JP3144894U - 紐材取付器材 - Google Patents

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英 亀田
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Abstract

【課題】船に乗りながら港湾に設置されている取付環にロープを通して係留することのできる紐材取付器材を提供する。
【解決手段】離れた位置から取付環に紐材を通すための器材であって、略コの字状の枠体と紐材固定部からなる。平常時において、紐材固定部は枠体の開口部分の下端部に回動自在に取り付けられているが、使用時には紐材固定部が回動し、枠体の開口部分の上端部に係合する。そして、紐材固定部材が枠体下端部の取り付けから開放される。これにより取付環に紐材、ロープを通すことが可能となる。
【選択図】図1

Description

本考案は、紐材、特にロープを用いて船を係留する場合に、港湾に設置されている取付環にロープを通して係留されるところ、それを船に乗りながら容易にすることができる取付器材に関する。
従来、ロープを用いて船を係留する場合、船から港湾にいる者にロープを投げ渡してそれを取付環に固定してもらっていた。この場合、船内と港湾との2人以上が必要となる。
船内にしか人がいない場合、船が港湾に入って係留地点に到着した後に、この者がロープをもって一旦船から陸地に上がって取付環に固定する必要があった。
それを解消するために、例えば、特許文献1に示すものが提案されている。
特開2002−68074号公報
これは、支点を利用してロープを取り付けるものであるが、使用が難しかった。
そこで、船内にいる者が一人でロープその他の紐材を港湾の取付環に通すことができるようにする取付器材が求められていた。しかも、簡単かつ確実に取付環にロープを通すことができるようにすることが望まれた。
そこで、本考案の紐材取付器材は、離れた位置から取付環に紐材を通すための器材であって、紐材固定部材と、開口部分を有する枠体と、からなり、前記紐材固定部材は、前記枠体の開口部分の一方の端部に回動自在に取り付けられ、紐材固定部材が枠体の他方の端部と係合したときに、回動自在に取り付けられた一方の端部が開放されることを特徴とする。
また、枠体は略コの字状であり、内側に空間部分を有し、開口部分を形成する枠体の開口端部の一方に紐材固定部材と係合するための紐材固定部係合機構が形成され、他方の端部には紐材固定部材が嵌まる孔が形成され、該孔の開放部分が枠体のうち開口部分がある方向とほぼ同じ向きに形成されていることが好ましい。
また、枠体の開口部分と対向する位置に、枠体の開口方向と反対方向に向かって柄が形成されていることが好ましい。
また、紐材固定部係合機構は、枠体の開口部分の上方端に、空間部分に向くツメを設けたフックであって、このフックの懐部分にストッパーを設けて紐材固定部材の係合部を係止することが好ましい。
また、紐材固定部材は、固定部分と、係合部と嵌合部とこれらを結ぶ連結材と、からなり、前記係合部は、紐材固定部材により枠体の開口部分を閉じるとき、枠体の紐材固定部係合機構と係合し、少なくとも該係合部と前記連結材とにより紐材を通し得る通過部分が形成され、前記嵌合部は、枠体の孔に嵌まり込み、該嵌合部を軸として紐材固定部材が枠体の空間部分を回動して開口部分を開閉するとともに、前記嵌合部には突出部分があり、該突出部分により平常時には嵌合部が開放部分から開放されないが、紐材固定部材が枠体の開口部分を閉じたとき孔から嵌合部が外れることが好ましい。
また、紐材固定部材は棒状の係合部と嵌合部と2つの連結材とを結合させた方形状の形態であって、固定部分は台座を介して2つの連結材間の上に位置し、紐材を固定する固定位置が、2つの連結材間の中心線よりも一方の連結材側に偏って位置することが好ましい。
本考案の紐材取付器材によると、従来一人でロープを港湾の係留地点の取付環に通して船舶などを係留する場合、いったんロープをもって船から降りて取付環に通してしたが、船舶にいたままでロープを取付環に通すことが可能になる。
しかも、ロープを固定した後に、取付環を枠体の内側の空間部分に一旦通して、その後柄を引っ張ると紐材固定部材が回動する仕組みとなっているので、作業する者は柄をもって引いてから押すのみでよいという簡便な方法でロープを取付環に通すことができる。
