JP3143863B2 - 植物生育基盤材と圧縮成形培土とそれらを用いた緑化袋体。 - Google Patents

植物生育基盤材と圧縮成形培土とそれらを用いた緑化袋体。

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JP3143863B2 JP08221013A JP22101396A JP3143863B2 JP 3143863 B2 JP3143863 B2 JP 3143863B2 JP 08221013 A JP08221013 A JP 08221013A JP 22101396 A JP22101396 A JP 22101396A JP 3143863 B2 JP3143863 B2 JP 3143863B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植物を発芽生育するの
に好適で、しかも取り扱いの容易な植物生育基盤材若し
くは圧縮成形培土又はそれらを用いた緑化袋体に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】地球上の生物の命を支えている重要な要
素として、空気、水、土がある。この重要な要素のひと
つである土壌が、人間による長年の環境汚染や、乱用に
よって老化したり荒廃しはじめている。自然界の生物
は、人間も含めて自然環境と共生共存の中で生存を維持
していることから、肥沃な土壌が人間を含む生物の生存
のためにいかに大切であるかが見直されるようになっ
た。即ち、肥沃な良い土壌は、環境保全に欠かせない緑
化事業における法面緑化資材として、園芸事業における
造園資材や園芸用資材として、農産物生産事業における
水稲栽培用育苗土や野菜栽培用育苗土として必要とされ
ている。しかし、従来は、土壌はどこにでも存在すると
の常識から、良い土壌にするための肥料や土壌改良材等
といった補助資材が、商品化されるだけで、土壌や培土
または、植物生育基盤材を商品として流通させる発想は
殆どなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記のように現場で土
と肥料や土壌改良材を混ぜて、希望する力のある良い土
壌を造る作業や、その良い土壌を用いて緑化施工する作
業は、大切であることは解るが、その作業は手間がかか
って大変であった。しかも近頃は熟練した作業者の確保
が難しく、その労働賃金が高くなって経済性を失う難点
がある。本発明者は、肥沃で良い土壌を、持ち運びが容
易で、取り扱い易い大きさに一体化した土壌ブロックと
して商品化し、この土壌ブロックを敷き詰めるだけ、ま
たは敷き詰めたうえ水分を補給するだけで、所望する厚
さに地力のある良好な生育基盤領域や培土領域を造成で
きるようにすることを考えた。
【0004】本発明者は、長年緑化事業に携わってきた
経験を生かして、地力のある良い土壌とは、次のような
条件がそろっていることを目標とした。 (1)土壌のpHは5.5〜6.3の微酸性であること。 (2)肥料分を吸収する塩基置換容量が20〜25と高い
こと。 (3)塩基置換容量の50%以上がカルシウムやマグネシ
ウムあるいはカリ等で置換していること。 (4)土壌100g中カルシウムが200〜300mg、
マグネシウムが25〜35mg、カリが15〜20mg
含まれていること。 (5)有効リン酸が10mg以上含まれていること。 (6)土壌中の腐植含量は、3〜4%あること。 (7)土壌の三相分布が固相40、気相30、液相30位
の分布であること。 (8)耕土が膨軟で、硬度計の読みで表層が15、中層が
15、下層で18前後であること。 (9)土壌微生物が多く、有機物の分解が良く、状化作用
の強いもの。 (10)各種微量要素が適度にふくまれていること。
【0005】次に、土壌ブロックを流通する商品として
次のような機能と特徴を有することを目標とする。 a流通段階では土壌がブロックとして一体化しており、
且つ乾燥しているため、軽く持ち運びが容易であるこ
と、使うときには、水分を補給するだけで容積が数倍に
膨張し、植物の発芽、生育に必要な容積も養分も充分存
在するようになる効率的資材である。 b包装袋体で被覆することにより植物生育基盤材の流出
を防ぎ、養分や水分の保持と保護を図って、長時間の養
生効果を高めること。 cその土壌には、通気性、通水性、養分のバランス、有
用土壌微生物群、土壌有機物、保肥力、土壌鉱物(微量
成分)、肥料、等がそろっていること。 d植物生育基盤材自体に生態系の復元と保全をするため
の多孔質構造が形成されており、散布施工地域が当該植
物周辺で小動物連鎖等まで含めた生態系を形成し、自然
の復元を促すようにすること。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題を解消す
るための手段として、次のように構成した。特許を受け
ようとする第1発明は、ココピート(ココヤシの根茎部
が堆積デイ炭化した繊維性土壌改良材)を主体とし、こ
れにピートモス(水苔が堆積しデイ炭化した繊維性土壌
改良材)と、腐植酸苦土肥料と、ゼオライト(モルデン
沸石)と、アルギン酸ソーダ系化合物を主成分とする粉
末状土壌活性剤と、甲殻質肥料粉末(カニ殻や節足動物
の殻の粉末等)を主成分としこれに米糠とカニ殻抽出液
を混ぜたうえ有用菌を入れて発酵させたボカシ肥とを配
合し混合した植生用土壌を水溶性または腐食性の結着材
で一体化したことを特徴とする植物生育基盤材である。
【0007】本発明の第1の特徴は、一体化した植物生
育基盤材とするための主要素材としてココピートを採用
したことにある。ココピートは、ココヤシの根茎部が堆
積デイ炭化した繊維性土壌改良材である。それは、0.
