JP3143449B2 - 塗布具 - Google Patents

塗布具

Info

Publication number
JP3143449B2
JP3143449B2 JP11116655A JP11665599A JP3143449B2 JP 3143449 B2 JP3143449 B2 JP 3143449B2 JP 11116655 A JP11116655 A JP 11116655A JP 11665599 A JP11665599 A JP 11665599A JP 3143449 B2 JP3143449 B2 JP 3143449B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paint
pressure
air
axis direction
applicator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP11116655A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000301032A (ja
Inventor
和吉 渕田
幸彦 村山
浩二 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meiji Air Compressor Mfg Co Ltd
Original Assignee
Meiji Air Compressor Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meiji Air Compressor Mfg Co Ltd filed Critical Meiji Air Compressor Mfg Co Ltd
Priority to JP11116655A priority Critical patent/JP3143449B2/ja
Priority to JP2000020536A priority patent/JP3921023B2/ja
Publication of JP2000301032A publication Critical patent/JP2000301032A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3143449B2 publication Critical patent/JP3143449B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた塗着効率を
維持しながら、パターン巾の広い偏平な吹付けパターン
でかつ均一な密度で塗料を吹付けできる塗布具に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、吹付け塗装における塗着効率を飛
躍的に向上させるものとして、例えば特開平6−285
398号公報のものが提案されており、図14に略示す
るように、高圧塗料と高圧空気とを導入して混合させる
高圧室aに、断面積を漸減させた絞り口bを介して吐出
側に広がりを有するノズル部cを連接している。
【0003】この構成においては、加圧された混合体の
中の高圧空気は、絞り口bをへてノズル部c内を流過す
る過程で、ノズル部c内で膨張しながら超音速に近い高
速となる。この時、塗料も高速空気に巻き込まれて微粒
化しながら加速され、ノズル部cから吹出される塗料粒
子は、粒子自身で充分な運動エネルギーを有して直線的
に進行する。一方、空気においては、ノズル部cを出た
ところで運動エネルギーが圧力に変わり流速を失うた
め、気体の伴流を伴うことなく実質的に塗料粒子のみを
被塗装面に衝突させ塗着できる。
【0004】従って、例えば、空気流に乗せて塗料粒子
を運ぶエアスプレー塗装における塗着効率が30%程度
であるのに対して、90〜97%程度まで塗着効率を向
上させることが可能となる。しかも、塗料粒子自体の運
動エネルギーが高いため、空気の影響を受けにくく、従
って、1m程度離れた遠距離からでも塗布しうるという
利点も有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記方
式の塗装においても、広い面積をムラなく均一な厚さで
かつ作業性良く塗装するためには、パターン巾の広い偏
平な吹付けパターンを有することが必要であり、特に、
遠距離からの塗布が可能という利点を最大限に活かして
例えば船体、建築物等の大型被塗装物へ塗装する場合に
は、より偏平な吹付けパターンを確保することが重要と
なる。しかし、前述したようにエアスプレーガン等とは
方式自体が全く異なるため、エアスプレーガンの如く、
角部分からパターン空気を噴出する等の手法では、吹付
けパターンを変化させることは難しく、しかも塗着効率
などの利点を阻害する恐れもある。
【0006】従って、前記方式において、塗料粒子の分
布密度を均一に保ちながらより偏平な吹付けパターンを
