JP3141095B2 - ばね定数可変機構及びそれを用いた自動二輪車等のフロントフォーク - Google Patents

ばね定数可変機構及びそれを用いた自動二輪車等のフロントフォーク

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JP3141095B2
JP3141095B2 JP08104821A JP10482196A JP3141095B2 JP 3141095 B2 JP3141095 B2 JP 3141095B2 JP 08104821 A JP08104821 A JP 08104821A JP 10482196 A JP10482196 A JP 10482196A JP 3141095 B2 JP3141095 B2 JP 3141095B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ばね定数可変機構及び
それを用いた自動二輪車等のフロントフォークに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、自動二輪車用フロントフォークと
して、特開昭57-167883 号公報に記載のものがある。こ
のフロントフォークは、内筒と外筒を摺動自在に嵌合
し、内筒と外筒の間に緩衝用コイルばねを介装してなる
ものであり、該ばねを複数のばね体の直列接続によって
構成している。このとき、各ばね体は接続片を挟み、そ
れらの座面を接続片の接続平面に着座させる状態で互い
に直列接続されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、従来技術
には、下記、の問題点がある。 各ばね体のばね定数kは、 k=Gd4 /8D3 n (nは巻数、dは線径、Dはコイル径、Gは材料の横弾
性係数) であり、巻数nの関数である。そして、ばね全体の合成
ばね定数Kは、 1/K=(1/ka)+(1/kb) (ka、kbは各ばね体のばね定数) である。従って、ばねの全長を一定とし、各ばね体の材
料、ピッチ、線径、コイル径を同一とする限り、合成ば
ね定数の設定因子は、各ばね体の巻数(長さ)を互いに
変化させることのみとなり、合成ばね定数の設定の多様
化に限界がある。
【0004】各ばね体がそれらの座面を接続片の接続
平面に着座される状態で互いに直列接続されている。従
って、各ばね体の座面の軸直角加工を必要とするばかり
でなく、該座面の軸直角精度によっては、各ばね体の軸
線が接続片の接続平面に対して傾き、ばね全体では各ば
ね体の接続部で折れの如くを生じて該ばねの倒れ、ひい
ては作動不良を生ずる虞れがある。尚、フロントフォー
クでは、ばねの全長が長く、線径が細いので、上述の倒
れを生じ易い。
【0005】本発明は、自動二輪車用フロントフォーク
において、複数のばね体からなるばねを用いるに際
し、合成ばね定数の設定を多様化でき、然もばねの倒れ
を容易に防止可能とすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、同一のコイル平均径、同一のピッチからなり、端末
部を含む全長に渡って一様ならせん状をなす少なくとも
2つの圧縮コイルばねのらせん状端末部同士をそれらの
軸方向から互いに螺合し、それらの素線の一部が互いに
重なり合うように、且つ、重なり合った2つの線とコイ
ル軸方向で隣り合う重なり合った2つの線との間に隙間
を形成するように結合して重なり合った部分もばねとし
て用い、この重なり合う部分の長さを変えて合成ばね定
数を変えるようにしたものである。請求項に記載の本
発明は、同一のコイル平均径、同一のピッチ、同一の線
径からなり、端末部を含む全長に渡って一様ならせん状
をなす少なくとも2つの圧縮コイルばねのらせん状端末
部同士をそれらの軸方向から互いに螺合し、それらの素
線の一部が互いに重なり合うように、且つ、重なり合っ
た2つの線とコイル軸方向で隣り合う重なり合った2つ
の線との間に隙間を形成するように結合して重なり合っ
た部分もばねとして用い、この重なり合う部分の長さを
変えて合成ばね定数を変えるようにしたものである。請