5〜30mm位の繊維性有機物を主体として、極少量の
窒素、燐酸、加里を含んでいる。当該ココピートの繊維
構造そのものがポーラス化しており、吸水性、保水性、
保肥性において極めて優れているだけでなく、当該繊維
は、乾燥され圧力を加えられると圧縮された状態に形を
小さく維持しているが、水分を含むとその繊維が膨れそ
の弾力性が復元して、乾燥圧縮されていたときの略5倍
〜10倍の容積に膨張する性質がある。しかも、非常に
繊維分が多く、有機物含量が高いが、土壌中の分解が少
ない。ただし、pHが4.9と酸性が強く、原料のまま
ではカビやダニがつきにくい特性がある。発明者は、こ
のようなココピートの特性に着目し、これを植物生育基
盤材の主要成分として、その他の土壌成分の保持と土壌
ブロックとして一体化するための母材となしたこと、圧
縮成形により土壌ブロックを小型化すること、水分吸収
後の繊維の膨張復元により通水性、通気性、保肥性を確
保すること、容積膨張による多孔質構造の構築によって
生態系保全型の緑化用土壌を具現化することができた。
つまりココピートは、植物を植えた場合、根の発育が盛
んになり、病害の発生を防ぎ、効用期間の永い土壌改良
材として機能する。
【0008】次に、ピートモスを第2の土壌構成素材と
した。当該ピートモスは、水苔が堆積しデイ炭化した繊
維性土壌改良材である。繊維性の形状、有機物を主体と
して、極少量の窒素、燐酸、加里を含んでいること、繊
維構造そのものがポーラス化しており、吸水性、保水
性、保肥性において極めて優れていること、非常に繊維
分が多く、有機物含量が高いが、土壌中の分解が少な
く、pHが4.7と酸性が強く、原料のままではカビや
ダニがつきにくい特性がある点で、ココピートと共通し
ている。従ってこれも土壌ブロック化を促進する。しか
し、ピートモスは、水分を吸収すると、柔らかくなって
膨張しない点で、ココピートとは相違する。
【0009】腐植酸苦土肥料は、腐植酸を主体にく溶性
苦土、窒素、珪酸、鉄などが構成物質となっている。当
該腐植酸苦土肥料を植物用に用いると、少量の施用で
腐植を補給し堆肥と同様地力を高める。根の活力を高
め根群の発達を促す。肥料の三要素、特に燐酸の肥効
を高める。腐植酸と結合した苦土、けい酸の効果は極
めて高い。土壌を柔らかくして、空気の量を多くす
る。土壌の酸性矯正を促進する。保肥力を高めると
ともに、塩類濃度の障害を軽減する。等の効果がある。
【0010】次に、ゼオライト(モルデン沸石)は、イ
オン交換性と強力な吸着性を有する天然の非金属鉱物加
工品で、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシ
ウム等を含んだアルミノけい酸塩で、pH9.6の土壌
改良剤である。これは、土壌に対して次のような機能を
発揮する。塩基置換容量が高いので、地力を高め、流
亡を防ぎ、長期間肥効を持続させる。各種微量成分を
含んでいるので植物の健全発育に役立つ。土壌の緩衝
能を高めるので、塩類濃度障害を防止し、種子の発芽率
の向上と幼苗期の「肥やけ」を防ぐ。土壌中の有害物
を良く吸着するので、連作障害を防ぐ。苗床や育苗土
に混用すればチッソの肥効を永続させ、健苗を育成する
ことができる。堆肥と併用すれば一層効果がる。多
孔質で吸水しても他の粘度鉱物のように粘りや膨潤性が
なく、従って砂地改良では物理性を変えることなく、地
方の増進と保水力の向上が図れる。燐酸吸収係数が低
く、緩衝能が高いため、火山灰土壌の改良には最適であ
る。土壌反応を矯正したり、凍結温度を下げ寒害を防
ぐ効果がある。
【0011】アルギン酸ソーダ系化合物を主成分とする
粉末状土壌活性剤は、海草より生成されたアルギン酸ソ
ーダ系化合物を主成分とし、これに窒素、燐酸、加里を
各6%配合したものである。この土壌活性剤は、微量要
素をふくんでいるため、微生物を土壌に固定化し、微生
物の働きを永続化させ、草本植物や木本植物の生長を助
長する。特に、根粒バクテリアの増殖を促すので、根粒
植物には特に卓効がある。また、土壌の粘着性を高め、
土粒子を結合する効果があるので、雨風による侵食を防
止すると同時に土壌の保水能力を高める。尚、pHは
6.8とほぼ中性である。
【0012】次に、甲殻質肥料粉末(カニ殻や節足動物
の殻の粉末等)を主成分とし、これに米糠とカニ殻抽出
液を混ぜたうえ有用菌を入れて発酵させたボカシ肥(混
合有機質肥料)について説明する。甲殻質肥料粉末(カ
ニ殻や節足動物の殻の粉末等)は、キチン質とカルシウ
ムが主成分で、それに窒素、燐酸が少し入り、加里はご
く少量含まれている。例えばカニ殻は、農薬効果、肥料
効果、土壌改良効果を一挙に得られる。
【0013】当該カニ殻の農薬効果とは、カニ殻がもつ
キチン質が餌となって、有用菌である放線菌群が急増
し、悪い土壌病原菌(例えばフザリウム線虫つる割病原
菌等)の表皮細胞壁を分解する拮抗作用により抑制する
ので、病害が減少する効果がある。