また、紐材固定部材の固定部分が二つの連結材の中心線より一方に偏っていることで、固定した紐材が係合部の中心付近を通ることを避けることができ、これにより係合が容易となり、作業する者が容易に本考案の紐材取付器材を使用することが可能となる。
さらに、紐材が紐材固定部材の通過部分をくぐり、係合部の下側を通ることにより、係合部の係合に障害となることなく、より容易に本考案の紐材取付器材を使用することが可能となる。
そこで、本考案の紐材取付器材1について図面に沿って説明する。
図1、図2は紐材取付器材1の一例を示すものであり、図3から図5は紐材固定部材13の一例を示す。また、図6から図10は紐材取付器材1を取付環2に取り付ける状態の一例を示す。
図1、図2に示すように、本考案の紐材取付器材1は、枠体11と柄12と紐材固定部材13とからなる。枠体11は先端側が開口する開口部分21を有する略コの字状の形態である。柄12は略コの字状の枠体11のうち、開口部分21と対向する部分に取り付けられており、使用者が柄12を持つと開口部分21が柄12の先端方向に位置する状態となる。
紐材固定部材13は、開口部分21がある枠体11の両開口端23a、23bに着脱可能に取り付けられている。両開口端は、上方端23aと下方端23bであり、上方端23aは紐材固定部材係合機構22としてフック24とストッパー31とからなる。下方端23bは孔25が形成されている。そして、略コの字状の枠体11の開口部分21から枠内にかけて空間部分26が形成されている。
上方端23a側の紐材固定部材係合機構22にあるストッパー31には解除ピン32が取り付けられている。フック24は前記空間部分26に延びるツメを有するフック状の形状をしており、前記紐材固定部材13がフックの懐位置まで回動して係合するように位置取りされている。そして、図1に示すように、紐材固定部材13の係合部42が一点鎖線Aの軌道を通るように、紐材固定部材13を回動させることができる。
前記ストッパー31は、枠体11の内部に備えられている係合スプリング37を介してフック24の内側である懐位置の近辺において紐材固定部材13の回動軌道Aに先端を突出させることできる。そして、ストッパー31がフック24の内側に突出した部分のうち空間部分側に傾斜面35、その反対側に垂直面36が形成されている。これにより、紐材固定部材13が通ると前記傾斜面35にあたり、この傾斜面35により、紐材固定部材13の回動作用による運動力がストッパー31を押し上げる力として作用し、ストッパー31が上方に押し上げられる。そして、紐材固定部材13がフック24の懐部分に移動すると、ストッパー31が前記係合スプリング37の弾揆力により自動的に下りて、フック24の懐位置で紐材固定部材13の係合部42を係合する。傾斜面35と異なり、係合部42が垂直面36を押してもストッパー31を押し上げる力が作用しないので、係合状態を継続することができる。
また、係合状態を解除するときは、作業する者が枠体11の外側に形成される解除ピン32を引っ張ってストッパー31を引き上げることでなすことができる。解除ピン32はストッパー31の上端に取り付けられている環状部材であって、これを引っ張り上げるとストッパー31が引き上げられ、紐材固定部材13の係合部42との係合が解除される。
また、枠体11の両開口端のうち下方端23bは、開放部分33を有する孔25が形成されている。孔25に形成されている開放部分33の向きは、枠体11における開口部分21とほぼ同じ向きである。また、枠体11の下方端23bの近傍には、その内面方向に隆起する隆起部分34が形成されている。
図3から図5、特に図3に示すように、前記紐材固定部材13は先端側の係合部42と、基端側の嵌合部43と、両者に跨るように配置されている2つの連結材49、49と、前記係合部42と嵌合部43との間に配置された固定部分41とからなる。
前記係合部42と嵌合部43は連結材49、49とともに方形状の外枠のように配置され、この枠の内側が通過部分44となり、この外枠の上側に固定部分41を載せるように取り付けてある。さらに詳細に述べるならば、前記固定部分41は台座45と2つの固定部材46、46とからなり、台座45を2つの連結材49、49に跨るように固定し、その上に2つの固定部材46、46をビス48、48により回動可能にビス止めしてある。そして台座45は、図3、図5に示すように、台座45の中心線と、2つの連結材49、49間の中心線とは一致させないで、図3、図5の下方向へ偏たるように位置させてある。これは、中央に位置させると、図5の破線で示すようにロープ3も係合部42の中央付近を通ることになり、係合部42とフック24との係合に障害となる可能性がある。そこで、なるべくロープ3が係合部42とフック24との係合に障害とならないように、図3、図5の下方向へ偏たるように台座45を配置してある。
