JP3143289B2 - 塩素イオンの定量方法 - Google Patents

塩素イオンの定量方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塩素イオンを定量する新
規な方法に関するものであり、例えば、体液中の塩素イ
オンの定量といった臨床検査などの医療の分野で広く利
用できる。
【0002】
【従来の技術】体液中の塩素イオンは、水の平衡、酸塩
基平衡、そして、浸透圧の調整などに関与する重要なイ
オンである。従来、体液中の塩素イオンの定量は、比色
法、電量滴定法、電極法などにより行われてきた。
【0003】比色法は、塩素イオンとチオシアン第二水
銀を反応させ、遊離したチオシアンイオンを第二鉄イオ
ンで発色させて比色定量するものであるが、試薬中に毒
性の強い水銀やシアンが含有されているという欠点があ
った。
【0004】電量滴定法は、電解液中で銀電極に一定の
電流を流し、遊離した銀イオンと塩素イオンを反応させ
塩化銀として沈殿させ、すべての塩素イオンが消費され
ると銀イオンが急速に増加し、この瞬間を指示電極でと
らえて終点とし、これに要した時間から塩素イオンを定
量するものであるが、専用の装置が必要で、試料の分析
処理効率が悪いなどの欠点があった。
【0005】電極法は、イオン選択電極を利用して塩素
イオンを定量するものであるが、専用の装置が必要であ
り、また、塩素イオンだけでなく、他のハロゲンイオン
にも応答してしまうというイオン特異性の問題がある。
【0006】最近、デンプンを加水分解する酵素である
アミラーゼを利用した酵素法による塩素イオンの定量法
が報告された〔クリニカルケミストリー(Clin. Che
m.)、34巻、552頁、1988年〕。この方法は、専用装置
を必要とせず、広く一般に使用されている分光光度計を
利用でき、また、試薬中に有害物質を含有していないと
いう利点を有するが、定量範囲が狭い上に試薬の安定性
が悪いという欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特別な装置の使用及び
特別な廃液処理の必要がなく、分析処理効率、定量性及
び試薬の安定性に優れしかも定量範囲の広い塩素イオン
の定量方法が望まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意検討したところ、モノアミン酸化酵素
が塩素イオンによって阻害を受け、また、その阻害の程
度が塩素イオン濃度に比例するという事実を見出し、本
発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、塩素イオンを含有する被
検体にモノアミン酸化酵素及びアミン化合物を作用さ
せ、生じた酵素反応生成物を定量することを特徴とする
塩素イオンの定量方法である。
【0010】他の発明は、モノアミン酸化酵素、アミン
化合物、ペルオキシダーゼ、及び還元型色原体からな
り、これら試薬成分中、モノアミン酸化酵素とアミン化
合物とは分離して保管されることを特徴とする塩素イオ
ン定量用試薬に関する。
【0011】本発明におけるモノアミン酸化酵素とは、
塩素イオンにより阻害を受けるという性質を有し、次式
に示すように、アミン化合物を基質とした酸化的脱アミ
ノ化によるアルデヒド化合物、アンモニア、および過酸
化水素の生成反応を触媒する酵素を指す。
【0012】アミン化合物+酸素+H2O → アルデ
ヒド化合物+アンモニア+過酸化水素 モノアミン酸化酵素としては、上記の性質を有する酵素
であれば特に限定されず公知のものが使用できる。具体
的には、アグリカルチュアル・バイオロジカル・ケミス
トリー(Agric. Biol. Chem.)、29巻、649頁(1965
年)記載のアスペルギルス・ニガー由来のモノアミン酸
化酵素、特開昭58−9698公報に記載のタラロマイ
セス・フラバス・バリエタス・フラバス・M4175菌
由来のモノアミン酸化酵素、ペトロミセス・アリアセウ
ス・M4648菌由来のモノアミン酸化酵素、ネオサル
トルヤ・フイツエリー・M4690菌由来のモノアミン
酸化酵素、ユーロチウム・チエバリエリ・M4805菌
由来のモノアミン酸化酵素、ユーベニシリウム・パルバ
ム・M5051菌由来のモノアミン酸化酵素等が挙げら
れる。この様なモノアミン酸化酵素生産菌から公知の方
法により目的とする酵素を得ることができる。
【0013】本発明におけるアミン化合物は、基質とし
