JP3141189B2 - 不同沈下修正床工法及び不同沈下修正床構造 - Google Patents
不同沈下修正床工法及び不同沈下修正床構造Info
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Description
地盤沈下が進行する地域における土間コンクリート床に
不同沈下が発生したとき、イニシャルコストを少なくし
て短時間に復旧させる不同沈下修正床工法及び同床構造
に関する。
下が進行する地域においては、土間コンクリート床を杭
打等で計画した場合、将来周辺地盤と段差が生じ、アク
セスにスロープをつけたりして対応に苦慮する。従来、
前記のような地盤では、土間コンクリート床に不同沈下
が発生した場合、沈下した表面に超早強コンクリートを
打設し、平坦性を回復するオーバーレイ工法が施工され
ている。該オーバーレイ工法は床レベルの測定、床コン
クリート表面の目荒しとハツリ工事を準備するだけで施
工できるので、イニシャルコストは安いが、ハツリ工事
による粉塵の発生、床全面を厚くして修正した場合は床
のライン引き等の再施工が必要、床取出口レベルの修正
が必要、オーバーレイの薄い部分にはひび割れが発生し
易い等のデメリットを抱えている。また、土間コンクリ
ート床の上層がPC舗装されている場合には、下層の改
良地盤に圧力盤を後施工し、上層のPC舗装にリフトア
ップ金具を後付けしてリフトアップするPS方式のリフ
トアップ工法が施工されているが、上層のコンクリート
厚さが厚いため孔加工に時間がかかる、イニシャルコス
トが高い、ジャッキアップに時間がかかる等のデメリッ
トを抱えていて、イニシャルコストを軽減し、土間コン
クリート床の一部でも全体でも対応し易い修正工法の出
現が待たれていた。
題の解決を目的とするものであって、以下の技術思想を
もって解決しようとするものである。 (1)オーバーレイ工法ではハツリ工事の環境公害の課
題、床レベルが高くなる、オーバーレイの薄い部分のひ
び割れ発生等の課題があるので、沈下した上層部分のジ
ャッキアップ工法で修正する方がよい。 (2)土間コンクリート床を、従来のように下層の改良
地盤の上にPC舗装又は鉄筋コンクリートスラブを打設
する2層構造とすると、上層部分が厚くなってジャッキ
アップ工事が大仕掛けとなる。 (3)ジャッキアップし易くするには、最上層に比較的
薄い鉄筋コンクリートブロック版を敷設し、最小限の該
ブロック版をジャッキアップして修正すればよいように
し、中層に鉄筋コンクリートマットスラブ、最下層にセ
メント安定処理工法による改良地盤の3層構造で土間コ
ンクリート床を構成する。 (4)最上層のブロック版の下にビニールシートを介在
させれば、該ブロック版のジャッキアップが容易にな
る。 (5)またブロック版に吊り上げボルト用ネジ孔を穿設
した金具を先付けしておくと、準備工事を時間短縮でき
る。
下のごとく構成される。 (1)地盤沈下が進行する地域における土間コンクリー
ト床を、最上層が比較的薄い鉄筋コンクリートブロック
版、中層が鉄筋コンクリートマットスラブ、最下層がセ
メント安定処理工法による改良地盤の3層構造によって
構成し、該土間コンクリート床に不同沈下が発生した場
合、不同沈下した最上層の最小限の鉄筋コンクリートブ
ロック版をジャッキアップし、生成された空洞にモルタ
ルをグラウト注入して、床レベルを水平に復旧させるこ
とを特徴とする不同沈下修正床工法。 (2)最上層の鉄筋コンクリートブロック版と中層の鉄
筋コンクリートマットスラブとの間にビニールシートを
介在させることを特徴とする前記(1)記載の不同沈下
修正床工法。 (3)不同沈下した土間コンクリート床の床レベルを三
次元計測して最小限のジャッキアップ施工ブロック版を
決定する工程、該施工ブロック版のサイトコンクリート
を中層のマットスラブの上面までカットする工程、カッ
トされたブロック版に中央のジャッキサポート孔とその
周縁の吊り上げボルト用ネジ孔を後加工する工程、該サ
ポート孔にジャッキを設置し、該ボルト用ネジ孔に吊り
上げボルトを連結し、該ジャッキに載置された吊り上げ
台を介して施工ブロック版のジャッキアップを行う工
程、生成された空洞にモルタルをグラウト注入する工
程、の各工程順序で施工されることを特徴とする前記
(1)又は(2)記載の不同沈下修正床工法。 (4) 最上層の鉄筋コンクリートブロック版には吊り
上げボルト用金具が先付けされてあることを特徴とする
前記(1)ないし(3)のいずれかに記載の不同沈下修
正床工法。 (5) 土間コンクリート床が、最上層のジャッキアッ