得るためには、新規な構造を採用することが必要とな
る。
【0007】そこで本発明は、絞り口を楕円状に形成
し、しかもその吐出側に絞り口の長軸方向に開く扇形溝
状の案内部を形成することを基本として、前記利点を損
ねることなく、塗料粒子の分布密度を均一とした偏平な
吹付けパターンを安定して形成することができ、広い被
塗装面に対してムラなく均一な塗膜厚さで作業性良く塗
装しうる塗布具の提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本願の塗布具の発明のうち、請求項1は、高圧塗料
が流入する塗料導入口と、高圧空気が流入する空気導入
口とが開口する高圧室に、高圧塗料と高圧空気との混合
体が吐出される小開口面積の絞り口を形成し、かつ前記
絞り口を楕円状とするとともに、絞り口の吐出側に、該
絞り口の中心軸から両側にこの絞り口の長軸方向に開
かつ向き合う扇形壁を有する扇形溝状案内部を形成
し、しかも該案内部の長軸方向の断面での開き角度αを
50〜120゜とし、かつ短軸方向の断面での前記扇形
壁間の角度βを0〜15゜としたことを特徴としてい
る。
【0009】また請求項2では、前記絞り口は、前記扇
形壁との交わり縁が吐出側に湾曲することを特徴として
いる。
【0010】また請求項3では、前記塗布具は、塗料導
入口を開閉する針弁を具えたスプレーガン状をなすこと
を特徴としている。
【0011】また請求項4記載の発明は、絞り部の短軸
方向の長さaに対する長軸方向の長さbの比a/bを
0.05〜0.75、かつ短軸方向の長さaを0.4〜
3.0mmであることを特徴としている。
【0012】又請求項5記載の発明は、前記絞り口と前
記扇形壁との前記交わり縁がエッジ状をなすことを特徴
とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
示例とともに説明する。図1は、本発明の塗布具1が、
所謂スプレーガンとして形成される場合を例示してお
り、塗布具1は、本例では、ガン本体2の前端に、高圧
塗料と高圧空気とが流入して混合する高圧室3に絞り口
4を介して扇形溝状Yの案内部5を連設したヘッド部6
を設けている。
【0014】なお前記ガン本体2には、前記高圧室3で
開口する空気導入口7に導通し高圧空気供給源50から
の高圧空気を高圧室3に案内する空気流路9と、前記高
圧室3で開口する塗料導入口10に導通し高圧塗料供給
源51からの高圧塗料を高圧室に3に案内する塗料流路
11とを具えている。
【0015】又前記空気流路9および塗料流路11に
は、引き金12への引き操作によって各流路9、11を
順次開閉する空気弁13及び塗料弁14がそれぞれ介在
する。本例では、引き操作によって空気弁13が開放し
た後塗料弁14が順次開放し、また引き戻し操作によっ
て塗料弁14が閉止した後空気弁13が順次閉止する如
く構成している。
【0016】又前記高圧塗料の圧力P1、及び高圧空気
の圧力P2は、実質的に等しくかつ本例では、0.7〜
2.0MPaの範囲、例えば1.0MPaに設定され
る。ここで、「実質的に等しい」とは、比P2/P1=
0.90〜1.10の範囲であって、高圧塗料の空気流
路9内への逆流を防止するためP2≧P1とするのが好
ましい。
【0017】なお本例では、図13に示すように、高圧
空気供給源50としては、エアーコンプレッサ−52
と、このエアーコンプレッサ−52によって予備加圧さ
れた空気を圧力P2(本例では1.0MPa)まで本加
圧するブースター53とを具える。又高圧塗料供給源5
1としては、ダイヤフラムポンプやプランジャーポンプ
などの往復ポンプ54から構成され、前記ブースター5
3から出力される圧力P2の高圧空気のうちの一方の高
圧空気をポンプ駆動用空気として前記往復ポンプ54に
連結している。従って、本例では、P1=P2として設
定できる。なお高圧空気供給源50と高圧塗料供給源5
1とは、車輪などを有する台車55に一体可搬に取付け
され、作業効率を高めている。
【0018】次に、前記塗布具1を詳しく説明すると、
前記ガン本体2は、図1に示すように、把手部31の上
端に胴部32を配したピストル状をなし、前記胴部32
には、引き金12を枢着した胴部本体32Aの前後に、
前記把手部31が連なる後胴部分32R、及び前記ヘッ
ド部6が取付く前胴部分32Fが配される。
【0019】また前記空気流路9は、例えば把手部31
の下端に設ける空気取入口34から、前記後胴部分32
Rを前後に貫通形成される弁収納孔35にのびる流入孔
36を含み、この流入孔36には、把手部31下端の調
節ネジによって空気流量を調整しうる絞り弁37が介在
する。なお前記弁収納孔35は、空気弁13を収納する
孔部であって、弁座39を介して前後の空気室35F、
35Rに区分される。大径側の後の空気室35Rには、
前記流入孔36が開口するとともに袋ナットによりその
後端が封止される。
【0020】また前記空気弁13は、本例では、前記弁
座39と、この弁座39に接離することにより前記前後
