JP3144924B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP3144924B2 JP31947092A JP31947092A JP3144924B2 JP 3144924 B2 JP3144924 B2 JP 3144924B2 JP 31947092 A JP31947092 A JP 31947092A JP 31947092 A JP31947092 A JP 31947092A JP 3144924 B2 JP3144924 B2 JP 3144924B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、クラウン部に幅広の
環状凹みを形成して排水性を向上させた空気入りタイヤ
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の空気入りタイヤとしては、例えば
実公昭50ー 21203号公報に記載されているようなものが
知られている。このものは、トロイダル状をしたカーカ
ス層と、カーカス層のクラウン部の半径方向外側に配置
されたブレーカ層と、ブレーカ層の半径方向外側に配置
されたトレッドゴムと、を備え、クラウン部の幅方向中
央部におけるカーカス層、ブレーカ層およびトレッドゴ
ムを全体的に半径方向内側に凹ませることにより、クラ
ウン部の幅方向中央部に幅広の環状凹みを形成するよう
にしたものである。そして、このような環状凹みを排水
のための通路とすることにより、排水性能を向上させる
ようにしているが、このような環状凹みは、幅広のため
に排水性能が低下するタイヤ、特に偏平率が50以下の空
気入りタイヤに好適である。
【0003】しかしながら、このような環状凹みを有す
る空気入りタイヤは、トロイダル状をしたグリーンタイ
ヤを、クラウン部中央部に係合する内面に環状の突起が
設けられた加硫モールド内に収納し、その後、前記突起
によってグリーンタイヤのクラウン部を半径方向内側へ
押し込みながら加硫成型するようにしているので、加硫
後、内圧を充填すると、前記押し込まれた環状凹みは容
易に半径方向外側に迫り出し、該環状凹みの断面積がか
なり減少してしまうという問題点がある。
【0004】このような問題点を解決するため、例え
ば、特開昭61ー 60304号公報に記載されているように、
前記ブレーカ層とトレッドゴムとの間に該ブレーカ層を
全幅に亘って覆う補強層、およびトレッドゴムと補強層
との間に、環状凹みに重なり合うとともに、環状凹みと
ほぼ同一幅の周方向剛性の高い補助層を追加配置し、こ
れら補強層、補助層によって内圧充填時における環状凹
みの迫り出しを抑制し、路面走行時における環状凹みの
断面積の減少を抑制することが考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな空気入りタイヤにあっては、環状凹みに重なり合う
部位のブレーカ層はもともとかなり半径方向内側に押し
込まれているにも拘らず、この部位にさらに補助層が追
加配置されるため、該部位のブレーカ層のみが局部的に
さらに押し込まれ(トレッドゴムの外表面の形状および
トレッドゴムのゲージが同一とすると)、この結果、ブ
レーカ層が大きく撓んでしまうという問題点がある。
【0006】この発明は、内圧充填時における環状凹み
の断面積を殆ど低下させることなく、ベルト層の撓みを
減少させることができる空気入りタイヤを提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的は、トロ
イダル状をしたカーカス層と、カーカス層のクラウン部
の半径方向外側に配置されたベルト層と、ベルト層の半
径方向外側に配置されたトレッドゴムと、を備え、クラ
ウン部の幅方向ほぼ中央部におけるカーカス層、ベルト
層、トレッドゴムを全体的に半径方向内側に凹ませるこ
とにより、正規内圧充填時においてクラウン部の幅方向
両側部に位置する最大径部の外表面同士を結ぶ直線から
最深部までの距離が10mm以上である環状凹みを形成する
ようにした空気入りタイヤにおいて、前記ベルト層とト
レッドゴムとの間に該ベルト層を全幅に亘って覆い、内
部にほぼ周方向に延びる有機繊維コードが埋設された補
強層を配置するとともに、該補強層に埋設されているコ
ードのうち、補強層の子午線断面形状における2つの変
曲点近傍に埋設されているコードの熱収縮率を、これら
変曲点より幅方向両外側に埋設されているコードの熱収
