JP3145193B2 - 複合樹脂成形物 - Google Patents
複合樹脂成形物Info
- Publication number
- JP3145193B2 JP3145193B2 JP17564192A JP17564192A JP3145193B2 JP 3145193 B2 JP3145193 B2 JP 3145193B2 JP 17564192 A JP17564192 A JP 17564192A JP 17564192 A JP17564192 A JP 17564192A JP 3145193 B2 JP3145193 B2 JP 3145193B2
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- Japan
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- resin
- fine particles
- metal fine
- composite resin
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴルフシャフトやテニ
スラケット等の樹脂を用いたスポーツ用品のバランス調
整材として好適な高比重複合樹脂成形物に関するもので
ある。
スラケット等の樹脂を用いたスポーツ用品のバランス調
整材として好適な高比重複合樹脂成形物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年技術開発の進歩と共に炭素繊維強化
複合材料(CFRP)のスポーツ用途への進出はめざま
しく、特にゴルフシャフトやテニスラケットにおいては
炭素繊維の比強度、比剛性の大きさを利用することによ
り軽量で高品質のものの開発が進められている。
複合材料(CFRP)のスポーツ用途への進出はめざま
しく、特にゴルフシャフトやテニスラケットにおいては
炭素繊維の比強度、比剛性の大きさを利用することによ
り軽量で高品質のものの開発が進められている。
【0003】しかしながら、ゴルフクラブにおいて飛距
離を伸ばしたりスイング安定性を向上させるには、全体
を軽量化する事は勿論であるが、更に重要なことは重心
点の位置である。
離を伸ばしたりスイング安定性を向上させるには、全体
を軽量化する事は勿論であるが、更に重要なことは重心
点の位置である。
【0004】従来の技術においては、ゴルフクラブのバ
ランスを調整するため、最終的な組立の時に比較的比重
の高い鉛をヘッド部またはグリップ部に入れていた。し
かしこの方法では、作業工程が増え、コストアップにつ
ながったり、金属の取付部が限られるため、微妙なバラ
ンス調整ができず、目標とするバランスを有するゴルフ
クラブを得ることができなかった。また従来のCFRP
シャフトはスチールと同様の設計が困難なため、これま
でスチールで培かったノウハウが生かされていなかっ
た。
ランスを調整するため、最終的な組立の時に比較的比重
の高い鉛をヘッド部またはグリップ部に入れていた。し
かしこの方法では、作業工程が増え、コストアップにつ
ながったり、金属の取付部が限られるため、微妙なバラ
ンス調整ができず、目標とするバランスを有するゴルフ
クラブを得ることができなかった。また従来のCFRP
シャフトはスチールと同様の設計が困難なため、これま
でスチールで培かったノウハウが生かされていなかっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
の問題点を解消し、ゴルフクラブやテニスラケット等の
設計の自由度を広げると共にバランスを容易に得ること
のできる複合樹脂成形物の提供を目的とする。
の問題点を解消し、ゴルフクラブやテニスラケット等の
設計の自由度を広げると共にバランスを容易に得ること
のできる複合樹脂成形物の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために以下の構成をとる。
するために以下の構成をとる。
【0007】すなわち、本発明は、熱硬化性樹脂と比重
が11以上の金属微粒子(望ましくは粒度が0.5〜1
6の金属微粒子)とが8:2〜4:6の体積比で混合さ
れた樹脂組成物を基材に貼り合わせたことを特徴とする
複合樹脂成形物である。
が11以上の金属微粒子(望ましくは粒度が0.5〜1
6の金属微粒子)とが8:2〜4:6の体積比で混合さ
れた樹脂組成物を基材に貼り合わせたことを特徴とする
複合樹脂成形物である。
【0008】本発明で用いる基材としては、離形紙、不
織布、或いは炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、ガラ
ス繊維、金属繊維等通常の繊維強化複合材料に用いられ
る補強用繊維やナイロン、ポリエステル繊維等からなる
トウ、フェルト、クロス、ウエブ等の形状を有するもの
を云う。
織布、或いは炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、ガラ
ス繊維、金属繊維等通常の繊維強化複合材料に用いられ
る補強用繊維やナイロン、ポリエステル繊維等からなる
トウ、フェルト、クロス、ウエブ等の形状を有するもの
を云う。
【0009】また本発明で用いる熱硬化性樹脂としては
エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、
フェノール樹脂等のいずれでも良いが、50℃における
レオメータ粘度が10〜104 ポイズのものが好適に使
用され、10ポイズ未満では金属微粒子と樹脂の分離や
流動性が大きくなりすぎ、104 ポイズを越えると樹脂
中への金属微粒子の混入が困難になる。
エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、
フェノール樹脂等のいずれでも良いが、50℃における
レオメータ粘度が10〜104 ポイズのものが好適に使
