JP3143272U - 木製家具の表面装飾構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 木材特有の木目模様および調湿機能を損ねることなく表面を被覆することができ、かつ、蒔絵装飾模様を確実に定着させることができる木製家具の表面装飾構造を提供すること。
【解決手段】 家具等の構成部材であって、少なくとも表面に木目模様Mを呈する天然木製基材1と;この天然木製基材1の表面において、天然原料のみを複数混合して調製した透明または半透明のコーティング剤を所定厚に被覆して設けられる被膜層であって、前記木目模様Mを透視可能で、かつ、当該天然木製基材1が有する調湿性能を保持可能な天然クリア下地層2と;この天然クリア下地層2の表面に設けられる層であって、天然うるし液を塗布した部位に装飾粉体を蒔いて作成される蒔絵による装飾絵柄Pが施されてなる装飾模様層3とを具備して構成するという技術的手段を採用した。
【選択図】 図3

Description

本考案は、木製家具の改良、更に詳しくは、木材特有の木目模様および調湿機能を損ねることなく表面を被覆することができ、かつ、蒔絵装飾模様を確実に定着させることができる木製家具の表面装飾構造に関するものである。
家具類の材料としては、木材が通常用いられており、加工性の良さや繊維構造による吸湿や放湿などの調湿性能を有しており、また、外観的にも木目模様に装飾性があることから、優れた材料であることが認められている。
ところで、木材を使用した家具の表面を装飾するためには、例えば、基材の表面にうるしを塗って漆器にすることが多く、更に、この漆器の表面装飾を構成する所謂「蒔絵」が知られており、うるしを塗った上に金銀や顔料などの装飾粉体を蒔いて(振りかけて)色付けして作成される。
従来、このような蒔絵を施す際には、その下地として、朱色や黒色の顔料を含んだうるしを塗ることが多いのであるが、この方法では、顔料が木製基材を被覆して、折角の木目模様が見えなくなってしまい、天然素材の温かみが没却されてしまうとともに、単色に塗り潰された下地は、外観が単調で装飾性が今一つ物足りない。
そこで、このような木製家具において、木目模様を透視できるように表面をコーティングするために、ポリエステル系やウレタン系、アクリル系などの合成樹脂製塗料を使用して被覆するものがある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、かかる合成樹脂製の塗料によって表面を被覆すると、木材が持っている調湿機能が損なわれてしまうおそれがあった。また、この被覆層の表面に蒔絵を施そうとしても、人工的な合成材料と天然材料とでは相溶性が悪いため、表面に塗布した装飾塗料が剥がれ落ちてしまうおそれもあった。
また、前述の蒔絵を施す場合は、装飾粉体が表面に蒔かれて独特の質感を呈するものであるため、その蒔絵を施した上を更に合成樹脂によって被覆してしまうと、表面に合成樹脂の不要な光沢が生じてしまい、蒔絵独自の風合いを減殺してしまうというおそれがあった。
実開平5−72403号公報(第6−8頁、図1−4)
本考案は、従来の木製家具に上記のような不満があったことに鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、木材特有の木目模様および調湿機能を損ねることなく表面を被覆することができ、かつ、蒔絵装飾模様を確実に定着させることができる木製家具の表面装飾構造を提供することにある。
本考案者が上記課題を解決するために採用した手段を添付図面を参照して説明すれば次のとおりである。
即ち、本考案は、家具等の構成部材であって、少なくとも表面に木目模様Mを呈する天然木製基材1と;
この天然木製基材1の表面において、天然原料のみを複数混合して調製した透明または半透明のコーティング剤を所定厚に被覆して設けられる被膜層であって、前記木目模様Mを透視可能で、かつ、当該天然木製基材1が有する調湿性能を保持可能な天然クリア下地層2と;
この天然クリア下地層2の表面に設けられる層であって、天然うるし液を塗布した部位に装飾粉体を蒔いて作成される蒔絵による装飾絵柄Pが施されてなる装飾模様層3とを具備して構成するという技術的手段を採用したことによって、木製家具の表面装飾構造を完成させた。
また、本考案は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、天然クリア下地層2のコーティング剤の原料に、蜜蝋、植物油、セラックを少なくとも含有させるという技術的手段を採用した。
