JP3145462B2 - 刺繍データ作成装置 - Google Patents

刺繍データ作成装置

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JP3145462B2
JP3145462B2 JP02407092A JP2407092A JP3145462B2 JP 3145462 B2 JP3145462 B2 JP 3145462B2 JP 02407092 A JP02407092 A JP 02407092A JP 2407092 A JP2407092 A JP 2407092A JP 3145462 B2 JP3145462 B2 JP 3145462B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、所定の基準方向に沿っ
た部分を有する縫目により刺繍模様を形成するための刺
繍データとして、少なくとも、前記基準方向により方向
が定まる複数の線分同士を一本に連続させた線分群とし
て表される縫目形成経路に関する情報、を含んだ刺繍デ
ータを作成する刺繍データ作成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、図24(A)に示す様に、
「E」の文字からなる刺繍模様を形成する場合、基準線
dir100 に沿って、縫目形成の開始点sp100 から終
了点ep100 まで、ジグザグ縫目を連続して形成してい
く場合、輪郭形状だけから刺繍していくと図示領域AR
101 ,AR102 ,AR103 ,AR104 が縫い残しとなっ
てしまう。そこで、従来、図24(B)に示す様に、全
体の輪郭形状を複数に分割したブロックBLK101 ,B
LK102 ,BLK103 ,BLK104 ,BLK105 をそれ
ぞれ一つの縫目形成単位とし、各ブロックの縫目開始点
sp101 (=sp100),sp102 ,sp103 ,sp104
,sp105 及び縫目形成順BLK101 →BLK102 →
BLK103 →BLK104 →BLK105 を決めて、全体で
連続した一本の縫目形成経路SR100 を決定していた。
この際、先に縫目を形成したブロック内を縫い糸が渡っ
てしまったり、縫い残しが生じてしまうことのないよう
に、ブロック分割と縫目形成順を決めてやる必要があっ
た。このため、従来は、輪郭形状だけではなく、これを
分割したブロックの形状を予め特定しておくことが必要
であった。
【0003】このブロックの形状は、作業者が一々図面
を描き、座標を読み取って決定していた。この際、縫い
残しが発生しない様に分割条件を考え、さらに、ブロッ
ク同士を連絡する縫い糸が既に縫い目を形成し終えたブ
ロックに掛からない様に考慮することが必要であり、こ
れらも図面上で一々検討されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このため、刺繍模様の
輪郭形状が複雑になると、どこでブロック分割をするか
や、縫目形成順をどうするかを決定するのに職人的経験
が要求され、熟練者でなければ趣味性に富んだ複雑な形
状の模様を刺繍データ化することができないという問題
があった。
【0005】また、熟練者といえども、手作業でこうし
たブロックや縫目形成順を決定しなければならないた
め、多くの時間と人手を要し、作業効率が極めて低かっ
た。このため、新規な刺繍模様を創作したり、従来の刺
繍模様を改良・変更したりする場合に、刺繍データを迅
速に得ることができず、日々変化する流行にマッチした
刺繍模様を創作する上で不利・不便を強いられるという
問題があった。
【0006】そこで、刺繍模様の輪郭形状さえ決定でき
たら、後は自動的にデータ作成を行うことができ、熟練
者でなくても新規な刺繍模様についての刺繍データを簡
単に作成することのできる刺繍データ作成装置の提供を
目的として本発明を完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】かかる目的を達
成すべく完成された本発明の刺繍データ作成装置は、
の前提として、図1に例示する様に、所定の基準方向に
沿った部分を有する縫目により刺繍模様を形成するため
の刺繍データとして、少なくとも、前記基準方向により
方向が定まる複数の線分同士を一本に連続させた線分群
として表される縫目形成経路に関する情報、を含んだ刺
繍データを作成する刺繍データ作成装置であって、前記
刺繍模様の輪郭を特定する輪郭特定手段M1と、前記基
準方向を特定する基準方向特定手段M2と、前記特定さ
れた輪郭の輪郭線上から所定の特徴点を抽出する特徴点
抽出手段M3と、該抽出した特徴点及び前記特定された
基準方向に基づいて、前記輪郭により囲まれた閉領域を
複数の分割領域に分割する閉領域分割手段M4と、該分
割領域、前記輪郭及び前記基準方向に基づいて、閉領域
の全体に渡る縫目形成経路を決定する縫目形成経路決定
手段M5とを備えている。
【0008】本発明の刺繍データ作成装置によれば、閉
領域分割手段M4が、輪郭特定手段M1が特定した輪郭
に囲まれる閉領域を複数の分割領域に分割する。この
際、閉領域分割手段M4は、特徴点抽出手段M3によっ
て抽出された輪郭線上の所定の特徴点及び基準方向付与
手段M2により特定された基準方向を考慮して閉領域の
分割を行う。縫目形成経路決定手段M5は、こうして得
られた分割領域、特定された輪郭及び基準方向に基づい
て、閉領域の全体に渡る縫目形成経路を決定する。
【0009】従来は分割領域(ブロック)の組合せとし
て刺繍模様を構成する発想に基づいていたため、ブロッ
クの座標を求めて予め特定しておくことが必要であった
が、本発明では、基本はあくまでも刺繍模様の輪郭であ
って、輪郭で定まる閉領域を分割する手段M4を備え、
縫目形成経路の決定に当たってもこの輪郭を考慮する構
成を採用したから、装置に与えるべき情報は、輪郭を特
定するための情報と基準方向を特定するための情報で十
分となった。この結果、未熟練者であっても迅速かつ簡
単に正しい刺繍データを作成することができ、流行にマ
ッチした刺繍模様を創作するのに極めて便利となった。
【0010】ここで、一つの特徴的構成要素である前記
特徴点抽出手段M3は、例えば、前記輪郭線の連続状態
に基づいて前記特徴点を抽出することとできる。即ち、
特徴点は、輪郭線が折れ曲がる箇所あるいは折れ曲がる
