JP3141213B2 - 磁性体検出装置及び磁性体検出装置を用いた回転計 - Google Patents

磁性体検出装置及び磁性体検出装置を用いた回転計

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JP3141213B2
JP3141213B2 JP04096254A JP9625492A JP3141213B2 JP 3141213 B2 JP3141213 B2 JP 3141213B2 JP 04096254 A JP04096254 A JP 04096254A JP 9625492 A JP9625492 A JP 9625492A JP 3141213 B2 JP3141213 B2 JP 3141213B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性体の移動を検出し
得る磁性体検出装置、特に、バルクハウゼン効果を有す
る磁性線を含むパルス発生素子を用いた磁性体検出装置
及びかかる磁性体検出装置を用いて回転体の動作を検出
する回転計に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁性体の一種としての磁石の移動
を検出するために、バルクハウゼン効果を有する磁性線
を含むパルス発生素子を用いた装置及びかかる装置を応
用した回転計が知られている。
【0003】かかる検出装置は、例えば、特開昭56−
158531号公報等に示されるように、バルクハウゼ
ン効果を有する磁性線の周囲にピックアップコイルを巻
回したパルス発生素子を用いている。また、バルクハウ
ゼン効果を有する磁性線の線材として、バナジウム−コ
バルト−鉄合金又はニッケル−鉄合金等の鉄系材料を用
いている。このようなパルス発生素子の一端面に対向す
るように第一の磁石を配置し、この第一の磁石により上
述した磁性線を予め当該第一の磁石の方向に磁化してお
く。そして、前記パルス発生素子の他端面の近傍を第二
の磁石が通過した場合に、当該第二の磁石の磁束の影響
により前記磁性線の磁化の方向が反転する。この磁化の
方向の反転によって、ピックアップコイルにパルスが誘
発され、このパルスを読み取ることにより前記第二の磁
石の移動を検出している。
【0004】また、以上の検出装置を応用した回転計
は、上記と同様のパルス発生素子及び第一の磁石を用
い、上述した第二の磁石を回転体に固定している。そし
て、回転体の回転に伴う第二の磁石の移動を検出するこ
とにより、回転体の動作を検出している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
磁性体検出装置は、上述したように、第一の磁石により
パルス発生素子の磁性線を予め当該第一の磁石の方向に
磁化しておき、パルス発生素子の他端面の近傍を検出の
対象となる第二の磁石が通過した場合に、当該第二の磁
石の磁束の影響により前記磁性線の磁化の方向が反転す
ることを利用したものである。
【0006】従って、ピックアップコイルにパルスを誘
発させるためには、上述したパルス発生素子の他端面の
近傍を第二の磁石が通過しなければならず、このため、
従来の磁性体検出装置では、磁石以外の磁性体、特に、
軟磁性体の移動を検出することができなかった。
【0007】また、かかる従来の磁性体検出装置を応用
した回転計では、上述した第二の磁石を回転体に固定
し、回転体の回転に伴って移動させている。
【0008】従って、回転体に固定する第二の磁石に
は、永久磁石を用いなければならないので、上述したパ
ルス発生素子の磁性線の磁化の方向を反転させる磁場
(磁束)の発生源が限定されていた。
【0009】本発明の目的は、軟磁性体の移動を検出す
ることができる磁性体検出装置を提供することにある。
【0010】また、本発明の別の目的は、上述したパル
ス発生素子に作用させる磁場の発生源を限定することの
ない回転計を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、軟磁性体が磁
束を有効に通過させる点に着眼したものである。
【0012】即ち、本発明によれば、バルクハウゼン効
果を有する磁性線を含み該磁性線の磁化の方向が反転す
ることによりパルスを発生するパルス発生素子と、該パ
ルス発生素子の前記磁化の方向における一端面に対向し