2つの固定部材46、46は平面断面の曲率半径を異ならしめた突起状の形状を有し、上述したように上方から回動可能にビス止めされている。図5に示すように、ロープ3の固定方法は、曲率半径が異なる2つの固定部材46、46を回転させて両部材46、46の間を広くとり、紐材たるロープ3を通す、そして、2つの固定部材46、46を再び回転させてロープ3を挟み込むことによって固定する。なお、2つの固定部材46、46のうちロープ3と接触する面に切れ目を入れた歯状の滑り止めを形成して固定しやすくしておくとよい。
前記係合部42の形状は、基本的には2つの連結材49、49と同じく棒状であるが、紐材固定部材係合機構22のフック24に係合しやすいように断面が円形に形成され、かつ、強度的に問題がない程度に細くしてある。これは、フック24に係合し易いようにするためである。
また、前記嵌合部43は係合部42と対向する側に形成されている。これも基本的には2つの連結材49、49と同じく棒状であるが、孔25に嵌合して軸として紐材固定部材13を回動させるために一定の強度を保つ必要がある。そして、紐材固定部材13の係合部42が紐材固定部材係合機構22のフック24に係合したときに孔25の開放部分33から嵌合部43が解放されるように、嵌合部43は係合位置で開放部分33に向く突出部分43aを有する形状となる。この突出部分43aは孔25の半径と同程度の長さであり、本実施例では2つの連結材49、49とほぼ直交する方向に突出させてある。
次に、本実施例における紐材取付器材1の機能、作用について説明する。
図6に示すように、紐材取付器材1は、平常時は嵌合部43が孔25に嵌合された状態で、紐材固定部材13が略コの字状の枠体11内にあり、下側の枠27側に位置している。
この紐材取付器材1を使用する場合、まず、図5に示すように、紐材固定部材13の2つの固定部材46、46を回転させてロープ3を挟み込んで固定させる。そして、ロープ3を通過部分44に通しておくと、ロープ3は係合部42の下側を通ることになり、係合部42と前記フック24との係合の障害とならない。
なお、紐材はロープ3を使用することが好ましいが、紐状の係留材であれば例えばチェーンなどでも使用することが可能である。
次に、港湾の係留位置にある取付環2に届くまで作業する者が柄12をもって近づき、略コの字状の枠体11の空間部分26に取付環2を開口部分21から通す。そして、取付環2が枠体11の下側の枠27に引っ掛かるように作業する者が若干紐材取付器材1を上げておくと、図6のような状態となる。
この状態から作業する者が柄12を引くと、取付環2が枠体11の下側の枠27に沿って開口部分21方向へ戻される(図6の矢印Bの方向)。そして、図7に示すように、取付環2がロープ3や2つの連結材49、49と接触すると、取付環2がロープ3や紐材固定部材13の下側に潜り込むようになり、紐材固定部材13を押し上げることになるので、紐材固定部材13を一点鎖線矢印Aの方向へ回動させる力が作用する。
図8、図9に示すように、紐材固定部材13が押し上げられると、最終的には係合部42が紐材固定部係合機構22のフック24に係合する。すると上述したように、ストッパー31が作動し、フック24の懐部分に係合部42が係合し、これ以上回動できないようになる。
かくして、平常時において、開口部分21が開口されていた状態から、紐材固定部材13により開口部分21が閉じられた状態となる。
そして、図9に示すように、フック24に係合してもさらに柄12を引くと、嵌合部43の突出部分43aの突出方向と開放部分33の位置が一致し、突出部分43aの幅が開放部分33の幅より小さいため、開放部33から嵌合部43が開放される。これは、作業する者が柄12を引くことで取付環2が図7の矢印Bの方向に力が作用するところ、紐材固定部材13がフック24と係合して固定されることにより、矢印B方向へ作用する力が次に嵌合部43を押し出す力として作用する。
これにより、平常時では開放部21の下方端23bに紐材固定部材13が取り付けられているが、それに代わって図9に示すように、上方端23aに紐材固定部材13が取り付けられ、下方端23bが開放された状態となる。