縮率より大でかつ7%以上とすることにより達成するこ
とができる。
【0008】
【作用】この発明のタイヤを成型するには、クラウン部
中央部に係合する内面に環状の突起が設けられた加硫モ
ールド内にトロイダル状をしたグリーンタイヤを収納
し、その後、所定の加硫温度、加硫圧力で所定時間だけ
加硫する。このとき、グリーンタイヤは半径方向外側に
向かって拡張するが、加硫モールドの内面に前述のよう
に突起が設けられているので、グリーンタイヤのクラウ
ン部中央部は該突起によって半径方向内側に押し込ま
れ、これにより、クラウン部の幅方向ほぼ中央部におけ
るカーカス層、ベルト層、トレッドゴムが全体的に半径
方向内側に凹み、環状凹みが形成される。このように環
状凹みに重なり合う部位のベルト層は、加硫時、前述の
ように半径方向内側へ押し込まれるため、加硫後のタイ
ヤに内圧を充填すると、前記押し込まれた環状凹みが半
径方向外側に迫り出し、該環状凹みの溝深さがかなり浅
くなるおそれがある。しかしながら、このタイヤにおい
ては、前記ベルト層とトレッドゴムとの間に該ベルト層
を全幅に亘って覆い、内部にほぼ周方向に延びる有機繊
維コードが埋設された補強層を配置しているため、この
補強層が内圧充填による周方向力に対抗し、前記環状凹
みを含めたタイヤのクラウン部が半径方向外側に迫り出
す事態をある程度抑制する。しかも、このタイヤにおい
ては、前記補強層に埋設されているコードのうち、補強
層の子午線断面形状における2つの変曲点近傍に埋設さ
れているコードの熱収縮率を、これら変曲点より幅方向
両外側に埋設されているコードの熱収縮率より大でかつ
7%以上としている。これは、前記加硫時にトレッドゴ
ムが加硫モールド内面に押し付けられた状態で、熱収縮
率の大きなコードが長手方向(周方向)に大きく収縮す
るため、熱収縮率の大きなコード内に発生する張力が、
該部位より幅方向外側に位置するコードの張力より大き
くなるが、このように補強層の2つの変曲点近傍に埋設
されているコードの張力を予め高くしておけば、タイヤ
に内圧を充填したとき、変曲点近傍のコードのみが伸張
し難くなって周方向剛性が高くなり、環状凹みの迫り出
しを実用的な値まで抑制することができるためである。
ここで、熱収縮率の大きなコードを前述のように2つの
変曲点近傍に埋設した場合には、内圧を充填すると、補
強層は図3に実線で示す形状から仮想線で示す形状へと
変形するため、環状凹みの断面積の減少はあまりない
が、環状凹みの最深部近傍のみに前述のような熱収縮率
の大きなコードを埋設した場合には、内圧を充填する
と、補強層は図3に実線で示す形状から破線で示す形状
へと変形して環状凹みの断面積が大幅に減少するため、
前述のように熱収縮率の大きなコードを少なくとも変曲
点近傍に埋設するのである。また、ここで熱収縮率と
は、ディップ処理したコードに50gの負荷を作用させた
まま 177度Cの雰囲気中で30分間放置したときの収縮率
(%)をいう。
【0009】また、この発明のタイヤにおいては、ベル
ト層とトレッドゴムとの間に配置されているのはベルト
層を全幅に亘って覆っている補強層だけであるため、ト
レッドゴムの外表面の形状およびトレッドゴムのゲージ
が同一である場合、ベルト層は全幅に亘って補強層の厚
さ分だけ半径方向内側に押し込まれることになって、環
状凹みの部位のベルト層のみが局部的に押し込まれるよ
うなことはなく、ベルト層の撓みが減少する。
【0010】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面に基づいて
説明する。図1、2において、11は空気入りタイヤであ
り、このタイヤ11はビード12がそれぞれ埋設された一対
のビード部13と、これらビード部13からほぼ半径方向外
側に向かって延びる一対のサイドウォール部14と、これ
らサイドウォール部14の半径方向外端同士を連ねる略円
筒状のクラウン部15と、を有する。そして、前記タイヤ
11は一方のビード部13から他方のビード部13まで延びる
トロイダル状をしたカーカス層21によって補強され、こ
のカーカス層21は少なくとも1枚、この実施例では2枚
のカーカスプライ22から構成されている。そして、各カ
ーカスプライ22はその幅方向両端部がビード12の回りに
軸方向内側から軸方向外側に向かって折り返され、ま
た、その内部には子午線方向(ラジアル方向)に延びる
多数本のスチールあるいは有機繊維からなるコード23が
埋設されている。クラウン部15におけるカーカス層21の
