JP3143037B2 - インクジエット印写方法 - Google Patents

インクジエット印写方法

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JP3143037B2
JP3143037B2 JP9216395A JP9216395A JP3143037B2 JP 3143037 B2 JP3143037 B2 JP 3143037B2 JP 9216395 A JP9216395 A JP 9216395A JP 9216395 A JP9216395 A JP 9216395A JP 3143037 B2 JP3143037 B2 JP 3143037B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被記録担体表面に記録
材料を付着させて像を形成するインクジエット印写方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の被記録担体表面に記録材料を付着
させて像を形成する印写方法、例えばインクジェット記
録法は、インクと称される記録液体の液滴をノズルから
噴出して飛翔させ、被記録担体に付着させて記録を行う
もので、このインク液滴の形成方法および形成したイン
ク液滴の飛翔を制御する方法によって大きく分けて二つ
の方法がある。
【0003】一つは、ドロップオンデマンド方式のイン
クジェット記録法で、記録信号に応じてインク液滴を発
生させ、このインク液滴の全てを被記録担体表面に付着
させて記録像を形成するものである。
【0004】もう一つは、連続振動発生手段により帯電
量が制御されたインク液滴流を形成し、このインク液滴
流を一様の電界が掛けられている偏向電極間を飛翔させ
て被記録担体上に記録を行うか、または、ノズルとリン
グ状の帯電電極間に電界を掛け、連続振動発生手段によ
ってインク液滴を発生し、霧化させて被記録担体上に記
録するものである。
【0005】前記の二つの方法を用いた記録装置は、い
ずれもインク液滴を形成するためのノズルを配したヘッ
ドと、ヘッドにインクを供給するインク供給手段と、ヘ
ッドから記録動作時以外に排出されるインクのインク回
収手段と、ヘッドのノズルや流路の目詰まりを解消する
回復処理手段から構成されている。
【0006】これらのインクジェット記録法は、比較的
簡単な構成の装置からなるが、次の点が問題となってい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記問題点の一つは、
ノズルの目詰まりで、その主な原因はノズル先端からの
インク溶媒の蒸発によるインク粘度の上昇、インク液中
の微細なゴミによる目詰まりであり、これを解決するた
めにこれまで種々の方法が提案されている(例えば、特
公平6−15241号、特公平5−21746号公
報)。
【0008】しかし、目詰まりの根本的な原因は、印字
の高精細,高密度化に伴うノズルの微細化である。これ
を向上させるためには印字ドットを微細化する必要があ
り、そのためにはノズル径を小さくしなければならな
い。また、目詰まりの少ないインク液を用いてノズル径
を小さくできたとしても、ノズルの微細加工はコストの
上昇を伴い、その微細化にも限界がある。さらなる高精
細化にはノズルの微細化以外に何らかの技術的ブレーク
スルーが必要である。
【0009】その一つに、ノズルより噴出されたインク
液滴に選択的にレーザー光などの電磁波エネルギーを照
射してインク液滴を選択的に小径化する方法が提案(特
公平5−51457号公報)されているが、高速で噴出
され飛翔しているインク液滴を小径化し得るレーザー光
等の電磁波エネルギーを選択的に照射して小径化するこ
とは容易でなく、実現するには装置のコストアップが必
至である。
【0010】本発明の目的は、このようなノズルの目詰
まりと云う従来技術の課題を解決するためになされたも
ので、従来のノズル径のままで、従来よりも微細な印字
ドットを実現できる新規な印写方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明の要旨は次のとおりである。
【0012】(1) ノズルから噴出させた記録粒子を
被記録担体の表面に付着させて像を形成するインクジエ
ット印写方法において、前記記録粒子が着色材核と、該
着色材核の表面を覆う担体液外殻で構成されていること
を特徴とするインクジエット印写方法。
【0013】本発明の着色材核とそれを覆う担体液外殻
とからなる記録粒子は、従来の大きなノズル径のノズル
が使用できるため、目詰まりの発生がなく、しかも従来
よりも微細な印字ドットを実現できる。さらに、 (2) ノズルから噴出させた記録粒子が着色材核と、
該着色材核の表面を覆う担体液外殻で構成され、前記記
録粒子が被記録担体表面に到達するまでの飛翔過程で前
記担体液外殼から着色材核を分離し、該着色材核を被記
録担体の表面に付着させて像を形成することを特徴とす
るインクジエット印写方法。
【0014】(3)上記記録粒子中に複数の着色材核、
例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの着色
剤をそれぞれ含む4種の着色材核を一つの記録粒子中に
含ませ、各着色材核の個別制御により分離して、フルカ
ラーを実現するものである。
【0015】上記の(1)〜(3)を実現する手段とし
て、特別な手段を用いる必要はない。例えば、記録粒子
をノズルから噴出させる噴出手段は、サイロニクス型、
グールド型、ステムメ型等のピエゾ素子を利用したいわ
ゆるピエゾ型、それらを改良しマルチノズル化したデュ