更にまた、本考案は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、装飾模様層3の装飾粉体に、金粉、銀粉、顔料の少なくとも一つを含ませるという技術的手段を採用した。
更にまた、本考案は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、天然木製基材1が板体であって、これらの天然木製基材1が組み立てられてチェストを構成するという技術的手段を採用した。
本考案にあっては、家具等の構成部材であって、少なくとも表面に木目模様を呈する天然木製基材と;この天然木製基材の表面において、天然原料のみを複数混合して調製した透明または半透明のコーティング剤を所定厚に被覆して設けられる被膜層であって、前記木目模様を透視可能で、かつ、当該天然木製基材が有する調湿性能を保持可能な天然クリア下地層と;この天然クリア下地層の表面に設けられる層であって、天然うるし液を塗布した部位に装飾粉体を蒔いて作成される蒔絵による装飾絵柄が施されてなる装飾模様層とを具備して構成したことによって、木材特有の木目模様および調湿機能を損ねることなく表面を被覆することができる。
また、本考案の表面装飾構造によれば、天然クリア下地層と天然うるし液をが天然材料同士であるので、相溶性が良く、装飾模様を構成する塗料が剥がれ落ちるおそれがなく、蒔絵装飾模様を確実に定着させることができる。
更にまた、装飾模様の蒔絵による塗粉が最表面になる構造であるため、クリア被膜層によって、折角の蒔絵による表面質感が不要に棄損されることがないことから、木製家具における実用的利用価値は頗る高いと云える。
本考案を実施するための最良の形態を具体的に図示した図面に基づいて更に詳細に説明すると、次のとおりである。
本考案の実施形態を図1から図3に基づいて説明する。図1中、符号1で指示するものは天然木製基材であり、この天然木製基材1は、家具等の構成部材であって、少なくとも表面に木目模様Mを呈する。本実施形態では、桐、ヒノキ、ナラ、タモ、アルダー、ウォールナット、チーク、メープル、マツ、スギ、ラワンなどを板状に加工したものを採用することができる。
また、符号2で指示するものは天然クリア下地層であり、この天然クリア下地層2は、前記天然木製基材1の表面において、天然原料のみを複数混合して調製した透明(または半透明)のコーティング剤を所定厚に被覆して設けられる被膜層である。本実施形態では、この天然クリア下地層2のコーティング剤の原料として、蜜蝋、植物油、セラック(shellac)を少なくとも含有するものを採用し、後に詳述する。
更にまた、符号3で指示するものは装飾模様層3であり、この装飾模様層3は、前記天然クリア下地層2の表面に設けられる層であって、天然うるし液を塗布した部位に装飾粉体を蒔いて作成される蒔絵による装飾絵柄Pが施されてなるものである。
しかして、本考案の木製家具の表面装飾構造を構成するにあっては、まず、天然木製基材1の表面の全体に天然クリア下地層2を設ける。この際、スプレーによる噴霧や刷毛塗り、ロールコータなどを行う。なお、本実施形態では、天然木製基材1を板体にして、これらの天然木製基材1を組み立ててチェスト(洋ダンス)を構成する(図2および3参照)。
本実施形態に使用する天然クリア下地層2のコーティング剤の原料について、以下に詳述する。本実施形態では、ヘッセ社(ドイツ)製のプロテア(登録商標)シリーズの製品が適しており、特に、製品名:プロテラレジットGE17102が好適である。
(1)植物油
植物油としては、乾性植物油として、亜麻仁油、桐油、ベニバナ油などがあり、半乾性植物油として、大豆油、菜種油などがあり、非乾性植物油として、オリーブ油やココナッツ油などがあるが、本実施形態では、亜麻仁油が好適である。また、不快臭を消すための揮発性油として、レモン皮油などがある。
(2)乾燥剤、ワックス
乾燥剤(Siccatives)としては、カルシウム、コバルト、ジルコニウム石鹸などがあり、前記亜麻仁油の乾燥を4日間から12〜18時間に短縮させることができる。また、ワックスとしては、蜜蝋(ミツバチ)やカルナウバろうなどがある。
(3)天然樹脂
天然樹脂としては、琥珀(こはく)などの化石樹脂やコーパルなどの近年化石樹脂、ダンマルワニス、ロジン、セラックなどの近年樹脂がある。本実施形態では、セラックが好適である。なお、セラックとは、ラックカイガラ虫の分泌液である。
