作成手段70に送られ、ここでデータの編集作
業が行われる。ここで行われる編集作業は、大別して2
とおりの作業となる。第1の作業は、抽出した要素デー
タ自身に対する編集作業である。これは、抽出した要素
データの中から、ユーザーが必要としているデータのみ
を選別して取り出す作業である。たとえば、図6のよう
なマスクパターンデータについて、入出力端子の位置お
よび名称だけが必要である場合、ユーザーは入力手段8
0を介して、シート情報作成手段70に要素編集情報と
してその旨を指示する情報を与えればよい。シート情報
作成手段70は、この要素編集情報に基づいて、抽出し
た要素データの中からユーザーが必要としているデータ
のみを選別する。具体的には、図6に示すようなマスク
パターンデータから、入出力端子の位置および名称に関
連するデータのみを抽出し、図7に示すようなデータを
得る。このような編集作業は、マスクパターンデータか
ら所定のレイヤーの情報のみを抽出する図形演算を行え
ばよい。このシート情報作成手段70で行われる第2の
作業は、要素データの出力を所定の形式に整える編集作
業である。ユーザーは、どの位置にどのデータをどのよ
うな形式(たとえば、単位をどうするか、グラフの形式
にするか表の形式にするかといった態様)で出力させる
かを示す書式設定情報を、入力手段80を介してシート
情報作成手段70に与えればよい。
【0037】こうして、シート情報作成手段70におけ
る編集作業が完了すると、編集後のデータはシート情報
としてシート出力手段75に与えられる。シート出力手
段75は、この実施例の装置ではプリンタによって構成
されているが、ディスプレイ装置90に出力するように
してもよいし、磁気ディスク装置や磁気テープ装置など
に出力するようにしてもよい。
【0038】プリンタで出力を行った結果得られるデー
タシートの一例を、図11に示す。このデータシートの
領域には、図7に示すマスクパターンデータ(入出力
端子の位置および名称に関する部分のみ)が出力されて
いる。また、領域には、この部品の素子の種類を示す
シンボルが出力され、領域には、この素子の真理値表
が出力されている。このシンボルや真理値表は、部品デ
ータDから機能的要素d1を抽出することにより得られ
る。また、領域およびには、この素子の特性値情報
(遅延時間Tと付加容量Cとの関係)が出力されてい
る。この特性値情報は、部品データDから特性的要素d
2を抽出することにより得られる。なお、この特性値情
報は、領域ではグラフの形式で出力され、領域では
表の形式で出力されているが、このような出力形式は、
書式設定情報としてシート情報作成手段70に与えれば
よい。
【0039】このように、本装置を用いれば、設計部品
データ領域11内に用意されたデータベースに蓄積され
ている任意の情報を、任意の形式でデータシートとして
出力させることができる。また、プロセスデータ領域1
2内のプロセスデータを利用することにより、1つの部
品データに関連のある別な部品データを検索し、検索し
た部品データについてのデータシートを出力させるよう
な処理も可能になる。たとえば、図5に示すように、部
品データAに対してプロセスP1を実行することにより
要素a3が得られ、部品データBに対してプロセスP2
を実行することにより要素b3が得られ、更に、要素a
3と要素b3とを用いてプロセスP3を実行することに
より部品データCが合成できるというプロセスデータを
利用すれば、部品データAに関連するデータとして部品
データCを検索することができる。このような検索機能
は、多数の部品の中から実際に利用する部品を選択する
作業を行うときに便利である。たとえば、ある部品Xを
用いようとして、この部品Xの特性的要素(たとえば、
遅延時間)をデータシートとして出力させた結果、より
遅延時間の短い別な部品を用いる必要があることが判明
したとする。このような場合、部品Xの機能的要素を用
いて生成されている別な部品Y,Zを、プロセスデータ
領域12内のプロセスデータを利用して検索すればよ
い。部品X,Y,Zは、同じ機能的要素に基づいて生成
された部品であるため、論理機能は等価である。そこ
で、検索した部品Y,Zについての特性的要素(遅延時
間)をデータシートとして出力させれば、最も適当な部
品を容易に選択することができる。
【0040】§7 本装置を用いたLSI設計手順 最後に、本装置を用いたLSI設計手順を図12に示す