半径方向外側には少なくとも2枚、この実施例では2枚
のベルトプライ28からなるベルト層29が配置されてお
り、各ベルトプライ28内には周方向に対して所定の角度
で傾斜している多数本のスチールあるいは有機繊維から
なるコード30が埋設されている。そして、これらベルト
プライ28内のコード30は隣接するベルトプライ28におい
て逆方向に傾斜し互いに交差している。また、このベル
ト層29の半径方向外側には主溝、横溝等の溝32が形成さ
れたトレッドゴム33が配置されている。
【0011】そして、このタイヤ11は偏平率、即ちタイ
ヤの高さをタイヤの幅で除した後 100を乗じた値が50以
下である偏平タイヤであり、この結果、接地幅が広く、
クラウン部15の幅方向中央においては排水性がかなり悪
いのである。このため、この実施例では、タイヤ11のク
ラウン部15の幅方向ほぼ中央部におけるカーカス層21、
ベルト層29およびトレッドゴム33を全体的に半径方向内
側に凹ませて、該部位に周方向に連続して延びる環状凹
み35を形成し、この環状凹み35を走行時の排水通路とす
ることにより排水性を実用的な値まで向上させている。
ここで、このようにタイヤ11のクラウン部15のほぼ幅方
向中央部を半径方向内側に凹ませるためには、タイヤ11
を加硫する加硫モールドのクラウン部15の幅方向中央部
に接触する部分に、前記環状凹み35と補完関係にある環
状の突起を設け、このような環状の突起を有する加硫モ
ールド内にグリーンタイヤを収納した後、該環状突起に
より加硫時のタイヤ11のクラウン部15の幅方向中央部を
半径方向内側に押し込めばよい。このようにクラウン部
15の幅方向ほぼ中央部に環状凹み35を形成すると、この
環状凹み35の両側に位置するクラウン部15の幅方向両側
部には、タイヤ11の最大径部37、38がそれぞれ形成され
ることになるが、このような最大径部37、38の外表面同
士を結ぶ直線Lと前記環状凹み35の最深部39との間の距
離Dは、該タイヤ11に正規内圧が充填されているとき、
10mm以上でなければならない。その理由は、前記距離D
が10mm未満であると、環状凹み35の溝深さが、通常のタ
イヤ11の主溝、横溝の溝深さ( 8mm)と同程度となるた
め、前述した排水性能を向上させることができないから
である。なお、前記距離Dが15mmを超えると、ベルト層
29の屈曲量が大きくなり過ぎてベルトプライ28間の剪断
歪が大きくなり、ベルトプライ間セパレーションが発生
するおそれがあるため、距離Dは15mm以下とすることが
好ましい。
【0012】そして、このような環状凹み35は、タイヤ
11に内圧を充填すると、内側に押し込まれた環状凹み35
の部位のベルト層29が半径方向外側に迫り出して、溝深
さが浅くなろうとする。このため、この実施例において
は、ベルト層29とトレッドゴム33との間に、環状凹み35
を含みベルト層29を全幅に亘って覆う1枚以上、ここで
は1枚の補強プライ42からなる補強層43を配置するとと
もに、この補強層43の各補強プライ42内にほぼ周方向に
延びるナイロン等の有機繊維コード44を埋設している。
このため、この補強層43が前記内圧充填によってタイヤ
11に発生した周方向力に対抗し、前記環状凹み35を含む
タイヤ11のクラウン部15が半径方向外側に迫り出す事態
をある程度抑制する。ここで、このような補強層43は、
1本以上のコードをゴム被覆して構成した狭幅ストリッ
プを軸方向にずらせながら螺旋状に巻き付けて構成する
ことができる。そして、この補強層43が1枚の補強プラ
イ42からなる場合には、内部に埋設されているコード44
は周方向に対する傾斜角が小さいほど、たが締め効果が
強力となるので好ましい。また、前記補強層43が2枚以
上の補強プライ42からなる場合には、内部に埋設されて
いるコード44を周方向に対して多少傾斜させてもよく、
このときには、隣接する補強プライ42内のコード44を逆
方向に傾斜させて互いに交差させる。
【0013】また、前記補強層43に埋設されているコー
ド44のうち、該補強層43の子午線断面形状における2つ
の変曲点J、K近傍に埋設されている複数本のコード44
aの熱収縮率を、これら変曲点J、Kより幅方向両外側
に埋設されているコード44の熱収縮率(一般には5〜6
%)より大で、かつ後述する試験例で説明するように7
%以上としている。ここで、変曲点J、Kとは、補強層
43を子午線を含む平面で切断したときの補強層43の形状
において、環状凹み35の開口部近傍における半径方向外