の空気室35F、35R間を連通ないし遮断しうるコー
ン状の弁部40Aを後端に膨設した弁軸40とから構成
される。この弁軸40は、前記弁収納孔35前端の軸受
け部分41により軸封状態かつ前後に摺動可能に保持さ
れるとともに、前記袋ナットとの間に収容されるバネ手
段によって前方に付勢される。
【0021】また前記空気流路9は、前記前の空気室3
5Fから前記胴部本体32A内を通って前方にのびる導
孔42を有し、この導孔42の先端は、前記高圧室3の
周囲に形成される環状の空気溜まり43に連通してい
る。
【0022】次に、前記ヘッド部6は、図2に示すよう
に、前記前胴部分32F前端の取付穴46に装着される
ベース金具15と、該ベース金具15に接続するノズル
キャップ16とを具え、これらによって前記高圧室3と
絞り口4と案内部5とを形成している。
【0023】前記ベース金具15は、本例では、前端に
ノズルキャップ16連結用の嵌合凹部15A1を設けた
頭部15Aと、この頭部15Aに連なりかつ前記取付穴
46内に螺着される外ネジ部分15B1を有する胴部1
5Bとを具えるボルト状をなす。また胴部15Bの周囲
には、前記外ネジ部分15B1と頭部15Aとの間の領
域に、前記空気溜まり43を形成している。
【0024】またベース金具15には、前記嵌合凹部1
5A1の底面から後方にのびる内孔19を有し、この内
孔19には、その内周面に空気導入口7が開口するとと
もに後端には塗料導入口10が開口する。なお前記空気
導入口7は、前記胴部15Bを貫通することにより空気
溜まり43をへて空気流路9に通じ、前記塗料導入口1
0には、本例では、前胴部分32Fの下端に設ける塗料
取入口45から前記取付穴46の後側部分46Aへのび
る塗料流路11が導通する。
【0025】また前記塗料導入口10は、その後端に先
細コーン状の弁座10Aを有し、この弁座10Aを用い
て前記塗料弁14を形成している。前記塗料弁14は、
本例では、塗料導入口10を開閉する針弁20であり、
取付穴46の前記後側部分46Aを通り、図1の如く、
後胴部分32Rの横孔47まで延出している。なお塗料
弁14の後端側は、前記横孔47前端の軸受け部分49
によって前後に摺動可能に保持されるとともに、前記横
孔47後端に配するナット金具との間のバネ手段によっ
て前方に付勢される。
【0026】また前記ノズルキャップ16は、前記嵌合
凹部15A1に嵌合する円柱状の基部16Aと、この基
部16Aの前端に形成される半球面状の頭部16Bとを
具え、また基部16Aの中間位置には、フランジ部分1
6A1を突出している。なお、本例では、前胴部分32
F前端にはリング状の継ぎナット17(図2に示す)が
螺着し、この継ぎナット17の前縁で内向きに突出する
鍔部17Aが、前記フランジ部分16A1の前面と係合
することによって、前記ノズルキャップ16は、嵌合凹
部15A1内に狭圧されて固定される。
【0027】また前記ノズルキャップ16には、前記内
孔19と同心に連なる中心孔21を有し、この中心孔2
1は、前記内孔19から前方に向かって先細状にのびる
コーン部22と、このコーン部22の先端に形成される
小開口面積の絞り口4と、この絞り口4の吐出側(前方
側)に形成される扇形溝状Yの案内部5とを具えてい
る。なお本例では、前記内孔19とコーン部22とによ
って高圧室3を形成している。
【0028】そして、本願では、図3〜7に示すよう
に、前記絞り口4を楕円状に形成すること、及び前記案
内部5を、この絞り口4の中心軸Jから両側にこの絞り
口4の長軸方向に開く扇形溝状Yをなし、しかも向き合
う扇形壁23、23を前方側に向かって拡幅するテーパ
状又は平行状に形成したことを特徴としている。
【0029】詳しくは、図3、7に示すように、本例で
は、前記コーン部22の内周面22Sは、中心軸Jと直
角方向の断面が円形の円錐状体V1をなす。他方、前記
案内部5の内周面5Sは、縦長楕円状の断面を有し後方
側に向かって先細となる楕円錐状体V2に形成される。
従って、前記絞り口4は、本例では、この円錐状体V1
と楕円錐状体V2との交わり縁Kで囲む唇状の立体形状
を有している。
【0030】言い換えると、本例では、前記絞り口4は
扇形壁23との短軸側の交わり縁K1を前方に湾曲させ
た曲面で形成され、前記中心軸Jとの直交面に投影した
時、及び平面に展開したときそれぞれ楕円状を有してい
る。なお、図6に示すように、前記直交面への投影状態
における、絞り口4の短軸方向の長さaと、長軸方向の
長さbとの比a/bである偏平率は、本例では、0.0
5〜0.75の範囲であって、また前記長さaは0.4
〜3.0mmの範囲に設定している。
【0031】ここで「楕円状」とは、本例の如き、長軸
側の2辺を平行とした長円体の他、図8(A)、(B)
の如き楕円体や小判状体、あるいは図8(C)の如く、
長軸方向の頂部Reが鋭角なエッジ状をなすなど種々の
偏平状のものを含むことができる。
【0032】また、前記ノズルキャップ16の前記中心