箇所の内の特定の箇所など、として抽出すると、幾何学
的な図形を考慮する上で便利である。これは角のある形
状の例であるが、曲線的形状における変曲点なども輪郭
線の連続状態で特定できるから、これを特徴点として抽
出する構成であってもよい。なお、本発明としては、何
等かの形で特徴点を抽出できればよいので、特徴点につ
いてはそれを作業者が入力する構成としてもよい。特徴
点は、この様に、図形の角などであるから、輪郭形状を
決定した際に簡単に抽出できる。
【0011】また、前記閉領域分割手段M4は、前記輪
郭線の連続状態に基づいて前記閉領域の凹凸に関する状
態を認識し、該凹凸に関する状態を加味して前記分割領
域を決定することとするとなおよい。分割領域の決定に
当たって閉領域の凹凸形状を加味することで、必要最小
限の分割数とするなどの態様にて縫目形成経路を決定す
ることができる。なお、分割領域の決定においては、連
続して縫目を形成する場合に縫い残しや重ね縫い等の不
具合が発生しない限り必要最小限の分割数とすることに
こだわる必要はない。
【0012】さらに、前記縫目形成経路が、各分割領域
における縫目形成経路と、該縫目形成経路同士を連結す
る連結路とからなり、前記縫目形成経路決定手段M5
は、図2に例示する様に、前記連結経路を縫目形成順に
関する所定の条件に従って決定する連結経路決定部M6
をも備えることとしてもよい。この様に構成すること
で、刺繍模様全体の一本の連続した縫目形成経路を、各
分割領域内の縫目形成経路と連結経路とに分解して決定
できるので簡単である。
【0013】この様に縫目形成経路全体を各分割領域内
のものとそれらの連結経路とに分けて決定する場合、前
記連結経路決定部M6は、前記輪郭線の連続状態に基づ
いて認識される前記閉領域の凹凸に関する状態を加味し
て前記連結経路を決定することとするとよい。また、前
記連結経路決定部M6は、各連結経路が、当該連結経路
よりも連続の始点側にある縫目形成経路に対して重複又
は交差をしないことを前記所定の条件とすることとする
とよい。この様にすることで、既に形成した縫目の上を
連結経路が渡ってしまうことがなく、刺繍模様の見た目
が損なわれることがない。
【0014】また、本発明の刺繍データ作成装置は、上
述した構成のものにおいて、前記閉領域分割手段M5
は、前記輪郭線の連続状態に基づいて前記閉領域の凹凸
に関する状態を認識し、前記基準方向に平行で凹の点を
通る直線と輪郭線との所定の交点を求め、縫目形成経路
の終点を出発点として検討し、前記輪郭線上に前記交
点,凸の点,凹の点の順番に連続し、かつ間に他の交
点,凸の点,凹の点を有しない部分を抽出することで前
記分割領域を決定することとしている。さらに、この
繍データ作成装置において、前記閉領域分割手段は、さ
らに、一つの分割領域を決定した後に、次の分割領域を
決定するに当たっては、既に決定された分割領域内の交
点,凸の点,凹の点は無視することとすることもでき
る。これらの構成によれば、縫目形成順番まで自動的に
定めることができる。
【0015】これら各構成の装置において、前記連結経
路決定部M6は、各連結経路として複数の候補がある場
合に長さが最短となる候補を選択することとすれば、縫
い糸の節約をも図ることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を適用した一実施例について、
図面に基づき説明する。実施例の刺繍データ作成装置1
は、図3に示す様に、刺繍模様の外形形状を入力するた
めのデジタイザ3と、数値等を入力するキーボード5
と、これらデジタイザ3及びキーボード5と接続された
演算処理装置7と、演算処理装置7と接続され、フロッ
ピディスク9に対し、記憶された情報の読み出しと演算
処理装置7による演算処理結果等の書き込みとを行うフ
ロッピディスクドライバ11と、演算処理装置7による
演算処理結果に基づいた表示を行うディスプレイ13と
を備えている。演算処理装置7は、CPU15,ROM
17,RAM19等とI/Oポート21とを備えたコン
ピュータである。ROM17内には、後述する制御処理
プログラムが記憶されている。
【0017】演算処理装置7は、デジタイザ3におい
て、刺繍模様の外形を創作した時点で、このデザイン画
23を描いた図面25をボード27上に載置し、各角部
23a,23b,…を始点23aから終点23zまで時
計周りに入力ペン29で指定することにより、デザイン
画23に表された形状を特定する各座標データ及びこれ
ら座標データ相互のつながり順番をデータとしてRAM
19へ記憶していく。単に座標点を記憶するだけではな
く、座標点の入力順番により輪郭線の連続に関する情報
も併せて記憶するのである。また、デジタイザ3又はキ
ーボード5から、デザイン画23に表された図形内をど
の方向に沿った縫目により埋めて刺繍模様を構成するか
の情報を入力する。この縫目が沿うべき方向を基準方向
dirとよぶ。こうして入力された輪郭線を特定する情
報及び基準方向dirに基づいて、以下の演算処理が実
行され、刺繍データが作成される。
【0018】以下、図4の上側に示した複雑な輪郭形状
の刺繍模様DSGN及び基準方向dirを入力情報とし
た場合の演算処理装置7による刺繍データ、特に縫目形
成経路、を求める処理について説明する。前提として、
デジタイザ3による入力においては、点p1 ,p2 ,
…,p26の順番に刺繍模様DSGNの輪郭形状が特定さ
れたとする(以下点p1 ,p2 ,…,p26を総合して点
列pという)。
【0019】また、ディスプレイ13に表示された入力
点列pを参照しつつデジタイザ3を用いて、これらの点
列pの中から、20番目の入力点p20を刺繍経路の始点
としての意味を有する「I点」に、9番目の入力点p9
を刺繍経路の終点としての意味を有する「O点」に指定
した。なお、基準方向dirは、そのx方向増分xdir
及びy方向増分ydir の数値をキーボード5から入力す
ることにより特定した。
【0020】ここまでの入力・指定が完了すると、演算
処理装置7は、図5に示す座標変換処理を実行する。こ
の処理では、まず基準方向dirとx軸とのなす角度θ
を下記(1)式より求め(ステップS1)、原点oから
点列pの重心cへのベクトルVocを下記(2)式より求
める(ステップS2)。なお、以下の式におけるmは、