【0014】カニ殻の肥料効果とは、土壌中にあるアル
ミニウム、マンガン、が燐酸と結合し固定し易いので、
適当量施しても肥効が低いレベルでしかないが、キチン
質は無機の金属を解けた状態(遊離状態)にする。従っ
て、燐酸の肥効が高まり、発芽形成、数量、風味が著し
く向上する。また、カロチン(色素の一種)が含まれて
いるので、作物の色、艶が良くなり、日持ちが良くな
る。輸送性、保存性が高まるし、動物質有機であるか
ら、有用微生物群が急増する。
【0015】更に、土壌改良効果とは、酸性土壌を中和
し、菌相を変え、微生物の増殖により土壌の団粒構造を
もたらす。その結果、通気性、保水性、排水性に富んだ
理想的なふわふわした土が出来、微生物群の住宿に適し
た条件ができる。このようにして微生物群の増殖が進
み、微生物の分泌液が高まると、植物ヘの代謝機能作用
が旺盛になり、植物の生育と根の伸長を著しく向上させ
る。
【0016】前記カニ殻にはカニ殻抽出液を混ぜるが、
これは、植物細胞の蛋白質を増殖し、キナーゼ・キトサ
ナーゼの活性を高め、植物の自己防衛機能を向上させて
有害菌の生育と感染を抑制する。またワックス効果(粘
り)により、病害虫自体が動作出来なくなり、病害虫の
発生、農薬使用量の軽減ができる。その結果、生産物の
品質向上と増収、土壌改良、ボカシ堆肥の発酵促進、野
菜や植物の鮮度保持等に役立つことになる。
【0017】更に、当該米糠には、窒素、燐酸、加里の
ほか、苦土やカルシウム、鉄等のミネラル、ビタミンB
等養分が豊富に含まれている。これら重要な肥料や養分
を混合したうえ、発酵(ボカシ肥)した混合有機質肥料
は、作物を病虫害から護り農薬を低減し、土壌を改良し
て、作物に潤いと色つやを与え、糖度を高める効果があ
る。
【0018】叙上のように、本発明に係る植物生育基盤
材は、ココピートとピートモスが主体となって、商品と
して流通段階においては小型軽量で一体化した土壌ブロ
ックとなし、これによって、保存、運送、施工などの際
に取り扱いが容易であるようにする。それでいて、一旦
水分を吸収すると、それらの繊維の膨張復元がおこり、
吸水性、保水性、保肥性を有する柔らかい土壌に復元す
る。同時に、容積膨張に伴う多孔質構造の構築によっ
て、生態系保全型の緑化用土壌を具現化することができ
る。従って、これに植物を植えた場合、根の発育が盛ん
になり、病害の発生を防ぎ、効用期間の永い土壌と同じ
機能をすると同時に、生態系保全型の緑化用資材として
は微生物や小動物の住み付く家となる機能も有する。
【0019】前記ココピートとピートモスを主体とした
基礎材は、肥料成分が殆どないので、これに肥料成分と
して腐植酸苦土肥料と、ゼオライトと、アルギン酸ソー
ダ系化合物を主成分とする粉末状土壌活性剤と、甲殻質
肥料粉末(カニ殻や節足動物の殻の粉末等)を主成分と
しこれに米糠とカニ殻抽出液を混ぜたうえ有用菌を入れ
て発酵させたボカシ肥(混合有機質肥料)とを配合し、
混合して植生用土壌とするのである。
【0020】つまり、配合肥料分の第1、腐植酸苦土肥
料は、酸性矯正をおこなうとともに、燐酸の肥効を高
め、第2のゼオライトによって塩基置換容量を高めて地
力を付与し、同時に、各種微量成分で土壌中の有害物を
吸着して植物の健全発育を促し、土壌の緩衝能を高める
機能を付与し、第3のアルギン酸ソーダ系化合物を主成
分とする粉末状土壌活性剤は、微生物を土壌に固定化
し、微生物の働きを永続化させるようにし、第4の甲殻
質肥料粉末(カニ殻や節足動物の殻の粉末等)を主成分
としこれに米糠とカニ殻抽出液を混ぜたうえ有用菌を入
れて発酵させたボカシ肥(混合有機質肥料)は、農薬効
果、肥料効果、土壌改良効果を一挙に付与するようにし
たものである。尚、本発明に係る植生用土壌が生態系保
全型の緑化用資材といわれるのは、甲殻質肥料粉末を主
成分としたボカシ肥(混合有機質肥料)とアルギン酸ソ
ーダ系化合物を主成分とする粉末状土壌活性剤とが微生
物や小動物のの餌となり、多孔質のゼオライトが住家と
なる機能を有するからである。
【0021】従って、本発明に係る植物生育基盤材は、
乾燥時には軽量小型化し、商品として流通したり、保管
したりし易い形態をしているが、水分を吸収すると膨張
崩壊して、植物の生育をさせるに適した地力と、農薬効
果、肥料効果、土壌改良効果を具備し、しかも吸水性、
保水性、保肥性を有する柔らかい土壌に復元する。同時
に、微生物や小動物の住家と餌を備えており、これらを
住みつかせ繁殖させて、これら微生物や小動物との共生
により、永続的に肥料を再生し、ひとつの生系環境地域
(ビオトープ)が出来易くしたものである。
【0022】ここでビオトープの概念に基づいて生態系
環境地域を具現化するための環境条件というのは、動植
物が生存し易い様々な孔や隙間を存在させることと、餌
を得易い状態にしてやることである。例えば、植物にと
っては、根を張る土壌の中に十分な空間があることが重