アルパス型、マイクロバブル型、エアフロー型、メタル
ダイアフラム型等の従来のインク噴出手段が利用でき
る。
【0016】また、ノズルにインクを保持してメニスカ
スを形成し、これを静電力を利用して吸引し、インクを
噴出させるいわゆる静電型ノズルも利用できる。さらに
また、ノズル内にある発熱素子によって瞬間的に気泡を
発生させ、このとき生じる圧力によって記録粒子を噴出
させる、いわゆるサイドシューター型、ルーフシュータ
ー型のパルスジェット法、バブルジェット法も利用でき
る。
【0017】着色材核を担体液外殼から分離する分離手
段は、噴出された記録粒子の中の着色材核のみを種々の
方法で帯電させ、偏向電極間に印加した静電界によって
分離させることができる。この着色材核の帯電方法に
は、連続式インクジェット記録装置の荷電電極間に記録
粒子を飛翔させる方法、または、記録粒子の形成時に担
体液外殼との間に生じる電荷を利用する方法、担体液外
殼と着色材核との摩擦帯電を利用する方法、あるいは、
光、レーザー等の電磁波エネルギーや、熱エネルギーに
より着色材核に含有させた光導電性物質、帯電促進剤の
前駆体等の化学物質の変化による帯電を利用する方法等
がある。
【0018】光やレーザー等を用いる場合には、特定波
長に感度のある化学物質を別々の色の着色材核中に添加
し、色情報に基づく記録信号に応じてそれぞれの波長の
光またはレーザーを照射することによりドット毎のフル
カラー印字が可能になる。
【0019】さらに担体液外殼から着色材核の分離手段
としては、レーザー、光などによる粒子移動手段、いわ
ゆるレーザーアブレーションを用いることも可能であ
る。即ち、着色材核は着色剤が含有した光吸収体であ
り、担体液外殼を、より光透過性の大きい物質で形成し
た記録粒子に光を照射することにより光吸収性の着色材
核のみを選択的に移動させ、担体液外殼と分離させるこ
とができる。
【0020】さらに光、レーザー等の電磁波や熱エネル
ギーを照射することにより、担体液外殼のみを蒸発させ
ることで分離も可能である。
【0021】次に、記録に必要がなかった記録粒子や、
分離された担体液外殻を遮断する遮断手段としては、従
来のインクジェット記録装置で用いられている、ガター
と呼ばれる遮蔽手段を用いることができる。また、被記
録担体の表面近傍に、記録に必要な記録粒子の飛翔経路
以外を遮断するスリットを設けてもよい。
【0022】上記遮断手段により捕獲された担体液外殻
と記録に用いられなかった記録粒子は、回収して再利用
する回収,再利用手段を設けてもよい。さらに回収,再
利用手段には濾過等の処理手段を設けてもよい。これら
の回収,再利用手段は従来の連続式インクジェット法で
用いられていたものを用いることができる。
【0023】次に、本発明のインクジェット印写方法に
用いる記録粒子について説明する。
【0024】記録粒子は、着色材核とその周囲を覆う担
体液外殻により構成される。着色材核は、着色剤、溶
媒、物性調整剤、防カビ剤、結着剤、キレート剤等、従
来のインクジェット記録に用いられているものを用いる
ことができるが、着色材核を担体液外殼から分離する分
離手段に応じて、各種の物質を添加することができる。
【0025】例えば、記録粒子をノズルから噴出させる
前に予め着色材核を帯電させておき、偏向電極等で着色
材核を担体液外殼から分離させる場合には、従来の電子
写真法の液体現像剤に用いているような帯電制御剤を着
色材核に含有させることもできる。さらに、それらを複
数種用いたそれぞれの着色材核を、担体液外殼中に存在
させることにより、ドット毎にフルカラー印字が可能で
ある。
【0026】また、記録粒子をノズルから噴出した後、
レーザーや光等を着色材核に照射して帯電させる場合に
は、光導電剤,帯電促進剤の前駆体等を着色材核中に含
有させる。さらに、それらを複数種用いたそれぞれの着
色材核を、担体液外殼中に存在させることにより、ドッ
ト毎にフルカラー印字が可能である。
【0027】着色材核の着色剤としては、一般のインク
ジェット法等で使用されている着色剤を用いられる。例
えば、C.I.ダイレクトブラック19、C.I.ダイレク
トブラック154、C.I.フードブラック2、C.I.ア
シッドイエロー23、C.I.アシッドレッド87、C.
I.アシッドレッド35、C.I.アシッドブルー9、C.
I.ダイレクトブルー86等がある。また、カーボンブ
ラック、ニグロシン染料、アゾ系染料(例えばC.I.ソ
ルベントイエロー2,14,16,19,60、C.I.
ソルベントレッド3,8、24,27)、アントラキノ
ン系染料、インジゴ系染料、フタロシアニン系染料、キ
サンテン系染料(例えばC.I.ソルベントレッド48,
49)等の染料、アゾ系顔料(例えばC.I.ピグンメン
トイエロー12、C.I.ピグメントレッド48,81、
C.I.ピグメントグリーン4)、ベンズイミダゾロン系
顔料(例えばC.I.ピグメントレッド185)、キナク
リドン系顔料(例えばC.I.ピグメントレッド122,
207,209)、フタロシアニン系顔料(例えばC.
I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントグリーン
7)、イソインドリノン系顔料(例えばC.I.ピグメン
トイエロー109,173)、イソインドリン系顔料
(例えばC.I.ピグメントイエロー139)、ジオキサ
ジン系顔料(例えばC.I.ピグメントバイオレット2
3)、アントラキノン系顔料(例えばC.I.ピグメント
イエロー108、C.I.ピグメントレッド177、C.
I.ピグメントブルー6)、ペリレン系顔料(例えばC.