図4の例では「m=26」として計算する。
【0021】
【数1】
【0022】次に、(3)式をn=1からn=m(=2
6)まで繰り返し演算し、点列pを角度「−θ」だけ回
転した点列sを構成する点sn を、原点oからのベクト
ルVosn として算出する(ステップS3)。
【0023】
【数2】
【0024】次に、n=1〜mの各ベクトルVosn のx
成分同士を比較したときの最大値を有する点smaxxと最
小値を有する点sminx及び、n=1〜mの各ベクトルV
osnのy成分同士を比較したときの最大値を有する点sm
axyと最小値を有する点sminyをそれぞれ求める(ステ
ップS4)。ここまでの処理を図により表すと、ちょう
ど図4の下側の状態になる。なお、図示の例では、x成
分最大点smaxxとy成分最小点sminyとが同一の点とな
っている。
【0025】この図4の下側の状態に至ったら、y成分
最小点sminyをQ点とし、その前の点s12をP点とし、
後の点s14をN点としたとき、下記(4)式の値が正と
なるか否かにより、最初の点列pの入力が正しく時計回
りになされたか否かを判断する(ステップS5)。
【0026】
【数3】
【0027】このステップS5により、「NO」、即
ち、(4)式が負となった場合には、最初の入力が反時
計回りになされていたと判断され、点列p=p1 ,p2
,…,p26の順番を逆転してステップS1以下の処理
を再度実行する(ステップS6)。
【0028】こうして、図5に示した処理が完了して
「−θ」変換後の点列sが求められたら、続いて図6の
処理ルーチンに移行する。このルーチンの処理は、点列
sのy成分最大点smaxyからその一つ前の点(図4の例
ではs2 )まで時計方向に見ていったときの連続状態に
基づいて、各点smaxy,s4 ,…,s2 のいずれが、基
準方向dirとの関係から見た特異点に該当するか否か
を決定し、かつその特異点の属性が如何なるものかを決
定する。ここにいう特異点とは、基準方向dirをx軸
にとった場合に、ある点から時計回りに次の点へ結んだ
線分のy増分が、「正から負」又は「負から正」へ変化
する点として定義される点である。従って、ここにいう
特異点は、さらに二つの異なる属性を有する特異点に分
けることができる。y増分が「負から正」へ変化する特
異点を属性Bの特異点(以下、B点ともいう)と定義
し、y増分が「正から負」へ変化する特異点を属性Cの
特異点(以下、C点ともいう)と定義する。即ち、基準
方向dirとの関係から定まる特異点の内、点列sによ
り構成される閉図形について見たとき、内部へ向かって
没入する頂点をB点、外部へ向かって突出する頂点をC
点として定義する。
【0029】具体的な処理を説明する。検討対象となる
点(以下、点sn 又はQ点という)として、最初にy成
分最大点smaxyを選定し(ステップS11)、Q点の一
つ前の点(以下、点sn-1 又はP点という)と、Q点の
一つ後の点(以下、点sn+1又はN点という)とを特定
する(ステップS12)。続いて、P点からQ点への方
向ベクトルVPQのy成分を算出し、これを第1評価値
k1とする(ステップS13)。第1評価値K1が値
「0」の場合にはステップS12で特定したP点を、点
sn-1 のもう一つ前の点sn-2 に変更し(ステップS1
4,S15)、ステップS13の処理に戻る。
【0030】一方、ステップS14が「NO」となった
場合には、Q点からN点への方向ベクトルVQNのy成
分を算出し、これを第2評価値k2とする(ステップS
16)。第2評価値K2が値「0」の場合には、現在選
定しているQ点はB点にもC点にもなり得ないから、以
下の処理をパスしてステップS24へ進む(ステップS
17)。
【0031】これに対し、ステップS17の判定が「N
O」となった場合には、第1評価値K1と第2評価値K
2の符号を比較する(ステップS18)。符号が同一な
らば、現在選定しているQ点はB点にもC点にもなり得
ないから、以下の処理をパスしてステップS24へ進
む。
【0032】一方、第1評価値K1と第2評価値K2の
符号が異なる場合には、方向ベクトルVQPのx成分を
方向ベクトルVQPの大きさで割ったもの、即ち単位方
向ベクトル△VQPのx成分△VQPxと、方向ベクト
ルVQNのx成分を方向ベクトルVQNの大きさで割っ
たもの、即ち単位方向ベクトル△VQNのx成分△VQ
Nxとを求め、前者△VQPxから後者△VQNxを減
算して第3評価値uを算出する(ステップS19)。こ
の第3評価値uが値「0」の場合には、選定したQ点は
B点にもC点にもなり得ないから、以下の処理をパスし
てステップS24へ進む(ステップS20)。
【0033】これに対し、ステップS20の判定が「N
O」となった場合には、第3評価値uと第1評価値K1
の符号を比較する(ステップS21)。第3評価値uと
第1評価値K1の符号が同一ならば、選定したQ点は特
異点であり、その属性はB点であるということをRAM
19に記憶する(ステップS22)。一方、第3評価値
uと第1評価値K1の符号が異なる場合には、選定した
Q点は特異点であり、その属性はC点であるということ
をRAM19に記憶する(ステップS23)。そして、
ステップS22又はS23の処理の後に、Q点として点
列s内の全ての点のそれぞれが選択され終えたか否かを
判定し(ステップS24)、未だ選定し終えていない点
がある場合には、N点をQ点としてステップS12以下
の処理を繰り返す(ステップS25)。
【0034】上記処理における特異点の属性判定の条件
を表で表すと以下の様になる。
【0035】
【表1】
【0036】こうして、点列sの全ての点について特異
点か否か及び特異点である場合の属性はB点であるかC
点であるかをチェックした後に、図7に示す様に、この
属性(B点,C点)の情報を「−θ変換」前の点列pの
各対応点の属性として記憶する(ステップS31)。即
ち、図8に示す様に、点列s上においてその属性がB点
とされた点s5 ,s7 ,s10,s15,s19,s23の「−
θ変換」前の点のp5,p7 ,p10,p15,p19,p23
のそれぞれがB点(B1 ,B2 ,…,B6 )であること
が記憶され、点列s上においてその属性がC点とされた
点s3 ,s6 ,s9 ,s12,s13,s16,s21,s24の
「−θ変換」前の点p3 ,p6 ,p9 ,p12,p13,p