要であるし、小動物達にとっては、身を隠し、巣を営む
様々な穴や隙間の存在と豊富な餌が欠かせない。つま
り、豊富な生態系の復元や創造には、出来るだけ隙間に
富んだ多孔質環境と餌となる有機質の成分や微生物の存
在が欠かすことの出来ない条件である。
【0023】即ち、本発明は、このようなビオトープの
概念に基づいて、ひとつの生態系環境地域を造るのに適
した植生資材とするため、植物の植生機能と特定の生物
群集も生息し得る機能を付加したものである。
【0024】特許を受けようとする第2発明は、ココピ
ート(ココヤシの根茎部が堆積デイ炭化した土壌改良
材)を主体とし、これにピートモス(水苔が堆積しデイ
炭化した土壌改良材)と、腐植酸苦土肥料と、ゼオライ
ト(モルデン沸石)と、アルギン酸ソーダ系化合物を主
成分とする粉末状土壌活性剤と、甲殻質肥料粉末(カニ
殻や節足動物の殻の粉末等)を主成分としこれに米糠と
カニ殻抽出液を混ぜたうえ有用菌を入れて発酵させたボ
カシ肥とを配合し混合した植生用土壌の水分を低減し、
圧縮成形したことを特徴とする圧縮成形培土である。
【0025】当該第2発明は、基本的には第1発明と同
じ構成になっているが、当初の商品化の段階で、乾燥し
一体化した土壌ブロックを形成する手段として圧縮成形
という方法を採用した点で相違する。そのため、水分を
吸収し土壌として復元した後の機能は、第1発明と同じ
であるが、水分を吸収し膨張復元する際の膨張率が第1
発明に比較して大きく、5倍〜10倍にもなる点で相違
し、それが特徴になっている。これは、取り扱い易さ、
運送、保管のし易さという点でより優れた特徴になって
いる。
【0026】特許を受けようとする第3発明は、ココピ
ート(ココヤシの根茎部が堆積デイ炭化した土壌改良
材)を主体とし、これにピートモス(水苔が堆積しデイ
炭化した土壌改良材)と、腐植酸苦土肥料と、ゼオライ
ト(モルデン沸石)と、アルギン酸ソーダ系化合物を主
成分とする粉末状土壌活性剤と、甲殻質肥料粉末(カニ
殻や節足動物の殻の粉末等)を主成分としこれに米糠と
カニ殻抽出液を混ぜたうえ有用菌を入れて発酵させたボ
カシ肥とを配合し混合した植生用土壌を一体化してなる
植物生育基盤材を、腐食し得る植物、動物などの天然繊
維製の網体、紙、不織布または布のいずれかを用いて形
成した袋状体内に、必要に応じて植物の種子若しくは幼
苗または根分株と共に詰め込むようにしたことを特徴と
する緑化袋体である。
【0027】この第3発明は、第1発明の植物生育基盤
材を袋状体内に詰め込こんでなるものである。植物生育
基盤材は、吸水しただけで膨潤崩壊する構造になってお
り、それが特徴でもある。しかし、その特徴は、水分に
遭遇すれば簡単に壊れて、ブロック状に維持しているの
を困難にする。つまり壊れ易いのである。そこで、この
植物生育基盤材を袋状体内に詰め込こんで保護をはかっ
たものである。尚、その第3発明をそのままの状態で水
分補給し、土壌として膨潤復元すれば、従来の土嚢とし
て緑化施工に使用出来る。この緑化袋体の場合には、小
型軽量なので、運送や保管が容易であり、敷き詰めた
り、積み重ねたりする施工作業が容易である。にもかか
わらず、これに水分を補給すると、膨張して容易に隙間
なく充填した状態とすることができ、袋状体の単位で内
部の植生用土壌の流失を防止できることとなる。尚、必
要に応じて植物の種子若しくは幼苗または根分株と共に
詰め込めば、それだけで植生資材となる利点もある。
【0028】尚、袋状体は、腐食し得る植物、動物など
の天然繊維製の網体、紙、不織布または布のいずれかを
用いて形成したものである。コスト面から麻袋などが実
用的であるが、腐食し得る植物、動物などの天然繊維製
であれば、これに限る必要のないこと勿論である。化学
繊維や合成繊維製のものは安価であるが、長期間分解し
ないので、植物の成長を阻害するので避ける必要があ
る。
【0029】特許を受けようとする第4発明は、ココピ
ート(ココヤシの根茎部が堆積デイ炭化した土壌改良
材)を主体とし、これにピートモス(水苔が堆積しデイ
炭化した土壌改良材)と、腐植酸苦土肥料と、ゼオライ
ト(モルデン沸石)と、アルギン酸ソーダ系化合物を主
成分とする粉末状土壌活性剤と、甲殻質肥料粉末(カニ
殻や節足動物の殻の粉末等)を主成分としこれに米糠と
カニ殻抽出液を混ぜたうえ有用菌を入れて発酵させたボ
カシ肥とを配合し混合した植生用土壌の水分を低減し、
圧縮成形してなる圧縮成形培土を、腐食し得る植物、動
物などの天然繊維製の網体、紙、不織布または布のいず
れかを用いて形成した袋状体内に、必要に応じて植物の
種子若しくは幼苗または根分株と共に詰め込むようにし
たことを特徴とする緑化袋体である。
【0030】当該第4発明は、第3発明と同じ機能と特
徴があるが、袋状体内に詰め込こんだのは第2発明の圧
縮成形培土である。従って、本発明には、第2発明と同
じ機能と特徴も追加される。