求項に記載の本発明は、内筒と外筒を摺動自在に嵌合
し、内筒と外筒の間に圧縮コイルばねを介装してなる自
動二輪車等のフロントフォークにおいて、前記圧縮コイ
ルばねは同一のコイル平均径、同一のピッチからなり、
端末部を含む全長に渡って一様ならせん状をなす複数の
圧縮コイルばねのらせん状端末部同士をそれらの軸方向
から互いに螺合し、且つ、螺合した2つの線とコイル軸
方向で隣接する螺合した2つの線との間に隙間を形成す
るように螺合し、この螺合した部分もばねとして用い
なるようにしたものである。請求項に記載の本発明
は、内筒と外筒を摺動自在に嵌合し、内筒と外筒の間に
圧縮コイルばねを介装してなる自動二輪車等のフロント
フォークにおいて、前記圧縮コイルばねは同一のコイル
平均径、同一のピッチ、同一の線径からなり、端末部を
含む全長に渡って一様ならせん状をなす複数の圧縮コイ
ルばねのらせん状端末部同士をそれらの軸方向から互い
に螺合し、且つ、螺合した2つの線とコイル軸方向で隣
接する螺合した2つの線との間に隙間を形成するように
螺合し、 この螺合した部分もばねとして用いてなるよう
にしたものである。
【0007】
【作用】本発明によれば、下記、の作用がある。 緩衝用ばねを例えば第1ばね体と第2ばね体との結合
からなるものとするとき、ばね全体の合成ばね定数K
は、
【数1】 である。但し、ka1 は第1ばね体の非螺着結合部のば
ね定数、ka2 は第1ばね体の螺着結合部のばね定数、
kb1 は第2ばね体の非螺着結合部のばね定数、kb2
は第2ばね体の螺着結合部のばね定数である。従って、
ばねの全長を一定とし、各ばね体の材料、ピッチ、線
径、コイル径を同一とする場合に、合成ばね定数の設定
因子は、(a) 各ばね体の単品での巻数(長さ)を変化さ
せること、(b) 各ばね体の螺着結合部の巻数(長さ)を
変化させることになり、合成ばね定数の設定を多様化で
きる。
【0008】各ばね体を螺着結合することにより一軸
化できる。従って、各ばね体の接続端部の座面を軸直角
加工する必要もなく、ばね全体を折れのないストレート
状にて直列接続できる。これにより、ばねの倒れ、ひい
ては作動不良を容易に防止できる。
【0009】
【実施例】図1は本発明の一実施例に係る自動二輪車用
フロントフォークを示す断面図、図2は図1の要部断面
図、図3はダンパーシリンダのピストンを示す模式図、
図4は調整ロッドの回転構造を示す模式図、図5は調整
ロッドとばね受駆動部材との嵌合構造を示す模式図、図
6は温度補償構造を示す模式図、図7は緩衝ばねを示す
模式図である。
【0010】自動二輪車用フロントフォーク10は、内
筒11を車軸側に配置する倒立式であり、内筒11と外
筒12とを摺動自在に嵌合し、内筒11の内部にダンパ
ーシリンダ13を配設し、ダンパーシリンダ13の内部
に減衰力発生装置14を備えるピストン15を摺動自在
に嵌装し、ダンパーシリンダ13の外部である内筒11
と外筒12の内部に油室16Aと気体室16Bからなる
反力室16を構成している。
【0011】尚、外筒12の下端部にはシール17A、
17Bを介してキャップ17が螺着され、キャップ17
には、内筒11の外周面に接するシール18及びベアリ
ング19が保持されている。また、外筒12の上端部に
はシール21を介してフォークボルト22が螺着され、
外筒12の上端側中間部には内筒11の外周面に接する
ベアリング23が保持されている。そして、内筒11の
下端部にはアクスルホルダ24が螺着されている。24
Aは車軸取付孔である。
【0012】また、内筒11の下端部には据付ボルト2
5によりシリンダ取付カラー26が固定され、カラー2
6の上端内周部にはダンパーシリンダ13の下端外周部
が螺着によって固定されている。27はロックナットで
ある。
【0013】また、外筒12の上端部に設けたフォーク
ボルト22の内周部には、ばね調整用ダイアル28がシ
ール29を介して嵌着され、かつ該ばね調整用ダイアル
28の外筒12内に位置する下端小外径部にはダイアル
係止部材31が螺着され、ばね調整用ダイアル28を回
動自在に連結している。そして、ばね調整用ダイアル2