軸Jに沿った長軸方向の断面Sb及び短軸方向の断面S
aをそれぞれ図4、5に示すように、前記内周面22S
と内周面5Sとは、絞り口4を介してエッジ状に折れ曲
がって接続する。また前記扇形壁23の上縁23U及び
下縁23Lは、前記絞り口4から中心軸Jの両側(本例
では上下)に向かって扇状に傾斜してのび、前記断面S
bにおける開き角度すなわち前記案内部5の開き角度α
を50〜120度の範囲に設定している。また前記断面
Saにおける前記扇形壁23、23間の角度βは、前記
開き角度αよりも著しく小であり、0〜15度の範囲に
設定している。なお0°の時平行状となり、それ以外の
時テーパ状となる。又前記開き角度α及び角度βは、そ
れぞれ一定であり、従って、断面Sa、Sbにおける内
周面5Sの輪郭線Nは、直線で形成される。
【0033】なお本例では、前記扇形壁23には、図
3、6、7に示すように、絞り口4から前方側に向かっ
て扇状にのびる扇状平面部分23Sを主部として含んだ
場合を例示している。
【0034】然して、引き金12の引き操作により空気
弁13と塗料弁14とが順番に開放し、空気取入口34
から空気流路9を流過した高圧空気、及び塗料取入口4
5から塗料流路11を流過した高圧塗料は、それぞれ空
気導入口7及び塗料導入口10をへて高圧室3内に流入
して混合される。なお、高圧空気を高圧塗料に先駆けて
流入することにより、塗料を徐々に吹付けでき操作性を
高めるとともに、作動初期に生じやすい圧力不均衡に原
因する高圧塗料の空気流路9内への逆流を防止すること
ができる。
【0035】また本例では、高圧室3の周囲に環状の空
気溜まり43を形成することによって、複数個(本例で
は6個)の空気導入口7を、周方向に略等間隔を隔てて
配している。従って、高圧室3内への高圧空気の供給量
の不足を防止しながら各空気導入口7の開口面積を十分
小さく設定でき、例えば一つの空気導入口7から多量の
高圧空気が一度に流れ込んで高圧塗料が泡状となり、両
者の混合が不均一となって吹付けが不安定或いは不連続
となるのを防止できる。なお、各空気導入口7の直径は
0.2〜1.0mm程度、かつ開口面積の総和は前記塗
料導入口10の開口面積の1〜10%程度が好ましい。
なお10%を越えると、空気量が過大となって、塗料粒
子の微細化は促進されるものの塗着効率の低下を招く傾
向となり、逆に1%未満となると塗料粒子が粗大化す
る。しかし要求により10%以上とすることもできる。
なお本例では、直径が0.4mmかつ開口面積の総和が
塗料導入口10の2.5%の場合を例示している。
【0036】次に、高圧室3内で均一に混合された混合
体は、絞り口3をへて案内部5を通過する際、急激に膨
張しながら超音速に近い高速となる。この時、前記絞り
口3が楕円状をなすこと、及び前記案内部5が扇形溝状
Yをなすことにより、高圧塗料は、微粒化しながら加速
され、充分な運動エネルギーを保持しつつ、図9に示す
ように、極めて偏平な吹付けパターンQを有して前記絞
り口3から放射状に吐出できる。また吹付けパターンQ
内においても塗料粒子の分布密度は、略均一となり、従
って、広い被塗装面に対してムラなく均一な塗膜厚さで
作業性良く塗装しうる。
【0037】なお前記構造とすることにより、パターン
巾QWに対するパターン長さQLの比である偏平率QW
/QLを20%以下に偏平化でき、また吹付け距離Lの
1.0倍以上、さらには1.5倍以上のパターン長さQ
Lを確保することも可能となる。なお、塗料粒子の分布
密度を均一に維持するためには、前記偏平率QW/QL
を5%以上に保つことが好ましい。
【0038】又前記塗布具1では、前記交わり縁Kがエ
ッジ状をなすため、コーン部22と案内部5との断面形
状が前記絞り口3で急激に変化するなど混合体にかく乱
が起こり、混合をさらに均一化させるとともに塗料の微
粒子化を促進させる。
【0039】ここで、前記絞り口3が楕円状でなかった
り、或いは前記案内部5が扇形溝状Yでない場合には、
高圧塗料が粗大化しかつ運動エネルギーが不充分となっ
て塗着効率の低下を招くとともに、偏平な吹付けパター
ンQの形成自体ができなかったり、またパターン内の塗
料粒子の分布密度が不均一化したりするなどの不具合を
招くこととなる。
【0040】特に、分布密度を均一とした偏平な吹付け
パターンQを得るためには、前述の如く、絞り口4にお
ける偏平率a/bが0.05〜0.75、案内部5の開
き角度αが50〜120゜、及び扇形壁23間の角度β
が0〜15゜とすることが好ましい。なお前記角度β
は、塗布効率のうえでは5〜15°とするのがさらに好
ましい。
【0041】なお、本願の他の実施例を図10〜12に
例示する。図10に示す如く、例えば前記コーン部22
も楕円錐状体V3で形成し、絞り口4を案内部5がなす
楕円錐状体V2との交わり縁Kで形成する。この時、絞
り口4は中心軸Jと直角な平面内で楕円状に形成され
る。なお前記楕円錐状体V3として、本例では、後端が
円形状断面をなし前端に向かって楕円状断面が偏平化す