【0031】特許を受けようとする第5発明は、植生用
土壌が、ココピート(ココヤシの根茎部が堆積デイ炭化
した土壌改良材)60〜70%、これにピートモス(水
苔が堆積しデイ炭化した土壌改良材)20〜30%、腐
植酸苦土肥料約5〜7%と、ゼオライト(モルデン沸
石)約2%、アルギン酸ソーダ系化合物を主成分とする
粉末状土壌活性剤約1%と、甲殻質肥料粉末(カニ殻や
節足動物の殻の粉末等)を主成分としこれに米糠とカニ
殻抽出液を混ぜたうえ有用菌を入れて発酵させたボカシ
肥約1〜2%とを配合してなるものである。この植生用
土壌は、第1発明若しくは第2発明若しくは第3発明若
しくは第4発明に記載する植物生育基盤材若しくは圧縮
成形培土又はそれらを用いた緑化袋体の構成素材として
好適である。当該第5発明は、第1発明乃至第4発明に
記載する植物生育基盤材や圧縮成形培土の構成成分の配
合割合を理想的な範囲に特定したものである。
【0032】本願発明は叙上のように、当初は圧縮乾燥
され且つ一体化した土壌ブロックとして小型軽量化して
いて取り扱い易い商品となっており、水分の吸収によっ
て膨張崩壊して植物に対して高い植生機能を有する良い
植生用土壌として、有用であり、またビオトープ概念に
基づく微生物や小動物の住宿と餌を具備した生態系環境
地域を造る土壌資材として多方面に利用できるものであ
る。
【0033】
【実施例】以下本願発明を図示の実施例に基づいて詳細
に説明する。図1は、第1発明に係る植物生育基盤材の
一実施例を示す斜視図、図2は、第2発明に係る圧縮成
形培土の一実施例を示す斜視図、図3は、第1発明に係
る植物生育基盤材を袋状体内に詰め込んでなる第3発明
の緑化袋体の一実施例を示す斜視図、図4は、第2発明
に係る圧縮成形培土を袋状体内に詰め込んでなる第4発
明の緑化袋体の一実施例を示す斜視図、図5は、物生育
基盤材や圧縮成形培土に水分を補給して、数倍に容積が
膨張し土嚢となった緑化袋体の状態を示す説明図で、図
6は緑化袋体のなかの物生育基盤材や圧縮成形培土が膨
張し土壌として復元し土嚢となった状態を示す緑化袋体
のB−B線断面説明図である。
【0034】図1に示す植物生育基盤材1は、ココピー
ト(ココヤシの根茎部が堆積デイ炭化した繊維性土壌改
良材)を主体とし、これにピートモス(水苔が堆積しデ
イ炭化した繊維性土壌改良材)と、腐植酸苦土肥料と、
ゼオライト(モルデン沸石)と、アルギン酸ソーダ系化
合物を主成分とする粉末状土壌活性剤と、甲殻質肥料粉
末(カニ殻や節足動物の殻の粉末等)を主成分としこれ
に米糠とカニ殻抽出液を混ぜたうえ有用菌を入れて発酵
させたボカシ肥とを配合し混合した植生用土壌を水溶性
の結着材で一体化した緑化資材である。この植物生育基
盤材3は、その構成材料を出来るだけ乾燥したものを使
用し、出来上がりの水分も約10〜15%と極力少なく
して、比重を0.1〜0.5と軽くする。
【0035】以下、植物生育基盤材を構成する材料の成
分を分析下結果を示す。 (1)ココピート ココピートは、ココヤシの根茎部が堆積デイ炭化した繊
維性土壌改良材である。それは、0.5〜30mm位の
繊維性有機物を主体として、極少量の窒素、燐酸、加里
を含んでいるものである。実施例として使用するココピ
ートは、表1のような分析試験結果であった。
【0036】
【表1】
【0037】(2)ピートモス ピートモスは、水苔が堆積しデイ炭化した繊維性土壌改
良材である。繊維性の形状、有機物を主体として、極少
量の窒素、燐酸、加里を含んでいる。実施例として使用
するピートモスは、表2のような分析試験結果であっ
た。
【表2】
【0038】(3)腐植酸苦土肥料 腐植酸苦土肥料は、腐植酸を主体にく溶性苦土、窒素、
珪酸、鉄などが構成物質となっている。実施例として使
用する腐植酸苦土肥料は、肥料取締法による登録済のも
ので、表3.のような分析試験結果であった。
【0039】
【表3】
【0040】(4)ゼオライト(モルデン沸石) ゼオライトは、イオン交換性と強力な吸着性を有する天
然の非金属鉱物加工品で、ナトリウム、カリウム、カル
シウム、マグネシウム等を含んだアルミノけい酸塩を含
んだ土壌改良剤である。実施例として使用するゼオライ
ト(モルデン沸石)は、表4のような分析試験結果であ
った。
【0041】
【表4】
【0042】(5)アルギン酸ソーダ系化合物を主成分
とする粉末状土壌活性剤 アルギン酸ソーダ系化合物を主成分とする粉末状土壌活
性剤は、海草より生成されたアルギン酸ソーダ系化合物
を主成分とし、これに窒素、燐酸、加里を各6%配合し
たものである。実施例として使用するココピートは、表
5のような分析試験結果であった。
【0043】
【表5】
【0044】(6)甲殻質肥料粉末を主成分としたボカ
シ肥(混合有機質肥料) 実施例のものは、カニ殻の粉末を主成分としこれに米糠
とカニ殻抽出液を混ぜたうえ有用菌を入れて発酵させた
ボカシ肥(混合有機質肥料)である。カニ殻粉末の成分
