JP3142991B2 - レーザ走査装置および画像形成方法 - Google Patents

レーザ走査装置および画像形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザトモグラフィ装
置等においてレーザ光を使用して被検物体の一定領域を
走査する装置およびその走査により画像を形成する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体ウエハ等の被検物体の欠陥
等を評価するためのレーザトモグラフィ装置において
は、被検物体の観察断面に沿ってレーザ光束を移動さ
せ、その散乱光を順次光電変換して内部欠陥等の断面画
像を得るようにしている(特開平1−151243号公
報)。そして、立体的な散乱画像を得るためには、レー
ザ光束により一定間隔でスライスするようにして、上述
のような断面画像の複数を立体画像を構成するに必要な
一定間隔で得るようにしている(特開昭62−1674
1号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来技術においては、レーザ光の強度Iは、図4に示すよ
うに光束の半径方向に関しガウス分布を呈するため、同
一サイズの内部欠陥等が被検物体内に均一に存在して
も、図5に示すように、得られた断面画像上では、個々
の欠陥等を照明するレーザ光部分のレーザ光の中心から
の距離に応じて異なった強度で現れる。したがって、こ
の画像データに基づいて内部欠陥等の粒子サイズを計測
しようとすると、誤差を生じるという問題がある。ま
た、これを解消するため、図6に示すような矩形型の強
度分布を有するレーザ光を用いることも考えられるが、
そのようなレーザ光はすぐに発散してしまうため、断面
画像の形成には適していない。
【0004】本発明の目的は、この従来技術の問題点に
鑑み、レーザ光強度がガウス分布を呈するにもかかわら
ず、均一な強度分布を有するレーザ光で照明した場合と
同等の観察が行えるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明のレーザ走査装置は、光強度が光束の半径方向に
ついてガウス分布を呈するレーザ光を照射する手段、お
よびこのレーザ光の光束を、このレーザ光が集光された
照明部分の光束の半径に等しくしたときよりも多くの断
面が得られるような間隔を相互に有する複数断面に沿っ
て被検物体中を移動させる手段を具備することを特徴と
する。また、本発明の画像形成方法は、光強度が光束の
半径方向についてガウス分布を呈するレーザ光を被検物
体に照射し、そのレーザ光を、集光された照明部分の光
束の半径に等しくしたときよりも多くの断面が得られる
ような間隔を相互に有する複数断面に沿って被検物体中
を移動させながら、そのレーザ光による散乱光を検出し
て複数断層像を得ることを特徴とする。画像の形成は、
例えば、前記複数断層像のうち隣接して連続する複数を
重畳して1つの断面画像を形成することを含む。また、
前記複数の断層像のうち隣接して連続する複数の画像に
おいて見出される、被検物体内のある1つの欠陥部分に
ついての像に基きその像の位置が特定され得る。
【0006】
【作用】この構成において、光強度が光束の半径方向に
ついてガウス分布を呈するレーザ光を被検物体に照射
し、このレーザ光の光束をその半径にほぼ等しい間隔を
相互に有する被検物体の複数断面に沿って移動させる
と、各断面を照射するレーザ光の、光束および該複数断
面に直角なZ方向の光強度Iの分布は、図1に示すよう
に、各断面においては曲線103で示されるようにガウ
ス分布を有するが、各断面について重畳した場合は曲線
101で示されるように台形状となり、その上底に対応
する部分Cでは光強度が一定となる。したがって、少な
くともこの部分Cに対しては、各断面における散乱強度
を重ね合わせると、均一な照明光強度による観察が行わ
れる。したがって、光強度が大きくて光束の細いレーザ
光が広い範囲の画像形成に支障なく適用され、検出感度
の向上が図られる。
【0007】以下、他の作用効果等も含め、実施例を用
いて詳細に説明する。
【0008】
【実施例】図2は本発明の一実施例に係る半導体ウエハ
等の内部欠陥を評価するためのレーザトモグラフィ装置
の構成を示す模式図である。同図に示すように、この装
置におけるレーザ走査装置は、光強度が光束の半径方向
についてガウス分布を呈するレーザ光を照射するレーザ
装置201およびこれが発するレーザ光203を集光し
て照明部分205において所定の光束半径aを有するよ
うに集光する集光レンズ207、ならびに照明部分20
5におけるレーザ光の光束をその半径aにほぼ等しい間
隔を相互に有する被検物体209の複数断面に沿って移
動させるためのステージ装置211、およびステージ装
置211を制御するコンピュータ213を備える。前記
光束半径aはこの場合、3〜10μmの範囲のいずれか
に設定される。また、照明部分205は集光点前後の±
100〜500μmの範囲であるが、その範囲は光束径
aがほぼ一定となるように選択される。
【0009】215はレーザ光203による照明部分2
05からの散乱光に基き散乱像を結像する顕微鏡、21
7は顕微鏡215が結像する像を光電変換して映像信号
を出力するTVカメラ、219はTVカメラ217が出
力する映像信号を取り込み、A/D変換等の所定の画像
処理を施してコンピュータ213の記憶装置に蓄積する
画像処理装置、221は画像処理装置219が処理した
画像を表示する表示装置である。コンピュータ213は
画像処理装置219の動作も制御する。
【0010】この構成において、不図示の位置決め手段
により照明部分205を被検物体209の所望の観察断
面上の初期位置に位置決めすると、コンピュータ213
はステージ装置211をx方向に移動させながら、画像
処理装置219により照明部分205からの散乱光に基
くTVカメラ217の出力を取り込み、画像データを記
憶装置に記憶してゆく。こうして1つの観察断面につい
て画像データの取込みが終了すると、次に、ステージ装
置211により被検物体209を前記半径aだけz方向
に移動させて次の観察断面の初期位置に照明部分205
を位置させてから、今度は逆方向のx方向に被検物体2
09を移動させながら同様にして画像データの取込みを
行う。
【0011】このようにして、複数の観察断面について