16,p21,p24のそれぞれがC点(C1 ,C2 ,…,C
8 )であることが記憶される。
【0037】続いて、同図に示す様に、各B点を通り、
基準方向dirに平行な線を引いたときの当該平行線と
閉図形との交点の中から、B点から基準方向と同じ方向
及び反対方向のそれぞれの線分の長さが最短である交点
(図示の各「△」の点;以下、T点という)を算出する
(ステップS32)。この結果、各B点B1 ,B2 ,…
に対して、それぞれ二つのT点(T1rとT1l),(T2r
とT2l),…が求められる。このT点は、B点,C点と
異なり、最初のデジタイザ入力では特定されなかった点
であって、本処理により生成される点であることを特徴
とする。なお、B点,C点同様に、基準方向dirとの
関係から定まることから、以下の説明において特異点と
いう場合には、このT点も含む。
【0038】次に、点列pにより決定される閉図形の輪
郭線上を第1入力点p1 から時計方向に、新たに生成さ
れたT点を含めてそれぞれの属性と共に番号割付をし直
す(ステップS33)。即ち、図9に示す様に、点pn
1 ,pn2 ,pc3 ,pn4,pb5 ,pc6 ,pt7
,…,pn38というT点を含む点列の情報が次の処理
用にRAM19内の所定領域に記憶される。ここで、p
nは無属性の点を、pbは属性Bの特異点を、pcは属
性Cの特異点を、ptは属性Tの特異点を意味する。T
点はその特定手法から明かな様にB点の個数の2倍の個
数となり、C点は幾何学図形の性質としてB点の個数よ
り2個多い個数となる。
【0039】こうして、新たに生成されたT点を含む3
8個の点について属性を含めた番号割付が完了すると、
今度は、刺繍を行う単位エリアを特定する処理を実行す
る。従来のブロック割りを自動的に実行するための処理
である。本処理は、図10に示す様に、まず、最初の入
力において刺繍経路の終点であるO点(番号再割付後の
点pc10)を検討開始点spとして選定すると共に(ス
テップS41)、時計方向CWに見たとき検討開始点s
pの一つ前の点(pc10に対してはpn9 )を検討終了
点epとして設定する(ステップS42)。次に、点s
pから点epへ至る点列中にT点が一つ以上あるか否か
を判定し(ステップS43)、一つ以上ある場合には検
討開始点spから時計方向(順方向)CWに見た場合に
最初に発見されるT点をエリア特定端点wとする(ステ
ップS44)。このエリア特定端点wは、以下のエリア
検討において単位エリアを特定するための基準点であ
り、最終的に特定された単位エリアを釣鐘状と見たとき
の底辺の左端となる点(L点)となる。
【0040】こうしてエリア特定端点w(順方向最初に
発見したT点)が特定できたら、当該エリア特定端点w
から、さらに順方向CWに検討終了点epに至るまでの
間に特異点がC点,B点の順番に連続しているか否かを
判定する(ステップS45)。即ち、順方向にT点→C
点→B点の順番に特異点が連続しているか否かを判定す
る。ここで、「T点→C点→B点の順番に特異点が連続
している」とは、「T点→(T点)→C点→B点」とか
「T点→(B点)→C点→B点」といった他の属性の点
(()でくくった点)を介装することなく「T点→C点
→B点」とのみ連続するものという意味である。
【0041】ステップS45にて「NO」と判定された
場合には、エリア特定端点wから反時計方向(逆方向)
CCWにO点に至るまでの間に特異点がさらにC点,B
点の順番に連続しているか否かを判定する(ステップS
46)。即ち、順方向CWがだめなら逆方向CCWにT
点→C点→B点の順番に特異点が連続しているか否かを
判定する。
【0042】順方向CW,逆方向CCW共に「NO」と
判定されたら、現在のエリア特定端点wを新たな検討開
始点spとしてステップS44以下の処理を繰り返す
(ステップS47)。なお、T点が一つ以上存在する限
り、図形の性質上必ずいつかはステップS45又はS4
6が「YES」となる。
【0043】ステップS45又はS46が「YES」と
なった場合には、当該T点,C点,B点及びそれらの間
の無属性点により囲まれる閉図形を単位エリアとして特
定し、T点をL点と、C点をM点(単位エリアを釣鐘状
と見たときの頂点にあたる点)と、B点をR点(単位エ
リアを釣鐘状と見たときの底辺右端にあたる点)と、そ
れぞれ命名すると共にその点番号をRAM19内の単位
エリア記憶領域の空き領域の先頭に記憶する(ステップ
S48)。そして、これら今回の処理で発見されたT
点,C点,B点及び、今回発見したT点と対になるT点
(例えば図8でいうT1rに対するT1l)の4つの特異点
の属性を無属性にし(ステップS49)、再びステップ
S41以下の処理を繰り返す。なお、この後のステップ
S41以下の処理においては、最初の点列pにより特定
される閉図形から、今回特定されたブロックのL点から
M点を経てR点へ至る部分がなくなった輪郭線について
検討を行う。
【0044】こうして処理を繰り返していく内に属性T
の点が全て無属性とされると、ステップS43が[YE
S」となる。このとき、自動的に属性Bの点も全て無属
性となっているが、属性Cの点は未だ2個残っている。
こうしてステップS43が「YES」となると、最後に
残った二つのC点を含む閉図形を最終エリアとして特定
し、単位エリア記憶領域に記憶する(ステップS5
0)。なお、本実施例では、最初の入力において刺繍経
路の終点を指定する場合に、このC点のいずれかをO点
として指定することとしている。デザインした閉図形の
尖った点の中からO点を指定するのである。従って、残
った二つのC点の内の一方が必ずO点となっている。そ
こで、このステップS50の処理においては、O点をブ
ロックのL点及びR点として、もう一つのC点をM点と
して記憶する。
【0045】以上の処理の進行状況を図11〜図14に
示す。なお、図中「●」印は無属性点を、「▼」印はB
点を、「▲」印はC点を、「■」印はT点を表す。まず
最初に、図11(A)に示す様に、検討開始点spとし
てO点(=pc10)を選び、点pn9 を検討終了点ep
として設定する。次に、同図(B)に示す様に、点sp
から順方向CWに見て最初に発見されるT点(pt11)
をエリア特定端点wとし、これを起点に順方向CWに
「T点→C点→B点」を満足するか否かを判定する。図
示の状態では直ちに「T点(点w)→T点(pt12)」