は、キチン質32.6%とカルシウム29.3%とマグ
ネシウム5.6%、窒素4%、燐酸4%、加里0.5
%、蛋白質29.5%、水分7.2%である。カニ殻抽
出液は、カニの甲羅から抽出生成したキトサン溶液(低
分子高分子の混合液)である。使用に際しては、60倍
〜1000倍の希釈液とする。米糠は、窒素2.1%、
燐酸3.8%、加里1.4%である。実施例における混
合有機質肥料は、前記カニ殻粉末75%と米糠25%と
を混合したものに、カニ殻抽出液をかけて、発酵させた
ものである。
【0045】<実施例1> 前記の用意した(1)〜(6)の構成素材を次の割合
(重量比)に配合し混合して植生用土壌としたうえ、水
0溶性の結着材で一体化して本願の第1発明に係る植物
生育基盤材1を形成した。
【0046】 (1)ココピート 66 % (2)ピートモス 25 % (3)腐植酸苦土肥料 5 % (4)ゼオライト 2 % (5)アルギン酸ソーダ系土壌活性剤 1 % (6)甲殻質肥料粉末ボカシ肥 1 % 合 計 100 %
【0047】当該植物生育基盤材1は、幅30cm×長
さ50cm×厚さ5cmの板状に形成した。これに水分
を吸収させると膨張しほぼ幅43cm×長さ68cm×
厚さ9cmの土壌として崩壊した。
【0048】<実施例2> 図2に示すように、ココピート(ココヤシの根茎部が堆
積デイ炭化した土壌改良材)を主体とし、これにピート
モス(水苔が堆積しデイ炭化した土壌改良材)と、腐植
酸苦土肥料と、ゼオライト(モルデン沸石)と、アルギ
ン酸ソーダ系化合物を主成分とする粉末状土壌活性剤約
と、甲殻質肥料粉末(カニ殻や節足動物の殻の粉末等)
を主成分としこれに米糠とカニ殻抽出液を混ぜたうえ有
用菌を入れて発酵させたボカシ肥とを配合し混合した植
生用土壌の水分を低減し、圧縮成形して圧縮成形培土2
とした。前記の用意した(1)〜(6)の乾燥した構成
素材を次の割合(重量比)に配合して植生用土壌とし
た。
【0049】 (1)ココピート 70 % (2)ピートモス 20 % (3)腐植酸苦土肥料 5 % (4)ゼオライト 2 % (5)アルギン酸ソーダ系土壌活性剤 1 % (6)甲殻質肥料粉末ボカシ肥 1 % 合 計 100 %
【0050】当該植生用土壌を30トン〜50トンの圧
力で圧縮し、幅15cm×長さ30cm×厚さ7cmの
板状に形成し圧縮成形培土2とした。次に、当該圧縮成
形培土2に水分を吸収させると膨張しほぼ幅47cm×
長さ80cm×厚さ20cmの土壌として崩壊した。
尚、この圧縮成形培土2は、構成素材の配合割合により
差異はあるものの水分を吸うことにより3倍〜5倍に膨
張することがわかった。
【0051】<実施例3> 図3に示したように、ココピート(ココヤシの根茎部が
堆積デイ炭化した土壌改良材)を主体とし、これにピー
トモス(水苔が堆積しデイ炭化した土壌改良材)と、腐
植酸苦土肥料と、ゼオライト(モルデン沸石)と、アル
ギン酸ソーダ系化合物を主成分とする粉末状土壌活性剤
約と、甲殻質肥料粉末(カニ殻や節足動物の殻の粉末
等)を主成分としこれに米糠とカニ殻抽出液を混ぜたう
え有用菌を入れて発酵させたボカシ肥とを配合し混合し
た植生用土壌を一体化してなる植物生育基盤材1を、麻
布製の袋状体3a内に、草の種子(ウィーピングラブグ
ラス)と共に詰め込こんで、緑化袋体3となした。植物
生育基盤材1は、第1発明で製造したものを用いた。ま
た、麻布製の袋状体3aは、その寸法が、幅40cm×
長さ60cmの植生用土壌袋を用いた。内部に当該植物
生育基盤材を詰め込んでなる緑化袋体を法面に敷設し
て、水を掛けると、当該麻布製袋状体内の植物生育基盤
材は、膨潤崩壊して満杯に土壌の詰まった植生土嚢とな
った。2週間後には、ウィーピングラブグラスの種子が
発芽し、麻布製袋の上面の荒い目の間から一斉に苗が伸
長しているのが確認された。
【0052】<実施例4> ココピート(ココヤシの根茎部が堆積デイ炭化した土壌
改良材)を主体とし、これにピートモス(水苔が堆積し
デイ炭化した土壌改良材)と、腐植酸苦土肥料と、ゼオ
ライト(モルデン沸石)と、アルギン酸ソーダ系化合物
を主成分とする粉末状土壌活性剤約と、甲殻質肥料粉末
(カニ殻や節足動物の殻の粉末等)を主成分としこれに
米糠とカニ殻抽出液を混ぜたうえ有用菌を入れて発酵さ
せたボカシ肥とを配合し混合した植生用土壌の水分を低
減し、圧縮成形してなる圧縮成形培土2を、水溶性不織
布製の袋状体4a内に、草の種子(メドハギ)と共に詰
め込こんで、緑化袋体4となした。圧縮成形培土2は、
第2発明で製造したものを用いた。また、水溶性不織布
で製造した袋状体4aは、その寸法が、幅40cm×長
さ60cmの植生用土壌袋を用いた。この緑化袋体4は
水分が少なく、小型軽量で取り扱い易い。
【0053】内部に当該圧縮成形培土を詰め込んでなる
緑化袋体4を法面に並べる様に敷設して水を掛けると、