I.ピグメントレッド178)、ペリノン系顔料(例え
ばC.I.ピグメントオレンジ43)、チオインジゴ系顔
料(例えばC.I.ピグメントバイオレット38)、キノ
フタロン系顔料(例えばC.I.ピグメントイエロー13
3)、金属錯体系顔料(例えばC.I.ピグメントイエロ
ー153)等の有機系顔料、および酸化チタン、カーボ
ンブラック、モリブデンレッド、クロムイエロー、チタ
ンイエロー、酸化クロム、ベルリンブルー等の無機系顔
料、アルミニウム粉等の金属粉など公知の染料、顔料が
用いられる。
【0028】着色材核中の溶媒としては、従来のインク
ジェット法で使用されている溶媒が用いられる。例え
ば、グリコール類、グリコールエーテル類、アミド類、
ピロリドン類等があり、具体的にはエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポ
リエチレングリコール、エチレングリコールモノメチル
エーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エ
チレングリコールモノブチルエーテル、メチルカルビト
ール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチ
ルカルビトールアセテート、ジエチルカルビトール、ト
リエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、グリセリン、トリエタノールア
ミン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルフォキサイド、N−メチル−2−ピロリドン、1,
3−ジメチルイミダゾリジノン等がある。
【0029】物性調整剤としては、従来のインクジェッ
ト法で使用されている粘度、pH、表面張力等を調整す
る化学物質が用いられる。また、防カビ剤としては、同
様にインクをカビから守る作用を有する化学物質であれ
ば特に制限されない。
【0030】結着剤としては、従来のインクジェット法
で被記録担体との結着性を得るために用いられている、
例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポ
リビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の単
重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチ
レン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン
共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチ
レン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル
酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合
体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレ
ン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタア
クリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタア
クリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル
共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、
スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブ
タジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、ス
チレン−アクリロニトリル−インデン共重合体等のスチ
レン系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、シリコーン樹脂、ポリエ
ステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポ
リビニルブチラール、ロジン変性レジン、テルペン樹
脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、脂肪族または脂環
族の炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィ
ン、パラフィンワックス等の1種以上が用いられる。
【0031】キレート剤としては、従来のインクジェッ
ト法で使用されているノズル先端部分の金属シリケート
等の析出による目詰まり防止作用を有するものであれば
特に制限しない。
【0032】記録粒子を噴出させる前に着色材核を帯電
させておき、偏向電極で着色材核を担体液外殼から分離
させる場合、着色材核中に添加する帯電制御剤としては
従来電子写真法の液体現像剤に用いられている帯電制御
剤を用いることもできる。例えば、負帯電用としてはア
ルキルサリチル酸の金属錯体、ジカルボン酸の金属錯
体、多環体サリチル酸金属塩、アゾ系金属染料、塩素化
パラフィン、塩素化ポリエステル等が挙げられる。ま
た、正帯電用としてはニグロシン系染料、脂肪族金属
塩、第4級アンモニウム塩、ベンゾチアゾール誘導体、
グアナミン誘導体、ジブチルチンオキサイド等が挙げら
れ、これらの1種以上が用いられる。
【0033】一方、担体液外殼を構成する担体液の種類
は、水または脂肪族系の炭化水素等の一般の溶媒であれ
ば特に制限されないが、化学的に安定で、低蒸気圧、低
粘度、無害、無臭、低温で凍結しないことが重要であ
る。特に、記録粒子を噴出後、光、レーザー等の電磁波
や熱エネルギーの照射により担体液外殼のみを蒸発させ
て着色材核を分離する場合には低沸点の溶媒が好まし
い。
【0034】また、着色材核の溶媒と担体液外殼の溶媒
とは、互いに非相溶性であることが望ましい。例えば、
一方の溶媒が親油性であれば、もう一方の溶媒は親水性