用され、10ポイズ未満では金属微粒子と樹脂の分離や
流動性が大きくなりすぎ、104 ポイズを越えると樹脂
中への金属微粒子の混入が困難になる。
【0010】本発明で用いる比重が11以上の金属微粒
子としては、特に限定されるものではなく、鉛やタング
ステン微粒子があげられるが、比重が大きく且つ毒性の
無いタングステン微粒子が好ましく用いられる。金属微
粒子の比重が11未満であると組成物としての比重が低
下し、目標とする性能を発揮できないことや、組成物と
して多量に用いれば、シャフトの形状変化等の新たな問
題が生じる。該金属微粒子の添加量は樹脂/微粒子=
8:2〜4:6が好ましく金属微粒子が20%未満で
は、組成物としての比重が低下し、また成形時に金属微
粒子が流れ易くなり目標とする性能を発揮できない。逆
に60%を越えると取扱い性や均一性に問題が生じるの
で好ましくない。尚熱硬化性樹脂と金属微粒子の混練方
法としてはニーダーが用いられ、50℃に加熱したニー
ダー内へ熱硬化性樹脂を入れ、次に金属微粒子を少量づ
つ均一に練込む。このとき場合によっては、減粘剤を加
えさらに均一性を上げることも可能である。
子としては、特に限定されるものではなく、鉛やタング
ステン微粒子があげられるが、比重が大きく且つ毒性の
無いタングステン微粒子が好ましく用いられる。金属微
粒子の比重が11未満であると組成物としての比重が低
下し、目標とする性能を発揮できないことや、組成物と
して多量に用いれば、シャフトの形状変化等の新たな問
題が生じる。該金属微粒子の添加量は樹脂/微粒子=
8:2〜4:6が好ましく金属微粒子が20%未満で
は、組成物としての比重が低下し、また成形時に金属微
粒子が流れ易くなり目標とする性能を発揮できない。逆
に60%を越えると取扱い性や均一性に問題が生じるの
で好ましくない。尚熱硬化性樹脂と金属微粒子の混練方
法としてはニーダーが用いられ、50℃に加熱したニー
ダー内へ熱硬化性樹脂を入れ、次に金属微粒子を少量づ
つ均一に練込む。このとき場合によっては、減粘剤を加
えさらに均一性を上げることも可能である。
【0011】また用いられる金属微粒子の粘度は0.5
〜16μが好ましくより好ましくは1〜8μである。粘
度が0.5μ未満であると、秤量や混練時に空気中に舞
い作業性が悪くなる。粘度が16μを越えると樹脂中に
密に充填されない為不均一になったり、成形時に歪にな
る。
〜16μが好ましくより好ましくは1〜8μである。粘
度が0.5μ未満であると、秤量や混練時に空気中に舞
い作業性が悪くなる。粘度が16μを越えると樹脂中に
密に充填されない為不均一になったり、成形時に歪にな
る。
【0012】本発明の複合樹脂成形物の製法は特に限定
されないが、フィルム状にした樹脂組成物を基材に貼り
合わせる方法及び樹脂組成物を直接基材にコーティング
する方法が好適に用いられる。
されないが、フィルム状にした樹脂組成物を基材に貼り
合わせる方法及び樹脂組成物を直接基材にコーティング
する方法が好適に用いられる。
【0013】
【実施例】以下実施例にて本発明を更に具体的に説明す
る。
る。
【0014】〔実施例1〕基材としてTR330E12
5S(三菱レイヨン社製)プリプレグを用い、含浸用樹
脂として汎用タイプエポキシ樹脂#330(三菱レイヨ
ン社製)109g(50℃におけるレオメーター粘度1
03 ポイズ)に対して比重19.4のタングステン粒子
(粒度4〜7.99μ日本新金属社製)977g(樹脂
/微粒子=6:4体積比)を1リットルニーダーで60
℃約30分混練したものを準備した。また混合の均一度
を上るために混合中に減粘剤Bykw960(ビックケ
ミー社製)を9.5g(フィラー重量比0.5%)添加
した。得られた樹脂組成物の比重は7.9であった。次
に該樹脂組成物を、目付1000g/m2 のフィルム状
にして基材の片面に貼り合せて成形物を得た。
5S(三菱レイヨン社製)プリプレグを用い、含浸用樹
脂として汎用タイプエポキシ樹脂#330(三菱レイヨ
ン社製)109g(50℃におけるレオメーター粘度1
03 ポイズ)に対して比重19.4のタングステン粒子
(粒度4〜7.99μ日本新金属社製)977g(樹脂
/微粒子=6:4体積比)を1リットルニーダーで60
℃約30分混練したものを準備した。また混合の均一度
を上るために混合中に減粘剤Bykw960(ビックケ
ミー社製)を9.5g(フィラー重量比0.5%)添加
した。得られた樹脂組成物の比重は7.9であった。次
に該樹脂組成物を、目付1000g/m2 のフィルム状
にして基材の片面に貼り合せて成形物を得た。
【0015】離型処理を施したシャフト用マンドレルに
TR330E125Sプリプレグ+45°,−45°2
層を巻き、ついで樹脂組成物を貼り合わせた基材を樹脂
組成物側を内側にしてヘッド側より300mmの部分ま
で巻きつけ、さらに0°プリプレグ2層を巻きつけ、上
から収縮テープを巻きオーブン中で130℃×60分の
硬化を行いゴルフシャフトを得た。その結果、タングス
テンの流出は無くゴルフクラブの仕上り後の重心点は5
0%の所でありスチールと同等であった。
TR330E125Sプリプレグ+45°,−45°2
層を巻き、ついで樹脂組成物を貼り合わせた基材を樹脂
組成物側を内側にしてヘッド側より300mmの部分ま
で巻きつけ、さらに0°プリプレグ2層を巻きつけ、上
から収縮テープを巻きオーブン中で130℃×60分の
硬化を行いゴルフシャフトを得た。その結果、タングス
テンの流出は無くゴルフクラブの仕上り後の重心点は5
0%の所でありスチールと同等であった。
【0016】〔比較例1〕樹脂組成物を用いない他は実
施例1と同様の方法でゴルフシャフトを得た。ゴルフク
ラブの仕上り後の重心点はチップより54%の所であっ
た。
施例1と同様の方法でゴルフシャフトを得た。ゴルフク
ラブの仕上り後の重心点はチップより54%の所であっ
た。
【0017】〔比較例2〕実施例1と同様の基材を用い
#340 109gに対してアルミニウム微粒子No.