8の外筒12内に位置する上記下端小外径部には、更に
ばね受32が螺着され、このばね受32と、ダンパーシ
リンダ13の上端側の後述するばね受33との間には、
緩衝ばね34が介装されている。ばね受32はフォーク
ボルト22の内面軸方向に刻設されている回り止め溝3
5に係合する突起36を備えている。これにより、ばね
調整用ダイアル28が回転操作せしめられると、ダイア
ル28の下端小外径部に螺着されているばね受32を軸
方向に移動し、ばね34の初期設定長を調節可能とす
る。
【0014】フロントフォーク10において、気体室1
6Bの気体と、ばね34とは、内筒11と外筒12との
収縮時に反発力を発生し、乗員等の車載重量、或いは車
輪側からの衝撃力を弾発的に支持する。
【0015】尚、内筒11のダンパーシリンダ13上端
部より上方には、内外に貫通する油孔37が設けられて
おり、油室16Aの油の一部を内筒11と外筒12との
間に導入可能とし、これによって前述したベアリング1
9、23を潤滑可能としている。
【0016】然るに、ダンパーシリンダ13にあって
は、ピストン15を固設する中空状ピストンロッド41
をシール42、43を介して該シリンダ13の外部に延
出し、ピストンロッド41の下端部はシリンダ取付カラ
ー26内に延びる自由端とし、ピストンロッド41の上
端部は外筒12の側に固定されている。ここで、ピスト
ンロッド41の上端部は前述のばね調整用ダイアル28
の外筒12内に位置する下端内径部にシール44を介し
て螺着固定されているロッド取付部材45にシール46
を介して螺着固定されている。47はロックナットであ
る。これにより、内筒11と外筒12とが伸縮すると
き、ダンパーシリンダ13は内筒11側に静止し、ピス
トンロッド41は外筒12とともに移動し、ピストン1
5がシリンダ13内を移動することとなる。
【0017】尚、ダンパーシリンダ13の下端内径部に
はシール48を介してロッドガイド49が固定され、ロ
ッドガイド49にはピストンロッド41の外周面に接す
る前述のシール42が保持されている。
【0018】また、ダンパーシリンダ13の上端内径部
にはシール52を介してロッドガイド53が固定され、
ロッドガイド53にはピストンロッド41の外周面に接
する前述のシール43が保持されている。また、ダンパ
ーシリンダ13の上端外径部にはシール54を介して隔
壁部材55が固定され、隔壁部材55には内筒11の内
周面に接するシール56が保持されている。これによ
り、フロントフォーク10にあっては、ダンパーシリン
ダ13の上端と内筒11、外筒12とを互いに密封し、
ダンパーシリンダ13の上方に前述の油室16Aと気体
室16Bからなる反力室16を構成している。
【0019】尚、上述の隔壁部材55の上端外周部には
カラー57の下端部が装着され、カラー57の上端部に
前述したばね34のばね受33を支持している。
【0020】然るに、フロントフォーク10の減衰力発
生装置14は、ピストンロッド41回りにおいて以下の
如くに構成されている。尚、ピストンロッド41は、下
中空ロッド41Aと、下中空ロッド41Aの上端外径部
に螺着されている油ロックピース41Bと、油ロックピ
ース41Bの上端内径部に螺着されている雌ねじ部材4
1Cと、雌ねじ部材41Cの上端内径部に螺着されてい
る上中空ロッド41Dの4部材の連結にて構成されてい
る。58はロックナットである。
【0021】減衰力発生装置14は、ピストン15を固
設してあるピストンロッド41の内部に設けられて該ピ
ストン15の上下の油室59A、59Bを連通する油路
61、62、63を備える。油路61は雌ねじ部材41
Cに穿設され、油路62は雌ねじ部材41Cの内径部に
て構成され、油路63は油ロックピース41Bに穿設さ
れている。そして、油路63の出口部に逆止弁63Aを
設けている。これにより、油路61〜63は引側流路を
構成するものとなっている。
【0022】また、減衰力発生装置14は、図3に示す
如く、ピストンロッド41の外周に設けられて、該ピス
トン15の引側流路64、押側流路65のそれぞれを開
閉する、引側ディスクバルブ66、押側ディスクバルブ