と発見されてしまうため、逆方向CCWも検討する。し
かし、直ちにO点が発見されてしまう。
【0046】そこで、今度は図11(C)に示す様に、
点w(pt11)を新たな点spとし、順方向CWに見て
最初に発見されるT点(pt12)をエリア特定端点wと
し、これを起点に順方向CWに「T点→C点→B点」を
満足するか否かを判定する。図示の状態では直ちに「T
点(点w)→B点(pb13)」と発見されてしまう。そ
こで、逆方向CCWについても検討するが、こちらも直
ちに「T点(点w)→T点(pt11)」と発見されてし
まう。このため、未だ単位エリアは特定できない。
【0047】続いて現在のエリア特定端点w(pt12)
を新たな点spとし、新たなエリア特定端点wとして点
pt14を特定し、順方向CW及び逆方向CCWに検討を
続ける。しかし、未だ条件を満たさないことから、さら
に図12(A)の様に、点pt14を検討開始点spとし
ての検討まで進んでいく。この状態では、点spから順
方向CWに見て最初に発見されるT点(pt17)をエリ
ア特定端点wとし、これを起点にさらに順方向CWに見
ると、ようやく「T点(点w=pt17)→C点(pc1
8)→B点(pb20)」の関係が発見される。従って、
ここへ来て最初の単位エリア(エリア1)を特定するこ
とができる。
【0048】こうしてエリア1が特定されると、図12
(B)に示す様に、エリア1内のT点(pt17),C点
(pc18),B点(pb20)が無属性の点pn17,pn
18,pn20に書き換えられると共に、エリア1内のT点
(pt17)と対になっていたT点(pt14)も無属性の
点pn14に書き換えられる。そして、pn17→pn18→
pn19→pn20と連なる部分が次回以降の検討対象から
除外される(図12(C))。
【0049】エリア1を特定したら、再びO点を検討開
始点spとして検討を繰り返す。すると、図13(A)
に示す様に、点pt12を検討開始点spとするところま
で進んだところで、点pt21をエリア特定端点wとして
逆方向CCWに「T点(点w=pt21)→C点(pc1
6)→B点(pb13)」が満足され、次の単位エリア
(エリア2)を特定することができる。
【0050】エリア2が特定されると、図13(B)に
示す様に、T点(pt21),C点(pc16),B点(p
b13)及びT点(pt24)が無属性の点pn21,pn1
6,pn13及びpn24に書き換えられ、エリア2を除外
した部分について検討が行われる。そして、今度は点p
t11を検討開始点sp,点pt12をエリア特定端点wと
したところで、順方向CWに「T点(pt12)→C点
(pc22)→B点(pb26)」が満足され、次の単位エ
リア(エリア3)を特定することができる。
【0051】エリア3が特定されると、図13(C)に
示す様に、T点(pt12),C点(pc22),B点(p
b26)及びT点(pt34)が無属性の点pn12,pn2
2,pn26及びpn34に書き換えられ、エリア3を除外
した部分について検討が行われる。そして、点pt11を
検討開始点sp,点pt27をエリア特定端点wとしたと
ころで、順方向CWに「T点(pt27)→C点(pc2
9)→B点(pb31)」によりエリア4が特定される。
【0052】以下、図14(A),(B)に示す様に、
エリア5(pt36→pc3 →pb5),エリア6(pt3
5→pc6 →pb8 )と順次特定され、最後に同図
(C)に示す様に、二つのC点(pc10,pc32)で特
定される輪郭線が残る。この二つのC点(pc10,pc
32)で特定されるエリアを最終エリア(エリア7)とす
る。
【0053】以上の処理の結果、RAM19内の単位エ
リア記憶領域には、図15に示す内容の情報が記憶され
たことになる。この様に、エリア1〜エリア7が特定さ
れた訳であるが、上述の処理は単にこのエリア分割をす
るだけでなく、その特定された順番に各エリアに刺繍縫
目を形成していくこととすれば、先に縫ったエリアを縫
糸が渡ってしまうといったことが生じないという縫目形
成順まで決定する処理を兼ねていた。これは、種々の図
形について上記手法によるエリア分割を試みて確認でき
た。
【0054】こうして、単位エリアと縫目形成順が決定
されると、今度は、各単位エリアを特定するL点,M
点,R点(以下、構造要素ともいう)をもとに、任意の
エリアの具体的な輪郭構造を決定する。ここで得られる
輪郭構造は、そのエリアの構造要素M点を底にもち、R
点,L点を上辺とするすりばち状を基本に考えている。
以下、M点からR点までをR輪郭とよび、M点からL点
までをL輪郭とよぶ。
【0055】輪郭構造決定処理においては、図16に示
す様に、まず、検討方向を順方向(時計方向)CWに設
定する(ステップS61)。続いて、検討しようとして
いる単位エリアのM点をQ点(着目点)とする(ステッ
プS62)。そして、最初に入力した点列pの輪郭
順方向CWにQ点を移動していき、移動中の各位置に関
する情報を一時記憶する追跡調査を実行する(ステップ
S63)。この追跡調査により、Q点がL点に到達した
ら(ステップS64)、当該L点は現在検討中の単位エ
リアのものであるか否かを判定する(ステップS6
5)。現在検討中の単位エリアのものであるならば、追
跡調査により一時記憶してきた移動中の各位置に関する
情報をL輪郭情報としてRAM19内のエリア記憶領域
の所定部に書き込む(ステップS66)。一方、他のエ
リアのL点であったならば、当該他のエリアのL点から
当該他のエリアのR点を結ぶ線上を追跡してから再び点
列p上を輪郭線に沿って設定された検討方向に追跡調査
していく(ステップS67)。
【0056】また、L点に至る前にR点に到達したら
(ステップS68)、当該R点は現在検討中の単位エリ
アのものであるか否かを判定する(ステップS69)。
現在検討中の単位エリアのものであるならば、追跡調査
により一時記憶してきた移動中の各位置に関する情報を
R輪郭情報としてRAM19内のエリア記憶領域の所定
部に書き込む(ステップS70)。一方、他のエリアの
R点であったならば、当該他のエリアのR点から当該他
のエリアのL点を結ぶ線上を追跡してから再び点列p上
を輪郭線に沿って設定された検討方向に追跡調査してい
く(ステップS71)。
【0057】ところで、ステップS66又はS70を実