画像データの取込みを終了すると、画像処理装置219
を介し、各観察断面の画像データをx,y座標を対応さ
せてz方向に重ね合わせ、表示装置221上に表示する
ことができる。このようにして得られる重畳された画像
データは、ほぼ前記半径aに観察断面の数を掛けただけ
の厚みを有する範囲に含まれる散乱像の積分された断面
画像ということができる。
【0012】これによれば、図1に示す上底部分に対応
するかなり広い範囲Cにおいては照明光の重畳された強
度は均一であるため、その範囲からの散乱光に基く断面
画像のデータから得られるある欠陥粒子からの散乱強度
はその粒子のサイズを示すことになる。照明光の強度を
一定とすれば、粒子の半径とそこからの散乱強度は一定
の関係にあるからである。ただし、両側の光束径程度の
範囲Sに対応する画像データについては観察断面が1枚
のみの場合と同様の誤差の問題を生じる。しかし、観察
断面の数を多くすることによって、この誤差を相対的に
小さくすることができる。また、観察断面の数を多くす
れば、粒子密度が小さくまばらにしか存在しないような
粒子を検出する際の検出効率も向上させることができ
る。さらに、例えば、ある粒子が相互に隣接する4つの
連続した観察断面の画像データ内に検出された場合、図
3に示すように、各観察断面のz座標について各観察断
面における粒子の強度を示す点を結ぶガウス曲線の頂点
位置z0 としてその粒子のz座標を求めることができ
る。
【0013】なお、ここでは、光電変換により散乱画像
を得ているが、これに限らず、感光材料等を用いて散乱
画像を得るようにしても良い。その場合、各観察断面の
散乱画像を重畳させて露光することにより、1つの重畳
された断面画像を得ることができる。また、観察断面の
画像データをより多くの観察断面について取り込み、重
畳せずに、そのまま、均一な照明光強度による3次元の
散乱画像データとして種々の解析に用いるようにしても
良い。また、各観察断面における走査方向は、x方向に
限らず、y方向にも行なって、より大きな観察断面を走
査するようにしても良い。また、集光されたレーザ光に
限らず平行光を用いて走査するようにしても良い。ま
た、被検物体を移動させる代わりにレーザ光の方を移動
させるようにしても良い。また、レーザトモグラフィに
限らず種々の観察装置の照明用に、本発明のレーザ走査
装置を適用することができる。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、光束の細いレーザ光に
よって被検物体を照明することができるため、レーザ光
の光強度を大きくし、検出感度を高めることができる。
また、被検物体をより広い範囲にわたって照明すること
ができる。したがって、被検物体の欠陥密度を測定する
場合には、測定できる欠陥密度の下限を低くすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のレーザ走査装置で複数断面を走査す
る場合の光束および該複数断面に直角な方向Zの光強度
Iの分布の様子を示すグラフである。
【図2】 本発明の一実施例に係る半導体ウエハ等の内
部欠陥を評価するためのレーザトモグラフィ装置の構成
を示す模式図である。
【図3】 図2の装置において粒子位置を求める原理を
示すグラフである。
【図4】 レーザ光の強度Iが光束の半径方向に関しガ
ウス分布を呈する様子を示すグラフである。
【図5】 従来の装置において得られる断面画像を示す
模式図である。
【図6】 矩形型の強度分布を有するレーザ光の強度分
布を示すグラフである。
【符号の説明】
201:レーザ装置、203:レーザ光、205:照明
部分、207:集光レンズ、209:被検物体、21
1:ステージ装置、213:コンピュータ、215:顕
微鏡、217:TVカメラ、219:画像処理装置、2
21:表示装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/84 - 21/958 H01L 21/66 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光強度が光束の半径方向についてガウス
    分布を呈するレーザ光を照射する手段、およびこのレー
    ザ光の光束を、このレーザ光の集光された照明部分の光
    半径に等しくしたときよりも多くの断面が得られるよ
    うな間隔を相互に有する複数断面に沿って被検物体中を
    移動させる手段を具備することを特徴とするレーザ走査
    装置。
  2. 【請求項2】 光強度が光束の半径方向についてガウス
    分布を呈するレーザ光を被検物体に照射し、そのレーザ
    光を被検物体中で走査し欠陥による散乱光を検出して画
    像を形成する方法において、このレーザ光の集光された
    照明部分の光束の半径に等しくしたときよりも多くの断
    面が得られるような間隔を相互に有する複数断層像を得
    ることを特徴とする画像形成方法。
  3. 【請求項3】 画像の形成は、前記複数断層像のうち隣
    接して連続する複数を重畳して1つの断面画像を形成す
    ることを含むことを特徴とする請求項2記載の画像形成
    方法。
  4. 【請求項4】 前記複数断層像のうち隣接して連続する
    複数の画像において見出される、被検物体内のある1つ
    の欠陥部分についての像に基きその像の位置が特定され
    ることを特徴とする請求項2記載の画像形成方法。
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JP5637841B2 (ja) * 2010-12-27 2014-12-10 株式会社日立ハイテクノロジーズ 検査装置
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CN106442539B (zh) * 2016-08-31 2019-04-12 杭州潇楠科技有限公司 利用图像信息测量工件表面缺陷的方法

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半導体研究、第29巻、第137−173頁(1988年8月15日発行)

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