プ用の吊り上げボルト用金具を先付けした比較的薄い鉄
筋コンクリートブロック版、中層の鉄筋コンクリートマ
ットスラブ、最下層のセメント安定処理方法による改良
地盤の3層構造により構成されてなることを特徴とする
不同沈下修正床構造。 (6) 土間コンクリート床が、最上層のジャッキアッ
プ用の吊り上げボルト用金具を先付けした比較的薄い鉄
筋コンクリートブロック版、中層の鉄筋コンクリートマ
ットスラブ、最下層のセメント安定処理工法による改良
地盤の3層構造により構成され、かつ前記最上層の鉄筋
コンクリートブロック版の一部の不同沈下部分がジャッ
キアップされたものであり、そしてそのジャッキアップ
された鉄筋コンクリートブロックと前記中層の鉄筋コン
クリートマットスラブとの間に形成された空洞部に注入
モルタルグラウトが充填されてなることを特徴とする不
同沈下修正床構造。 (7) 最上層の鉄筋コンクリートブロック版と中層の
鉄筋コンクリートマットスラブとの間にビニールシート
を介在させてなることを特徴とする前記(5)又は
(6)に記載の不同沈下修正床構造。
正床構造の実施例を図面に基づき以下に詳説する。図1
は本工法を施工するための土間コンクリート床の構成断
面図、図2は本工法の説明図であって、2ー1は施工ブ
ロック版の平面図、2ー2は後加工された施工ブロック
版の断面図、図3は本工法の説明図のつづきであって、
3ー1はジャッキアップ直前の施工ブロック版の断面
図、3ー2はジャッキアップ後の施工ブロック版の断面
図である。また図中、1は土間コンクリート床、2は鉄
筋コンクリートブロック版、3は鉄筋コンクリートマッ
トスラブ、4は改良地盤、5はビニールシート、6はジ
ャッキサポート孔、60は反力受、61はジャッキ、7
は吊り上げボルト用ネジ孔、70は吊り上げボルト、8
は吊り上げ台、9は空洞、Eは路床である。
が進行する地域における土間コンクリート床1(図1)
を、最上層を多数枚の比較的薄い鉄筋コンクリートブロ
ック版2とし、中層を鉄筋コンクリートマットスラブ3
とし、最下層をセメント安定処理工法による改良地盤と
する3層構造によって構成し、最上層のブロック版2を
以下に詳説するごとくジャッキアップする。なお、各層
の厚さの割合は最上層:中層:最下層を2:5:5とす
ることが望ましい。 また、該ブロック版2の下にビニ
ールシート5を介在させれば、ジャッキアップが容易と
なる。
面により説明する。図1に示す3層構造の土間コンクリ
ート床1において不同沈下が発生すると、床レベルを三
次元計測して、最上層の鉄筋コンクリートブロック版2
に対し、図2の2ー1図のごとく最小限(図では1枚)
の施工ブロック版20を決定し、そのサイトコンクリー
トを中層の鉄筋コンクリートマットスラブ3の上面まで
カットし、2ー2図のごとく中央のジャッキサポート孔
6とその周縁の吊り上げボルト用ネジ孔7を後加工す
る。次に、図3の3ー1図のごとくサポート孔6に円柱
状の反力受60を設置し、その上にジャッキ61を介挿
してH形状の吊り上げ台8を載置する。また、複数のネ
ジ孔7にはそれぞれ吊り上げボルト70を螺着し、該ボ
ルト70の上部は前記の吊り上げ台8に連結させる。7
1はボルト70用のナット。次に3ー2図のごとくジャ
ッキ61を上昇させ、吊り上げ台8を介してカットされ
たブロック版20のジャッキアップを行う。ジャッキア
ップされた最上層のブロック版20と中層の鉄筋コンク
リートマットスラブ3との間に生成された空洞9に対し
ては、後加工されたモルタル注入口90を介してモルタ
ルをグラウト注入する。
旧するが、ブロック版20のジャッキアップは必要範囲
内の対応のみで完結できる。また、ネジ孔7を穿設した
吊り上げボルト用金具(図示せず)を最上層のブロック
版2に先付けしておけば、2ー2図に図示する相当数の
ネジ孔7の加工手間を省くことができ、最小限のジャッ
キサポート孔の後加工だけで準備工事を完了できる。
下修正床構造は上記の構成及び作用を有するので、以下
のごとき効果を期待できる。すなわち、地盤沈下が進行
する地域において不同沈下が発生したときは、工場、修
理格納庫等の作業機能に必要な床面を短時間に初期の水
平状態に復旧させることができ、その作業機能の早期回
復により生産ロスを最小限にすることができ、ジャッキ
アップのときの準備工事及び使用具が簡易であり、かつ
不同沈下の状況に応じて土間コンクリート床の一部でも
全体でも適切に対処できるからイニシャルコストを低く
抑え、メンテナンスコストも軽減できる。また、ハツリ
工事のような環境公害の原因となる準備工事を必要とし
ない。