て配され前記磁性線を磁化している第一の磁石と、前記
パルス発生素子の前記磁化の方向における他端面に対向
して配された第二の磁石とを備え、該第二の磁石と前記
パルス発生素子との間を軟磁性体が通過することによ
り、前記第二の磁石の磁束が前記軟磁性体を介して前記
磁性線の磁化の方向を反転せしめて前記パルス発生素子
がパルスを発生し、このパルスを読み取ることにより前
記軟磁性体の移動を検出することを特徴とする磁性体検
出装置が得られる。
【0013】また、本発明によれば、前記軟磁性体は、
球形であり、前記磁性体検出装置は、更に、前記パルス
発生素子と前記第二の磁石との間に、前記球形の軟磁性
体の通路を挟んで向かい合い、前記第二の磁石の磁束の
漏れを防ぐためにそれぞれ内側が円弧状に形成された一
対の軟磁性体を備えていることを特徴とする磁性体検出
装置が得られる。
【0014】また、本発明によれば、前記第一の磁石及
び第二の磁石の少なくとも一方が、電磁石であることを
特徴とする磁性体検出装置が得られる。
【0015】また、本発明によれば、前記回転体に固定
された軟磁性体と、バルクハウゼン効果を有する磁性線
を含み該磁性線の磁化の方向が反転することによりパル
スを発生するパルス発生素子と、該パルス発生素子の前
記磁化の方向における一端面に対向して配され前記磁性
線を磁化している第一の磁石と、前記パルス発生素子の
前記磁化の方向における他端面と前記軟磁性体の通路を
挟んで対向するように配された第二の磁石とを備え、前
記軟磁性体が前記回転体の回転に伴って移動することに
より、前記第二の磁石の磁束が前記軟磁性体を介して前
記磁性線の磁化の方向を反転せしめて前記パルス発生素
子がパルスを発生し、このパルスを読み取ることにより
前記回転体の動作を検出することを特徴とする回転計が
得られる。
【0016】
【作用】本発明の磁性体検出装置は、軟磁性体が上述し
た第二の磁石とパルス発生素子との間に存在すると、第
二の磁石の磁束が軟磁性体の内部を通過してパルス発生
素子に作用することにより、パルス発生素子に含まれる
磁性線の磁化の方向が反転し、パルス発生素子がパルス
を発生する。
【0017】また、本発明の磁性体検出装置は、更に、
前記パルス発生素子と前記第二の磁石との間に、軟磁性
体の通路を挟んで向かい合い、前記第二の磁石の磁束の
漏れを防ぐためにそれぞれ内側が円弧状に形成された一
対の軟磁性体を備えている。
【0018】従って、検出の対象である軟磁性体が球形
であっても、第二の磁石の磁束は、これら一対の軟磁性
体及びこれらに挟まれた球形の軟磁性体それぞれの内部
を通過し、漏れることなくパルス発生素子に作用する。
【0019】また、本発明の磁性体検出装置は、第二の
磁石に電磁石を用いることもできる。
【0020】また、本発明の回転計は、回転体に固定さ
れた軟磁性体が回転体の回転に伴い第二の磁石とパルス
発生素子との間に来ると、第二の磁石の磁束が軟磁性体
の内部を通過してパルス発生素子に作用する。これによ
り、パルス発生素子がパルスを発生し、このパルスを読
み取ることにより回転体の動作が検出される。
【0021】
【実施例】以下、図1を参照して、本発明の第一の実施
例に係る磁性体検出装置について説明する。
【0022】この磁性体検出装置は、図1に示すよう
に、パルス発生素子1を有する。このパルス発生素子1
は、バルクハウゼン効果を有する磁性線(図示せず)と
該磁性線の周囲に巻回したピックアップコイル(図示せ
ず)を含んでいる。このピックアップコイルの両端部
2、2は、図示しないパルス判定回路に接続されてい
る。
【0023】パルス発生素子1の近傍には、該パルス発
生素子1の一端面1Aに対向して永久磁石から成る第一
の磁石3が配されている。この第一の磁石3が発生する
磁場の作用により、パルス発生素子1に含まれる磁性線
は、図1に矢印4で示す方向に予め磁化されている。
【0024】パルス発生素子1の他の端面1B側には、
該パルス発生素子1からやや離れた位置に、端面1Bに
対向して永久磁石から成る第二の磁石5が配されてい
る。この第二の磁石5は、上述した第一の磁石3よりも
強い磁力を有しているが、第一の磁石3よりもパルス発
生素子1から離れているため、このままでは、パルス発
生素子1に含まれる磁性線の磁化の方向には影響を与え
ない。
【0025】さて、軟磁性体6が図1に矢印7で示す方
向に移動し、第二の磁石5とパルス発生素子1との間を