のものが好ましい。例えば、水、低級アルコール類、ヘ
キサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、シクロヘキ
サン等の脂環式炭化水素類が挙げられる。
【0035】また、担体液外殼の溶媒中には、着色材核
を良好に分散させる分散安定剤を添加してもよい。例え
ば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロー
ス等が挙げられる。
【0036】上記の着色材核と担体液外殼とで構成され
る記録粒子は、従来の懸濁法等のカプセル化法によって
製造してもよいが、細孔を有する多孔質体を利用したい
わゆる膜乳化法により、効率良く所望の構成の記録粒子
組成物を製造できる。具体的には着色材核の組成物を細
孔を有する多孔質体を通過させ、担体液外殼を構成する
組成物中に分散させることにより製造する。
【0037】上記の細孔を有する多孔質体とは、例え
ば、ポアーサイズが狭い範囲に調節されたガラス多孔質
体がある。このガラスはMPG(Micro Porous Glas
s)と呼ばれているもので珪酸、硼酸、アルミナ、アル
カリ等を含むガラスを数百℃で熱処理すると、酸に溶け
易い硼酸やアルカリからなる相と、その他の相に分離す
る性質を利用し、相分離したガラスから硼酸やアルカリ
成分を酸で洗い出すことにより多孔性にしたものであ
る。なお、この細孔を有する多孔質体は管状または板状
の多孔質体が望ましい。
【0038】上記多孔質体に着色材核組成物を通過させ
る方法は、減圧吸引あるいはポンプ等で加圧して多孔質
体に送込む方法で行うことができる。着色材核粒子の粒
径は光学顕微鏡で観察しながら所定の粒径になるまで循
環させるのがよい。
【0039】さらに、多孔質体を通過した着色材核粒子
を多孔質体の壁面から離脱させる方法としては、多孔質
体通過後、分散相である担体液外殼組成物を移動させる
方法がある。また、多孔質体を振動、または、多孔質体
を回転させる方法等がある。
【0040】また、上記と同様にして着色材核組成物の
複数種を、同一の担体液外殼組成物中に分散させること
により、複数種の着色材核を担体液外殼中に同時に含む
記録粒子組成物を製造するができる。
【0041】
【作用】本発明が従来の大きなノズル径のままで、従来
よりも微細な印字ドットを実現できるのは、より微小な
着色材核を内包する記録粒子をノズルより噴出させ、微
小な着色材核のみを分離して記録することにより、大き
なノズル径でもより小さな印字ドットを形成できるため
である。従って、コストアップにつながるノズルの微細
化を必要としない。
【0042】さらに記録粒子中に複数の着色材核を内包
させることにより、1つのノズルでフルカラーの色再現
が可能となる。
【0043】また、従来の大きなノズル径のものを用い
ているので、ノズルの目詰まりが起こりにくい。
【0044】
【実施例】以下、図面に基づき本発明の実施例を説明す
る。
【0045】〔実施例 1〕図1は本実施例の記録方法
を模式的に示したものである。
【0046】着色材核2と担体液3とからなる記録粒子
組成物は、ノズル1の周囲に設けられた圧電素子4によ
り圧縮されて、ノズル1から噴出される。その際、着色
材核2を担体液3で覆う担体液外殼5が形成され、記録
粒子6となる。その後ノズル1から噴出された記録粒子
6は紙、プラスチックフィルム等の被記録担体7上に付
着し、記録ドット8が形成される。さらに、上記ノズル
1および被記録担体7を記録信号によりその位置を制御
する制御手段(図示省略)と、移動させる移動手段(図
示省略)とにより、被記録担体上に文字、画像等の記録
情報が形成される。
【0047】なお、上記制御手段,移動手段は、従来の
インクジェット方式、または、ペンプロッタ等の手段を
そのまま用いることができる。
【0048】次に、本実施例において用いた記録粒子組
成物の組成と製法を説明する。
【0049】 着色材核 アシッドブルー22 …………………… 1重量部 水 ……………………………………… 10重量部 エチレングリコール ………………… 30重量部 担体液 イソブチルアルコール …………… 150重量部 上記のの着色材核組成物を混合し、担体液であるイソ
ブチルアルコール中に、細孔径10μmの多孔質体管
(10mmφ×50mm)を通して分散させ、記録材料
を得た。分散した着色材核2の粒子径は約20μmで、
極めて狭い範囲の粒子径分布を示した。
【0050】次に、上記の記録材料を、ノズル数48
本、300dpi(dot per inch)のマルチノズル型
インクジェット記録装置を用いて記録を行った。その結
果、ライン幅約40μm,600dpi相当の解像度が
得られた。
【0051】本実施例のように、被記録担体7上に付着
した記録ドット8の担体液外殼は、そのまま放置するこ
とにより、被記録担体7中へ吸収され、揮発して除去さ
れるが、後述の実施例2〜6で示すように、被記録担体
7上に記録粒子6が付着する前に除去することもでき
る。また、実施例7に示すように、被記録担体7上に記
録粒子が付着した後に除去することもできる。
【0052】記録粒子6から担体液外殼5を除去するこ
とにより、従来の大きな径のノズルで、より小さな記録
ドットを形成することができる。さらにまた、ノズル内
壁面に着色材核2が付着しないためノズルの目詰まり発
生を防止することができる。
【0053】上記担体液外殼5の除去方法について以下
の実施例で説明する。
【0054】〔実施例 2〕図2は本実施例の記録方法
を模式的に示したもので、噴出された記録粒子6の担体
液外殼5を熱エネルギーにより除去するものである。
【0055】ノズル数48本、300dpiのマルチノ
ズル型インクジェット記録装置のノズルの出口部分に設
けた、一対の平板ヒータからなる加熱手段9の表面温度
を100℃、平板ヒータ間距離を3mmとし、実施例1
と同様に調製した記録材料をノズルより噴出して記録を
行った。その結果、ライン幅約40μmの600dpi
相当の解像度が得られた。
【0056】ノズル1より噴出された記録粒子6は、加
熱手段9により飛翔中に加熱され担体液外殼5が揮発、