てモノアミン酸化酵素により酸化をうけるものであれば
特に限定されるものではない。例えば、ベンジルアミ
ン、p−フルオロベンジルアミン、フェネチルアミン、
1−アミノブタン、1−アミノペンタン、1−アミノヘ
キサン等が使用できる。
【0014】反応生成物とは、アミン化合物を基質とし
てモノアミン酸化酵素によって生成される物質で、過酸
化水素、アンモニアまたは上記アミン化合物由来のアル
デヒド化合物を指す。容易に定量することができる点
で、過酸化水素又はアンモニアを反応生成物として定量
することが好ましい。
【0015】上記の酵素反応における反応液量は、通常
0.1〜5mlの範囲で行われる。モノアミン酸化酵素は、反
応液1ml当たり0.001〜10ユニットの範囲で使用される
が、特に0.01〜0.5ユニットの範囲で好適に使用され
る。アミン化合物は、0.01〜100mMの範囲の濃度で使用
されるが、特に0.5〜10mMの範囲の濃度で好適に使用さ
れる。
【0016】本発明における被検体とモノアミン酸化酵
素及びアミン化合物を反応させる際の反応系のpHは、モ
ノアミン酸化酵素の活性が高く維持されるpHであれば特
に限定されないが、一般的には、pH5〜9の範囲、特にpH
6〜8が好適である。pHを維持するための緩衝液は、塩素
イオンを含有していなければ特に限定されず、例えば、
リン酸緩衝液、GOOD緩衝液等が好適に使用できる。
反応温度は、10〜45℃の範囲、特に25℃〜37℃が好適で
ある。反応時間は、1〜30分の範囲、特に3〜10分が好適
である。
【0017】反応生成物であるアンモニア、または過酸
化水素は、いずれも従来から知られている方法により定
量することができる。
【0018】アンモニアは、例えば、次式に示したL−
グルタミン酸デヒドロゲナーゼによって触媒される酵素
反応を利用して、アンモニアと酵素との反応の進行にと
もない減少する補酵素である還元型ニコチンアデニンジ
ヌクレオチド(以下NADHと略す)または還元型ニコ
チンアデニンジヌクレオチドリン酸(以下NADPHと
略す)をこれら補酵素の吸光度(340nm)で追跡す
ることにより、その減少速度(量)からアンモニアの生
成速度(量)を定量できる。
【0019】アンモニア+α-ケトグルタル酸+NAD(P)H
→ グルタミン酸+NAD(P) L−グルタミン酸デヒドロゲナーゼの起源は特に限定さ
れるものではなく、例えば、細菌、酵母、牛肝臓由来の
市販の酵素が使用できる。
【0020】一方、過酸化水素は、例えば、次式に示し
たペルオキシダーゼによって触媒される酵素反応によ
り、生成する色素の吸光度を色素の極大吸収波長近辺で
測定する方法でその生成速度(量)を定量できる。
【0021】過酸化水素+還元型色原体 → 色素+H
2O ペルオキシダーゼの起源は特に限定されるものではな
く、西洋わさび、微生物由来の酵素が用いられるが、西
洋わさび由来の酵素が好適に用いられる。
【0022】還元型色原体とは、過酸化水素とペルオキ
シダーゼとの共存下で、酸化縮合により色素を形成し発
色する化合物を指し、その発色強度は過酸化水素量に比
例する。
【0023】該還元型色原体は特に限定されるものでは
なく種々のものが利用できる。例えば、4−アミノアン
チピリン(以下4−AAと略す)、3−メチル−2−ベ
ンゾチアゾリノンヒドラジン等のカップラーと、N−エ
チル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−
m−トルイジン(以下TOOSと略す)、N−エチル−
N−スルホプロピルアニリン、N−エチル−N−スルホ
プロピル−3,5−ジメトキシアニリン、N−スルホプ
ロピル−3,5−ジメトキシアニリン、N−エチル−N
−スルホプロピル−3,5−ジメチルアニリン、N−エ
チル−N−スルホプロピル−m−トルイジン、N−エチ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m
−アニシジン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3
−スルホプロピル)アニリン、N−エチル−N−(2−
ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキ
シアニリン、N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピ
ル)−3,5−ジメトキシアニリン、N−エチル−N−
(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジ
メチルアニリン、N−スルホプロピルアニリン、N−エ
チル−N−スルホプロピル−m−アニシジン等のアニリ
ン誘導体の組み合わせ等が使用できる。
【0024】反応生成物のうちアンモニアを定量する場
合は、L−グルタミン酸デヒドロゲナーゼは、反応液1
ml当たり0.01〜500ユニットの範囲で使用されるが、特
に1〜100ユニットの範囲で好適に使用される。NADH
またはNADPHは、0.001〜10mMの範囲の濃度で使用
されるが、特に0.05〜0.5mMの範囲の濃度で好適に使用
される。上記酵素法によるアンモニアの定量は、通常、
前記の被検体、モノアミン酸化酵素及びアミン化合物を
反応させる際の反応液中において、モノアミン酸化酵素
によるアンモニアの生成反応と同時並行して行われるた
め、pH、緩衝液、反応温度、反応時間等の測定条件は、
モノアミン酸化酵素の反応条件が適用される。
【0025】反応生成物のうち過酸化水素を定量する場
合は、ペルオキシダーゼは、反応液1ml当たり0.5〜500
ユニットの範囲で使用されるが、特に1〜100ユニットの
範囲で好適に使用される。還元型色原体は、0.05〜100m
Mの範囲の濃度で使用されるが、特に0.1〜10mMの範囲の
濃度で好適に使用される。上記酵素法による過酸化水素
の定量も、通常は前記の被検体、モノアミン酸化酵素及
びアミン化合物を反応させる際の反応液中において、モ
ノアミン酸化酵素による過酸化水素の生成反応と同時並
行して行われるため、pH、緩衝液、反応温度、反応時間
等の測定条件は、モノアミン酸化酵素の反応条件が適用
される。
【0026】本発明のモノアミン酸化酵素、アミン化合
物、ペルオキシダーゼ、及び還元型色原体からなり、こ
れら試薬成分中、モノアミン酸化酵素とアミン化合物と
は分離して保管されてなる塩素イオン定量用試薬は、酵
素反応生成物の一つである過酸化水素を定量することに
より塩素イオンを定量する試薬である。該試薬の組成に
ついて以下説明する。
【0027】モノアミン酸化酵素は、反応液1ml当たり
0.001〜10ユニットの範囲で使用されるが、特に0.01〜
0.5ユニットの範囲で好適に使用される。アミン化合物
は、0.01〜100mMの範囲の濃度で使用されるが、特に0.5
〜10mMの範囲の濃度で好適に使用される。ペルオキシダ
ーゼは、反応液1ml当たり0.5〜500ユニットの範囲で使
用されるが、特に1〜100ユニットの範囲で好適に使用さ
れる。還元型色原体は、0.05〜100mMの範囲の濃度で使
用されるが、特に0.1〜10mMの範囲の濃度で好適に使用
される。
【0028】本試薬は、モノアミン酸化酵素の活性が高
く維持されるpH、即ち一般的には、pH5〜9の範囲、特に
pH6〜8で定量に供されるので、少なくとも測定時にpHを
維持するための緩衝液を使用するのが好ましい。該緩衝
液は測定時に反応系に混合してpH調節を行ってもよい
が、試薬の活性維持、簡便性の観点から本試薬中に予め
含有させておくことが望ましい。該緩衝液としては、塩
素イオンを含有していなければ特に限定されず、例え
ば、リン酸緩衝液、GOOD緩衝液等が好適に使用でき
る。
【0029】本試薬に含まれる上記必須成分の中で、モ
ノアミン酸化酵素とアミン化合物は酵素反応が進行しな
いように分離させておく必要があるが、その他の酵素、
化合物の混合形態には何ら制限はない。例えば、モノア
ミン酸化酵素、ペルオキシダーゼ、還元型色原体を緩衝
液中に含有させた酵素溶液と、アミン化合物の水溶液か
らなる基質溶液をそれぞれ調製し、測定時に両者が被検
体共々混合され定量に供されるのが代表的である。
【0030】本発明の塩素イオンの定量方法による代表
的な塩素イオン濃度の定量は、モノアミン酸化酵素等を
含む酵素溶液に被検体を混合し、次いでアミン化合物等
を含む基質溶液を加えて酵素反応を行わせ、生じたアン
モニアまたは過酸化水素の生成量、通常は生成速度を、
前記のL−グルタミン酸デヒドロゲナーゼまたはペルオ
キシダーゼを用いた方法により比色定量することにより
実施される。モノアミン酸化酵素とアミン化合物との酵
素反応とアンモニアまたは過酸化水素の定量反応は、同
時並行的に行っても或は段階的に行ってもよいが、前者
のほうが簡便性且つ迅速性の点で好ましい。