通過するものと仮定する。この場合、軟磁性体6が上述
した第二の磁石5とパルス発生素子1との間に来ると、
一般に軟磁性体は磁束を有効に通過させる性質を有する
ことから、第二の磁石5の磁束が軟磁性体6の内部を通
過することにより、あたかも第二の磁石5が当該軟磁性
体6の位置まで伸びたかのような状態となる。従って、
パルス発生素子1に含まれる磁性線は、第一の磁石3の
磁場よりも第二の磁石5の磁場により強い影響を受ける
こととなる。この場合、上述したように、パルス発生素
子1の磁性線はバルクハウゼン効果を有することから、
当該磁性線の磁化の方向は図1に矢印8で示す方向に急
激に反転する。これにより、ピックアップコイルにパル
スが誘発されるので、このパルスを、上述したパルス判
定回路を介して読み取ることにより、軟磁性体6の移動
を検出することができる。
【0026】次に、図2を参照して、本発明の第二の実
施例に係る磁性体検出装置について説明する。尚、上述
した実施例と同様の部分については、説明を省略する。
【0027】この磁性体検出装置は、図2に示すよう
に、球形の軟磁性体9の移動を検出するためのものであ
り、更に、パルス発生素子1と第二の磁石5との間に一
対の軟磁性体10A、10Bを備えている。この一対の
軟磁性体10A、10Bは、球形の軟磁性体9の図2に
矢印11で示す通路を挟んで向かい合っており、それぞ
れ内側が円弧状に形成されている。
【0028】さて、球形の軟磁性体9が図2に矢印11
で示す通路を移動し、一対の軟磁性体10Aと10Bの
間を通過するものと仮定する。この場合、球形の軟磁性
体9が上述した一対の軟磁性体10Aと10Bの間に来
ると、第二の磁石5の磁束は、軟磁性体10A、球形の
軟磁性体9、更に軟磁性体10Bの内部を通過する。そ
の際、軟磁性体10A、10Bはそれぞれ内側が円弧状
に形成されているので、第二の磁石5の磁束は、これら
軟磁性体10A、9及び10Bの内部を有効に通過して
パルス発生素子1の磁性線の磁化の方向を反転させる。
従って、ピックアップコイルに誘発されるパルスを読み
取ることにより、球形の軟磁性体9の移動を検出するこ
とができる。
【0029】尚、上述した第一及び第二の実施例では、
第一の磁石3及び第二の磁石5には永久磁石を用いてい
るが、第一の磁石3及び第二の磁石5の双方又は一方に
電磁石を用いることもできる。
【0030】次に、図3を参照して、本発明の第三の実
施例に係る回転計について説明する。
【0031】この回転計は、上述した第一の実施例に係
る磁性体検出装置を応用したものであり、図3に示すよ
うに、円板状の回転体12の円周面に軟磁性体6が固定
されている。また、パルス発生素子1の端面1Bと第二
の磁石5が、軟磁性体6の通路を挟んで対向している。
【0032】本実施例に係る回転計は、以上の構成を有
することから、軟磁性体6が回転体12の回転に伴って
移動することにより、第二の磁石5の磁束が、軟磁性体
6を介してパルス発生素子1の磁性線の磁化の方向を反
転せしめる。これにより、パルス発生素子1がパルスを
発生し、このパルスを読み取ることにより回転体12の
動作を検出することができる。
【0033】尚、第一の磁石3及び第二の磁石5の双方
又は一方に電磁石を用いても良いのは勿論である。従っ
て、従来の回転計では、前述したように、回転体に固定
する第二の磁石には、永久磁石を用いなければならなか
ったのに対し、本発明の回転計では、上述したパルス発
生素子に作用させる磁場の発生源が限定されることがな
い。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、バルクハウゼン効果を
有する磁性線を含み該磁性線の磁化の方向が反転するこ
とによりパルスを発生するパルス発生素子と、該パルス
発生素子の前記磁化の方向における一端面に対向して配
され前記磁性線を磁化している第一の磁石と、前記パル
ス発生素子の前記磁化の方向における他端面に対向して
配された第二の磁石とを備え、該第二の磁石と前記パル
ス発生素子との間を軟磁性体が通過することにより、前
記第二の磁石の磁束が前記軟磁性体を介して前記磁性線
の磁化の方向を反転せしめて前記パルス発生素子がパル
スを発生し、このパルスを読み取ることにより前記軟磁
性体の移動を検出することができる。
【0035】従って、軟磁性体の移動を検出することが
できる磁性体検出装置を提供することが可能である。