当該水溶性不織布製袋状体4a内の圧縮成形培土2は、
膨潤崩壊して満杯に土壌の詰まった植生土嚢の状態とな
り、法面に隙間なく敷き詰めた状態に施工された。2週
間後には、不織布製袋状体4aは溶解して壊れていた
が、内部のメドハギの種子が発芽し、不織布製袋状体4
aの上面の荒い目の間から一斉に苗が伸長しているのが
確認された。
【0054】尚、発明者は、本願第1発明乃至第4発明
の基礎となる植生用土壌について、施工現場の環境や用
途別にその構成素材の配合割合について、種々試作し、
実験を繰り返した結果、ココピート(ココヤシの根茎部
が堆積デイ炭化した土壌改良材)60〜70%、これに
ピートモス(水苔が堆積しデイ炭化した土壌改良材)2
0〜30%、腐植酸苦土肥料約5〜7%と、ゼオライト
(モルデン沸石)約2%、アルギン酸ソーダ系化合物を
主成分とする粉末状土壌活性剤約1%と、甲殻質肥料粉
末(カニ殻や節足動物の殻の粉末等)を主成分としこれ
に米糠とカニ殻抽出液を混ぜたうえ有用菌を入れて発酵
させたボカシ肥約1〜2%とを配合してなるものであれ
ば、実用性があり、好ましいことを見出した。
【0055】
【効果】本発明に係る植物生育基盤材は、ココピートと
ピートモスが主体となって、商品として流通段階におい
ては小型軽量で一体化した半乾燥している土壌ブロック
となし、これによって、保存、運送、施工などの際に取
り扱いが容易であるようにする。それでいて、水分を吸
収することによって繊維の膨張復元がおこり、吸水性、
保水性、保肥性を有する柔らかい土壌に復元するととも
に、容積膨張に伴う多孔質構造の構築によって生態系保
全型の緑化用土壌を具現化することができるようにし
た。従って、これに植物を植えた場合、根の発育が盛ん
になり、病害の発生を防ぎ、効用期間の永い土壌と同じ
機能をする。同時に、生態系保全型の緑化用資材として
は微生物や小動物の住宿となる。
【0056】また、植物生育基盤材は、ココピートとピ
ートモスを主体とした前記基礎材に肥料成分として腐植
酸苦土肥料と、ゼオライトと、アルギン酸ソーダ系化合
物を主成分とする粉末状土壌活性剤と、甲殻質肥料粉末
(カニ殻や節足動物の殻の粉末等)を主成分としこれに
米糠とカニ殻抽出液を混ぜたうえ有用菌を入れて発酵さ
せたボカシ肥(混合有機質肥料)とを配合し、土壌ブロ
ック状に一体化たものである。即ち、配合肥料成分によ
って、ペーハー調整をおこなうとともに、燐酸の肥効を
高めたり塩基置換容量を高めて地力を付与し、同時に、
各種微量成分で土壌中の有害物を吸着して植物の健全発
育を促し、土壌の緩衝能を高める機能を付与し、微生物
を土壌に固定化して、微生物の働きを永続化させるな
ど、農薬効果、肥料効果、土壌改良効果を一挙に付与す
るようにして、良い土壌の状態にしている。
【0057】また、当該植物生育基盤材を土壌ブロック
状に一体化する方法を圧縮成形法により行ったものを圧
縮成形培土とした。当該圧縮成形培土も前記植物生育基
盤材も基本的には同じ発想と特徴を有している。しか
し、当該圧縮成形培土は、植物生育基盤材に比較して小
型軽量化が著しく、運送や保管や施工作業等の際に取り
扱い易くより経済的である。
【0058】更に、植物生育基盤材を水溶性又は腐食性
のある袋状体内に、必要に応じて種子等と共に詰め込こ
んでなる緑化袋体を第3発明とし、圧縮成形培土を水溶
性又は腐食性のある袋状体内に種子等と共に詰め込こん
でなる緑化袋体を第4発明として新しい緑化資材とし
た。これら緑化資材は、袋状体で被覆したことにより植
物生育基盤材や圧縮成形培土の雨風による流失を防ぎ、
必要な量の植物生育基盤を常に確保し、鳥や動物から保
護する役割がある。更に、寒冷地では、植物の根茎部の
保温効果もある。また、土嚢は、重くて扱いにくいもの
とされていたが、本願緑化袋体は小型軽量なので、運搬
や施工に便利なものとなっている。
【0059】更にまた、本願発明は、いずれも生態系保
全型の緑化用資材としての性質を有している。甲殻質肥
料粉末を主成分としたボカシ肥(混合有機質肥料)とア
ルギン酸ソーダ系化合物を主成分とする粉末状土壌活性
剤とが微生物や小動物のの餌となり、膨張した繊維性の
ココピートとピートモスと多孔質のゼオライトが住家と
なる。このため、ビオトープ概念に基づく微生物や小動
物の住みかと餌を具備した生態系環境地域を造る機能
(ビオトープ機能)を有する土壌資材として多方面に利
用できるものである。
【0060】叙上のように吸水性、保水性、保肥性を有
する柔らかい土壌に復元するココピートとピートモスを
主体とした前記基礎材と農薬効果、肥料効果、土壌改良
効果を具備する肥料成分とを組み合わせた結果、肥沃で
良い土壌を、持ち運びが容易で、取り扱い易い大きさに
一体化した土壌ブロックとして商品化することができる
ようになり、更に、この土壌ブロックを敷き詰めるだ
け、または敷き詰めたうえ水分を補給するだけで、植生
に必要な厚さに地力のある良好な生育基盤領域や培土領