【0031】塩素イオンの定量は、代表的には、被検体
の定量に先だち、塩化ナトリウム溶液、塩化カリウム溶
液等を用いて調製された塩素イオン濃度既知の標準溶液
を使用して本発明の定量方法に従ってアンモニアまたは
過酸化水素の生成速度(量)と塩素イオン濃度との検量
線を作成し、この検量線を用いて被検体の塩素イオン濃
度を算出する。
【0032】
【作用】モノアミン酸化酵素は、アミン化合物を基質と
した酸化的脱アミノ化によるアルデヒド、アンモニア、
過酸化水素の生成反応を触媒するが、反応液中に塩素イ
オンが存在すると、その濃度に比例して活性が変化す
る。この性質を利用して、反応生成物であるアンモニ
ア、過酸化水素等を定量することでモノアミン酸化酵素
活性を測定し、ひいては反応系(被検体)中の塩素イオ
ンを定量することができる。
【0033】
【発明の効果】本発明の塩素イオン定量法により、汎用
的な装置を使用し、簡便な操作で正確に塩素イオンを定
量する方法と、広い定量範囲と高い安定性を有する塩素
イオン定量用試薬が提供される。
【0034】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0035】参考例 モノアミン酸化酵素の調製 3.0% グルコース、0.3% 硝酸ナトリウム、0.1% リン酸
水素二カリウム、0.05%硫酸マグネシウム、0.05% 塩化
カリウム、0.001% 硫酸第一鉄、0.1% 酵母エキス、0.02
% 消泡剤から成る前培養培地(pH5.0)100mlの入った坂
口フラスコを10本用意し、アスペルギルス・ニガー(A
TCC28325)の胞子懸濁液を接種し、30℃、攪拌
回転数110rpmで一晩振とう培養した。この坂口フラスコ
10本分の培養液を、20lの前培養液を仕込んだジャーフ
ァーメンターに移し、30℃、攪拌回転数200rpm、通気25
l/minで一晩培養した後、集菌した。次いで、160lの前
培養液を仕込んだジャーファーメンターに植菌し、30
℃、攪拌回転数200rpm、通気180l/minで一晩培養した
後、集菌し、3.0% グルコース、0.1% ブチルアミン、0.
1%リン酸水素二カリウム、0.05%硫酸マグネシウム、0.0
5% 塩化カリウム、0.001%硫酸第一鉄、0.02% 消泡剤か
ら成る本培養培地(pH5.0)を160l仕込んだジャーファ
ーメンターに菌体を植菌し、30℃、攪拌回転数200rpm、
通気180l/minで一晩本培養を行い集菌した。
【0036】得られた菌体の約5kg(湿菌体重量)を50
lの20mM リン酸緩衝液(pH7.5)に懸濁し、ダイノミル
細胞破砕機を用いて菌体破砕を行った。連続遠心分離機
により、破砕液から不溶物を除き、上清液を得た。
【0037】破砕上清液に、予め20mMリン酸緩衝液(pH
7.0)で平衡化しておいたDEAE-セルロース(ワット
マン社製)を3l加え、静かに攪拌しながら、4℃で一
晩放置した。この溶液を吸引濾過し、タンパク質の吸着
した樹脂を得、よく洗浄した後にカラムに充填した。0.
2Mの硫酸アンモニウムを含む20mMリン酸緩衝液を用いて
吸着したタンパク質を溶出し、活性画分を回収し、ゲル
濾過カラムクロマトグラフィーにより脱塩を行った。
【0038】次に、脱塩した活性画分を20mMリン酸緩衝
液で平衡化した1lのDEAE-セルロースカラムに通
し、タンパク質を吸着させ、同様の緩衝液でカラムを洗
浄した後、硫酸アンモニウム濃度を0Mから0.2Mまで直線
的に増加させてタンパク質を溶出し、活性画分を回収し
た。
【0039】活性画分を限外濾過により濃縮し、0.1M硫
酸アンモニウムを含む10mMリン酸緩衝液で平衡化した
3lのセファクリルS-400(ファルマシア社製)カラム
に通し、活性画分を回収し、最終精製標品とした。
【0040】約5kg(湿菌体重量)の菌体から、900ユ
ニット(比活性=1.5ユニット/mgタンハ゜ク質)のモノアミン酸化
酵素を得た。
【0041】実施例1 下記の組成の酵素溶液と基質溶液を調製した。
【0042】・酵素溶液 0.128M リン酸緩衝液(pH6.8) 1.281mM 4−AA 1.281mM TOOS 25.6U/ml ペルオキシダーゼ 33.3mU/ml モノアミン酸化酵素 ・基質溶液 25.625M ベンジルアミン水溶液 (基質溶液のpHは、リン酸を用いてpH7.0に調整し
た。) 試料として、0、20、40、60、80、100、120、140、16