【0036】また、本発明によれば、回転体の動作を検
出する回転計において、前記回転体に固定された軟磁性
体と、バルクハウゼン効果を有する磁性線を含み該磁性
線の磁化の方向が反転することによりパルスを発生する
パルス発生素子と、該パルス発生素子の前記磁化の方向
における一端面に対向して配され前記磁性線を磁化して
いる第一の磁石と、前記パルス発生素子の前記磁化の方
向における他端面と前記軟磁性体の通路を挟んで対向す
るように配された第二の磁石とを備え、前記軟磁性体が
前記回転体の回転に伴って移動することにより、前記第
二の磁石の磁束が前記軟磁性体を介して前記磁性線の磁
化の方向を反転せしめて前記パルス発生素子がパルスを
発生し、このパルスを読み取ることにより前記回転体の
動作を検出し得る。
【0037】従って、パルス発生素子に作用させる磁場
の発生源を限定することのない回転計を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例に係る磁性体検出装置を
説明するための図である。
【図2】本発明の第二の実施例に係る磁性体検出装置を
説明するための図である。
【図3】本発明の第三の実施例に係る回転計を説明する
ための図である。
【符号の説明】
1 パルス発生素子 1A、1B パルス発生素子の端面 3 第一の磁石 5 第二の磁石 6 軟磁性体 9 球形の軟磁性体 10A、10B 一対の軟磁性体 12 回転体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 33/00 - 33/18 H01H 36/00 H03K 3/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バルクハウゼン効果を有する磁性線を含
    み該磁性線の磁化の方向が反転することによりパルスを
    発生するパルス発生素子と、該パルス発生素子の前記磁
    化の方向における一端面に対向して配され前記磁性線を
    磁化している第一の磁石と、前記パルス発生素子の前記
    磁化の方向における他端面に対向して配された第二の磁
    石とを備え、該第二の磁石と前記パルス発生素子との間
    を軟磁性体が通過することにより、前記第二の磁石の磁
    束が前記軟磁性体を介して前記磁性線の磁化の方向を反
    転せしめて前記パルス発生素子がパルスを発生し、この
    パルスを読み取ることにより前記軟磁性体の移動を検出
    することを特徴とする磁性体検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁性体検出装置におい
    て、前記軟磁性体は、球形であり、前記磁性体検出装置
    は、更に、前記パルス発生素子と前記第二の磁石との間
    に、前記球形の軟磁性体の通路を挟んで向かい合い、前
    記第二の磁石の磁束の漏れを防ぐためにそれぞれ内側が
    円弧状に形成された一対の軟磁性体を備えていることを
    特徴とする磁性体検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の磁性体検出装置に
    おいて、前記第一の磁石及び第二の磁石の少なくとも一
    方が、電磁石であることを特徴とする磁性体検出装置。
  4. 【請求項4】 回転体の動作を検出する回転計であっ
    て、前記回転体に固定された軟磁性体と、バルクハウゼ
    ン効果を有する磁性線を含み該磁性線の磁化の方向が反
    転することによりパルスを発生するパルス発生素子と、
    該パルス発生素子の前記磁化の方向における一端面に対
    向して配され前記磁性線を磁化している第一の磁石と、
    前記パルス発生素子の前記磁化の方向における他端面と
    前記軟磁性体の通路を挟んで対向するように配された第
    二の磁石とを備え、前記軟磁性体が前記回転体の回転に
    伴って移動することにより、前記第二の磁石の磁束が前
    記軟磁性体を介して前記磁性線の磁化の方向を反転せし
    めて前記パルス発生素子がパルスを発生し、このパルス
    を読み取ることにより前記回転体の動作を検出すること
    を特徴とする回転計。
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