67を備える。引側ディスクバルブ66は油ロックピー
ス41Bに背面支持されるスペーサ68により支持され
ており、押側ディスクバルブ67は雌ねじ部材41Cに
背面支持されるスペーサ69により支持されている。そ
して、押側ディスクバルブ67は、雌ねじ部材41Cの
外周部に装着されているバルブスプリング受71が支持
するバルブスプリング72により押え部材73を介して
背面支持され、このバルブスプリング72の取付長さ変
化に基づくばね力の変化により開放圧を調整可能とされ
ている。
【0023】このとき、ピストンロッド41を構成する
上中空ロッド41Dの内部には、調整ロッド74が軸方
向に移動自在及び回動自在に延設されており、(a) 調整
ロッド74の先端ニードル弁74Aの軸方向移動により
前述の引側流路としてのピストンロッド内油路62の開
口面積を調節し、ひいては引側減衰力を調整可能とす
る。また(b) 調整ロッド74の回動によるバルブスプリ
ング受71の移動により上述のバルブスプリング72の
取付長さを調節し、押側ディスクバルブ67の開放圧を
調節することにより、ひいては押側減衰力を調節可能と
する。
【0024】尚、上記(b) のバルブスプリング受71の
移動構造は以下の如くである。即ち、バルブスプリング
受71に一体化されているピン75は雌ねじ部材41C
に設けてあるスリット76の内部に突出している。他
方、図5に示す如く、調整ロッド74のスリ割端面部7
4Bには軸方向にのみ移動可能な雄ねじ部材77が嵌着
され、この雄ねじ部材77は雌ねじ部材41Cに螺着し
ている。これにより、調整ロッド74が回転すると、こ
れと一体に回転する雄ねじ部材77が雌ねじ部材41C
に対して螺動して軸方向に進み、雄ねじ部材77の端面
がバルブスプリング受71のピン75を押込み、ひいて
はバルブスプリング受71を移動せしめ、結果としてバ
ルブスプリング72の取付長さを調節可能とする。
【0025】また、上記(b) の押側減衰力調節のための
調整ロッド74の回動は以下の構造によりなされる。即
ち、前述のばね調整用ダイアル28の外端側内径部には
固定リング78が螺着され、押側用ダイアル81と係止
部材82とがボルト83により一体化された状態で上記
固定リング78を両側から挟み、押側用ダイアル81及
び係止部材82を回転のみ可能としている。そして、図
4に示す如く、係止部材82の先端にはスリット84が
設けられ、調整ロッド74の基端にはピン85が設けら
れ、スリット84とピン85とを常時係合せしめてい
る。これにより、押側用ダイアル81を回転操作する
と、スリット84とピン85の係合を介して、調整ロッ
ド74が回動せしめられることとなる。
【0026】また、上記(a) の引側減衰力調節のための
調整ロッド74の軸方向移動は以下の構造によりなされ
る。即ち、上述の押側用ダイアル81と一体の係止部材
82にはねじ軸86が螺着され、ねじ軸86の外方突出
端には引側用ダイアル87が止めねじ88により固定さ
れている。他方、調整ロッド74の前述ロッド取付部材
45を貫通した外方端部回りに止め輪91を係止すると
ともに、ロッド取付部材45の端面と止め輪91との間
にロッド戻しばね92を介装し、ばね92の弾発力によ
り調整ロッド74の外方端面を常時ねじ軸86の内方端
面に圧接せしめている。これにより、引側用ダイアル8
7を回転操作すると、ねじ軸86が係止部材82に螺動
して移動し、ひいては調整ロッド74を軸方向に移動せ
しめることとなる。尚、係止部材82のねじ軸86回り
にはディテントボール93が内蔵されており、このディ
テントボール93がねじ軸86の外周部の周方向に設け
られている多数の凹溝のいずれかに順次係合し、引側用
ダイアル87の回転操作位置を多段階的に可変せしめ
る。
【0027】更に、フロントフォーク10にあっては、
ピストンロッド41の内部に温度補償機能を備える補償
室94を備える。即ち、前述した油路61〜63に連通
する下中空ロッド41Aの上端側内径部には、図6に示
す如く、シール95を介してオリフィス体96が嵌合さ
れ、オリフィス体96の上端面には直径方向に刻設され
るスリット97を備え、更にばね98に背面支持されて