域を造成できる緑化資材を具現化したものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1発明に係る植物生育基盤材の一実施例を
示す斜視図である。
【図2】 第2発明に係る圧縮成形培土の一実施例を示
す斜視図である。
【図3】 第1発明に係る植物生育基盤材を袋状体内に
詰め込んでなる第3発明の緑化袋体の一実施例を示す斜
視図である。
【図4】 第2発明に係る圧縮成形培土を袋状体内に詰
め込んでなる第4発明の緑化袋体の一実施例を示す斜視
図である。
【図5】 植物生育基盤材や圧縮成形培土に水分を補給
して、数倍に容積が膨張した状態の土嚢となった緑化袋
体を示す説明図である。
【図6】 緑化袋体のなかの物生育基盤材や圧縮成形培
土が膨張し良き土壌として復元し土嚢となった状態を示
す緑化袋体のB−B線断面説明図である。
【主な符合の説明】
1…植物生育基盤材 2…圧縮成形培土 3…緑化袋体 3a…袋状体(麻布製) 4…緑化袋体 4a…袋状体(不織布製) 2…圧縮成形培土
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−89212(JP,A) 特開 平6−146293(JP,A) 特開 平7−189257(JP,A) 特開 昭58−183015(JP,A) 実開 昭63−95743(JP,U) 実開 昭55−136842(JP,U) 実開 昭60−139409(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 17/20 102 A01G 1/00 303 E02B 3/12 A01G 9/10 ZAB

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ココピートを主体とし、これにピートモス
    と、腐植酸苦土肥料と、ゼオライトと、アルギン酸ソー
    ダ系化合物を主成分とする粉末状土壌活性剤と、甲殻質
    肥料粉末を主成分としこれに米糠とカニ殻抽出液を混ぜ
    たうえ有用菌を入れて発酵させたボカシ肥とを配合し混
    合した植生用土壌を水溶性または腐食性の結着材で一体
    化したことを特徴とする植物生育基盤材。
  2. 【請求項2】ココピートを主体とし、これにピートモス
    と、腐植酸苦土肥料と、ゼオライトと、アルギン酸ソー
    ダ系化合物を主成分とする粉末状土壌活性剤と、甲殻質
    肥料粉末を主成分としこれに米糠とカニ殻抽出液を混ぜ
    たうえ有用菌を入れて発酵させたボカシ肥とを配合し混
    合した植生用土壌の水分を低減し、圧縮成形したことを
    特徴とする圧縮成形培土。
  3. 【請求項3】ココピートを主体とし、これにピートモス
    と、腐植酸苦土肥料と、ゼオライトと、アルギン酸ソー
    ダ系化合物を主成分とする粉末状土壌活性剤と、甲殻質
    肥料粉末を主成分としこれに米糠とカニ殻抽出液を混ぜ
    たうえ有用菌を入れて発酵させたボカシ肥とを配合し混
    合した植生用土壌一体化してなる植物生育基盤材を、腐
    食し得る植物、動物などの天然繊維製の網体、紙、不織
    布または布のいずれかを用いて形成した袋状体内に、必
    要に応じて植物の種子若しくは幼苗または根分株と共に
    詰め込むようにしたことを特徴とする緑化袋体。
  4. 【請求項4】ココピートを主体とし、これにピートモス
    と、腐植酸苦土肥料と、ゼオライトと、アルギン酸ソー
    ダ系化合物を主成分とする粉末状土壌活性剤と、甲殻質
    肥料粉末を主成分としこれに米糠とカニ殻抽出液を混ぜ
    たうえ有用菌を入れて発酵させたボカシ肥とを配合し混
    合した植生用土壌の水分を低減し、圧縮成形してなる圧
    縮成形培土を、腐食し得る植物、動物などの天然繊維製
    の網体、紙、不織布または布のいずれかを用いて形成し
    た袋状体内に、必要に応じて植物の種子若しくは幼苗ま
    たは根分株と共に詰め込むようにしたことを特徴とする
    緑化袋体。
  5. 【請求項5】植物生育基盤材が、ココピート60〜70
    %、これにピートモス20〜30%、腐植酸苦土肥料約
    5〜7%と、ゼオライト約2%、アルギン酸ソーダ系化
    合物を主成分とする粉末状土壌活性剤約1%と、甲殻質
    肥料粉末を主成分としこれに米糠とカニ殻抽出液を混ぜ
    たうえ有用菌を入れて発酵させたボカシ肥約1〜2%と
    を配合してなる植物生育基盤材であることを特徴とする
    請求項1若しくは請求項2若しくは請求項3若しくは請
    求項4に記載する植物生育基盤材若しくは圧縮成形培土
    又はそれらを用いた緑化袋体。
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