行した場合には、次に、検討中の追跡方向は逆方向CC
Wであるか否かを判定し(ステップS72)、「NO」
ならば検討方向を逆方向CCWに設定してからステップ
S62以下の処理を繰り返す(ステップS73)。一
方、「YES」となっているならば当該エリアについて
の輪郭構造決定処理を終了する。
【0058】次に、求めた輪郭構造をもとに、エリア内
に縫目を形成するための縫目形成経路を決定する処理を
実行する。この処理は、図17,図18に示す様に、ま
ず、点列sについて求めたy成分最小点sminyに対応す
る点列p上の点を一つの端点(下端点)gとし、点列s
について求めたy成分最大点smaxnyに対応する点列p
上の点をもう一つの端点(上端点)kとする(ステップ
S81)。次に、下端点gを通り基準方向dirに垂直
な直線L1と、上端点kを通り基準方向dirと平行な
直線L2との交点hを求め(ステップS82)、下端点
gと交点hを結ぶ線分ghを求める(ステップS8
3)。次に、線分ghを下端点gから交点hへ向かって
縫目間隔ssp(刺繍模様中の平行な縫目同士の間隔で
あり、キーボード5から初期に入力されている)に基づ
いて分割した分割点Hn を求める(ステップS84)。
この結果、図19に示した様な状態となる。
【0059】また、検討中の単位エリアのM点から直線
L2までの垂直距離から、当該単位エリアのR点から直
線L2までの垂直距離を引いた差disを求める(ステ
ップS85)。なお、線分LRは直線L2と平行である
から、L点との直線距離により上記差disを求めても
よい。
【0060】次に、検討対象エリアのM点を通り、基準
方向dirと平行な直線と、線分ghとの交点jを求め
る(ステップS86)。次に、ステップS85で求めた
差disが正であるか負であるかを確認し(ステップS
87)、正ならば線分jh上の点の内、交点jに最も近
い分割点Hn の添字nを評価値zとし(ステップS8
8)、負であるならば線分gj上の点の内、交点jに最
も近い分割点Hn の添字nを評価値zとする(ステップ
S89)。
【0061】続いて、評価値zが奇数か偶数かを確認し
(ステップS90)、奇数であるならば、着目点(Q
点)からの縫い出し方向としてR輪郭方向を選定し(ス
テップS91)、偶数であるならばL輪郭方向を選定す
る(ステップS92)。なお、着目点は、最初はM点で
あり、処理に従って順次更新されていく点である。
【0062】そして、選定された縫い出し方向に対応す
る輪郭構造と、評価値zを特定した分割点Hz を通る基
準方向dirに平行な直線とが交わる点を縫目方向を変
更する点(方向変更点)tmpとする(ステップS9
3)。従って、ステップS90にて評価値zが奇数と判
定されたならばR輪郭上の点が、逆に偶数と判定された
ならばL輪郭上の点が方向変更点tmpとなる。なお、
この処理は後述の様に何度も繰り返され、R輪郭,L輪
郭いずれとも交点を形成しない場合も出て来るが、その
場合は方向変更点tmpを有すべき輪郭のM点ではない
方の端点(L点又はR点)を方向変更点tmpとする。
なお、最初のQ点(M点)と方向変更点tmpとは同一
輪郭上にある。また、以下の処理ステップを経て再び本
処理ステップに戻った場合にもその時点ではQ点と方向
変更点tmpとは同一輪郭上にある関係となる。
【0063】続いて、Q点がL点又はR点に至っていな
いことを確認しつつ(ステップS94)、点列pにより
定まる輪郭に沿ってQ点を方向変更点tmpまで移動し
ていき、移動中の各位置に関する情報を記憶する(ステ
ップS95,S96)。そして、Q点が方向変更点tm
pに到達した場合には、Q点は、当該方向変更点tmp
を通り、基準方向dirに平行な直線上を反対側の輪郭
に達するまで移動されつつ、当該移動中の各位置に関す
る情報を記憶していく(ステップS97,S98)。
【0064】こうしてQ点が反対側の輪郭に至ったら、
先に求めた差disが正であるか負であるかにより、評
価値zに「+1」又は「−1」を加算して更新し(ステ
ップS99〜ステップS101)、ステップS93へ戻
る。以上の処理を繰り返していくと、いずれはステップ
S94が「NO」となる。すると、今まで記憶してきた
位置情報をつないだエリア単位内の縫目形成経路(エリ
ア内縫目形成経路)を記憶し、本処理を終える(ステッ
プS102)。この際、当該エリアのM点を始点tpと
し、ステップS94の処理で「NO」と判定されること
となったL点又はR点を終点fpとして記憶する。
【0065】なお、エリア3についての演算例を図20
に示す。図示の様に、分割点H9 に基づいてR輪郭が選
択され、以後順次処理が進むことにより、始点tp3
(M点)から終点fp3 (L点)までの縫目形成経路が
求められる。こうしてエリア単位の縫目形成経路を完成
した後は、これらをエリア同士で結ぶ連結経路を求める
処理(図21,図22)を実行する。ここで、エリア同
士を結ぶ順番は、単位エリア決定処理の際に併せて求め
られている。
【0066】従って、以下の処理では、連結経路を最短
にすることを主な目的としている。なお、実施例では、
連結経路は単位エリアの輪郭線上のみを通ることを要件
とし、エリア内を横切らないものとの前提条件を付けて
ある。この処理では、まず、検討方向を順方向(時計方
向)CWとし(ステップS111)、連結しようとして
いる単位エリア同士の内の若い順位の方のエリア終点f
pn を着目点(Q点)とする(ステップS112)。ま
た、最小経路評価値dを「0」にリセットする(ステッ
プS113)。
【0067】そして、Q点がもう一方の単位エリアの始
点tpn+1 と一致しているか否かを確認する(ステップ
S114)。不一致の場合には、現在検討中の単位エリ
アの若い方を含み、全体としてそれよりも若いエリアの
L輪郭又はR輪郭に乗らないこと(縫い重ねがないこ
と)を確認しつつ(ステップS115)、検討方向に沿
って点列nにより定まる輪郭線上をQ点を微小距離△d
ずつ移動させ、移動中の各位置に関する情報を記憶する
と共に(ステップS116)、最小経路評価値dを更新
していく(ステップS117)。
【0068】この間、ステップS115の処理において
「YES」と判定された場合には、当該位置から、その
L輪郭又はR輪郭を有するエリアのL点とR点を結ぶ線
分上を反対側の輪郭構造までQ点を微小移動させつつス