除去され、着色材核2のみが被記録担体7上に付着し、
記録ドット8となる。
【0057】なお、上記加熱手段9は、記録粒子6の飛
翔経路を覆う様な形状、例えば、一対の平板、曲面板、
あるいは筒状等と、記録粒子6に熱エネルギーを伝達で
きる機能であればよい。
【0058】また、以下の実施例の場合も含めて、担体
液外殼5としては、記録粒子6が加熱手段9中を飛翔中
に揮発し得るよう揮発性の優れた物質を用いる。さら
に、担体液外殼5の揮発ガスを吸引除去する除去手段を
設けることが好ましい。
【0059】〔実施例 3〕図3は本実施例における記
録方法を模式的に示したもので、ノズル1より噴出され
た記録粒子6の担体液外殼5をレーザーにより除去する
ものである。
【0060】ノズル数48本、300dpiのマルチノ
ズル型インクジェット記録装置のノズルの出口部分に設
けたレーザー光源11より、1WのHe−Neのレーザ
ー12をミラー13で導き、ノズル1からの記録粒子6
の噴出タイミングに同期させ、飛翔中の記録粒子6にレ
ーザー12を照射させて記録を行った。その結果、ライ
ン幅約40μm,600dpi相当の解像度が得られ
た。
【0061】ノズル1より噴出された記録粒子6は飛翔
中にレーザー12を照射されることにより担体液外殼5
が揮発し除去される。担体液外殼5が除去された着色材
核2は被記録担体7上に付着し、記録ドット8が形成さ
れる。
【0062】なお、上記レーザー光源11は、記録粒子
6が飛翔中に担体液外殼5を揮発させるに十分な熱エネ
ルギーを与えることができればよい。
【0063】次に、下記の実施例4〜6では記録粒子6
から着色材核2を分離して記録する方法について説明す
る。
【0064】〔実施例 4〕ノズルから噴出された記録
粒子6を帯電させ、光導電性物質を含む着色材核にレー
ザー12を照射することにより、担体液外殼5の電荷を
中和し、着色材核2のみを帯電させ、偏向電極16間を
飛翔させることにより着色材核2と担体液外殼5とを分
離する方法である。
【0065】図4はその一実施例を模式的に示したもの
で、ノズル1より噴出された記録粒子6は帯電器14に
より帯電(本実施例では正帯電)し、レーザー12を照
射されることにより光導電性物質を含ませた着色材核2
から負電荷が記録粒子6の表面に移行して着色材核2の
みが正帯電する。その後、記録粒子6はその飛翔経路に
垂直の電界を発生する偏向電極16間を飛翔中に、正帯
電した着色材核2は静電吸引力により負電極側に引き付
けられ、担体液外殼5と分離し、被記録担体7上に付着
して記録ドット8を形成する。
【0066】一方分離した担体液外殼5はその飛翔経路
上に設けたガター10により遮断,捕集され、被記録担
体には到達しない。
【0067】なお、以下の実施例の場合も含め、上記着
色材核2は負帯電でも構わない。正帯電の場合と同じよ
うに偏向させるには偏向電極16間の電界の極性を逆に
すればよい。また、担体液外殼5は、本実施例のように
未帯電のままでもよいが、着色材核2と逆に帯電させる
ことが好ましい。これにより着色材核2と担体液外殼5
とは互いに反発する静電力が働くので、より分離し易く
なる。
【0068】以下、本実施例の記録材料の組成、製法に
つい述べる。
【0069】 着色材核 ホスタパームブルーB2G(ヘキスト社製) …………… 1重量部 ステアリン酸 …………………………… 1重量部 水 ……………………………………… 10重量部 エチレングリコール ………………… 30重量部 担体液 イソブチルアルコール …………… 150重量部 上記の着色材核組成物を混合し、の担体液イソブチ
ルアルコール中に、実施例1で用いた多孔質体管を通し
て分散させた。着色材核の粒子径は約20μmで、極め
て狭い範囲の粒子径分布を示した。
【0070】次に、上記の記録材料をノズル数48本、
300dpiマルチノズル型インクジェット記録装置
に、帯電器10とHe−Neレーザー光源11および1
対の偏向電極16(電極間距離7mm)を設け、ノズル
1からの記録粒子6の噴出タイミングに同期させて飛翔
中の記録粒子にレーザー12を照射し、偏向電圧4kV
を印加して記録を行った。その結果、ライン幅約40μ
mの600dpi相当の解像度が得られた。
【0071】〔実施例 5〕図5は本実施例における記
録方法を模式的に示したもので、ノズル1中の着色材核
2を予め帯電しておき、ノズル1から噴出後、偏向電極
16間の飛翔中に着色材核2と担体液外殼5とを分離さ
せるものである。
【0072】正帯電した着色材核2を含む記録粒子6は
ノズル1より噴出され、偏向電極16間を飛翔中に、着
色材核2が負電極側に引きつけられ、担体液外殼5と分
離し、被記録担体7上に付着して記録ドット8を形成す
る。
【0073】一方分離した担体液外殼5はガター10に
より遮断,捕集され、被記録担体に到達しない。
【0074】また、本実施例の着色材核と担体液外殼と
からなる記録粒子組成物は、電子写真の液体現像に使用
する液体現像剤を用いることもできる。
【0075】本実施例では実施例4と同様に調製した記
録材料を用い、ノズル数48本、300dpiのマルチ
ノズル型インクジェット記録装置のノズル部に図5に示
すような偏向電極16を設け、偏向電圧4kV、電極間
距離7mmで記録を行った。その結果、ライン幅約40
μmの600dpi相当の解像度が得られた。
【0076】〔実施例 6〕図6は本実施例における記
録方法を模式的に示したもので、噴出された記録粒子6
中の着色材核2をレーザー照射による光圧力を利用して
担体液外殼5と分離するものである。
【0077】記録粒子6は飛翔中に照射されるレーザー
12により着色材核2に光圧力が作用し、担体液外殼5
から着色材核2が分離する。その後の着色材核2は被記
録担体7上に付着し、記録ドット17が形成される。一
方分離した担体液外殼5はガター10によって遮断,捕
集され、被記録担体に到達しない。
【0078】実施例4と同様に調製した記録材料を、ノ
ズル数48本、300dpiマルチノズル型インクジェ
ット記録装置を用い、ノズルからの記録粒子6の噴出タ
イミングに同期させ、記録粒子2の偏向方向の反対側か
ら1WのHe−Neレーザー12を照射し、記録を行っ