側に向かって凸状に屈曲した曲線(曲率中心が補強層43
より半径方向内側に位置している)と、環状凹み35の最
深部39近傍における半径方向内側に向かって凸状に屈曲
した曲線(曲率中心が補強層43より半径方向外側に位置
している)との接続点をいい、また、これら変曲点J、
K上に、熱収縮率の大きな複数本のコード44aのうち、
いずれかのコード44aが位置しているとき、これら熱収
縮率の大きなコード44aは変曲点J、K近傍に配置され
ているといい、さらに、前述の熱収縮率とは、ディップ
処理したコード44に50gの負荷を作用させたまま 177度
Cの雰囲気中で30分間放置したときの収縮率(%)をい
う。そして、このように2つの変曲点J、K近傍に埋設
されているコード44aの熱収縮率を幅方向外側のコード
44の熱収縮率より大で7%以上とすると、前述した加硫
時に、ベルト層29はトレッドゴム33が加硫モールドの内
面に押し付けられるまで半径方向外側に拡張されるが、
このとき、熱収縮率の大きなコード44aは加硫時の高温
によって長手方向(周方向)に大きく収縮するため、こ
れらコード44a内には幅方向外側に位置するコード44の
張力より大きな張力が発生する。そして、このようにし
て加硫時にコード44aに発生した大きな張力は、加硫後
もコード44a内に残留するため、タイヤ11に内圧を充填
したとき、変曲点J、K近傍のコード44aのみが伸張し
難くなって周方向剛性が高くなり、環状凹み35の迫り出
しを実用的な値まで抑制することができるのである。こ
こで、前記熱収縮率の大きなコード44aが配置されてい
る領域45の幅wは20mm以上とすることが好ましい。その
理由は、幅wが20mm未満であると、前述の周方向剛性を
充分に高くすることができないからである。そして、熱
収縮率の大きなコード44aを前述のように2つの変曲点
J、K近傍の領域45のみに配置した場合には、内圧を充
填すると、補強層43は図3に実線で示す形状から仮想線
で示す形状へと変形するため、環状凹み35の断面積の減
少はあまりないが、環状凹み35の最深部39の近傍のみに
前述のような熱収縮率の大きなコード44aを配置した場
合には、内圧を充填すると、補強層43は図3に実線で示
す形状から破線で示す形状へと変形して環状凹み35の断
面積が大幅に減少するのである。このような理由から、
前述のように熱収縮率の大きなコード44aを変曲点J、
K近傍に埋設するのであるが、この実施例では環状凹み
35の迫り出しをさらに確実に抑制するため、領域45間に
おいても(環状凹み35の最深部39近傍を含め)熱収縮率
の大きなコード44aを配置している。また、前述のよう
に補強層43が2枚以上の補強プライ42から構成されてい
る場合には、全補強プライ42の領域45または領域45とと
もにこれら領域45間に熱収縮率の大きなコード44aを配
置するようにしてもよく、あるいは、最外側の補強プラ
イ42の領域45または領域45とともにこれら領域45間に熱
収縮率の大きなコード44aを配置するようにしてもよ
い。
【0014】また、前述のようにベルト層29とトレッド
ゴム33との間に配置されているのは補強層43だけである
ため、トレッドゴム33の外表面の形状およびトレッドゴ
ム33のゲージが同一であるとき、ベルト層29は全幅に亘
って補強層43の厚さ分だけ半径方向内側に押し込まれる
こととなって、環状凹み35の部位のベルト層29のみが局
部的に押し込まれるようなことはなく、ベルト層29の撓
みが減少する。さらに、この実施例では補強層43(ベル
ト層29)の幅方向両端部を半径方向外側から覆う追加層
48を配置しており、このようにすると、ベルト層29の幅
方向端におけるセパレーションを確実に抑制することが
できる。
【0015】次に、試験例1を説明する。この試験に当
たっては、ベルト層とトレッドゴムとの間にベルト層を
全幅に亘って覆う補強層と、補強層とトレッドゴムとの
間で環状凹みに重なり合う部位に幅広で周方向剛性の高
い補助層とを設けた比較タイヤと、ベルト層とトレッド
ゴムとの間に補強層を設けた供試タイヤ1とを準備し
た。ここで、前述した比較タイヤにおいては、補強層、
補助層内のコードの熱収縮率を一律 5.6%とし、さら
に、補助層の幅方向中央をタイヤ赤道面上に位置させる
とともに、補助層の幅を25mmとした。一方、供試タイヤ
1においては、補強層内のコードのうち、両変曲点より
僅かに幅方向外側へ離れた2つのポイント間(ポイント
間距離は65mm)の全コード(変曲点近傍およびこれら変