テップS116,S117と同様の処理を実行していく
(ステップS118〜S120)。そして反対側の輪郭
構造まで達したら、再び検討方向に沿って輪郭上を微小
移動させ続ける。
【0069】この様にしていくと、いつかはステップS
114の判定が「YES」となる。すると、検討方向が
逆方向CCWであるか否かを判定し(ステップS12
1)、「NO」ならば、現時点での最小経路評価値dを
第1評価値d1として記憶し(ステップS122)、対
応する位置情報を連ねた経路を順方向連結経路として記
憶する(ステップS123)。そして、検討方向を逆方
向CCWに設定してからステップS112以下の処理を
繰り返す(ステップS124)。
【0070】一方、ステップS121の判定が「YE
S」となったならば、現時点での最小経路評価値dを第
2評価値d2として記憶し(ステップS125)、対応
する位置情報を連ねた経路を逆方向連結経路として記憶
する(ステップS126)。そして、第1,第2評価値
d1,d2の小さい方に対応する連結経路を最小連結経
路として記憶して本処理を終える(ステップS127〜
S129)。
【0071】なお、最初の入力において縫い始めるべき
点として指定したI点とエリア1との間でも本処理を実
行し、最短連結経路を求めておく。以上の各処理が完了
すると、図23に示す様に、今度は、I点からエリア1
への連結経路とエリア1の縫目形成経路の始点tp1 を
接続し(ステップS141)、最終エリアの縫目形成経
路の終点fp7 に至るまでの各縫目形成経路及びエリア
間の連結経路を接続して(ステップS142,S14
3)、最終エリアの縫目形成経路の終点fp7 であるO
点までの縫目形成経路を完成させ、この結果(完成経
路)をフロッピディスク9に書き込む(ステップS14
4)。
【0072】なお、縫目経路が完成した後で、さらに、
縫目の針落点情報を作成するため、I点からO点に至る
完成経路を分割する処理が行われる。上記ステップS1
44において完成経路を書き込む際に、この針落点情報
にまで処理を進めておいてもよいことはもちろんであ
る。
【0073】以上の様にして、作業者は単に形状輪郭線
を特定するための点列pと、基準方向dirと、縫目間
隔sspとを入力するだけで、自動的に単位エリアへ分
割し、単位エリア間の縫目形成順序を決定し、最終的な
一本の縫目形成経路が完成される。従って、従来熟練者
の手作業でしかできなかった刺繍データ作成作業を大幅
に簡便化することができる。
【0074】この結果、未熟練者であっても趣味性に富
んだ複雑な形状の模様を刺繍データ化することができ
る。また、新規な刺繍模様を創作したり、従来の刺繍模
様を改良・変更したりする場合に、刺繍データを迅速に
得ることができ、日々変化する流行にマッチした刺繍模
様を創作する上で極めて便利である。
【0075】以上本発明の一実施例について説明した
が、本発明は何等この実施例に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲の種々なる態様にて実施
することができる。例えば、実施例では専用の刺繍デー
タ作成装置を例に説明したが、これを内蔵した刺繍ミシ
ンとして完成しても構わない。その場合には、完成した
刺繍データをわざわざフロッピーディスクに書き込まな
くてもよい。
【0076】また、デジタイザによる形状入力を例に説
明したが、イメージスキャナにより形状を読み込んで外
形データ化する構成にしても構わない。さらに、作業の
進行状況をディスプレイに表示させつつ処理を行うよう
に構成しても構わない。一方、その都度の入力によりこ
れらを特定するのではなく、予め他の場所でこれらを入
力したフロッピーディスクを作成しておいて、その内容
を読み込むことで刺繍データ作成装置に情報を与える構
成としてもよい。
【0077】加えて、入力図形の拡大や縮小の機能をも
備えておいてもよいし、曲線の処理をも行う構成として
もよいことはもちろんである。また、縫目形成経路のジ
グザグ形状としては、実施例に限られるものではなく、
鋸歯状のジグザグ経路とするなど種々の対応を行うこと
ができる。さらに、フロッピーディスクではなくICカ
ードやNCテープに変更するなども、本発明の要旨には
何等影響を与えるものではない。
【0078】さらに、実施例では、1本の基準線に対し
て輪郭線内に1回だけ刺繍模様を形成する例を説明した
が、第1の基準線に沿って刺繍模様を形成した後、さら
にこれとは違う第2の基準線に沿った刺繍模様を重ねて
形成するシステムに適用してもよい。また、1本の基準
線のオフセット角度を自動的に変更しつつ複数回重ねて
刺繍模様を形成するシステムに適用することもできる。
【0079】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の刺繍データ
作成装置によれば、刺繍模様の輪郭形状さえ決定できた
ら、後は自動的にデータ作成を行うことができ、熟練者
でなくても新規な刺繍模様についての刺繍データを簡単
に作成することができる。この結果、未熟練者であって
も迅速かつ簡単に正しい刺繍データを作成することがで
き、流行にマッチした刺繍模様を創作するのに極めて便
利である。
【0080】また、分割領域の決定に当たって閉領域の
凹凸形状を加味することで、必要最小限の分割数とする
などの態様にて縫目形成経路を決定することができる。
さらに、請求項3,4記載の様に構成すれば、刺繍模様
全体の一本の連続した縫目形成経路を、各分割領域内の
縫目形成経路と連結経路とに分解して決定できるので簡
単である。
【0081】さらに、請求項記載の様に構成すれば、
既に形成した縫目の上を連結経路が渡ってしまうことが
なく、刺繍模様の見た目が損なわれることがない。一
方、請求項1,2記載の刺繍データ作成装置によれば、
縫目形成順番まで自動的に定めることができる。
【0082】加えて、請求項記載の様に構成すれば、
縫糸の節約をも図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本的構成を例示する構成図であ
る。
【図2】 本発明の他の基本的構成を例示する構成図で
ある。
【図3】 実施例の刺繍データ作成装置の概略構成図で
ある。
【図4】 実施例における入力情報とその初期の処理結
果を示す説明図である。
【図5】 実施例において実行する座標変換処理のフロ