た。その結果、ライン幅約40μm,600dpi相当
の解像度が得られた。
【0079】次に、実施例7〜10で被記録担体上に記
録ドットを形成後、担体液外殼を除去する方法について
説明する。
【0080】〔実施例 7〕図7は本実施例における記
録方法を模式的に示したものである。着色材核2と担体
液3からなる記録粒子6は被記録担体7上に付着し、記
録ドット8が形成される。その後、記録ドット8は被記
録担体7と共に矢印の方向に移動し、ヒータなどの加熱
手段9で加熱され担体液外殼5が蒸発,除去される。
【0081】また、上記加熱過程においては記録ドット
8を溶融,変形させ、被記録担体7に浸透させてもよ
い。
【0082】なお、上記加熱手段9は特に制限はなく、
記録ドット8に的確に熱エネルギーを伝達する機能があ
ればよい。
【0083】実施例1と同様に調製した記録材料を、ノ
ズル数48本、300dpiのマルチノズル型インクジ
ェット記録装置を用いて記録を行った後、被記録担体を
搬送する搬送路中に被記録担体面に対向させて設けた平
板ヒータからなる加熱手段9を表面温度100℃、被記
録担体との距離3mmで付着面を加熱した。その結果、
ライン幅約40μm,600dpi相当の解像度が得ら
れた。
【0084】〔実施例 8〕図8は本実施例における記
録方法を模式的に示したものである。被記録担体7上に
記録ドット8を形成した後、被記録担体7を矢印の方向
に移動し、熱源17としてハロゲンランプを内臓したロ
ール状の加熱手段9により被記録担体7を押圧して加熱
し、担体液外殼5を揮発,蒸発させる。本実施例では、
ロール内部に熱源17を内臓したものを示したが、外部
からロール表面を加熱する方法でもよい。
【0085】なお、上記加熱手段は従来の電子写真に用
いるプリンタ、複写機などで用いられるロール定着機の
構成をそのまま適用することができる。
【0086】実施例1と同様に調製した記録材料を、ノ
ズル数48本、300dpiのマルチノズル型インクジ
ェット記録装置を用いて記録を行った後、被記録担体の
搬送過程において、アルミ芯金の周りにシリコーンゴム
を被覆したゴムロールの表面温度100℃、加圧力10
kgfにて記録ドット8が付着した被記録担体7を加
熱,押圧した。その結果、ライン幅約40μm,600
dpi相当の解像度が得られた。
【0087】〔実施例 9〕図9は本実施例における記
録方法を模式的に示したものである。被記録担体7上に
記録ドット8を形成した後、被記録担体7を矢印の方向
に移動し、熱源17としてハロゲンランプを有し、ロー
ルとベルトから構成される加熱手段9で被記録担体を押
圧,加熱することにより担体液外殼5を揮発,蒸発させ
る。本実施例では、ベルト内部に熱源を有するものを示
したが、外部からベルト表面を加熱する方法でもよい。
【0088】また、上記加熱手段は従来電子写真用のプ
リンタ、複写機などで用いられているベルト定着機の構
成をそのまま適用することができる。
【0089】実施例1と同様に調製した記録材料を、ノ
ズル数48本、300dpiのマルチノズル型インクジ
ェット記録装置を用いて記録を行った後、被記録担体の
搬送過程において、加熱用の1対のロールとベルト有す
る加熱手段9(ベルト表面温度100℃)で記録ドット
8が付着した被記録担体7を加熱,押圧した。その結
果、ライン幅約40μm,600dpi相当の解像度が
得られた。
【0090】〔実施例 10〕図10は本実施例におけ
る記録方法を模式的に示したものである。被記録担体7
上に記録ドット8を形成した後、被記録担体7を矢印の
方向に移動し、ロールからなる加圧手段18により被記
録担体7を押圧し、担体液外殼5を揮発、蒸発させる。
【0091】また、上記加圧手段は従来の電子写真用プ
リンタ、複写機などで用いられている圧力ロール定着機
の構成をそのまま適用することができる。
【0092】実施例1と同様に調製した記録材料を、ノ
ズル数48本、300dpiのマルチノズル型インクジ
ェット記録装置を用いて記録を行った後、被記録担体7
の搬送過程において、アルミロールで圧力100kgf
で記録ドット8が付着した被記録担体7を押圧した。そ
の結果、ライン幅約40μm,600dpi相当の解像
度が得られた。
【0093】次の実施例11,12においては、減法混
色の3元色であるイエロー、マゼンタ、シアンの色を発
生する着色材料をそれぞれ内包する3種類の着色材核を
含む記録粒子を用いてドット毎のカラー多色化を再現す
る方法について説明する。
【0094】〔実施例 11〕図11は本実施例におけ
る記録方法を模式的に示したものである。本実施例では
減法混色の3元色であるイエロー、マゼンタ、シアンの
色を発生する着色材料と光導電性物質とをそれぞれ含む
3種の着色材核2を含む記録粒子6を帯電させ、着色材
核2に特定波長に強度ピークをもつレーザーを照射し
て、上記3種の色の着色材核に選択的に電荷を発生さ
せ、担体液外殻の電荷を中和して着色材核のみを帯電さ
せ、その静電力を利用して着色材核を分離すものであ
る。
【0095】イエロー、マゼンタ、シアンの各色の着色
材料をそれぞれ含む3種の着色材核2を含む着色材核カ
プセル19と担体液3からなる記録粒子組成物はノズル
1に設けた圧電素子4により圧縮されノズル1から噴出
される。その際、着色材核カプセル19は担体液3によ
る担体液外殻で覆われた記録粒子6が形成される。
【0096】噴出された記録粒子6は飛翔中に帯電器1
4により帯電(本実施例では正帯電)する。レーザー光
源11より発せられたレーザー12が照射されることに
より、そのレーザー波長に感度をもつ光導電性物質が負
電荷を担体液外殼5の表面に移動して中和させ、着色材
核2の正電荷のみが残る。
【0097】記録粒子6の飛翔経路と直角方向の電界を
発生させる偏向電極16により、正帯電した着色材核2
は負電極側に引きつけら、担体液外殼5と分離し、被記
録担体7上に付着して記録ドット8を形成する。
【0098】一方、残った担体液外殼5と着色材核2は
ガター10により遮断,捕集され、被記録担体に到達し
ない。
【0099】本実施例で用いた記録材料組成、製法につ