構成断面図である。
ク版の平面図、2−2は後加工された施工ブロック版の
断面図である。
ャッキアップ直前の施工ブロック版の断面図、3ー2は
ジャッキアップ後の施工ブロック版の断面図である。
ートブロック版 3:鉄筋コンクリートマットスラブ 4:改良地盤 5:ビニールシート 6:ジャッキサポ
ート孔 7:吊り上げボルト用ネジ孔 8:吊り上げ台 9:空洞 20:施工ブロック
版 60:反力受 61:ジャッキ 70:吊り上げボルト 71:ナット 90:モルタル注入口 E:路床
Claims (7)
- 【請求項1】 地盤沈下が進行する地域における土間コ
ンクリート床を、最上層が比較的薄い鉄筋コンクリート
ブロック版、中層が鉄筋コンクリートマットスラブ、最
下層がセメント安定処理工法による改良地盤の3層構造
によって構成し、該土間コンクリート床に不同沈下が発
生した場合、不同沈下した最上層の最小限の鉄筋コンク
リートブロック版をジャッキアップし、生成された空洞
にモルタルをグラウト注入して、床レベルを水平に復旧
させることを特徴とする不同沈下修正床工法。 - 【請求項2】 最上層の鉄筋コンクリートブロック版と
中層の鉄筋コンクリートマットスラブとの間にビニール
シートを介在させることを特徴とする請求項1記載の不
同沈下修正床工法。 - 【請求項3】 不同沈下した土間コンクリート床の床レ
ベルを三次元計測して最小限のジャッキアップ施工ブロ
ック版を決定する工程、該施工ブロック版のサイトコン
クリートを中層のマットスラブの上面までカットする工
程、カットされたブロック版に中央のジャッキサポート
孔とその周縁の吊り上げボルト用ネジ孔を後加工する工
程、該サポート孔にジャッキを設置し、該ボルト用ネジ
孔に吊り上げボルトを連結し、該ジャッキに載置された
吊り上げ台を介して施工ブロック版のジャッキアップを
行う工程、生成された空洞にモルタルをグラウト注入す
る工程、の各工程順序で施工されることを特徴とする請
求項1又は2記載の不同沈下修正床工法。 - 【請求項4】 最上層の鉄筋コンクリートブロック版に
は吊り上げボルト用金具が先付けされてあることを特徴
とする請求項1ないし3のいずれかに記載の不同沈下修
正床工法。 - 【請求項5】 土間コンクリート床が、最上層のジャッ
キアップ用の吊り上げボルト用金具を先付けした比較的
薄い鉄筋コンクリートブロック版、中層の鉄筋コンクリ
ートマットスラブ、最下層のセメント安定処理工法によ
る改良地盤の3層構造により構成されてなることを特徴
とする不同沈下修正床構造。 - 【請求項6】 土間コンクリート床が、最上層のジャッ
キアップ用の吊り上げボルト用金具を先付けした比較的
薄い鉄筋コンクリートブロック版、中層の鉄筋コンクリ
ートマットスラブ、最下層のセメント安定処理工法によ
る改良地盤の3層構造により構成され、かつ前記最上層
の鉄筋コンクリートブロック版の一部の不同沈下部分が
ジャッキアップされたものであり、そしてそのジャッキ
アップされた鉄筋コンクリートブロックと前記中層の鉄
筋コンクリートマットスラブとの間に形成された空洞部
に注入モルタルグラウトが充填されてなることを特徴と
する不同沈下修正床構造。 - 【請求項7】 最上層の鉄筋コンクリートブロック版と
中層の鉄筋コンクリートマットスラブとの間にビニール
シートを介在させてなることを特徴とする請求項5又は
6に記載の不同沈下修正床構造。
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JP06095505A JP3141189B2 (ja) | 1994-04-11 | 1994-04-11 | 不同沈下修正床工法及び不同沈下修正床構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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JPH07279441A JPH07279441A (ja) | 1995-10-27 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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1994
- 1994-04-11 JP JP06095505A patent/JP3141189B2/ja not_active Expired - Fee Related
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