るものを例示している。
【0042】又図11に示すように、絞り口4を、中心
軸Jと直角な平面内で楕円状に開口させる一方、絞り口
4と案内部5の内周面5Sとを前記平面内で段差25を
有して接続する、すなわち案内部5がなす楕円錐状体V
2後端の断面形状と絞り口4とを相違させることもでき
る。なお図11では便宜上、案内部5の断面を矩形状に
描いている。
【0043】また、前記扇形壁23として、図12に正
面図を示すように、前記扇状平面部分23Sを含むこと
なく、外方に向かって凸状に湾曲させた湾曲面部分23
S1で形成しても良い。又絞り口3及び/又は案内部5
の表面は、高速の塗料との摩耗を防止するために、チタ
ン等の超合金で形成又は被覆することが好ましい。この
ように、本願の塗布具1は、種々な態様に変化させるこ
とができる。
【0044】
【発明の効果】叙上の如く本発明の塗布具は、絞り口を
楕円状に形成し、しかもその吐出側に絞り口の長軸方向
に開く扇形溝状の案内部を形成している。従って、塗着
効率が高い、空気の影響を受けにくく遠距離からの塗布
が可能、入隅部への塗布が可能などの種々の利点を確保
しながら、塗料粒子の分布密度を均一とした偏平な吹付
けパターンを安定して形成することがでる。その結果、
特に広い被塗装面に対し、ムラなく均一な塗膜厚さで塗
装することができ、塗装品質と塗装作業性能とを大幅に
向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の塗布具の断面図である。
【図2】そのヘッド部を拡大して示す断面図である。
【図3】ノズルチップを示す斜視図である。
【図4】ノズルチップの長軸方向の断面図である。
【図5】ノズルチップの短軸方向の断面図である。
【図6】ノズルチップの正面図である。
【図7】絞り口を、案内部の内周面およびコーブ部の内
周面とともに示す斜視図である。
【図8】(A)、(B)、(C)絞り口の他の形状を示
す正面図である。
【図9】吹き付けパターンを説明する線図である。
【図10】絞り口の他の実施例を示す斜視図である。
【図11】絞り口のさらに他の実施例を示す斜視図であ
る。
【図12】扇形壁の他の実施例を示す正面図である。
【図13】高圧空気源及び高圧塗料源を説明する線図で
ある。
【図14】従来技術を説明する断面図である。
【符号の説明】
3 高圧室 4 絞り口 5 案内部 9 空気導入口 10 塗料導入口 20 針弁 23 扇形壁 J 中心軸 K 交わり縁 Y 扇形溝状
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05B 7/04 B05B 1/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高圧塗料が流入する塗料導入口と、高圧空
    気が流入する空気導入口とが開口する高圧室に、高圧塗
    料と高圧空気との混合体が吐出される小開口面積の絞り
    口を形成し、かつ前記絞り口を楕円状とするとともに、
    絞り口の吐出側に、該絞り口の中心軸から両側にこの絞
    り口の長軸方向に開きかつ向き合う扇形壁を有する扇形
    溝状案内部を形成し、しかも該案内部の長軸方向の断
    面での開き角度αを50〜120゜とし、かつ短軸方向
    の断面での前記扇形壁間の角度βを0〜15゜としたこ
    とを特徴とする塗布具。
  2. 【請求項2】前記絞り口は、前記扇形壁との交わり縁が
    吐出側に湾曲することを特徴とする請求項1記載の塗布
    具。
  3. 【請求項3】前記塗布具は、塗料導入口を開閉する針弁
    を具えたスプレーガン状をなすことを特徴とする請求項
    1又は2記載の塗布具。
  4. 【請求項4】前記絞り部の短軸方向の長さaに対する長
    軸方向の長さbの比a/bを0.05〜0.75、かつ
    短軸方向の長さaを0.4〜3.0mmであることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗布具。
  5. 【請求項5】前記絞り口と前記扇形壁との前記交わり縁
    がエッジ状をなすことを特徴とする請求項2記載の塗布
    具。
JP11116655A 1999-04-23 1999-04-23 塗布具 Expired - Fee Related JP3143449B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11116655A JP3143449B2 (ja) 1999-04-23 1999-04-23 塗布具
JP2000020536A JP3921023B2 (ja) 1999-04-23 2000-01-28 塗布具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11116655A JP3143449B2 (ja) 1999-04-23 1999-04-23 塗布具