いて以下に説明する。
【0100】 記録材料カプセル 着色材核 イエロー:ノボパームイエロー97(ヘキスト社製)… 1重量部 ステアリン酸 …………………………… 1重量部 水 ……………………………………… 10重量部 エチレングリコー ル ………………… 30重量部 マゼンタ:ホスタパームピンクEB(ヘキスト社製)… 1重量部 ステアリン酸 …………………………… 1重量部 水 ……………………………………… 10重量部 エチレングリコール ………………… 30重量部 シアン :ホスタパームブルーB2G(ヘキスト社製)…1重量部 ステアリン酸 …………………………… 1重量部 水 ……………………………………… 10重量部 エチレングリコール ………………… 30重量部 カプセル外殻 イソブチルアルコール …………… 100重量部 担体液 水 …………………………………… 150重量部 上記の各着色材核組成物をそれぞれ混合し、カプセル外
殻となるイソブチルアルコール中に、細孔径10μmの
多孔質体管(10mmφ×50mm)を通して分散させ
記録材料を得た。分散した着色材核の粒子径は3色とも
約20μmで、極めて狭い範囲の粒子径分布を示した。
【0101】さらに上記の記録材料の各色を等量ずつ混
合し、担体液である水中に、細孔径20μmの多孔質体
管(10mmφ×50mm)を通して分散させ、記録材
料を得た。
【0102】次にこの記録材料を、ノズル数48本、3
00dpiのマルチノズル型インクジェット記録装置
に、帯電器14,He−Neレーザー(633nm)1
1および電極間距離7mmの1対の偏向電極16を設
け、ノズル1からの記録粒子の噴出タイミングに同期さ
せて飛翔中の記録粒子6にレーザー12を照射し、偏向
電圧4kVを記録粒子が噴出するタイミングに同期させ
て飛翔中の記録粒子に印加し、記録を行った。その結
果、シアン色のみが被記録担体に記録された。
【0103】また、上記シアン色と別の着色材核を帯電
させるにはレーザー12の波長を変える必要があるが、
それにはレーザー光路の途中に所望の波長のみを透過す
るフィルターを設けるか、あるいは別々のピーク波長を
有するレーザー光源を使用してもよい。
【0104】〔実施例 12〕図12は本実施例におけ
る記録方法を模式的に示したもので、2次色、即ちレッ
ド、グリーン、ブルーを再現する場合である。なお、レ
ッドはイエローとマゼンタ、グリーンはシアンとイエロ
ー、ブルーはマゼンタとシアンの各3元色の着色材核を
組み合わせて被記録担体上に付着させることにより実現
される。
【0105】実施例11と同様に、イエロー、マゼン
タ、シアンの各色の着色材料をそれぞれ含む3種の着色
材核を含む着色材核カプセル19と担体液3からなる記
録粒子組成物は、ノズル1に設けた圧電素子4により圧
縮されノズル1から噴出される。その際、着色材核カプ
セル19は担体液3による担体液外殼5で被覆された記
録粒子6が形成される。噴出された記録粒子6は飛翔中
に帯電器14により正性帯電する。レーザー光源11よ
り発せられたレーザー12が照射されることにより、そ
のレーザー波長に感度をもつ光導電性物質が負電荷を担
体液外殼5の表面に移動し中和されて、着色材核2の正
電荷のみが残る。
【0106】図12では2つの着色材核2,2'が正帯
電する場合を示す。その後この記録粒子6は偏向電極1
6により負電極側に引きつけられ、担体液外殼5と分離
した着色材核2,2'は、被記録担体7上に付着し記録
ドット8を形成する。
【0107】一方、残った着色材核2,着色材核カプセ
ル19,担体液外殼5はガター10で遮断,捕集され、
被記録担体に到達しない。
【0108】実施例11と同様に調製した記録材料を、
ノズル数48本、300dpiのマルチノズル型インク
ジェット記録装置に、帯電器,ネオジウム−YAGレー
ザーの2倍波(532nm)とHe−Cdレーザー(4
42nm)および電極間距離7mmの1対の偏向電極を
設け、ノズル1からの記録粒子6の噴出タイミングに同
期させて飛翔中の記録粒子に両レーザーを照射し、偏向
電圧4kVを記録粒子が噴出するタイミングに同期させ
て飛翔中の記録粒子に印加し、記録を行った。その結
果、レッド色のみが被記録担体に記録された。
【0109】また、別の着色材核を帯電させるには、レ
ーザー光路の途中に所望の波長のみを透過するフィルタ
ーを設けるか、別々のピーク波長を有するレーザー光源
を使用するか、あるいはそれらを組み合わせることによ
り達成される。
【0110】〔実施例 13〕本実施例は複数個の着色
材核を含む記録粒子を用いてドット毎の多階調化を実現
する方法にある。
【0111】図13は本実施例における記録方法を模式
的に示したものである。本実施例では複数個の着色材核
を含む記録粒子に、特定波長に強度ピークをもつレーザ
ーを照射し、その強度を制御することにより、記録粒子
中の着色材核の帯電粒子の個数を制御し、静電力を利用
して分離しドット毎の多階調化を実現するものである。
【0112】着色材核2と担体液3からなる記録粒子組
成物は、ノズル1から噴出される。その際、着色材核2
の周囲を担体液3により担体液外殻5が覆い記録粒子6
が形成される。噴出された記録粒子6は飛翔中にレーザ
ー光源11より発せられたレーザー12を照射され、照
射レーザーの波長の強度に応じた個数の着色材核が実施
例4と同様の機構で帯電し、着色材核集合体20が形成
される。
【0113】正帯電された着色材核集合体20は、記録
粒子6の飛翔経路と直角の電界を発生する偏向電極16
間を飛翔し、着色材核集合体20は静電力を受け負電極
側に引きつけられ、担体液外殼5と分離した後、被記録
担体7上に付着し記録ドット8を形成する。
【0114】一方、残った記録粒子6はガター10によ
り遮断,補集され、被記録担体7に到達しない。
【0115】本実施例で用いた記録材料の組成、製法に
ついて述べる。
【0116】 記録材料の組成 着色材核:ホスタパームブルーB2G(ヘキスト社製) … 1重量部 ステアリン酸 …………………………… 1重量部 水 ……………………………………… 10重量部 エチレングリコール ………………… 30重量部 担体液 :イソブチルアルコール …………… 150重量部 上記の着色材核組成物をそれぞれ混合し、担体液である