いる逆止弁99をこのスリット端面に圧接せしめてい
る。96Aはオリフィスである。そして、下中空ロッド
41Aのオリフィス体96より下端側内径部を油室10
0とし、補償室94の最奥部にはプランジャ101が軸
方向移動可能に装入されている。このとき、下中空ロッ
ド41Aの下端内径部にはキャップ102が封着され、
キャップ102とプランジャ101との間を上述の補償
室94とし、この補償室94内に気体と圧縮ばね103
を内蔵している。これにより、ダンパーシリンダ13内
の油温上昇により膨張する油は、油路61〜63からオ
リフィス体96のスリット97、オリフィス96Aを経
て油室100に逃げ込み、補償室94を圧縮することに
て吸収される。その後、ダンパーシリンダ13内の油温
が低下すれば、補償室94が膨張して、油室100内に
逃げ込んでいた上述の油をダンパーシリンダ13側に戻
すのである。
【0028】尚、フロントフォーク10にあっては、ダ
ンパーシリンダ13の下室59Bの最下端部にオイルロ
ックハウジング111を固定しており、内筒11と外筒
12との再収縮時に、ピストンロッド41の油ロックピ
ース41B先端部をこのオイルロックハウジング111
に入り込ませることにて両者間の油圧を上昇せしめ、押
側ストローク端での緩衝を行なう。
【0029】また、フロントフォーク10にあっては、
ダンパーシリンダ13の上室59Aの最上端部にリバウ
ンドスプリング112を配設しており、内筒11と外筒
12との再伸長時に、ピストンロッド41の雌ねじ部材
41C上端面をこのリバウンドスプリング112に衝突
させてこのスプリング112を圧縮せしめ、引側ストロ
ーク端での緩衝を行なう。
【0030】ここで、フロントフォーク10にあって
は、前述の緩衝ばね34が第1と第2の2つのばね体3
4A、34Bを直列接続して構成され、各ばね体34
A、34Bがそれらの素線を互いに一部螺着接合され、
且つ螺着接合した2つの線とコイル軸方向で隣接する螺
着接合した2つの線との間に隙間を形成するように螺着
接合されている。
【0031】このとき、ばね34の全体の合成ばね定数
Kは、
【数2】 である。但し、ka1 は第1ばね体の非螺着結合部のば
ね定数、ka2 は第1ばね体の螺着結合部のばね定数、
kb1 は第2ばね体の非螺着結合部のばね定数、kb2
は第2ばね体の螺着結合部のばね定数である。ばね体3
4A、34Bが同一の材料、ピッチ、線径、コイル径で
あればka2 =kb2 、更に同一の長さであればka1
=kb1 となる。
【0032】以下、フロントフォーク10の動作につい
て説明する。 (1) フロントフォーク10の内筒11、外筒12が圧縮
作動すると、ダンパーシリンダ13の下室59Bが収縮
し、その油はピストン15の押側流路65から押側ディ
スクバルブ67を押し開いて上室59Aに移動し、押側
減衰力を発生する。このとき、気体室16Bの気体と、
ばね34とは、反発力を発生し、乗員等の車載重量、或
いは車輪側からの衝撃力を弾発的に支持する。
【0033】(2) フロントフォーク10の内筒11、外
筒12が伸長動作すると、上室59Aが収縮し、その油
の一部はピストン15の引側流路64から引側ディスク
バルブ66を押し開いて下室59Bに移動するととも
に、他の一部はピストンロッド41内で油路61、ニー
ドル弁74Aに絞られている油路62、63、逆止弁6
3Aを経て下室59Bに移動し、引側減衰力を発生す
る。
【0034】次に、本実施例の作用について説明する。 緩衝ばね34において、ばね34の全長を一定とし、
各ばね体34A、34Bの材料、ピッチ、線径、コイル
径を同一とする場合に、合成ばね定数Kの設定因子は、
(a) 各ばね体34A、34Bの単品での巻数(長さ)を
変化させること、(b) 各ばね体34A、34Bの螺着結
合部ka2 、kb2 の巻数(長さ)を変化させることに
なり、合成ばね定数Kの設定を多様化できる。
【0035】各ばね体34A、34Bを螺着結合する
ことにより一軸化できる。従って、各ばね体34A、3
4Bの接続端部の座面を軸直角加工する必要もなく、ば
ね34の全体を折れのないストレート状にて直列接続で