流れ図に基づいて説明する。ユーザーは、まず、ステッ
プS1において、データライブラリの作成を行う。すな
わち、§5で述べたように、設計部品データ領域11内
から所望の部品データを選択し、データライブラリ67
を構築する。続いて、ステップS2において、このデー
タライブラリ67に用意された部品を用いて、LSI設
計を行う。たとえば、LSI設計手段65として、レイ
アウト設計を行うCADツールを用いれば、設計結果と
してレイアウトパターンが得られ、これが設計結果記憶
手段66内に保存される。そして、次のステップS3に
おいて、この設計結果をディスプレイ装置90に表示さ
せ、ステップS4において、不適切箇所の有無を判断す
る。ディスプレイ装置90に表示されたレイアウトパタ
ーンに不適切箇所が存在すると判断した場合には、ステ
ップS5において、その不適切箇所についての部品を再
選択する作業を行う。たとえば、図8に示すようなレイ
アウトパターンが得られた場合には、部品Kが不適切で
あると判断することができ、部品Kの代わりに部品K2
が選択される。そして、再びステップS1へ戻り、再選
択された部品K2に基づいて、データライブラリ67の
内容を更新する。具体的には、データライブラリ67の
中の部品Kを部品K2に置換する更新を行ってもよい
し、部品Kに更に部品K2を追加する更新を行ってもよ
い。こうして、続くステップS2では、更新されたデー
タライブラリ67を用いて、再度LSI設計が行われ
る。その結果、今回は図10に示すようなレイアウトパ
ターンが得られる。
【0041】このように、本装置を用いれば、データラ
イブラリを逐次更新しながら、LSI設計を繰り返し実
行することができ、設計結果に不適切箇所がなくなるま
でこれを繰り返すことができる。こうして、ユーザーに
適した効率の良い設計が可能になると同時に、ユーザー
に適したデータライブラリ67を構築することができ
る。別言すれば、ユーザーは自分自身のためのデータラ
イブラリをカスタマイズすることが可能になる。
【0042】以上、本発明を簡単な実施例について説明
したが、本発明はこの実施例のみに限定されるものでは
なく、この他種々の態様で実施可能である。たとえば、
図1に示す各手段は、単一のコンピュータによって構成
してもよいし、複数のコンピュータによって構成しても
よい。また、一部分を半導体メーカー側に設置し、別な
一部分を複数のユーザー側に設置し、両者間を通信回線
を介して接続するような構成にしてもよい。また、要素
抽出手段20で抽出した要素自身を、1つの部品データ
として、設計部品データ領域11に記憶させることも可
能である。
【0043】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に係るLSI設計
装置によれば、要素抽出手段および部品合成手段を用い
て部品データを生成し、これをデータベースとして保存
するとともにこの部品データの生成プロセスをも保存し
ておき、ユーザーにこのデータベースおよび生成プロセ
スを開放して柔軟な部品選択ができるようにし、更に、
データベースに基づいてデータシートを出力させるよう
にしたため、設計目的に応じた最適な部品を柔軟に選択
した最適な設計を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るLSI設計装置の基本構成を示す
ブロック図である。
【図2】一般的なLSI設計作業の各段階を示す図であ
る。
【図3】一般的なLSI設計部品データの具体例を示す
図である。
【図4】LSI設計部品データについての要素抽出処理
および部品合成処理の一例を示す図である。
【図5】LSI設計部品データの相互関連を説明する簡
単なモデルを示す図である。
【図6】図1に示す装置において抽出されたマスクパタ
ーンデータの一例を示す図である。
【図7】図6に示すマスクパターンデータの書式を変換
した例を示す図である。
【図8】図1に示す装置によって設計したマスクパター
ンの一例を示す図である。
【図9】図1に示す装置において用意されている2入力
NANDゲートのバリエーションを示す図である。
【図10】図1に示す装置によって、図8に示すマスク
パターンを再設計した例を示す図である。
【図11】図1に示す装置によって出力したデータシー