イソブチルアルコール中に、細孔径1μmの多孔質体管
(10mmφ×50mm)を通して分散させ、記録材料
を得た。分散した着色材核の粒子径は約2μmで、極め
て狭い範囲の粒子径分布を示した。
【0117】次にこの記録材料を、ノズル数48本、3
00dpiマルチノズル型インクジェット記録装置に、
帯電器,He−Neレーザー(633nm)および電極
間距離7mmの1対の偏向電極を設け、ノズル1からの
記録粒子の噴出タイミングに同期させて飛翔中の記録粒
子に両レーザーを照射し、偏向電圧4kVを記録粒子が
噴出するタイミングに同期させて飛翔中の記録粒子に印
加し、記録を行った。その結果、シアン色のみが被記録
担体7に記録された。またレーザー強度を変化させて記
録を行ったところ、強度に応じたドット径が得られ、ド
ット内で階調を変化させることができた。
【0118】〔実施例 14〕図14は本発明が用いる
ノズルの構成を示す模式図である。
【0119】実施例1から実施例13ではノズル内にお
いて、すでに着色材核2あるいは着色材核カプセル19
が担体液中に分散している場合を示したが、図14は着
色材核と担体液とをそれぞれ分離しておき、ノズル1か
ら噴出する際に着色材核2を担体液外殼5中に内包させ
て記録粒子を形成する構造のものである。
【0120】図14において、ノズル1は着色材核組成
物を保持する着色材核ノズル21と担体液を保持する担
体液ノズル22とから構成され、両者は圧電素子4によ
って圧縮されノズル1から噴出されるが、ノズル先端部
において着色材核2は担体液で覆われ着色粒子6となっ
て噴出される。
【0121】上記図14で示すノズルは、1種の着色材
核2と担体液外殼5とからなる記録粒子を噴出するが、
着色材核を構成する種類、個数が増えれば上記各ノズル
の数をがそれに応じて増加する。
【0122】さらにまた、実施例11,12のようなカ
ラーのための複数種の着色材核を同一の担体液中に内包
させる場合には、例えば、図15(a)(b)(c)で
示すような断面構造のノズルを用いることにより目的を
達成することができる。
【0123】
【発明の効果】本発明は、少なくとも1種の着色材核と
その周囲を覆う担体液外殻とからなる多層構造を持つ記
録粒子をノズルから噴出させ、被記録担体表面に付着さ
せて記録ドット像を形成することによって、従来のノズ
ル径のノズルで、より小さな記録ドットを形成させるこ
とができる。
【0124】さらに、担体液中に着色材核が分散されて
いるため、ノズル内壁面には着色材核が付着しにくいの
で、ノズルの目詰まりなども発生しにく、インクジェッ
ト印写法の課題であった高精細記録とノズルの目詰まり
防止とを両立させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の記録方法を模式的に示した構成図で
ある。
【図2】実施例2の記録方法を模式的に示した構成図で
ある。
【図3】実施例3の記録方法を模式的に示した構成図で
ある。
【図4】実施例4の記録方法を模式的に示した構成図で
ある。
【図5】実施例5の記録方法を模式的に示した構成図で
ある。
【図6】実施例6の記録方法を模式的に示した構成図で
ある。
【図7】実施例7の記録方法を模式的に示した構成図で
ある。
【図8】実施例8の記録方法を模式的に示した構成図で
ある。
【図9】実施例9の記録方法を模式的に示した構成図で
ある。
【図10】実施例10の記録方法を模式的に示した構成
図である。
【図11】実施例11の記録方法を模式的に示した構成
図である。
【図12】実施例12の記録方法を模式的に示した構成
図である。
【図13】実施例13の記録方法を模式的に示した構成
図である。
【図14】本発明のノズルの断面模式図である。
【図15】本発明のカラー用ノズルの断面模式図であ
る。
【符号の説明】
1…ノズル、2…着色材核、3…担体液、4…圧電素
子、5…担体液外殻、6…記録粒子、7…被記録担体、
8…記録ドット、9…加熱手段、10…ガター、11…
レーザー光源、12…レーザー、13…ミラー、14…
帯電器、16…偏向電極、17…熱源、18…加圧手
段、19…着色材核カプセル、20…着色材核集合体、
21…着色材核ノズル、22…担体液ノズル、23…着
色材核ノズル(イエロー)、24…着色材核ノズル(マ
ゼンタ)、25…着色材核ノズル(シアン)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 磯貝 正人 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 宮坂 徹 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社日立製作所 日立研究所内 (56)参考文献 特開 平6−40023(JP,A) 特開 昭64−44757(JP,A) 特開 平5−330033(JP,A) 特開 平8−92513(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/01 B41J 2/06 B41M 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズルから噴出させた記録粒子を被記録
    担体の表面に付着させて像を形成するインクジエット印
    写方法において、前記記録粒子が着色材核と、該着色材
    核の表面を覆う担体液外殻で構成されており、前記記録
    粒子が、ノズルと被記録担体との間に設けた帯電電極間
    を飛翔,通過中に帯電した着色材核を担体液外殼から静
    電的に分離することを特徴とするインクジエット印写方
    法。
  2. 【請求項2】 前記記録粒子の着色材核を担体液外殼か
    ら静電的に分離する際、予め着色材核に付与した静電荷
    により静電的に分離する請求項に記載のインクジエッ
    ト印写方法。
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