きる。これにより、ばね34の倒れ、ひいては作動不良
を容易に防止できる。
【0036】尚、本発明の実施においては、外筒を車軸
側に配置する正立式フロントフォークとし、下側となる
外筒にダンパーシリンダを固定し、ダンパーシリンダの
ピストンロッドを上側となる内筒に固定するものであっ
ても良い。
【0037】以上のように本発明によれば、自動二輪車
用フロントフォークにおいて、複数のばね体からなる
ばねを用いるに際し、合成ばね定数の設定を多様化で
き、然もばねの倒れを容易に防止可能とすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例に係る自動二輪車用フ
ロントフォークを示す断面図である。
【図2】図2は図1の要部断面図である。
【図3】図3はダンパーシリンダのピストンを示す模式
図である。
【図4】図4は調整ロッドの回転構造を示す模式図であ
る。
【図5】図5は調整ロッドとばね受駆動部材との嵌合構
造を示す模式図である。
【図6】図6は温度補償構造を示す模式図である。
【図7】図7は緩衝ばねを示す模式図である。
【符号の説明】 10 フロントフォーク 11 内筒 12 外筒 34 ばね 34A、34B ばね体

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一のコイル平均径、同一のピッチから
    なり、端末部を含む全長に渡って一様ならせん状をなす
    少なくとも2つの圧縮コイルばねのらせん状端末部同士
    をそれらの軸方向から互いに螺合し、それらの素線の一
    部が互いに重なり合うように、且つ、重なり合った2つ
    の線とコイル軸方向で隣り合う重なり合った2つの線と
    の間に隙間を形成するように結合して重なり合った部分
    もばねとして用い、この重なり合う部分の長さを変えて
    合成ばね定数を変えるようにしたことを特徴とするばね
    定数可変機構。
  2. 【請求項2】 同一のコイル平均径、同一のピッチ、同
    一の線径からなり、端末部を含む全長に渡って一様なら
    せん状をなす少なくとも2つの圧縮コイルばねのらせん
    状端末部同士をそれらの軸方向から互いに螺合し、それ
    らの素線の一部が互いに重なり合うように、且つ、重な
    り合った2つの線とコイル軸方向で隣り合う重なり合っ
    た2つの線との間に隙間を形成するように結合して重な
    り合った部分もばねとして用い、この重なり合う部分の
    長さを変えて合成ばね定数を変えるようにしたことを特
    徴とするばね定数可変機構。
  3. 【請求項3】 内筒と外筒を摺動自在に嵌合し、内筒と
    外筒の間に圧縮コイルばねを介装してなる自動二輪車等
    のフロントフォークにおいて、前記圧縮コイルばねは同
    一のコイル平均径、同一のピッチからなり、端末部を含
    む全長に渡って一様ならせん状をなす複数の圧縮コイル
    ばねのらせん状端末部同士をそれらの軸方向から互いに
    螺合し、且つ、螺合した2つの線とコイル軸方向で隣接
    する螺合した2つの線との間に隙間を形成するように
    合し、この螺合した部分もばねとして用いてなることを
    特徴とする自動二輪車等のフロントフォーク。
  4. 【請求項4】 内筒と外筒を摺動自在に嵌合し、内筒と
    外筒の間に圧縮コイルばねを介装してなる自動二輪車等
    のフロントフォークにおいて、前記圧縮コイルばねは同
    一のコイル平均径、同一のピッチ、同一の線径から
    り、端末部を含む全長に渡って一様ならせん状をなす
    数の圧縮コイルばねのらせん状端末部同士をそれらの軸
    方向から互いに螺合し、且つ、螺合した2つの線とコイ
    ル軸方向で隣接する螺合した2つの線との間に隙間を形
    成するように螺合し、この螺合した部分もばねとして用
    てなることを特徴とする自動二輪車等のフロントフォ
    ーク。
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