曲点間のコード)の熱収縮率を 7.3%と、これら両ポイ
ントより幅方向外側のコードの熱収縮率を 4.2%とし
た。そして、これら各タイヤのサイズは共に225/50 Z
R16であり、環状凹みの最深部における溝深さは内圧充
填前において共に15mmであった。次に、このような各タ
イヤを加硫成型した後、切断して環状凹みの最深部にお
けるトレッドゴムの外表面から最外側のベルトプライま
での半径方向距離を測定した。その結果は、比較タイヤ
においては 2.8mmであったが、供試タイヤ1では1.8mm
となり、供試タイヤ1においてはベルト層の撓みがかな
り減少していた。次に、これら各タイヤに2.5kgf/cm2
内圧を充填し、環状凹みの最深部における半径方向外側
への迫り出し量を測定した。その結果は、比較タイヤに
あっては 0.2mmであったが、供試タイヤ1では 0.2mmと
なり、迫り出し量(即ち、迫り出しの抑制効果)はほぼ
同一であった。
【0016】次に、試験例2を説明する。この試験に当
たっては、前記供試タイヤ1の補強層に埋設されている
コードの熱収縮率を種々に変化させた供試タイヤ2、3
および試験タイヤを準備し、これら各タイヤに 2.0 kgf
/cm2の内圧を充填したときの、環状凹みの最深部におけ
る半径方向外側への迫り出し量を測定した。ここで、供
試タイヤ2は、2つのポイント間の全コードの熱収縮率
を 7.0%、これら両ポイントより幅方向外側のコードの
熱収縮率を 4.2%としたタイヤであり、供試タイヤ3
は、2つのポイント間の全コードの熱収縮率を 7.3%、
これら両ポイントより幅方向外側のコードの熱収縮率を
6.0%としたタイヤであり、さらに、試験タイヤは、2
つのポイント間の全コードの熱収縮率を 6.0%、これら
両ポイントより幅方向外側のコードの熱収縮率を 4.2%
としたタイヤである。その結果は、供試タイヤ2、3に
おいては迫り出し量が共に 0.2mmであって、環状凹みの
排水性を実用的な値に維持できたが、試験タイヤでは迫
り出し量が 0.6mmもあり、環状凹みの排水性が低下して
しまった。このようなことから熱収縮率の大きなコード
の熱収縮率は7%以上でなければならないのである。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、内圧充填時における環状凹みの断面積を殆ど低下さ
せることなく、ベルト層の撓みを減少させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示すタイヤの子午線断面
図である。
【図2】クラウン部の展開断面図である。
【図3】内圧充填時における補強層の変形状態を説明す
る説明図である。
【符号の説明】
11…空気入りタイヤ 15…クラウン部 21…カーカス層 29…ベルト層 33…トレッドゴム 35…環状凹み 37、38…最大径部 39…最深部 43…補強層 44…コード L…直線 D…距離 J、K…変曲点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60C 11/00 - 11/13 B60C 3/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トロイダル状をしたカーカス層と、カーカ
    ス層のクラウン部の半径方向外側に配置されたベルト層
    と、ベルト層の半径方向外側に配置されたトレッドゴム
    と、を備え、クラウン部の幅方向ほぼ中央部におけるカ
    ーカス層、ベルト層、トレッドゴムを全体的に半径方向
    内側に凹ませることにより、正規内圧充填時においてク
    ラウン部の幅方向両側部に位置する最大径部の外表面同
    士を結ぶ直線から最深部までの距離が10mm以上である環
    状凹みを形成するようにした空気入りタイヤにおいて、
    前記ベルト層とトレッドゴムとの間に該ベルト層を全幅
    に亘って覆い、内部にほぼ周方向に延びる有機繊維コー
    ドが埋設された補強層を配置するとともに、該補強層に
    埋設されているコードのうち、補強層の子午線断面形状
    における2つの変曲点近傍に埋設されているコードの熱
    収縮率を、これら変曲点より幅方向両外側に埋設されて
    いるコードの熱収縮率より大でかつ7%以上としたこと
    を特徴とする空気入りタイヤ。
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