0、180、200、300、400、500mMの塩化ナトリウム溶液を
調整し、測定を行った。320μlの酵素溶液に10μlの試
料を加えてよく混合し、37℃で5分間保温した。次いで
80μlの基質溶液を加え、37℃で、555nmの波長の吸光度
を5分間測定し、1分間当たりの吸光度変化(△A55
5)を算出した。横軸に塩素イオン濃度、縦軸に△A555
の逆数(1/△A555)をとりプロットした。図1にその
結果を示す。図1から明らかなように、塩素イオン濃度
0〜500mMの範囲で良好な直線関係が得られた。
【0043】比較例1 アミラーゼを利用した酵素法による塩素イオンの定量試
薬として市販定量試薬Aを使用して、実施例1と同様
に、0〜500mMの塩化ナトリウム溶液を測定した。横軸に
塩素イオン濃度、縦軸に1分間当たりの404nmの吸光度
変化(ΔA404)をとりプロットした。図2にその結果
を示す。
【0044】実施例1及び比較例1から、本発明の方法
は、アミラーゼを用いた方法より広い塩素イオン濃度に
わたって、直線性を有することが確認された。
【0045】実施例2 実施例1で調製した酵素溶液と基質溶液を、試薬調製直
後、及び4℃で7、14日間保存した後、試料として10
0mM塩化ナトリウム溶液を使用した以外は実施例1に記
載した方法により測定した。試薬調製直後の1/ΔA55
5を100として、7日後、14日後の1/ΔA555から相
対値(活性残存率)を算出し、本発明の試薬の保存安定
性を測定した。結果を図3に示す。
【0046】比較例2 アミラーゼを利用した酵素法による塩素イオンの定量試
薬である市販定量試薬Aを用いて、実施例2と同様に、
試薬調製直後、及び4℃で7、14日間保存した後、試
料として100mM塩化ナトリウム溶液を使用して測定し
た。試薬調製直後のΔA404を100として、7日後、14
日後のΔA404から相対値(活性残存率)を算出し、市
販定量試薬Aの保存安定性を測定した。結果を図3に示
す。
【0047】実施例3 実施例1で調製した酵素溶液と基質溶液を、調製直後、
及び37℃で30、60、90、120、150、180分間保温した
後、試料として100mM塩化ナトリウム溶液を使用して実
施例2に記載した方法により活性残存率を算出し、本発
明の試薬の保存安定性を測定した。結果を図4に示す。
【0048】比較例3 アミラーゼを利用した酵素法による塩素イオンの定量試
薬である市販定量試薬Aも実施例3と同様に、調製直
後、及び37℃で30、60、90、120、150、180分間保温し
た後、試料として100mM塩化ナトリウム溶液を使用し
て、比較例2に記載した方法により活性残存率を算出
し、市販定量試薬Aの保存安定性を測定した。結果を図
4に示す。
【0049】実施例2、3と比較例2、3より、本発明
の試薬は、アミラーゼを用いた市販試薬Aより高い保存
安定性を有することが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本図は本発明の塩素イオンの定量法の塩素イ
オンと1分間当たりの吸光度変化の逆数(1/ΔA55
5)との関係を示す図である。
【図2】 本図は従来のアミラーゼを利用した酵素法に
よる塩素イオンの定量試薬である市販定量試薬Aの塩素
イオンと1分間当たりの吸光度変化(ΔA404)との
関係を示す図である。
【図3】 本図は本発明の塩素イオンの定量試薬と市販
定量試薬Aの4℃における保存安定性(活性残存率)を
示す図である。
【図4】 本図は本発明の塩素イオンの定量試薬と市販
定量試薬Aの37℃における保存安定性(活性残存率)
を示す図である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素イオンを含有する被検体にモノアミ
    ン酸化酵素及びアミン化合物を作用させ、生じた酵素反
    応生成物を定量することを特徴とする塩素イオンの定量
    方法。
  2. 【請求項2】 反応生成物が過酸化水素である請求項1
    の塩素イオンの定量方法。
  3. 【請求項3】 モノアミン酸化酵素、アミン化合物、ペ
    ルオキシダーゼ、及び還元型色原体からなり、これら試
    薬成分中、モノアミン酸化酵素とアミン化合物とは分離
    して保管されることを特徴とする塩素イオン定量用試
    薬。
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