(4)シンナー
希釈液は、コーティング材料の粘性を適度にするものであるが、本実施形態では、イソパラフィンを使用する。
(5)アルコール
アルコールとしては、穀物アルコールやエチルアルコールなどがあり、天然樹脂の溶剤として使用する。
(6)顔料
顔料としては、胡粉(こふん)、石灰系泥石、石膏、タルク、石英粉末などの白色顔料や、黄色や赤色系黄土、酸化鉄、琥珀、シェナー(酸化鉄含有黄褐色顔料)、土スレートなどの着色顔料を適宜調合して使用する。
なお、このコーティング剤には、ホルムアルデヒド、ベンゼン、ハロゲン化炭化水素、殺菌剤、殺虫剤、ペンタクロロフェノール、石炭、毒性重金属などの有害物質を一切含まない。
そして、このコーティング剤は、アルコール分の蒸発により乾燥する。乾燥時間は空気の循環やジェットドライヤーなどの暖気によりかなり速くなる。例えば、ロールコーティングの場合は、ジェットドライヤーで40℃に温めれば、1分間で乾燥し、直ちに積み重ねができる。また、スプレーコーティングの場合には、乾燥時間は使用量によるが、一般的には70℃のジェットドライヤーを用いて1〜3分で十分に乾燥できる。
次いで、天然クリア下地層2の表面に天然うるし液を塗布する。本実施形態では、これらの両部材が互いに天然成分であるので、相溶性が良く、良好な定着性を得ることができる。
然る後、その塗布部位に装飾粉体を蒔くことによって装飾絵柄Pを施す(所謂「蒔絵」)。本実施形態では、装飾模様層3の装飾粉体に、金粉、銀粉、顔料の少なくとも一つを含むものを採用する。
以上のようにして、表面装飾構造が完成され、前記天然木製基材1の木目模様Mを透視可能であって優れた装飾性を呈ぜしめることができるとともに、当該天然木製基材1が有する調湿性能を保持可能であって優れた機能性をも付与することができる。
本考案は、概ね上記のように構成されるが、本考案は図示の実施形態に限定されるものでは決してなく、「実用新案登録請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、本考案を採用する家具類は、チェストに限らず、テーブルやイス、キャビネット、サイドボード、TVボード、置物などであっても良い。
また、天然クリア下地層2のコーティング剤の原料は、天然材料であれば、その他の材料を添加することもでき、これら何れのものも本考案の技術的範囲に属する。
本考案の実施形態の表面装飾構造を表わす断面図である。 本考案の実施形態の表面装飾構造を表わす斜視図である。 本考案の実施形態の表面装飾構造を使用した家具を表わす斜視図である。
符号の説明
1 天然木製基材
M 木目模様
2 天然クリア下地層
3 装飾模様層
P 装飾絵柄

Claims (4)

  1. 家具等の構成部材であって、少なくとも表面に木目模様Mを呈する天然木製基材1と;
    この天然木製基材1の表面において、天然原料のみを複数混合して調製した透明または半透明のコーティング剤を所定厚に被覆して設けられる被膜層であって、前記木目模様Mを透視可能で、かつ、当該天然木製基材1が有する調湿性能を保持可能な天然クリア下地層2と;
    この天然クリア下地層2の表面に設けられる層であって、天然うるし液を塗布した部位に装飾粉体を蒔いて作成される蒔絵による装飾絵柄Pが施されてなる装飾模様層3とを具備して構成したことを特徴とする木製家具の表面装飾構造。
  2. 天然クリア下地層2のコーティング剤の原料が、蜜蝋、植物油、セラックを少なくとも含有してなることを特徴とする請求項1記載の木製家具の表面装飾構造。
  3. 装飾模様層3の装飾粉体が、金粉、銀粉、顔料の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1または2記載の木製家具の表面装飾構造。
  4. 天然木製基材1が板体であって、これらの天然木製基材1が組み立てられてチェストが構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の木製家具の表面装飾構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104972543A (zh) * 2014-04-03 2015-10-14 广东盈然木业有限公司 一种木地板表面处理方法

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