ーチャートである。
【図6】 実施例において実行する特異点抽出処理のフ
ローチャートである。
【図7】 実施例において実行する特異点抽出結果に基
づいた再割付処理のフローチャートである。
【図8】 実施例において実行する特異点抽出処理の様
子を示す説明図である。
【図9】 実施例において実行する再割付結果の説明図
である。
【図10】 実施例において実行する単位エリア特定処
理のフローチャートである。
【図11】 実施例において実行する単位エリア特定処
理の様子を示す説明図である。
【図12】 実施例において実行する単位エリア特定処
理の様子を示す説明図である。
【図13】 実施例において実行する単位エリア特定処
理の様子を示す説明図である。
【図14】 実施例において実行する単位エリア特定処
理の様子を示す説明図である。
【図15】 実施例におけるRAM内の単位エリア記憶
量域内の様子を示す説明図である。
【図16】 実施例において実行する輪郭構造決定処理
のフローチャートである。
【図17】 実施例において実行するエリア内縫目形成
経路決定処理の一部を示すフローチャートである。
【図18】 実施例において実行するエリア内縫目形成
経路決定処理の残部を示すフローチャートである。
【図19】 実施例におけるエリア内縫目形成経路決定
処理の初期の処理状態の様子を示す説明図である。
【図20】 実施例において決定されたエリア内縫目形
成経路の一例を示す説明図である。
【図21】 実施例において実行する連結経路決定処理
の一部を示すフローチャートである。
【図22】 実施例において実行する連結経路決定処理
の残部を示すフローチャートである。
【図23】 実施例において実行する完成経路書き込み
処理の残部を示すフローチャートである。
【図24】 従来の問題点を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・刺繍データ作成装置、3・・・デジタイザ、5
・・・エリア、7・・・演算処理装置、9・・・フロッ
ピディスク、11・・・フロッピディスクドライバ、1
3・・・ディスプレイ、15・・・CPU、17・・・
ROM、19・・・RAM、21・・・I/Oポート、
23・・・デザイン画、25・・・図面、27・・・ボ
ード、29・・・入力ペン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−128088(JP,A) 特開 平3−128084(JP,A) 特開 平1−218489(JP,A) 特開 平5−146573(JP,A) 特公 平3−67435(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D05B 19/00 - 21/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の基準方向に沿った部分を有する縫
    目により刺繍模様を形成するための刺繍データとして、
    少なくとも、前記基準方向により方向が定まる複数の線
    分同士を一本に連続させた線分群として表される縫目形
    成経路に関する情報、を含んだ刺繍データを作成する刺
    繍データ作成装置であって、 前記刺繍模様の輪郭を特定する輪郭特定手段と、 前記基準方向を特定する基準方向特定手段と、 前記特定された輪郭の輪郭線上から所定の特徴点を抽出
    する特徴点抽出手段と、 該抽出した特徴点及び前記特定された基準方向に基づい
    て、前記輪郭により囲まれた閉領域を複数の分割領域に
    分割する閉領域分割手段と、 該分割領域、前記輪郭及び前記基準方向に基づいて、閉
    領域の全体に渡る縫目形成経路を決定する縫目形成経路
    決定手段とを備え、 前記閉領域分割手段は、前記輪郭線の連続状態に基づい
    て前記閉領域の凹凸に関する状態を認識し、前記基準方
    向に平行で凹の点を通る直線と輪郭線との所定の交点を
    求め、縫目形成経路の終点を出発点として検討し、前記
    輪郭線上に前記交点,凸の点,凹の点の順番に連続し、
    かつ間に他の交点,凸の点,凹の点を有しない部分を抽
    出することで前記分割領域を決定すること を特徴とする
    刺繍データ作成装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の刺繍データ作成装置に
    おいて、前記閉領域分割手段は、さらに、一つの分割領
    域を決定した後に、次の分割領域を決定するに当たって
    は、既に決定された分割領域内の交点,凸の点,凹の点
    は無視することを特徴とする刺繍データ作成装置。を備
    えることを特徴とする刺繍データ作成装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の刺繍デー
    タ作成装置において、前記縫目形成経路が、各分割領域における縫目形成経路
    と、該縫目形成経路同士を連結する連結路とからなり、 前記縫目形成経路決定手段は、前記連結経路を縫目形成
    順に関する所定の条件に従って決定する連結経路決定部
    をも備えること を特徴とする刺繍データ作成装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の刺繍データ作成装置に
    おいて、前記連結経路決定部は、前記輪郭線の連続状態
    に基づいて認識される前記閉領域の凹凸に関する状態を
    加味して前記連結経路を決定することを特徴とする刺繍
    データ作成装置。
  5. 【請求項5】 請求項3又は請求項4に記載の刺繍デー
    タ作成装置において、前記連結経路決定部は、各連結経
    路が、当該連結経路よりも連続の始点側にある縫目形成
    経路に対して重複又は交差をしないことを前記所定の条
    件とすることを特徴とする刺繍データ作成装置。
  6. 【請求項6】 請求項3〜請求項5のいずれかに記載の
    刺繍データ作成装置において、前記連結経路決定部は、
    各連結経路として複数の候補がある場合に長さが最短と
    なる候補を選択することを特徴とする刺繍データ作成装
    置。
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