900(粒度5μ福田金属箔粉社製)比重2.7を16
0g(樹脂/微粒子=6:4 体積比)を混合し、比重
1.8の組成物を得た。これを実施例1と同様の方法に
てゴルフシャフトを得た。ゴルフクラブ仕上り後の重心
点は54%であり、効果は認められなかった。
#340 109gに対してアルミニウム微粒子No.
900(粒度5μ福田金属箔粉社製)比重2.7を16
0g(樹脂/微粒子=6:4 体積比)を混合し、比重
1.8の組成物を得た。これを実施例1と同様の方法に
てゴルフシャフトを得た。ゴルフクラブ仕上り後の重心
点は54%であり、効果は認められなかった。
【0018】〔実施例2〕実施例1と同様の方法で得ら
れた樹脂組成物を目付30g/m2 のポリエステル不織
布(ユニチカ社製)にドクターナイフ方式で厚み0.1
27mm(目付約1000g/m2 )塗布した成形物を
用意し、実施例1と同様の処理を施したマンドレルにT
R330E125Sプリプレグ+45°,−45°2層
を巻き、次いで上記成形物をヘッド側より300mmの
部分まで巻きつけ、さらに0°プリプレグ2層を巻きつ
け上から収縮テープを巻き、オーブン中で130℃×6
0分の硬化を行いゴルフシャフトを得た。ゴルフクラブ
の仕上り後の重心点は49%の所であった。
れた樹脂組成物を目付30g/m2 のポリエステル不織
布(ユニチカ社製)にドクターナイフ方式で厚み0.1
27mm(目付約1000g/m2 )塗布した成形物を
用意し、実施例1と同様の処理を施したマンドレルにT
R330E125Sプリプレグ+45°,−45°2層
を巻き、次いで上記成形物をヘッド側より300mmの
部分まで巻きつけ、さらに0°プリプレグ2層を巻きつ
け上から収縮テープを巻き、オーブン中で130℃×6
0分の硬化を行いゴルフシャフトを得た。ゴルフクラブ
の仕上り後の重心点は49%の所であった。
【0019】
【発明の効果】上述の如く構成された本発明の複合樹脂
成形物は、ゴルフクラブやテニスラケット等のバランス
調整材として用いることにより、これらの設計の自由度
が広がると共に目標のバランスを容易に得ることができ
るという顕著な効果を奏するものである。
成形物は、ゴルフクラブやテニスラケット等のバランス
調整材として用いることにより、これらの設計の自由度
が広がると共に目標のバランスを容易に得ることができ
るという顕著な効果を奏するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 A63B 49/00 - 49/18 A63B 53/00 - 53/16
Claims (2)
- 【請求項1】 熱硬化性樹脂と比重が11以上の金属微
粒子とが8:2〜4:6の体積比で混合された樹脂組成
物を基材に貼り合わせたことを特徴とする複合樹脂成形
物。 - 【請求項2】 金属微粒子の粒度が0.5〜16μであ
る請求項1記載の複合樹脂成形物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17564192A JP3145193B2 (ja) | 1992-07-02 | 1992-07-02 | 複合樹脂成形物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17564192A JP3145193B2 (ja) | 1992-07-02 | 1992-07-02 | 複合樹脂成形物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0615788A JPH0615788A (ja) | 1994-01-25 |
JP3145193B2 true JP3145193B2 (ja) | 2001-03-12 |
Family
ID=15999642
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17564192A Ceased JP3145193B2 (ja) | 1992-07-02 | 1992-07-02 | 複合樹脂成形物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3145193B2 (ja) |
-
1992
- 1992-07-02 JP JP17564192A patent/JP3145193B2/ja not_active Ceased
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0615788A (ja) | 1994-01-25 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RVOP | Cancellation by post-grant opposition |