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000020536A Division JP3921023B2 (ja) 1999-04-23 2000-01-28 塗布具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000301032A JP2000301032A (ja) 2000-10-31
JP3143449B2 true JP3143449B2 (ja) 2001-03-07

Family

ID=14692621

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11116655A Expired - Fee Related JP3143449B2 (ja) 1999-04-23 1999-04-23 塗布具
JP2000020536A Expired - Fee Related JP3921023B2 (ja) 1999-04-23 2000-01-28 塗布具

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000020536A Expired - Fee Related JP3921023B2 (ja) 1999-04-23 2000-01-28 塗布具

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP3143449B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107847948A (zh) * 2015-07-22 2018-03-27 阿普塔多特蒙德有限公司 喷嘴布置和分配头

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE20104036U1 (de) * 2001-02-16 2001-06-21 Wagner Wilhelm Wiwa Spritzpistole
US20060196970A1 (en) * 2005-03-07 2006-09-07 Lear Corporation Spray nozzle for spray forming a reactant mixture applied with a flat fan spray
JP4754454B2 (ja) * 2006-10-10 2011-08-24 東洋ガラス株式会社 ガラスびん口部天面のコーティング方法
JP5160273B2 (ja) * 2008-03-14 2013-03-13 旭サナック株式会社 粉体塗装用ノズル
TW201210700A (en) * 2010-09-03 2012-03-16 Victor Air Tools Co Ltd Spray coating apparatus with improved spray material structure
JP5773808B2 (ja) * 2011-08-31 2015-09-02 藤倉化成株式会社 塗料用スプレーガン

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107847948A (zh) * 2015-07-22 2018-03-27 阿普塔多特蒙德有限公司 喷嘴布置和分配头

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000301032A (ja) 2000-10-31
JP3921023B2 (ja) 2007-05-30
JP2000308839A (ja) 2000-11-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6494387B1 (en) Low-pressure atomizing spray gun
TWI294790B (en) Spray coating device and method, and method of making the spray coating device
US5456414A (en) Suction feed nozzle assembly for HVLP spray gun
JP2769962B2 (ja) 塗装に適する空気添加型噴霧装置
JP4865765B2 (ja) スプレイガン
US5344078A (en) Nozzle assembly for HVLP spray gun
JP3801967B2 (ja) ノズルおよび該ノズルによる導管内周面への流体噴射方法
JP5787410B2 (ja) スプレーガン
JPH0418952A (ja) 低圧微粒化エアスプレーガン
JPH11156250A (ja) 改良型空気圧式噴霧装置
JP5787408B2 (ja) スプレーガン
JP3143449B2 (ja) 塗布具
JP2014046288A (ja) スプレーガン
JP5336763B2 (ja) 内面塗装用スプレーガン。
JP6444163B2 (ja) スプレーガン
JP5787409B2 (ja) スプレーガン
JP2990604B1 (ja) スプレーガン及び同装置
JPS59206064A (ja) エアレス塗装用ノズル
JPS635141B2 (ja)
JP3357189B2 (ja) 低圧微粒化スプレーガン
JP2534592B2 (ja) 2液混合エアアシストスプレ―ガン
JPH0783846B2 (ja) 低圧空気霧化内部混合エアースプレーガン
JPS6212439Y2 (ja)
JPH09313993A (ja) ノズル装置
JPH1080653A (ja) 噴霧ノズルおよび流体材料を噴霧し吹きつける方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees
R154 Certificate of patent or utility model (reissue)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R154