そして、図10に示すように、そのまま柄12を引き続けると、嵌合部43が開放されたところから取付環2も空間部分26から開口部分21を通って枠体11の外へでることになる。これにより、ロープ3を取付環2の内側から通して、取付環2の上側から引き出すような状態となり、取付環2にロープ3を通すことができる。
本考案の紐材取付器材の一例を示す側面図であり、一部を切り欠いて示す。 本考案の紐材取付器材の一例を示す側面図であり、紐材固定部材の係合部で枠体と係合し、嵌合部が開放された状態を示す。 本考案の紐材取付器材に用いられている紐材固定部材の平面図である。 紐材固定部材の側面図である。 紐材固定部材の平面図で、ロープを通した状態を示す。 本考案の紐材取付器材の使用状態の一例を示す側面図であり、作業する者が柄を引いて、紐材固定部材を回動させる前の状態を示す。 図6の状態から、作業する者が柄を引き、紐材固定部材を回動させて開口部分の上方端に係合させる前の状態を示す。 図7の状態から、紐材固定部材が開口部分の上方端に係合された状態を示す。 図8の状態から紐材固定部材の嵌合部が開放された状態を示す。 本考案の紐材取付器材の紐材固定部材が開口部分の上方端に係合し、下方端の嵌合が開放された状態を示す側面図である。
符号の説明
1…紐材取付器材
2…取付環
3…ロープ
11…枠体
12…柄
13…紐材固定部材
21…開口部分
22…紐材固定部材係合機構
23a…開口部分上端部
23b…開口部分下端部
24…フック
25…孔
26…空間部分
27…下側の枠
31…ストッパー
32…解除ピン
33…開放部分
34…隆起部分
35…傾斜面
36…垂直面
37…係合スプリング
41…固定部分
42…係合部
43…嵌合部
43a…突出部分
44…通過部分
45…台座
46…固定部分
48…ビス
49…連結材

Claims (6)

  1. 離れた位置から取付環に紐材を通すための器材であって、
    紐材固定部材と、開口部分を有する枠体と、からなり、
    前記紐材固定部材は、前記枠体の開口部分の一方の端部に回動自在に取り付けられ、紐材固定部材が枠体の他方の端部と係合したときに、回動自在に取り付けられた一方の端部が開放されることを特徴とする紐材取付器材。
  2. 枠体は略コの字状であり、内側に空間部分を有し、
    開口部分を形成する枠体の開口端部の一方に紐材固定部材と係合するための紐材固定部係合機構が形成され、
    他方の端部には紐材固定部材が嵌まる孔が形成され、
    該孔の開放部分が枠体のうち開口部分がある方向とほぼ同じ向きに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の紐材取付器材。
  3. 枠体の開口部分と対向する位置に、枠体の開口方向と反対方向に向かって柄が形成されていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の紐材取付器材。
  4. 紐材固定部係合機構は、枠体の開口部分の上方端に、空間部分に向くツメを設けたフックであって、このフックの懐部分にストッパーを設けて紐材固定部材の係合部を係止することを特徴とする請求項1、2または3のいずれかに記載の紐材取付器材
  5. 紐材固定部材は、固定部分と、係合部と嵌合部とこれらを結ぶ連結材と、からなり、
    前記係合部は、紐材固定部材により枠体の開口部分を閉じるとき、枠体の紐材固定部係合機構と係合し、少なくとも該係合部と前記連結材とにより紐材を通し得る通過部分が形成され、
    前記嵌合部は、枠体の孔に嵌まり込み、該嵌合部を軸として紐材固定部材が枠体の空間部分を回動して開口部分を開閉するとともに、
    前記嵌合部には突出部分があり、該突出部分により平常時には嵌合部が開放部分から開放されないが、紐材固定部材が枠体の開口部分を閉じたとき孔から嵌合部が外れることを特徴とする請求項1、2、3または4のいずれかに記載の紐材取付器材。
  6. 紐材固定部材は棒状の係合部と嵌合部と2つの連結材とを結合させた方形状の形態であって、
    固定部分は台座を介して2つの連結材間の上に位置し、
    紐材を固定する固定位置が、2つの連結材間の中心線よりも一方の連結材側に偏って位置することを特徴とする請求項5に記載の紐材取付器材。
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