トの一例を示す図である。
【図12】図1に示す装置を用いたLSI設計手順を示
す流れ図である。
【符号の説明】
1…機能設計段階 2…論理設計段階 3…回路設計段階 4…レイアウト設計段階 10…設計部品記憶手段 11…設計部品データ領域 12…プロセスデータ領域 20…要素抽出手段 30…部品合成手段 40…表現変換手段 50…データ検索手段 60…書式変換手段 65…LSI設計手段(CADツール) 66…設計結果記憶手段 67…データライブラリ 70…シート情報作成手段 75…シート出力手段(プリンタ) 80…入力手段 90…ディスプレイ装置 A〜D…部品データ F1…ポリシリコン層 F2…拡散層 a1〜a3,b1〜b3,c1〜c2,d1〜d3…要
素 e…外部要素(デザインルール) I1〜I3…インバータ T1,T2…トランジスタ P1〜P6…処理プロセス/プロセスデータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 町谷 雄二 東京都新宿区市谷加賀町1丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−149851(JP,A) 特開 平3−77170(JP,A) 特開 平3−269767(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/82,27/118

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所望の部品データから、この部品データ
    よって示される部品の機能を示す機能的要素、電気的
    特性を示す特性的要素、構造を示す構造的要素なる各要
    素から選択される特定の要素を要素データとして抽出す
    る要素抽出手段と、 所望の部品データに関する前記各要素もしくは外部から
    入力された要素を合成することにより、新たな部品デー
    タを合成する部品合成手段と、 合成された部品データを記憶する設計部品データ記憶手
    段と、 前記要素抽出手段によって行われた抽出処理および前記
    部品合成手段によって行われた合成処理のプロセスを記
    憶するプロセスデータ記憶手段と、 前記設計部品データ記憶手段内に記憶されている部品デ
    ータを組み合わせることによりLSIの設計を行うLS
    I設計手段と、 前記LSI設計手段で用いるための部品データを、前記
    設計部品データ記憶手段内のデータの中から検索するデ
    ータ検索手段と、 前記データ検索手段によって検索されたデータを、前記
    LSI設計手段の書式に適合するように変換する書式変
    換手段と、 前記要素抽出手段によって抽出された要素データを、所
    定の情報に基づいて編集することにより、部品の機能的
    要素、特性的要素、構造的要素をデータシート上に出力
    する形態で表現したシート情報を作成するシート情報作
    成手段と、 前記シート情報に基づいて、データシートを出力するシ
    ート出力手段と、 前記要素抽出手段、前記部品合成手段、前記データ検索
    手段、前記シート情報作成手段に対して、データもしく
    は指示を入力するための入力手段と、 設計者に対して必要な情報を表示するためのディスプレ
    イ装置と、 を備えることを特徴とするLSI設計装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の装置において、機能設計部品データ、論理設計部品データ、回路設計部
    品データ、レイアウト設計部品データのいずれかのデー
    タ形式で表現された所望の部品データについて、当該所
    望の部品データによって示される部品の機能を示す機能
    的要素、電気的特性を示す特性的要素、もしくは構造を
    示す構造的要素を、前記所望の部品デー タのもつデータ
    形式とは異なるデータ形式による表現に変換することに
    より 別な要素を生成する表現変換手段を更に設け、この
    表現変換手段による表現変換処理のプロセスをプロセス
    データ記憶手段に記憶させるようにしたことを特徴とす
    るLSI設計装置。
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